JPH0615301Y2 - 操作レバーのロック装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、操作レバーのロック装置に関し、特に一直線
上に複数本隣接配置された操作レバーを簡単な操作で同
時に中立位置に保持できるロック装置に関する。

〔従来の技術〕

各種クレーン，杭打機等の建設機械には、例えばベース
マシンの旋回、ビームの上下、ウィンチの駆動等の作動
を制御する多数の操作レバーが操作スタンドの操作面か
ら突出している。これらの操作レバーは、通常、同系統
のものが纏めて略一直線上に隣接して配列され、各操作
レバーを該直線に対して略直交する方向に傾倒操作する
ことにより上記各種作動を行うようにしている。

一方、上記各種操作を一時的に中立位置に保持し、機器
の現状を維持させるための手段として、例えば油圧回路
において、パイロット圧力により制御されるコントロー
ルバルブは、ソレノイドバルブ等により該コントロール
バルブに接続される配管をブロックし、コントロールバ
ルブの動きを防止して中立を保持させるものがある。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述のロック手段を、操作レバーに直接
あるいは機械的に接続されているコントロールバルブに
対して適用することは困難であり、簡単な操作で中立状
態を保持できるロック装置が望まれていた。

そこで本考案は、簡単な構造及び操作で操作レバーをロ
ックし、中立状態を保持できる操作レバーのロック装置
を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記した目的を達成するために、本考案は、操作スタン
ドの操作面から略一直線上に隣接して突出させるととも
に該直線に対して略直交する方向に傾倒操作する複数の
操作レバーを、同時に中立状態に保持するロック装置に
おいて、前記直線と直交する方向の支軸により回動する
ヒンジ部材を、前記直線の延長線上の操作面端部に設
け、前記操作レバーの傾倒を規制する二股部を有するロ
ック部材を、前記ヒンジ部材に形成された保持部に前記
直線と同方向にスライド可能に保持し、前記操作面の反
ヒンジ部材側端部に、前記ロック部材の二股部先端が係
合する係止部材を設け、かつ前記二股部先端近傍にスラ
イド操作用つまみを固設したことを特徴としている。

〔作用〕

したがって、スライド操作用つまみにて、ヒンジ部材に
設けられた保持部に保持されたロック部材を操作スタン
ドの操作面上をスライドさせて、ロック部材の二股部先
端を係止部材に係合することにより、二股部が略一直線
上に隣接して配列している操作レバーの両側に位置し、
操作レバーの傾倒を規制して、操作レバーを中立状態に
保持することができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

図面は、例えば杭打機におけるベースマシンの旋回用レ
バー、走行用レバー、装舵レバー等の３本の操作レバー
１，１，１を纏めた操作スタンド２を示すもので、第１
図は平面図、第２図は正面図、第３図は側面図である。

各操作レバー１は、操作スタンド２の操作面から略一直
線上に隣接して中立位置となるように突出させるととも
に、該直線に対して略直交する方向に傾倒操作できるよ
う配列されている。

各操作レバー１を同時に中立位置に保持するロック装置
１０は、前記直線の延長線上の操作面端部に設けられた
ヒンジ部材１１と、該ヒンジ部材１１にスライド可能に
保持されるロック部材１２と、前記操作面の反ヒンジ部
材側端部に設けられた係止部材１３とから構成されてい
る。

前記ヒンジ部材１１は、前記直線と直交する方向に配置
される軸１４により回動するもので、その回動端には、
前記ロック部材１２を前記直線と同方向にスライド可能
に保持する保持部１５，１５が設けられている。

前記ロック部材１２は、前記操作レバー１の傾倒を規制
する二股部１２ａ，１２ａを有し、該二股部１２ａ，１
２ａが前記保持部１５，１５に挿通されて、該保持部１
５，１５によりスライド可能に保持されている。このロ
ック部材１２の二股部１２ａ，１２ａの開口幅は、前記
各操作レバー１の軸部１ａより広く、かつ操作レバーの
作動位置までの傾倒を規制できる寸法に形成されてい
る。また、一方の二股部１２ａの先端近傍には、スライ
ド操作用つまみ１６及び前記ヒンジ部材１１の保持部１
５からの抜けを防止するストッパー１７が固設されてい
る。

また、前記係止部材１３には、二股部１２ａ，１２ａの
先端が挿入される開口部１８が形成されている。

尚、ロック部材１２の配置高さは、操作レバー１の傾倒
操作時の軸部１ａの変位量と、操作スタンド回りの操作
性を考慮して適当な位置に設定すべきである。

このように、構成されたロック装置１０は、図に示すよ
うに、スライド操作用つまみ１６にて、ヒンジ部材１１
に設けられた保持部１５，１５に保持されたロック部材
１２を操作スタンド２の操作面上をスライドさせて、ロ
ック部材１２の二股部１２ａ，１２ａ先端を係止部材１
３に係合することにより、二股部１２ａ，１２ａが略一
直線上に隣接して配列している中立状態の各操作レバー
１の軸部１ａの両側に位置し、操作レバー１の作動位置
への傾倒を規制して、操作レバー１を中立状態に保持す
ることができ、無意識に腕や肩が触れて操作レバー１が
作動位置に傾倒することを防止でき、例えば杭打ち中や
穿孔中のベースマシンの旋回及び走行等の事故を防止す
ることができる。

また、杭打機等の走行中に、ウィンチ関係、ブーム関係
等の操作レバーを前記ロック装置１０によりロックして
おくことにより、走行中にウィンチやブームが作動する
ことを防止できる。さらに複数の操作レバーを容易に中
立状態に保持することができるので、例えば建築組立て
作業におけるクレーンの吊上げ保持も速やかにかつ確実
に行うことができる。

操作レバー１を作動状態にする際には、スライド操作用
つまみ１６を持ってロック部材１２先端部を係止部材１
３から抜き、次いでヒンジ部材１１を中心にして上方に
回動させるとともに、下方にスライドさせることによ
り、第２図に想像線で示す位置にロック部材１２を回動
格納することができる。したがって、ロック部材１２
を、操作レバー１の操作等の邪魔にならない位置に格納
でき、またロックする際にもスライド操作用つまみ１６
を持って上記と逆に回動させるだけでよいため、簡単な
操作で複数の操作レバー１のロック及びロック解除を行
うことができる。

尚、本考案の操作レバーのロック装置は、建設機械に限
らず、複数の操作レバーを上述のように並べて配置して
いる各種機器にも適用することができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、操作スタンドの操作面から略一直
線上に隣接して突出させるとともに該直線に対して略直
交する方向に傾倒操作する複数の操作レバーを、同時に
中心状態に保持する本考案のロック装置は、前記直線と
直交する方向の支軸により回動するヒンジ部材を、前記
直線の延長線上の操作面端部に設け、操作レバーの傾倒
を規制する二股部を有するロック部材を、ヒンジ部材に
形成された保持部に前記直線と同方向にスライド可能に
保持し、前記操作面の反ヒンジ部材側端部に、ロック部
材の二股部先端が係合する係止部材を設け、かつ二股部
先端近傍にスライド操作用つまみを固設したので、ロッ
ク部材の簡単なスライド操作で複数の操作レバーを確実
にロックでき、無意識あるいは不注意による事故を未然
に防止することができ、また、ロック装置の不使用時に
は、スライド操作用つまみを持ってロック部材先端部を
係止部材から抜き、次いでヒンジ部材を中心にして上方
に回動させるとともに、下方にスライドさせることによ
り、ロック部材を操作スタンドの操作面からあまり突出
しない位置に格納することができ、ロック部材を、操作
レバーの操作等の邪魔にならない位置に格納することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案のロック装置を適用した操作スタンドの一実
施例を示すもので、第１図は平面図、第２図は正面図、
第３図は側面図である。 １……操作レバー、２……操作スタンド、１０……ロッ
ク装置、１１……ヒンジ部材、１２……ロック部材、１
２ａ……二股部、１３……係止部材、１６……スライド
操作用つまみ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】操作スタンドの操作面から略一直線上に隣
   接して突出させるとともに該直線に対して略直交する方
   向に傾倒操作する複数の操作レバーを、同時に中立状態
   に保持するロック装置において、前記直線と直交する方
   向の支軸により回動するヒンジ部材を、前記直線の延長
   線上の操作面端部に設け、前記操作レバーの傾倒を規制
   する二股部を有するロック部材を、前記ヒンジ部材に形
   成された保持部に前記直線と同方向にスライド可能に保
   持し、前記操作面の反ヒンジ部材側端部に、前記ロック
   部材の二股部先端が係合する係止部材を設け、かつ前記
   二股部先端近傍にスライド操作用つまみを固設したこと
   を特徴とする操作レバーのロック装置。