JPH06144822A - 高純度微細シリコン粒子の製造方法及び高純度微細シリコン粒子を用いた高純度多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents

高純度微細シリコン粒子の製造方法及び高純度微細シリコン粒子を用いた高純度多結晶シリコンの製造方法

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JPH06144822A
JPH06144822A JP31634892A JP31634892A JPH06144822A JP H06144822 A JPH06144822 A JP H06144822A JP 31634892 A JP31634892 A JP 31634892A JP 31634892 A JP31634892 A JP 31634892A JP H06144822 A JPH06144822 A JP H06144822A
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Yoshinori Komatsu
善徳 小松
Masaaki Ishii
正明 石井
Kazutoshi Takatsuna
和敏 高綱
Yasuhiro Saruwatari
康裕 猿渡
Ikutaro Morikawa
育太郎 森川
Nobuhiro Ishikawa
延宏 石川
大助 ▲廣▼田
Daisuke Hirota
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Tonen Chemical Corp
Toagosei Co Ltd
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Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
Toagosei Co Ltd
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    • C01B33/02Silicon
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属不純物含有量が極めて少ない高純度シリコ
ン微細粒子の簡便な製造方法を提供する。 【構成】シリコン微細粒子を酸洗浄工程に付すことによ
って洗浄し高純度シリコン微細粒子を製造する方法にお
いて、該酸洗浄工程が、フッ化水素酸と硝酸を同時に用
いる洗浄工程を含むことを特徴とする高純度微細シリコ
ン粒子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコン微細粒子を洗浄
し、高純度シリコン微細粒子を製造する方法に関し、ま
たこのようにして得られた高純度シリコン微細粒子を種
シリコンとして使用し、流動層法で高純度多結晶シリコ
ンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多結晶シリコンは、ハロゲン化シ
ランやモノシラン等のシラン化合物の熱分解によりシリ
コン棒上にシリコン析出させる、いわゆるジーメンス法
で主として製造されてきた。この方法は、シラン化合物
を熱分解し、通電加熱したシリコン棒上にシリコンを析
出させるものである。ハロゲン化シランの場合、シリコ
ン棒は抵抗加熱で約1100〜1200℃に加熱され、
その上にシラン化合物の熱分解により生成したシリコン
が析出されるが、石英ガラス製ベルジャー型反応器の内
壁は、約300℃に冷却され、内壁へのシリコン析出が
防止されている。そのため、この方法は、加熱に要する
エネルギーのほとんどが冷却により失われる熱損失の大
きいプロセスである。また、この方法では析出面積が小
さいために、時間当たりのシリコン生産性は少なく、こ
の点からも単位シリコン量の生産に要するエネルギー消
費量が多いという欠点を有している。更に、この方法
は、シリコン棒がある程度の太さになった時点で回収
し、別の新しいものと交換するバッチ式であり、大量生
産するためには設備を増やさなければならず、設備コス
トが大きいという不利な点を有する。
【0003】これらの欠点を克服するために、流動化さ
せた微細粒子上にシラン化合物含有ガスを接触させ、粒
子上にシリコンを析出させる方法が提案されている。こ
の方法によると、析出面積が大きく、エネルギーコスト
を低く押えることが出来、また連続的にシリコン粒子を
製造、回収できることから設備コストも低くできるとい
う利点がある。
【0004】以上のように流動層法による多結晶シリコ
ンの製造方法は、製造コスト上有利な点を有している
が、それに用いる純度の高い種シリコン粒子の製造が困
難であるという問題を有する。すなわち、ジーメンス
法、流動層法のどちらの方法も種シリコン上にシリコン
を析出させる方法であり、種シリコンの純度が製品純度
を左右する。ジーメンス法で用いる種シリコンは棒状で
あり不純物の除去は容易であるが、流動層法で使用する
種シリコンは微細粒子であり、不純物を含まない種シリ
コンを製造するのが容易ではない。従来、シリコン粗粒
子からシリコン微細粒子を得る方法としては、一般的に
はシリコン粗粒子を機械的に粉砕した後、ふるい分ける
方法が採られている。この場合、粉砕装置の種類、材質
にもよるが、装置材質の摩耗に伴う不純物の混入による
純度低下が起こるので、通常、塩酸/硝酸混合液や、水
/フッ化水素酸混合液による洗浄あるいは、アルカリ液
による洗浄が行われている。
【0005】しかし、この洗浄方法では、シリコン微細
粒子の平均粒径がたとえば1000μm以下のように細
かい場合、半導体用途に使用し得る高純度品が得られな
い問題があった。すなわち、鉄、クロム、ニッケル等の
不純物が数10ppb残留したり、アルカリ金属、アル
カリ土類金属等が数10ppb残留する。したがってこ
うして得られたシリコンを種シリコンに使用して流動層
法でシリコンを製造しても半導体用途に使用し得る高純
度製品は得られない。
【0006】従って、本発明の課題は、不純物である遷
移金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の不純
物含有量が極めて少ない高純度シリコン微細粒子の簡便
な製造方法を提供することにあり、更に別の目的はこの
ようにして得られる高純度シリコン微細粒子を種シリコ
ンとして使用し流動層法によって高純度多結晶シリコン
を工業的に有利に製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、洗浄方法としてフッ化
水素酸と硝酸を同時に用いる洗浄工程を含むことを必須
とするならば、あるいは従来使用されている塩酸/硝酸
混合液を用いる洗浄工程に、フッ化水素酸を用いる洗浄
工程とフッ化水素酸と硝酸を用いる洗浄工程を組み合わ
せた洗浄方法を採るならば、鉄、クロム、ニッケル等の
遷移金属、アルカ金属、アルカリ土類金属などの不純物
が充分に除去でき、高純度の微細シリコン粒子が得られ
ることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて
なされたものである。
【0008】すなわち、本発明によれば、シリコン微細
粒子を酸洗浄工程に付すことによって洗浄し高純度シリ
コン微細粒子を製造する方法において、該酸洗浄工程
が、フッ化水素酸と硝酸を同時に用いる洗浄工程を含む
ことを特徴とする高純度微細シリコン粒子の製造方法が
提供される。また、本発明によれば、流動層反応器にシ
ラン化合物を供給してシリコン粒子を流動化させながら
該粒子上にシリコンを化学蒸着して粒状の多結晶シリコ
ンを製造する方法において、前記シリコン粒子として、
前記の方法によって得られる高純度シリコン微細粒子を
用いることを特徴とする多結晶シリコンの製造方法が提
供される。
【0009】本発明で洗浄の対象となるシリコン微細粒
子としては、できる限り高純度品が好ましいが、一般的
には、不純物元素の合計含有重量が10wtppb程度
以下のものが用いられる。たとえばジーメンス法によっ
て得られるシリコン棒あるいはいわゆる流動層によって
得られる粒径200〜2000μm好ましくは300〜
2000μmの高純度シリコン粗大粒子を、粉砕機、た
とえば、ロールクラッシャー、ジョークラシャー、ハン
マーミル、コーンミルなどの粉砕機によって微細粒子化
して得られる、通常50〜1000μm、好ましくは1
00〜300μmの粒径を有するものが使用される。前
記したように、ジーメンス法あるいは流動層で得られる
高純度シリコン粗大粒子それ自体は不純物含有量の少な
いものであるが、この粗大粒子を機械的に粉砕処理する
場合、粉砕機の摩耗等により生じる金属微粉等の不純物
が混入し、粉砕粒子の純度が低下する。従って、このよ
うな粉砕粒子を種シリコン粒子として用いるには、その
不純物を除去することが必要になる。一方、このような
不純物を含む粉砕後のシリコン微細粒子を、従来の塩酸
/硝酸によって洗浄しても、半導体用途に使用し得る高
純度品が得られない。
【0010】これは、金属不純物がシリコン微細粒子の
表面部内に複雑に入り込んでいるために、通常の洗浄方
法では除去し得ないことによるものと思われる。本発明
者らの検討によれば、フッ化水素酸と硝酸を同時に用い
る洗浄工程を必須とするかあるいは(A)塩酸/硝酸混
合液による洗浄工程と、(B)フッ化水素酸による洗浄
工程及び(C)フッ化水素酸と硝酸による洗浄工程を組
み合わせると、半導体用途に耐え得る高純度のシリコン
微細粒子が得られることが知見された。この理由は現時
点では定かでないが、フッ化水素酸/硝酸の混合液はシ
リコン微細粒子と反応し、表面上のシリコンをフッ化珪
素として粒子外部に溶出させ得る機能を有するため、シ
リコン粒子表面に入り込んだ不純物がそのシリコンの溶
出とともに容易に粒子表面部から除去できるものと推定
される。
【0011】本発明におけるフッ化水素酸と硝酸を同時
に用いる洗浄工程は、フッ化水素酸をシリコン粒子に
添加し、撹拌しながらゆっくりと硝酸を添加する方法、
硝酸をシリコン粒子に添加し、撹拌しながらゆっくり
とフッ化水素酸を加える方法、フッ化水素酸/硝酸混
合物を撹拌したシリコン粒子に添加する方法のいずれの
方法によっても実施することができる。ただし、この反
応は発熱反応であり、急激に酸を添加した場合、急激な
沸騰が起こり、シリコン粒子が飛散するおそれがあるの
で酸の添加スピードに注意が必要である。
【0012】フッ化水素酸と硝酸を用いる洗浄工程にお
いて用いるフッ化水素酸と硝酸の割合は、HFとHNO
3のモル比換算で、1:0.005〜200、好ましく
は1:0.01〜100の範囲である。また、フッ化水
素酸と硝酸を別にしてシリコン粒子に添加する場合、フ
ッ化水素酸中のフッ化水素濃度は20〜50重量%、好
ましくは30〜50重量%である。一方、硝酸としては
濃硝酸、通常、HNO3濃度が30〜68重量%、好ま
しくは40〜68重量%のものが用いられる。また、フ
ッ化水素酸と硝酸との混合液の場合、混合液中のHF濃
度は、20〜50重量%、好ましくは30〜50重量%
であり、HNO3濃度は30〜68重量%、好ましくは
40〜68重量%である。また、その混合液中に含まれ
るHFとHNO3の割合は、前記の範囲に保持する。
【0013】本発明により微細シリコン粒子をフッ化水
素酸と硝酸を用いて洗浄する場合、そのシリコン粒子表
面からのシリコン溶出割合は、シリコン100g当り、
1〜15g、好ましくは2〜10gの範囲に規定するの
がよい。シリコン粒子表面からのシリコン溶出割合が前
記範囲より少ないと不純物除去効果が小さく、一方、前
記範囲より多くなっても、不純物除去効果の格別の向上
は得られない。
【0014】また、本発明においては、前記(A)〜
(C)に示される洗浄工程を組み合わせることにより、
さらに効果的に所期の目的を達成できる。本発明におけ
る各洗浄工程の実施の順番は特に制限されない。たとえ
ば、(A)塩酸/硝酸混合液による洗浄を行ない、つい
で(B)フッ化水素酸による洗浄をし、最後に(C)フ
ッ化水素酸と硝酸による洗浄を行なう方法でも、また
(C)フッ化水素酸と硝酸による洗浄を行ない、ついで
(A)塩酸/硝酸混合液による洗浄をし、最後に(B)
フッ化水素酸による洗浄を行なう方法等であっても構わ
ない。
【0015】本発明における(A)の塩酸/硝酸混合液
を用いる洗浄工程は、一般に王水と呼ばれるものをその
まま洗浄液剤として用いて実施し得るが、必要に応じ適
宜水で稀釈した希王水を用いて実施することができる。
本発明における(B)のフッ化水素酸洗浄工程は、通
常、濃度20〜50%、好ましくは30〜50%のフッ
化水素酸を用いて実施される。本発明における(C)の
フッ化水素酸と硝酸を用いる洗浄工程は前記と同様にし
て実施される。
【0016】本発明による前記洗浄方法を採用すること
により、不純物含量の少ない高純度のシリコン微細粒子
が得られる。具体的には金属不純物の合計含有量が10
wtppb以下、硼素、燐及び砒素の合計含有量が0.
5ppba以下、カーボンの含有量が0.2ppma以
下である高純度シリコン微細粒子を得ることが可能とな
る。なお、ppba及びppmaは、いずれも原子数基
準で表わしたppb及びppmである。また、本発明に
よれば、使用するシリコン微細粒子の粒径に応じて、5
0〜1000μm、好ましくは100〜300μmの高
純度シリコン微細粒子が得られる。
【0017】次に、前記のようにして得られた高純度シ
リコン微細粒子を用いて高純度多結晶シリコンを製造す
る方法を図1を参照して説明する。図1は流動層反応器
装置の説明図であり、1は流動層反応器、2はライナ
ー、3はシリコン粒子導入管、4はガス導入管、5はガ
ス分散板、6は加熱用ヒーター、7は製品シリコン粒子
抜き出し管である。図1において、先ず、前記洗浄法で
得た高純度シリコン粒子を導入管3よりライナー2が付
帯された流動層反応器1に充填する。次に、導入管4に
よって流動反応器1の底部より稀釈ガス(水素又は/及
び不活性ガス)と共にシラン化合物を導入し、前記充填
粒子を流動化するとともに、この流動化粒子を加熱用ヒ
ーター6で所定の温度に加熱する。反応器内に導入され
たシラン化合物は、流動層内で熱分解を起こし、その熱
分解により生成したシリコンが流動化粒子上に析出し、
粒子成長が起って流動層高が増してゆくため、前記洗浄
法で得られた種シリコンを導入管3より導入し、流動層
内の平均粒子径を一定に保つと共に、抜き出し管7より
製品粒子の一部を抜き出し、流動層高を一定に保つ。抜
き出し管7から得られる多結晶シリコン粒子は、不純物
元素含有量の少ない極めて高純度のものであり、半導体
製造用の原料として好適なものである。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0019】実施例1 アルミナ製ロールを使用したロールクラッシャーを用い
て、約5mm角の高純度シリコンを粉砕し、テフロン製
ふるいを用いてふるい分けし、粒径105μm〜350
μmの範囲のシリコンを得た。得られたシリコン粒子5
kgを100μmの目開きのテフロンふるい上で純水洗
浄した。洗浄後のシリコン粒子を十分に酸洗浄を行なっ
たテフロンビーカーに仕込んだ。50%フッ化水素酸を
5リットルを加えた後、メカニカルスターラーで撹拌し
ながら、ゆっくりと16N硝酸を滴下した。約1〜5m
lずつ間欠的に添加し、合計0.12リットル加えた。
その後1時間撹拌を続けた。デカンテーションによりシ
リコン粒子から洗浄液を除き、廃水が中性になるまで純
水洗浄を行なった。最後に100μmの目開きのテフロ
ンふるい上で純水洗浄を行なった。次いで、テフロンビ
ーカーにシリコンをもどし、クリーンオーブン中で乾燥
して、シリコン粒子を得た。得られたシリコン粒子の不
純物分析は、次のようにして行なった。金属類について
は、フッ化水素酸/硝酸でシリコンを溶出して得られた
後の溶液を、ICP−MS、原子吸光法を用いて分析し
た。B、P、CについてはFZ法による単結晶化後、F
T−IRを用いて測定した。純度測定結果を表1に示
す。なお、洗浄に用いた純水は、18MΩcm以上の比
抵抗を持つ純水を使用した。
【0020】
【表1】
【0021】比較例1 実施例1において、フッ化水素酸/硝酸による洗浄工程
の代わりに下記に示す塩酸/硝酸混合液による洗浄工程
及びフッ化水素酸による洗浄工程を行った以外は実施例
1と同様にしてシリコン粒子を得た。即ち、テフロンビ
ーカー中に仕込んだ粒径105〜350μmの純水洗浄
後のシリコン粒子に12N塩酸:5リットルおよび16
N硝酸:2.5リットルを加えた。メカニカルスターラ
ーを用い、テフロン製の撹拌棒および撹拌羽を使用し、
1時間撹拌した。デカンテーションによりシリコン粒子
から洗浄液を除いた後、廃水が中性になるまで純水洗浄
を行なった。続いて、50%フッ化水素酸を5リットル
加え、メカニカルスターラーで1時間撹拌した後、フッ
化水素酸をシリコン粒子から除き純水洗浄を行なった。
次いで、テフロンビーカーにシリコンをもどし、クリー
ンオーブン中で乾燥して、シリコン粒子を得た。このシ
リコン粒子の不純物を分析した結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】実施例2 アルミナ製ロールを使用したロールクラッシャーを用い
て、約5mm角の高純度シリコンを粉砕し、テフロン製
ふるいを用いてふるい分けし、粒径105μm〜350
μmの範囲のシリコンを得た。得られたシリコン粒子5
kgを100μmの目開きのテフロンふるい上で純水洗
浄した。洗浄後のシリコン粒子を十分に酸洗浄を行なっ
たテフロンビーカーに仕込んだ。12N塩酸:5リット
ルおよび16N硝酸:2.5リットルをビーカー中に加
えた。メカニカルスターラーを用い、テフロン製の撹拌
棒および撹拌羽を使用し、1時間撹拌した。デカンテー
ションによりシリコン粒子から洗浄液を除いた後、廃水
が中性になるまで純水洗浄を行なった。続いて、50%
フッ化水素酸を5リットル加え、メカニカルスターラー
で1時間撹拌した後、フッ化水素酸をシリコン粒子から
除き純水洗浄を行なった。次いで、再び50%フッ化水
素酸:5リットルを加えた後、メカニカルスターラーで
撹拌しながらゆっくりと16N硝酸を滴下した。約1〜
5mlずつ間欠的に添加し、合計0.12リットル加え
た。その後1時間撹拌を続けた。デカンテーションによ
りシリコン粒子から洗浄液を除き、廃水が中性になるま
で純水洗浄を行なった。最後に100μmの目開きのテ
フロンふるい上で純水洗浄を行なった。次いで、テフロ
ンビーカーにシリコンをもどし、クリーンオーブン中で
乾燥して、シリコン粒子を得た。得られたシリコン粒子
の不純物を分析した。その結果を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】実施例3、4、5 ロールクラッシャーの材質及び洗浄するシリコン粒子の
粒径を表4に示すものに代えた以外は実施例2と同様に
してシリコン粒子を得た。このシリコン粒子の不純物を
実施例と同様に分析したところ表4のような結果を得
た。
【0026】
【表4】
【0027】実施例6 洗浄順序を塩酸/硝酸→フッ化水素酸/硝酸→フッ化水
素酸に変更した以外は実施例2と同じ方法で洗浄し、シ
リコン粒子を得た。このシリコン粒子を分析したとこ
ろ、不純物である元素はいずれも検出下限以下であっ
た。
【0028】実施例7 フッ化水素酸/硝酸処理で硝酸5リットルにフッ化水素
酸0.2リットルをゆっくりと加えた以外は実施例2と
同じ方法で洗浄し、シリコン粒子を得た。分析の結果、
Fe、Cr、Ne、Cu、Na、Ca、Alとも検出下
限以下であった。
【0029】実施例8 内径100mmの石英パイプをライナーとして組み込ん
だ図1に示す流動層反応器を用いて粒状多結晶シリコン
の製造を行った。この場合、ガス分散板5は汚染の心配
のないようシリコン加工により作製し、酸洗浄を十分に
行なったものを使用した。反応容器内に前記実施例3で
得た平均粒子径700μmの粒子を3.5kg仕込み、
水素ガス120リットル/min、モノシランガス29
リットル/minをガス導入口4より導入した。ヒータ
ー6で粒子温度が660℃に保持されるように加熱し
た。種シリコン粒子導入管3より前記実施例1で得た平
均粒径170μmのシリコンを35g/hrの速度で投
入した。製品シリコンは抜出口7より15分毎のインダ
ーバルで1700g/hrの速度で抜き出した。この製
品シリコンを抜き出し管7で冷却後、十分に酸洗浄、純
水洗浄を行なったテフロンビーカーに受けた。得られた
シリコン粒子の不純物分析は、次のようにして行なっ
た。金属類については、フッ化水素酸/硝酸でシリコン
を溶解した後の溶液を、ICP−MS、原子吸光法を用
いて分析した。B、P、CについてはFZ法による単結
晶化後、FT−IRを用いて測定した。10時間運転後
の製品中の不純物は以下の表5に示される値であった。
【0030】
【表5】
【0031】
【発明の効果】本発明の高純度シリコン微細粒子の製造
方法は、シリコン微細粒子を酸洗浄する際に洗浄工程と
して、フッ化水素酸と硝酸を同時に用いる洗浄工程を必
須工程として採用したことから、従来の(A)塩酸/硝
酸による洗浄工程だけでは除去し得なかった不純物を効
率良く除去し得ることができ、たとえば金属元素の含有
量を10wtppb以下に、硼素、燐及び砒素の含有量
を0.5ppba以下に、またカーボンの含有量を0.
2ppma以下に低減させることができ、高純度のシリ
コン微細粒子を得ることができる。また、このようにし
て得られた高純度シリコン微細粒子をいわゆる流動層法
の種シリコン粒子として用いることにより、半導体に用
途に適する高純度の多結晶シリコン粒子を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高純度多結晶シリコンを製造するために使
用される流動層反応装置の一例についての説明図であ
る。
【符号の説明】
1 流動層反応器 2 ライナー 3 シリコン粒子導入管 4 ガス導入管 5 ガス分散板 6 加熱用ヒーター 7 抜き出し管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高綱 和敏 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東 燃化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 猿渡 康裕 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東 燃化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 森川 育太郎 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東 燃化学株式会社技術開発センター内 (72)発明者 石川 延宏 愛知県名古屋市港区船見町一番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内 (72)発明者 ▲廣▼田 大助 愛知県名古屋市港区昭和町17番地の23 東 亞合成化学工業株式会社名古屋工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン微細粒子を酸洗浄工程に付すこ
    とによって洗浄して高純度シリコン微細粒子を製造する
    方法において、該酸洗浄工程が、フッ化水素酸と硝酸を
    同時に用いる洗浄工程を含むことを特徴とする高純度微
    細シリコン粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸洗浄工程が下記(A)〜(C)に示さ
    れる洗浄工程の組み合わせからなることを特徴とする請
    求項1に記載の高純度微細シリコン粒子の製造方法。 (A)塩酸/硝酸混合液を用いる洗浄工程 (B)フッ化水素酸を用いる洗浄工程 (C)フッ化水素酸と硝酸を用いる洗浄工程
  3. 【請求項3】 シリコン微細粒子の粒径が50〜100
    0μmである請求項1又は請求項2記載の高純度シリコ
    ン微細粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属元素の合計含有量が10wtppb
    以下、硼素、燐及び砒素の合計含有量が0.5ppba
    以下、カーボンの含有量が0.2ppma以下である請
    求項1〜3記載のいずれかの高純度シリコン微細粒子の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 流動層反応器にシラン化合物を供給して
    シリコン粒子を流動化させながら該粒子上にシリコンを
    化学蒸着して粒状の多結晶シリコンを製造する方法にお
    いて、前記シリコン粒子として、請求項1〜4のいずれ
    かに記載の方法によって得られる高純度シリコン微細粒
    子を用いることを特徴とする多結晶シリコンの製造方
    法。
JP31634892A 1992-10-30 1992-10-30 高純度微細シリコン粒子の製造方法及び高純度微細シリコン粒子を用いた高純度多結晶シリコンの製造方法 Pending JPH06144822A (ja)

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