JPH06147063A - エンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 アシストエア用冷却水通路を流通するエンジ
ン冷却水の温水効果によってエア混合部のエア混合ノズ
ルを温めることができ、エンジン停止後の結露の凍結を
防止でき、特に低外気温時にアシストエア通路が閉塞さ
れる状態を確実に回避し得て、再始動時にインジェクタ
先端部位にアシストエアが確実に供給され、エア混合が
行われてエア混合効果を期待し得るとともに、エンジン
冷却水の温水効果によってエア混合部の混合エアを温め
ることもでき、燃料の霧化を促進し得る。 【構成】 スロットルバルブよりも下流側の吸気通路途
中に燃焼室に指向すべく設置したインジェクタ１８先端
部位に設けたエア混合部２０に形成したエア混合ノズル
２８にスロットルバルブよりも上流側の吸気通路とアシ
ストエア開閉弁を介して連絡するアシストエア通路３０
を有するエンジンの燃料噴射装置のエア混合部２０の外
周部位にエンジン冷却水が流通するアシストエア用冷却
水通路３４を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はエンジンの燃料噴射装
置に係り、特にインジェクタ先端部位にアシストエアを
供給し、インジェクタからの燃料とエア混合ノズルから
のアシストエアとを混合させる空気混合式のエンジンの
燃料噴射装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】エンジンに燃料を供給する方策として
は、インジェクタを使用したものや、気化器を使用した
ものがある。インジェクタは、制御部からの制御信号に
よって燃料噴射量を制御している。また、気化器は、吸
気通路途中に断面積の小なるベンチュリ部を形成し、ベ
ンチュリ部を通過する空気によって燃料を吸い出すもの
である。

【０００３】前記エンジンの燃料噴射装置としては、実
開平３−１７２７８号公報に開示されるものがある。こ
の公報に開示されるエアアシストインジェクタ装置は、
燃料用噴口部から吸入空気中に燃料を噴出する燃料噴射
用インジェクタと、アシストエアを流通させるアシスト
エア導入路を有し燃料用噴口部が位置する側に且つ燃料
用噴口部の燃料噴射方向に対して逆向きにアシストエア
を噴き出すアシストエア用噴口部と、断続的にＯＮ・Ｏ
ＦＦされてアシストエア導入路を開閉し、燃料噴射時に
アシストエア用噴口部にアシストエアを流通させるとと
もに、アシストエア用噴口部からのアシストエアの噴射
タイミングをインジェクタの燃料の噴射タイミングに対
してずらすアシストエア用弁手段とを具備している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のエン
ジンの燃料噴射装置においては、図３及び図４に示す如
く、エンジン１０２の燃焼室１１０に連絡する吸気通路
１０４を設けるとともに、この吸気通路１０４途中にス
ロットルバルブ１１６を設け、スロットルバルブ１１６
よりも下流側の吸気通路１０４途中に前記燃焼室１１０
に指向させてインジェクタ１１８を設けている。

【０００５】また、インジェクタ１１８先端部位にイン
ジェクタ１１８からの燃料とアシストエアとを混合する
エア混合部１２０を設け、このエア混合部１２０にはエ
ア混合効果を高めるためにノズル径をある程度小として
混合用エアの流速を大としたエア混合ノズル１２８を設
けている。

【０００６】前記エア混合部１２０とスロットルバルブ
１１６よりも上流側の吸気通路１０４とを連絡するアシ
ストエア通路１３０を設けるとともに、このアシストエ
ア通路１３０途中にアシストエア開閉弁１３２を介設し
ている。

【０００７】アシストエアは、前記スロットルバルブ１
１６上下流における圧力差によって供給されるものであ
る。

【０００８】なお符号１３４は、図３に示す如く、前記
エンジン１０２の燃焼室１１０を包囲すべく形成される
エンジン冷却水通路である。

【０００９】しかし、前記エア混合ノズルには、常時高
速度の流れがあるため、エア混合ノズル近傍が冷却され
ており、エンジン停止後には結露し易く、特に低外気温
時にはアイシングが惹起され易く、アシストエア通路が
閉塞されるという不都合がある。

【００１０】また、アシストエア通路が閉塞された状態
での再始動時には、インジェクタ先端部位にアシストエ
アが供給されないことにより、エア混合が行われず、エ
ア混合効果を全く期待することができないという不都合
がある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、燃焼室に連絡する吸気通路
途中に設けたスロットルバルブと、このスロットルバル
ブよりも下流側の吸気通路途中に前記燃焼室に指向すべ
く設けたインジェクタと、インジェクタ先端部位に設け
たエア混合部と、このエア混合部に形成したエア混合ノ
ズルと、エア混合部と前記スロットルバルブよりも上流
側の吸気通路とを連絡するアシストエア通路と、このア
シストエア通路途中に介設したアシストエア開閉弁とを
有するエンジンの燃料噴射装置において、前記エア混合
部の外周部位にはエンジン冷却水が流通するアシストエ
ア用冷却水通路を設けたことを特徴とする。

【００１２】

【作用】上述の如く発明したことにより、エンジンの駆
動時には、エア混合部を包囲するアシストエア用冷却水
通路内をエンジン冷却水が流通し、エンジン冷却水の温
水効果によってエア混合部のエア混合ノズルが温めら
れ、エンジン停止後の結露の凍結を防止している。

【００１３】

【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。

【００１４】図１、図２はこの発明の実施例を示すもの
である。図２において、２はエンジン、４は吸気通路、
６はエアクリーナ、８は吸気バルブ、１０は燃焼室、１
２は排気バルブ、１４は排気通路である。

【００１５】前記吸気通路４途中にスロットルバルブ１
６を設け、このスロットルバルブ１６よりも下流側の吸
気通路４途中に前記燃焼室１０に指向すべくインジェク
タ１８を配設し、インジェクタ１８は図示しない制御部
からの制御信号によって燃料噴射量が制御されている。

【００１６】また、前記インジェクタ１８先端部位にエ
ア混合部２０を設け、このエア混合部２０を、インジェ
クタ１８先端部位を包囲する包囲壁部２２と、この包囲
壁部２２内に形成される空間部２４と、インジェクタ１
８先端部位に装着されるノズル本体部２６とによって形
成する。

【００１７】そして、エア混合部２０のノズル本体部２
６には、エア混合効果を高めるためにノズル径をある程
度小として混合用エアの流速を大としたエア混合ノズル
２８を形成し、このエア混合ノズル２８によってインジ
ェクタ１８先端部位とエア混合部２０の空間部２４とを
連絡し、インジェクタ１８先端部位にアシストエアを供
給するものである。

【００１８】更に、前記エア混合部２０の空間部２４と
前記スロットルバルブ１６よりも上流側の吸気通路４と
を連絡するアシストエア通路３０を設け、このアシスト
エア通路３０途中には、図示しない制御部によって開閉
制御されるアシストエア開閉弁３２を介設する。

【００１９】このとき、前記エア混合部２０の外周部位
にはエンジン冷却水が流通するアシストエア用冷却水通
路たる第２冷却水通路３４を設ける構成とする。

【００２０】詳述すれば、図２に示す如く、前記エンジ
ン２の燃焼室１０を包囲し且つエンジンを冷却すべく第
１冷却水通路３６が形成されており、この第１冷却水通
路３６は図示しないラジエータに連絡されている。

【００２１】そして、アシストエア用冷却水通路たる第
２冷却水通路３４は、第１冷却水通路３６のシリンダヘ
ッド部位から前記エア混合部２０部位まで延びるととも
に、エア混合部２０部位と第１冷却水通路３６のシリン
ダブロック部位とをウォータポンプ３８を介して連絡す
べく設けられるものである。

【００２２】つまり、図２に示す如く、第２冷却水通路
３４は、第１冷却水通路３６のシリンダヘッド部位から
前記エア混合部２０部位まで吸気通路４に沿って延びる
第１通路３４−１と、エア混合部２０を包囲する第２通
路３４−２と、この第２通路３４−２と第１冷却水通路
３６のシリンダブロック部位と連絡する第３通路３４−
３とからなり、第３通路３４−３途中にはウォータポン
プ３８が介設されている。

【００２３】次に作用について説明する。

【００２４】前記エンジン２の駆動時には、スロットル
バルブ１６上下流における圧力差によってアシストエア
通路３０を介してエア混合部２０の空間部２４にアシス
トエアが供給される。

【００２５】空間部２４内のアシストエアは、エア混合
ノズル２８からインジェクタ１８先端部位に供給され、
流速を大としたアシストエアによってエア混合効果を高
めている。

【００２６】このとき、従来のものにおいては、前記エ
ア混合ノズル２８に常時高速度の流れがあるため、エア
混合ノズル２８近傍が冷却され、エンジン停止後には結
露し易く、特に低外気温時にはアイシングが惹起され易
く、アシストエア通路が閉塞される状態となるが、アシ
ストエア用冷却水通路たる第２冷却水通路３４によって
エア混合部２０を包囲し、この第２冷却水通路３４内を
エンジン冷却水が流通することとなり、エンジン冷却水
の温水効果によってエア混合部２０のエア混合ノズル２
８を温めている。

【００２７】前記エンジン冷却水には、第１冷却水通路
３６から図示しないラジエータに至り、このラジエータ
からウォータポンプ３８を介して第１冷却水通路３６に
戻る通常の流れと、第１冷却水通路３６のシリンダヘッ
ド部位から第１通路３４−１を経て、前記エア混合部２
０の第２通路３４−２に至り、第２通路３４−２からウ
ォータポンプ３８が介設される第３通路３４−３を経
て、第１冷却水通路３６のシリンダブロック部位に戻
る、つまり第２冷却水通路３４による新たな流れとが生
ずるものである。

【００２８】これにより、前記第２冷却水通路３４内を
流通するエンジン冷却水の温水効果によってエア混合部
２０のエア混合ノズル２８を温めることができ、エンジ
ン停止後の結露の凍結を防止でき、特に低外気温時にア
シストエア通路が閉塞されるという状態を確実に回避し
得て、再始動時にインジェクタ１８先端部位にアシスト
エアが確実に供給され、エア混合が行われてエア混合効
果を期待し得るものである。

【００２９】また、前記第２冷却水通路３４がエア混合
部２０を包囲することにより、第２冷却水通路３４内を
流通するエンジン冷却水の温水効果によってエア混合部
２０の混合エアを温めることもでき、燃料の霧化を促進
し得て、空燃比の安定化の寄与することができ、実用上
有利である。

【００３０】

【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれ
ば、燃焼室に連絡する吸気通路途中に設けたスロットル
バルブと、スロットルバルブよりも下流側の吸気通路途
中に燃焼室に指向すべく設けたインジェクタと、インジ
ェクタ先端部位に設けたエア混合部と、エア混合部に形
成したエア混合ノズルと、エア混合部とスロットルバル
ブよりも上流側の吸気通路とを連絡するアシストエア通
路と、アシストエア通路途中に介設したアシストエア開
閉弁とを有するエンジンの燃料噴射装置のエア混合部の
外周部位にエンジン冷却水が流通するアシストエア用冷
却水通路を設けたので、アシストエア用冷却水通路を流
通するエンジン冷却水の温水効果によってエア混合部の
エア混合ノズルを温めることができ、エンジン停止後の
結露の凍結を防止でき、特に低外気温時にアシストエア
通路が閉塞されるという状態を確実に回避し得て、再始
動時にインジェクタ先端部位にアシストエアが確実に供
給され、エア混合が行われてエア混合効果を期待し得
る。また、前記アシストエア用冷却水通路がエア混合部
を包囲することにより、アシストエア用冷却水通路内を
流通するエンジン冷却水の温水効果によってエア混合部
の混合エアを温めることもでき、燃料の霧化を促進し得
て、空燃比の安定化の寄与することができ、実用上有利
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示すインジェクタ部分の概
略拡大断面図である。

【図２】エンジンの燃料噴射装置の概略図である。

【図３】この発明の従来の技術を示すエンジンの燃料噴
射装置の概略図である。

【図４】インジェクタ部分の概略拡大断面図である。

【符号の説明】

２ エンジン ４ 吸気通路 ８ 吸気バルブ １０ 燃焼室 １２ 排気バルブ １４ 排気通路 １６ スロットルバルブ １８ インジェクタ ２０ エア混合部 ２２ 包囲壁部 ２４ 空間部 ２６ ノズル本体部 ２８ エア混合ノズル ３０ アシストエア通路 ３２ アシストエア開閉弁 ３４ 第２冷却水通路 ３４−１ 第１通路 ３４−２ 第２通路 ３４−３ 第３通路 ３６ 第１冷却水通路 ３８ ウォータポンプ

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【手続補正書】

【提出日】平成５年１月１９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃焼室に連絡する吸気通路途中に設けた
   スロットルバルブと、このスロットルバルブよりも下流
   側の吸気通路途中に前記燃焼室に指向すべく設けたイン
   ジェクタと、インジェクタ先端部位に設けたエア混合部
   と、このエア混合部に形成したエア混合ノズルと、エア
   混合部と前記スロットルバルブよりも上流側の吸気通路
   とを連絡するアシストエア通路と、このアシストエア通
   路途中に介設したアシストエア開閉弁とを有するエンジ
   ンの燃料噴射装置において、前記エア混合部の外周部位
   にはエンジン冷却水が流通するアシストエア用冷却水通
   路を設けたことを特徴とするエンジンの燃料噴射装置。