JPH06150939A - 多孔質電解質ベース、その製造方法及び固体電解質 - Google Patents
多孔質電解質ベース、その製造方法及び固体電解質Info
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- JPH06150939A JPH06150939A JP32255692A JP32255692A JPH06150939A JP H06150939 A JPH06150939 A JP H06150939A JP 32255692 A JP32255692 A JP 32255692A JP 32255692 A JP32255692 A JP 32255692A JP H06150939 A JPH06150939 A JP H06150939A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 イオン伝導度に優れるポリマーベースの固体
電解質を得ること。 【構成】 架橋処理された極性単位含有ポリマーからな
る多孔質体よりなり、その多孔質における平均孔径が5
0μm以下である多孔質電解質ベース、及び極性単位含
有ポリマーと非極性ポリマーを含有する複合ポリマーを
形成し、その極性単位含有ポリマーを架橋剤の存在下に
架橋処理したのち非極性ポリマーを除去する多孔質電解
質ベースの製造方法、並びに前記の多孔質電解質ベース
に電解質を含有させてなる固体電解質。 【効果】 緻密な多孔構造を有する極性単位含有の架橋
ポリマーをベースとし、イオン伝導度に優れると共に、
機械的強度に優れて取扱性に優れる固体電解質が得られ
る。
電解質を得ること。 【構成】 架橋処理された極性単位含有ポリマーからな
る多孔質体よりなり、その多孔質における平均孔径が5
0μm以下である多孔質電解質ベース、及び極性単位含
有ポリマーと非極性ポリマーを含有する複合ポリマーを
形成し、その極性単位含有ポリマーを架橋剤の存在下に
架橋処理したのち非極性ポリマーを除去する多孔質電解
質ベースの製造方法、並びに前記の多孔質電解質ベース
に電解質を含有させてなる固体電解質。 【効果】 緻密な多孔構造を有する極性単位含有の架橋
ポリマーをベースとし、イオン伝導度に優れると共に、
機械的強度に優れて取扱性に優れる固体電解質が得られ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン伝導度に優れて
薄型電池等の形成に好適な多孔質電解質ベース、及びそ
の製造方法、並びに固体電解質に関する。
薄型電池等の形成に好適な多孔質電解質ベース、及びそ
の製造方法、並びに固体電解質に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンオキシドやポリビニ
ルアルコールからなるフィルムに電解質を含有させてな
る固体電解質が知られていた。しかしながら、イオン伝
導度に乏しい問題点があった。ちなみに、室温でのイオ
ン伝導度は通例、1/105S/cm以下であり、特殊な
工夫を加えた高性能な場合に1/104S/cmオーダー
に達する程度であった。
ルアルコールからなるフィルムに電解質を含有させてな
る固体電解質が知られていた。しかしながら、イオン伝
導度に乏しい問題点があった。ちなみに、室温でのイオ
ン伝導度は通例、1/105S/cm以下であり、特殊な
工夫を加えた高性能な場合に1/104S/cmオーダー
に達する程度であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、イオン伝導
度に優れるポリマーベースの固体電解質の開発を課題と
する。
度に優れるポリマーベースの固体電解質の開発を課題と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、架橋処理され
た極性単位含有ポリマーからなる多孔質体よりなり、そ
の多孔質における平均孔径が50μm以下であることを
特徴とする多孔質電解質ベース、及び極性単位含有ポリ
マーと非極性ポリマーを含有する複合ポリマーを形成
し、その極性単位含有ポリマーを架橋剤の存在下に架橋
処理したのち非極性ポリマーを除去することを特徴とす
る多孔質電解質ベースの製造方法、並びに前記の多孔質
電解質ベースに電解質を含有させたことを特徴とする固
体電解質を提供するものである。
た極性単位含有ポリマーからなる多孔質体よりなり、そ
の多孔質における平均孔径が50μm以下であることを
特徴とする多孔質電解質ベース、及び極性単位含有ポリ
マーと非極性ポリマーを含有する複合ポリマーを形成
し、その極性単位含有ポリマーを架橋剤の存在下に架橋
処理したのち非極性ポリマーを除去することを特徴とす
る多孔質電解質ベースの製造方法、並びに前記の多孔質
電解質ベースに電解質を含有させたことを特徴とする固
体電解質を提供するものである。
【0005】
【作用】電解質ベースをポリエチレンオキシドやポリビ
ニルアルコールの如き極性単位含有ポリマーの多孔質体
として形成することにより、それに含有させた電解質が
エーテル基やヒドロキシル基等の極性単位の分極に誘起
され、解離して発生した金属イオンがその孔を介してス
ムーズに移動することができ、その結果イオン伝導度が
大きく向上する。また架橋処理した極性単位含有ポリマ
ーとすることにより、機械的強度に優れる多孔質電解質
ベース、ないし固体電解質とすることができる。
ニルアルコールの如き極性単位含有ポリマーの多孔質体
として形成することにより、それに含有させた電解質が
エーテル基やヒドロキシル基等の極性単位の分極に誘起
され、解離して発生した金属イオンがその孔を介してス
ムーズに移動することができ、その結果イオン伝導度が
大きく向上する。また架橋処理した極性単位含有ポリマ
ーとすることにより、機械的強度に優れる多孔質電解質
ベース、ないし固体電解質とすることができる。
【0006】
【実施例】本発明の多孔質電解質ベースは、架橋処理さ
れた極性単位含有ポリマーからなる多孔質体よりなり、
その多孔質における平均孔径が50μm以下、就中20
μm以下、特に5nm〜10μmのものである。その平均孔
径が50μmを超えると孔路形成の緻密性に乏しくなり
イオン伝導度の向上の寄与度に乏しくなる。
れた極性単位含有ポリマーからなる多孔質体よりなり、
その多孔質における平均孔径が50μm以下、就中20
μm以下、特に5nm〜10μmのものである。その平均孔
径が50μmを超えると孔路形成の緻密性に乏しくなり
イオン伝導度の向上の寄与度に乏しくなる。
【0007】前記の多孔質電解質ベースの製造は、例え
ば極性単位含有ポリマーと非極性ポリマーを含有する複
合ポリマーを形成し、その極性単位含有ポリマーを架橋
剤の存在下に架橋処理したのち非極性ポリマーを除去す
る方法などにより行うことができる。
ば極性単位含有ポリマーと非極性ポリマーを含有する複
合ポリマーを形成し、その極性単位含有ポリマーを架橋
剤の存在下に架橋処理したのち非極性ポリマーを除去す
る方法などにより行うことができる。
【0008】極性単位含有ポリマーとしては、エーテル
基やヒドロキシル基などの極性単位を含有するポリマー
が用いられる。その種類については特に限定はないが、
一般にはポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ド、エチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体、
ポリビニルアルコール、ビニルアルコール・アルキレン
オキシド共重合体などがあげられる。ポリビニルアルコ
ール、ビニルアルコール・アルキレンオキシド共重合体
におけるケン化度は、70%以上、就中85%以上が好
ましい。用いる極性単位含有ポリマーの分子量は架橋体
とすることもあって特に限定はないが、複合ポリマーの
調製性の点より一般には500万以下、就中0.1万〜
100万程度のものが用いられる。
基やヒドロキシル基などの極性単位を含有するポリマー
が用いられる。その種類については特に限定はないが、
一般にはポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ド、エチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体、
ポリビニルアルコール、ビニルアルコール・アルキレン
オキシド共重合体などがあげられる。ポリビニルアルコ
ール、ビニルアルコール・アルキレンオキシド共重合体
におけるケン化度は、70%以上、就中85%以上が好
ましい。用いる極性単位含有ポリマーの分子量は架橋体
とすることもあって特に限定はないが、複合ポリマーの
調製性の点より一般には500万以下、就中0.1万〜
100万程度のものが用いられる。
【0009】非極性ポリマーとしては、極性単位含有ポ
リマーと相溶しないか相溶性に乏しいものが用いられ
る。一般にはイソプレンゴム、ポリブタジエン、ポリス
チレンの如き極性単位を含有しない炭化水素系ポリマー
や芳香族系ポリマーなどが用いられる。用いる非極性ポ
リマーの分子量についても特に限定はないが、複合ポリ
マーの調製性や除去性等の点より一般には500万以
下、就中0.1万〜100万程度のものが用いられる。
リマーと相溶しないか相溶性に乏しいものが用いられ
る。一般にはイソプレンゴム、ポリブタジエン、ポリス
チレンの如き極性単位を含有しない炭化水素系ポリマー
や芳香族系ポリマーなどが用いられる。用いる非極性ポ
リマーの分子量についても特に限定はないが、複合ポリ
マーの調製性や除去性等の点より一般には500万以
下、就中0.1万〜100万程度のものが用いられる。
【0010】複合ポリマーは、非極性ポリマーの選択的
除去による多孔質体の形成が可能なように適宜な形態で
調製することができる。その例としては、極性単位含有
ポリマーと非極性ポリマーをロール等を介して混練する
方式、溶剤を介して撹拌混合する方式、ポリマー末端に
カルボキシル基やアミノ基等の官能基を導入し必要に応
じ塩化銅の如き金属系キレート化剤等により極性単位含
有ポリマーと非極性ポリマーを分子末端の官能基を介し
て会合させる方式、特にマクロモノマー同士の会合によ
るブロック共重合体化方式などがあげられる。ブロック
共重合体化方式は、緻密な多孔質体の形成性の点より好
ましい。
除去による多孔質体の形成が可能なように適宜な形態で
調製することができる。その例としては、極性単位含有
ポリマーと非極性ポリマーをロール等を介して混練する
方式、溶剤を介して撹拌混合する方式、ポリマー末端に
カルボキシル基やアミノ基等の官能基を導入し必要に応
じ塩化銅の如き金属系キレート化剤等により極性単位含
有ポリマーと非極性ポリマーを分子末端の官能基を介し
て会合させる方式、特にマクロモノマー同士の会合によ
るブロック共重合体化方式などがあげられる。ブロック
共重合体化方式は、緻密な多孔質体の形成性の点より好
ましい。
【0011】複合ポリマーにおける極性単位含有ポリマ
ーと非極性ポリマーの含有割合は、形成目的の多孔質電
解質ベースにおける空孔率等により適宜に決定してよ
い。一般には、極性単位含有ポリマー100重量部あた
り10〜1000重量部、就中20〜500重量部、特
に30〜200重量部の非極性ポリマーの含有割合とさ
れる。
ーと非極性ポリマーの含有割合は、形成目的の多孔質電
解質ベースにおける空孔率等により適宜に決定してよ
い。一般には、極性単位含有ポリマー100重量部あた
り10〜1000重量部、就中20〜500重量部、特
に30〜200重量部の非極性ポリマーの含有割合とさ
れる。
【0012】形成された複合ポリマーは、次にその極性
単位含有ポリマーを架橋剤の存在下に架橋処理したのち
非極性ポリマーを除去する。これにより多孔質電解質ベ
ースが得られる。従って複合ポリマーは、目的とする多
孔質電解質ベースの形態に応じ適宜に成形して上記の架
橋処理等に供することができる。その成形形態は任意で
あるが一般にはフィルムないしシート、あるいは不織布
を得るための繊維などの形態とされる。ちなみにフィル
ムないしシートの形態とする場合、その厚さは適宜に決
定することができるが通例5mm以下、就中10μm〜1m
mとされる。
単位含有ポリマーを架橋剤の存在下に架橋処理したのち
非極性ポリマーを除去する。これにより多孔質電解質ベ
ースが得られる。従って複合ポリマーは、目的とする多
孔質電解質ベースの形態に応じ適宜に成形して上記の架
橋処理等に供することができる。その成形形態は任意で
あるが一般にはフィルムないしシート、あるいは不織布
を得るための繊維などの形態とされる。ちなみにフィル
ムないしシートの形態とする場合、その厚さは適宜に決
定することができるが通例5mm以下、就中10μm〜1m
mとされる。
【0013】複合ポリマー中の極性単位含有ポリマーを
架橋処理するための架橋剤は、例えば複合ポリマーの調
製時や調製後の適宜な段階で添加してよいが、用いる架
橋剤は後続の除去処理の点より可及的に非極性ポリマー
を架橋させないものが好ましい。好ましく用いうる架橋
剤の例としては、ジクミルパーオキシドの如き有機過酸
化物などがあげられる。架橋剤の使用量は、極性単位含
有ポリマー100重量部あたり0.1〜20重量部が一
般的であるが、これに限定されない。
架橋処理するための架橋剤は、例えば複合ポリマーの調
製時や調製後の適宜な段階で添加してよいが、用いる架
橋剤は後続の除去処理の点より可及的に非極性ポリマー
を架橋させないものが好ましい。好ましく用いうる架橋
剤の例としては、ジクミルパーオキシドの如き有機過酸
化物などがあげられる。架橋剤の使用量は、極性単位含
有ポリマー100重量部あたり0.1〜20重量部が一
般的であるが、これに限定されない。
【0014】架橋処理後における複合ポリマー中の非極
性ポリマーの除去処理は、例えば溶剤による抽出方式、
二重結合を有する場合のオゾン分解方式、末端官能基を
介し会合している場合の会合を解きうる溶剤による抽出
方式などの適宜な方式で行ってよい。
性ポリマーの除去処理は、例えば溶剤による抽出方式、
二重結合を有する場合のオゾン分解方式、末端官能基を
介し会合している場合の会合を解きうる溶剤による抽出
方式などの適宜な方式で行ってよい。
【0015】本発明の固体電解質は、架橋処理された極
性単位含有ポリマーからなる多孔質電解質ベースに電解
質を含有させたものである。電解質を含有させるための
処理は、例えば多孔質電解質ベースに電解質の溶液、特
に有機溶媒溶液を含浸させて乾燥処理する方式などによ
り行うことができる。得られた固体電解質は、電池など
の種々の製品の形成に好ましく用いることができる。
性単位含有ポリマーからなる多孔質電解質ベースに電解
質を含有させたものである。電解質を含有させるための
処理は、例えば多孔質電解質ベースに電解質の溶液、特
に有機溶媒溶液を含浸させて乾燥処理する方式などによ
り行うことができる。得られた固体電解質は、電池など
の種々の製品の形成に好ましく用いることができる。
【0016】含有させる電解質については特に限定はな
く、一般には例えばLiイオン、Naイオン、Kイオンな
どの陽イオンと、Iイオン、CF3SO3イオン、BF4
イオン、ClO4イオン、AlCl4イオン、PF6イオン、
AsF6イオン等の陰イオンとの組合せからなるアルカリ
金属塩などが含有させられる。電池等を形成する場合に
は、可及的に金属イオンがリッチとなるよう、従って陰
イオンの含有量が少なくなるようにすることが有利であ
る。
く、一般には例えばLiイオン、Naイオン、Kイオンな
どの陽イオンと、Iイオン、CF3SO3イオン、BF4
イオン、ClO4イオン、AlCl4イオン、PF6イオン、
AsF6イオン等の陰イオンとの組合せからなるアルカリ
金属塩などが含有させられる。電池等を形成する場合に
は、可及的に金属イオンがリッチとなるよう、従って陰
イオンの含有量が少なくなるようにすることが有利であ
る。
【0017】かかる陰イオンの含有量を抑制した、従っ
て金属イオンをリッチに含有する固体電解質の形成は例
えば、電解質溶液を含浸させた不織布やガラスフィルタ
ー等に多孔質電解質ベースを密着させてその両側に電極
を設け、その電解質ベース側の電極が負極となるように
電圧を印加する方法などにより行うことができる。
て金属イオンをリッチに含有する固体電解質の形成は例
えば、電解質溶液を含浸させた不織布やガラスフィルタ
ー等に多孔質電解質ベースを密着させてその両側に電極
を設け、その電解質ベース側の電極が負極となるように
電圧を印加する方法などにより行うことができる。
【0018】前記により、陰イオンが正極に引き寄せら
れ、金属イオン(陽イオン)が負極側に引き寄せられて
多孔質電解質ベース内に取り込まれ、これにより実質的
に金属イオンのみを含有させることができる。
れ、金属イオン(陽イオン)が負極側に引き寄せられて
多孔質電解質ベース内に取り込まれ、これにより実質的
に金属イオンのみを含有させることができる。
【0019】実施例1 平均分子量30万のポリエチレンオキシド100重量部
と平均分子量25万のイソプレンゴム40重量部を表面
温度が90℃のロールで混練したのちジクミルパーオキ
シド4重量部を加えて更に混練し、得られた混練シート
を170℃で10分間プレス架橋させて厚さ100μm
のフィルムを得た。このフィルムにおいてはポリエチレ
ンオキシドが選択的に架橋されていた。
と平均分子量25万のイソプレンゴム40重量部を表面
温度が90℃のロールで混練したのちジクミルパーオキ
シド4重量部を加えて更に混練し、得られた混練シート
を170℃で10分間プレス架橋させて厚さ100μm
のフィルムを得た。このフィルムにおいてはポリエチレ
ンオキシドが選択的に架橋されていた。
【0020】次に前記のフィルムを食塩添加氷で冷却し
たヘキサン中でオゾン処理したのち室温のヘキサン中で
超音波洗浄してイソプレンゴム分解物を選択的に除去
し、孔径5〜10μmの孔が緻密な網目状に形成され
た、架橋ポリエチレンオキシドからなる多孔質電解質ベ
ースを得、それをLiClO4のプロピレンカーボネート
溶液(1モル/リットル)の中に50℃で24時間浸漬
した後、真空ポンプによる減圧下70℃で恒量になるま
で乾燥させて固体電解質を得た。
たヘキサン中でオゾン処理したのち室温のヘキサン中で
超音波洗浄してイソプレンゴム分解物を選択的に除去
し、孔径5〜10μmの孔が緻密な網目状に形成され
た、架橋ポリエチレンオキシドからなる多孔質電解質ベ
ースを得、それをLiClO4のプロピレンカーボネート
溶液(1モル/リットル)の中に50℃で24時間浸漬
した後、真空ポンプによる減圧下70℃で恒量になるま
で乾燥させて固体電解質を得た。
【0021】前記で得た固体電解質は、室温において滲
出し現象を生じないものでピンセットで持ち上げても破
断することなくその取扱性に優れていた。また交流イン
ピーダンスアナライザーにより室温におけるイオン伝導
度を測定したところ、1.2/103S/cmの値を示し
た。
出し現象を生じないものでピンセットで持ち上げても破
断することなくその取扱性に優れていた。また交流イン
ピーダンスアナライザーにより室温におけるイオン伝導
度を測定したところ、1.2/103S/cmの値を示し
た。
【0022】実施例2 両末端にカルボキシル基を有する平均分子量10万のポ
リエチレンオキシド100重量部と両末端にカルボキシ
ル基を有する平均分子量5万のポリブタジエン100重
量部をジメチルホルムアミドに溶解させて塩化銅2重量
部とジクミルパーオキシド10重量部を加え、その溶液
をキャストして厚さ100μmのフィルムを得た。この
フィルムにおいては、TEM観察でラメラ構造が観察さ
れ、ポリエチレンオキシドとポリブタジエンが末端のカ
ルボキシル基と銅イオンを介してキレートを形成してい
ることが認められた。
リエチレンオキシド100重量部と両末端にカルボキシ
ル基を有する平均分子量5万のポリブタジエン100重
量部をジメチルホルムアミドに溶解させて塩化銅2重量
部とジクミルパーオキシド10重量部を加え、その溶液
をキャストして厚さ100μmのフィルムを得た。この
フィルムにおいては、TEM観察でラメラ構造が観察さ
れ、ポリエチレンオキシドとポリブタジエンが末端のカ
ルボキシル基と銅イオンを介してキレートを形成してい
ることが認められた。
【0023】次に前記のフィルムを減圧下、170℃に
加熱してポリエチレンオキシドを選択的に架橋したのち
食塩添加氷で冷却したヘキサン中でオゾン処理し、つい
で室温のヘキサン中で超音波洗浄してポリブタジエン分
解物を選択的に除去して孔径約10nmの孔が膜厚方向に
多数形成された、架橋ポリエチレンオキシドからなる多
孔質電解質ベースを得、それをLiBF4のジメトキシエ
タン溶液(1モル/リットル)の中に浸漬した後、真空
ポンプによる減圧下70℃で恒量になるまで乾燥させて
固体電解質を得た。
加熱してポリエチレンオキシドを選択的に架橋したのち
食塩添加氷で冷却したヘキサン中でオゾン処理し、つい
で室温のヘキサン中で超音波洗浄してポリブタジエン分
解物を選択的に除去して孔径約10nmの孔が膜厚方向に
多数形成された、架橋ポリエチレンオキシドからなる多
孔質電解質ベースを得、それをLiBF4のジメトキシエ
タン溶液(1モル/リットル)の中に浸漬した後、真空
ポンプによる減圧下70℃で恒量になるまで乾燥させて
固体電解質を得た。
【0024】前記で得た固体電解質は、室温において滲
出し現象を生じないものでピンセットで持ち上げても破
断することなくその取扱性に優れていた。また室温にお
けるイオン伝導度を測定したところ3.5/103S/c
mの値を示した。
出し現象を生じないものでピンセットで持ち上げても破
断することなくその取扱性に優れていた。また室温にお
けるイオン伝導度を測定したところ3.5/103S/c
mの値を示した。
【0025】実施例3 両末端にアミノ基を有する平均分子量20万のポリエチ
レンオキシド100重量部と、両末端にカルボキシル基
を有する平均分子量20万のポリスチレン100重量部
と、ジクミルパーオキシド10重量部をアセトニトリル
中で撹拌溶解させてポリエチレンオキシドとポリスチレ
ンを末端のアミノ基とカルボキシル基を介してブロック
ポリマー化させ、その溶液をキャストして厚さ100μ
mのフィルムを得た。
レンオキシド100重量部と、両末端にカルボキシル基
を有する平均分子量20万のポリスチレン100重量部
と、ジクミルパーオキシド10重量部をアセトニトリル
中で撹拌溶解させてポリエチレンオキシドとポリスチレ
ンを末端のアミノ基とカルボキシル基を介してブロック
ポリマー化させ、その溶液をキャストして厚さ100μ
mのフィルムを得た。
【0026】次に前記のフィルムをアルゴンガス中で1
70℃に加熱してポリエチレンオキシドを選択的に架橋
したのちKOHのエタノール溶液(1モル/リットル)
の中に入れて一昼夜撹拌してポリスチレンユニットを選
択的に除去して孔径約80nmの孔が緻密な網目状に形成
された、架橋ポリエチレンオキシドからなる多孔質電解
質ベースを得、それをLiPF6のプロピレンカーボネー
ト溶液(1モル/リットル)の中に浸漬した後、真空ポ
ンプによる減圧下70℃で恒量になるまで乾燥させて固
体電解質を得た。
70℃に加熱してポリエチレンオキシドを選択的に架橋
したのちKOHのエタノール溶液(1モル/リットル)
の中に入れて一昼夜撹拌してポリスチレンユニットを選
択的に除去して孔径約80nmの孔が緻密な網目状に形成
された、架橋ポリエチレンオキシドからなる多孔質電解
質ベースを得、それをLiPF6のプロピレンカーボネー
ト溶液(1モル/リットル)の中に浸漬した後、真空ポ
ンプによる減圧下70℃で恒量になるまで乾燥させて固
体電解質を得た。
【0027】前記で得た固体電解質は、室温において滲
出し現象を生じないものでピンセットで持ち上げても破
断することなくその取扱性に優れていた。また室温にお
けるイオン伝導度を測定したところ4.2/103S/c
mの値を示した。
出し現象を生じないものでピンセットで持ち上げても破
断することなくその取扱性に優れていた。また室温にお
けるイオン伝導度を測定したところ4.2/103S/c
mの値を示した。
【0028】実施例4 ポリエチレンオキシドに代えて、重合度2000、ケン
化度85%のポリビニルアルコールを用いたほかは実施
例1に準じて多孔質電解質ベース及び固体電解質を得
た。この固体電解質は、室温において滲出し現象を生じ
ないものでピンセットで持ち上げても破断することなく
その取扱性に優れていた。また室温におけるイオン伝導
度を測定したところ2.8/103S/cmの値を示し
た。
化度85%のポリビニルアルコールを用いたほかは実施
例1に準じて多孔質電解質ベース及び固体電解質を得
た。この固体電解質は、室温において滲出し現象を生じ
ないものでピンセットで持ち上げても破断することなく
その取扱性に優れていた。また室温におけるイオン伝導
度を測定したところ2.8/103S/cmの値を示し
た。
【0029】比較例1 平均分子量30万のポリエチレンオキシド100重量部
を含むジメチルスルホキシド溶液にジクミルパーオキシ
ド4重量部を加えてキャストし、それを170℃で10
分間プレス架橋させて厚さ100μmのフィルムを得、
それをLiClO4のプロピレンカーボネート溶液(1モ
ル/リットル)の中に50℃で24時間浸漬した後、真
空ポンプによる減圧下70℃で恒量になるまで乾燥させ
て固体電解質を得た。この固体電解質の室温におけるイ
オン伝導度は、7.5/105S/cmであった。
を含むジメチルスルホキシド溶液にジクミルパーオキシ
ド4重量部を加えてキャストし、それを170℃で10
分間プレス架橋させて厚さ100μmのフィルムを得、
それをLiClO4のプロピレンカーボネート溶液(1モ
ル/リットル)の中に50℃で24時間浸漬した後、真
空ポンプによる減圧下70℃で恒量になるまで乾燥させ
て固体電解質を得た。この固体電解質の室温におけるイ
オン伝導度は、7.5/105S/cmであった。
【0030】比較例2 平均分子量30万のポリエチレンオキシド100重量部
を含むジメチルスルホキシド溶液をキャストして厚さ1
00μmのフィルムを得、それにγ線を照射して架橋さ
せたのちLiClO4のプロピレンカーボネート溶液(1
モル/リットル)の中に50℃で24時間浸漬し、真空
ポンプによる減圧下70℃で恒量になるまで乾燥させて
固体電解質を得た。この固体電解質の室温におけるイオ
ン伝導度は、1.5/105S/cmであった。
を含むジメチルスルホキシド溶液をキャストして厚さ1
00μmのフィルムを得、それにγ線を照射して架橋さ
せたのちLiClO4のプロピレンカーボネート溶液(1
モル/リットル)の中に50℃で24時間浸漬し、真空
ポンプによる減圧下70℃で恒量になるまで乾燥させて
固体電解質を得た。この固体電解質の室温におけるイオ
ン伝導度は、1.5/105S/cmであった。
【0031】比較例3 平均分子量30万のポリエチレンオキシド100重量部
を含むジメチルスルホキシド溶液にポリイソシアナート
4重量部を加えてキャストし、それを170℃で10分
間プレス架橋させて厚さ100μmのフィルムを得、そ
れをLiClO4のプロピレンカーボネート溶液(1モル
/リットル)の中に50℃で24時間浸漬した後、真空
ポンプによる減圧下70℃で恒量になるまで乾燥させて
固体電解質を得た。この固体電解質の室温におけるイオ
ン伝導度は、1.1/104S/cmであった。
を含むジメチルスルホキシド溶液にポリイソシアナート
4重量部を加えてキャストし、それを170℃で10分
間プレス架橋させて厚さ100μmのフィルムを得、そ
れをLiClO4のプロピレンカーボネート溶液(1モル
/リットル)の中に50℃で24時間浸漬した後、真空
ポンプによる減圧下70℃で恒量になるまで乾燥させて
固体電解質を得た。この固体電解質の室温におけるイオ
ン伝導度は、1.1/104S/cmであった。
【0032】比較例4 ポリエチレンオキシドに代えて、重合度2000、ケン
化度85%のポリビニルアルコールを用いたほかは比較
例1に準じて固体電解質を得た。この固体電解質の室温
におけるイオン伝導度は、7/105S/cmであった。
化度85%のポリビニルアルコールを用いたほかは比較
例1に準じて固体電解質を得た。この固体電解質の室温
におけるイオン伝導度は、7/105S/cmであった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、緻密な多孔構造を有す
る極性単位含有の架橋ポリマーをベースとし、イオン伝
導度に優れると共に、機械的強度に優れて取扱性に優れ
る固体電解質を得ることができる。
る極性単位含有の架橋ポリマーをベースとし、イオン伝
導度に優れると共に、機械的強度に優れて取扱性に優れ
る固体電解質を得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 架橋処理された極性単位含有ポリマーか
らなる多孔質体よりなり、その多孔質における平均孔径
が50μm以下であることを特徴とする多孔質電解質ベ
ース。 - 【請求項2】 極性単位含有ポリマーと非極性ポリマー
を含有する複合ポリマーを形成し、その極性単位含有ポ
リマーを架橋剤の存在下に架橋処理したのち非極性ポリ
マーを除去することを特徴とする多孔質電解質ベースの
製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の多孔質電解質ベースに
電解質を含有させたことを特徴とする固体電解質。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32255692A JPH06150939A (ja) | 1992-11-05 | 1992-11-05 | 多孔質電解質ベース、その製造方法及び固体電解質 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32255692A JPH06150939A (ja) | 1992-11-05 | 1992-11-05 | 多孔質電解質ベース、その製造方法及び固体電解質 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06150939A true JPH06150939A (ja) | 1994-05-31 |
Family
ID=18144999
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32255692A Pending JPH06150939A (ja) | 1992-11-05 | 1992-11-05 | 多孔質電解質ベース、その製造方法及び固体電解質 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06150939A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999031750A1 (en) * | 1997-12-18 | 1999-06-24 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Adhesive for cells, a cell using the same and a process for producing cells |
WO2000061667A1 (en) * | 1999-04-09 | 2000-10-19 | Alliedsignal Inc. | Polymers having backbones with reactive groups employed in crosslinking as precursors to nanoporous thin film structures |
US6299653B1 (en) | 1996-06-13 | 2001-10-09 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Hybrid electrolyte, method for manufacturing the same, and method for manufacturing electrochemical element using the same |
JP2002373705A (ja) * | 2002-05-13 | 2002-12-26 | Japan Storage Battery Co Ltd | リチウムイオン導電性ポリマーおよびリチウムイオン導電性ポリマー電解質。 |
-
1992
- 1992-11-05 JP JP32255692A patent/JPH06150939A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6299653B1 (en) | 1996-06-13 | 2001-10-09 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Hybrid electrolyte, method for manufacturing the same, and method for manufacturing electrochemical element using the same |
WO1999031750A1 (en) * | 1997-12-18 | 1999-06-24 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Adhesive for cells, a cell using the same and a process for producing cells |
WO2000061667A1 (en) * | 1999-04-09 | 2000-10-19 | Alliedsignal Inc. | Polymers having backbones with reactive groups employed in crosslinking as precursors to nanoporous thin film structures |
JP2002373705A (ja) * | 2002-05-13 | 2002-12-26 | Japan Storage Battery Co Ltd | リチウムイオン導電性ポリマーおよびリチウムイオン導電性ポリマー電解質。 |
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