JP3818716B2 - リフローはんだ付け装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状の被はんだ付けワーク、例えば電子部品を搭載したプリント配線板のリフローはんだ付け装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板に電子部品を搭載してはんだ付けを行う技術として、リフローはんだ付け技術がある。すなわち、電子部品が搭載されるプリント配線板の被はんだ付け部に予めはんだペースト等のはんだを供給しておいて、その後、電子部品を搭載し、続いてそのプリント配線板をリフローはんだ付け装置の加熱炉で加熱して被はんだ付け部のはんだを溶融させてはんだ付けを行う技術である。
【0003】
リフローはんだ付け装置では、プリント配線板が高温の雰囲気に曝されるため、耐熱温度の低い電子部品をはんだ付けする場合においては、当該部品の温度が耐熱温度以上に上昇しないようにする必要がある。例えば、リフローはんだ付けに対応したチップ型電子部品とリフローはんだ付けに対応していないリード型電子部品(例えば、電解コンデンサ等)が混載されている場合である。
【0004】
特許第2502826号公報や特許第2502827号公報には、耐熱温度の低い電子部品の温度が耐熱温度以上に上昇しないようにしてリフローはんだ付けを行う技術が説明されている。これらの技術は、チップ型電子部品の被はんだ付け部のみならず、リード型電子部品の被はんだ付け部にもはんだペーストを予め供給しておいて、リフローはんだ付け装置でこれらの被はんだ付け部のリフローはんだ付けを一括して行う技術である。
【0005】
これらの技術は、従来においてはチップ型電子部品とリード型電子部品とが混載されたプリント配線板を、フローはんだ付けを行う場合と同様の姿勢で、すなわちリード型電子部品を挿入したままでプリント配線板の上方に位置させてリフローはんだ付けを行うことができる優れた技術である。
【0006】
そのため、リード型電子部品が搭載されているプリント配線板の上面側はその耐熱温度以下の雰囲気温度に維持し、チップ型電子部品が搭載され、かつリード型電子部品のリード線が挿通されて突出している側の被はんだ付け部が存在するプリント配線板の下面側を予備加熱した後に、リフローはんだ付けするように構成している。もちろん、プリント配線板の下面側の雰囲気温度は上面側の雰囲気温度よりも高温である。
【0007】
そして、プリント配線板の上面側を電子部品(リード型電子部品)の耐熱温度以下の雰囲気温度に維持するために、炉体の上方に外気導入口と外気導入ファンとを設けて外気を送り込むように構成している。また、外気を送り込むことにより下方からの高温雰囲気の上昇を押さえ込むように構成している。
【0008】
他方、実公平3−47340号公報には、耐熱温度の低い電子部品を下方側に位置するようにしてチップ型電子部品を仮止めするための接着剤を硬化させる技術が説明されている。
【0009】
図6は、「電子部品のプリント基板への固定装置」の従来例を示す断面図で、実公平3−47340号公報からの抜粋である。
【0010】
すなわち、1はプリント配線板、2は電子部品、2Aはチップ型電子部品、2Bはリード型電子部品、3は搬送コンベア、4は機体を示す。そして、プリント配線板1が搬送コンベア3に載置されている部分である両側端部1a側に通気口5とファン6とを設け、外気をプリント配線板1の下面側1bにその板面に沿って供給したり、プリント配線板1の下面側1bの雰囲気を吸引除去する技術である。また、7は赤外線ヒータ、8はダクトである。
【0011】
この技術は、先に説明したようにチップ型電子部品2Aとリード型電子部品2Bとが混載されるプリント配線板1をフローはんだ付けする際に、チップ型電子部品2Aが脱落しないように接着剤で仮止めする技術である。したがって、耐熱温度が低い電子部品2をプリント配線板1の下面側1bに位置させても抜け落ちることがないように、そのリード線(図6では、図示されていない)が折り曲げ加工されたものでなければならない制約と欠点がある。すなわち、この技術ではプリント配線板1をフローはんだ付けする際の該プリント配線板1の姿勢とは異なり、プリント配線板1の上下を反転して処理する必要があるからである。
【0012】
そのため、リード型電子部品2Bをプリント配線板1に挿入したままではんだ付けを行う技術、すなわち特許第2502826号公報や特許第2502827号公報の技術とは異なっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
電子装置の軽薄短小化が進行することに合わせてプリント配線板における電子部品の実装密度が高まり、プリント配線板1の側端部1aの部分まで隈なく電子部品2が搭載されるようになってきている。
【0014】
そのことと合わせて、特許第2502826号公報や特許第2502827号公報の技術においても、プリント配線板1の側端部1aにおける温度分布が課題となってきた。すなわち、プリント配線板1の上面側1cの側端部1aに搭載されているリード型電子部品2B等の耐熱温度の低い電子部品2が、プリント配線板1の下面側1bから上昇しようとする高温の雰囲気により温度上昇し、その耐熱温度を超える場合があるからである。
【0015】
本発明の課題は、プリント配線板の上面側はもちろんのことその側端部の隅々までの温度上昇を抑制し、当該位置に耐熱温度の低い電子部品が搭載されていたとしてもその耐熱温度以下に保持し、プリント配線板の下面側が所望の予備加熱およびリフローはんだ付けを行えるようにすることにある。また、プリント配線板の上面側を一層安定した低い雰囲気温度に保持できるようにすることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
プリント配線板の被はんだ付け部を下方側に向けて炉体内を搬送し、その下方側から加熱して予備加熱およびリフローはんだ付けを行うリフローはんだ付け装置において、プリント配線板の上面側の面にその上方から炉体外の雰囲気(外気)を吹き付ける手段を設ける。また、プリント配線板の両側端部側から炉体内の雰囲気を吸引して炉体外へ排気する手段を設ける。そして、これらの雰囲気が再循環しない独立した構成とする。
さらに、前記送風手段の送風量と前記排気手段の排気風量とのバランス状態およびその絶対量を調節する手段であって前記送風手段の送風量を調節する調節手段と前記排気手段の排気風量を調節する調節手段とを備える。
【0017】
これにより、プリント配線板の上面側を冷却した外気がその両側端部側へ吸引されて流れ、続いてプリント配線板の上面側を冷却して温度上昇した外気を炉体外へ積極的に排気する。また、プリント配線板の側端部においてその下方側から上昇しようとする高温の雰囲気もプリント配線板の両側端部側へ吸引されて流れ、続いて炉体外へ積極的に排気される。
【0018】
また、プリント配線板が搬送されていない場合においても、炉体内の下方に配設された加熱手段から上昇しようとする高温の雰囲気を、上方から吹き付けられる外気により押さえ込む。そして、両側端部に流れた高温の雰囲気は排気手段により炉体外へ排気される。
【0019】
さらに、炉体外雰囲気の吹き付け送風量を調節することにより、プリント配線板の上面側の冷却量を調節することができるとともに、下方側から上昇しようとする高温雰囲気を押さえ込む程度を調節することが可能となり、それを平衡させることができる。また、炉体内雰囲気を吸引して炉体外へ排気する排気風量を調節することにより、炉体の外から供給した雰囲気で冷却により温度上昇した雰囲気を積極的に排出して冷却熱を排出する量を調節することができるとともに、加熱手段から上昇する高温の雰囲気も積極的に排出することができる。
【0020】
そしてさらに、炉体外雰囲気の吹き付け送風量と炉体内雰囲気の吸引排気風量とを併せて調節することにより、下方側から上昇しようとする高温雰囲気を押さえ込む程度と冷却熱を排出する程度との平衡調節を行うことができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明は次のような形態において実施することができる。
【0022】
被はんだ付け部に予めはんだを供給したプリント配線板の被はんだ付け部を下方側に向けてリフローはんだ付けを行うはんだ付け装置である。プリント配線板はリフローはんだ付け装置の炉体内を搬送コンベアで搬送され、その際に搬送コンベアの下方側すなわちプリント配線板の下方側に設けた加熱手段により前記被はんだ付け部のはんだを溶融させてはんだ付けを行う構成である。
【0023】
そして、搬送コンベアの上方側には、炉体外の雰囲気をプリント配線板の上面側に吹き付ける送風手段を設け、また、プリント配線板の両側端部側には炉体内雰囲気を吸引して炉体外へ排気する排気手段を搬送コンベアに沿って設ける。そして前記送風手段と前記排気手段とは排気雰囲気が送風雰囲気として再循環しない独立した手段として設ける。
【0024】
さらに前記送風手段の送風量と前記排気手段の排気風量とのバランス状態およびその絶対量を調節する手段であって送風手段の送風量を調節する手段と吸引排気手段の排気風量を調節する手段とを設けて構成する。
【0025】
【実施例】
次に、本発明によるリフローはんだ付け装置の具体例を実施例で説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施例を示すリフローはんだ付け装置の側断面図、図2は図1のリフローはんだ付け装置の均温部を示す横断面図である。図3は図1のリフローはんだ付け装置の昇温部を示す横断面図、図4は図1のリフローはんだ付け装置のリフロー部を示す横断面図である。
【0027】
これらの図において、リフローはんだ付け装置の炉体10内には、プリント配線板1の両側端部1aを載置して支持しつつ搬送する平行二条のチェーン12からなる搬送コンベア11を設けてあり、搬送コンベア11の下方には加熱手段13,14,15を設けてある。そして、搬送コンベア11の上方には炉体10外の外気をプリント配線板1に吹き付けるファン22およびモータ23からなるブロワ21により構成された送風手段を設けてあり、また、プリント配線板1の両側端部1a側より炉体10内雰囲気を吸引して排気する吸引排気口16,吸引排気路17そしてファン25およびモータ26からなるブロワ24により構成された排気手段が設けてある。また、27は前記プリント配線板1の搬入口、28は搬出口である。
【0028】
なお、図2〜図4において吸引排気路17とブロワ24の吸込口18とをホース19で接続しているが、このホース19の長さを同じ長さにすることで、図中の右側の吸引排気路17と左側の吸引排気路17とから吸引排気する排気風量を同一にすることができる。これらの図においては、図をわかり易くするためにホース19の長さを揃えて描いていない。
【0029】
また、このリフローはんだ付け装置は、予備加熱部31を昇温部32の1室と均温部33の1室とから構成し、続いてリフロー部34の1室を設けて構成している。そして、昇温部32の加熱手段13は赤外線加熱と熱風加熱とを併用した構成であり、均温部33の加熱手段14はパネルヒータによる赤外線加熱、リフロー部34の加熱手段15は熱風加熱の構成である。
【0030】
図1において、昇温部32の赤外線ヒータ41の表面に設けたセンサ42は赤外線ヒータ41の表面温度を検出するものであり、均温部33のパネルヒータ43の表面に設けたセンサ44もパネルヒータ43の表面温度を検出するものである。すなわち、図示しない温度制御装置がこれらのセンサ42,44の温度検出結果を参照し、予め決めた所定の温度となるように各ヒータ41,43に供給する電力を調節する構成である。
【0031】
また、リフロー部34の熱風の吹出口45に設けたセンサ46は熱風温度を検出するものであり、図示しない温度制御装置がこのセンサ46の温度検出結果を参照し、予め決めた所定の温度となるように加熱室47に設けたヒータ48に供給する電力を調節する構成である。
【0032】
次に、リフローはんだ付け装置の前記各部の構成をさらに詳細に説明する。ここでは順序が前後するが、本発明の容易な理解が得られるように、均温部33,昇温部32,リフロー部34の順に説明する。
【0033】
〈均温部〉
図2において、プリント配線板1は搬送コンベア11のチェーン12のピン20上に載置され支持されて搬送される。そしてその際、プリント配線板1はその被はんだ付け部を下方に向けて搬送する。
【0034】
プリント配線板1には図2にも示すようにその下面側1bにチップ型電子部品2Aを搭載してあり、その被はんだ付け部にははんだペースト9を塗布してある。また、リード型電子部品2Bはプリント配線板1の上面側1cに搭載してあり、そのリード線2Baはプリント配線板1に挿通されていて、該プリント配線板1の下面側1bの被はんだ付け部にははんだペースト9を塗布してある。この技術は特許第2502826号公報や特許第2502827号公報に詳しく説明されている。
【0035】
そして、搬送コンベア11の下方に設けたパネルヒータ43によりプリント配線板1の下面側1bが加熱される。
【0036】
他方、搬送コンベア11の上方にはファン22とそれを回転駆動するモータ23を設けてあり、炉体10の外部雰囲気すなわち外気をプリント配線板1の上面側1cの面に吹き付けるように構成してある。なお、開口部51は炉体10に設けた外気の取り入れ口であり、外気をプリント配線板1に吹き付ける部分に設けた整流板52はファン22による送風を均一化するためのものである。
【0037】
そしてさらに、プリント配線板1の両側端部1a側すなわち搬送コンベア11に沿ってその両側には吸引排気口16を設けてあり、吸引排気路17とホース19を通ってブロワ24の吸込口18に接続している。そして、ブロワ24の排気口53は外部に開放されている。
【0038】
また、搬送コンベア11に設けた仕切板54は炉体10に摺接する部材であり、搬送コンベア11の下方側と上方側の雰囲気を仕切る部材である。
【0039】
なお、ファン22,25を駆動するモータ23,26は図示しないインバータにより駆動する構成とし、その回転速度を調節することができるように構成する。これにより、送風量と排気風量とをそれぞれ独立に調節することができるようになる。なお、これらの構成が、送風量を調節する調節手段と、排気風量を調節する調節手段に対応する。
【0040】
このように構成することにより、プリント配線板1の上面側1cに搭載された耐熱温度の低い電子部品2、例えばリード型電子部品2Bに外気を吹き付けて熱量を奪って温度上昇を抑制し、この熱量を奪って温度上昇した外気はプリント配線板1の両側端部1a側に設けた吸引排気口16から積極的に吸引して排出することができる。
【0041】
また、プリント配線板1の上面側1cの面に外気が吹き付けられることにより、搬送コンベア11の下方側から上昇しようとする高温の雰囲気を押さえ込むことができるとともに、プリント配線板1の両側端部1a側から上昇しようとする高温の雰囲気は該プリント配線板1の両側端部1a側からその外側の横方向へ吸引されて排出される。したがって、プリント配線板1の上面側1cの両側端部1aに搭載された電子部品2が、下方から上昇する高温の雰囲気により加熱されることがなくなる。
【0042】
この場合、基本的には外気の送風量Q1 と吸引排気風量Q2 とは概ね同一に調節するか、やや吸引排気風量Q2 が大きくなるように調節する。しかし、リード型電子部品2Bの搭載数が多い場合やプリント配線板1の上面側1cの面に形状の大きい部品が搭載されていて、吹き付けられた外気の通風量が低下するような場合においては、吸引排気風量Q2 よりも送風量Q1 をやや大きくなるように調節するとよい。すなわち、電子部品2の搭載状態に応じて適宜に送風量Q1 と吸引排気風量Q2 のバランスを調節する。
【0043】
また、前記の送風量Q1 と吸引排気風量Q2 の相対量の調節の他に、送風量Q1 と吸引排気風量Q2 の絶対量を増減することによりリード型電子部品2Bを冷却する程度を調節することができる。しかし、過度に送風量Q1 と吸引排気風量Q2 を増加すると炉体10内が冷え過ぎるので、その場合は送風量Q1 と吸引排気風量Q2 の絶対量を少なくする。
【0044】
以上のように、プリント配線板1の上面側1cに外気を吹き付けるとともに、これに伴い温度上昇した外気および搬送コンベア11の上方側に上昇する高温の炉体10内の雰囲気を積極的に炉体10の外へ排出して排熱することにより、プリント配線板1の上面側1cに搭載された電子部品2を冷却してその温度を耐熱温度以下に保持することができる。
【0045】
また、プリント配線板1の上面側1cの面に吹き付けた雰囲気をプリント配線板1の両側端部1a側へ積極的に吸引して排出することにより、プリント配線板1の両側端部1aに耐熱温度の低い電子部品2が搭載されていたとしても、搬送コンベア11の下方側から上昇しようとする高温の雰囲気に触れることもない。
【0046】
〈昇温部〉
図3に示す昇温部32が図2の均温部33と相違する点は、搬送コンベア11の下方側の加熱手段13のみである。すなわち、図1と併せて見るとわかるように、赤外線ヒータ41間に熱風を吹き出すためのノズル部55を形成した構成であり、ノズル部55の先端にはホーン部56を形成してファン58とモータ59からなるブロワ57によって供給される熱風が放散して広い範囲に吹き出すように考慮されている。
【0047】
雰囲気は、モータ59に回転駆動されたファン58によって赤外線ヒータ41間に形成したノズル部55を通って加熱されてホーン部56から吹き出し、プリント配線板1の下面側1bの面に吹き付けられ該プリント配線板1とその被はんだ付け部を加熱する。その後は、循環路60を通ってファン58に還流して循環する。また、赤外線ヒータ41からは赤外線が放射されてプリント配線板1とその被はんだ付け部を加熱する。なお、整流板61は熱風雰囲気の流れを均一に分布させるための手段である。
【0048】
そして、搬送コンベア11の上方側の構成は、均温部33の構成と同様であり、その作動も同様である。但し、搬送コンベア11の下方側に熱風循環方式の加熱手段を用いているため、プリント配線板1の上面側1c、すなわち搬送コンベア11の上方側に熱風が上昇し易い。そのため、外気の吹き付け送風量Q3 は均温部33の送風量Q1 よりも大きくして熱風の上昇を押さえ込むようにモータ23の回転速度を調節する。また、排気風量Q4 もそれに合わせて大きくする。
【0049】
〈リフロー部〉
図4はリフロー部34の横断面図である。図2の均温部33と相違する点は搬送コンベア11の下方側の加熱手段15のみであり、この加熱手段15は熱風循環型に構成してある。すなわち、加熱室47のヒータ48で加熱された熱風を整流板62で均一な流れとなるように整えてプリント配線板1の下面側1bに吹き付け、プリント配線板1とその被はんだ付け部を加熱する構成である。そして、プリント配線板1に吹き付けられた後の熱風は循環路63を通ってファン65とモータ66とからなるブロワ64に還流し、再び加熱室47で加熱されてプリント配線板1に吹き付けられる。
【0050】
なお、図4においては、図をわかり易くするために熱風循環用のブロワ64の吸込口67を図中の左側に設けてあるが、実際は図1のように中央位置に設けてある。また、図1において均圧板68は、ブロワ64によって供給される熱風の動圧を吹出口45の全域にわたって均一に分布させる手段であり、整流板62と併せて熱風を均一に吹出口45から吹き出させるための手段である。
【0051】
そして、搬送コンベア11の上方側の構成は、先に説明した均温部33の構成と同様であり、その作動も同様である。但し、搬送コンベア11の下方側に熱風循環方式の加熱手段15を用いているため、プリント配線板1の上面側1c、すなわち搬送コンベア11の上方側に熱風が上昇し易い。そのため、外気の吹き付け送風量Q5 は均温部33の送風量Q1 よりも大きくして熱風の上昇を押さえ込むようにモータ23の回転速度を調節する。そして、リフロー部34では熱風の送風量が昇温部32よりもさらに大きいので、送風量Q5 は送風量Q3 よりも大きくなるように調節するとよい。当然に排気風量Q6 もそれに合わせて大きくする。
【0052】
次に、以上のように構成され調節したリフローはんだ付け装置を使用してプリント配線板1の加熱を行った際の代表的な加熱プロファイルを説明する。
【0053】
図5は、プリント配線板1の加熱プロファイルの一例を示す図であり、被はんだ付け部の温度の変化と耐熱温度の低いリード型電子部品2Bの温度とを測定したものである。なお、被はんだ付け部の温度は図2の(A)点にセンサ71を取り付けて測定したものであり、リード型電子部品2Bの温度は図2の(B)点にセンサ72を取り付けて測定したものである。すなわち、(B)点のリード型電子部品2Bはプリント配線板1の側端部1a側に設けられており、搬送コンベア11の下方側から上昇しようとする高温の雰囲気や熱風の影響を最も受けやすい部品である。
【0054】
図5に示すように、プリント配線板1の下面側1bの面の被はんだ付け部は、昇温部32で約150℃に加熱された後、均温部33で概ね同様の温度を維持して予備加熱され、リフロー部34で約220℃に加熱されてはんだ付けされる。これに対し、プリント配線板1の上面側1cの側端部1aに搭載されたリード型電子部品2Bは、昇温部32および均温部33そしてリフロー部34と進んでいくに従い、リード線2Baの被はんだ付け部からリード線2Baを通って伝熱して徐々に温度上昇するが、プリント配線板1の側端部1aに搭載されているにも係わらずその最大値は約110℃程度と通常の耐熱温度以下に保持されており、搬送コンベア11の下方側から上昇しようとする高温の雰囲気や熱風の影響を受けずに安定したプロファイルを示している。
【0055】
【発明の効果】
以上のように本発明のリフローはんだ付け装置によれば、プリント配線板の上面側はもちろんのこと、その側端部の隅々まで温度上昇を抑制し、当該位置に耐熱温度の低い電子部品が搭載されていたとしてもその耐熱温度以下に保持し、プリント配線板の下面側は所望の予備加熱およびリフローはんだ付けを行えるようにすることができる。また、プリント配線板の上面側を安定した低い雰囲気温度に保持できるようになる。
【0056】
さらに、外気の送風量と炉体内雰囲気の排気風量とのバランス調節を行うとともに、その絶対量もそれぞれ独立して調節することにより、赤外線加熱や熱風加熱、赤外線と熱風併用加熱等々に適した外気送風量と炉体内雰囲気の排気風量とを選択することができるようになる。したがって、プリント配線板の上面側に上昇しようとする高温の雰囲気や熱風を良好に抑止することができるようになる。
【0057】
そして以上のようにして、従来はフローはんだ付け技術でのみしか行えなかったような実装状態のプリント配線板も、リフローはんだ付けを行うことができるようになり、逆にフローはんだ付け技術でははんだブリッジ等を生じて対応できなかったようなチップ部品の実装密度の高い部分が存在していても、支障なくはんだ付けを行うことができるようになる。すなわち、フローはんだ付け技術の長所とリフローはんだ付け技術の長所とを併せ持つはんだ付けを行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すリフローはんだ付け装置の側断面図である。
【図2】図1のリフローはんだ付け装置の均温部を示す横断面図である。
【図3】図1のリフローはんだ付け装置の昇温部を示す横断面図である。
【図4】図1のリフローはんだ付け装置のリフロー部を示す横断面図である。
【図5】プリント配線板の加熱プロファイルの一例を示す図である。
【図6】電子部品のプリント基板への固定装置の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 プリント配線板
1a 側端部
1b 下面側
1c 上面側
2 電子部品
2A チップ型電子部品
2B リード型電子部品
2Ba リード線
9 はんだペースト
10 炉体
11 搬送コンベア
13 加熱手段
14 加熱手段
15 加熱手段
16 吸引排気口
17 吸引排気路
18 吸込口
19 ホース
21 ブロワ
24 ブロワ
31 予備加熱部
32 昇温部
33 均温部
34 リフロー部
51 開口部
53 排気口
57 ブロワ
64 ブロワ
Claims (1)
- 板状の被はんだ付けワークの被はんだ付け部に予めはんだを供給しておいて、前記板状の被はんだ付けワークの被はんだ付け部を下方側に向けて炉体内を搬送しつつその下方側より加熱し、前記被はんだ付け部に予め供給されている前記はんだを溶融させてはんだ付けを行うリフローはんだ付け装置において、
前記板状の被はんだ付けワークの上面側にその上方から炉体外の雰囲気を吹き付ける送風手段と搬送方向から見て前記板状の被はんだ付けワークの両側端部側から炉体内雰囲気を吸引して炉体外へ排気する排気手段とを設けると共に前記送風手段と前記排気手段とは排気雰囲気が送風雰囲気として再循環しない独立した手段として設けられ、
さらに、前記送風手段の送風量と前記排気手段の排気風量とのバランス状態およびその絶対量を調節する手段であって前記送風手段の送風量を調節する調節手段と前記排気手段の排気量を調節する調節手段とを備えたこと、
を特徴とするはんだ付け装置。
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JP5103064B2 (ja) * | 2007-06-19 | 2012-12-19 | 株式会社タムラ製作所 | リフロー装置 |
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1997
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