JPH06147359A - 流動制御機器 - Google Patents

流動制御機器

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JPH06147359A
JPH06147359A JP29729892A JP29729892A JPH06147359A JP H06147359 A JPH06147359 A JP H06147359A JP 29729892 A JP29729892 A JP 29729892A JP 29729892 A JP29729892 A JP 29729892A JP H06147359 A JPH06147359 A JP H06147359A
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正彦 中沢
Kazuo Tsukada
和夫 塚田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の流体流路の切換えをきわめて簡単にか
つ確実に行なうことができ、しかも栓体のシール面の摩
損が少なく、長期間使用してもハンドルの閉止位置がず
れたりすることなく、耐久性にすぐれており、また製造
が容易であるとともに、機器内の流路の完全なシールを
果たし得て、サニタリー・バルブとしても有利に使用し
得る、流動制御機器を提供する。 【構成】 流動制御機器は、筺体2 の下部内に、1つの
主流体流路6aに対して複数の分岐流体流路6b,6c が設け
られるとともに、各分岐流体流路6b,6c の途中に栓座7
が設けられている。各栓座7 に対応するように、筺体2
の内部に栓体11を下端部にかつ転動体20を上端部に備え
たスピンドル9 が収められ、各スピンドル9 はスプリン
グ13により付勢されて、栓体11が栓座7 に圧接せられる
ようになされている。筺体2 の上部に1つのハンドル30
付き回転軸8 が備えられ、この回転軸8 に転動体昇降用
膨出部21を有する環状の転動体受座4 が設けられ、この
受座4 の上面に各スピンドル9 の転動体20がのせられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、流動制御機器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の流動制御機器は、例えば栓体を有
するスピンドルに雄ねじが設けられ、スピンドル上端の
ハンドルを回すことにより雄ねじを筺体の雌ねじにねじ
合せて、栓体を栓座に押し付けあるいは逆に栓座から引
き離し、流体流路の開閉を行なっていた。一方、切換え
弁としては、いわゆるロータリー弁が知られており、こ
れは1つの弁体に多数の流体流路を設けておいて、弁体
の回転により所要の流体流路を弁ケーシングの開口部と
連通せしめて、流路の切換えを行なうというものであっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の流動制御機器では、長期の使用による栓体シール
面の凹みによりハンドルの閉止位置がずれたり、またそ
うでなくても製作時の加工誤差によりハンドルの閉止位
置がずれたりして、機器の開閉操作に影響を与えるとい
う問題があるし、ハンドルの締めすぎにより栓体のシー
ル面が凹んだり、摩損したりし易く、上述の問題が一層
深刻なものとなった。また従来の切換え弁としてのロー
タリー弁では、多数の流体流路を有する弁体の製作が容
易でないし、またこれをいわゆるサニタリー・バルブと
して使用する場合などでは、弁内の各流路の完全なシー
ルが困難であるという問題があった。
【0004】この発明の目的は、上記の従来技術の問題
を解決し、複数の流体流路の切換えをきわめて簡単にか
つ確実に行なうことができ、しかも製造が容易であり、
また機器内の流体流路の完全なシールを果たし得て、サ
ニタリー・バルブとしても有利に使用し得るうえに、ス
ピンドルに備えられた栓体を常に一定の圧力で栓座に圧
接せしめることができて、流体流路の開閉を確実に行な
うことができ、また栓体のシール面の摩損が少なく、長
期間使用してもハンドルの閉止位置がずれたりするよう
なことがなく、耐久性にすぐれている、流動制御機器を
提供しようとするにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、筺体の下部内に、1つの主流体流路
に対して複数の分岐流体流路が設けられるとともに、各
分岐流体流路の途中に栓座が設けられており、筺体の内
部に、各栓座に対応するように栓体を下端に備えた複数
のスピンドルが収められるとともに、各スピンドルがス
プリングにより付勢されて、栓体がダイアフラムを介し
または介さずに栓座に圧接せられるようになされ、各ス
ピンドルにスピンドル昇降用転動体が取り付けられ、筺
体にハンドル付き回転軸が備えられ、この回転軸に環状
の転動体受座が設けられ、転動体受座の一側部上面に転
動体昇降用膨出部が上方突出状に設けられ、膨出部の頂
部には転動体一部嵌入用凹部が設けられ、かつ凹部の両
側に傾斜案内面が形成せられ、転動体受座の上面に各ス
ピンドルの転動体がのせられており、ハンドル付き回転
軸の回転により転動体受座一側の転動体昇降用膨出部が
移動せしめられ、受座上の任意の転動体がこの膨出部に
より上昇せしめられて、該転動体の一部が膨出部頂部の
転動体一部嵌入用凹部内に嵌まり込むことにより、転動
体と一体のスピンドルが持ち上げ状態にかつこれの下端
の栓体が栓座より離れた状態にそれぞれ保持されて、該
栓座のある分岐流体流路が主流体流路と連通するように
なされている、流動制御機器を要旨としている。
【0006】
【作用】上記流動制御機器によれば、1つの回転軸に設
けられた転動体受座に複数の転動体がのせられているか
ら、回転軸の回転により転動体受座が回転すると、これ
の一側の転動体昇降用膨出部が移動して、この膨出部に
より転動体が上昇せしめられ、該転動体の一部が膨出部
頂部の凹部内に嵌まり込む。これにより、転動体と一体
のスピンドルが持ち上げ状態にかつこれの下端の栓体が
栓座より離れた状態にそれぞれ保持されるため、流体流
路が切り換る。こうして複数の流体流路の切換えを順
に、きわめて簡単かつ確実に行なうことができる。
【0007】また筺体内の複数の流体流路の上側にダイ
アフラムを配置するか、あるいはまた栓体を有する各ス
ピンドルおよびスプリングをじゃばら形シール用筒体で
覆うことにより、各流体流路の完全なシールを果たし
得、従って流動制御機器は、サニタリー・バルブとして
も有利に使用し得る。
【0008】そのうえ、各スピンドルに備えられた栓体
をスプリングの弾発力により常に一定の圧力で栓座に圧
接せしめることができるため、流体流路の開閉を確実に
行ない得るとともに、栓体のシール面の摩損が少なく、
長期間使用してもハンドルの閉止位置がずれたりするよ
うなことがない。
【0009】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を図面を参照して
説明する。
【0010】この明細書において、前後、左右は図1お
よび図6を基準とし、前とは図1および図6の図面紙葉
の表側、後とは同裏側をいゝ、また左とは同各図左側、
右とは同右側をいうものとする。
【0011】実施例1 この実施例は、図1〜図5に示すものであって、流動制
御機器(1) の筺体(2)は略直方体形を有しており、これ
は高さの中央部と、上から4分の1の高さにおいて、そ
れぞれ水平方向に分割されていて、下部の筺体本体(2a)
と、上部の蓋部(2b)と、両者の間の中間筺体部(2c)とに
よって構成されている。
【0012】そして、下部の筺体本体(2a)内には、後側
に開口した1つの主流体流路(6a)に対して左右に開口し
た第1および第2分岐流体流路(6b)(6c)が設けられてい
る。また筺体本体(2a)には、これらの分岐流体流路(6b)
(6c)の中間部分がそれぞれ開口する凹陥部(3)(3)が設け
られ、これらの凹陥部(3)(3)の底部であって分岐流体流
路(6b)(6c)の途中に栓座(7)(7)が配置されている。凹陥
部(3)(3)の開口周縁部には、雌ねじ部(14)(14)が設けら
れ、凹陥部(3)(3)の底部の栓座(7)(7)の上側にダイアフ
ラム(5)(5)が配置されている。
【0013】筺体本体(2a)の2つの凹陥部(3)(3)には、
栓体(11)を下端に備えた左右一対のスピンドル(9)(9)が
垂直状に収められ、各スピンドル(9) の栓体(11)はダイ
アフラム(5) の上方より栓座(7) にのぞませられてい
る。また、各スピンドル(9) の下端には環状のスプリン
グ受け(12)が設けられている。
【0014】筺体本体(2a)の各凹陥部(3) には、上端に
頂壁(15)を有するスプリング収納用筒体(10)が、スピン
ドル(9) および環状のスプリング受け(12)に嵌め被せら
れるように収められ、このスプリング収納用筒体(10)の
下端部により、上記ダイアフラム(5) の周縁部が上から
押さえられている。このスプリング収納用筒体(10)の内
部において、スピンドル(9) にコイル状スプリング(13)
が嵌め被せられて、スプリング(13)が筒体(10)の頂壁(1
5)とスプリング受け(12)との間に介在せられ、このスプ
リング(13)によってスピンドル(9) が下方に、従ってス
ピンドル(9) 下端の栓体(11)がダイアフラム(5) を介し
て栓座(7) に圧接するように付勢されている。
【0015】なお、スプリング収納用筒体(10)の下端寄
り部分の外周に環状段部(16)が設けられ、筺体本体(2a)
の凹陥部(3) の開口部に、先端に雄ねじ部(17)を有する
押さえ用筒体(18)が差し込まれて、該雄ねじ部(17)が凹
陥部(3) の開口周縁部の雌ねじ部(14)にねじ合わせら
れ、この押さえ用筒体(18)の先端部がスプリング収納用
筒体(10)の環状段部(16)を上から押さえることによっ
て、該筒体(10)が筺体本体(2a)の凹陥部(3) 内に固定さ
れている。
【0016】一方、中間筺体部(2c)には、上部が狭くか
つ下部が広くなされた左右一対の貫通孔(19)(19)があけ
られていて、筺体本体(2a)より上方に突出したスプリン
グ収納用筒体(10)(10)部分と押さえ用筒体(18)(18)部分
がこれらの貫通孔(19)(19)に嵌まり込むように、中間筺
体部(2c)が筺体本体(2a)の上面に被せられている。
【0017】各スピンドル(9) の上端部は、スプリング
収納用筒体(10)の頂壁(15)を貫通して中間筺体部(2c)よ
りも上方に突出しており、スピンドル(9) の上端寄り部
分に、ベアリングよりなるスピンドル昇降用転動体(20)
が取り付けられている。
【0018】中間筺体部(2c)の上面中央に、上方に開口
した軸差し込み孔(25)が設けられて、これの内周に軸受
用スリーブ(26)が嵌め入れられ、このスリーブ(26)内に
回転軸(8) の下端部(8a)が差し込まれて、回転軸(8) は
中間筺体部(2c)の上壁に立上がり状に保持されている。
この回転軸(8) の下端寄り部分に環状の転動体受座(4)
が設けられ、図1において、転動体受座(4) の左側部上
面に転動体昇降用膨出部(21)が上方突出状に設けられて
いる。そして、膨出部(21)の頂部には転動体一部嵌入用
凹部(22)が設けられ、かつ膨出部(21)の両側に傾斜案内
面(23)(23)が形成せられていて、転動体受座(4) の上面
に、上記2つのスピンドル(9)(9)の転動体(20)(20)が回
転軸(8) の両側に位置するようにのせられている。
【0019】中間筺体部(2c)の上面前側にボール状スト
ッパ収納用孔(37)が設けられ、この孔(37)にコイルばね
(39)によって上方に付勢されたボール状ストッパ(38)が
収められている。これに対応して回転軸(8) の転動体受
座(4) の下面前後両側に、ボール状ストッパ一部嵌入用
凹部(40)がそれぞれ設けられている。
【0020】筺体(2) 上部の蓋部(2b)には、回転軸(8)
の下部、転動体受座(4) 、2つのスピンドル(9) の上端
部、およびこれらに取り付けられた転動体(20)をそれぞ
れ収容し得る大きさの下方開口凹部(27)が設けられ、か
つ蓋部(2b)の中央を貫通してこの凹部(27)に通じる回転
軸挿通孔(28)が設けられている。回転軸挿通孔(28)の内
周にはスリーブ(29)が配置され、蓋部(2b)が中間筺体部
(2c)の上に被せられることにより、回転軸(8) の上部の
みが蓋部(2b)より上方に突出している。
【0021】回転軸(8) の上端部にはハンドル取付用部
材(31)がピン(32)により固定され、このハンドル取付用
部材(31)に平面よりみて略楕円形のハンドル(30)が嵌め
被せられて、六角孔付きボルト(33)によってハンドル取
付用部材(31)に固定されている。
【0022】筺体(2) の蓋部(2b)と中間筺体部(2c)と筺
体本体(2a)とは、これらの四隅に差し込まれたねじ(34)
により一体に結合されている。また、筺体本体(2a)の後
側壁および左右両側壁には、ユニオン・ナット(35)を具
備した短い配管接続用パイプ(36)がそれぞれ取り付けら
れている。
【0023】上記において、流動制御機器(1) の第1お
よび第2分岐流体流路(6b)(6c)が閉じた状態では、左右
一対のスピンドル(9)(9)上端部の転動体(20)(20)は、図
5に2点鎖線で示すように、回転軸(8) の転動体受座
(4) 上において転動体昇降用膨出部(21)の両側に従って
平坦部分に位置している。
【0024】この状態より、ハンドル(30)およびこれと
一体の回転軸(8) を例えば時計回りの方向に90°回転
させると、転動体受座(4) 一側の転動体昇降用膨出部(2
1)が移動せしめられて、受座(4) 上の1つの転動体(20)
が膨出部(21)の傾斜状案内面(23)を上昇して、図5に実
線で示すように、該転動体(20)の一部が膨出部(21)頂部
の転動体一部嵌入用凹部(22)内に嵌まり込む。これによ
り、この転動体(20)と一体のスピンドル(9) がスプリン
グ(13)の弾発力に抗して上昇して持ち上げ状態に保持さ
れるとともに、該スピンドル(9) 下端の栓体(11)がダイ
アフラム(5) を介して栓座(7) より離れた状態に保持さ
れ、該栓座(7) のある第1分岐流体流路(6b)が主流体流
路(6a)に対して開かれる。なおこのとき、中間筺体部(2
c)のコイルばね(39)によって上方に付勢されたボール状
ストッパ(38)の上部が、回転軸(8) の転動体受座(4) 下
面前側の嵌入用凹部(40)に嵌まり込み、回転軸(8) とハ
ンドル(30)とが回転しないように止められている。
【0025】また、他方のスピンドル(9) 上端部の転動
体(20)は、同図に実線で示すように、回転軸(8) の転動
体受座(4) 上の平坦部分に位置しており、従ってこのス
ピンドル(9) 下端の栓体(11)はダイアフラム(5) を介し
て第2流体流路(6c)の栓座(7) に圧接せしめられたまゝ
であり、該分岐流体流路(6c)は主流体流路(6a)に対して
閉じている。
【0026】この状態から第1分岐流体流路(6b)を閉じ
るには、ハンドル(30)付き回転軸(8) をそのまゝ時計回
りの方向に90°回転させればよい。これにより、回転
軸(8) の転動体受座(4) の膨出部(21)が移動して、凹部
(22)内の転動体(20)が該凹部(22)より脱出して、傾斜状
案内面(23)を下降し、このためスピンドル(9) がスプリ
ング(13)の弾発力によって下方に、従ってスピンドル
(9) 下端の栓体(11)がダイアフラム(5) を介して栓座
(7) に圧接せしめられ、第1分岐流体流路(6b)が主流体
流路(6a)に対して閉じられる。なおこのとき、ボール状
ストッパ(38)も転動体受座(4) 下面の嵌入用凹部(40)よ
り脱出しており、ボール状ストッパ(38)は、いわばフリ
ーの状態となされている。しかしながら、ハンドル(30)
付き回転軸(8) が回転するには、転動体受座(4) の膨出
部(21)がいずれかのスピンドル(9) の転動体(20)を下か
ら押し上げなければならないので、このハンドル(30)付
き回転軸(8) が勝手に回転するようなことは全くない。
また第2分岐流体流路(6c)は主流体流路(6a)に対して閉
じたまゝである。
【0027】そして、さらにハンドル(30)付き回転軸
(8) をそのまゝ時計回りの方向に90°回転させると、
転動体受座(4) 一側の転動体昇降用膨出部(21)が移動せ
しめられて、受座(4) 上のいま1つの転動体(20)が膨出
部(21)の傾斜面(23)に沿って上昇せしめられて、該膨出
部(21)頂部の凹部(22)内に嵌まり込む。またこれと同時
に、中間筺体部(2c)の上方付勢ボール状ストッパ(38)の
上部が、転動体受座(4)のいま1つの嵌入用凹部(40)に
嵌まり込んで、今度は第2分岐流体流路(6c)が主流体流
路(6a)に対して開かれ、一方、第1分岐流体流路(6b)は
主流体流路(6a)に対して閉じた状態となる。
【0028】この状態から、さらにハンドル(30)をその
まゝ時計回りの方向に90°回転させると、第1および
第2分岐流体流路(6b)(6c)の両方が閉じた状態となる。
【0029】このように、この実施例によれば、ハンド
ル(30)を90°回転させる毎に、主流体流路(6a)に対す
る第1分岐流体流路(6b)および第2分岐流体流路(6c)の
開閉を順に行なうことができ、従って、上記流動制御機
器(1) によれば、流体流路の切換えをきわめて簡単にか
つ確実に行なうことができるものである。
【0030】しかも、流動制御機器(1) の開閉操作で
は、分岐流体流路(6b)(6c)の開閉を、従来のようなねじ
の締付けによらず、スプリング(13)の弾発力により行な
っているため、栓体(11)および栓座(7) のシール面に必
要以上の力が働かず、シール面の摩損が非常に少ないも
のであるし、シール面の摩損による凹み、あるいは製作
誤差によってハンドル(30)の閉止位置がずれたりするよ
うなことがない。
【0031】またとくに、この実施例では、転動体(20)
がベアリングにより構成されているため、摩損が少な
く、長期の使用に耐えることができ、しかもスプリング
(13)を圧縮する方向にハンドル(30)を回すことにより分
岐流体流路(6b)(6c)が開くため、ハンドル(30)のトルク
は開方向の方が重くなり、従って栓座(7) の上側に配置
されたダイアフラム(5) を損傷することもない。
【0032】また、筺体(2) 内の分岐流体流路(6b)(6c)
の栓座(7)(7)の上側に、それぞれダイアフラム(5)(5)を
配置しているので、流体流路(6b)(6c)の完全なシールを
果たし得、従って流動制御機器(1) は、サニタリー・バ
ルブとしても有利に使用し得るものである。
【0033】なお、上記実施例においては、転動体(20)
はボール・ベアリングにより構成されているが、これは
その他ローラにより構成されていてもよい。
【0034】また実施例では、1つの主流体流路(6a)に
対して2つの分岐流体流路(6b)(6c)が設けられている
が、分岐流体流路は、3つ以上設けても、勿論良く、そ
の場合には、筺体(2) の内部に、各分岐流体流路の栓座
(7) に対応するように、栓体(11)を下端に備えた3つ以
上のスピンドル(9) が収められる。
【0035】なお、流動制御機器(1) をサニタリー・バ
ルブとして使用しない場合には、スピンドル(9) の栓体
(11)はダイアフラム(5) を介することなく栓座(7) に直
接圧接せしめられる。
【0036】実施例2 この実施例は、図6に示すものであって、その構成は、
以下の点を除いて実施例1の流動制御機器(1) と同じで
あり、実施例1の流動制御機器(1) とほぼ同様の作用効
果を奏する。すなわち、流動制御機器(51)における筺体
(2) の下部を構成する筺体本体(2a)は、実施例1の流動
制御機器(1) のものに比べてかなり縦長となされ、従っ
て筺体本体(2a)内に設けられた各凹陥部(3) もそれぞれ
深いものとなっている。なお、各凹陥部(3) の底部の栓
座(7) の上側には、実施例1と違ってダイアフラムは配
置されていない。
【0037】そして、これら凹陥部(3) に、上部スピン
ドル(52a) と、上部スピンドル(52a) の下端部に回転自
在に連結されかつ下端に栓体(11)を備えた下部スピンド
ル(52b) とで構成されたスピンドル(52)が、それぞれ垂
直状に収められている。上部スピンドル(52a) の下端に
は環状のスプリング受け(53)が設けられている。スプリ
ング受け(53)の下面には、下向きに開口した差込み用凹
部(54)が設けられ、この凹部(54)内に下部スピンドル(5
2b) の頭部(55)が差込まれている。下部スピンドル(52
b) の頭部(55)には環状凹溝(56)が設けられ、この凹溝
(56)に水平な連結ピン(57)が一部嵌め入れられて、その
両端部がスプリング受け(53)に渡し止められることによ
り、上部スピンドル(52a) と下部スピンドル(52b) とが
相互に回転自在に連結されている。
【0038】筺体本体(2a)の各凹陥部(3) の高さの中央
部内側には、それぞれ環状段部(58)が設けられ、これら
段部(58)にじゃばら形シール用筒体取付用リング(59)が
ガスケット(60)を介して嵌め込まれている。そして、上
端に頂壁(15)を有するスプリング収納用筒体(10)が、凹
陥部(3) 内におけるリング(59)よりも上方部分に収めら
れ、このスプリング収納用筒体(10)の下端により、リン
グ(59)の周縁部が上から押さえられている。このスプリ
ング収納用筒体(10)の内部において、上部スピンドル(5
2a) にコイル状スプリング(13)が嵌め被せられて、スプ
リング(13)が筒体(10)の頂壁(15)とスプリング受け(53)
との間に介在せられ、このスプリング(13)によってスピ
ンドル(52)が下方に、従ってスピンドル(52)下端の栓体
(11)が栓座(7) に圧接するように付勢されている。
【0039】また、下部スピンドル(52b) の下端寄り部
分にじゃばら形シール用筒体取付用環状凸部(61)が設け
られ、下部スピンドル(52b) に嵌め被せられたじゃばら
形シール用筒体(62)の上下両端部がそれぞれ上記リング
(59)および凸部(61)に固定されている。
【0040】この実施例では、実施例1のようにダイヤ
フラム(5) を介して栓体(11)が栓座(7) に圧接されるよ
うにはなされていないが、下部スピンドル(52b) におけ
るリング(59)よりも下側部分がじゃばら形シール用筒体
(62)で覆われており、これによって流体流路(6) の完全
なシールを果たし得、従ってこの実施例の流動制御機器
(51)も、サニタリー・バルブとして有利に使用し得るも
のである。
【0041】
【発明の効果】この発明による流動制御機器は、上述の
ように、筺体の下部内に、1つの主流体流路に対して複
数の分岐流体流路が設けられるとともに、各分岐流体流
路の途中に栓座が設けられており、筺体の内部に、各栓
座に対応するように栓体を下端に備えた複数のスピンド
ルが収められるとともに、各スピンドルがスプリングに
より付勢されて、栓体がダイアフラムを介しまたは介さ
ずに栓座に圧接せられるようになされ、各スピンドルに
スピンドル昇降用転動体が取り付けられ、筺体にハンド
ル付き回転軸が備えられ、この回転軸に環状の転動体受
座が設けられ、転動体受座の一側部上面に転動体昇降用
膨出部が上方突出状に設けられ、膨出部の頂部には転動
体一部嵌入用凹部が設けられ、かつ凹部の両側に傾斜案
内面が形成せられ、転動体受座の上面に各スピンドルの
転動体がのせられており、ハンドル付き回転軸の回転に
より転動体受座一側の転動体昇降用膨出部が移動せしめ
られ、受座上の任意の転動体がこの膨出部により上昇せ
しめられて、該転動体の一部が膨出部頂部の転動体一部
嵌入用凹部内に嵌まり込むことにより、転動体と一体の
スピンドルが持ち上げ状態にかつこれの下端の栓体が栓
座より離れた状態にそれぞれ保持されて、該栓座のある
分岐流体流路が主流体流路と連通するようになされてい
るもので、ハンドル付きの1つの回転軸に設けられた転
動体受座に複数の転動体がのせられているから、ハンド
ルおよび回転軸を例えば90°といった所要角度回転さ
せる毎に、主流体流路に対する複数の分岐流体流路の開
閉を順に行なうことができ、流体流路の切換えをきわめ
て簡単にかつ確実に行なうことができる。
【0042】しかも従来のロータリー弁におけるような
多数の流体流路を有する製作の面倒な弁体を用いないの
で、製造が容易である。
【0043】また筺体内の複数の流体流路の上側にダイ
アフラムを配置するか、または栓体を有する各スピンド
ルおよびスプリングをじゃばら形シール用筒体で覆うこ
とにより、各流体流路の完全なシールを果たし得、従っ
て流動制御機器は、サニタリー・バルブとしても有利に
使用し得るものである。
【0044】そのうえ、各スピンドルに備えられた栓体
をスプリングの弾発力により常に一定の圧力で栓座に圧
接せしめることができるため、流体流路の開閉を確実に
行ない得るとともに、栓体のシール面の摩損が少なく、
長期間使用してもハンドルの閉止位置がずれたりするよ
うなことがなく、耐久性にすぐれているという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に示す本発明品の縦断面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】実施例1に示す本発明品の筺体蓋部の要部拡大
垂直断面図である。
【図4】実施例1に示す本発明品の要部拡大水平断面図
で、回転軸と転動体はそのまゝ図示されている。
【図5】回転軸の環状転動体受座の展開側面図である。
【図6】実施例2に示す本発明品の縦断面図である。
【符号の説明】
1 流動制御機器 2 筺体 4 環状の転動体受座 5 ダイアフラム 6a 主流体流路 6b,6c 分岐流体流路 7 栓座 8 回転軸 9 スピンドル 11 栓体 13 スプリング 20 スピンドル昇降用転動体 21 転動体昇降用膨出部 22 転動体一部嵌入用凹部 23 傾斜案内面 30 ハンドル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筺体(2) の下部内に、1つの主流体流路
    (6a)に対して複数の分岐流体流路(6b)(6c)が設けられる
    とともに、各分岐流体流路(6b)(6c)の途中に栓座(7) が
    設けられており、筺体(2) の内部に、各栓座(7) に対応
    するように栓体(11)を下端に備えた複数のスピンドル
    (9) が収められるとともに、各スピンドル(9) がスプリ
    ング(13)により付勢されて、栓体(11)がダイアフラム
    (5) を介しまたは介さずに栓座(7) に圧接せられるよう
    になされ、各スピンドル(9) にスピンドル昇降用転動体
    (20)が取り付けられ、筺体(2) にハンドル(30)付き回転
    軸(8) が備えられ、この回転軸(8) に環状の転動体受座
    (4) が設けられ、転動体受座(4) の一側部上面に転動体
    昇降用膨出部(21)が上方突出状に設けられ、膨出部(21)
    の頂部には転動体一部嵌入用凹部(22)が設けられ、かつ
    凹部(22)の両側に傾斜案内面(23)(23)が形成せられ、転
    動体受座(4) の上面に各スピンドル(9) の転動体(20)が
    のせられており、ハンドル(30)付き回転軸(8) の回転に
    より転動体受座(4) 一側の転動体昇降用膨出部(21)が移
    動せしめられ、受座(4) 上の任意の転動体(20)がこの膨
    出部(21)により上昇せしめられて、該転動体(20)の一部
    が膨出部(21)頂部の転動体一部嵌入用凹部(22)内に嵌ま
    り込むことにより、転動体(20)と一体のスピンドル(9)
    が持ち上げ状態にかつこれの下端の栓体(11)が栓座(7)
    より離れた状態にそれぞれ保持されて、該栓座(7) のあ
    る分岐流体流路が主流体流路(6a)と連通するようになさ
    れている、流動制御機器。
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