JPH0615228Y2 - 空気調和機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は冷温水によって室内の冷暖房を行なう床置パッ
ケージ形の空気調和機に係り、特に設置占有面積を小さ
くし、かつ除湿運転を可能とした空気調和機に関する。

〔従来の技術〕

従来の床置パッケージ形の空気調和機は、第６図乃至第
８図に示すように、空気調和機１の本体の下部と上部に
それぞれ吸込口２と吹出口３が設けられ、内部に熱交換
器４およびその下方にファン５が配設されている。熱交
換器４は本体側面より見て斜めに設置され、ファン５か
らの風が熱交換器４の全面に当るよう構成されている。
なお、６はドレンパン、７はファンモータ、８はフィル
タである。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、従来の空気調和機においては、大きいファン
が使用されているので、空気調和機本体が大型であり、
それの設置には広い占有面積を必要としている。

そこで、最近の傾向として設置占有面積の小さい、いわ
ゆる薄形の空気調和機が集目され、ファンの小型化が進
行している。しかし、空気調和機を薄形のものにするた
めには、ファンの小型化と同時に熱交換器も薄くするこ
とが必要である。そして、熱交換器を薄くするには、熱
交換器をその幅方向または高さ方向に増大させればよい
訳であるが、前者の場合は外形寸法が大きくなり、後者
の場合は熱交換器へのファンからの風当りが悪くなると
いう問題があった。

また、従来の空気調和機では、除湿運転を行なうことが
できず、実用上不便なことが多かった。

本考案の目的は、設置占有面積が小さく、かつ除湿運転
ができる空気調和機を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、熱交換器に下方
より空気を送るとともに、前記熱交換器内に熱交換媒体
を流して、前記空気の冷却・加温および除湿を行なう空
気調和機において、前記熱交換器を上部熱交換器と下部
熱交換器とに二分割したものである。

また、冷却・加温または除湿した空気を外部へ放出する
ために、前記上部熱交換器と下部熱交換器を収納するケ
ース本体に上部吹出口と下部吹出口を設け、上部吹出口
より下方でかつ下部吹出口より上方の位置に前記上部熱
交換器を、下部吹出口より下方の位置に前記下部熱交換
器をそれぞれ配置するとともに、下部吹出口を開閉する
ダンパーを取付けたものである。

〔作用〕

上記構成によれば、上部熱交換器と下部熱交換器の各々
を薄く形成することができ、空気調和機本体を薄形にす
ることが可能となる。

そして、上部熱交換器および下部熱交換器にそれぞれ温
水および冷水を流すと、下部熱交換器で冷却されて除湿
された空気が、上部熱交換器で加温されてから外部へ放
出され、室内の温度を変えずに除湿だけを行なうことが
できる。

また、冷房時にはダンパーを閉じ、暖房時にはダンパー
を開けるようにすると、冷却された空気は全て上部吹出
口より室内上方へ放出され、加温された空気は上方ばか
りでなく床の方へも放出される。

〔実施例〕

以下に本考案の一実施例を図面に従って説明する。

本考案に係る空気調和機は、第１図乃至第３図に示すよ
うに、ケース本体１１内に上部熱交換器１２と下部熱交
換器１３とが上下二段に分割されて設けられ、下部熱交
換器１３の下方にファンモータ１４に駆動されるファン
１５が設置されている。ケース本体１１の正面パネル１
１Ａ上には吸込口１６、上部吹出口１７および下部吹出
口１８が設けられている。そして、上部熱交換器１２は
上部吹出口１７と下部吹出口１８との間の位置に、下部
熱交換器１３は下部吹出口１８よりも下方の位置にそれ
ぞれ配置されている。また下部吹出口１８の内側にはダ
ンパー１９が取付けられている。なお、図中２０，２１
は上部熱交換器１２と下部熱交換器１３の底部にそれぞ
れ固定された上部ドレンパンと下部ドレンパンであり、
２２は吸込口１６の内側に固定されたフィルタである。

また、本実施例の空気調和機は、第４図に示すように、
上部熱交換器１２に温水供給源２５が、下部熱交換器１
３に冷水供給源２６がそれぞれ接続できるようになって
いる。このように接続することにより除湿運転が可能と
なる。このとき、冷水供給源２６が冷温水を供給できる
ものであれば、その冷水供給源２６の冷却水を上部熱交
換器１２に接続することにより排熱を利用した除湿運転
が可能となり、後記の冷房時および暖房時においても単
独の熱源で運転が可能となる。

なお、冷房時には上・下部熱交換器１２，１３に冷水供
給源２６が、暖房時には上・下部熱交換器１２，１３に
温水供給源２５がそれぞれ接続される。

次に本実施例の作用について説明する。

まず、冷房時には、予め上・下部熱交換器１２，１３内
に冷水を流し、ダンパー１９を閉じて（第３図に実線で
示す）おく。そして、ファンモータ１４を駆動してファ
ン１５を回転させると、空気は矢印Ａのように吸込口１
６り吸込まれ、フィルタ２２を通過後、ファン１５によ
って下部熱交換器１３から上部熱交換器１２へと送ら
れ、両熱交換器１２，１３により冷却される。冷却され
た空気は上部吹出口１７から外部へ矢印Ｂのように放出
される。

また、暖房時には、予め上・下部熱交換器１２，１３内
に温水を流し、ダンパー１９を開いて（第３図に点線で
示す）おく。そして、ファン１５を回転させると、吸込
口１６から吸込まれた空気は、下部熱交換器１３へ送ら
れ、ここで加温される。加温された空気の略半分はダン
パー１９に当り、下部吹出口１８を介して矢印Ｃのよう
に外部へ放出される。残りの空気は上部熱交換器１２へ
送られ、ここでさらに加温されたのち、上部吹出口１７
より矢印Ｄのように放出される。特に本実施例によれ
ば、暖房小負荷時にサーキュレータとしての機能を持た
せることができるため、理想的な室内環境を供給するこ
とが可能である。

さらに、除湿運転を行なう時には、第４図のように、上
部熱交換器１２に温水を、下部熱交換器１３に冷水をそ
れぞれ流すと、ファン１５から送られてくる空気は、下
部熱交換器１３で冷却されて除湿されるとともに、この
除湿された空気は上部熱交換器で加温されてから外部へ
放出される。

また、特殊な場合であるが、上部熱交換器１２に冷水
を、下部熱交換器１３に温水を流すようにすると、強制
的に頭寒足熱の状態を作り出すことも可能である。

本考案の他の実施例を第５図に示す。これは前述した実
施例の上部吹出口を削除し、その代わりにダクト２７を
取付けたものである。このようにすることにより、人が
ダンパー１９を操作するだけで、冷却・加温または除湿
した空気をダクト搬送としたり、またはダクト搬送と直
吹きとの併用としたりという具合に手軽に切換えること
ができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、熱交換器を上下
に二分割したことにより、熱交換器を薄くすることがで
き、空気調和機を薄形にすることが可能である。

また、冷温水による空気調和機に除湿機能を持たせるこ
とが可能となり、理想的な室内環境を提供することがで
きる。

さらに、ダンパーを開閉操作するだけで、空気調和機か
ら吹き出す空気の高さ位置を調節できるので、室内の温
度分布が容易に、かつ、きめ細かくコントロールでき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る空気調和機の内部正面図、第２図
は第１図の空気調和機の外部正面図、第３図は第１図の
III−III線に沿った断面図、第４図は第１図の空気調和
機に冷温水の供給源を接続した模式図、第５図は他の実
施例を示す第３図に相当する図、第６図は従来の空気調
和機の内部正面図、第７図は第６図の空気調和機の外部
正面図、第８図は第７図の右側面図である。 １１……ケース本体、１２……上部熱交換器、 １３……下部熱交換器、１４……ファンモータ、 １５……ファン、１６……吸込口、 １７……上部吹出口、１８……下部吹出口、 １９……ダンパー、２５……温水供給源、 ２６……冷水供給源。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】熱交換器に下方より空気を送るとともに、
   前記熱交換器内に熱交換媒体を流して、前記空気の冷却
   ・加温および除湿を行なう空気調和機において、前記熱
   交換器を上部熱交換器と下部熱交換器とに二分割したこ
   とを特徴とする空気調和機。
2. 【請求項２】前記上部熱交換器と下部熱交換器を収納す
   るケース本体に上部吹出口と下部吹出口を設け、上部吹
   出口より下方でかつ下部吹出口より上方の位置に前記上
   部熱交換器を、下部吹出口より下方の位置に前記下部熱
   交換器をそれぞれ配置するとともに、下部吹出口を開閉
   するダンパーを取付けた請求項１記載の空気調和機。