JPH0614410U - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 内燃機関の複数のバルブを同時に駆動するバ
ルブブリッジとロッカアームとの間に介装する摺動部材
がバルブブリッジから脱落するのを防止する。 【構成】 ロッカアーム３の揺動により直線往復運動
し、複数の排気バルブ１ａ、１ｂを同時に開閉するバル
ブブリッジ４において、バルブブリッジ４の上端を平滑
に形成すると共に、ロッカアーム３とこのバルブブリッ
ジ４の上端面との間で摺動自由なスライドキャップ６を
介装し、このスライドキャップ６に磁石５を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複数のバルブを同時に駆動するバルブブリッジを備えた内燃機関の 動弁装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一つのロッカアームで複数のバルブを同時に駆動する動弁装置としてバルブブ リッジを備えたものが知られており、実開昭６４−４４３０３号公報に開示され るように、ロッカアームと摺動するバルブブリッジの上端にキャップ状の摺動部 材を嵌合させ、摩耗による摺動部材の交換を容易にするものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来例の摺動部材はバルブブリッジに嵌合してバルブブリ ッジからの脱落を防いでいるが、シリンダヘッドの組み立て時や弁隙間の調整時 など、ロッカアームと摺動部材との間に大きな隙間を生ずるときにこの摺動部材 がバルブブリッジから容易に脱落することがあった。

【０００４】 そこで本考案は、バルブブリッジから摺動部材の脱落を防止する内燃機関の動 弁装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ロッカアームの揺動により直線往復運動して複数の弁を同時に開閉 するバルブブリッジを備えた内燃機関の動弁装置において、バルブブリッジの上 端面を平滑に形成すると共に、ロッカアームとバルブブリッジの上端面との間で 摺動自由な部材を介装し、この摺動部材に磁石を設ける。

【０００６】

【作用】

摺動部材に設けた磁石によって摺動部材がバルブブリッジの上端面又はロッカ アームに吸着するため、摺動部材がバルブブリッジから容易に脱落することがな い。

【０００７】

【実施例】

この実施例は２本の排気バルブを備えた内燃機関に本考案を適用した例を示し ている。

【０００８】 図１に示すように、シリンダヘッドに設けられて機関の回転に同期して回転す るカム２にローラを介して従動するロッカアーム３の一端には弁隙間を調整する ためのアジャストボルト８がロックナット７で固定される。

【０００９】 排気バルブ１ａ、１ｂは図示しないバネによって上方に付勢され、これら排気 バルブ１ａ、１ｂの上端にはバルブブリッジ４がそれぞれ当接し、バルブブリッ ジ４はシリンダヘッドに立設したガイド４ａで上下に往復自由に案内されて、ロ ッカアーム３の揺動を上下の往復動にして排気バルブ１ａ、１ｂを開閉する。

【００１０】 バルブブリッジ４の上端面は平滑に形成され、このバルブブリッジ４の上端面 とロッカアーム３のアジャストボルト８との間には摺動部材としてのスライドキ ャップ６が摺動自由に介装され、ロッカアーム３の揺動に応じてスライドキャッ プ６はバルブブリッジ４を下方へ押圧して排気バルブ１ａ、１ｂを開きつつバル ブブリッジ４の上端面を水平方向に摺動し、ロッカアーム３の揺動をバルブブリ ッジ４の直線往復運動に変換している。

【００１１】 スライドキャップ６の下面は平滑な面で形成されてバルブブリッジ４の上端面 を摺動する一方、上面にはロッカアーム３のアジャストボルト８の頭部８ａの一 端と係合するように凹部６ａを備えてロッカアーム３の水平方向の運動に追従し 、さらにスライドキャップ６の上面には所定の深さの穴６ｂが設けられ、この穴 ６ｂの底部には磁石５が埋設される。

【００１２】 なお、排気バルブ１ａが当接するバルブブリッジ４には、弁隙間を調整するた めのアジャストボルト１０がロックナット９で固定され、排気バルブ１ａの上端 とアジャストボルト１０の下端が当接している。

【００１３】 以上のように構成され、次に作用について説明する。

【００１４】 機関の回転に伴ってカム２が回転してロッカアーム３が揺動し、ロッカアーム ３が下方へ揺動するときには、アジャストボルト８がスライドキャップ６を下方 へ押し付けながら水平方向に摺動させる。スライドキャップ６の下方への変位に 応じてバルブブリッジ４は排気バルブ１ａ、１ｂを押して開弁する。

【００１５】 一方、ロッカアーム３が上方へ揺動するときには、排気バルブ１ａ、１ｂが図 示しないバネで上方に付勢されているためバルブブリッジ４を押し上げて閉弁し 、スライドキャップ６もアジャストボルト８に押し付けられてロッカアーム３に 案内されて上昇しながら水平方向に摺動する。

【００１６】 シリンダヘッドの組み立てや弁隙間の調整などでアジャストボルト８又はロッ カアーム３が取り外されてスライドキャップ６の上方又は水平方向への移動を規 制するものがなくると、スライドキャップ６は穴６ｂに埋設した磁石５の磁力に よりバルブブリッジ４へ吸着しているため、作業者がスライドキャップ６に触れ てもバルブブリッジ４から容易に脱落することがなくなって作業性を向上させる 。

【００１７】 また、シリンダヘッドの組み立て時にはスライドキャップ６をバルブブリッジ ４へ吸着させた後にバルブブリッジ４をガイド４ａに差し込めばよく、狭い空間 で作業を行う必要がなくなり生産性を向上させることが可能となる。

【００１８】 このスライドキャップ６はバルブブリッジ４及びアジャストボルト８と摺動す るだけなので、高い寸法精度を必要としないために製造時のコストを下げること が可能となる。

【００１９】 なお、上記実施例においてスライドキャップ６がバルブブリッジ４に吸着する よう磁石５を設けたが、スライドキャップ６がアジャストボルト８に吸着するよ う磁石５を設けてもよい。

【００２０】

【考案の効果】

以上のように本考案は、バルブブリッジとロッカアームとの間に介装される摺 動部材に磁石を設けてバルブブリッジ又はロッカアームに吸着するようにしたた め、作業者が摺動部材に触れてもバルブブリッジ又はロッカアームから容易に脱 落することがなくなり作業性を向上することができ、摺動部材はバルブブリッジ とロッカアームとの間で摺動するだけなので、高い寸法精度を必要としないため に製造時のコストを下げることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す概略図である。

【符号の説明】

１ａ 排気バルブ １ｂ 排気バルブ ３ ロッカアーム ４ バルブブリッジ ５ 磁石 ６ スライドキャップ ６ｂ 穴 ８ アジャストボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロッカアームの揺動により直線往復運動
   して複数の弁を同時に開閉するバルブブリッジを備えた
   内燃機関の動弁装置において、バルブブリッジの上端面
   を平滑に形成すると共に、ロッカアームとバルブブリッ
   ジの上端面との間で摺動自由な部材を介装し、この摺動
   部材に磁石を設けたことを特徴とする内燃機関の動弁装
   置。