JPH06145083A - 無水エタノールの製造方法 - Google Patents

無水エタノールの製造方法

Info

Publication number
JPH06145083A
JPH06145083A JP4315624A JP31562492A JPH06145083A JP H06145083 A JPH06145083 A JP H06145083A JP 4315624 A JP4315624 A JP 4315624A JP 31562492 A JP31562492 A JP 31562492A JP H06145083 A JPH06145083 A JP H06145083A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethanol
azeotropic
weight
water
line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4315624A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2571743B2 (ja
Inventor
Hirotaka Saitou
熹敬 斎藤
Katsuhisa Uchida
勝久 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON GOSEI ARCO LE KK
NIPPON GOSEI ARCO-LE KK
Original Assignee
NIPPON GOSEI ARCO LE KK
NIPPON GOSEI ARCO-LE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON GOSEI ARCO LE KK, NIPPON GOSEI ARCO-LE KK filed Critical NIPPON GOSEI ARCO LE KK
Priority to JP4315624A priority Critical patent/JP2571743B2/ja
Publication of JPH06145083A publication Critical patent/JPH06145083A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2571743B2 publication Critical patent/JP2571743B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/10Process efficiency

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、設備の建設コストが安価で、省エ
ネルギの要求にも合致し、しかも生産性が高く大規模生
産にも適した低含水率の無水エタノールの製造方法を提
供することを目的とする。 【構成】この発明に於いては、共沸組成近くの含水エタ
ノールを濃縮して無水エタノールを製造する方法におい
て、前記含水エタノールを水選択透過膜を用いる膜分離
法によりエタノール濃度95.5重量%以上99.0重
量%未満に濃縮し、次いで濃縮されたエタノールを共沸
剤を用いる三成分系共沸蒸留法によって更に濃縮し、エ
タノール濃度99.5重量%以上の無水エタノールを得
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、共沸組成近くの含水
エタノールから無水エタノールを製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】エタノール/水の混合物は共沸点を有し
ているため、通常の蒸留法では共沸組成(エタノール濃
度95.3重量%)以上には濃縮できないので、従来、
共沸組成近くの含水エタノールから無水エタノールを製
造する方法としては、共沸剤を用いる三成分系共沸蒸留
法が広く行われていた。三成分系共沸蒸留法は共沸剤の
添加により水の比揮発度が上昇し、99.5重量%以上
の低含水率の無水エタノールが容易に得られるので、比
較的大容量のエタノール処理に対して実施されている
が、三成分系共沸蒸留法は多量の塔頂液の還流を必要と
するため、それだけ多量のエネルギーを消費するので運
転コストがかかるという欠点があった。
【0003】最近、アルコール類の脱水法としてより省
エネルギーである膜分離法、例えば浸透気化法(パーベ
ーパレーション法)あるいは蒸気分離法(ベーパーパー
ミエーション法)による脱水方法が研究され提案されて
いる(特開昭63−175602号、特公平2−343
29号)。膜分離法は高性能分離膜を用いることにより
選択的に水を分離するものであるので、省エネルギーと
なるが、膜透過の駆動力は分離膜を介して一次側(高圧
側)と二次側(低圧側)の活量差、即ち、パーベーパレ
ーション法の場合は、各成分の蒸気圧差、ベーパーパー
ミエーション法の場合は各成分の分圧差であるため、例
えば、イソプロパノールを用いた膜分離法の脱水では、
イソプロパノール濃度99.0重量%以上に濃縮しよう
とすると、指数関数的に必要膜面積が増大するので、そ
れだけ膜モジュールを多く装備する必要がある。勿論、
含水エタノールの膜分離法による脱水の場合でも同様の
傾向を示すことが知られている。
【0004】その結果、膜分離法による含水エタノール
の脱水濃縮においては、エタノール濃度99.0重量%
以上、特に99.5重量%以上に濃縮しようとすると、
高価な膜モジュールをそれだけ指数関数的に増設しなけ
ればならない問題があった。そればかりか、膜分離装置
においては処理量と必要膜面積とは比例関係にあるの
で、大規模処理装置の場合の建設コストは、蒸留装置の
ようにスケールアップ効果がないから、それだけ高価に
なるという欠点があるため、含水エタノールから99.
5重量%以上の低含水率の無水エタノールを製造する場
合や大規模工業では膜分離法はほとんど採用されていな
い。
【0005】また、共沸点を有する液体混合物をパーベ
ーパレーション法で共沸組成以上に濃縮させた後、共沸
剤を用いない二成分系蒸留により濃縮する方法も提案さ
れている(特開昭54−33279号、特開昭63−4
807号、特開昭63−4826号)。この方法は、膜
分離法だけで完全分離を行わないので、高価な膜モジュ
ールを多く装備する必要がなく、それだけ建設コストが
安価となり大容量処理にも対応できるという利点がある
が、無水エタノールの製造には適用することができな
い。即ち、図2に示すように、例えば、イソプロパノー
ル/水系の気液平衡曲線(図2の破線)は共沸組成B近
傍を除けば対角線と離れており、液組成とそれに対応す
る蒸気組成がそれだけ異なっているので、水のイソプロ
パノールに対する比揮発度が大きいことになるから、共
沸組成以上に膜分離法で濃縮させれば、引き続き二成分
系の蒸留法によりイソプロパノールと水とは分離するこ
とができるが、エタノール/水系の気液平衡曲線(図2
の実線)は、エタノール濃度が共沸組成Aより低いとこ
ろでは対角線より大きく離れており蒸留法による分離に
は好適であるが、共沸組成以上の高エタノ−ル濃度部分
では液組成とそれに対応する蒸気組成はほとんど変わら
ず、水のエタノールに対応する比揮発度はほとんど1で
あるので、エタノールの場合二成分系蒸留では実用上ほ
とんど濃縮できないからである。
【0006】それ故、エタノール製造工業においては、
99.5重量%以上の低含水率の無水エタノールを製造
する場合は、依然として共沸剤を用いる三成分系共沸蒸
留法が採用されているのが現状である。しかしながら、
三成分系共沸蒸留法は、共沸蒸留塔の設計において、共
沸蒸留塔の容量(塔径、塔高、段間隔)の余裕は通常の
蒸留塔設計の場合より更に余裕をもって設計製作する必
要があり、そのためこの共沸蒸留塔はそれだけ大きくな
り建設コストが増大する欠点があった。このように、従
来の無水エタノールの製造法は、いずれも生産性、装置
の建設コスト、製造コスト等の点で未だ充分に満足すべ
きものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な事情に鑑みなされたものであり、設備の建設コストが
安価で、省エネルギの要求にも合致し、しかも生産性が
高く大規模生産にも適した低含水率の無水エタノールの
製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、共沸剤を
用いる三成分系蒸留塔設計における蒸留塔容量の余裕を
大きく取らなければならない化学工学的理由を詳細に検
討した結果、エタノールの脱水の際三成分系共沸蒸留塔
の原料含水エタノール供給段付近で著しい泡立ち現象が
発現し、これが蒸留塔容量の余裕を大きく取る理由であ
ることを見出した。この泡立ちを抑制する方法として消
泡剤を注入することも考えられるが、消泡剤により製品
無水エタノールが汚染されるので、到底使用できない。
そこで種々探求の末、泡立ちの大きさは水分量に関係
し、特に原料含水エタノール濃度95.5重量%以下の
供給濃度では泡立ちは急激に増大し蒸留塔内バランスを
崩すことをつきとめると共に、膜分離法では99.0重
量%までは、省エネルギーでしかも工業的に支障なく実
施できることに着目し、膜分離法と三成分系共沸蒸留法
とを併用することによって、建設コストが安価で、省エ
ネルギの要求にも合致し、しかも高い生産性で低含水率
の無水エタノールが容易に製造できることを見出し、本
発明に到達した。
【0009】即ち、本発明は、共沸組成近くの含水エタ
ノールを濃縮して無水エタノールを製造する方法におい
て、前記含水エタノールを水選択透過膜を用いる膜分離
法によりエタノール濃度95.5重量%以上99.0重
量%未満に濃縮し、次いで濃縮されたエタノールを共沸
剤を用いる三成分系共沸蒸留法によって更に濃縮し、エ
タノール濃度99.5重量%以上の無水エタノールを得
ることを特徴とする。
【0010】次に、本発明の無水エタノールの製造方法
を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一例を示す
フロー図である。共沸組成近くの原料含水エタノール
は、ライン1から導入され、熱交換器E1、加熱器E2
で順次加熱されて、膜モジュールMに供給される。本発
明に使用する共沸組成近くの含水エタノールとしては、
エタノール濃度80.0重量%以上95.3重量%未
満、好ましくは90.0重量%以上95.3重量%未満
の含水エタノールが好適に使用される。これら原料は、
一般的には蒸留法で濃縮された燃料グレード或は試薬グ
レードの含水エタノールが好適に用いられる。勿論、近
年開発された膜分離法、例えば、エタノール選択透過膜
を用いた膜分離法或は膜蒸留法で濃縮された含水エタノ
ールでも差し支えない。
【0011】含水エタノールは、膜モジュールMがパー
ベーパレーション法の場合は、加熱された液で供給し、
膜モジュールMがベーパ−パーミエ−ション法の場合
は、加熱された蒸気で供給する。膜モジュールMは、所
望の濃縮度合に応じて直列或は並列の多段の膜モジュー
ルが用いられる。
【0012】供給された原料含水エタノールは、膜モジ
ュールMでエタノール濃度95.5重量%以上99.0
重量%未満、好ましくは96.0重量%以上98.5重
量%未満に濃縮し、ライン2から三成分系共沸蒸留塔T
1中段に供給する。三成分系共沸蒸留塔に供給するエタ
ノール濃度を95.5重量%未満で実施すると、膜モジ
ュールの必要膜面積は少なくすることができるので、そ
れだけ膜モジュールの設備費は安価となるが、三成分系
共沸蒸留塔の供給段付近の泡立ちが激しくなり、塔内の
バランスを崩し目的とする無水エタノールが得られなく
なるので、エタノールの供給量を減らすか或は予め大容
量の三成分系共沸蒸留塔を設備する必要があるから、結
局、安価で省エネルギーなプロセスとならず、本発明の
目的は達成し得ない。また、三成分系共沸蒸留塔に供給
するエタノール濃度を99.0重量%以上にすると、膜
モジュールの必要膜面積が膨大となり、経済性がないの
で同様に本発明の目的を達成し得ない。
【0013】三成分系共沸蒸留塔に供給するエタノール
は、必要に応じて熱交換器を用いて熱回収した後、三成
分系共沸蒸留塔に供給してもよい。真空ポンプPで減圧
にされている膜モジュールMの二次側には、主として水
の蒸気が分離される。二次側で分離された蒸気は、ライ
ン3を通ってコンデンサーE3で冷却液化させ、透過液
タンクD1に補集されライン4から抜き出される。この
透過液中には少量のエタノールが含まれているので、回
収塔T2或はデカンターD2に供給し、エタノールは回
収される。勿論、ライン1から供給される原料含水エタ
ノールを製造するための蒸留装置等(図示せず)で回収
してもよい。これらエタノールの回収方法については特
に限定されない。共沸剤は、ライン9からデカンターD
2、ライン6を通って三成分系共沸蒸留塔T1の塔頂に
還流液と一緒に供給され、T1の塔頂にエタノール/水
/共沸剤三成分系共沸混合物を作らせる。共沸剤は、例
えば、ベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、ノルマルヘキサン、ノルマルペンタン、トルエン、
ジエチルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル
等が好適に用いられる。本発明では、共沸剤については
特に限定されない。
【0014】三成分系共沸蒸留塔T1塔頂の三成分系共
沸混合物蒸気は、ライン5から抜き出され、凝縮器E5
で冷却液化され、デカンターD2に導かれる。デカンタ
ーD2で有機層(上層)と水層(下層)に分離させ、上
層はライン6を通ってT1塔頂に還流させる。共沸剤の
種類によっては、上層の一部をT1原料供給段に戻す場
合もある。下層はライン8から回収塔T2中段に導かれ
る。共沸剤の種類によっては、T1塔内の組成分布を安
定させるため、下層の一部はライン7からT1塔頂に還
流させることもある。本発明では、D2の上層及び下層
の抜き出し方法は特に限定されない。
【0015】三成分系共沸蒸留塔T1塔底液は、リボイ
ラーE4で加熱蒸発させてエタノールを濃縮させる。T
1塔底液の一部をライン10から熱交換器E1で熱回収
し、必要に応じて冷却器(図示せず)で冷却し、99.
5重量%以上、好ましくは99.8重量%以上の製品無
水エタノールを流出させる。回収塔T2に導かれたデカ
ンターD2下層液は、T2塔頂に共沸剤とエタノールを
濃縮させ、ライン11から凝縮器E6で冷却液化させ、
T2塔頂に還流させる。T2塔頂でエタノール/水/共
沸剤の三成分系共沸混合物を形成させる場合は、T2塔
頂混合物の一部はライン12から凝縮器E5を通ってデ
カンターD2に導入する。共沸剤の種類によっては、T
2塔頂混合物がエタノールリッチとなることがあるの
で、その場合は、ライン13から抜き出し、T1供給ラ
イン2に導入する。本発明では、T2塔頂混合物の抜き
出し方法は特に限定されない。
【0016】回収塔T2塔底液には、ライン14からス
チームを直接吹き込んで加熱蒸発させ、T2塔底に水を
濃縮させる。T2塔底液の加熱方法は、リボイラーを用
いることによってもできるが、本発明では特に限定され
ない。T2塔底液の一部はライン15から抜き出し排出
する。共沸剤の種類によっては、T2塔底液は共沸剤を
含まないエタノール水溶液とすることもできる。この場
合は、原料含水エタノールを製造するための蒸留装置等
でエタノールを回収してもよい。本発明では、T2塔底
液の回収方法は特に限定されない。
【0017】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら説明する。エタノール濃度94.0重量%の含水エタ
ノールを、ライン1から熱交換器E1、加熱器E2を介
してポリビニルアルコール系水選択透過膜450m2
りなる膜モジュールMの一次側に、温度95℃で438
1kg/h供給し、エタノール濃度97.0重量%まで
濃縮させた。この時、パーベーパレーションで加熱用に
使用されたスチーム量は687kg/hであった。真空
ポンプPで15mmHgに減圧されている膜モジュールM
の二次側に透過してきた主として水からなる蒸気は、コ
ンデンサーE3で冷却液化され、透過液ドラムD1に捕
集し回収した。透過液中のエタノール濃度は、3.21
重量%、透過量は140.3kg/hであった。
【0018】膜モジュールMの一次側から流出したエタ
ノール濃度97.0重量%の含水エタノールを、ライン
2から、予めライン9からノルマルペンタンを仕込んで
ある共沸蒸留塔T1の中段に、4240.7kg/hで
供給した。T1のリボイラーE4に圧力2.0kg/c
2Gのスチームを2451kg/hで供給し、T1塔
頂にエタノール/水/ノルマルペンタンの三成分系共沸
混合物蒸気を形成させ、該共沸混合物蒸気をライン5か
ら凝縮器E5に導入して冷却し、デカンターD2に導き
ノルマルペンタン層(上層)と水層(下層)とに分離さ
せ、上層液は全量ライン6からT1塔頂に還流させた。
下層液はライン8から、回収塔T2に供給した。下層液
組成は、エタノール62.04重量%、水33.13重
量%,ノルマルペンタン4.83重量%であった。T1
塔底液はライン10から抜き出し、熱交換器E1で冷却
したのち、エタノール濃度99.98重量%の製品無水
エタノールとして3877.6kg/hで流出させた。
【0019】回収塔T2の塔底に、圧力2.0kg/c
2Gのスチームをライン14から直接67kg/hで
吹き込み加熱し、T2塔頂にエタノール/水/ノルマル
ペンタンの三成分系共沸混合物蒸気を形成させ、該混合
物蒸気はライン11を通って凝縮器E6で冷却させT2
塔頂に還流させた。T2塔頂蒸気の一部はライン12か
ら凝縮器E5を介してデカンターD2に導入した。T2
塔底液は、エタノール濃度55.03重量%水溶液とし
て、ライン15から430.1kg/h流出させ回収し
た。
【0020】この運転状態で共沸蒸留塔T1の塔内液を
サンプリングし、泡立ち試験器を用いて形成される泡高
さを測定した。測定結果を後記表−1に示す。この泡高
さから、T1は97.0重量%エタノールを通常のエタ
ノール三成分系共沸蒸留法の2倍量供給しても、供給段
における泡高さは、本蒸留塔において安定運転可能な3
00mm以下となり余裕があることと、T1塔頂への還
流量とから、充分安定運転できることがわかった。ま
た、この時のスチーム原単位は、0.65トン/キロリ
ットルであり、後記比較例1に比べて38%以上スチー
ム使用量を削減することができた。
【0021】
【比較例1】実施例で使用した三成分系共沸蒸留システ
ムだけを使用して、含水エタノールを濃縮した。エタノ
ール濃度94.0重量%の含水エタノールを、ライン1
から熱交換器E1、バイパスライン16を介して、共沸
蒸留塔T1の中段に4381kg/hで供給した。T1
塔底のリボイラーE4に圧力2.0kg/cm2Gのス
チームを4740kg/hで供給してT1塔底液を加熱
し、実施例と同様に、T1塔頂にエタノール/水/ノル
マルペンタンの三成分系共沸混合物を形成させた。T1
塔底液は、ライン10から抜き出し、熱交換器E1で冷
却したのち、エタノール濃度99.98重量%の製品無
水エタノールとして3630.3kg/hで流出させ
た。
【0022】回収塔T2の塔底に圧力2.0kg/cm
2Gのスチームを、ライン14から直接140kg/h
で吹き込み加熱し、T2塔頂にエタノール/水/ノルマ
ルペンタンの三成分系共沸混合物蒸気を形成させ、該混
合物蒸気をライン11を通って凝縮器E6で冷却させ、
T2塔頂に還流させた。T2塔頂蒸気の一部は、ライン
12から凝縮器E5を介してデカンターD2に導入し
た。T2塔底液は、エタノール濃度54.81重量%水
溶液として、ライン15から890.7kg/h流出さ
せ回収した。
【0023】実施例と同様に、この運転状態でT1の塔
内液をサンプリングし、泡立ち試験器を用いて形成され
る泡高さを測定した。結果を次表−1に併記した。この
泡高さから、供給段における泡高さは290mmと、本
蒸留塔において安定運転可能な300mmに近く、ほぼ
装置能力いっぱいであることがわかった。この時のスチ
ーム原単位は、1.06トン/キロリットルであった。
【0024】
【表ー1】
【0025】
【比較例2】実施例で使用したパーベーパレーションシ
ステムだけを使用して、含水エタノールを濃縮した。エ
タノール濃度94.0重量%の含水エタノールを、ライ
ン1から熱交換器E1、加熱器E2を介して450m2
の水選択透過膜からなる膜モジュールMの一次側に供給
した。膜モジュールMの一次側の流出物はバイパスライ
ン17を通って熱交換器E1で供給液と熱交換され、製
品無水エタノールとして流出させた。含水エタノールの
供給量を低下させ、455kg/hとした時に始めてエ
タノール濃度99.98重量%の無水エタノールが42
4.9kg/hで得られた。膜モジュールの二次側には
エタノール濃度9.63重量%の透過液が30.1kg
/h流出した。加熱に要した圧力2.0kg/cm2
のスチーム使用量は263kg/hであり、スチーム原
単位は、0.50トン/キロリットルであったが、無水
エタノールの生産能力は実施例の11%であっった。実
施例と同一生産能力を維持するには、膜モジュールの所
要膜面積を4100m2程度にする必要があり、実施例
と比較すると、9.1倍余計に膜モジュールを増設する
必要がある。
【0026】
【効果】本発明によれば、三成分系共沸蒸留法による従
来のエチルアルコールの製法と比べて、泡高さを著しく
低くすることができるので、既存の共沸蒸留装置を廃棄
することなく、有効利用しながら処理能力の倍増が可能
であり、低含水率の無水エタノールが多量に容易に得ら
れるほか、膜分離法単独処理の場合と比較すると1/1
0〜1/5程度の建設コストで済むと共に、従来のエチ
ルアルコールの三成分系共沸蒸留法と比較して、スチー
ム原単位は1/2〜2/3程度まで低減可能であり、そ
れだけラニングコストが安価となる等、従来のこの種無
水エタノールの製造方法と比べて著しく顕著な効果を奏
する。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すフロー図である。
【図2】アルコール/水系のX−Y線図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共沸組成近くの含水エタノールを濃縮して
    無水エタノールを製造する方法において、前記含水エタ
    ノールを水選択透過膜を用いる膜分離法によりエタノー
    ル濃度95.5重量%以上99.0重量%未満に濃縮
    し、次いで濃縮されたエタノールを共沸剤を用いる三成
    分系共沸蒸留法によって更に濃縮し、エタノール濃度9
    9.5重量%以上の無水エタノールを得ることを特徴と
    する無水エタノールの製造方法。
JP4315624A 1992-11-02 1992-11-02 無水エタノールの製造方法 Expired - Lifetime JP2571743B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4315624A JP2571743B2 (ja) 1992-11-02 1992-11-02 無水エタノールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4315624A JP2571743B2 (ja) 1992-11-02 1992-11-02 無水エタノールの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06145083A true JPH06145083A (ja) 1994-05-24
JP2571743B2 JP2571743B2 (ja) 1997-01-16

Family

ID=18067609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4315624A Expired - Lifetime JP2571743B2 (ja) 1992-11-02 1992-11-02 無水エタノールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2571743B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT513253B1 (de) * 2013-02-26 2014-03-15 Vogelbusch Biocommodities Gmbh Verfahren zum Trennen azeotrop siedender Flüssigkeitsgemische
AT513252B1 (de) * 2013-02-26 2014-03-15 Vogelbusch Biocommodities Gmbh Verfahren zum Trennen azeotrop siedender Flüssigkeitsgemische
AT513244A4 (de) * 2013-02-26 2014-03-15 Vogelbusch Biocommodities Gmbh Verfahren zum Trennen azeotrop siedender Flüssigkeitsgemische
JP2016030233A (ja) * 2014-07-29 2016-03-07 オルガノ株式会社 有機溶剤精製システム及び方法
JP2016131549A (ja) * 2015-01-22 2016-07-25 積水化学工業株式会社 エタノール合成方法及び装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5948427A (ja) * 1982-09-14 1984-03-19 Showa Denko Kk 無水エタノ−ルの製造方法
JPS634826A (ja) * 1986-06-25 1988-01-09 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 共沸蒸留装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5948427A (ja) * 1982-09-14 1984-03-19 Showa Denko Kk 無水エタノ−ルの製造方法
JPS634826A (ja) * 1986-06-25 1988-01-09 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 共沸蒸留装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT513253B1 (de) * 2013-02-26 2014-03-15 Vogelbusch Biocommodities Gmbh Verfahren zum Trennen azeotrop siedender Flüssigkeitsgemische
AT513252B1 (de) * 2013-02-26 2014-03-15 Vogelbusch Biocommodities Gmbh Verfahren zum Trennen azeotrop siedender Flüssigkeitsgemische
AT513244A4 (de) * 2013-02-26 2014-03-15 Vogelbusch Biocommodities Gmbh Verfahren zum Trennen azeotrop siedender Flüssigkeitsgemische
AT513252A4 (de) * 2013-02-26 2014-03-15 Vogelbusch Biocommodities Gmbh Verfahren zum Trennen azeotrop siedender Flüssigkeitsgemische
AT513253A4 (de) * 2013-02-26 2014-03-15 Vogelbusch Biocommodities Gmbh Verfahren zum Trennen azeotrop siedender Flüssigkeitsgemische
AT513244B1 (de) * 2013-02-26 2014-03-15 Vogelbusch Biocommodities Gmbh Verfahren zum Trennen azeotrop siedender Flüssigkeitsgemische
JP2016030233A (ja) * 2014-07-29 2016-03-07 オルガノ株式会社 有機溶剤精製システム及び方法
JP2016131549A (ja) * 2015-01-22 2016-07-25 積水化学工業株式会社 エタノール合成方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2571743B2 (ja) 1997-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4405409A (en) Method and apparatus for dehydrating mixtures of organic liquids and water
CA1166595A (en) Method of producing ethanol-water azeotrope from crude ethanol
JP5369765B2 (ja) 醗酵アルコールの精製処理方法
CN108794371B (zh) 一种n-甲基吡咯烷酮产品的精制方法
TWI630948B (zh) 水溶性有機物之濃縮方法及水溶性有機物之濃縮裝置
CN104470879B (zh) 用于生产甲基丁炔醇的方法
US2350584A (en) Furfural purification method
CN110922302B (zh) 一种燃料乙醇双负压粗馏塔差压蒸馏脱水生产工艺
JPS6042210B2 (ja) 無水エタノ−ルの製造方法
JPH07227517A (ja) 液体混合物の分離方法
CN114456039A (zh) 一种隔壁塔式异丙醇溶液分子筛膜精馏分离与净化方法
JPH06145083A (ja) 無水エタノールの製造方法
JPS6054294B2 (ja) 酢酸の精製方法
JPS6261006B2 (ja)
KR101686278B1 (ko) 알칸올의 정제 장치
US20240042343A1 (en) Production system, production method and application of general-purpose high-purity chemicals
CN105218342B (zh) 一种环己醇脱氢生产环己酮的工艺方法
CN109771980B (zh) 一种分离2-戊酮、4-庚酮、水和二氧化碳混合物的非均相共沸精馏方法
US4153516A (en) Process for separating alkoxyketone compounds from the corresponding 1-alkoxy-2-alkanol compound
US2690992A (en) Formaldehyde distillation by use of ethers
JP7037993B2 (ja) ギ酸の回収方法
KR101842095B1 (ko) 아세트산 정제 공정 및 장치
JPH06277402A (ja) 共沸混合物の分離方法及びその分離装置
JPH06287153A (ja) 無水エタノールの製造方法
CN206033625U (zh) 一种用于包装印刷行业乙酸乙酯废液脱水去醇的精制装置