JPH06148115A - ガスセンサー - Google Patents
ガスセンサーInfo
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- JPH06148115A JPH06148115A JP29733392A JP29733392A JPH06148115A JP H06148115 A JPH06148115 A JP H06148115A JP 29733392 A JP29733392 A JP 29733392A JP 29733392 A JP29733392 A JP 29733392A JP H06148115 A JPH06148115 A JP H06148115A
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- Japan
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- thin film
- gas sensor
- resistance
- gas
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 センサー素子として、不純物がドープされた
炭素クラスター薄膜を用いる。 【効果】 電気化学式ガスセンサーような組成変化や液
漏れ等のおそれは全くない。触媒燃焼式ガスセンサーの
ような高温加熱の必要もない。金属酸化物半導体式ガス
センサーのようなセンサー素子の加熱による特性安定化
時間を必要としない。従来のガスセンサーに比べ簡単か
つ軽量小型である。O2 またはCO等その他のガスを検
出可能である。FET式ガスセンサーとすれば、超小
型、多成分同時検知、超薄膜化による高速応答および大
量生産が可能となる。
炭素クラスター薄膜を用いる。 【効果】 電気化学式ガスセンサーような組成変化や液
漏れ等のおそれは全くない。触媒燃焼式ガスセンサーの
ような高温加熱の必要もない。金属酸化物半導体式ガス
センサーのようなセンサー素子の加熱による特性安定化
時間を必要としない。従来のガスセンサーに比べ簡単か
つ軽量小型である。O2 またはCO等その他のガスを検
出可能である。FET式ガスセンサーとすれば、超小
型、多成分同時検知、超薄膜化による高速応答および大
量生産が可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大気、燃焼ガス、各種
工場排ガス、化成品やICなどの製造用ガスなどに含ま
れる特定の気体成分を検知し、その量を計測する素子と
して利用されるガスセンサーに関するものである。
工場排ガス、化成品やICなどの製造用ガスなどに含ま
れる特定の気体成分を検知し、その量を計測する素子と
して利用されるガスセンサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガスセンサーとしては、電気
化学式、触媒燃焼式、金属酸化物半導体式、固体電解質
式および電界効果トランジスタ式等が知られている。電
気化学式ガスセンサーは、電解液中に溶け込んだガスの
反応による電流を検出することで、ガスを検知するもの
である。
化学式、触媒燃焼式、金属酸化物半導体式、固体電解質
式および電界効果トランジスタ式等が知られている。電
気化学式ガスセンサーは、電解液中に溶け込んだガスの
反応による電流を検出することで、ガスを検知するもの
である。
【0003】触媒燃焼式ガスセンサーは、白金やPdを
コートした白金線を300〜400℃に加熱しておき、
接触したガスが貴金属の触媒作用で、燃焼し、温度上昇
することによる抵抗変化を検出することで、ガスを検知
するものである。固体電解質式ガスセンサーは、固定電
解質では隔てられた両側のガス濃度の差により発生する
起電力を検出することで、ガスを検知するものである。
コートした白金線を300〜400℃に加熱しておき、
接触したガスが貴金属の触媒作用で、燃焼し、温度上昇
することによる抵抗変化を検出することで、ガスを検知
するものである。固体電解質式ガスセンサーは、固定電
解質では隔てられた両側のガス濃度の差により発生する
起電力を検出することで、ガスを検知するものである。
【0004】金属酸化物半導体式ガスセンサーは、n型
半導体表面に大気中で吸着していた酸素が、ガスと反応
して除去されることにより半導体の抵抗が急激に低下す
ることにより、ガスを検知するものである。電界効果ト
ランジスタ式ガスセンサーは、電界効果型トランジスタ
(FET)のゲート部にガス感応膜をコートしておき、
ガスの膜中への拡散によるドレイン電流の変化を検出す
ることで、ガスを検知するものである。具体的には、感
応膜にパラジウムを用いたものでは、パラジウム表面上
で水素が原子状に解離し、パラジウム膜中を移動して、
シリカ絶縁膜との界面に達し、電気二重層を形成する。
このため、ゲート部に電圧をかけたと同じ効果が得ら
れ、ソースとドレイン間に流れるドレイン電流が増大す
るので、水素ガスの検知が行われる。また、このパラジ
ウムをゲート材としたものは、解離して水素を生成する
硫化水素やアンモニアの検出にも適用できる。
半導体表面に大気中で吸着していた酸素が、ガスと反応
して除去されることにより半導体の抵抗が急激に低下す
ることにより、ガスを検知するものである。電界効果ト
ランジスタ式ガスセンサーは、電界効果型トランジスタ
(FET)のゲート部にガス感応膜をコートしておき、
ガスの膜中への拡散によるドレイン電流の変化を検出す
ることで、ガスを検知するものである。具体的には、感
応膜にパラジウムを用いたものでは、パラジウム表面上
で水素が原子状に解離し、パラジウム膜中を移動して、
シリカ絶縁膜との界面に達し、電気二重層を形成する。
このため、ゲート部に電圧をかけたと同じ効果が得ら
れ、ソースとドレイン間に流れるドレイン電流が増大す
るので、水素ガスの検知が行われる。また、このパラジ
ウムをゲート材としたものは、解離して水素を生成する
硫化水素やアンモニアの検出にも適用できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
種のガスセンサーは、以下の問題点がある。電気化学式
ガスセンサーは、電解液組成の経時変化、液漏れなどの
おそれがあるため、長期間使用できないという欠点があ
る。触媒燃焼式ガスセンサーは、素子を300〜400
℃に加熱しておく必要があり、加熱用部材を組み込まな
ければならず構成が複雑になる。また、1000ppm
以下の低濃度領域では低感度であるという欠点がある。
固体電解質式ガスセンサーは、希薄濃度領域では広範囲
の検知が可能であるが、濃度の微小変化に対する分解能
が低いという欠点がある。
種のガスセンサーは、以下の問題点がある。電気化学式
ガスセンサーは、電解液組成の経時変化、液漏れなどの
おそれがあるため、長期間使用できないという欠点があ
る。触媒燃焼式ガスセンサーは、素子を300〜400
℃に加熱しておく必要があり、加熱用部材を組み込まな
ければならず構成が複雑になる。また、1000ppm
以下の低濃度領域では低感度であるという欠点がある。
固体電解質式ガスセンサーは、希薄濃度領域では広範囲
の検知が可能であるが、濃度の微小変化に対する分解能
が低いという欠点がある。
【0006】金属酸化物半導体式ガスセンサーは、素子
を加熱して使用する必要があるため、特性が安定するま
でに時間を要するという欠点がある。また、この金属酸
化物半導体式ガスセンサーは、金属酸化物n型半導体を
用いているので、感度はガス濃度の対数に比例する。即
ち、ガス濃度が10ppmから100ppmに増えた場
合も、100ppmから1000ppmに増えた場合
も、感度の増大する割合は同じである。したがって、半
導体式ガスセンサーは、1000ppm以上の高濃度領
域では出力変化が小さいという欠点がある。
を加熱して使用する必要があるため、特性が安定するま
でに時間を要するという欠点がある。また、この金属酸
化物半導体式ガスセンサーは、金属酸化物n型半導体を
用いているので、感度はガス濃度の対数に比例する。即
ち、ガス濃度が10ppmから100ppmに増えた場
合も、100ppmから1000ppmに増えた場合
も、感度の増大する割合は同じである。したがって、半
導体式ガスセンサーは、1000ppm以上の高濃度領
域では出力変化が小さいという欠点がある。
【0007】また、FET式ガスセンサーは、ゲート部
の感応膜に酸化スズ薄膜を用いて一酸化炭素を検知する
ものもあるが、まだ開発途上にあり実用レベルのガスセ
ンサーが得られ難い。そこで、本発明の目的は、上記問
題点がなく、しかも超小型、多成分同時検知、高速応答
および大量生産等を可能にするガスセンサーを提供する
ことである。
の感応膜に酸化スズ薄膜を用いて一酸化炭素を検知する
ものもあるが、まだ開発途上にあり実用レベルのガスセ
ンサーが得られ難い。そこで、本発明の目的は、上記問
題点がなく、しかも超小型、多成分同時検知、高速応答
および大量生産等を可能にするガスセンサーを提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明のガスセンセーは、センサー素子として、不
純物がドープされた炭素クラスター薄膜を用いたことを
特徴とするものである。
の、本発明のガスセンセーは、センサー素子として、不
純物がドープされた炭素クラスター薄膜を用いたことを
特徴とするものである。
【0009】
【作用】上記構成による、本発明のガスセンサーによれ
ば、このガスセンサーを真空中から大気中に晒すと、不
純物がドープされた炭素クラスター薄膜に酸素が吸着さ
れ、薄膜中の抵抗値が増す。これにより、この薄膜の抵
抗変化を測定することで、酸素を検知することができ
る。
ば、このガスセンサーを真空中から大気中に晒すと、不
純物がドープされた炭素クラスター薄膜に酸素が吸着さ
れ、薄膜中の抵抗値が増す。これにより、この薄膜の抵
抗変化を測定することで、酸素を検知することができ
る。
【0010】また、大気中に晒されていたガスセンサー
を、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素等の他のガス中に
晒すと、薄膜表面に吸着していた酸素が取り去られるの
で、薄膜の抵抗値が減少する。これにより、この薄膜の
抵抗変化を測定することで、前記ガスを検知することが
できる。さらに、不純物がドープされた炭素クラスター
薄膜は、金属酸化物半導体式ガスセンサー並みの応答速
度を示すことができる。これは、薄膜表面層に存在する
自由電子が検知ガスと電荷移動を伴う吸着が行われるか
らと考えられる。
を、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素等の他のガス中に
晒すと、薄膜表面に吸着していた酸素が取り去られるの
で、薄膜の抵抗値が減少する。これにより、この薄膜の
抵抗変化を測定することで、前記ガスを検知することが
できる。さらに、不純物がドープされた炭素クラスター
薄膜は、金属酸化物半導体式ガスセンサー並みの応答速
度を示すことができる。これは、薄膜表面層に存在する
自由電子が検知ガスと電荷移動を伴う吸着が行われるか
らと考えられる。
【0011】また、FETのゲート部に、不純物がドー
プされた炭素クラスター薄膜を用いたFET式ガスセン
サーとすることも可能である。
プされた炭素クラスター薄膜を用いたFET式ガスセン
サーとすることも可能である。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例について、添付図面
を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施例の
ガスセンサーを示す平面図であり、図2は、図1のII−
II線に沿った断面図である。また、図3は、図1に示す
ガスセンサーから不純物をドープした炭素クラスター薄
膜を除去した状態を示す平面図であり、図4は、IV−IV
線に沿った断面図である。
を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施例の
ガスセンサーを示す平面図であり、図2は、図1のII−
II線に沿った断面図である。また、図3は、図1に示す
ガスセンサーから不純物をドープした炭素クラスター薄
膜を除去した状態を示す平面図であり、図4は、IV−IV
線に沿った断面図である。
【0013】これらの図を参照して、本実施例のガスセ
ンサーは、電極21,22,23,24が形成された基
材1上に不純物をドープした炭素クラスター(以下、
「ドープ炭素クラスター」という)薄膜4が形成された
ものである(図1および図2参照)。このガスセンサー
は、四角形状の基材1の四隅に電極21,22,23,
24が四角形状に形成され、基材1上には、電極21,
22,23,24が形成されていない部分が十文字に存
在する(図3および図4参照)。そして、この電極付基
材1の中央部には、各電極21,22,23,24の一
部に重なるように円形状にドープ炭素クラスター薄膜4
が形成されている。また、各電極21,22,23,2
4には、ドープ炭素クラスター薄膜4が形成されずに露
出した部分にリード線31,32,33,34がボンデ
ィングされている。これらリード線31,32,33,
34は、例えば、隣合う2つが電圧端子31,32とし
て、残りの隣合う2つが電流端子33,34として用い
られる、いわゆるファンデアポウ法にてドープ炭素クラ
スター薄膜4中に流れる電流値を読み取るようにしてあ
る。即ち、電圧端子31,32にてドープ炭素クラスタ
ー薄膜4に電圧が印加され、電流端子33,34にてド
ープ炭素クラスター薄膜4中の電流値が測定される。
ンサーは、電極21,22,23,24が形成された基
材1上に不純物をドープした炭素クラスター(以下、
「ドープ炭素クラスター」という)薄膜4が形成された
ものである(図1および図2参照)。このガスセンサー
は、四角形状の基材1の四隅に電極21,22,23,
24が四角形状に形成され、基材1上には、電極21,
22,23,24が形成されていない部分が十文字に存
在する(図3および図4参照)。そして、この電極付基
材1の中央部には、各電極21,22,23,24の一
部に重なるように円形状にドープ炭素クラスター薄膜4
が形成されている。また、各電極21,22,23,2
4には、ドープ炭素クラスター薄膜4が形成されずに露
出した部分にリード線31,32,33,34がボンデ
ィングされている。これらリード線31,32,33,
34は、例えば、隣合う2つが電圧端子31,32とし
て、残りの隣合う2つが電流端子33,34として用い
られる、いわゆるファンデアポウ法にてドープ炭素クラ
スター薄膜4中に流れる電流値を読み取るようにしてあ
る。即ち、電圧端子31,32にてドープ炭素クラスタ
ー薄膜4に電圧が印加され、電流端子33,34にてド
ープ炭素クラスター薄膜4中の電流値が測定される。
【0014】このガスセンサーは、基材1にスパッタ、
真空蒸着等にて電極21,22,23,24を形成した
後、この電極付基材1に、MBE法、CIB法等にて炭
素クラスターと不純物とを同時蒸着してドープ炭素クラ
スター薄膜4を形成することで、作製することができ
る。炭素クラスターとしては、例えば、C60、C70又は
C60/C70混合物、他のフラーレン膜混合物等が使用さ
れる。
真空蒸着等にて電極21,22,23,24を形成した
後、この電極付基材1に、MBE法、CIB法等にて炭
素クラスターと不純物とを同時蒸着してドープ炭素クラ
スター薄膜4を形成することで、作製することができ
る。炭素クラスターとしては、例えば、C60、C70又は
C60/C70混合物、他のフラーレン膜混合物等が使用さ
れる。
【0015】炭素クラスターにドープされる不純物とし
ては、例えば、Ga、In、Sn、Sb、Pb、Bi等
が使用される。基材1としては、例えば、金属酸化物な
どのセラミック、石英、ガラス、Si、GaAs、Zn
Se、ポリエステルフィルム等が使用される。基材1上
に形成された電極21,22,23,24としては、例
えば、金、白金、銀、アルミニウム等が使用される。な
お、各電極には、上述したように、電圧端子および電流
端子として金線等のリード線31,32,33,34が
付けられている。
ては、例えば、Ga、In、Sn、Sb、Pb、Bi等
が使用される。基材1としては、例えば、金属酸化物な
どのセラミック、石英、ガラス、Si、GaAs、Zn
Se、ポリエステルフィルム等が使用される。基材1上
に形成された電極21,22,23,24としては、例
えば、金、白金、銀、アルミニウム等が使用される。な
お、各電極には、上述したように、電圧端子および電流
端子として金線等のリード線31,32,33,34が
付けられている。
【0016】上記ドープ炭素クラスター薄膜4の抵抗
は、通常、数Ω・cmの半導体レベルの抵抗率を示すが、
不純物の種類、炭素クラスターの種類、不純物と炭素ク
ラスターの組成により調節することができる。なお、こ
の抵抗は、好ましくは薄膜作製直後の真空中、室温下
で、104 Ω・cm乃至10-3Ω・cmの範囲を示すよう設
定される。
は、通常、数Ω・cmの半導体レベルの抵抗率を示すが、
不純物の種類、炭素クラスターの種類、不純物と炭素ク
ラスターの組成により調節することができる。なお、こ
の抵抗は、好ましくは薄膜作製直後の真空中、室温下
で、104 Ω・cm乃至10-3Ω・cmの範囲を示すよう設
定される。
【0017】上記ガスセンサーを用いて種々のガスを検
知するメカニズムについて説明する。まず、酸素を検知
する場合について説明する。ドープ炭素クラスター薄膜
4の抵抗が、薄膜作製直後の真空中、室温下で、104
Ω・cm乃至10-3Ω・cmの範囲を示すガスセンサーを用
いる。
知するメカニズムについて説明する。まず、酸素を検知
する場合について説明する。ドープ炭素クラスター薄膜
4の抵抗が、薄膜作製直後の真空中、室温下で、104
Ω・cm乃至10-3Ω・cmの範囲を示すガスセンサーを用
いる。
【0018】電流端子、例えば、33,34によって、
ドープ炭素クラスター薄膜4に電流を流し電圧端子3
1,32によって電圧を測定することによりドープ炭素
クラスター薄膜4の抵抗を測定する。この薄膜4を大気
中にさらすと、空気中の酸素が薄膜4に吸着し、抵抗が
大きく変化し、数分間で、107 Ω・cm乃至109 Ω・
cmレベルに増加する。したがって、この抵抗変化を電流
端子33,34を通じて測定することで、本発明のガス
センサーは酸素センサーとして利用することができる。
なお、空気中で、10 6 Ω・cm乃至109 Ω・cmの抵抗
率となったドープ炭素クラスター薄膜4は、真空中にさ
らすか、あるいは200℃程度で加熱アニールするか、
またはこれらを併用することより可逆的に104 Ω・cm
レベルの抵抗率が再生される。
ドープ炭素クラスター薄膜4に電流を流し電圧端子3
1,32によって電圧を測定することによりドープ炭素
クラスター薄膜4の抵抗を測定する。この薄膜4を大気
中にさらすと、空気中の酸素が薄膜4に吸着し、抵抗が
大きく変化し、数分間で、107 Ω・cm乃至109 Ω・
cmレベルに増加する。したがって、この抵抗変化を電流
端子33,34を通じて測定することで、本発明のガス
センサーは酸素センサーとして利用することができる。
なお、空気中で、10 6 Ω・cm乃至109 Ω・cmの抵抗
率となったドープ炭素クラスター薄膜4は、真空中にさ
らすか、あるいは200℃程度で加熱アニールするか、
またはこれらを併用することより可逆的に104 Ω・cm
レベルの抵抗率が再生される。
【0019】次に、酸素以外のガスを検知する場合につ
いて説明する。上記空気中で、107 Ω・cm乃至109
Ω・cmの抵抗率を示すドープ炭素クラスター薄膜4を一
酸化炭素、二酸化炭素あるいは水素、または、メタンも
しくはエタン等の炭化水素、または、メタノールもしく
はエタノール等のアルコールガスというガス雰囲気等そ
の他のガス雰囲気にさらすと、ドープ炭素クラスター薄
膜4中の抵抗率が急激に低下する。したがって、この抵
抗変化を電流端子33,34を通じて測定することで、
本発明のガスセンサーは上記ガスを検知するガスセンサ
ーとして利用することができる。
いて説明する。上記空気中で、107 Ω・cm乃至109
Ω・cmの抵抗率を示すドープ炭素クラスター薄膜4を一
酸化炭素、二酸化炭素あるいは水素、または、メタンも
しくはエタン等の炭化水素、または、メタノールもしく
はエタノール等のアルコールガスというガス雰囲気等そ
の他のガス雰囲気にさらすと、ドープ炭素クラスター薄
膜4中の抵抗率が急激に低下する。したがって、この抵
抗変化を電流端子33,34を通じて測定することで、
本発明のガスセンサーは上記ガスを検知するガスセンサ
ーとして利用することができる。
【0020】以上のように、本発明のガスセンサーによ
れば、O2 、CO、CO2 あるいはCH4 等の炭化水
素、または、CH3 OHあるいはC2 H5 OH等のアル
コールガス、または、H2 ガス等その他のガスを検出す
ることが可能である。また、本発明のガスセンサーによ
れば、ドープ炭素クラスター薄膜4の応答速度は、金属
酸化物半導体式ガスセンサーと同等の速度を有する。こ
れは、ドープ炭素クラスター薄膜4が半導体レベルの電
導度を示すことから判るように、表面層に自由電子が存
在し、酸素や一酸化炭素等の検知ガスと電荷移動を伴う
吸着が行われるためと考えられる。
れば、O2 、CO、CO2 あるいはCH4 等の炭化水
素、または、CH3 OHあるいはC2 H5 OH等のアル
コールガス、または、H2 ガス等その他のガスを検出す
ることが可能である。また、本発明のガスセンサーによ
れば、ドープ炭素クラスター薄膜4の応答速度は、金属
酸化物半導体式ガスセンサーと同等の速度を有する。こ
れは、ドープ炭素クラスター薄膜4が半導体レベルの電
導度を示すことから判るように、表面層に自由電子が存
在し、酸素や一酸化炭素等の検知ガスと電荷移動を伴う
吸着が行われるためと考えられる。
【0021】本発明のガスセンサーによれば、電気化学
式ガスセンサーのように、電解液組成の経時変化や液漏
れなどのおそれがない。また、触媒燃焼式ガスセンサー
のようにセンサー素子を300〜400℃といった高温
に加熱しておく必要がない。さらに、金属酸化物半導体
式ガスセンサーのように、センサー素子の加熱が不要で
あり、加熱のために特性を安定化させる時間を必要とし
ない。
式ガスセンサーのように、電解液組成の経時変化や液漏
れなどのおそれがない。また、触媒燃焼式ガスセンサー
のようにセンサー素子を300〜400℃といった高温
に加熱しておく必要がない。さらに、金属酸化物半導体
式ガスセンサーのように、センサー素子の加熱が不要で
あり、加熱のために特性を安定化させる時間を必要とし
ない。
【0022】一方、FETのゲート部にドープ炭素クラ
スター薄膜4を形成した、FET式ガスセンサーとする
ことにより、超小型、多成分同時検知、超薄膜化による
高速応答および大量生産が可能となる。なお、上述の実
施例では、基材1上に形成されたドープ炭素クラスター
薄膜4の抵抗測定のための電極21,22,23,24
が、薄膜4を中心にしてその外周とそれぞれ電気的に接
続するように、4つ設けられたファンデアポウ法にて行
われているが、例えば、電極21,22,23,24を
直線状に形成し外側の2つの電極を電流端子とし、内側
の2つの電極を電圧端子とする4端子法、または、2端
子法等その他既知の方法により行うこともできる。ま
た、ドープ炭素クラスター薄膜4における不純物や炭素
クラスターの種類あるいは組成、またはこれら双方を制
御することにより、検出ガスの種類や検知感度を任意に
設計することができる。
スター薄膜4を形成した、FET式ガスセンサーとする
ことにより、超小型、多成分同時検知、超薄膜化による
高速応答および大量生産が可能となる。なお、上述の実
施例では、基材1上に形成されたドープ炭素クラスター
薄膜4の抵抗測定のための電極21,22,23,24
が、薄膜4を中心にしてその外周とそれぞれ電気的に接
続するように、4つ設けられたファンデアポウ法にて行
われているが、例えば、電極21,22,23,24を
直線状に形成し外側の2つの電極を電流端子とし、内側
の2つの電極を電圧端子とする4端子法、または、2端
子法等その他既知の方法により行うこともできる。ま
た、ドープ炭素クラスター薄膜4における不純物や炭素
クラスターの種類あるいは組成、またはこれら双方を制
御することにより、検出ガスの種類や検知感度を任意に
設計することができる。
【0023】その他、この発明の要旨を変更しない範囲
で種々の設計変更を施すことが可能である。次に、本発
明のガスセンサーの実験例について説明する。実験例1 10×10mm2 石英基板上に金蒸着を行って、ファンデ
アポウ法による抵抗測定用の端子電極を基板の四隅にそ
れぞれ作成した。この電極付石英基板上に、MBE法に
て真空度10-7Torr、C60蒸着用Kセル温度200〜3
00℃、In蒸着用2KW、Eガン出力80%、基板温
度を室温にして、精製C60と、Inの同時蒸着薄膜を作
成した。次いで、各電極に電圧端子および電流端子とし
て金線を2個ずつボンディングした。
で種々の設計変更を施すことが可能である。次に、本発
明のガスセンサーの実験例について説明する。実験例1 10×10mm2 石英基板上に金蒸着を行って、ファンデ
アポウ法による抵抗測定用の端子電極を基板の四隅にそ
れぞれ作成した。この電極付石英基板上に、MBE法に
て真空度10-7Torr、C60蒸着用Kセル温度200〜3
00℃、In蒸着用2KW、Eガン出力80%、基板温
度を室温にして、精製C60と、Inの同時蒸着薄膜を作
成した。次いで、各電極に電圧端子および電流端子とし
て金線を2個ずつボンディングした。
【0024】そして、同時蒸着中に抵抗の変化を追跡し
た。抵抗値は、蒸着前が1MΩ以上であったが、蒸着を
開始すると抵抗が低下し、1KΩ振動子で計測した膜厚
が1000Åで、抵抗値が10KΩとなり、この膜厚で
求めた抵抗率は2Ω・cmであった。また、このC60/I
n同時蒸着薄膜の組成をオージェ分析により求めたとこ
ろ、C60/In=1/4〜7であり、Inが添加された
C60薄膜であることを確認した。
た。抵抗値は、蒸着前が1MΩ以上であったが、蒸着を
開始すると抵抗が低下し、1KΩ振動子で計測した膜厚
が1000Åで、抵抗値が10KΩとなり、この膜厚で
求めた抵抗率は2Ω・cmであった。また、このC60/I
n同時蒸着薄膜の組成をオージェ分析により求めたとこ
ろ、C60/In=1/4〜7であり、Inが添加された
C60薄膜であることを確認した。
【0025】Inドープ炭素クラスターC60薄膜の抵抗
値は、真空中及びN2 ガス中では、全く変化しないが、
大気中に晒すと、直ちに抵抗値が1MΩレベルに上昇し
た。抵抗値が上昇した薄膜を再び10-5Torrの真空下に
保持したところ、抵抗は、1MΩレベルから102 KΩ
に再び低下し、再度大気に晒すと、1MΩレベルとな
り、可逆的な抵抗変化を示した。即ち、InドープC60
薄膜の抵抗変化を検知することにより、酸素センサーと
して、利用できることが判明した。実験例2 実験例1で作成したInドープC60薄膜を用いて、大気
中で抵抗値が1MΩレベルとなったInドープC60薄膜
をガラス管中に入れ、一酸化炭素、二酸化炭素、メタ
ン、メタノールおよび水素を各々導入したところ、In
ドープC60薄膜の抵抗値が、1MΩレベルから10〜1
02 KΩとなり、これらのガスの検出にも利用可能なこ
とが判った。
値は、真空中及びN2 ガス中では、全く変化しないが、
大気中に晒すと、直ちに抵抗値が1MΩレベルに上昇し
た。抵抗値が上昇した薄膜を再び10-5Torrの真空下に
保持したところ、抵抗は、1MΩレベルから102 KΩ
に再び低下し、再度大気に晒すと、1MΩレベルとな
り、可逆的な抵抗変化を示した。即ち、InドープC60
薄膜の抵抗変化を検知することにより、酸素センサーと
して、利用できることが判明した。実験例2 実験例1で作成したInドープC60薄膜を用いて、大気
中で抵抗値が1MΩレベルとなったInドープC60薄膜
をガラス管中に入れ、一酸化炭素、二酸化炭素、メタ
ン、メタノールおよび水素を各々導入したところ、In
ドープC60薄膜の抵抗値が、1MΩレベルから10〜1
02 KΩとなり、これらのガスの検出にも利用可能なこ
とが判った。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明のガスセンサーに
よれば、センサー素子として、不純物ドープ炭素クラス
ター薄膜を用いていることで、従来のガスセンサーと比
べて以下のような効果を有する。電気化学式ガスセンサ
ーでは、電解液組成の経時変化や液漏れなどのおそれが
あるのに対し、本発明のガスセンサーでは、このような
組成変化や液漏れ等のおそれは全くない。
よれば、センサー素子として、不純物ドープ炭素クラス
ター薄膜を用いていることで、従来のガスセンサーと比
べて以下のような効果を有する。電気化学式ガスセンサ
ーでは、電解液組成の経時変化や液漏れなどのおそれが
あるのに対し、本発明のガスセンサーでは、このような
組成変化や液漏れ等のおそれは全くない。
【0027】触媒燃焼式ガスセンサーでは、センサーを
300〜400℃といった高温に加熱しておく必要があ
るのに対し、本発明のガスセンサーでは、このような高
温加熱の必要もない。金属酸化物半導体式ガスセンサー
では、素子の加熱が不要であり、加熱のために特性を安
定化させるための時間を必要とするのに対し、本発明の
ガスセンサーでは、このような時間を必要としない。
300〜400℃といった高温に加熱しておく必要があ
るのに対し、本発明のガスセンサーでは、このような高
温加熱の必要もない。金属酸化物半導体式ガスセンサー
では、素子の加熱が不要であり、加熱のために特性を安
定化させるための時間を必要とするのに対し、本発明の
ガスセンサーでは、このような時間を必要としない。
【0028】したがって、本発明のガスセンサーは、従
来のガスセンサーより、簡単かつ軽量小型の素子が可能
であり、O2 、CO、CO2 もしくはCH4 等の炭化水
素、CH3 OHもしくはC2 H5 OH等のアルコールガ
ス、または、H2 というガスその他のガスを検出するこ
とが可能である。一方、FETのゲート部にドープ炭素
クラスター薄膜を形成した、FET式ガスセンサーとす
ることにより、超小型、多成分同時検知、超薄膜化によ
る高速応答および大量生産が可能となる。
来のガスセンサーより、簡単かつ軽量小型の素子が可能
であり、O2 、CO、CO2 もしくはCH4 等の炭化水
素、CH3 OHもしくはC2 H5 OH等のアルコールガ
ス、または、H2 というガスその他のガスを検出するこ
とが可能である。一方、FETのゲート部にドープ炭素
クラスター薄膜を形成した、FET式ガスセンサーとす
ることにより、超小型、多成分同時検知、超薄膜化によ
る高速応答および大量生産が可能となる。
【図1】本発明の一実施例のガスセンサーを示す平面図
である。
である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】不純物ドープ炭素クラスター薄膜を除去した状
態を示す平面図である。
態を示す平面図である。
【図4】図3の断面図である。
1 基板 21,22,23,24 電極 31,32,33,34 リード線 4 ドープ炭素クラスター薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 紘二 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内
Claims (1)
- 【請求項1】センサー素子として、不純物がドープされ
た炭素クラスター薄膜を用いたことを特徴とするガスセ
ンサー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29733392A JPH06148115A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | ガスセンサー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29733392A JPH06148115A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | ガスセンサー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06148115A true JPH06148115A (ja) | 1994-05-27 |
Family
ID=17845164
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29733392A Pending JPH06148115A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | ガスセンサー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06148115A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002214179A (ja) * | 2001-01-23 | 2002-07-31 | Fis Kk | ガスセンサ |
JP2007533986A (ja) * | 2004-04-22 | 2007-11-22 | マイクロナス ゲーエムベーハー | 還元性ガス又はアルコールを検出するためのfet型センサー、製造方法及び運転方法 |
JP2010210539A (ja) * | 2009-03-12 | 2010-09-24 | Ngk Insulators Ltd | 粒子状物質検出装置 |
CN113892021A (zh) * | 2019-06-07 | 2022-01-04 | Koa株式会社 | 硫化检测传感器 |
-
1992
- 1992-11-06 JP JP29733392A patent/JPH06148115A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002214179A (ja) * | 2001-01-23 | 2002-07-31 | Fis Kk | ガスセンサ |
JP2007533986A (ja) * | 2004-04-22 | 2007-11-22 | マイクロナス ゲーエムベーハー | 還元性ガス又はアルコールを検出するためのfet型センサー、製造方法及び運転方法 |
JP2010210539A (ja) * | 2009-03-12 | 2010-09-24 | Ngk Insulators Ltd | 粒子状物質検出装置 |
CN113892021A (zh) * | 2019-06-07 | 2022-01-04 | Koa株式会社 | 硫化检测传感器 |
CN113892021B (zh) * | 2019-06-07 | 2024-04-02 | Koa株式会社 | 硫化检测传感器 |
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