JP2922253B2 - ゴルフ用ウッドクラブヘッド及びその製造法 - Google Patents

ゴルフ用ウッドクラブヘッド及びその製造法

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JP2922253B2
JP2922253B2 JP2103134A JP10313490A JP2922253B2 JP 2922253 B2 JP2922253 B2 JP 2922253B2 JP 2103134 A JP2103134 A JP 2103134A JP 10313490 A JP10313490 A JP 10313490A JP 2922253 B2 JP2922253 B2 JP 2922253B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、優れた力学特性と優れた表面色調模様を有
する新規なゴルフ用ウッドクラブヘッド及びその製造方
法に関する。更に詳しくは、連続の炭素繊維で強化され
たポリカーボネート樹脂から主としてなり、かつ一体成
形されたウッドヘッドであって、高い耐衝撃性と高反発
性を有し、更には着色されたポリカーボネート樹脂を用
いることにより、成形後の塗装を敢えて施すことなしに
高品位,高級感のある優れた表面色調模様を有する、素
材,力学特性,品位及び一体成形性といった重要な要求
特性を基本的に全て具備した、新規なゴルフ用ウッドク
ラブヘッド及び該ウッドクラブヘットを効率的に製造す
る方法に関する。
[従来技術] 現在、ゴルフ用ウッドクラブヘッドは、木(パーシモ
ン等)製,メタル製及びFRP製に大別でき、とりわけ、F
RP(繊維強化樹脂)製ヘッドは、炭素繊維で強化した、
いわゆるカーボンヘッドによって、その地位を確固たる
ものにしている。
カーボンヘッドは素材と成形法の選択によって多種多
様のものが提案かつ上市されているが、ヘッドの主要構
成部位のヘッド本体、詳しくはヘッド外殻層は、基本的
には次の材料で構成されている。
(i) 連続の炭素繊維強化熱硬化性樹脂 (ii) 短繊維の炭素繊維強化熱硬化性樹脂 (iii) 短繊維の炭素繊維強化熱可塑性樹脂 上記(i)は、炭素繊維の連続トウの熱硬化性樹脂含
浸したいわゆるUDプリプレグを巻回した材料を、又、炭
素繊維の織編物ないしブレードに樹脂含浸したプリプレ
グを積層配置した材料を、オートクレーブ成形あるいは
プレス成形したものに代表される。
(ii)では、短繊維強化熱硬化性樹脂コンパウンドい
わゆるBMCの射出成形ないしプレス成形、及び炭素繊維
マット,シートに樹脂含浸したいわゆるシートモールデ
ィングコンパウンド(SMC)のプレス成形が代表的であ
ると言える。
(iii)では、短繊維強化熱可塑性樹脂コンパウン
ド、いわゆるFRTP、の射出成形がある。
最近、(i),(ii)の変法として、未含浸炭素繊維
のプリフォーム(繊維状前駆体)を金型に配置したあと
熱硬化性樹脂を注入し、硬化成形する、いわゆるRTM,S
−RIM、も提案されている。
しかしながら、上記(i),(ii)及び(iii)の材
料をウッドヘッドの要求特性の点でみてみると、必ずし
も合理的ないし理想的材料になっていないことがわか
る。即ち、 (a) 熱硬化性樹脂マトリックスは、熱可塑性樹脂マ
トリックスに比べ、低破砕歪,低破壊靭性等の故に耐衝
撃性が低く、特にゴルフのインパクト時における高衝撃
に対しては必ずしも完璧ではない。
(b) 短繊維強化品は、明らかに比強度,比弾性率の
点で劣り、飛距離アップのキィファクターである軽量化
に対して限界があると同時に耐衝撃性の点でも劣る。
従って、ウッドヘッドの合理的ないし理想的材料とし
て、最近、とみにニーズの高まりを示している連続炭素
繊維強化熱可塑性樹脂製ヘッドは、未だ現実に上市され
ていないのが現状である。
一方、ヘッドの着色,塗装の面でみると、現在、表面
着色方法として、成形後に塗装等を施すことが一般に行
なわれている。これは、後塗装による広範囲な色調のバ
リエーションを得る狙いの他に、成形体中に含まれる炭
素繊維等のフィラーや樹脂本来の色,色調,模様がその
まま表面に出て、低品位な色調になることを防止するこ
とも目的として挙げられよう。しかしながら、一般的に
言って、塗装工程を省略して塗装コストを低減すること
は、商業生産においては、重要な要素となることは明ら
かなところである。
[発明の目的] 本発明の目的は、実質的に連続の炭素繊維で強化され
たポリカーボネート樹脂の一体成形品であって、力学的
特性と表面色調が共に優れた新規で、かつ、理想的なゴ
ルフ用ウッドクラブヘッドを提供すること、及び該ウッ
ドクラブヘッドを効率的,経済的に製造する方法を提供
することにある。
[発明の構成] 本発明者らは、上述の目的を達成すべく鋭意研究した
結果、発泡合成樹脂から成る軽量芯材の外周面に、炭素
繊維の連続繊維と透明性,着色性,耐衝撃性等の力学的
特性に優れたポリカーボネート樹脂の連続繊維とを引揃
えて巻回した材料を型に入れ熱プレスすることにより、
力学的特性に優れ、かつ、高品位,高級感のあるウッド
ヘッド本体が容易に一体形成できることを見い出し、本
発明に至ったものである。
即ち、本発明は ヘッド本体が、連続繊維強化熱可塑性樹脂から成る外
殻層,発泡合成樹脂からなる軽量芯材,ソール面板,フ
ェイス面板及び重量バランス調整用質量体から構成され
たゴルフ用ウッドクラブヘッドにおいて、ネック部の軸
芯となる棒状又はパイプ状のシャフト取付用治具あるい
はシャフトそれ自体の先端部が、上記芯材中に埋設固定
され、実質的に連続の炭素繊維で強化されたポリカーボ
ネート樹脂でネック部の外殻層とヘッド本体の外殻層と
が一体的に形成されていることを特徴とするゴルフ用ウ
ッドクラブヘッド、 および、 ヘッド本体の最終外形寸法より小さ目に予め形成され
た発泡合成樹脂から成る軽量芯材に、棒状又はパイプ状
のシャフト取付用治具あるいはシャフト自体の先端部を
埋設固定した組体のネック相当部を含む外部全周面に、
炭素繊維の連続繊維とポリカーボネート樹脂の連続繊維
とを引揃えて隙間なく巻回したヘッド用成形材料を、複
数個の割型から成る成形型のヘッド外形状を有するキャ
ビティに配置し、ポリカーボネート樹脂の溶融温度以上
の温度で加熱プレスして一体成形して得られたヘッド本
体に、ソール面板,フェイス面板及び重量バランス調整
用質量体を配設,固定することを特徴とするゴルフ用ウ
ッドクラブヘッドの製造方法、 に係るものである。
以下、本発明の構成について、図面に従って詳述す
る。
第1図は本発明のウッドクラブヘッドの一態様を示す
フェイス面からみた正面外観図、第2図は第1図におい
てシャフト軸の中心を通りフェイス面に平行に切断した
縦断面図、第3図は別個に製造したシャフトを後からヘ
ッド本体に取付ける為に、仮軸心としてシャフト取付用
治具を用いて一体成形した本発明の別の実施態様のウッ
ドクラブヘッドについて第2図と同様に切断した縦断面
図である。
第1図,第2図,第3図において、1はヘッド本体,2
は連続繊維強化熱可塑性樹脂から成るヘッド本体の外殻
層,3は発泡合成樹脂から成る軽量芯材,4はソール面板,5
はフェイス面板,7はシャフトで7aはシャフト先端部,8は
ネック部で8aはネック部周りの連続繊維強化熱可塑性樹
脂の外殻層,又9はシャフト取付用治具で、第3図では
パイプ状治具を示してある。
本発明のものは、ヘッド本体1が実質的に連続の炭素
繊維で強化したポリカーボネート樹脂から成る外殻層2,
発泡合成樹脂(フォームコア)から成る軽量芯材3,ソー
ル面板4,フェイス面板5,及び1個又は複数個の重量バラ
ンス調整用質量体(図示せず)から構成されたゴルフ用
ウッドクラブヘッドであって、そのネック部8の軸芯と
なる金属,木材,繊維強化樹脂等からなる棒状又はパイ
プ状のシャフト取付用治具9、あるいは金属,木材,繊
維強化樹脂等からなるシャフト7自体の先端部7aが、上
記芯材3中に埋設固定され、かつ、実質的に連続した炭
素繊維で強化されたポリカーボネート樹脂でネック部の
外殻層8aとヘッド本体の外殻層2とが一体的に形成され
ていることを特徴とするものである。
本発明のウッドクラブヘッドは、上述の構成をとるこ
とにより、ウッドクラブヘッドの重要な要求特性であ
る、力学特性,色調等の品位及び一体成形性を基本的に
満足するものである。
以下、本発明の構成について更に詳しく説明する。
外殻層 本発明のヘッドの外殻層(ネック部を含む)は、連続
繊維強化熱可塑性樹脂から成り、具体的には実質的に連
続の炭素繊維で強化されたポリカーボネート樹脂から成
る。
(i) 強化用の連続炭素繊維: 力学特性及び一体成形性の観点から、炭素繊維のフィ
ラメント・トウが好ましい。炭素繊維フィラメント・ト
ウは、いわゆる高性能炭素繊維と称されるPAN系及び/
又はピッチ系炭素繊維から成り、高強度タイプ,中弾性
率タイプ,高弾性率の炭素繊維が適宜組み合せて用いら
れる。これら炭素繊維のフィラメント・トウは、後述す
る熱プレス成形後にマトリックスとなるポリカーボネー
ト樹脂の連続繊維(フィラメント・トウ)と所定の混合
比率で引揃え、軽量芯材の外周面に巻回して成形用材料
とする。巻回方法としては、フィラメントワインディン
グ法が適している。炭素繊維フィラメント・トウの混合
比率は、炭素繊維の体積分率(以下Vfと略す)が10〜70
%、好ましくは20〜50%となるようにする。炭素繊維フ
ィラメント・トウは、マトリックスとなるポリカーボネ
ート樹脂との接着性を良くする為に、常法により表面処
理及び/又はサイズ処理するか、あるいは実質的に無
糊,ノーオイルで供給される。
炭素繊維を出発素材とするその他の形態、例えば織
物,編物,ブレード,マット(含ペーパー,不織布)な
どは、目的,必要に応じて補完ないし組み合わせとして
使用することはできる。特に高負荷のかかるネック部の
補強用の織物,編物,ブレードは好ましく用いられる。
又、テクノーラ,ケブラー,トワロンなどのい
わゆるパラ型アラミド繊維やガラス繊維,シリコンカー
バイド繊維,シリコンナイトライド繊維,ボロン繊維,
アルミナ繊維などのセラミックス繊維、タングステン繊
維,ステンレス繊維などの金属繊維、あるいは本発明に
採用する熱プレス温度条件下で強化繊維の物性等が著し
く損われないような有機質繊維(例えば、ある種のポリ
アリレート繊維,ポリイミド系繊維等)も、炭素繊維と
組み合せて使用できる。
(ii) マトリックス樹脂: 本発明におけるマトリックス用樹脂は、溶融成形可能
なポリカーボネート類の中から選択される。このような
ポリカーボネート類としては、各種のジフェノールとホ
スゲンあるいは炭酸エステルからのポリマーが本発明に
使用でき、各種のポリエステルカーボネートも必要に応
じて採用できる。最も代表的なポリカーボネートとして
は、ビスフェノールAとホスゲンからのポリマーを挙げ
ることができる。又、難燃性,耐候(光)性等の向上を
目的に、常法により適当なある種の添加剤を加えてもよ
い。
本発明においては、ポリカーボネート樹脂は、通常、
連続繊維(フィラメント・トウ)として供給され、前述
の炭素繊維フィラメント・トウと引揃えて芯材外周面に
巻回され、熱プレスによってポリカーボネート樹脂を溶
融させマトリックスを形成する。ポリカーボネート・フ
ィラメント・トウは、常法により、ペレットを溶融紡糸
することによって製造でき、染料・顔料などで着色した
フィラメント・トウが好ましく用いられる。本発明に供
するポリカーボネート・フィラメント・トウは、炭素繊
維との溶融接着を考慮して、実質的に無糊,ノーオイル
が好ましい。
本発明によれば、透明性を有するポリカーボネート樹
脂をマトリックスとして使用することにより、マトリッ
クス表層を通して炭素繊維を主体とする巻回の繊維パタ
ーン(模様)を見ることが可能であり、ある種の商品価
値を高めることが期待される。更に、透明かつ着色され
たポリカーボネート樹脂を使用すれば、炭素繊維の黒地
とオーバーラップした高品位,高級感のある(深味があ
って、神秘的な)広範囲の色調を付与することが可能で
ある。
この着色ポリカーボネート樹脂による色調効果は、炭
素繊維フィラメント・トウとポリカーボネート・フィラ
メント・トウを引揃え巻回した上に、更に、着色ポリカ
ーボネート・フィラメント・トウを単独で巻回すること
により、更に色調のバリエーションを広げることができ
る。
一方、ポリカーボネート樹脂は、力学的特性、とりわ
け耐衝撃性の点でいわゆるエンプラの中においては極め
て優れており、ゴルフクラブヘッド素材としては好適な
マトリックス樹脂と言える。
軽量芯材 いわゆるカーボンヘッドの軽量芯材(以下、単に芯材
という)としては、硬質ポリウレタンフォームなどの発
泡合成樹脂;炭素繊維などの繊維ないしフィラーを強化
した発泡合成樹脂;ガラスビーズなどの微小中空球状体
含有のエポキシ樹脂,エポキシアクリレート系樹脂;ガ
ス発生剤混入樹脂から成る芯材や木質等のものが知られ
ているが、本発明においては、芯材とヘッドの外殻層と
を熱プレスにて一体形成する為に、その成形温度条件
下、詳しくはポリカーボネート樹脂の成形温度(通常25
0〜310℃)下で、芯材が加熱発泡ないし加熱膨張する熱
可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が好適に用いられる。芯材
の発泡ないし熱膨張効果(いわゆる内圧効果)はヘッド
成形用金型に与えられるプレス圧(外圧)と相まって、
成形体の外殻層自体のコンパクト化(ボイドフリー
化),外殻層と芯材の密着化及び外殻層の金型キャビテ
ィ内面への押圧による外殻層表面の優れた平滑性を付与
する。
本発明では、発泡メタクリルイミドなどの発泡アクリ
ルイミド系樹脂や、外殻層のマトリックスを構成するポ
リカーボネートとの接着性を考慮して発泡ポリカーボネ
ート樹脂が好ましいが、前述の発泡ないし熱膨張効果を
もつ芯材であれば、特に限定されるものでない。
これら芯材は、ヘッド本体の外形寸法より小さ目、通
常3〜5mm程度小さ目に、発泡ボード材からの削し出し
や金型注入発泡成形等によって形成されて用いられる。
フェイス面板 フェイス面板材料としては、アルミニウム系,チタン
系合金等の金属:タングステンカーバイド等のセラミッ
クス;繊維強化のセラミックスや金属;繊維強化ないし
未強化の合成樹脂などの中から適切なものを、目的に応
じて選択できる。これらのフェイス面板は、ヘッド本体
形成後に配設固着するか、あるいは、成形型(金型)キ
ャビティ内に予め配設しておき、ヘッド本体と同時に一
体形成(いわゆるインサート成形)してもよい。ヘッド
本体と一体形成する場合、外殻層のマトリックスである
ポリカーボネート樹脂との接着性を考慮して、炭素繊維
強化ポリカーボネート樹脂製のフェイス面板が好まし
く、フェイス面板マトリックスのポリカーボネート樹脂
は無色でも、着色されていてもよい。
ソール面板,重量バランス質量体 ソール面板としては、通常用いられている、金属系,
セラミックス系等、各種ソール面板材料の中から適切な
ものを目的に応じて選択できる。これらのソール面板や
比重の大きな材料から成る重量バランス調整用質量体
(単数又は複数)は、ヘッド本体形成後に配設固着する
か、あるいは成形型キャビティ内に予め配設しておきヘ
ッド本体と同時に一体形成してもよい。
製造方法 上述の如き本発明のゴルフ用ウッドヘッドは以下の方
法で効率的かつ経済的に製造できる。即ち、ヘッド本体
1の最終外形寸法より小さ目に予め形成された発泡合成
樹脂から成る芯材3に、棒状又はパイプ状のシャフト取
付用治具9、あるいはシャフト7自体の先端部を配設固
定した組体10のネック相当部を含む外部全周面を、炭素
繊維の連続繊維(フィラメント・トウ)11とポリカーボ
ネート樹脂の連続繊維12,13とを、所定の混率で引揃え
て、隙間なく所定量巻回して被覆したヘッド用成形材料
19を、複数個の割型から成る成形型のヘッド外形状を有
するキャビティ21に配置し、ポリカーボネート樹脂の溶
融温度以上の温度で加熱プレスして一体成形する。
上述の基本製造方法を第4図〜第10図により詳述す
る。
第4図はヘッド用成形材料19の製造プロセスの一態様
を、第5図は得られたヘッド用成形材料19の一態様を示
す模式図である。
第4図において、炭素繊維フィラメント・トウ11及び
無色又は着色のポリカーボネート樹脂連続繊維12,13は
各々専用の糸ガイド14及びテンションコントローラー15
を経て集合ガイド16に導かれ、次いで集合ヤーンはロー
ラー式テンションコントローラー17,デリバリーアイ18
を経て、芯材3にシャフト7からなる組体10のネック相
当部を含むヘッドの外部全周面にフィラメントワインダ
ー(図示せず)によって巻回される。ローラー式テンシ
ョンローラー17の少なくとも1本のローラーは駆動ロー
ラーで、組体10をセットしたフィラメントワインダーと
連動(又は同期)させてある。又、デリバリーアイ18は
フィラメントワインダーにセットされた組体10の動きに
連動しており、巻きパターン等の動きはプログラムコン
トロールされている。
第4図,第5図において示されるポリカーボネート樹
脂連続繊維12,13は、同色でも、異色でもよく、又、繊
度を同じにしても、変えてもよい。即ち、炭素繊維フィ
ラメント・トウ11の混率,配色等の設計仕様に応じて、
ポリカーボネート樹脂連続繊維の色,繊度及び供給本数
は種々組み合わせることができる。尚、組体10の巻回に
先立って組体10のネック相当部を炭素繊維の織物等で巻
いて補強することが望ましい。
以上のようにして得られたヘッド用成形材料19は複数
個の割型から成る成形型(金型)のキャビティに投入さ
れる。
第6図は上下一対の割型からなる金型の一態様の、シ
ャフト軸を通り、フェイス面に平行に切断した、正面縦
断面図、第7図は第6図におけるA−A′線で切断した
断面図である。第6図,第7図は、上割型22,下割型23
及びこれら割型で形成されるキャビティ21から成る金型
20を示す。
金型20のタイプは、(イ)ヘッド本体を一旦形成後、
ソール面板,フェイス面板及び重量バランス調整用質量
体を後から配設・固定するべく、これらの構成部材を嵌
めこむ凹状部を後加工にてヘッド本体に設ける場合、あ
るいは、(ロ)これら構成部材を金型キャビティ内に配
設して一体成形(いわゆるインサート成形)する場合に
好ましく用いられる。
上述の金型20以外の実施態様として、第8〜10図に示
すような従来実施されている各種の金型に関する技術を
適宜組み合わせてもよい。例えば、第8図は、上下一対
の割型25,26から成る成形型24であって、かつ、上側割
型25には、加熱プレス成形後期にヘッド本体1にフェイ
ス面板5が嵌合しうる形状の凹状部が押圧形成できる可
動部材27及び下側割型26には加熱プレス成形時にヘッド
本体1にソール面板4が嵌合しうる形状の凹状部が押圧
形成できる固定凸状部28を有する成形型24の例を示す。
第9図は、上側2個,下側1個の3分割型30,31,32か
ら成る成形型29であって、かつ、上側前部割型30には、
加熱プレス成形時にヘッド本体1にフェイス面板5が嵌
合しうる形状の凹状部が押圧形成できる固定凸状部33
を、及び下側割型31には加熱プレス時にヘッド本体1に
ソール面板4が嵌合しうる形状の凹状部が押圧形成でき
る固定凸状部34を有する成形型29の例を示す。
フェイス面板とヘッド本体とを一体成形する場合、即
ち、例えば予め形成された板状インサート材、あるいは
熱プレス時に板状インサート材を形成しうる炭素繊維ク
ロスとポリカーボネート樹脂のフイルム及び/又はポリ
カーボネート樹脂連続繊維から成るクロスの交互積層面
状体を、芯材のフェイス相当部分に貼付固定した組体を
用いて得たヘッド用成形材料で一体成形する場合、第6,
7図の成形型20、あるいは第10図に示すように上下一対
の割型36,37から成る成形型であって、かつ、下側割型3
7において加熱プレス成形時にヘッド本体1にソール面
板4が嵌合しうる形状の凹状部が押圧形成できる固定凸
状部38を有する金型35が好ましく用いられる。
上述の如く、各種の金型及び成形テクニックを適宜組
み合わせて本発明を実施することができ、ここに例示し
た方法に何ら制限されるものではない。
本発明の方法では、ポリカーボネート樹脂連続繊維
は、無色,赤,青,黄等の着色繊維を単独ないし、2種
以上の色を適宜組み合わせて用いることができる。
炭素繊維フィラメント・トウとポリカーボネート樹脂
連続繊維とを芯材に巻回して得た成形用材料を金型内に
投入し、熱プレス材に装着する。成形用材料を投入する
際の金型温度は通常室温〜約130℃が好ましい。
次いで、真空装置を用いて金型内を減圧にし、そのま
ま成形終了時迄維持する。これは成形用材料内部の気
泡,ボイドを減少させると共に、ポリカーボネートの加
水分解の原因となる水分を除去する上で効果がある。プ
レス圧力は通常15Kg/cm2以上、好ましくは25Kg/cm2以上
が採られる。プレス圧力は成形初期から同じ圧力でもよ
いし、段階的に昇圧してもよい。成形終了直前に、更に
若干高目の圧力で加圧すると好ましい。プレス成形の最
高温度は通常250〜320℃の範囲から選択されるが、炭素
繊維の混率(Vf),ポリカーボネート樹脂の溶融流れ性
と熱分解性等の観点から、270〜300℃が好ましく用いら
れる。
尚、シャフトとしてカーボンシャフトを用いて、シャ
フト一体成形を行なう場合、シャフトのマトリックス樹
脂であるエポキシ樹脂等は、ポリカーボネートの成形温
度下で、熱分解などで劣化しシャフト先端部が脆化し、
シャフト折損等の原因ともなりかねないので、熱緩衝材
として巻回用ポリカーボネート樹脂繊維より、20〜50℃
位低融点で及び/又は低溶融粘度のポリマーフイルム・
シートを金型挿入位置以下のシャフト先端部に巻いた上
で、芯材の埋設し、必要ならば、成形中、シャフト中空
部から軽くエアを入れてシャフト先端部をシャフト・マ
トリックス樹脂の熱安定領域迄冷やすことが望ましい。
成形後の冷却は急冷,徐冷のいづれも採用できる。金
型からの取り出し温度は、成形体の歪,表面ひけに対す
る許容度合により選択することが多い。一般には200℃
以下、好ましくはポリカーボネートのガラス転移点付近
で圧力を解除して成形体を取り出すことが好ましい。
後加工 成形体に見られる若干のバリは常法により除去でき
る。
フェイス面板やソール面板等を成形体に後から取付け
る場合は、常法により該当嵌合部を形成し、ポリカーボ
ネート樹脂と該フェイス面板あるいはソール面板等の固
着に適した方法を採ればよい。
本発明のヘッド成形体は、透明及び/又は着色された
ポリカーボネート樹脂をマトリックスとしているので、
脱型直後の表面精密研磨のみでも、優れた色調効果を持
っているが、好ましくはポリカーボネート樹脂に適用し
うる各種のクリア塗料でコートすれば、更に色調効果が
向上する。
又、表面硬度向上の為に、ポリカーボネート樹脂製品
に対して既に実施されている耐スクラッチ性向上の各種
表面処理を本発明にも実施することが出来る。
[発明の効果] 本発明のゴルフ用ウッドクラブヘッドは、軽量である
ことは勿論、連続の炭素繊維強化ポリカーボネート樹脂
で構成され、かつ、一体形成されている為、従来のカー
ボンヘッドにない高い耐衝撃性とボールに対する高反発
性を有し、飛距離の向上とヒット時ボールと一体感のあ
る、打撃感覚を提供するとともに、高品位,高級感のあ
る色調,模様を提供する。更に、本発明のヘッドは、再
加熱・加工することによりゴルファーの体型,くせ,テ
クニックに応じて、ポイントとなる各種角度、例えばロ
フト角,ライ角,シャフト軸とフェイス面の角度等を1
゜前後の範囲で調整可能であり、ゴルファーにとってす
こぶる魅力的な利点を持っている。
そして、本発明の方法によれば、上述の利点を有する
ヘッドを効率的かつ経済的に製造することができるとい
う利点を有する。
尚、本発明の基本概念である。軽量コアを有する連続
繊維強化熱可塑性樹脂の一体成形による軽量複合材は、
本発明のゴルフ用ウッドクラブヘッドに限られたもので
はなく、スキー板,テニスラケットのフレーム,ウイン
ドサーフィン用のボード,フィン,ラダー,サーフボー
ド,竹刀,アーチェリーなどのスポーツ用具、軽量化粧
板などの家具・インテリア、その他一般産業用の各種部
材へ応用展開できるものであり、産業上極めて有意義で
ある。
[実施例] 以下に本発明を実施例によって更に詳述する。
以下の実施例は、いずれもゴルフ用ウッドクラブヘッ
ドの製造例であり、各例において使用した材料,機器等
を下記に示す。
(i) 炭素繊維フィラメント・トウ AS−4,3K,無糊(住化ハーキュレス社製) (ii) ポリカーボネート繊維 原料ペレット:パンライト(帝人化成製) 繊維繊度:600〜2400De(各種繊度),無糊,ノーオイル 色:赤,青,黄,無色(いずれも透明) (iii) 芯材 ポリメタクリルイミド(Rohacell,密度110Kg/m3
(Rhoem社製) ポリカーボネート(パンライトの高発泡グレードを
用い、射出発泡にて型成形したもの) (iv) 金型 上下一対の割型,キャビティ内容積250cc (v) 熱プレス 加熱能力max.350℃,水冷却システム有り 実施例1 芯材(ポリメタクリルイミドフォーム)を用いてヘ
ッド本体の最終外径寸法より4mm小さ目に削り出した芯
材に平均外径10mm,長さ7cmのシャフト取付用のパイプ状
治具を、芯材のソール部相当部の底迄埋設し接着剤で固
定した(組体)。この組体のネック相当部に連続炭素繊
維の平織物(トレカ,目付198g/m2)を所定量巻きつ
けたものをフィラメントワインダーにセットし、連続の
炭素繊維(AS−4,3K)と赤色,透明のポリカーボネート
繊維(2400De)とを引揃えてヘッドの本体及びネック部
の外部全周面を所定量隙間なく巻回し、その後、その上
から更に同じポリカーボネート繊維を単独で巻回してヘ
ッド成形用材料を作製した(仕込状態での炭素繊維のVf
は約30%であった)。
得られたヘッド成形用材料を、離型剤を塗布した、約
130℃の温度を有する上下一対の割型(キャビティ内容
積250cc)に入れ、約130℃のプレート温度を有する熱プ
レス機の天板プレート間にセットして、圧力50Kg/cm2
プレスした後、真空吸引して約10mmHgに減圧した。プレ
ス圧力,減圧を維持した状態で昇温を開始し、290℃×3
0分維持後、プレス圧力を60Kg/cm2に昇圧し、その状態
のまま水冷却に転じ、金型温度が150℃以下になる迄水
冷却した。その後、真空を破り、プレス圧力を解除し、
脱型して、一体成形されたヘッド本体を得た(この状態
での成形品の重量は125gであった)。
成形されたヘッド本体の若干のバリを除去し、次いで
ソール面板,フェイス面板を配設する凹状部を設け、真
ちゅう製ソール面板,連続炭素繊維の平織物と連続ポリ
カーボネート繊維の平織物の交互積層熱プレス成形板か
ら予め形成しておいたフェイス面板(板厚5mm,Vf約60
%)及び重量バランス調整用質量体を取付固定し、更に
精密研磨を施した後、ウレタン系クリア塗装を実施し
た。完成したヘッドは重量が205gを有し、全体色調は炭
素繊維の黒地に赤色ポリカーボネートの色がオーバーラ
ップして、一見ワインレッドの、しかも炭素繊維の巻き
パターン(模様)が浮き出た、高品位,高級感のあるも
のであった。更にこのヘッドを白日の光線下で見ると、
光線の入射角度に応じて、炭素繊維の側面や曲面部でき
らきらと光り、神秘的な色調を呈するものであった。
得られたヘッドに115gの通常のカーボンシャフトとグ
リップを常法により取付け、320gの完成ウッドクラブと
し、ロボットによる試打をを行なった。いわゆるツーピ
ースボールで、初速度40m/秒で試打した結果、平均飛距
離250±5ヤード、いわゆるパーシモンヘッドに似た打
音で従来のウッドクラブにない優れた特性を有するもの
であった。又、実際にゴルファーに打ってもらった所、
インパクトからボールがフェイスより離れる間の、いわ
ゆるクラブとボールの一体感が鮮明に感じられ、打撃感
覚としては申し分ないとの評価を多数得た。
実施例2 ポリカーボネート繊維として、青,黄及び青と赤の等
量混合(いずれも透明)の3タイプの繊維を用い、実施
例1と同様にしてヘッド本体を一体成形後、完成ヘッド
に仕上げた。
用いた着色ポリカーボネート繊維に応じて、青色系の
メノウ,ヒスイ,黄色系のトパーズ等々、さながら天然
宝玉を思わせる優雅な色調を呈するものであった。
実施例3 芯材(発泡ポリカーボネート樹脂)を用いて、実施
例1と同様にしてヘッド本体を一体成形した。特に問題
なく容易に成形品が得られた。
実施例4 芯材を用い、ヘッド本体の最終外形寸法より4mm小
さ目に削り出した芯材に、通常のCF/エポキシ製カーボ
ンシャフトを用い、その先端部(いわゆるTip部)に巻
回用ポリカーボネート繊維より低溶融粘度のポリカーボ
ネート・フイルムシートを巻いた上で芯材のソール部相
当部の底迄埋設し、接着剤で固定して組体を得た。この
組体のネック相当部に炭素繊維平織物(トレカ,目付
198g/m2)を所定量巻きつけたものをフィラメントワイ
ンダーにセットし、連続の炭素繊維(AS−4,3K)と青
色,透明のポリカーボネート連続繊維(2400De)とを引
揃えて、ヘッド本体及びネック部の外部全周面を所定
量、隙間なく巻回し、その後、その上から更に同じポリ
カーボネート繊維を単独で巻回してヘッド成形用材料を
作製した。
上記ヘッド成形材料とは別に予め形成しておいた
(a)フェイス面板(炭素繊維平織物とポリカーボネー
トの青色フイルムの交互積層シートの熱プレス成形板か
ら削出したもの、板厚5mm;Vf約60%),(b)アルミニ
ウム合金製ソール面板及び(c)重量バランス調整用質
量体を、先にキャビティ内に仮固定配設した約130℃の
温度を有する上下一対の割型(内容積250cc)に上記ヘ
ッド成形材料を入れ、約130℃のプレート温度を有する
熱プレス機の天板プレート間にセットした。その後、シ
ャフト中空部からエアを軽く入れ、シャフト先端を冷や
す以外は、実施例1と同様にして、シャフト,フェイス
面板,ソール面板及び質量体を含めて一体成形したウッ
ドクラブを得た。その後、常法により仕上げ、完成ウッ
ドクラブ(重量340g)を得た。
なお、上述したところから明らかな如く、本発明に
は、以下のもの及び方法が包含される。
(1) ヘッド本体が、連続繊維強化熱可塑性樹脂から
なる外殻層,発泡合成樹脂からなる軽量芯材,ソール面
板,フェイス面板及び1個又は複数個の重量バランス調
整用質量体から構成されたゴルフ用ウッドクラブヘッド
において、ネック部の軸芯となる棒状又はパイプ状のシ
ャフト取付用治具、あるいはシャフト自体の先端部が、
上記芯材中に埋設固定され、かつ、実質的に連続の炭素
繊維で強化されたポリカーボネート樹脂でネック部の外
殻層とヘッド本体の外殻層とが一体的に形成されている
ことを特徴とするゴルフ用ウッドクラブヘッド。
(2) ヘッド本体の構成部材である、ソール面板,フ
ェイス面板及び重量バランス調整用質量体の全て、ある
いは少なくとも1つ以上の構成部材が、軽量芯材及び外
殻層と一体的に形成されていることを特徴とする上記
(1)に記載のゴルフ用ウッドクラブヘッド。
(3) ヘッド本体及びネック部の外殻層を形成する連
続繊維強化熱可塑性樹脂のマトリックス樹脂が、着色さ
れたポリカーボネート樹脂であることを特徴とする上記
(1)又は(2)に記載のゴルフ用ウッドクラブヘッ
ド。
(4) フェイス面板が、炭素繊維クロス強化ポリカー
ボネート樹脂であることを特徴とする上記(1)又は
(2)に記載のゴルフ用ウッドクラブヘッド。
(5) フェイス面板のマトリックス樹脂が、着色され
たポリカーボネート樹脂であることを特徴とする上記
(1),(2)又は(4)に記載のゴルフ用ウッドクラ
ブヘッド。
(6) 軽量芯材が、該芯材とヘッド本体及びネック部
の外殻層とを熱プレスにて一体成形する際に、その成形
温度条件下で加熱発泡ないし加熱膨脹する発泡合成樹脂
からなることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載
のゴルフ用ウッドクラブヘッド。
(7) 軽量芯材が、発泡ポリカーボネート樹脂からな
ることを特徴とする上記(1),(2)又は(6)に記
載のゴルフ用ウッドクラブヘッド。
(8) 軽量芯材が、発泡アクリルイミド系樹脂からな
ることを特徴とする上記(1),(2)又は(6)に記
載のゴルフ用ウッドクラブヘッド。
(9) 軽量芯材が、発泡メタクリルイミド樹脂からな
ることを特徴とする上記(1),(2)又は(6)に記
載のゴルフ用ウッドクラブヘッド。
(10) ヘッド本体の最終外形寸法より小さ目に予め形
成された発泡合成樹脂からなる軽量芯材に、棒状又はパ
イプ状のシャフト取付用治具あるいはシャフト自体の先
端部を埋設固定した組体のネック相当部を含む外部全周
面を、炭素繊維の連続繊維とポリカーボネート樹脂の連
続繊維とを引揃えて隙間なく所定量巻回被覆した、ヘッ
ド用成形材料を、複数個の割型からなる成形型のヘッド
外形状を有するキャビティに配置し、ポリカーボネート
樹脂の溶融温度以上の温度で加熱プレスして一体成形し
てヘッド本体を作製し、それに、ソール面板,フェイス
面板及び1個又は複数個の重量バランス調整用質量体を
配設,固定することを特徴とするゴルフ用ウッドクラブ
ヘッドの製造方法。
(11) 成形型が、上下一対の割型からなることを特徴
とする上記(10)記載のゴルフ用ウッドクラブヘッドの
製造方法。
(12) 成形型として、上下一対の割型からなる成形型
であって、かつ、上側割型には加熱プレス成形後期にヘ
ッド本体にフェイス面板が嵌合しうる形状の凹状部が押
圧形成できる可動部材を有し、下側割型には加熱プレス
成形時にヘッド本体にソール面板が嵌合しうる形状の凹
状部が押圧形成できる固定凸状部を有してなる成形型を
用いることを特徴とする上記(10)又は(11)に記載の
ゴルフ用ウッドクラブヘッドの製造方法。
(13) 成形型として、上側2個,下側1個の3分割型
からなる成形型であって、かつ、上側前部割型には加熱
プレス成形時にヘッド本体にフェイス面板が嵌合しうる
形状の凹状部が押圧成形できる固定凸状部を有し、下側
割型には加熱プレス時にヘッド本体にソール面板が嵌合
しうる形状の凹状部が押圧形成できる固定凸状部を有し
てなる成形型を用いることを特徴とする上記(10)に記
載のゴルフ用ウッドクラブヘッドの製造方法。
(14) ヘッド本体の最終外形寸法より小さ目に予め形
成された発泡合成樹脂からなる軽量芯材に、(a)棒状
又はパイプ状のシャフト取付用治具あるいはシャフトそ
れ自体の先端部を埋設固定し、かつ(b)軽量芯材のフ
ェイス部に対応する部分に、予め形成された板状インサ
ート材あるいは熱プレス時に板状インサート材を形成し
うる炭素繊維クロスとポリカーボネート樹脂のフイルム
及び/又はポリカーボネート樹脂繊維からなるクロスの
交互積層面状体を貼付固定した組体を作製し、そのネッ
ク相当部を含む外部全周面に、炭素繊維の連続繊維とポ
リカーボネート樹脂の連続繊維とを引揃えて隙間なく所
定量巻回した、ヘッド用成形材料を、上下一対の割型か
ら成形型のヘッド形状を有するキャビティに配置し、ポ
リカーボネート樹脂の溶融温度以上の温度で加熱プレス
して、一体成形してヘッド本体を形成し、得られたヘッ
ド本体にソール面板及び1個又は複数個の重量バランス
調整用質量体を配設固定することを特徴とするゴルフ用
ウッドクラブヘッドの製造方法。
(15) 成形型として、上下一対の割型からなる成形型
であって、かつ、下側割型に加熱プレス成形時にヘッド
本体にソール面板が嵌合しうる形状の凹状部が押圧形成
できる固定凸状部を有してなる成形型を用いることを特
徴とする上記(14)記載のゴルフ用ウッドクラブヘッド
の製造方法。
(16) ヘッド本体の最終外形寸法より小さ目に予め形
成された発泡合成樹脂からなる芯材に棒状又はパイプ状
のシャフト取付用治具あるいはシャフト自体の先端部を
配設固定した組体の、ネック相当部を含む外部全周面
に、炭素繊維の連続繊維とポリカーボネート樹脂の連続
繊維とを引揃えて隙間なく所定量巻回したヘッド用成形
材料を、予め形成されたソール面板,フェイス面板及び
1個または複数個の重量バランス調整用質量体の全てあ
るいは少なくとも1つ以上の構成部材を、予め配設した
上下一対の割型からなる成形型のヘッド外形状を有する
キャビティに配置し、ポリカーボネート樹脂の溶融温度
以上の温度で加熱プレスし、一体成形することを特徴と
するゴルフ用ウッドクラブヘッドの製造方法。
(17) 炭素繊維の連続繊維とポリカーボネート樹脂の
連続繊維とを引揃えて巻回した後、更に、その上からポ
リカーボネート樹脂の連続繊維を単独に巻回することを
特徴とする上記(10),(14)又は(16)に記載のゴル
フ用ウッドクラブヘッドの製造方法。
(18) 巻回用のポリカーボネート樹脂の連続繊維が、
着色されていることを特徴とする上記(10),(14),
(16)又は(17)に記載のゴルフ用ウッドクラブヘッド
の製造方法。
(19) 予め形成されたフェイス面板及び/又は板状イ
ンサート材が、炭素繊維強化ポリカーボネート樹脂であ
ることを特徴とする上記(10),(14)又は(16)に記
載のゴルフ用ウッドクラブヘッドの製造方法。
(20) 予め形成されたフェイス面板及び/又は板状イ
ンサート材が、炭素繊維強化ポリカーボネート樹脂であ
って、かつ、該ポリカーボネート樹脂が着色されている
ことを特徴とする上記(10),(14),(16)又は(1
9)に記載のゴルフ用ウッドクラブヘッドの製造方法。
(21) 熱プレス時に板状インサート材を形成するポリ
カーボネート樹脂のフイルム及び/又はクロスが着色さ
れていることを特徴とする上記(15)に記載のゴルフ用
ウッドクラブヘッドの製造方法。
(22) 軽量芯材が、熱プレスの温度条件下で加熱発泡
ないし加熱膨脹する発泡合成樹脂からなることを特徴と
する上記(10),(14)又は(16)に記載のゴルフ用ウ
ッドクラブヘッドの製造方法。
(23) 軽量芯材が、棒状又はパイプ材のシャフト取付
用治具あるいはシャフト自体の先端部を埋設固定した組
体のネック相当部を、炭素繊維の織物,編物又はブレー
ドの中から選ばれた少なくとも1種以上の繊維状面状体
で補強することを特徴とする上記(10),(14)又は
(16)に記載のゴルフ用ウッドクラブヘッドの製造方
法。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のウッドクラブヘッドの一実施態様(シ
ャフト自体を最初から用いて得たもの)を示す、フェイ
ス面からみた正面外観図、第2図は第1図においてシャ
フト軸の中心を通りフェイス面に平行に切断した縦断面
図、第3図は本発明の別の実施態様のウッドクラブヘッ
ド(シャフト取付用のパイプ状治具を用いたもの)の第
2図と同様の縦断面図である。 第4図は、芯材とシャフトから成る組体に炭素繊維トウ
とポリカーボネート連続繊維とをフィラメントワインデ
ィングして、ヘッド用成形材料を得る為のプロセスの例
を示す概略図、第5図は得られたヘッド用成形材料の一
例を示す模式図である。 第6図〜第10図は本発明を実施する為の各タイプの成形
型のいくつかの例を示す模式図である。 ここで、 1:ヘッド本体,2:ヘッド本体の外殻層, 3:軽量芯材,4:ソール面板, 5:フェイス面板,7:シャフト,8:ネック部, 9:シャフト取付用治具, 11:炭素繊維フィラメント・トウ, 12,13:ポリカーボネート樹脂連続繊維, 19:ヘッド用成形材料、20,24,29,35:成形型, 21:キャビティ である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−185174(JP,A) 特開 昭59−2768(JP,A) 特開 昭60−63072(JP,A) 特開 昭61−179173(JP,A) 特開 昭59−6072(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A63B 53/04 B29C 67/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘッド本体が、連続繊維強化熱可塑性樹脂
    からなる外殻層,発泡合成樹脂からなる軽量芯材,ソー
    ル面板,フェイス面板及び1個又は複数個の重量バラン
    ス調整用質量体から構成されたゴルフ用ウッドクラブヘ
    ッドにおいて、ネック部の軸芯となる棒状又はパイプ状
    のシャフト取付用治具、あるいはシャフト自体の先端部
    が、上記芯材中に埋設固定され、かつ、実質的に連続の
    炭素繊維で強化されたポリカーボネート樹脂でネック部
    の外殻層とヘッド本体の外殻層とが一体的に形成されて
    いることを特徴とするゴルフ用ウッドクラブヘッド。
  2. 【請求項2】ヘッド本体の最終外形寸法より小さ目に予
    め形成された発泡合成樹脂からなる軽量芯材に、棒状又
    はパイプ状のシャフト取付用治具あるいはシャフト自体
    の先端部を埋設固定した組体のネック相当部を含む外部
    全周面を、炭素繊維の連続繊維とポリカーボネート樹脂
    の連続繊維とを引揃えて隙間なく所定量巻回被覆した、
    ヘッド用成形材料を、複数個の割型からなる成形型のヘ
    ッド外形状を有するキャビティに配置し、ポリカーボネ
    ート樹脂の溶融温度以上の温度で加熱プレスして一体成
    形してヘッド本体を作製し、それに、ソール面板,フェ
    イス面板及び1個又は複数個の重量バランス調整用質量
    体を配設,固定することを特徴とするゴルフ用ウッドク
    ラブヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】ヘッド本体の最終外形寸法より小さ目に予
    め形成された発泡合成樹脂からなる軽量芯材に、(a)
    棒状又はパイプ状のシャフト取付用治具あるいはシャフ
    トそれ自体の先端部を埋設固定し、かつ(b)軽量芯材
    のフェイス部に対応する部分に、予め形成された板状イ
    ンサート材あるいは熱プレス時に板状インサート材を形
    成しうる炭素繊維クロスとポリカーボネート樹脂のフイ
    ルム及び/又はポリカーボネート樹脂繊維からなるクロ
    スの交互積層面状体を貼付固定した組体を作製し、その
    ネック相当部を含む外部全周面に、炭素繊維の連続繊維
    とポリカーボネート樹脂の連続繊維とを引揃えて隙間な
    く所定量巻回した、ヘッド用成形材料を、上下一対の割
    型から成形型のヘッド形状を有するキャビティに配置
    し、ポリカーボネート樹脂の溶融温度以上の温度で加熱
    プレスして、一体成形してヘッド本体を形成し、得られ
    たヘッド本体にソール面板及び1個又は複数個の重量バ
    ランス調整用質量体を配設固定することを特徴とするゴ
    ルフ用ウッドクラブヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】ヘッド本体の最終外形寸法より小さ目に予
    め形成された発泡合成樹脂からなる芯材に棒状又はパイ
    プ状のシャフト取付用治具あるいはシャフト自体の先端
    部を配設固定した組体の、ネック相当部を含む外部全周
    面に、炭素繊維の連続繊維とポリカーボネート樹脂の連
    続繊維とを引揃えて隙間なく所定量巻回したヘッド用成
    形材料を、予め形成されたソール面板,フェイス面板及
    び1個又は複数個の重量バランス調整用質量体の全てあ
    るいは少なくとも1つ以上の構成部材を、予め配設した
    上下一対の割型からなる成形型のヘッド外形状を有する
    キャビティに配置し、ポリカーボネート樹脂の溶融温度
    以上の温度で加熱プレスし、一体成形することを特徴と
    するゴルフ用ウッドクラブヘッドの製造方法。
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