JPH0615016A - ゴルフクラブのヘッドの改良およびその製作方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ネック部を介して側方に伸び出るシェルを有
し、このシェルは内部空洞を形成する金属製壁部の組立
体からなり、かつ該金属製壁部の前面壁は支承面を含
み、この支承面にはプラスチック材料または複合材料で
できた打撃用壁部が一体連結されるゴルフクラブのヘッ
ドの改良、およびその製作方法を提供する。 【構成】 前部壁（８）の支承面（１１）が前方へ向か
う凸状の面であり、この支承面に連接される打撃用壁部
（１８）は、該支承面（１１）に支承されるその後面
（１９）が補完的形状を有するのに対し、その打撃面
（２）を前方へ向かう凸状の面とする。前部壁（８）が
前方へ向かう凸状の支承面（１１）を有する金属製壁部
（４）の組立体からなるシェル（１）を製作し、次い
で、この前部壁（８）に厚みがほぼ一定の打撃面（１
８）を嵌め込んで目的とするゴルフクラブのヘッドを製
作する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】この発明はゴルフクラブのヘッドの改良に
関し、より詳しくは、嵌め込み式のインパクト・フェー
ス（打撃面）を持つ型式のクラブに関する。実際のプレ
ーでは、プレーヤーはゴルフクラブを用いてボールを打
ち、ボールに推進力を与えることによってボールを飛ば
す。このゴルフクラブは、一般に英語で「シャフト」と
呼ばれる柄でできており、その下端にはヘッドを含む。
これに対してその上端には握り部がついており、この部
分は、しばしば英語で「グリップ」と呼ばれる。

【０００２】現在、「ティー」または出発地点でプレー
ヤーが最初に使用するボール飛距離の長いクラブは、
「ウッド」と呼ばれる。本来の「ウッド」は、全体が柿
の木やそれに類似した各種樹木で作られていた。この種
のクラブは、多くのプレーヤー達の好評を得たが、使用
材の密度が低く、特にクラブヘッドのインパクト・フェ
ースの後ろ側における材料密度が一様に低いので、精度
の点で劣る。

【０００３】この欠点を緩和するために「ウッド／アイ
アン」クラブが登場した。このクラブは「ウッド」の形
をそのまま継承しているが、ヘッド部分全体が鋼ででき
ている。使用材料の密度が非常に高いこと、および重量
を抑制する必要に鑑み、このウッド／アイアン・クラブ
のヘッドは一般に内部を空洞にした鋼でできており、通
常、ロストワックス鋳造法を採用する鋳造工場で製造さ
れる。この種の方法で製作されたクラブの場合、質量が
インパクト・フェースの周縁に分散されるので、従来の
「ウッド」クラブより可成り優れた精度を持つ。この精
度はボールをまっすぐに飛ばすときの射出角度にも関係
し、また、ボールのスライスやフックにも関係する。

【０００４】ウッド／アイアン・クラブの第一の欠点
は、打撃の際にインパクト・フェースとボールとの金属
的な接触によりプレーヤーが不快感を感じることであ
る。

【０００５】別の欠点は、打撃時のショックに耐えるた
めに十分な厚みを必要とする鋼製のインパクト・フェー
スの剛性が最適状態になっていないことに由来する。フ
ェースの剛性を減らすことにより反発速度が増加し、し
たがって、更に遠くまでボールを飛ばせることが明らか
になる。ところで、インパクト・フェースの剛性がその
厚みと構成材料の弾性係数に左右されることも明らかで
ある。したがって、一定の弾性係数における剛性の減少
は、インパクト・フェースの厚みの減少に直接つながる
が、ウッド／アイアン・クラブのインパクト・フェース
に最も適した剛性を採用すると、フェースの厚みが３mm
未満になってしまい、不可逆的な変形を引き起すことに
なる。

【０００６】公知の配置構成によれば、「ウッド」型ク
ラブヘッドのインパクト・フェース（打撃面）は、「ア
イアン」型クラブと違って平面になっておらず、縦断面
で見た場合も横断面で見た場合も凸状である。これらの
曲線は、ボールの弾道を矯正するためのものである。よ
り詳しく言えば、打撃の際、ボールをフェースの中心で
正確に捉えられない場合に役立つものである。これらの
曲線があるため、また、従来のクラブの設計自体に問題
があるため、打撃の際、クラブの挙動にムラがあり、こ
れがゴルファーたちの不満の種になっている。

【０００７】したがって、この発明の目的は、新しい構
造のクラブヘッド（特に、打撃の際にプレーヤーに良い
感触を与え、かつボールを正確に飛ばすことができる
「ウッド」型クラブヘッド）を提案することにある。も
う一つの目的は、現在の構造（特にウッド／アイアン・
クラブと同一型式のヘッド）の精度と同じ精度を持つ
が、最適の剛性を選択でき、これにより、ボールのイン
パクト・フェースに対する接触時間を長くすることがで
きるとともに、ボールの射出速度を増大し、かつボール
のコントロール感を改善できるクラブヘッドを提案する
ことにある。更に、この発明によるクラブの着想を採用
すれば、打撃力を完全に調整でき、クラブの形状と寸法
が抑制される。

【０００８】この発明によるゴルフクラブのヘッドはネ
ック部を介して側方に伸び出るシェル（殻体）を含み、
このシェルは金属製の壁部組立体からなり、内部に空洞
を形成し、かつその前部壁は支承面を含み、この支承面
にはプラスチック材料または複合材料でできた打撃用壁
部が一体連結される。このヘッドの特徴とするところ
は、該前部壁の支承面が前方へ向かう凸状面であるこ
と；および、該支承面に連接する打撃用壁部は、該支承
面に支承された後部壁が補完的形状をしているのに対
し、打撃面が前方へ向かう凸状の面をしていることであ
る。

【０００９】補足的な特徴によれば、打撃用壁部の厚み
はほぼ一定で、かつ該打撃用壁部が垂直面および水平面
と交差する各部分は曲線を呈し、好ましくは、円弧部分
である。

【００１０】また、他の特徴によれば、打撃用壁部の厚
みがほぼ一定である。

【００１１】この発明によるゴルフクラブのヘッドは、
前部壁が前へ向かう凸状支承面を有する壁部組立体を含
むシェルを製作し、次いで、この前部壁に厚みがほぼ一
定の打撃面を嵌め込むことからなる方法によって製造さ
れる。

【００１２】この方法の好ましい一態様によれば、金属
壁の組立体によってシェルを製作するが、打撃用壁部は
複合材料で製作し、このシェルの前部壁の支承面にそれ
を貼着する。

【００１３】この方法の一実施態様によれば、樹脂を含
浸させたカーボン・ファイバーおよび／またはアラミド
繊維で織られた複数枚の布を積み重ねることによって打
撃用壁部を製作する。例えば、樹脂を予め含浸させた繊
維で織った一連の複数枚の布からなる積層物を、打撃用
壁部の支承面に配置し、続いて、この積層物に熱を加え
て前部壁に圧着し、該打撃用壁部の形状が前方へ向かっ
て膨らんだ形になるようこの壁部に最終的な形状を付与
する。

【００１４】他の一変形態様によれば、熱硬化性樹脂を
含浸させた複数枚の布の積層物から成る重合体の基板よ
り打撃用壁部材を切り取り、次いで、この打撃用壁部材
を支承面に配置し、続いて、圧縮／型取りの工程を経
て、この打撃用壁部を変形させて最終形状を付与すると
ともに、該壁部を支承面に貼着する。

【００１５】別の一変形態様によれば、最終形状と最終
曲線を持った該打撃用壁部材を別個に製作し、次いで、
それを前部壁の支承面に貼着する。

【００１６】この発明によるクラブは、打撃用壁部を均
質にでき、また、各種の曲線が忠実に再現されることが
分かる。というのは、これらの曲線は金属製の支承壁部
により画定され、その製作が完全に制御されるからであ
る。壁部が均質で、かつその形状にムラがないので、プ
レーヤーに信頼感を与える。

【００１７】この発明の他の特徴および利点は、以下の
説明と添付図から明らかとなろう。ただし、添付図は例
としてのみ示すもので、この発明がそれらに限定される
ものではない。

【００１８】本発明によるクラブヘッドは「ウッド」型
であり、図１ないし図９に示すように、打撃面（インパ
クト・フェース）２を含み、かつ、クラブシャフトを収
容するためのネック部３を介して側方および上方へ伸び
出る殻体（シェル）１を有する。いわゆる「シェル」１
は、上部壁５、下部壁６、外周壁７、前部壁８からなる
金属製の包囲体４で形成される。更に、これら各種の壁
部により内部空間を構成する閉塞空洞体９が形成され、
この空洞には発泡ポリウレタンのような発泡材１０を充
填すると有利である。

【００１９】本発明の特徴の１つによれば、前部壁８
は、前方支承面１１が前方ＡＶへ向かう凸面となってお
り、したがって全方向に湾曲している。例えば、前部壁
８の支承面１１が垂直面Ｖ１、Ｖ２、Ｖ３…と交差する
異なる部分は半径Ｒ１の曲線ＣＶ１、ＣＶ２、ＣＶ３…
である。同様に、この支承面１１が水平面Ｈ１、Ｈ２、
Ｈ３…と交差する異なる部分は半径Ｒ２の曲線ＣＨ１、
ＣＨ２、ＣＨ３…であり、Ｒ２はＲ１に等しいと有利で
ある。それ自体公知の通り、上部壁５、下部壁６、およ
び外周壁７もまた、湾曲した壁面であることを指摘して
おく。前方に向けて突起を形成する前部壁は小さな外周
縁取り部１２を含むと有利である。この外周縁取り部は
上部縁取り１３、下部縁取り１４、内側縁取り１５、お
よび外側縁取り１６からなり、支承面１１と共に本発明
による嵌め込み式打撃用壁部（インパクト・プレート）
１８を収容するための前方収容部１７を構成する。

【００２０】この発明では、インパクト・プレート１８
は複合材料でできた独立の部材で、ほぼ一定の厚みｅ１
を有する。このインパクト・プレートを前部壁８の支承
面１１に組み付ける作業は、後程説明するように、貼
着、ビス止め、またはその他の方法によって行なわれ
る。図４、図５、および図６に示す組付け状態におい
て、インパクト・プレート１８のインパクト・フェース
２は、全方向に曲面を成し、前方ＡＶへ向けて膨らんで
いる。また、インパクト・プレート１８のインパクト・
フェース２が垂直面Ｖ１、Ｖ２、Ｖ３…と交わる異なる
部分は半径Ｒ３の曲線Ｃ’Ｖ１、Ｃ’Ｖ２、Ｃ’Ｖ３…
になっている。同様に、このインパクト・フェース２が
水平面Ｈ１、Ｈ２、Ｈ３…と交わる異なる部分は半径Ｒ
４の曲線Ｃ’Ｈ１、Ｃ’Ｈ２、Ｃ’Ｈ３…になってお
り、Ｒ３はＲ４に等しいと有利である。もちろん、イン
パクト・プレート１８の後面１９は、支承面１１と同じ
曲線を有し、支承面と後面とが貼り合わされる。

【００２１】「複合材料」という語により、本出願人
は、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を含浸させたカ
ーボン・ファイバー、および／またはアラミド繊維で織
製した布を使用することを意味する。本出願人が好まし
いとする繊維には、機械的強度が高い長尺のカーボン・
ファイバーが含まれ、その弾性係数は２３０GPa から２
５０GPa で、破壊強度は２，４５０MPa から７，０００
MPa である。もちろん、これらの値は以前から知られて
いる鋼の値より優れている。マトリックス（すなわち、
樹脂）としては、ポリフェニレン（ＰＰＳ）、ポリエー
テル・イミド（ＰＥＩ）、ポリエーテル・エーテル・ケ
トン（ＰＥＥＫ）、またはエポキシドの硫化物を使用す
ることができる。

【００２２】インパクト・プレート（打撃用壁部）１８
は、繊維を（例えば二方向に）織製した布を複数枚積層
させて構成するのが好ましい。各々の布を構成する繊維
の特定の方向づけに関する例を図９に示す。この製作例
によれば、インパクト・プレートは第一群の布２０、２
１、２２、２３、２４を含み、それらの繊維は一方では
水平軸ＸＸ’に沿って方向づけられ、また他方では垂直
軸ＹＹ’に沿って方向づけられる。該インパクト・プレ
ートは、また、第二群の布２５、２６、２７、２８、２
９を含み、それらは水平軸ＸＸ’に対して＋４５°およ
び−４５°ずれて方向づけられる。このインパクト・プ
レートは１０ないし２５枚からなる繊維布２０、２５を
連続して積層したものを含むのが好ましい。

【００２３】インパクト・プレート１８の最適強度を得
るために、本出願人は、図８に示す態様に従って、第一
群の布２０と第二群の布２５の特に有利な配列を決定し
た。このインパクト・プレートは、繊維がＸＸ’軸とＹ
Ｙ’軸に沿って方向づけられる第一群の布２０の第一
（外）層２０ａと、繊維がＸＸ’軸に対して＋４５°お
よび−４５°に方向づけられる第二群の布２５の第二
（中間）層と、繊維がＸＸ’軸とＹＹ’軸に沿って方向
づけられる第一群の布２０の第三（内）層２０ｂとを含
む。第二（中間）層には３枚から９枚の布が使われる。

【００２４】第一（外）層２０ａはボールを打つときの
衝撃から来る圧縮応力に耐えるための層であり、また第
三（内）層２０ｂは引張応力に耐えるための層である。
応力は主としてＸＸ’軸とＹＹ’軸に沿った方向にあ
る。第二（中間）層２５は中間繊維の箇所で剪断応力に
耐えるための層であり、主としてＸＸ’軸に対して＋４
５°および−４５°に方向づけられる。

【００２５】複合材料で作られた強度の高いインパクト
・プレート１８の構成例とその機械的特性を挙げること
ができる。

【００２６】このインパクト・プレートは、カーボン・
ファイバーとエポキシ樹脂を用いてバランス良く織った
布を積層させて構成される。カーボン・ファイバーと樹
脂の体積比は１である。布１枚の厚みは０．２mmであ
る。カーボン・ファイバーの弾性係数は２３０GPa で、
破壊強度は４，４１０MPa である（ＴＯＲＡＹ社製Ｔ３
００Ｊ型ファイバー）。

【００２７】該積層布は、ＸＸ’軸とＹＹ’軸に沿って
（０°および９０°の方向に）方向づけられたファイバ
ーで織った６枚の布からなる第一（外）層２０ａと、Ｘ
Ｘ’軸から見て＋４５°と−４５°に方向づけられたフ
ァイバーで織った５枚の布からなる第二（中間）層２５
と、０°および９０°に方向づけられたファイバーで織
製した６枚の布からなる第三（内）層２０ｂとで構成さ
れる。

【００２８】中間ファイバーの箇所でファイバーだけで
できた３枚以下の布から成る第二（中間）層を含む構成
では、ボールを打つときの衝撃に十分耐えることができ
ず、インパクト・プレート１８の破壊に到ることも明記
しておく。＋４５°と−４５°に方向づけられたファイ
バーで織った９枚以上の布から成る第二（中間）層の一
部を０°と９０°に方向づけられたファイバーで織った
布で置き換えた構成においても、この破壊現象が観察さ
れた。

【００２９】シェル１、特にその前部壁８は、インパク
ト・プレート（打撃用壁部）１８の機械的強度と剛性に
貢献し、かつ、インパクト・フェース（打撃面）２の最
終仕上げ曲線を形作る。これに加えて、前部壁８はイン
パクト・フェースの貼着用下地の役目をする。前部壁の
厚みｅ２は、約１mmから３．５mmとすることができる。
複合材料でできたインパクト・プレートの厚みｅ１は、
約１mmから５mmとすることができる。最後に、該インパ
クト・プレートの重量増加につながるような過大寸法を
避けるため、厚みｅ１が３mmから５mmの場合、厚みｅ１
とｅ２の合計厚みｅは約７mmを越えてはならず、また、
厚みｅ１が１mmから２mmしかない場合、厚みｅ１とｅ２
の合計厚みｅは約５．５mmを越えてはならない。

【００３０】本発明によるクラブヘッドは、以下に記載
する様々な方法で製作が可能である。

【００３１】各種方法に共通の予備工程（図１０参照）
において、クラブヘッドの外皮４とネック部３を鋼材で
作る。この工程では、上部サブアセンブリー３０と下部
壁６を別々に鋳造する。この上部サブアセンブリー３０
は、上部壁５と、前部壁８と、外周壁７と、ネック部３
とからできている。続いて、下部壁６を上部サブアセン
ブリーに溶接し、いわゆるクラブヘッドのシェルを作る
（図１０）。

【００３２】図１１から図１４に示す第一の製作方法に
おいては、インパクト・プレート１８を製作し、これを
加熱および外皮４の支承面１１に直接圧着して成形する
ことにより、前部壁８と一体連結する。いわゆる成形工
程に先立ち、上述し、かつ未重合の樹脂を含浸させた各
種の布２０、２１、２２、２３、２４、−２５、２６、
２７、２８、２９を準備する。次いで、これら各種の布
を前述の条件で支承面１１上に重ね合わせる（図１
２）。次に、鋳型３１を用いて、いわゆる成形／圧縮工
程（図１３と図１４）を行なう。成形作業は、それ自体
公知のように、加熱および圧縮により行われ、樹脂の重
合により、一方では各種の布同志を一体化し、他方では
このようにして構成したインパクト・プレート１８を前
部壁８の支承面１１上に一体連結させる。なお、鋳型の
蓋３１はその成形面３２がインパクト・プレート１８の
インパクト・フェース２の最終仕上げ曲線を有するよう
な形状である。もちろん、図１２に点線で示すように、
中間接着フィルム３３を間に入れることも可能であり、
この接着用フィルムは、重合体またはグラフト共重合体
を主成分とする熱溶融性材料の層で作ることができる。
重合が終了した時点で、インパクト・プレート（打撃用
壁部）を有するクラグヘッドを鋳型から取り出す。

【００３３】図１５から図１７に示す可能な第二の製作
方法において、厚みｅ３の平坦なベースプレート（基
板）３４から、インパクト・プレート１８を切り抜く。
このベースプレートは予め製作して、重合処理したもの
である。もちろん、そして例えば、上述の要領に従い、
異なる布の積層体によってこのベースプレートを形成す
ることもできる。次の工程（図１６）では、インパクト
・プレート１８用に切り抜いたベースプレート材１８０
を、クラブヘッドの所定のスペースに設けられた支承面
１１に対して、この目的のために設けた前方収容部１７
に配設する。続いて、図１７に示すように、圧縮／成形
を行なう。成形作業は、例えば、ガラス転移温度を上回
る温度で加熱と圧縮を行ない、樹脂を軟化させてインパ
クト・プレート１８の形成を確実に行う。もちろん、イ
ンパクト・プレートの接着を確実にする中間接着用フィ
ルム３３を設ける。更に、鋳型の蓋３１はその成形面３
２がインパクト・プレート１８のインパクト・フェース
２の最終仕上げ曲線を有するような形状である。成形作
業が終了した時点で、クラブヘッドを鋳型から取り出
す。

【００３４】図１８から図２０に示すもう一つの製作方
法において、インパクト・プレート１８は、それに最終
仕上げ形状と最終仕上げ曲線を付与する鋳型内で別に製
作される。このようにして製作されたインパクト・プレ
ート１８を、例えば前部壁の支承面１１に貼着する。こ
のインパクト・フェース１８の成形は、予め含浸処理を
施した布３０を鋳型３５内で積層３０して行なう（図１
８）。この成形作業は、含浸用樹脂の重合を確実に行な
うよう、加熱と圧縮により行われる（図１９）。鋳型の
印象形を用いて最終仕上げ形状に成形したインパクト・
プレート１８を鋳型から取り外し、外皮の支承面に貼着
する。

【００３５】インパクト・フェースが有しなければなら
ない平行な溝は、インパクト・プレートの成形／圧縮作
業の間か、または加工の最終工程において刻まれる。好
ましい態様によれば、成形工程時にこれらの溝を刻み、
この目的のために、図２１に示すように、鋳型の蓋の下
側に突出する一連の平行なリブ３１０を付ける。

【００３６】このインパクト・プレート１８はプラスチ
ック材料でできていてもよく、例えば、熱可塑性樹脂の
射出成形により、最終形状と最終寸法で別に製作すれば
よい。次に、このようにして製作したインパクト・フェ
ースを対応する支承面に貼着する。更に、図１５から図
１７に示す製作方法で得られるベースプレートはプラス
チック材で作ることもできる。この場合、該プレート材
１８０は熱成形により形成し、所定曲線をそれに付与す
ることができる。

【００３７】また、布の積層を不均衡に行うこともでき
る。すなわち、単純変形によって、インパクト・プレー
トを加熱する際、インパクト・プレートの最終仕上げ曲
線の形成を自然に行なうようにする。

【００３８】もちろん、この発明は、本明細書で例とし
て記載し、かつ図示した実施態様に限定されるものでは
なく、ここに示した製作方法と技術的に同等な方法やそ
れらの組合せをも含む。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるクラブヘッドの正面図である。

【図２】図１の矢印Ｆの方向から見た側面図である。

【図３】上面図である。

【図４】図１のＩＶ−ＩＶ線に沿って見た垂直断面図で
ある。

【図５】図２のＶ−Ｖ線に沿って見た水平断面図であ
る。

【図６】斜視図である。

【図７】打撃用壁部がない状態のクラブヘッドを示す斜
視図である。

【図８】嵌め込み式の打撃面がどのようにして構成され
るかをより詳細に示す斜視図である。

【図９】嵌め込み式の打撃面がどのようにして構成され
るかをより詳細に示す斜視図である。

【図１０】すべての方法に共通の事前工程を示す図であ
る。

【図１１】各種の工程の第一の手順を示す図である。

【図１２】各種の工程の第一の手順を示す図である。

【図１３】各種の工程の第一の手順を示す図である。

【図１４】各種の工程の第一の手順を示す図である。

【図１５】第二の手順を示す図である。

【図１６】第二の手順を示す図である。

【図１７】第二の手順を示す図である。

【図１８】本発明による他の手順を示す図である。

【図１９】本発明による他の手順を示す図である。

【図２０】本発明による他の手順を示す図である。

【図２１】改良した鋳型の蓋を示す横断面である。

【符号の説明】

１ シェル（殻体） ２ 打撃面（インパクト・フェース） ３ ネック部 ４ 外皮（包囲体） ５，６，７，８ 壁部 ９ 内部空洞 １０ 発泡材 １１ 支承面 １８，１８０ 打撃用壁部（インパクト・プレー
ト） １９ （打撃用壁部の）後面 ２０〜２４ 第一の布 ２５〜２９ 第二の布 ３４ 基板

Claims (17)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ネック部（３）を介して側方に伸び出る
   シェル（１）を含み、前記シェルは内部空洞（９）を形
   成する金属製壁部（４）の組立体からなり、かつ前記金
   属製壁部の前部壁（８）は支承面（１１）を含み、前記
   支承面にはプラスチック材料または複合材料でできた打
   撃用壁部（１８）が一体連結されるゴルフクラブのヘッ
   ドにおいて、 前記前部壁（８）の支承面（１１）が前方へ向かう凸状
   の面であること；および前記支承面に連接される打撃用
   壁部（１８）は、該支承面（１１）上に支承されるその
   後面（１９）が補完的形状を有するのに対し、その打撃
   面（２）が前方へ向かう凸状の面であることを特徴とす
   るゴルフクラブのヘッド。
2. 【請求項２】 前記前部壁（８）の支承面（１１）が垂
   直面（Ｖ１、Ｖ２、Ｖ３、・・・）と交わる異なる交差
   箇所は曲線（ＣＶ１、ＣＶ２、ＣＶ３、・・・）であ
   り、かつ前記支承面が水平面（Ｈ１、Ｈ２、Ｈ３、・・
   ・）と交わる異なる交差箇所は曲線（ＣＨ１、ＣＨ２、
   ＣＨ３、・・・）であることを特徴とする請求項１によ
   るゴルフクラブのヘッド。
3. 【請求項３】 前記曲線（ＣＶ１、ＣＶ２、ＣＶ３、・
   ・・）が半径Ｒ１の円の部分であり、また前記曲線（Ｃ
   Ｈ１、ＣＨ２、ＣＨ３、・・・）が半径Ｒ２の円の部分
   であることを特徴とする請求項２によるゴルフクラブの
   ヘッド。
4. 【請求項４】 前記曲線の半径Ｒ１およびＲ２が同一で
   あることを特徴とする請求項３によるゴルフクラブのヘ
   ッド。
5. 【請求項５】 前記打撃用壁部（１８）の厚みｅ１がほ
   ぼ一定であることを特徴とする請求項１ないし４のいず
   れか１によるゴルフクラブのヘッド。
6. 【請求項６】 前記打撃用壁部（１８）は、その打撃面
   （２）が垂直面（Ｖ１、Ｖ２、Ｖ３、・・・）と交わる
   異なる交差箇所において曲線（Ｃ’Ｖ１、Ｃ’Ｖ２、
   Ｃ’Ｖ３、・・・）であり、かつ該打撃面が水平面（Ｈ
   １、Ｈ２、Ｈ３、・・・）と交わる異なる交差箇所にお
   いて曲線（Ｃ’Ｈ１、Ｃ’Ｈ２、Ｃ’Ｈ３、・・・）で
   あるような形状を呈することを特徴とする請求項１ない
   し５のいずれか１によるゴルフクラブのヘッド。
7. 【請求項７】 前記曲線（Ｃ’Ｖ１、Ｃ’Ｖ２、Ｃ’Ｖ
   ３、・・・）が半径Ｒ３の円の部分であり、かつ前記曲
   線（（Ｃ’Ｈ１、Ｃ’Ｈ２、Ｃ’Ｈ３、・・・）が半径
   Ｒ４の円弧部分であることを特徴とする請求項６による
   ゴルフクラブのヘッド。
8. 【請求項８】 前記曲線の半径Ｒ３およびＲ４が同一で
   あることを特徴とする請求項７によるゴルフクラブのヘ
   ッド。
9. 【請求項９】 前記打撃用壁部（１８）の厚みｅ２がほ
   ぼ一定であることを特徴とする請求項８によるゴルフク
   ラブのヘッド。
10. 【請求項１０】 前記ヘッドが「ウッド」型であり、か
    つ前記シェル（１）が金属製壁部（４）の組立体で構成
    され、その空洞部（９）は発泡材（１０）で充填される
    ことを特徴とする請求項１ないし９のいずれか１による
    ゴルフクラブのヘッド。
11. 【請求項１１】 前部壁（８）が前方へ向かう凸状の支
    承面（１１）を有する、金属製壁部（４）の組立体から
    なるシェル（１）を製作し；次いで、前記前面壁（８）
    に厚みがほぼ一定の打撃用壁部（１８）を嵌め込むこと
    を特徴とする請求項１ないし１０のいずれか１によるゴ
    ルフクラブのヘッドを製作する方法。
12. 【請求項１２】 金属製壁部（５、６、７、８）の組立
    体によりシェル（１）を製作する一方、打撃用壁部（１
    ８）をプラスチック材料あるいは複合材料で製作するこ
    とを特徴とする請求項１１によるゴルフクラブのヘッド
    を製作する方法。
13. 【請求項１３】 前記打撃用壁部（１８）を前記シェル
    （１）の前面壁の支承面（２）上に支承状態で貼着する
    ことを特徴とする請求項１２によるゴルフクラブのヘッ
    ドを製作する方法。
14. 【請求項１４】 前記打撃用壁部（１８）を、樹脂を含
    浸させた炭素繊維おおよび／またはアラミド繊維で織製
    した複数枚の布を積層させて製作することを特徴とする
    請求項１３によるゴルフクラブのヘッドを製作する方
    法。
15. 【請求項１５】 樹脂を予め含浸させた繊維で織製した
    一連の複数枚の布（２０、２１、２２、２３、２４、２
    ５、２６、２７、２８、２９）から成る積層物を、前記
    打撃用壁部（１８）の支承面（１１）に対して配置し、
    次いで前記積層物に熱を加えて前記前部壁（８）に圧着
    し、前記打撃面（２）が前方へ向かって膨らんだ形状に
    なるよう前記打撃用壁部（１８）にその最終形状を付与
    することを特徴とする請求項１４によるゴルフクラブの
    ヘッドを製作する方法。
16. 【請求項１６】 熱硬化性樹脂を含浸させた繊維で織製
    した複数枚の布の積層物から成る、重合化した基板（３
    ４）から打撃用壁部（１８０）を切り抜き；続いて、前
    記打撃用壁部を前記支承面（１１）に対して配置し；次
    いで、圧縮／型取りの工程を行なって、前記打撃用壁部
    （１８０）を変形させて最終形状を付与するとともに、
    該壁部を前記支承面（１１）に貼着することを特徴とす
    る請求項１４によるゴルフクラブのヘッドを製作する方
    法。
17. 【請求項１７】 前記打撃用壁部（１８）が、その最終
    形状と最終曲線とをもって個別に製作され；次いで、前
    記前部壁（８）の支承面（１１）に対して貼着されるこ
    とを特徴とする請求項１４によるゴルフクラブのヘッド
    を製作する方法。