JP2996911B2 - ラケットフレームの製造方法 - Google Patents

ラケットフレームの製造方法

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JP2996911B2
JP2996911B2 JP8054984A JP5498496A JP2996911B2 JP 2996911 B2 JP2996911 B2 JP 2996911B2 JP 8054984 A JP8054984 A JP 8054984A JP 5498496 A JP5498496 A JP 5498496A JP 2996911 B2 JP2996911 B2 JP 2996911B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テニス、バトミン
トン、スカッシュ等のスポーツ用ラケットフレームの製
造方法に関し、特に、振動減衰性を調整して打球感を良
好に保持しながら、ボールの飛び性能を向上させるもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のラケットフレームの材料
は、ブナ材等の木製からアルミ製、さらに、FRP製
(繊維強化樹脂製)へと変遷している。即ち、最初は木
製であったが、木製の場合、強度が低く、重量が大で、
かつ、性能が不均一であるため、軽量で性能に安定性が
あるアルミ製に移行した。その後、FRP製のラケット
フレームが開発され、FRPはアルミよりも更に軽量
で、かつ、振動減衰率がアルミよりも大きくて振動減衰
性が良く、打球感がマイルドであるため、現在市販され
ているラケットフレームは大半がFRP製となってい
る。
【0003】上記FRP製のラケットフレームにおい
て、FRPの振動減衰率を大きくして、振動減衰性を高
め、打球感を良好とする場合、一般に剛性が低下して打
球の飛び性能が低下する。一方、剛性を上げるために振
動減衰率を小さくすると、振動減衰性が低下し、打球感
が悪くなる問題がある。
【0004】上記のように、ラケットフレームでは、振
動減衰性が良好で打球感が良いことと、剛性が大きくて
飛び性能が良いことは両立しがたいものであり、よっ
て、プレーヤーの好みによってどちらかを優先せざるを
得なかった。しかしながら、所要の剛性、強度を保持し
て飛び性能を一定以上としつつ、振動減衰性を調整する
ことができれば、上記打球感と飛び性能とは両立しえる
ものとなる。
【0005】本発明者が鋭意研究調査したところ、具体
的には、テニスラケットの平圧剛性が30kgf/cm2以上
の場合、一定以上の飛び性能を充足しえることが判明し
た。一方、温度条件が25℃、湿度が60%の平衡状態
における面外方向の1次固有振動数の減衰率が0.6%
〜0.8%で、さらに、対数減衰率が1.5%以上の場
合、振動減衰性が良好で打球感を満足させることができ
ることが判明した。なお、競技指向の上級プレーヤーで
は、50kgf/cm2以上と平圧剛性が大きく面安定性とコ
ントロール性に優れ、反発係数が高いものが好まれ、こ
の場合には、振動減衰率が0.8%を越えても、平圧剛
性と振動減衰率とのバランスが取れて、飛び性能と打球
感とは両立しえることも判明している。
【0006】従来提供されているFRP製のラケットフ
レームは、熱硬化性樹脂マトリクスからなるものと、熱
可塑性樹脂マトリクスからなるものがある。前者の熱硬
化性樹脂マトリクスからなるものは、エポキシ樹脂をマ
トリクス樹脂として用いると共に、強化繊維としてカー
ボン繊維、ガラス繊維等からなる連続強化繊維を用いて
いる。このエポキシ樹脂と連続強化繊維の組み合わせか
らなるFRP製のラケットフレームでは、振動減衰率は
0.6%以下と小さくなり、振動減衰性が悪い。振動減
衰性をよくするため、アラミド繊維や超高分子量ポリエ
ステル繊維等の有機繊維を使用する例もあるが、有機繊
維は剛性、強度が低いため、有機繊維のみの補強では所
要の強度を保持できない問題がある。
【0007】一方、後者の熱可塑性樹脂マトリクスから
なるものは、ポリアミド樹脂をマトリクス樹脂として用
いると共に、上記カーボン繊維、ガラス繊維等からなる
連続繊維あるいは短繊維を強化繊維として用い、その製
法は、下記〜の3種類に分類される。しかしなが
ら、いずれの方法により成形したラケットフレームも、
上記一般プレーヤー向きの振動減衰率が0.6%〜0.
8%で、平圧剛性が30kgf/cm2以上のものは得られて
いない。また、上級プレーヤー向きの平圧剛性が50kg
f/mm2で、面安定性が良く、その割りに振動減衰率が大
きいものも得られていない。
【0008】短繊維を含むポリアミド樹脂を射出成形
する。上記製法で成形されたラケットフレームでは、平
圧剛性が小さく、強度が低い欠点がある。 ポリアミド樹脂製の繊維と強化繊維とを繊維形状のま
ま積層し、高温で内圧をかけ、ポリアミド樹脂を溶融し
て成形する。上記製法で成形されたラケットフレーム
は、平圧剛性が大きい割りに、振動減衰率が小さい問題
があった。 金型内に強化繊維を予め配置し、ポリアミド樹脂モノ
マーを反応射出成形(RIM成形)で形成する。上記製
法で成形されたラケットフレームも、と同様に、平圧
剛性が大きい割りに、振動減衰率が小さい問題があっ
た。
【0009】上記のように、ラケットフレームをFRP
製に限定すると、剛性および強度を一定以上として打球
の飛び性能を確保しつつ、振動減衰性を良好とすること
は困難であるため、本発明者は振動減衰率は小さいが剛
性を有する金属材と振動減衰率が大きい樹脂との組み合
わせにより、飛び性能と打球感との両立を図る方法を鋭
意研究した。
【0010】この種の金属材と樹脂とを組み合わせたラ
ケットフレームとして、特公昭52−47468号にお
いて、図4に示すような、アルミ製あるいは木製の中芯
1の外周に強化繊維に樹脂を含浸させたプリプレグシー
ト2を巻いて被覆したものに、アルミ板等からなる上下
面板3A、3Bさらに内外面板3C、3Dを重ね、この
状態で加圧、加熱して一体に成形したものが提案されて
いる。しかしながら、該ラケットフレームでは、中芯1
にプリプレグシート2を被覆しており、かつ、外殻とな
る上下面板としてアルミ板等を用いているため、振動減
衰性が小さく、打球感が悪い問題がある。
【0011】また、特開昭59−177071号で、図
5に示すパイプ状の金属製の外殻4とFRP製の内殻5
とからなるラケットフレームが提案されている。しかし
ながら、この種のラケットフレームに用いられる樹脂は
エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が一般的であり、振動減
衰効果が少なく、振動が直接的にプレーヤーに伝わり、
打球感が悪い欠点がある。また、一般に樹脂は成形収縮
するため、外殻の金属から剥離しやすい欠点がある。
【0012】また、近時、特開平7−204294号
で、軽金属製のチューブからなる内部構成体6と、その
外周に射出成形された熱可塑性樹脂からなる外部構成体
7とからなるラケットフレームが提案されている。該ラ
ケットフレームは、図6(A)に示すように、内部構成
体6の金属製チューブの内部に低融点合金8を充填して
射出成形時に変形しないように形状を保持しておき、該
状態で金型9の内部にセットし、金型9の内面の上下、
左右より突設した位置決めピン19でキャビティの中央
に位置決めしている。この状態で、樹脂をキャビティ内
に射出して外部構成体7を成形している。
【0013】上記ラケットフレームでは、図6(B)に
示すように、成形した後に、フレームを加熱して、低融
点合金8を溶融させて取り除く必要がある。また、射出
圧が高いため金属チューブをしっかりと固定しなければ
ならないので、多数の位置決めピンが必要となり、成形
したフレームに位置決めピン19が残存し、フレーム外
面から突出した位置決めピン19を削り取る作業が必要
となる。さらに、位置決めピンの存在により、フレーム
の断面が均一とならない不具合がある。金型にピンを固
定することにより上記問題を解決することは可能ではあ
るが、この場合離形のための金型割数が多くなり、作業
性が低下する問題が生じる。
【0014】本発明は、上記した問題に鑑みてなされた
もので、飛び性能と打球感とを両立させ得るラケットフ
レームおよび、該ラケットフレームを簡単に製造できる
製造方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、金属芯材の外周に繊維強化材を巻き付け
て、金型のキャビティ内にセットし、該キャビティ内に
ポリアミド樹脂モノマーを注入し、反応射出成形して、
金属芯材の外周に繊維強化材を含むポリアミド樹脂製の
外層を設けているラケットフレームの製造方法を提供す
るものである。
【0016】上記ポリアミド樹脂のラケットフレーム全
重量に占める割合が10〜40重量%としている。ま
た、上記繊維強化材の種類あるいは/および密度を部分
的に変えている。
【0017】上記繊維強化材は金属芯材の外周に巻き付
けて金型内にセットし、キャビティ内に注入する樹脂を
含浸させて繊維強化材を含むポリアミド樹脂製の外層を
形成するものである。該繊維強化材の主たる目的は、金
型キャビティの中心部に金属芯材を位置決め保持するこ
とにあり、よって、樹脂流れがよく、表面平滑性を満足
させる不織布、特に、ガラス繊維やカーボン繊維の不織
布が好適に用いられる。不織布は、金属芯材の外周の全
周てに巻き付けておく必要はなく、部分的に巻き付けて
金属芯材を位置決め保持してもよく、また、軸線方向で
部分的に不織布の密度をかえて巻き付え、強度が特に要
求される部分には繊維強化密度を大とすることが好まし
い。また、強度が要求されるラケットフレームのトップ
部とサイド部の3時から4時の位置にカーボン繊維を配
置して、上記不織布をなくしてもよい。あるいは、上記
トップ部とサイド部にはカーボン繊維を、他の部分に不
織布を巻き付けておいてもよい。
【0018】上記金属芯材と、ポリアミド樹脂製の外層
との重量比は、平圧剛性と振動減衰率との関係から設定
しており、振動減衰率を前記0.6%〜0.8%の範囲
とするために、実験結果より、ポリアミド樹脂外層を1
0〜40重量%に設定している。
【0019】上記金属芯材としては、比剛性、比強度が
高いものが好ましく、アルミ、マグネシウム、チタンあ
るいはこれらの合金が用いられるが、特に、アルミまた
はアルミ合金が好適に用いられる。また、軽量化のため
に、中空形状のパイプ状とすることが好ましい。該金属
芯材の肉厚および形状は、外層のポリアミド樹脂との重
量比との関係で設定されるが、剛性、即ち、平圧剛性を
30kgf/cm2以上となるように設定している。剛性を所
要の値とするために、パイプ状とした金属芯材の内周面
よりリブを突設して、剛性を制御することが好ましい。
【0020】また、金属芯材とポリアミド樹脂との接着
性を良好とするため、金属芯材の外表面をショットブラ
スト等を施して梨地処理することが好ましい。あるい
は、シランカップリング剤で表面処理を施しておき、ポ
リアミド樹脂との接着性を高めてもよい。
【0021】
【0022】上記金属芯材は、長尺な金属芯材を湾曲さ
せて、ガットを張架するフレーム部を形成するととも
に、湾曲させた両端を重ね併せてシャフト部を形成して
おり、このフレーム部とシャフト部を予め形成した状態
で、金型のキャビティ内にセットする。なお、分割した
金属芯材で上記フレーム部とシャフト部とを形成しても
良いことは言うまでもない。
【0023】上記金属芯材は外周に不織布等からなる繊
維強化材を巻き付けているため、キャビティの中心に位
置決め保持される。よって、前記従来技術のように、金
属芯材をキャビティの中心に位置決め保持するための位
置決めピン等の保持手段は必要とされない。
【0024】金型のキャビティ内にはポリアミド樹脂を
射出成形しているが、その際の射出圧が200kgf/cm2
〜30kgf/cm2であると金属芯材が変形する恐れがある
が、本発明では、射出圧が20kgf/mm2あるいはそれ以
下の反応射出成形を用いているため、問題はない。よっ
て、前記従来技術のように、変形防止用に低融点合金を
金属芯材の内部に充填しておく必要はない。
【0025】また、反応射出成形したポリアミド樹脂は
振動減衰率が大きいため、振動減衰率が小さい金属芯材
と組み合わせても、所要の振動減衰率、即ち、前記0.
6%〜0.8%の範囲とすることができる。
【0026】さらに、キャビティにラケットフレームの
ヨーク部を形成する部分を設けておくと、成形時にポリ
アミド樹脂が流れこんでヨーク部を一体に成形すること
ができる。あるいは、該ヨーク部を構成する部分のキャ
ビティに別体の金属中空材、あるいは硬質発泡ウレタン
から形成した芯材をセットしておき、ポリアミド樹脂で
一体に流しこんで被覆し、他の部分と一体に形成しても
よい。また、ヨーク部を後付けしても良い。
【0027】
【発明の実施の形態】図1(A)(B)は本発明に係わ
るラケットフレーム10を示し、該フレーム部10a、
シャフト部10bおよびヨーク部10cを中空のアルミ
製からなる金属芯材11と、該金属芯材11の外周に被
覆したポリアミド樹脂製の外層12とより構成してい
る。該ポリアミド樹脂製の外層12の内部には強化繊維
13が含まれている。
【0028】上記実施形態のラケットフレーム10を以
下の第1実施例から第4実施例に記載の方法で形成し
た。
【0029】まず、第1実施例では、金属芯材11とし
てアルミを用い、その外径をラケットフレーム外径より
も0.4mmづつ小さくした断面形状の中空パイプとし
た。該金属芯材11の重量は192gであった。該金属
芯材11の外表面にはガラス粒子によるショットブラス
トで梨地とし、かつ、トルエンにより脱脂した後に、シ
ランカップ剤(信越化学製)で表面処理を行った。この
金属芯材11の表面処理後に、ガラス繊維不織布13
(日本バイリーン製 EPM−4025)を20mm幅
にカットして、金属芯材11の外周面の全体に巻き付
け、2〜3層を積層した。このガラス繊維不織布13の
重量は6gであった。
【0030】上記ガラス繊維不織布13で被覆した金属
芯材11を金型のキャビティ内にセットした。該ラケッ
トフレーム形成用のキャビティは、ラケットフレームを
厚さ22mm、幅12mmの断面形状で成形するように
設定している。キャビティ内にセットした金属芯材11
は、その外周面にガラス繊維不織布13を被覆している
ため、キャビティ内で偏らずに中心に位置決め保持され
た。キャビティのヨーク部の成形部分には、他のフレー
ム成形部分およびシャフト成形部分と同様に、ガラス繊
維不織布で被覆したアルミ中空部材からなる金属芯材を
セットした。
【0031】その後、金型の型締めを行い、金型を15
0℃に昇温し、キャビティ内に溶融したナイロンモノマ
ー(宇部興産製 UX−75)を注入した。注入圧は1
kgf/cm2に制御し、注入後、3分間保持し、その後、離
型した。完成したラケットフレーム(ローフレーム)の
重量は223gであった。
【0032】第2実施例では、金属芯材としてアルミ合
金(7075、Al,Mg、Cu、Zn系)製で、中空
パイプとした。その外径および肉厚を調整し、該金属芯
材の重量を145gであった。該金属芯材の外表面はサ
ンドペーパー(♯320)で研磨して梨地とし、その
後、トルエンにより脱脂し、ついで、シランカップ剤
(信越化学製)で表面処理を行った。この表面処理を行
った金属芯材の表面に、図2に示すように、半円環形状
の厚さ5mmの6ナイロン樹脂15を金属芯材のトップ
部とサイド部の3時から4時の位置に被せ、金型キャビ
ティの内部にセットした。即ち、樹脂成形した半円環成
形物をスペーサとして金属芯材に取り付けてキャビティ
にセットし、金属芯材をキャビティの中心に保持した。
また、ヨーク芯材として硬質発泡ウレタンを使用した。
該ヨーク芯材の重量は5.0gであった。該硬質発泡ウ
レタンをナイロンチューブで被覆すると共に、さらにナ
イロンチューブの外面にガラス繊維不織布を積層した。
該不織布量は2gとした。
【0033】上記金属芯材11およびヨーク心材を金型
のキャビティ内にセットした。該ラケットフレーム形成
用のキャビティは、第1実施例と同一で、ラケットフレ
ームを厚さ22mm、幅12mmの断面形状で成形する
ように設定している。キャビティ内にセットした金属芯
材は、その外周面に6ナイロンを被覆しているため、キ
ャビティ内で偏らずに中心に位置決め保持された。同様
に、キャビティのヨーク部の成形部分には、ヨーク芯材
の外周にガラス繊維不織布で被覆しているためキャビテ
ィ内の中心に位置決め保持された。
【0034】その後、金型の型締めを行い、金型を15
0℃に昇温し、キャビティ内に溶融したナイロンモノマ
ー(宇部興産製 UX−75)を注入した。この溶融温
度は90℃で、触媒を含むA液と開始剤を含むB液とを
1:1で混合してキャビティ内に注入した。注入圧は1
kgf/cm2に制御し、注入後、3分間保持し、その後、離
型した。完成したラケットフレーム(ローフレーム)の
重量は224gであった。
【0035】実施例3のラケットフレームは、第2実施
例と同様に、金属芯材としてアルミ合金(7075、A
l,Mg、Cu、Zn系)製で、中空パイプとした。そ
の外径および肉厚を調整し、該金属芯材の重量を128
gであった。該金属芯材の外表面をガラス粒子でショッ
トブラスト処理して梨地とし、その後、トルエンにより
脱脂し、ついで、シランカップ剤で表面処理を行った。
この表面処理を行った金属芯材の表面を、19gのカー
ボン繊維ブレイド(東邦レーヨン製BC7364−24
(20))で被覆した。また、ヨーク芯材として上記金
属芯材と同様のアルミ合金パイプを用いた。
【0036】上記金属芯材およびヨーク心材を金型のキ
ャビティ内にセットした。該ラケットフレーム形成用の
キャビティは、第1実施例と同一で、ラケットフレーム
を厚さ22mm、幅12mmの断面形状で成形するよう
に設定している。キャビティ内にセットした金属芯材
は、その外周面にカーボン繊維ブレイドを被覆している
ため、キャビティ内で偏らずに中心に位置決め保持され
た。
【0037】その後、金型の型締めを行い、金型を15
0℃に昇温し、キャビティ内に溶融したナイロンモノマ
ー(宇部興産製 UX−75)を注入した。注入圧は1
kgf/cm2に制御し、注入後、3分間保持し、その後、離
型した。完成したラケットフレーム(ローフレーム)の
重量は220gであった。
【0038】実施例4のラケットフレームも、金属芯材
としてアルミ中空パイプを用い、その断面形状を、外径
の厚さ20mmとし、幅を11mmとした。その重量は
190gであった。該金属芯材の表面にポリアミド6繊
維のブレイド形態繊維を被覆した。この被覆量は22g
とした。上記金属芯材の表面をガラス粒子でショットブ
ラスト処理して梨地とし、その後、トルエンにより脱脂
し、ついで、シランカップ剤で表面処理を行った。この
表面処理を行った金属芯材の表面に、シリコンゴムを幅
15mmとしたテープ状のものをラッピングした。
【0039】上記金属芯材を225℃のオーブンに入
れ、30分保持して成形した。ヨーク部分には、ナイロ
ンで射出成型したものを後つけで取り付けた。完成した
ラケットフレームの重量は224gであった。
【0040】上記した本発明の実施例と、振動減衰率、
平圧剛性および反発係数の点で比較するため、下記の第
1比較例から第7比較例のラケットフレームを設けた。
これら第1比較例から第7比較例のラケットフレームの
フレーム形状は第1実施例から第4実施例の本発明の実
施例と同一とした。
【0041】まず、第1比較例のラケットフレームは、
アルミ材のみから形成したおり、アルミ材をローフレー
ム形状に成型した。その重量は205gであった。ヨー
ク部分にはエポキシプリプレグを積層し、90℃〜15
0℃で40分かけて徐々も昇温し、150℃で20分保
持して、ヨーク部を備えてラケットフレームを形成し
た。その重量は219gであった。
【0042】第2比較例のラケットフレームは、66ナ
イロンチューブにカーボン繊維ブレイド(東邦レーヨン
製BC7364−24(20)、BC7364−45
(20)を積層し、110gとした。これを主な強化繊
維とした。また、ヨーク芯材は硬質発泡ウレタンを使用
した。該ヨーク芯材の重量は5.0gであった。この硬
質発泡ウレタン心材をナイロンチューブで被覆し、その
外側を上記カーボン繊維ブレイドで被覆した。これらの
材料を金型内に配置し、型締めを行った。金型の型締め
を行い、金型を150℃に昇温し、キャビティ内に溶融
したナイロンモノマー(宇部興産製 UX−75)を注
入した。この溶融温度は90℃で、触媒を含むA液と開
始剤を含むB液とを1:1で混合してキャビティ内に注
入した。注入圧は3kgf/cm2に制御し、ナイロンチュー
ブ内も空気圧で3kgf/cm2に保持した。注入後、3分間
保持し、その後、離型した。完成したラケットフレーム
(ローフレーム)の重量は221gであった。
【0043】第3比較例のラケットフレームは、射出成
形機を用いてインジェクションで成形した。樹脂は6ナ
イロンを使用し、その中に0.6mmの長さのカーボン
繊維を充填した。その量は18容積%となるようにし
た。中芯として溶融合金(融点120℃のUアロイ12
0)により予めフレームの中空となる部分を成形し、金
型内に配置した。射出成形機のシリンダー温度240℃
とし、その中の樹脂温度を260℃とした。金型温度は
70℃とし、射出圧は850kgf/cm2とした。成形後、
140℃に加熱し、溶融合金を取り出した。完成したラ
ケットフレームの重量は255gであった。
【0044】第4比較例のラケットフレームは、66ナ
イロンチューブにエポキシ樹脂を含浸させたカーボン繊
維プリプレグを積層した。これらを金型内に配置し、空
気圧6kgf/cm2をかけたまま、室温から150℃まで昇
温し、この温度で30分間保持して成型した。ヨーク部
分はエポキシ樹脂を含浸したカーボン繊維プリプレグを
芯材であるポリスチレン樹脂に巻き付け、上記本体と一
体成形を行った。完成したラケットフレームの重量は2
20gであった。
【0045】第5比較例のラケットフレームは、中空ア
ルミ芯材の外径を変え、被覆するナイロン量を12gと
して平均厚さを0.2mmと変えたこと以外は第1実施
例と同一である。位置決めのために中空アルミ材に被覆
したガラス繊維不織布は1〜2層として積層した。完成
したラケットフレームの重量は220gであった。
【0046】第6比較例のラケットフレームは、中空ア
ルミ芯材の外径を変え、被覆するナイロン量を110g
として平均厚さを1.2mmに変えたこと以外は第1実
施例と同一である。位置決めのために中空アルミ材に被
覆したガラス繊維不織布は5〜6層として、積層した。
完成したラケットフレームの重量は226gであった。
【0047】第7比較例のラケットフレームは、芯材と
してアルミ合金(7075、Al,Mg、Cu、Zn
系)を用い、その外径および肉厚を調整して127gと
した。該芯材の外表面をガラス粒子でショットブラスト
処理して梨地とし、その後、トルエンにより脱脂し、つ
いで、シランカップ剤で表面処理を行った。この表面処
理を行った金属芯材の表面を、20gのカーボン繊維ブ
レイド(東邦レーヨン製BC7364−24(20))
で被覆した。また、ヨーク芯材として同様なアルミ合金
パイプを用いた。上記芯材およびヨーク芯材を金型のキ
ャビティ内にセットした。その後、金型の型締めを行
い、金型を130℃に昇温し、キャビティ内に50℃で
加熱し、粘度を下げたモノマー(油化シュル社製のRI
M用エポキシ樹脂)を注入した。該モノマーは主剤YL
−918と硬化剤YLH006を混合比100:27で
混合して注入した。注入圧は1kgf/cm2に制御し、注入
後、3分間保持し、その後、離型した。ヨーク部分に
は、同様にアルミ芯材を配置し、成形後、150℃で2
時間保持し、アフターキュアした。完成したラケットフ
レームの重量は222gであった。
【0048】上記第1実施例から第4実施例、および第
1比較例から第7比較例のラケットフレームの樹脂量、
金属量、強化繊維率を下記の表1に示す。また、これら
ラケットフレームの振動減衰率、平圧剛性および反発係
数を表2に示す。さらに、これらラケットフレームを成
形した時の成形性、材料コスト、設備コストを比較し、
良いものは○、普通は△、悪いものは×をして、表3に
示す。
【0049】
【表1】
【表2】
【表3】
【0050】表1に示すように、本発明の第1実施例か
ら第4実施例では、樹脂量が10重量%〜40重量%の
範囲にある。これに対して、第1比較例、第5比較例で
は樹脂量が10重量%未満、第2比較例、第3比較例、
第4比較例、第6比較例では樹脂量が40重量%を越え
ている。第7比較例は樹脂量が10重量%〜40重量%
の範囲に入っているが、外層の樹脂層が本発明のポリア
ミド樹脂を反応射出成形して設けたものではない。
【0051】ラケットフレームでは、前記したように、
温度25℃、湿度60%の平衡状態で、面外方向の1次
固有振動数の減衰率が0.6%〜0.8%の範囲にあ
り、平圧剛性が30kgf/cm2以上であることが好まし
い。この点に関して、表2に示すように、第1実施例で
は振動減衰率が0.68で、平圧剛性が58であり、上
記した一般プレーヤーにとって飛び性能と振動減衰性能
の両方の点でバランスがとれたものとなっている。
【0052】また、第2実施例および第3実施例は平圧
剛性が54、55と大きく面安定性が良く、しかも反発
係数が0.47、0.48と比較的大きく、競技指向者
向けであり、平圧剛性と反発係数が大きいため、振動減
衰率が2.8、1.60と大きくても、飛び性能と打球
感とのバランスがとれたものとなっている。
【0053】一方、第1比較例、第4比較例、第5比較
例および第7比較例は振動減衰率が0.23%未満でが
小さ過ぎ、振動減衰性が悪い。また、第2比較例、第3
比較例、第6比較例は振動減衰率が0.8%を越えて大
きすぎる。
【0054】詳しくは、第1比較例のラケットフレーム
はアルミ材からなるラケットフレームであるため、振動
減衰率が0.23が非常に小さく、振動減衰性が悪く、
よって、打球感が劣る。第2比較例、第3比較例および
第4比較例のラケットフレームは金属芯材を用いていな
いため、反発係数が0.45、0.44、0.46と低
く、飛び性能が劣る。特に第3比較例のインジェクショ
ン成形したラケットフレームは平圧剛性が20と非常に
低く、飛び性能が劣っていた。第5比較例のラケットフ
レームは樹脂量が5.3重量%と非常に少ないため、振
動減衰率が0.38と非常に小さく、よって、打球感が
劣る。第6比較例のラケットフレームは逆に樹脂量が5
0.1重量%が多く、金属量が45.9重量%が少ない
ため、振動減衰率は3.3と大きくなり過ぎ、よって、
反発係数が0.45と低く、飛び性能が劣る。第7比較
例のラケットフレームは、外層の樹脂がポリアミド樹脂
でないため、かつ、強化繊維率を55%と高めているた
め、振動減衰率が0.34と小さい。よって、振動減衰
性が悪く、打球感が劣る。
【0055】なお、本発明は上記実施形態に限定され
ず、図3に示すように中空パイプ状の金属芯材11’の
内面側の所要箇所にリブ15を突設し、該リブ15によ
り金属心材11の剛性を調整してもよい。
【0056】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に係わるラケットフレームは、金属芯材を用いて、その
剛性を高めているため、打球の飛び性能を向上させるこ
とができる。また、上記金属芯材の外周に繊維強化材を
含む振動減衰性の良いポリアミド樹脂を被覆しているた
め、振動減衰性が良くない金属芯材を用いているにも拘
わらず、ラケットフレーム全体では所要の振動減衰率に
することができ、飛び性能と振動減衰性能とを両立した
優れたラケットフレームとなる。
【0057】また、金属素材を芯材として用い、その外
周をポリアミド樹脂で被覆しているため、逆にした場
合、即ち、樹脂を内殻とし、金属材を外殻とした場合に
発生する問題、金属製の外殻の振動がが直接的にプレー
ヤーに伝わり、打球感が悪くなる欠点、内殻の樹脂が成
形収縮して外殻の金属から剥離しやすい欠点、内殻の樹
脂量の制御の自由度が小さくなる欠点を全て解消でき
る。
【0058】特に、外層のポリアミド樹脂層を反応射出
成形で形成すると、成形時に樹脂の注入圧が低いため、
金属芯材に変形を生じさせない利点を有し、よって、金
属芯材の中空部に低融点合金を充填しておいて後から除
去する必要がなく、製造作業が簡単となる。また、反応
射出成形されたポリアミド樹脂層は振動減衰性が良好で
ある利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のラケットフレームを示し、(A)は
斜視図、(B)は一部断面図である。
【図2】 本発明のラケットフレームの成形時に、金属
芯材に取り付ける樹脂製のスペーサを示す概略図であ
る。
【図3】 他のラケットフレームの断面図である。
【図4】 従来のラケットフレームの分解斜視図であ
る。
【図5】 従来のラケットフレームの断面図である。
【図6】 (A)(B)は従来のラケットフレームの製
造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
10 ラケットフレーム 10a フレーム部 10b シャフト部 10c ヨーク部 11 金属芯材 12 ポリアミド樹脂の外層 13 補強繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A63B 49/10 B29C 45/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属芯材の外周に繊維強化材を巻き付け
    て、金型のキャビティ内にセットし、該キャビティ内に
    ポリアミド樹脂モノマーを注入し、反応射出成形して、
    金属芯材の外周に繊維強化材を含むポリアミド樹脂製の
    外層を設けているラケットフレームの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記ポリアミド樹脂のラケットフレーム
    全重量に占める割合が10〜40重量%としている請求
    項1に記載のラケットフレームの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記繊維強化材の種類あるいは/および
    密度を部分的に変えている請求項1または請求項2に記
    載のラケットフレームの製造方法。
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