JPH0614611A - 作物列検出装置 - Google Patents

作物列検出装置

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JPH0614611A
JPH0614611A JP4172520A JP17252092A JPH0614611A JP H0614611 A JPH0614611 A JP H0614611A JP 4172520 A JP4172520 A JP 4172520A JP 17252092 A JP17252092 A JP 17252092A JP H0614611 A JPH0614611 A JP H0614611A
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正彦 林
Yasuo Fujii
保生 藤井
Masanori Fujiwara
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 撮像画面上の作物列の配置情報を有効活用し
て未植領域に隣接して列状に並ぶ苗列に対応する領域を
精度良く求める。 【構成】 圃場の撮像情報に基づいて複数列状に並ぶ作
物Tn,T1,T2に対応する領域Tan,Ta1,T
a2が領域抽出手段100によって抽出され、演算手段
101が、撮像画面上において、作物の列方向に沿って
伸びると共に列方向と交差する方向に所定幅を有し、且
つ、適正状態で撮像したときの作物列の配置に対応する
ように並置された複数個の長尺状マスクM1,M2を、
作物の列方向と交差する方向に設定距離づつ離れた複数
の移動点の夫々において、列方向での特定点を中心に所
定角度づつ回転させて設定された複数のマスク移動位置
に移動させて、複数個の長尺状マスクM1,M2の内部
に位置する領域の計数値が最大となるマスク移動位置に
おける複数個の長尺状マスクの位置情報に基づいて、未
植領域Nに隣接して列状に並ぶ作物Tnに対応する領域
Tanを求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数列状に並ぶ作物を
含む所定範囲の圃場面を撮像する撮像手段と、その撮像
手段による撮像情報に基づいて前記作物に対応する領域
を抽出する領域抽出手段と、この領域抽出手段によって
抽出された領域情報に基づいて、前記圃場の未植領域に
隣接して列状に並ぶ作物に対応する領域を求める演算手
段とが設けられた作物列検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記この種の作物列検出装置は、例え
ば、田植え機等のように、作物としての苗を株単位で設
定間隔毎に圃場に植え付ける際に、機体を機体進行方向
に並ぶ既植苗列に沿って自動走行させるための制御情報
を得るために、撮像画面上で複数列状に並ぶ苗に対応し
て抽出された領域のうちで圃場の未植領域に隣接して列
状に並ぶ苗に対応する領域を求めるものである。そし
て、この未植領域に隣接した領域の情報に基づいて、例
えばそれらの領域を結ぶ線分を直線や曲線に近似処理し
て機体位置に対する既植苗列の位置や方向を検出した
り、あるいは、それらの領域の画面内での(例えば画面
中央に対する)平均位置の情報から機体位置に対する既
植苗列の位置を検出したりして前記制御情報を求めるも
のである。
【0003】そして、従来では、上記圃場の未植領域に
隣接して列状に並ぶ苗に対応する領域を求める場合に
は、例えば、画面横軸の各水平走査線上で最も未植領域
に寄って位置する領域か否かを判別し、この判別に基づ
いて未植領域に隣接する領域を選別するようにしていた
(例えば、特願平3−95120号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、本来は撮像画面上に存在するすべての領域
情報は相互に所定の(苗の植付け間隔と撮像手段の倍率
等の構成で決まる)配置関係を有しているにもかかわら
ず、最も未植領域に寄って位置する領域以外の領域につ
いては、単に水平走査線上での位置判別の結果捨てられ
るだけであって、上記各領域の配置情報を有効に活用し
ているとは言えなかった。そのため、画面の各水平走査
線上で最も未植領域に寄って位置する領域を未植領域に
隣接する領域として求めるだけでは、必ずしも適正な検
出精度が保証されないおそれがあるので、各領域の水平
走査線上での位置判別に加えて、例えば、最も未植領域
に寄って位置すると判別された上下に隣接する領域の位
置が大きくずれている領域は除去する等して精度を確保
する処理が必要であるという不具合があった。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、未植領域に隣接して列状に並ぶ
苗に対応する領域を求める場合に、撮像画面上のすべて
の領域情報を有効活用して上記領域を求める際の精度を
向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による作物列検出
装置の第1の特徴構成は、前記演算手段は、前記撮像手
段の撮像画面上において、前記作物の列方向に沿って伸
びると共に前記作物の列方向と交差する方向に所定幅を
有し、且つ、前記撮像手段が設定適正状態で前記作物を
撮像したときに前記作物の予め予測される列の配置に対
応するように並置された複数個の長尺状マスクを設定
し、その複数個の長尺状マスクを、前記作物の列方向と
交差する方向に設定距離づつ離れた複数の移動点の夫々
において、前記列方向での特定点を中心に所定角度づつ
離れた位置として設定された複数のマスク移動位置に移
動させ、前記複数のマスク移動位置夫々において、前記
複数個の長尺状マスク夫々の内部に位置する前記領域の
数を計数し、前記複数のマスク移動位置のうちで前記領
域の計数値が最大となるマスク移動位置における前記複
数個の長尺状マスクの位置情報に基づいて前記領域を求
めるように構成されている点にある。
【0007】また、第2の特徴構成は、前記作物の存否
を検出する作物存否検出用マスクが、前記複数個の長尺
状マスクよりも未植領域側の位置に、前記複数個の長尺
状マスクに対して前記作物の予め予測される列の配置に
対応する配置関係となるように設けられ、前記演算手段
は、前記作物存否検出用マスクの内部に前記領域が存在
する場合には、前記複数個の長尺状マスク夫々の内部に
位置する前記領域についての計数値を所定値減算するよ
うに構成されている点にある。
【0008】また、第3の特徴構成は、前記撮像手段
が、前記圃場面を斜め前方下向きに撮像するように設け
られるとともに、前記複数個の長尺状マスクが、前記作
物の複数の各列方向を進行方向前方側に延長した線が一
点で交わる交点から放射状に伸びるように配置されてい
る点にある。
【0009】また、第4の特徴構成は、前記撮像手段が
前記圃場面を垂直方向下向きに撮像するように設けられ
るとともに、前記複数個の長尺状マスクが互いに平行状
態となるように配置されている点にある。
【0010】
【作用】本発明の第1の特徴構成によれば、作物の列方
向に沿って伸びると共に作物の列方向と交差する方向に
所定幅を有し、且つ、設定適正状態で作物を撮像したと
きに作物の予め予測される列の配置に対応するように並
置された複数個の長尺状マスクを、作物の列方向と交差
する方向に設定距離づつ離れた複数の移動点の夫々にお
いて列方向での特定点を中心に所定角度づつ離れたつま
り回転した位置として設定された複数のマスク移動位置
に移動させ、その複数のマスク移動位置夫々において複
数個の長尺状マスク夫々の内部に位置する領域の数が計
数される。そして、複数のマスク移動位置のうちで領域
の計数値が最大となるマスク移動位置における複数個の
長尺状マスクの位置情報に基づいて、例えば、複数個の
長尺状マスクのうちで最も圃場の未植領域側に隣接して
位置する長尺状マスクの内部に位置する領域を、圃場の
未植領域に隣接して列状に並ぶ作物に対応する領域とし
て求める。
【0011】つまり、複数個の長尺状マスク夫々の内部
に位置する領域の数が最大となるマスク移動位置では、
作物列の配置に適正に対応するように配置構成された複
数個の長尺状マスクと画面内で実際に撮像している作物
列とが最もマッチングした状態であるので、そのマスク
移動位置での複数個の長尺状マスクの位置情報は、その
ときの作物列の位置情報を最も精度良く表していること
になる。従って、このマスク移動位置での複数個の長尺
状マスクの位置情報に基づいて圃場の未植領域に隣接し
て列状に並ぶ作物に対応する領域を求めるようにすれ
ば、その検出精度を高くすることができるのである。
【0012】又、第2の特徴構成によれば、前記複数個
の長尺状マスク及びこれよりも未植領域側に上記設定適
正状態での配置関係で位置させられた作物存否検出用マ
スクが、前記と同様にして複数のマスク移動位置に移動
させられ、その複数のマスク移動位置夫々において、作
物存否検出用マスクの内部に領域が存在する場合には複
数個の長尺状マスク夫々の内部に位置する領域の計数値
から所定値(例えば、上記作物存否検出用マスクの内部
に存在する領域の数)減算され、そして、複数のマスク
移動位置のうちで領域の計数値が最大となるマスク移動
位置が求められる。つまり、作物存否検出用マスクはそ
のマスク内に領域が存在しないことを確認するためのマ
スクであって、上記領域の数が最大となるマスク移動位
置は、複数個の長尺状マスク内には極力領域が位置し、
且つ、作物存否検出用マスクの内部には極力領域が位置
しないときの最もマッチングした状態を表している。従
って、この場合には、圃場の未植領域に隣接して列状に
並ぶ作物に対応する領域よりも未植側には領域が存在し
ないという配置関係も使って、圃場の未植領域に隣接し
て列状に並ぶ作物に対応する領域を求めるときの検出精
度を高くすることができるのである。
【0013】又、第3の特徴構成によれば、圃場面を斜
め前方下向きに撮像する場合に作物の各列方向が進行方
向前方側に延長した線が一点で交わる交点から放射した
ように画面上に撮像されることに対応して、複数個の長
尺状マスク、あるいは複数個の長尺状マスク及び前記作
物存否検出用マスクも同様な配置に構成される。そし
て、この場合も、前記領域の数が最大となるマスク移動
位置では、上記のように作物列の配置に適正に対応する
ように配置構成された複数個の長尺状マスク、あるいは
複数個の長尺状マスク及び前記作物存否検出用マスクと
画面内の作物列との配置が最もマッチングした状態であ
るので、そのマスク移動位置での複数個の長尺状マスク
の位置情報に基づいて圃場の未植領域に隣接して列状に
並ぶ作物に対応する領域を求めるようにすれば、圃場面
を斜め前方下向きに撮像する場合においてもその検出精
度を高くすることができるのである。
【0014】又、第4の特徴構成によれば、圃場面を垂
直方向下向きに撮像する場合に作物の各列方向が平行状
態で並んだ状態で画面上に撮像されることに対応して、
複数個の長尺状マスク、あるいは複数個の長尺状マスク
及び前記作物存否検出用マスクも同様な配置に構成され
る。そして、この場合も、前記領域の数が最大となるマ
スク移動位置では、上記のように作物列の配置に適正に
対応するように配置構成された複数個の長尺状マスク、
あるいは複数個の長尺状マスク及び前記作物存否検出用
マスクと画面内の作物列との配置が最もマッチングした
状態であるので、そのマスク移動位置での複数個の長尺
状マスクの位置情報に基づいて圃場の未植領域に隣接し
て列状に並ぶ作物に対応する領域を求めるようにすれ
ば、圃場面を垂直方向下向きに撮像する場合においても
その検出精度を高くすることができるのである。
【0015】
【発明の効果】従って、本発明の第1の特徴構成によれ
ば、画面上における複数の作物列相互の配置関係を有効
に活用して、圃場の未植領域に隣接して列状に並ぶ作物
に対応する領域の検出精度を向上することができ、もっ
て作業車の自動走行時等における操向制御情報として良
好に使用できるものとなった。
【0016】又、第2の特徴構成によれば、画面上にお
ける複数の作物列相互の配置関係のみならず圃場の未植
領域に隣接して列状に並ぶ作物よりも未植側の位置には
作物が存在しないという配置関係をも有効に活用して、
圃場の未植領域に隣接して列状に並ぶ作物に対応する領
域の検出精度をより一層向上させ、もって、上記第1の
特徴構成における効果をより一層高めることができるも
のとなった。
【0017】又、第3の特徴構成によれば、圃場面を斜
め前方下向きに撮像する場合においても、その画面上で
の作物列の方向が放射状になるのに適切に対応しなが
ら、圃場の未植領域に隣接して列状に並ぶ作物に対応す
る領域を精度良く検出し、上記第1又は第2の特徴構成
における効果を確実に実現できるものとなった。
【0018】又、第4の特徴構成によれば、圃場面を垂
直方向下向きに撮像する場合においても、その画面上で
の作物列の方向が平行状態で並ぶのに適切に対応しなが
ら、圃場の未植領域に隣接して列状に並ぶ作物に対応す
る領域を精度良く検出し、上記第1又は第2の特徴構成
における効果を確実に実現できるものとなった。
【0019】
【実施例】以下、本発明を田植え機によって圃場に植え
付けられた苗列の位置を検出する苗列検出装置に適用し
た場合の実施例を、図面に基づいて説明する。
【0020】図7及び図8に示すように、前輪1F及び
後輪1Rの何れをもステアリング操作自在に構成された
機体Vの後方に、苗植え付け装置2が昇降自在に設けら
れ、その苗植え付け装置2にて複数列状に並ぶ作物とし
ての複数個の既植苗Tn,T1,T2が植え付けられて
いる。そして、それら複数列状に並ぶ既植苗Tn,T
1,T2を含む所定範囲の圃場面を撮像する撮像手段と
してのカラー式のイメージセンサS1が、前記機体Vの
前方側に設けられている。
【0021】前記イメージセンサS1の取り付け構造に
ついて説明すれば、機体Vの前方側箇所で横側方に突出
した支持部材4の先端部にイメージセンサS1が取り付
けられ、機体Vの横外側方に複数列状に並ぶ既植苗T
n,T1,T2の列を斜め前方下向きに撮像するように
設けられている。つまり、前記機体Vが機体進行方向に
沿って並ぶ複数個の既植苗Tn,T1,T2の列に対し
て適正に沿っている状態において、前記圃場の未植領域
Nに隣接して列状に並ぶ前記既植苗Tnに対応する線分
Lが、前記イメージセンサS1の撮像視野の中央を前後
方向に通る走行基準線Laと一致する状態となるように
してある。
【0022】そして、圃場の一端側から他端側に向かう
複数個の作業行程が、機体横幅方向に平行に並ぶ状態で
設定され、各作業行程では、前記イメージセンサS1の
撮像情報に基づいて、前記既植苗列に沿って自動走行す
るように操向制御されることになる。但し、1つの作業
行程の終端部に達するに伴って、その作業行程に隣接す
る次の作業行程の始端部に向けて180度方向転換する
状態で、自動的にターンさせることになる。
【0023】従って、前記機体Vは、1行程走行する毎
に、圃場に対する走行方向が反転して、機体Vに対する
前記既植苗Tn,T1,T2の位置が、左右反転する状
態となることから、前記イメージセンサS1は、機体V
の左右夫々に各1個が設けられ、使用する側のセンサを
1行程毎に左右切り換えることになる。尚、図7では、
既植苗Tn,T1,T2の位置が、機体Vの右側になる
ので、右側のイメージセンサS1を使っている。
【0024】前記機体Vの構成について説明すれば、図
1に示すように、エンジンEの出力が変速装置5を介し
て前記前輪1F及び前記後輪1Rの夫々に伝達され、前
記変速装置5による変速操作状態が予め設定された設定
走行速度に対応する操作状態となるように、変速状態検
出用ポテンショメータR3 が設けられ、そして、その変
速状態検出用ポテンショメータR3 の検出情報に基づい
て、変速用電動モータ6を駆動するように構成されてい
る。
【0025】又、前記前輪1F及び前記後輪1Rは、夫
々油圧シリンダ7F,7Rによって各別にパワーステア
リング操作されるように構成され、車輪のステアリング
操作に連動するステアリング角検出用ポテンショメータ
1 ,R2 による検出ステアリング角が目標ステアリン
グ角となるように、前記油圧シリンダ7F,7Rを作動
させる電磁操作式の制御弁8F,8Rを駆動するように
構成されている。
【0026】従って、前記前輪1F及び前記後輪1Rを
同位相で且つ同角度に操向する平行ステアリング形式、
前記前輪1F及び前記後輪1Rを逆位相で且つ同角度に
操向する4輪ステアリング形式、及び、前記前輪1Fの
みを向き変更する2輪ステアリング形式の三種類のステ
アリング形式を選択使用できるようになっている。
【0027】但し、前記イメージセンサS1の撮像情報
に基づいて自動的に操向操作する時には、前記2輪ステ
アリング形式を用いると共に、1つの作業行程を終了し
て次の作業行程に移動する時には、前記4輪ステアリン
グ形式や平行ステアリング形式を用いるようになってい
る。尚、図1中、S2 は前記変速装置5の出力回転数に
基づいて走行距離を検出するための距離センサである。
【0028】次に、前記イメージセンサS1の撮像情報
に基づいて、前記既植苗Tn,T1,T2に対応する領
域Tan,Ta1,Ta2を抽出するとともに、これら
抽出された領域Tan,Ta1,Ta2の情報に基づい
て圃場の未植領域Nに隣接して列状に並ぶ前記既植苗T
nに対応する領域Tanを求め、これら求められた領域
Tanを結ぶ線分Lすなわち圃場の未植領域Nに隣接し
て列状に並ぶ前記既植苗Tnに対応する線分Lを近似処
理するための制御構成について説明する。
【0029】図1に示すように、前記イメージセンサS
1は、三原色情報R,G,Bを各別に出力するように構
成され、そして、苗Tn,T1,T2の色成分を含む緑
色情報Gから苗Tn,T1,T2の色成分を含まない青
色情報Bを減算して2値化することにより、前記苗T
n,T1,T2に対応する領域Tan,Ta1,Ta2
を抽出するように構成されている。
【0030】説明を加えれば、前記緑色情報Gから前記
青色情報Bをアナログ信号の状態で減算する減算器9、
その減算器9の出力を前記苗Tn,T1,T2の色に対
応して予め設定された設定閾値に基づいて2値化して前
記領域Tan,Ta1,Ta2に対応する2値化情報を
出力するコンパレータ10、そのコンパレータ10の出
力信号を予め設定された画素密度(32×32画素/1
画面に設定してある)に対応した画像情報として記憶す
る画像メモリ11、及び、この画像メモリ11に記憶さ
れた前記苗Tn,T1,T2に対応する画素情報のう
ち、後述の演算手段101によって圃場の未植領域Nに
隣接した苗Tnに対応する領域Tanを求め、これら求
められた領域Tanを結ぶ線分Lを直線や曲線に近似す
る情報を求めると共に、その情報に基づいて走行制御す
るマイクロコンピュータ利用の制御装置12の夫々が設
けられている。
【0031】つまり、前記減算器9及び前記コンパレー
タ10が、作物としての前記苗Tn,T1,T2に対応
する領域Tan,Ta1,Ta2を抽出する領域抽出手
段100に対応することになり、そして、前記制御装置
12を利用して、前記領域抽出手段100によって抽出
された領域Tan,Ta1,Ta2の情報に基づいて、
前記圃場の未植領域Nに隣接した苗Tnに対応する領域
Tanを求める演算手段101が構成されることにな
る。
【0032】そして、前記演算手段101は、前記イメ
ージセンサS1の撮像画面上において、前記苗Tn,T
1,T2の列方向に沿って伸びると共に前記苗Tn,T
1,T2の列方向と交差する方向に所定幅を有し、且
つ、前記イメージセンサS1が設定適正状態つまり前記
圃場の未植領域Nに隣接した前記苗Tnに対応する線分
LがイメージセンサS1の撮像視野の中央を前後方向に
通る走行基準線Laと一致する状態で前記苗Tn,T
1,T2を撮像したときに、前記苗Tn,T1,T2の
予め予測される列の配置に対応するように並置された複
数個の長尺状マスクM1,M2を設定し、その複数個の
長尺状マスクM1,M2を、前記苗Tn,T1,T2の
列方向と交差する方向に設定距離づつ離れた複数の移動
点の夫々において、前記列方向での特定点を中心に所定
角度づつ離れた位置として設定された複数のマスク移動
位置に移動させ、前記複数のマスク移動位置夫々におい
て、前記複数個の長尺状マスクM1,M2夫々の内部に
位置する前記領域Tan,Ta1,Ta2の数を計数
し、前記複数のマスク移動位置のうちで前記領域Ta
n,Ta1,Ta2の計数値が最大となるマスク移動位
置における前記複数個の長尺状マスクM1,M2の位置
情報に基づいて前記領域Tan(圃場の未植領域Nに隣
接した苗Tnに対応する領域)を求めるように構成され
ている。
【0033】次に、図2に示すフローチャートに基づい
て、前記制御装置12の動作を説明しながら、各部の構
成について詳述する。
【0034】前記機体Vが設定距離を走行する毎、又
は、設定時間毎に、前記イメージセンサS1による撮像
処理が実行されて、図3及び図4に示すように、前記領
域抽出手段100によって前記苗Tn,T1,T2に対
応する領域Tan,Ta1,Ta2が抽出される。
【0035】前記領域Tan,Ta1,Ta2の抽出に
ついて説明を加えれば、前記苗Tn,T1,T2の色は
緑色系であることから、圃場面を撮像した三原色情報の
うちの緑色情報Gに着目すると、苗Tn,T1,T2を
撮像した領域に対応する値が圃場の泥面等の他の部分を
撮像した領域の値よりも大となる。但し、水面では自然
光がほぼ全反射するために、その反射光には全ての色成
分を含む状態となる。従って、水面を撮像した領域に対
応する前記緑色情報Gの値は、前記苗Tn,T1,T2
を撮像した領域と同様に、他の部分を撮像した領域の値
よりも大となる。但し、前記苗Tn,T1,T2は緑色
系であり、且つ、泥面は褐色系や灰色系であることか
ら、その色成分に含まれる青色成分の値は低いものとな
る。
【0036】つまり、圃場面を撮像した三原色情報のう
ちの青色情報Bに着目すると、水面からの反射光は全色
成分を含むことから水面を撮像した領域の値は大となる
が、前記苗Tn,T1,T2や泥面を撮像した領域の値
は小となる。そこで、前記緑色情報Gから前記青色情報
Bを減算すると、前記苗Tn,T1,T2に対応する領
域の値のみが他の部分を撮像した領域の値よりも大とな
り、その減算値を設定閾値に基づいて2値化すると、前
記苗Tn,T1,T2のみに対応した領域Tan,Ta
1,Ta2の情報を抽出できるのである。
【0037】図では、未植領域Nに隣接した苗Tnとこ
の苗Tnから既植側に向かって順次位置する2列の苗T
1,T2の合計3列の苗Tn,T1,T2が、画面内に
撮像されている場合を示している。尚、上記各苗Tn,
T1,T2の各列方向に4個程度の領域(苗株)が存在
するように撮像方向と画面サイズが設定され、各領域
(苗株)は前記画素密度の単位(32×32画素/1画
面)で複数の連続した画素群から構成されているが、後
述の領域の数を計数する際には各1個として数える。そ
のため、各領域Tan,Ta1,Ta2の重心に位置す
る画素位置をその領域の代表点Pとして求めておく。ま
た、前述のように、イメージセンサS1は苗Tn,T
1,T2の複数の列を斜め前方下向きに撮像するように
構成されているので、苗Tn,T1,T2の複数の各列
方向を進行方向前方側に延長した線は一個の交点VPで
交わる。
【0038】そこで、前記複数個の長尺状マスクM1,
M2を、前記設定適正状態の撮像視野において前記交点
VPから前記未植領域Nに隣接した苗Tnに沿って放射
状に伸びるマスクM1と、次に既植側に位置する苗T1
に沿って放射状に伸びるマスクM2の2個のマスクから
なるペアマスクM1,M2によって構成している。そし
て、各マスクの長手方向の中心線がなす角度θkが、前
記設定適正状態で前記苗Tn,T1,T2を撮像したと
きの前記苗Tn,T1,T2の予め予測される列の配置
に対応するように設定され、苗Tn,T1,T2の列方
向に交差する方向のマスクの幅Δθは、前記各領域(苗
株)の画面横方向の幅を充分にカバーする幅(例えば各
領域の幅の2〜3倍程度)となるように、180度をn
等分した角度幅として設定されている。
【0039】次に、前記ペアマスクM1,M2の前記複
数のマスク移動位置について説明すれば、図4に示すよ
うに、前記交点VPを画面横方向に沿った軸上で左側の
点(ρ=0)と右側の点(ρ=XV )との間をm等分し
た設定距離(XV /m)づつ離れた複数の移動点に位置
させるようにしてペアマスクM1,M2を移動させ、そ
の各移動点においてペアマスクM1,M2を前記交点V
Pを中心に前記マスク幅Δθと同じ所定角度Δθ(18
0°/n)づつ回転させるようにする。従って、マスク
は隣接した回転位置で重なって位置することはない。
尚、角度については画面縦方向下側に向く方向を基準と
して、この方向と前記ペアマスクM1,M2のうちの左
側のマスクM1の長手方向の中心線がなす角度θ(反時
計周りをプラス方向とする)として設定する。従って、
前記交点VPが苗Tn,T1,T2の列方向での特定点
に対応し、その交点VPの前記複数の移動点の位置と前
記所定角度づつ回転した角度位置とによって、複数のマ
スク移動位置が設定されることになる。尚、上記左側の
点(ρ=0)は画面左端よりも所定距離左側の位置に、
又、上記右側の点(ρ=XV )は画面右端よりも所定距
離右側の位置に設定して、機体Vの前記設定適正状態か
らの操向方向のずれが大きくて前記交点VPが画面横幅
内に収まらない場合にも対処できるようにしている。
【0040】次に、上記設定された複数のマスク移動位
置夫々において、前記ペアマスクM1,M2夫々の内部
に位置する前記領域Tan,Ta1,Ta2の数を計数
する処理について説明する。ここでは、前記交点VPを
画面横方向に沿った軸上での前記左側の点(ρ=0)に
位置させ、且つ、回転角度θを−90度にした位置を開
始点として、この位置での前記マスク内部の領域Ta
n,Ta1,Ta2の数を計数し(具体的には、前記代
表点Pを数える)、その計数値(図4の例では8個)を
(ρ,θ)テーブル上の所定エリア(ρ=0,θ=−9
0°)に記憶する(図5参照)。そして、回転角度θを
前記所定角度Δθ(180°/n)づつ増加させた位置
で、同じようにマスク内部の領域数を計数し、その計数
値を(ρ,θ)テーブル上の所定エリアに記憶する処理
を回転角度θが+90度を越えるまで繰り返す。回転角
度θが+90度を越えたら、前記交点VPの位置を前記
左側の点(ρ=0)よりも前記設定距離(XV /m)右
側に移動させ、その位置で回転角度θを−90度の位置
からスタートさせて前記所定角度Δθづつ増加させた各
角度位置で、前記マスク内部の領域数の計数処理と前記
(ρ,θ)テーブルへの記憶処理を回転角度θが+90
度を越えるまで行う。そして、前記交点VPが画面横方
向に沿った軸上での前記右側の点(ρ=XV )に位置し
たときの処理まで実行する。
【0041】前記各マスク移動位置での領域数の計数処
理と(ρ,θ)テーブルへの記憶処理が完了すると、図
5に示すように、前記(ρ,θ)テーブル上で最大の領
域数となるエリア(ρM ,θM )に対応するマスク移動
位置における前記ペアマスクM1,M2の位置情報に基
づいて、ペアマスクM1,M2のうちの左側のマスクM
1内に位置する領域Tanを前記圃場の未植領域Nに隣
接して列状に並ぶ苗Tnに対応する領域として求める。
そして、上記求められた領域Tanの情報から操向制御
のための制御情報を得るために、ここでは、前記ペアマ
スクM1,M2のうちの左側のマスクM1の長手方向の
中心線に対応する直線Lxを、前記イメージセンサS1
の撮像面において前記未植領域Nに隣接して列状に並ぶ
既植苗Tnに対応する画素Tanを結ぶ線分の情報とし
て求める。
【0042】次に、図6に示すように、前記撮像面にお
ける直線Lxを、予め実測した地表面での前記イメージ
センサS1の撮像視野Aの形状と大きさの記憶情報と、
前記撮像面における直線Lxが通る撮像面での位置a,
b,cとに基づいて、地表面における直線Lの情報に変
換する。すなわち、前記撮像視野Aの横幅方向中央を前
後方向に通る走行基準線Laに対する傾きψと、横幅方
向での位置δとの値として設定される地表面上における
直線Lの情報に変換することになる。
【0043】説明を加えれば、前記未植領域Nに隣接す
る既植苗Tnを結ぶ線分に対応する直線Lに交差する方
向となる前記撮像視野Aの前後位置(y=0及びy=3
2)での2辺の長さl0 ,l32、画面中央(x=16,
y=16となる位置)における前記撮像視野Aの横幅方
向での長さl16、及び、前記前後2辺間の距離hの夫々
を予め実測して、前記制御装置12に記憶させておくこ
とになる。
【0044】そして、前記撮像面における直線Lxが、
前記撮像視野Aの前後位置での2辺に対応するx軸に交
差する位置a,b(y=0,y=32となる位置)のx
座標の値X0 ,X32と、前記直線Lxが画面中央を通る
x軸に交差する位置cのx座標の値X16とを、上記
(i)式を変形した下記(ii)式から求めることにな
る。 Xi=(ρ−Yi・sinθ)/cosθ ……(ii) 但し、Yiは、夫々0,16,32を代入する。
【0045】そして、上記(ii)式にて求められたx軸
での座標値に基づいて、下記(iii)式及び(iv)式か
ら、前記走行基準線Laに対する横幅方向での位置δ
と、傾きψとを求め、求めた位置δと傾きψとの値を、
地表面において前記既植苗Tnに対応する直線Lの位置
情報として算出することになる。
【0046】
【数1】
【0047】従って、前記機体Vを機体進行方向に並ぶ
既植苗列に沿って自動走行させるための操向制御におい
ては、前記直線Lの前記走行基準線Laに対する傾きψ
と横幅方向での位置δとを共に零に近づけるように、2
輪ステアリング形式で操向操作することになる。
【0048】前記操向制御について説明すれば、前記直
線Lの前記走行基準線Laに対する傾きψと横幅方向で
の位置δ夫々の値、及び、前記前輪1Fの現在のステア
リング角φの値とから、下記(v)式に基づいて、前記
前輪1Fの目標操向角θfを設定し、そして、前記前輪
用のステアリング角検出用ポテンショメータR1 にて検
出される現在のステアリング角φが、目標操向角θfに
対して設定不感帯内に維持されるように、前記前輪用油
圧シリンダ7Fの制御弁8Fを駆動することになる。 θf=K1・δ+K2・ψ+K3 ・φ ……(v) 尚、K1,K2,K3 は、操向特性に応じて予め設定され
た定数である。
【0049】作業行程の終端部に達して次の作業行程の
始端部に向けてターンさせるためのターン制御について
説明すれば、前記距離センサS2 にて検出される走行距
離が、一つの作業行程の長さに対応して設定された設定
距離を超えるに伴って、詳述はしないが、前記撮像手段
S1の画像情報から例えば進行方向前方側に位置する畦
の画面内での位置を判別して作業行程の終端部に達した
ことを検出させる。そして、作業行程の終端部に達した
判断されると、前記苗植え付け装置2による植え付け作
業を中断して、前記2輪ステアリング形式から前記4輪
ステアリング形式に切り換えると共に、設定時間の間、
最大切り角に維持することにより、次の作業行程側に1
80度方向転換させ、次に、前記平行ステアリング形式
に切り換えて、設定時間の間、最大切り角に維持するこ
とにより、次の作業行程に対する機体横幅方向での位置
を修正させて、ターンを終了することになる。尚、ター
ン終了後は、前記2輪ステアリング形式に復帰させて、
次の作業行程での操向制御を再開することになる。
【0050】〔別実施例〕次に、前記長尺状マスクの構
成についての別実施例を図9に基づいて説明する。この
例では、前記複数個の長尺状マスクとしてのペアマスク
M1,M2以外に、作物としての苗Tn,T1,T2,
T3の存否を検出する作物存否検出用マスクM3が、前
記ペアマスクM1,M2よりも未植領域N側の位置に、
前記ペアマスクM1,M2に対して前記苗Tn,T1,
T2,T3の予め予測される列の配置に対応する配置関
係となるように、つまり、前記ペアマスクM1,M2の
うちの未植領域Nに隣接するマスクM1の長手方向の中
心線と作物存否検出用マスクM3の長手方向の中心線と
のなす角度θk’が上記配置関係となるように設けられ
ている。尚、作物存否検出用マスクM3のマスク幅はペ
アマスクM1,M2と同じ角度幅Δθに設定されてい
る。
【0051】この場合には、前記演算手段101は、前
記交点VPの移動位置と前記回転角度θとによって特定
される前記マスク移動位置夫々において、前記作物存否
検出用マスクM3の内部に前記苗Tn,T1,T2,T
3に対応する領域Tan,Ta1,Ta2,Ta3が存
在する場合には、前記ペアマスクM1,M2夫々の内部
に位置する前記領域Tan,Ta1,Ta2,Ta3に
ついての計数値から所定値減算したものをそのマスク移
動位置における計数値とし、その計数値を前記(ρ,
θ)テーブル上の所定エリアに記憶するように構成され
ている。前記所定値としては、前記作物存否検出用マス
クM3の内部に位置する領域数の値を用いるか、あるい
は、その領域数の値に適当な重み付け用の係数を掛けた
値を用いる。尚、この場合の制御作動のフローチャート
は、領域についての計数値が上記減算処理を経て求めら
れること以外は前記図2に示すものと同じになる。
【0052】又、上記実施例では、前記イメージセンサ
S1が、圃場面を斜め前方下向きに撮像するように設け
られていたが、斜め前方下向きではなく、圃場面を垂直
方向下向きに撮像するようにすることも可能であり、こ
の場合には、上記撮像方向に対応させて、図11に示す
ように、前記複数個の長尺状マスク例えばペアマスクM
1,M2を互いに平行状態となるように配置することに
なる。尚、ペアマスクM1,M2の間隔dは、前記設定
適正状態で前記苗Tn,T1,T2を撮像したときの前
記苗Tn,T1,T2の予め予測される列の配置に対応
するように設定され、夫々のマスク幅Δdは、各領域T
an,Ta1,Ta2の画面横方向の幅を充分にカバー
する幅(例えば各領域の幅の2〜3倍程度)となるよう
な幅に設定されている。
【0053】この場合の前記複数のマスク移動位置につ
いて説明すれば、前記ペアマスクM1,M2の中間位置
にペアマスクM1,M2の長手方向に平行なマスク中央
線Gを設定し、このマスク中央線Gを画面中心を通る画
面横軸上で画面中心位置(ε=0)から画面左右方向
に、画面横幅XH をm等分した設定距離(XH /m)づ
つ移動させた移動点と、その各移動点においてペアマス
クM1,M2を前記マスク中央線Gが画面横軸を切る点
を中心に180度をn等分した所定角度(180/n)
づつ回転させて傾けたときの傾き角γとで設定する。従
って、前記マスク中央線Gが画面横軸を切る点がこの場
合の前記特定点に対応することになる。尚、角度につい
ては画面縦方向に沿う方向を基準として、この方向から
反時計周り方向をプラス方向とする。そして、この場合
の制御作動のフローチャート及び(ε,γ)テーブルを
図10及び図12に示すが、基本的には、前記図2及び
図5のもののρをεに、θをγに、XV をXH に変更し
たものに対応するが、この場合には、画面上に見える直
線Lがそのまま地表面における直線Lに対応するので、
撮像面から地表面への変換処理は不要である。
【0054】又、上記実施例では、最大の領域数となる
マスク移動位置における前記ペアマスクM1,M2の位
置情報に基づいて求めた前記圃場の未植領域Nに隣接し
て列状に並ぶ苗Tnに対応する領域Tan(具体的に
は、左側のマスクM1の内部に位置する領域Tan)の
情報から操向制御のための制御情報を得るのに、前記ペ
アマスクM1,M2のうちの左側のマスクM1そのもの
の情報を使ったが、これ以外の方法として、上記求めら
れた領域Tanを結ぶ線分Lを、例えば、直線近似手段
であるハフ変換処理によって直線として算出するか、あ
るいは、最小二乗法等を用いて直線近似あるいは曲線近
似した情報を求めることができる。
【0055】ここでは、ハフ変換によって直線近似する
場合について説明する。図13に示すように、前記イメ
ージセンサS1の撮像視野の中心を通るx軸を極座標系
における基準線として、前記領域Tan(実際は前記画
素密度(32×32画素/1画面)で複数個の画素から
なる)を通る複数本の直線を、下記(i)式に基づいて
前記x軸に対して0乃至180度の範囲において予め複
数段階に設定された傾きθH と、原点つまり撮像視野中
心に対応する画面中央からの距離ρH との組み合わせと
して求める。 ρH =y・sinθH +x・cosθH ……(i)
【0056】そして、1つの画素について、前記複数段
階に設定された傾きθH の値が180度に達するまで、
求めた各直線の頻度を計数するための二次元ヒストグラ
ムを加算する処理を繰り返した後、前記各画素を通る複
数種の直線の頻度を全画素毎に計数する。そして、各画
素に対する直線の頻度の計数が完了すると、前記二次元
ヒストグラムに加算された値から、最大頻度となる前記
傾きθH と前記距離ρH の組み合わせを求めることによ
り、最大頻度となる一つの直線Lxを決定し、その直線
Lxを、前記イメージセンサS1の撮像面において前記
未植領域Nに隣接する既植苗Tnを結ぶ線分Lを直線近
似した情報として求めることになる。
【0057】又、上記実施例では、最大の領域数となる
マスク移動位置における前記ペアマスクM1,M2の位
置情報に基づいて、前記圃場の未植領域Nに隣接して列
状に並ぶ苗Tnに対応する領域Tanに対応する線分L
を操向制御のための制御情報として求めたが、線分を求
めるのではなく、例えば、上記求められた領域Tan
(図4では4個)の画面内での平均位置を算出してこの
位置情報を上記制御情報を求めることもできる。
【0058】又、上記実施例では、複数個の長尺状マス
ク、例えば進行方向前方側の前記交点VPから放射状に
伸びるペアマスクM1,M2あるいは平行状態のペアマ
スクM1,M2を、夫々前記交点VPあるいは前記マス
ク中央線Gが画面横軸を切る点を前記特定点に設定して
その特定点を中心として回転させるように構成したが、
特定点は上記に限定されない。前者の放射状に伸びるペ
アマスクM1,M2の場合には、例えば、画面の上辺位
置又は下辺位置を特定点にして回転させるようにした
り、後者の平行状態のペアマスクM1,M2の場合に
は、例えば、マスク中央線Gが画面の上辺位置又は下辺
位置を切る点を特定点に設定して回転させるように、特
定点は種々設定することができる。
【0059】又、上記実施例では、複数個の長尺状マス
クを、進行方向前方側の前記交点VPから放射状に伸び
るペアマスクM1,M2あるいは平行状態のペアマスク
M1,M2のように、2個のマスクからなるように構成
したが、複数個の長尺状マスクを構成するマスクの個数
は2個にに限定されず、撮像手段S1の撮像方向と画面
倍率等によって画面内に撮像される苗列の数に応じて3
個以上に増加して設定することが可能である。また、マ
スクの幅も上記実施例のものよりも、狭く或いは広く設
定することができる。そして、以上いろいろな場合につ
いて例示してきたように、前記演算手段101の具体構
成は装置や圃場等の状況に応じて適宜変更することがで
きるものである。
【0060】又、上記実施例では、圃場面を撮像する撮
像手段としてカラー式のイメージセンサS1を用いて、
緑色情報Gから青色情報Bを減算して設定閾値に基づい
て2値化することにより、苗Tn,T1,T2…に対応
する領域Tan,Ta1,Ta2…を抽出するように構
成した場合を例示したが、例えば、三原色情報R,G,
Bの全部を用いて、それらの比が苗Tn,T1,T2…
の色に対応する設定比率範囲となる領域を前記領域Ta
n,Ta1,Ta2…として抽出するようにしてもよ
く、あるいは、前記撮像手段として白黒式のイメージセ
ンサS1を用いて、苗箇所と泥面等の他の箇所の明度信
号を適当な閾値設定に基づいて2値化することにより、
簡便な装置で領域を抽出するようにしてもよく、領域抽
出手段100の具体構成は、各種変更できる。
【0061】又、上記実施例では、本発明を田植え機を
圃場に植え付けられた苗列に沿って自動走行させるため
の装置に適用し、そして、検出された作物列に対応する
近似線分の情報を、操向制御のための制御情報として利
用するように構成した場合を例示したが、本発明は各種
の作物列に対応する近似線分の情報を検出するための装
置に適用できるものであって、作物の種類や機体の走行
系の構成等、各部の具体構成、並びに、検出された作物
列に対応する近似線分の情報の利用形態は、各種変更で
きる。
【0062】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御構成のブロック図
【図2】制御作動のフローチャート
【図3】画像処理の説明図
【図4】画像処理の説明図
【図5】画像処理の説明図
【図6】撮像視野における機体進行方向と近似直線の関
係を示す説明図
【図7】田植え機の概略平面図
【図8】同概略側面図
【図9】別実施例(1)の画像処理の説明図
【図10】別実施例(2)の制御作動のフローチャート
【図11】別実施例(2)の画像処理の説明図
【図12】別実施例(2)の画像処理の説明図
【図13】別実施例(3)のハフ変換処理の説明図
【符号の説明】
Tn,T1,T2 作物 S1 撮像手段 Tan,Ta1,Ta2 画素 100 画素抽出手段 N 未植領域 L 線分 101 演算手段 M1,M2 長尺状マスク M3 作物存否検出用マスク VP 交点

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数列状に並ぶ作物(Tn,T1,T
    2)を含む所定範囲の圃場面を撮像する撮像手段(S
    1)と、その撮像手段(S1)による撮像情報に基づい
    て前記作物(Tn,T1,T2)に対応する領域(Ta
    n,Ta1,Ta2)を抽出する領域抽出手段(10
    0)と、この領域抽出手段(100)によって抽出され
    た領域情報に基づいて、前記圃場の未植領域(N)に隣
    接して列状に並ぶ作物(Tn)に対応する領域(Ta
    n)を求める演算手段(101)とが設けられた作物列
    検出装置であって、 前記演算手段(101)は、前記撮像手段(S1)の撮
    像画面上において、 前記作物(Tn,T1,T2)の列方向に沿って伸びる
    と共に前記作物(Tn,T1,T2)の列方向と交差す
    る方向に所定幅を有し、且つ、前記撮像手段(S1)が
    設定適正状態で前記作物(Tn,T1,T2)を撮像し
    たときに前記作物(Tn,T1,T2)の予め予測され
    る列の配置に対応するように並置された複数個の長尺状
    マスク(M1,M2)を設定し、 その複数個の長尺状マスク(M1,M2)を、前記作物
    (Tn,T1,T2)の列方向と交差する方向に設定距
    離づつ離れた複数の移動点の夫々において、前記列方向
    での特定点を中心に所定角度づつ離れた位置として設定
    された複数のマスク移動位置に移動させ、 前記複数のマスク移動位置夫々において、前記複数個の
    長尺状マスク(M1,M2)夫々の内部に位置する前記
    領域(Tan,Ta1,Ta2)の数を計数し、 前記複数のマスク移動位置のうちで前記領域(Tan,
    Ta1,Ta2)の計数値が最大となるマスク移動位置
    における前記複数個の長尺状マスク(M1,M2)の位
    置情報に基づいて前記領域(Tan)を求めるように構
    成されている作物列検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の作物列検出装置であっ
    て、 前記作物(Tn,T1,T2)の存否を検出する作物存
    否検出用マスク(M3)が、前記複数個の長尺状マスク
    (M1,M2)よりも未植領域(N)側の位置に、前記
    複数個の長尺状マスク(M1,M2)に対して前記作物
    (Tn,T1,T2)の予め予測される列の配置に対応
    する配置関係となるように設けられ、 前記演算手段(101)は、前記作物存否検出用マスク
    (M3)の内部に前記領域(Tan,Ta1,Ta2)
    が存在する場合には、前記複数個の長尺状マスク(M
    1,M2)夫々の内部に位置する前記領域(Tan,T
    a1,Ta2)についての計数値を所定値減算するよう
    に構成されている作物列検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の作物列検出
    装置であって、 前記撮像手段(S1)が、前記圃場面を斜め前方下向き
    に撮像するように設けられるとともに、前記複数個の長
    尺状マスク(M1,M2)が、前記作物(Tn,T1,
    T2)の複数の各列方向を進行方向前方側に延長した線
    が一点で交わる交点(VP)から放射状に伸びるように
    配置されている作物列検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の作物列検出
    装置であって、 前記撮像手段(S1)が前記圃場面を垂直方向下向きに
    撮像するように設けられるとともに、前記複数個の長尺
    状マスク(M1,M2)が互いに平行状態となるように
    配置されている作物列検出装置。
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