JPH06145376A - ポリエステルフィルムおよび写真感光材料 - Google Patents

ポリエステルフィルムおよび写真感光材料

Info

Publication number
JPH06145376A
JPH06145376A JP4298716A JP29871692A JPH06145376A JP H06145376 A JPH06145376 A JP H06145376A JP 4298716 A JP4298716 A JP 4298716A JP 29871692 A JP29871692 A JP 29871692A JP H06145376 A JPH06145376 A JP H06145376A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
weight
polyester
parts
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4298716A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Fukuyama
武男 福山
Toshihiko Hiraoka
俊彦 平岡
Taiichi Kurome
泰一 黒目
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP4298716A priority Critical patent/JPH06145376A/ja
Publication of JPH06145376A publication Critical patent/JPH06145376A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】水蒸気透過率が15.0g/m2 ・24hr/
0.1mm以下であり、かつ含水率が1.5重量%以下
であり、さらにカール回復率が70%以上であることを
特徴とするポリエステルフィルムおよびそのポリエステ
ルフィルムを支持体とする写真感光材料である。 【効果】本発明のポリエステルフィルムは、透明性、吸
水性、機械的特性、耐熱性に優れており、写真感光材料
の支持体またはカバー層として利用する場合、従来のT
ACフィルムより薄膜化が可能となり、撮影装置の小型
化、巻出しの高速化等を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルフィルム
に関するものであり、特に写真感光材料用として有用な
透明性、吸水性、機械的特性に優れたポリエステルフィ
ルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料としては、X線用フィル
ム、製版用フィルム及びカットフィルムの如くシート状
の形態のものと、ロールフィルム状のものがある。ロー
ルフィルムの代表的なものは、35mm幅またはそれ以
下の幅でパトローネ内に収められており、一般のカメラ
に装填して撮影に用いるカラーまたは白黒ネガフィルム
である。
【0003】写真感光材料は一般的に、プラスチックフ
ィルム支持体上に少なくとも1層の写真感光性層を塗布
することによって製造される。このプラスチックフィル
ムとしては一般的にトリアセチルセルロース(以下TA
Cという。)に代表される繊維系のポリマーとポリエチ
レンテレフタレート(以下PETという。)に代表され
るポリエステル系のポリマーが使用されている(繊維と
工業、41(9)、329−324)。
【0004】TACフィルムは、主溶媒として塩化メチ
レンを用いた溶液製膜法で作られ、光学的異方性が小さ
く、透明性、平面性に優れたフィルムである。また、適
度な吸水性を有するため現像処理後のカール解消性にも
優れた性質を有する。すなわちロールフィルムとして巻
かれた状況で経時されることによってフィルムには巻き
癖カールが生じるが、現像処理における吸水で分子鎖の
運動性が増し、巻き経時で固定化された分子鎖が再配列
を起こす結果、巻き癖カールが解消するわけである。
【0005】この巻き癖カールが回復しないフィルムを
用いた写真感光材料では、ロール状態で用いられた際
に、例えば現像後写真印画紙に画像を形成させる焼き付
け工程等で、すり傷の発生、焦点ぼけ、搬送時のジャミ
ング等の問題が生じてしまう。従って、写真感光材料と
してTACフィルムは広く用いられてきた。
【0006】ところが、近年、写真感光材料の用途は多
様化しており、撮影時のフィルム巻出しの高速化、現像
焼付けの倍率やスライド撮影倍率の高倍率化、撮影装置
の小型化が著しく進んでいる。そのため写真感光材料用
の支持体としては、機械的特性、寸法安定性、薄膜化等
の性質が要求されてきた。
【0007】二軸延伸したPETフィルムは、優れた透
明性、機械的特性、寸法安定性を有しており、フィルム
の薄膜化が必要なマイクロフィルムや、寸法安定性が厳
しく要求される印刷感材では、TACフィルムに代って
PETフィルムが用いられている。ところがPETフィ
ルムの場合、吸水性が小さいため、TACフィルムのよ
りカール回復率が劣り、現像処理後の取扱い性が悪く、
上記の優れた特性がありながらその使用範囲が限定され
ていた。
【0008】そのため、PETポリマを改質することに
よってPETフィルムに吸水性を付与する試みがなされ
てきた。例えば、特開平1−244446では、PET
に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびアジピン
酸を共重合したポリマーの二軸延伸フィルムが提案され
ているが、吸水速度がTACフィルムより劣るため、十
分なカール回復率を得ることができない。また、USP
−4217441、USP−4241170では、PE
Tに、ポリエチレングリコールおよび5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸を共重合した二軸延伸フィルムが提案
されているものの、これはただ単にフィルムに水蒸気透
過性を付与するのが目的であり、このフィルムは、カー
ル回復率が求められるロール状写真フィルムを対象とし
たものではなく、ある程度の吸水性を有するもののTA
Cに比べややカール回復率が劣り、また経時変化により
フィルムの透明性が悪化し、さらには吸水時の引張りヤ
ング率が低くなるという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】すなわち本発明におけ
る課題は、優れた透明性、機械的特性、寸法安定性を維
持しながら、TACフィルム並のカール回復率を有する
ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するたの手段】本発明は、かかる課題を解
決するために次の条件を有する。すなわち、水蒸気透過
率が15.0g/m2 ・24hr/0.1mm以下であ
り、かつ含水率が1.5重量%以下であり、さらにカー
ル回復率が70%以上であることを特徴とするポリエス
テルフィルムおよびそのポリエステルフィルムを支持体
とする写真感光材料である。
【0011】通常のポリエステルフィルムを写真感光材
料用として使用する場合、巻き癖カール回復性が必要で
あることは先に述べたが、これはフィルムに適度な柔軟
性と吸水性があれば容易に達成することができる。とこ
ろがこうしたフィルムは、例えば自動現像機中で現像す
るときに、フィルムにかかる張力によって変形してしま
う恐れがある。従って、現像工程を想定した、水中に浸
漬したフィルムのフィルムの機械的強度は大きくなる必
要がある。すなわち、本発明の特徴は、十分なカール回
復率と吸水時の機械的強度保持という相反する特性を両
立させたことにある。
【0012】本発明において、ポリエステルとは、芳香
族二塩基酸とグリコールを主要な構成成分とするポリエ
ステルであり、二塩基酸としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェ
ニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカル
ボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニ
ルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカル
ボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げるこ
とができる。また、グリコールとしては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4
−ヒドロキシジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルホン、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロ
ヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらの
成分からなるポリエステルの中でも耐熱性、機械的強
度、寸法安定性等の点から、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレートが好ましい。
【0013】本発明のポリエステルフィルムは、水蒸気
透過率が15.0g/m2 ・24hr/0.1mm以
下、好ましくは10.0g/m2 ・24hr/0.1m
m以下である必要がある。水蒸気透過率が15.0g/
2 ・24hr/0.1mm以上では、吸水時の引張り
ヤング率が低下し、好ましくない。また含水率が1.5
重量%以下であり、好ましくは1.0重量%以下であ
る。含水率が1.5重量%以上ではフィルムのカール回
復率は良好であるが、現像時にフィルムが寸法変化した
り、平面性が悪化し好ましくない。
【0014】さらにカール回復率が70%以上である必
要がある。カール回復率が70%以下では、巻き癖カー
ル回復性を十分解消することができないので好ましくな
い。フィルムのカール回復率を向上させるためには、吸
水性、更には吸水によるガラス転移温度の低下をもたら
す成分をポリマーに共重合するのが好ましい。これらの
成分としては、例えば金属スルホネートを有する芳香族
ジカルボン酸成分、ポリエーテル、脂肪族ジカルボン
酸、脂肪族ポリエステルなどがある。
【0015】金属スルホネートを有する芳香族ジカルボ
ン酸としては、具体的には、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナ
トリウムスルホフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,
6−ナフタレンジカルボン酸およびこれらのナトリウム
を他の金属、例えばカリウム、リチウムなどで置換した
化合物を挙げることができる。更には、アンモニウム
塩、ホスホニウム塩等で置換してもよい。金属スルホネ
ートを有する芳香族ジカルボン酸成分の共重合割合とし
ては、反応生成物のポリエステルに対して0〜20重量
%、好ましくは4〜15重量%、より好ましくは4〜1
2重量%である。
【0016】ポリエーテル成分としては、ポリアルキレ
ングリコールやポリエーテルジカルボン酸がある。ポリ
アルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレング
リコール共重合体等が挙げられる。また、ポリエーテル
ジカルボン酸は、下式 R1 OOCCH2 −(O−R2 n −OCH2 COOR
3 (式中、R1 、R3 :Hまたは炭素数1〜8のアルキル
基、R2 :炭素数2〜8のアルキレン基、n :正の整数
である。)で示され、ポリエチレンオキシジカルボン
酸、ポリテトラメチレンオキシジカルボン酸が好まし
い。ポリエーテル成分としては、ポリエステルの重合反
応性やフィルムの寸法安定性の点で、ポリエチレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコールあるいは下式で
示されるポリエチレンオキシジカルボン酸が好ましい。
【0017】R1 OOCCH2 −(O−CH2 CH2
n −OCH2 COOR2 (式中、R1 、R2 :Hまたは炭素数1〜8のアルキル
基、n :正の整数である。)このポリエーテル成分の平
均分子量は、600〜20000であり、好ましくは1
000〜15000、より好ましくは2000〜100
00である。平均分子量が600以下の場合吸水性が不
十分となり、カール回復率を十分に得ることができな
い。TACフィルム並のカール回復率を得るには、ポリ
エーテル鎖長が長い方が良いが、20000以上の分子
量では逆にフィルムの透明性や剛性が低下するため好ま
しくない。ポリエーテル成分の共重合割合としては、反
応生成物のポリエステルに対して0〜20重量%、好ま
しくは5〜15重量%、より好ましくは6〜12重量%
である。
【0018】脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数4〜
60のアルキレン基を有するジカルボン酸であり、アジ
ピン酸、セバチン酸、エイコ酸、ドデカンジオン酸、ダ
イマー酸が好ましく、アジピン酸、セバチン酸、ダイマ
ー酸がより好ましい。脂肪族ジカルボン酸成分の共重合
割合としては、反応生成物のポリエステルに対して0〜
15重量%、好ましくは3〜15重量%、より好ましく
は5〜12重量%である。
【0019】脂肪族ポリエステルとしては、ポリε−カ
プロラクトン、ポリ(メチル−ε−カプロラクトン)、
ポリβ−プロピオラクトンなどがあり、その分子量は約
800〜40000が好ましく、2000〜20000
の範囲がより好ましい。脂肪族ポリエステル成分の共重
合割合としては、反応生成物のポリエステルに対して0
〜20重量%、好ましくは5〜15重量%、より好まし
くは7〜12重量%である。
【0020】また、長鎖成分としてポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン/プロピレンコポリマーといった
ポリオレフィンを変性してエステル形成性にしたものを
共重合しても、カール回復率と吸水時の引張りヤング率
を向上させることができる。変性後の平均分子量は、5
00〜10000が好ましい。長鎖成分の共重合割合と
しては、反応生成物のポリエステルに対して0〜20重
量%、好ましくは5〜15重量%、より好ましくは7〜
12重量%である。
【0021】これら吸水成分あるいはガラス転移温度低
下成分は、1成分のみで共重合してもよいが、2種類あ
るいはそれ以上の成分を組み合わせて共重合してもよ
い。
【0022】吸水時の引張りヤング率を向上させるため
には、剛直成分を共重合するのが好ましい。剛直成分と
しては、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,
4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−
ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,4’−ジカル
ボン酸、ジフェニルエタン−4,4’−ジカルボン酸、
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、4,
3’−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテル−
3,3’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−3,
3’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3’−ジ
カルボン酸、ナフタレン−1,6’−ジカルボン酸、ハ
イドロキノン、4,4’−ジオキシジフェニル、2,6
−ナフタレンジオール、4,4’−ジオキシジフェニル
エーテル、ビス(4−オキシフェノキシ)エタン、3,
3’−ジオキシジフェニル、フェニルハイドロキノン、
4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−
ナフトエ酸等が挙げられる。これら剛直成分を単独ある
いは複数共重合してもよいが、共重合割合としては、反
応生成物のポリエステルに対しては0〜40重量%、好
ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量
%である。
【0023】なお、本発明のポリエステルフィルムの吸
水速度を向上させるために、透明性、機械的特性を阻害
しない範囲の小割合であれば、例えば片末端封鎖型ポリ
エーテル化合物等の吸水性促進剤を添加してもよい。片
末端封鎖型ポリエーテル化合物は、例えば下式で示され
る。
【0024】 HOOCCH2 O(CH2 CH2 O)n 4 HO(CH2 CH2 O)n 4 HO(CH3 CHCH2 O)n 4 (式中R4 は炭素数1〜5のアルキル基であり、n は3
0〜500である。)好ましい分子量は、600〜20
000である。また、これら吸水性促進剤の添加量はポ
リエステル成分に対して0〜15重量%が好ましい。
【0025】本発明のポリエステルフィルムは、単層フ
ィルムで効果は発揮できるが、多層構造フィルムにする
とより容易に効果が発揮でき非常に好ましいといえる。
【0026】多層構造フィルムは、A/Bの2層構造で
もよく、B/A/Bの3層構造でも良い。またA、B以
外のポリエステル層をC層とすると、B/A/Cといっ
た構造でも良く、更にはC/B/A/B/Cといった多
層構造でもよい。B層のポリエステルはホモポリエステ
ルに比べ結晶性が低下しており、機械的特性、透明性、
寸法安定性等が低下してしまう。そこで、共重合PET
であるB層と、PET層あるいは他のホモポリマー層、
あるいは他の共重合ポリマー層とを共押出することによ
り、通常のPETフィルム並の透明性、機械的特性、寸
法安定性を維持しながら、TACフィルム並の吸水性、
TACフィルム並のカール回復率を有するポリエステル
フィルムを提供することができる。更には、フィルムの
表面に易滑性や帯電防止性等を付与する場合でも必要な
添加剤を表層のみ添加すればよく、フィルムの高透明性
を維持でき、またフィルムのコスト自身を下げることに
もつながる。
【0027】B層のポリエステルは吸水性やガラス転移
温度低下成分を共重合することによって低重合物が熱履
歴によってフィルム表面に析出しやすくなっている。そ
こで、フィルム積層構成がA/B構造の場合、フィルム
の片面に特に低分子量物の析出を防止するのに有効であ
る。さらに、A層とB層の吸水性の差によって、フィル
ムの巻き癖カールを効率よく回復させることもできる。
【0028】次にB/A/B構成について説明する。つ
まり、A層の両側にB層を積層してもよい。その際、吸
水性の大きいB層はカール回復率、吸水性の小さいA層
は機械的強度、寸法安定性といった機能をもつわけであ
る。ただ、B層ポリエステルにはオリゴマー等の低分子
量物が残存することがあり、その防止のためB層ポリエ
ステルを固相重合して低重合物を減少させてもよく、ま
たA層の外側に更にC層を設けて、低分子量物の析出を
防止してもよい。すなわち、たとえばC/B/A/B/
Cの5層構造でもよい。C層のポリエステルとしては、
A層と同様のポリエステルが好ましく用いられるが、低
重合物量が小さいことが望まれ、その積層厚みは、低重
合物の析出を抑制できる範囲内で薄くする必要がある。
【0029】また、B/A/C構成の場合、C層は、ほ
とんど吸水せずかつガラス転移温度の高いポリエステル
を用いてもよく、逆にB層と同様あるいはそれ以上の吸
水性を付与したポリエステルを用いてもよい。前者の場
合、フィルムは巻き癖カールがつきにくく、また現像工
程でのフィルムの搬送性も向上する。また、後者の場
合、フィルムの機械的強度はA層がベースとなり、カー
ル回復率はB層とC層の吸水性の差で調整できるわけで
ある。
【0030】本発明の場合、芯層にA層があるB/A/
BあるいはC/B/A/B/Cの積層構成のフィルムが
特に好ましい。
【0031】ポリエステルA層のガラス転移温度は、6
0℃以上であり、好ましくは65℃以上、より好ましく
は70℃以上である。また、24℃の水中に30分間浸
漬した時のガラス転移温度は、45℃以上であり、好ま
しくは55℃以上、より好ましくは65℃以上である。
通常のガラス転移温度が60℃未満であったり、吸水時
のガラス転移温度が45℃未満の場合、フィルムの強度
が大幅に低下し、また寸法安定性が極端に悪くなってし
まう。
【0032】ポリエステルB層のガラス転移温度は、4
5℃〜75℃であり、好ましくは50℃〜70℃、より
好ましくは55〜70℃以上である。また、24℃の水
中に30分間浸漬した時のガラス転移温度は、30℃〜
60℃であり、好ましくは35℃〜55℃、より好まし
くは35℃〜50℃以上である。ガラス転移温度が低過
ぎるとフィルムの強度が大幅に低下してしまい、またガ
ラス転移温度が高過ぎるとカール回復率が低下してしま
う。
【0033】本発明において、A層の厚みは特に限定さ
れないが、通常ポリエステルフィルム全厚みに対してA
層の厚みは1〜99%の範囲内が好ましい。
【0034】多層積層を行なう場合、この手段としては
具体的には複数の押出機ならびにフィールドブロック、
あるいはマルチマニフォールドダイによる共押出法が例
示される。
【0035】本発明のポリエステルフィルムのヘイズ値
は3%以下であり、好ましくは2%以下である。ヘイズ
値が3%を越えると透明性が求められる用途では障害と
なってくる。一般の共重合ポリエステルフィルムの場
合、前述のように低重合物がフィルム中に残存しやすい
ため経時によって、低重合物が表面にブリードアウトし
やすいためそれによって透明性が損なわれてしまう。本
発明の特長の一つはこの低重合物の析出による透明性の
低下が小さいことにある。例えば、40℃90%RHの
雰囲気下に2週間放置しておいても、本発明のポリエス
テルフィルムのヘイズ値は10%以下が好ましい。
【0036】ポリエステルフィルムを写真感光材料とし
て使用する際に問題となる性質のひとつに支持体が高屈
折率であるために発生するライトパイピング現象があ
る。TACフィルムの場合屈折率は1.5と小さいのに
対して、たとえばポリエステルフィルムの屈折率は1.
6程度と高い。一方下びき層ならびに写真乳剤層にもっ
ぱら用いられるゼラチンの屈折率は1.50〜1.55
であり、ゼラチンの屈折率の比をとるとTACフィルム
の場合1.50〜1.55/1.5と1より大きいため
問題はないが、ポリエステルフィルムでは、1.5/
1.6と1より小さく、光がフィルムエッジから入射し
たとき、ベースフィルムと乳剤層の界面で反射しやす
い。このためライトパイピング現象を起こしてしまうわ
けである。
【0037】このようなライトパイピング現象を回避す
る方法としてはフィルムに不活性無機粒子等を含有させ
る方法ならびに染料を添加する方法等が知られている。
本発明において好ましいライトパイピング防止方法はフ
ィルムヘイズを著しく増加させない染料添加による方法
である。
【0038】フィルム染料に使用する染料については特
に限定を加えるものではないが色調は感光材料の一般的
な性質上グレー染色が好ましく、また染料はポリエステ
ルフィルムの製膜領域での耐熱性に優れ、かつポリエス
テルとの相溶性に優れたものが好ましい。
【0039】染料としては、上記観点から三菱化成
(株)製の“Diaresin”、日本化薬(株)製の
“Kayaset”等ポリエステル用として市販されて
いる染料を混合することによって目的を達成することが
可能である。
【0040】染色濃度に関しては、マクベス社製の色濃
度計にて可視領域での色濃度を測定し、少なくとも0.
01以上であることが必要である。より好ましくは0.
03以上である。
【0041】本発明によるポリエステルフィルムには、
用途に応じて易滑性を付与することも可能であり、易滑
性付与手段としては特に限定を加えるところではない
が、不活性無機化合物、有機系架橋粒子の練り込み、あ
るいは界面活性剤の塗布等が一般的手法として用いられ
る。
【0042】かかる不活性無機粒子としては、Si
2 、TiO2 、BaSO4 、CaCO2 、タルク、カ
オリン等が例示される。また、上記のポリエステル合成
反応系に不活性な粒子を添加する外部粒子系による易滑
性付与以外にポリエステルの重合反応時に添加する触媒
等を析出させる内部粒子系による易滑性付与方法も採用
可能である。
【0043】これら易滑性付与手段には特に限定を加え
るものではないが、透明性が重要な要件となる用途にお
いては、上記易滑性付与方法では外部粒子系としてはポ
リエステルフィルムと比較的近い屈折率をもつSi
2 、あるいは析出する粒子径を比較的小さくすること
が可能な内部粒子系を選択することが望ましい。また、
これらの粒子系は、本発明のポリエステルフィルムのい
ずれの層に添加してもよいが、表層に添加するのが好ま
しい。
【0044】写真用フィルムは、夏場の車中、熱帯地
方、砂漠といった苛酷な条件でも使用され、その際にフ
ィルムの寸法変化が大きくなると画像が変形するといっ
た問題が生じてくる。TACフィルムやPETフィルム
の熱収縮率は、0.2%以下と小さいのに対して、共重
合ポリエステルフィルムの熱収縮率は一般に大きくなる
傾向があるが、本発明の共重合ポリエステルフィルムの
熱収縮率はPETフィルム以下であることも大きな特長
の一つである。本発明のポリエステルフィルムの80
℃、6時間における熱収縮率は0.4%以下が好まし
く、より好ましくは0.3%以下である。
【0045】また、本発明のポリエステルフィルムの引
裂伝播抵抗が500g/mm以上が好ましく、より好ま
しくは800g/mm以上である。
【0046】また、本発明のポリエステルフィルムの破
断強度は、8kg/mm2 以上が好ましく、より好まし
くは13kg/mm2 以上である。さらに引張りヤング
率は、300kg/mm2 以上であり、好ましくは35
0kg/mm2 以上である。また、ポリエステルフィル
ムを24℃の蒸留水中に30分間浸漬した時の引張りヤ
ング率は、260kg/mm2 以上であり、好ましくは
280kg/mm2 以上である。機械的強度が低下する
と、フィルムを例えば写真感光材料用支持体として使用
する場合、フィルムがカメラ内での巻取時や機械による
自動現像、焼き付け時に外力によって容易に変形あるい
は破断してしまうおそれがあるわけである。
【0047】本発明の共重合ポリエステルフィルムの原
料ポリマーの合成法は従来公知のポリエステルの製造方
法にしたがって製造できる。例えば酸成分をグリコール
成分と直接エステル化反応するか、または酸成分として
ジアルキルエステルを用いる場合はグリコール成分とで
エステル交換反応し、これを減圧下に加熱して余剰のグ
リコール成分を除去することにより、共重合ポリエステ
ルを得ることができる。この際必要に応じてエステル交
換反応触媒あるいは重合反応触媒を用い、あるいは耐熱
安定剤を添加することができる。もちろん実用上、着色
防止剤、酸化防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブ
ロッキング防止剤、紫外線吸収剤、粘度調節剤、消泡
剤、透明化剤、帯電防止剤などを添加させてもよい。
【0048】前記にて得られた共重合ポリエステルは一
般に粒状に成型し、乾燥後溶融し、Tダイより共押出し
て、未延伸フィルムとする。溶融ポリエステルフィルム
を冷却ロールに接触させる際は、静電印加冷却法を適応
することが好ましい。
【0049】フィルムに機械的強度を付与するには、T
ダイより押し出しした未延伸フィルムをさらに二軸延伸
するのがよい。二軸延伸の場合、逐次二軸延伸法または
同時二軸延伸法を用いることができるが、最初に長手方
向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸法が好まし
い。
【0050】延伸温度は、ガラス転移温度〜冷結晶化温
度の範囲で行なうのがよいが、本発明においては長手方
向の場合60〜140℃、幅方向の延伸の場合70〜1
50℃であることが望ましい。延伸倍率は通常2.0〜
5.0倍が適当である。フィルムの強度を高めるために
は、製膜性が低下しない範囲内で延伸倍率を高くした方
がよく、好ましくは3.5倍以上、より好ましくは4.
0倍以上にである。吸水時の引張りヤング率を大きくす
るには、縦延伸時にまず高温で延伸し、更にやや低温で
延伸するといういわゆる多段階の縦延伸法を行なっても
よい。また、縦、横延伸後、縦、横のいずれかに再延伸
してもかまわない。
【0051】フィルムの水蒸気透過率および含水率を限
定し、かつ引裂伝播抵抗を向上させるためには、延伸倍
率を高倍率にして長手方向及び横方向をバランスさせる
ことが望ましく、好ましくは3.4倍以上、より好まし
くは3.8倍以上で、長手方向と横方向の延伸倍率の差
が0.7以下が好ましく、より好ましくは0.5以下で
ある。
【0052】更に、延伸したフィルムに熱処理を施して
もよい。この場合の熱処理条件としては、定長下、弛緩
状態、微延伸状態のいずれでもよく、本発明のポリエス
テルフィルムの場合、150〜225℃、好ましくは1
70〜220℃の範囲で0.5〜60秒間が好適であ
る。
【0053】特に本発明のポリエステルフィルムの場
合、高倍率で延伸を行なった後、配向が緩和しない範囲
の高温で熱処理することにより、水蒸気透過率および含
水率が限定でき、更には引張りヤング率、破断強度及び
引裂伝播抵抗をバランスよく高めることができ、しかも
低熱収縮性、吸水速度が大きく、ひいてはカール回復率
も良好となるわけである。
【0054】本発明のポリエステルフィルムの厚さとし
ては特に限定しないが、延伸フィルムの場合、3〜36
0μm、無延伸フィルムの場合、50〜2000μmの
ものが好ましい。写真フィルムの用途分野の場合、25
〜250μmが好ましく、より好ましくは40〜150
μmの厚さが採用される。
【0055】本発明のポリエステルフィルムの表面の濡
れ張力は、50dyne/cm以上であり、好ましくは
54dyne/cm以上である。また、接着性向上およ
びコーティング液の濡れ特性を向上させるため、フィル
ムにコロナ放電処理、薬液処理、火炎処理、紫外線処
理、プラズマ処理などの各種表面処理を必要に応じて施
すことができる。本発明ではコロナ放電処理が好まし
い。
【0056】本発明のポリエステルフィルムは、写真感
光材料の支持体またはカバー層の他、その優れた透明
性、熱寸法安定性、機械的特性を利用して、各種透明フ
ィルム、例えばOHP用フィルム、光学用フィルム、生
鮮食品用といった包装フィルム、磁気記録テープあるい
は磁気フロッピー用フィルム等に利用できる。
【0057】
【物性の測定方法ならびに効果の評価方法】本発明の特
性値は次の測定方法、評価基準による。
【0058】(1)ガラス転移温度、冷結晶化温度 ポリエステルフィルムあるいはポリエステル10mg
を、示差走査型熱量計にセットし、窒素気流下で20℃
/minの速度で昇温していき、ベースラインが偏奇し
始める温度と、新たなベースラインに戻る温度との平均
値をガラス転移温度とした。また、結晶化に伴う発熱ピ
ーク温度を冷結晶化温度とした。
【0059】吸水時のガラス転移温度は、24℃の蒸留
水中に30分間浸漬して吸水させたフィルムをただちに
示差走査型熱量計にセットして測定した。
【0060】(2)フィルムヘイズ フィルムヘイズは、ASTM−D1003−52に従っ
て測定した。
【0061】(3)含水率 ポリエステルフィルムを24℃50%RH12時間の条
件で調湿した時のフィルム重量W1 に対して、更に24
℃の蒸留水に15分間浸漬した時にフィルムが吸水した
水分量W2 を求め、(W2 /W1 )×100(%)を含
水率とした。
【0062】(4)熱収縮率 10mm幅250〜300mm長さのフィルムサンプル
を200mm間隔にマーキングし、サンプル支持板に一
定張力下で固定し、万能投影機(日本光学製V16A)
を用いてマーキング間隔の原長を測定した。測定したサ
ンプルに3gのクリップを用いて荷重をかけ、80℃に
設定した熱風オーブン中で6時間回転させながら処理し
た。処理したサンプルは、原長を測定した雰囲気下に2
時間放置後、原長測定法と同様にマーキング間隔を測定
して収縮率を求めた。
【0063】(5)引裂伝播抵抗 軽荷重式引裂試験機(東洋精機(株)製))を用いて、
ASTM−D−1922に従って測定した。サンプルサ
イズは、51×64mmで13mmの切れ込みを入れ、
残り51mmを引き裂いた時の指示値を読み取った。
【0064】(6)破断強度、引張りヤング率 JIS−Z1702−1976に準じて、幅10mm、
長さ100mmの短冊片で、引張り速度は破断強度の測
定の際には300mm/分、引張りヤング率は20mm
/分で測定した。吸水時の引張りヤング率については、
短冊片のまま24℃の蒸留水中に30分間浸漬し、ただ
ちに測定した。
【0065】(7)固有粘度 o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
【0066】(8)カール回復率 ポリエステルフィルムを横方向35mm、長手方向15
0mmの大きさにサンプリングし、直径10mmの塩ビ
製の巻芯に巻き付け、70℃、30%RH、72時間の
処理を行ない、その後巻芯から開放し30℃の蒸留水に
30分間浸漬後、30gの張力をかけた状態で、50℃
の熱風オーブン中で5分間乾燥する。処理したフィルム
サンプルの一端を固定して吊り下げた時に、固定した一
端からフィルムの最下部までの距離をL(mm)とし、
次式よりカール回復率を求めた。
【0067】(L−10)×100/140
【0068】(9)水蒸気透過率 JIS−Z208に従い40℃・90%RHの条件で測
定した値で、g/m2・24hr/0.1mm単位で表
わす。
【0069】
【実施例】次に本発明を実施例によってさらに詳細に説
明する。
【0070】実施例1 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル70重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメ
チル5重量部に酢酸カルシウム0.1重量部および三酸
化アンチモン0.03重量部を添加し、常法によりエス
テル交換反応を行なった。得られた生成物にリン酸トリ
メチルエステル0.05重量部を添加し、徐々に昇温、
減圧し、最終的に280℃、1mmHg以下で重合を行
ない固有粘度IV=0.65の共重合ポリエステルAを
作成した。
【0071】テレフタル酸ジメチル100重量部、エチ
レングリコール70重量部、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸ジメチル8重量部、平均分子量4000のポリ
テトラメチレングリコール10重量部に、酢酸カルシウ
ム0.1重量部および三酸化アンチモン0.03重量部
を添加し、ポリエステルAと同様にして固有粘度IV=
0.85の共重合ポリエステルBを得た。
【0072】ポリエステルを常法で乾燥した後、2基の
押出機と2層溶融共押出が可能な口金を備えた二軸延伸
製膜機を用い、一方の押出機にポリエステルAを、他方
の押出機にポリエステルBを供して、280℃で溶融
し、A/Bの2層の共押出しを行ない、未延伸フィルム
を作成した。次いで、85℃で縦方向に3.5倍、90
℃で横方向に3.5倍逐次延伸した後、215℃で5秒
間熱固定して厚さ100μmの二軸延伸フィルムを得
た。A/Bの厚さは、65μm/35μmとなった。
【0073】実施例2 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル70重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメ
チル3重量部、ダイマー酸ジメチル5重量部を用いて実
施例1と同様にして固有粘度IV=0.75のポリエス
テルAを作成した。
【0074】また、テレフタル酸ジメチル100重量
部、エチレングリコール70重量部、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸ジメチル8重量部、平均分子量400
0のポリε−カプロラクトン10重量部を用いて実施例
1と同様にして、固有粘度IV=0.75のポリエステ
ルBを作成した。
【0075】B/A/Bの3層の共押出しを行ない、未
延伸フィルムを作成した。次いで、80℃で縦方向に
3.5倍、90℃で横方向に3.5倍逐次延伸した後、
205℃で5秒間熱固定して厚さ100μmの二軸延伸
フィルムを得た。B/A/Bの厚さは、15μm/70
μm/15μmとなった。
【0076】実施例3 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル70重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメ
チル3重量部、ダイマー酸ジメチル3重量部を用いて、
実施例1と同様に作成し、固有粘度IV=0.75のポ
リエステルAを得た。
【0077】テレフタル酸ジメチル100重量部、エチ
レングリコール70重量部、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸ジメチル10重量部、ダイマー酸ジメチル10
重量部を用いて実施例1と同様に作成し、固有粘度IV
=0.85のポリエステルBを得た。
【0078】B/A/Bの3層の共押出しを行ない、未
延伸フィルムを作成した。次いで、85℃で縦方向に
3.5倍、90℃で横方向に3.5倍逐次延伸した後、
215℃で5秒間熱固定して厚さ100μmの二軸延伸
フィルムを得た。B/A/Bの厚さは、15μm/70
μm/15μmとなった。
【0079】実施例4 ポリエステルAとして固有粘度IV=0.90のポリエ
チレン−2,6−ナフタレートを作成し、ポリエステル
Bとして、実施例3のポリエステルBと同等のポリエス
テルを作成した。
【0080】B/A/Bの3層の共押出しを行ない、未
延伸フィルムを作成した。次いで、95℃で縦方向に
3.6倍、100℃で横方向に3.5倍逐次延伸した
後、220℃で5秒間熱固定して厚さ100μmの二軸
延伸フィルムを得た。B/A/Bの厚さは、30μm/
40μm/30μmとなった。
【0081】実施例5 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル70重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメ
チル8重量部、平均分子量4000のポリエチレングリ
コール5重量部、アジピン酸ジメチル5重量部に酢酸カ
ルシウム0.1重量部および三酸化アンチモン0.03
重量部を添加して固有粘度IV=0.80の共重合ポリ
エステルBを作成し、更にフィルム化し、85℃で縦方
向に3.6倍、90℃で横方向に3.8倍逐次延伸した
後、190℃で5秒間熱固定して厚さ100μmの二軸
延伸フィルムを得た。
【0082】比較例1 常法により固有粘度IV=0.65のポリエチレンテレ
フタレートを作成し、更にフィルム化し、90℃で縦方
向に3.5倍、95℃で横方向に3.5倍逐次延伸した
後、220℃で5秒間熱固定して厚さ100μmの二軸
延伸フィルムを得た。
【0083】比較例2 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル70重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメ
チル10重量部、平均分子量4000のポリエチレング
リコール10重量部に、酢酸カルシウム0.1重量部お
よび三酸化アンチモン0.03重量部を添加して固有粘
度IV=0.80の共重合ポリエステルを作成し、更に
フィルム化し、85℃で縦方向に3.3倍、90℃で横
方向に3.5倍逐次延伸した後、180℃で5秒間熱固
定して厚さ100μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0084】比較例3 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル70重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメ
チル10重量部、アジピン酸ジメチル10重量部に、酢
酸カルシウム0.1重量部および三酸化アンチモン0.
03重量部を添加して固有粘度IV=0.80の共重合
ポリエステルを作成し、更にフィルム化し、85℃で縦
方向に3.6倍、90℃で横方向に3.8倍逐次延伸し
た後、200℃で5秒間熱固定して厚さ100μmの二
軸延伸フィルムを得た。
【0085】比較例4 ポリエステルAとして固有粘度IV=0.65のポリエ
チレンテレフタレートを作成した。また、テレフタル酸
ジメチル100重量部、エチレングリコール70重量
部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル2重量
部、アジピン酸ジメチル3重量を用いて、実施例1と同
様にして、固有粘度IV=0.75のポリエステルBを
得た。
【0086】表1、表2、表3に実施例1〜実施例5、
比較例1〜比較例4およびTACフィルムの物性を示
す。実施例においては、機械的特性、熱寸法安定性、吸
水速度、カール回復率に優れ、写真感光材料として有用
なフィルムが得られた。また、比較例1および比較例3
は吸水性が悪く、巻き癖は回復せず、比較例2では、比
較例1や比較例3よりは良好であるものの吸水速度が不
十分であり、やや卷き癖回復性に劣り、機械的強度や熱
寸法安定性が不十分であった。
【0087】
【表1】
【表2】
【表3】
【0088】
【発明の効果】本発明のポリエステルフィルムは、透明
性、吸水性、機械的特性、耐熱性に優れており、写真感
光材料の支持体またはカバー層として利用する場合、従
来のTACフィルムより薄膜化が可能となり、撮影装置
の小型化、巻出しの高速化等を実現することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29L 7:00 4F 9:00 4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水蒸気透過率が15.0g/m2 ・24
    hr/0.1mm以下であり、かつ含水率が1.5重量
    %以下であり、さらにカール回復率が70%以上である
    ことを特徴とするポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリエステルフィルム
    を支持体として、該ポリエステルフィルム上に少なくと
    も1層の写真感光性層を有してなることを特徴とする写
    真感光材料。
JP4298716A 1992-11-09 1992-11-09 ポリエステルフィルムおよび写真感光材料 Pending JPH06145376A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4298716A JPH06145376A (ja) 1992-11-09 1992-11-09 ポリエステルフィルムおよび写真感光材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4298716A JPH06145376A (ja) 1992-11-09 1992-11-09 ポリエステルフィルムおよび写真感光材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06145376A true JPH06145376A (ja) 1994-05-24

Family

ID=17863359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4298716A Pending JPH06145376A (ja) 1992-11-09 1992-11-09 ポリエステルフィルムおよび写真感光材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06145376A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001011208A (ja) * 1999-06-25 2001-01-16 Teijin Ltd 包装用フィルム、包装袋および医薬品用包装袋
JP2001011209A (ja) * 1999-06-28 2001-01-16 Teijin Ltd 包装用フィルム、包装材および包装袋
US7718104B2 (en) 2001-12-12 2010-05-18 Dupont Teijin Films Us Ltd. Process for the production of brittle polymeric film
JP2020045483A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 東洋紡フイルムソリューション株式会社 ポリエステル組成物、ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001011208A (ja) * 1999-06-25 2001-01-16 Teijin Ltd 包装用フィルム、包装袋および医薬品用包装袋
JP2001011209A (ja) * 1999-06-28 2001-01-16 Teijin Ltd 包装用フィルム、包装材および包装袋
US7718104B2 (en) 2001-12-12 2010-05-18 Dupont Teijin Films Us Ltd. Process for the production of brittle polymeric film
US8530045B2 (en) 2001-12-12 2013-09-10 DuPont Teijin Films U.S. Ltd. Brittle polymeric film and tamper evident labels made therefrom
JP2020045483A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 東洋紡フイルムソリューション株式会社 ポリエステル組成物、ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
US11708488B2 (en) 2018-09-14 2023-07-25 Toyobo Co., Ltd. Polyester composition, polyester film, and magnetic recording medium

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0568268A2 (en) Support for photographic material
US5215825A (en) Polyester film and photosensitive material
US5270160A (en) Polyester film and photosensitive material
JPH06145376A (ja) ポリエステルフィルムおよび写真感光材料
JPH06266288A (ja) ポリエステルフイルムを基材とするラベル
JP3183424B2 (ja) ポリエステルフィルムおよび写真感光材料
JP3627190B2 (ja) ポリエステルフィルムおよび写真感光材料
JP2982311B2 (ja) 帯電防止性ポリエステルフイルム
KR100407531B1 (ko) 폴리에틸렌나프탈레이트공중합체로이루어진이축배향필름
JP3291922B2 (ja) 延伸ポリエステルフィルム
JPH0531804A (ja) ポリエステルフイルム
JPH04235036A (ja) ポリエステルフイルム及び写真感光材料
JP3136717B2 (ja) ポリエステルフイルム及び写真感光材料
EP1434087A2 (en) A multilayer photographic film base and an imaging element made of said base
JP3082246B2 (ja) 写真感光材料用ポリエステルフィルム及び写真感光材料
JP3493207B2 (ja) 写真用支持体
JP3047476B2 (ja) 積層ポリエステルフイルム及び写真感光材料
JP3041376B2 (ja) 写真用支持体
JP3242735B2 (ja) 写真感光材料用フイルム
JPH07159926A (ja) 写真感光材料用ポリエステルフィルム
JPH0892390A (ja) 写真用ポリエステルフィルム
JP3390795B2 (ja) 写真用支持体
JPH0756275A (ja) 写真感光材料用積層ポリエステルフイルム
JPH06161035A (ja) 写真用支持体
JP2004209953A (ja) 積層ポリエステルフイルムの製造法