JPH06147762A - 加熱炉構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱炉のセット棚を傾斜させ、孔詰まりのな
い脱脂・焼結体を得る。 【構成】 セラミックスと樹脂の混合体を射出成形し形
成された成形体の樹脂成分を脱脂する加熱炉内のセット
棚を、分解された樹脂が循環する風と共に上方に逃げる
ように傾斜させる。 【効果】 被処理物の孔内に分解された樹脂の滞留がな
くなり、孔詰まり率が従来より1/10０から1/1000と格段
に少なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、セラミックスの射出成
形の脱脂を行う加熱炉に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ファンから送られる風に対して平
行に棚が置かれていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の構造によると、
細長い孔や、狭い間隙を有する成形体を脱脂すると、図
２に示す構造では棚やセッターの湾曲により被処理物の
孔に風が流れにくくなり脱脂されたものが滞留したり、
ファンの風のムラにより細長い孔や狭い間隙部で脱脂さ
れたものが、運び去られないため、焼結後に孔や間隙が
詰るという欠点を有していた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明ではセッターを乗せる棚を風下に向かって水
平より上に傾斜させ、強制的に脱脂されたものをワーク
から排出させるようにした。

【０００５】

【作用】上記方法によれば、従来の方法に比較し細長い
孔や狭い間隙の詰まりが著しく減少した。

【０００６】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図１は、本発明の加熱炉構造の断面を示すものであ
る。加熱炉３にはファン１と加熱部２と被処理物７のセ
ット棚４があり、加熱部２により暖められた気体がファ
ン１により矢印方向に動かされ、ファン１を通って被処
理物のセット棚４に送られ、再び加熱部２に戻る。この
とき、被処理物７のセット棚４は、その上面がファン２
から送られる風を受けるように傾斜５がつけられてい
る。この棚の上に被処理物７がセットされたセラミック
スセッタ６が乗っており、温められた風により被処理物
７が徐々に加熱され被処理物７の中にある樹脂が分解す
る。この分解した樹脂は、ファン２により供給される気
体により運び去られ脱脂が進行する。

【０００７】図３は、その時のセラミックスセッター６
の拡大部を示すものである。被処理物７は細長い孔８を
有する円筒体とした場合、細長い孔８が水平方向に対し
てセット棚４の傾斜５と同等の傾きを有するようにセッ
トされている。仮にセット棚４やセラミックスセッタ６
が湾曲して、ファン２より送り込まれる風が十分に孔を
通らなくても、細長い孔８の中で分解した樹脂は、傾斜
５を有することにより熱風が低い方から高い方へ流れ、
脱脂された樹脂は強制的に矢印方向に排出される。従来
方法と本発明による脱脂による孔詰まり率を比較したの
が表１である。

【０００８】 （加熱炉の寸法） 棚の傾斜角度 １．５〜２．０゜ 棚の厚み ２ｃｍ セラミックスセッタ厚み １ｃｍ（６０゜のＶ溝あ
り） 被処理物外径 ０．３ｃｍ 棚間隔 ２．５ｃｍ 棚の大きさ ４５×４５ｃｍ 棚の傾斜角度を１．５〜２．０゜としたのは、加熱炉へ
被処理物７を最大にセットできるので選択したもので、
傾斜の角度は適当に選択できるものである。

【０００９】

【発明の効果】本発明によれば、細長い孔や狭い間隙を
有する成形体を脱脂しても、孔詰まりが殆ど発生しなく
なるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の加熱炉構造の断面図である。

【図２】従来の加熱炉構造を示す断面図である。

【図３】本発明のセット棚部の拡大図である。

【符号の説明】

１ ファン ２ 加熱部 ３ 加熱炉 ４ セット棚 ５ 傾斜 ６ セラミックスセッター ７ 被処理物

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 俊二 東京都江東区亀戸６丁目31番１号 セイコ ー電子工業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ファンにより一方向に循環され、その循
   環のルート内に加熱部と被処理物のセット部が存在する
   加熱炉において、被処理物のセット棚は風下に向かって
   水平よりも上に傾斜していることを特徴とする加熱炉構
   造。