JPH0615244U - ガス開閉器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アークの回転を円滑にして遮断性能を向上す
る。 【構成】 固定導体１の下端部に固定接触子２を形成す
ると共に、可動導体３の上端部に固定接触子２に接離す
る可動接触子４を形成し、両接触子２，４の開離時に発
生したアークを、両接触子２，４の上方に配置した駆動
コイル７及びアークランナ８よりなる環状の消弧装置５
により回転消弧するようにしたガス開閉器において、ア
ークランナ８の内周縁部の，アークの回転方向の固定接
触子２を過ぎた位置に，下方に突出したほぼ円弧状の突
部１１を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、アーク回転形のガス開閉器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種ガス開閉器は、例えば図３に示すように構成されている。即ち、 ＳＦ₆ ガス等の絶縁性ガスが封入された遮断器消弧室内に上下方向の固定導体１ が設けられ、この導体１の下端部に固定接触子２が形成され、主軸により回動す る上下方向の可動導体３が設けられ、この導体３の上端部に固定接触子２に接離 する可動接触子４が形成されている。

【０００３】 さらに、両接触子２，４の上方には環状の消弧装置５が配置され、この消弧装 置５は固定導体１に支持された支持導板６と駆動コイル７とこの下面に位置する アークランナ８とからなり、駆動コイル７の両端がそれぞれ支持導板６を介して 固定導体１及びアークランナ８に接続されている。

【０００４】 そして、前記ガス開閉器においては、投入状態から可動導体３を反時計方向に 回動して可動接触子４を固定接触子２より開離すると、両接触子２，４間にアー クが発生し、このアークがアーク自身の浮揚力と可動導体３を流れる電流による ループ電磁力とにより上方向に移動し、やがてアークの足が固定接触子２からア ークランナ８に移行する。

【０００５】 そして、アークがアークランナ８と可動接触子４間に移行することにより、駆 動コイル７にアーク電流が導かれるようになり、コイル７が励磁され、コイル７ による磁界がアークランナ８と可動接触子４間に生じ、この間のアークに電磁力 ，すなわちフレミングの左手の法則に従った回転力が作用し、アークがアークラ ンナ８の内周縁部上を高速回転し、絶縁性ガス雰囲気中で急速冷却されて消弧す る。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

従来の前記ガス開閉器の場合、試験後アークランナ８の下面は、図４に示すよ うに、矢印で示すアークの回転方向の固定接触子２を過ぎた位置にアークの痕跡 ９が集中し、アークランナ８の発弧点がアークランナ８の内周縁部から外側には み出して逸脱しており、アークの回転が円滑でなく、遮断性能が不安定であると いう問題点がある。 本考案は、前記の点に留意し、アークの回転を円滑にして遮断性能を向上する ようにしたガス開閉器を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために、本考案は、固定導体の下端部に固定接触子を形成 すると共に、可動導体の上端部に前記固定接触子に接離する可動接触子を形成し 、前記両接触子の開離時に発生したアークを、前記両接触子の上方に配置した駆 動コイル及びアークランナよりなる環状の消弧装置により回転消弧するようにし たガス開閉器において、前記アークランナの内周縁部の，前記アークの回転方向 の前記固定接触子を過ぎた位置に，下方に突出したほぼ円弧状の突部を形成した ものである。

【０００８】

【作用】

前記のように構成された本考案のガス開閉器は、アークランナの内周縁部の， アークの回転方向の固定接触子を過ぎた位置に，下方に突出したほぼ円弧状の突 部が形成されているため、アークランナにおける固定接触子を過ぎた発弧点が可 動接触子に近接している突部を移行し、従来のようにアークランナの外側にはみ 出さなく、アークの回転が円滑になり、遮断性能が安定して向上する。 なお、この場合、前記突部のよる出っ張りは、アークランナの内周縁部の一部 のみであるため、絶縁性ガスの流れに対して悪影響を与えない。

【０００９】

【実施例】 １実施例について図１及び図２を参照して説明する。それらの図において、図 ３と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、異なる点はつぎの通りである 。 アークランナ８の下面の内周縁部に環状の小さい膨出部１０が形成され、その 膨出部１０上の，アークの回転方向の固定接触子２を過ぎた位置に、下方に突出 したほぼ円弧状の突部１１が形成されている。

【００１０】 従って、固定接触子２からアークランナ８に移行したアークの発弧点は、アー クランナ８の内周縁部，即ち膨出部１０上を回転し、かつ、固定接触子２を過ぎ た位置では、突部１１上を移行し、突部１１より外側へはみ出なく、アークラン ナ８の内周縁部の円上をアークが回転し、アークの回転が円滑になる。 なお、前記膨出部１０を必ずしも形成する必要はない。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているため、つぎに記載する効果を奏 する。 本考案のガス開閉器は、アークランナ８の内周縁部の，アークの回転方向の固 定接触子２を過ぎた位置に，下方に突出したほぼ円弧状の突部１１が形成されて いるため、アークランナ８における固定接触子３を過ぎた発弧点が可動接触子４ に近接している突部１１を移行し、従来のようにアークランナの外側にはみ出さ なく、アークの回転を円滑にすることができ、遮断性能を安定化して向上させる ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例を示す断面図である。

【図２】図１の一部の下面図である。

【図３】従来例の断面図である。

【図４】図３の一部の下面図である。

【符号の説明】

１ 固定導体 ２ 固定接触子 ３ 可動導体 ４ 可動接触子 ５ 消弧装置 ７ 駆動コイル ８ アークランナ １１ 突部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定導体の下端部に固定接触子を形成す
   ると共に、可動導体の上端部に前記固定接触子に接離す
   る可動接触子を形成し、前記両接触子の開離時に発生し
   たアークを、前記両接触子の上方に配置した駆動コイル
   及びアークランナよりなる環状の消弧装置により回転消
   弧するようにしたガス開閉器において、 前記アークラ
   ンナの内周縁部の，前記アークの回転方向の前記固定接
   触子を過ぎた位置に，下方に突出したほぼ円弧状の突部
   を形成したガス開閉器。