JPH06140246A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH06140246A JPH06140246A JP29134592A JP29134592A JPH06140246A JP H06140246 A JPH06140246 A JP H06140246A JP 29134592 A JP29134592 A JP 29134592A JP 29134592 A JP29134592 A JP 29134592A JP H06140246 A JPH06140246 A JP H06140246A
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- JP
- Japan
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- magnetic
- atomic
- recording medium
- film
- magnetic recording
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- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 コストが低廉で、かつ、CoやCrを多量に
用いた場合のような環境汚染の問題を考慮しなくて済
み、さらには耐久性に富む高密度記録可能な磁気記録媒
体を提供することである。 【構成】 50原子%≦Fe≦90原子%、2原子%≦
Co(又はNi)≦10原子%、5原子%≦N≦25原
子%、2原子%≦O≦20原子%の組成割合からなるF
e−Co(又は/及びNi)−N−O系の磁性膜が構成
されてなる磁気記録媒体。
用いた場合のような環境汚染の問題を考慮しなくて済
み、さらには耐久性に富む高密度記録可能な磁気記録媒
体を提供することである。 【構成】 50原子%≦Fe≦90原子%、2原子%≦
Co(又はNi)≦10原子%、5原子%≦N≦25原
子%、2原子%≦O≦20原子%の組成割合からなるF
e−Co(又は/及びNi)−N−O系の磁性膜が構成
されてなる磁気記録媒体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体及びその
製造方法に関するものである。
製造方法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】磁気テープ等の磁気記録媒体において
は、高密度記録化の要請から、非磁性支持体上に設けら
れる磁性層として、バインダ樹脂を用いた塗布型のもの
ではなく、バインダ樹脂を用いない金属薄膜型のものが
提案されていることは周知の通りである。
は、高密度記録化の要請から、非磁性支持体上に設けら
れる磁性層として、バインダ樹脂を用いた塗布型のもの
ではなく、バインダ樹脂を用いない金属薄膜型のものが
提案されていることは周知の通りである。
【0003】すなわち、無電解メッキといった湿式メッ
キ手段、真空蒸着、スパッタリングあるいはイオンプレ
ーティングといった乾式メッキ手段により磁性層を構成
した磁気記録媒体が提案されている。そして、この種の
磁気記録媒体は磁性体の充填密度が高いことから、高密
度記録に適したものである。ところで、この種の金属薄
膜型の磁気記録媒体における磁性層を構成する磁性材料
としては、例えばCo−Cr合金やCo−Ni合金など
の磁性金属が用いられている。しかしながら、Coは稀
少物質であることからコストの問題が有り、かつ、環境
汚染の問題がある。
キ手段、真空蒸着、スパッタリングあるいはイオンプレ
ーティングといった乾式メッキ手段により磁性層を構成
した磁気記録媒体が提案されている。そして、この種の
磁気記録媒体は磁性体の充填密度が高いことから、高密
度記録に適したものである。ところで、この種の金属薄
膜型の磁気記録媒体における磁性層を構成する磁性材料
としては、例えばCo−Cr合金やCo−Ni合金など
の磁性金属が用いられている。しかしながら、Coは稀
少物質であることからコストの問題が有り、かつ、環境
汚染の問題がある。
【0004】これに対して、Feには前記のような問題
がないことに鑑み、金属薄膜型の磁気記録媒体の磁性材
料としてFeが注目され始めた。すなわち、非Co系金
属磁性材料としてはFeとNiが考えられるものの、飽
和磁化の大きさからはFeが好ましいものであると言わ
れている。ところで、FeはCo以上に錆やすいことか
ら、化学的に安定なものとする必要が有る。このような
観点から、磁性膜をFex Nで構成することが提案(特
開昭60−236113号公報、特開昭63−2372
19号公報)された。そして、このFex Nで磁性膜を
構成した磁気記録媒体は、磁気特性が良好であり、か
つ、耐蝕性に優れ、高密度記録に優れたものであると謳
われている。
がないことに鑑み、金属薄膜型の磁気記録媒体の磁性材
料としてFeが注目され始めた。すなわち、非Co系金
属磁性材料としてはFeとNiが考えられるものの、飽
和磁化の大きさからはFeが好ましいものであると言わ
れている。ところで、FeはCo以上に錆やすいことか
ら、化学的に安定なものとする必要が有る。このような
観点から、磁性膜をFex Nで構成することが提案(特
開昭60−236113号公報、特開昭63−2372
19号公報)された。そして、このFex Nで磁性膜を
構成した磁気記録媒体は、磁気特性が良好であり、か
つ、耐蝕性に優れ、高密度記録に優れたものであると謳
われている。
【0005】又、この他にもFe−C−N膜なども提案
(特開平2−89213号公報)されているが、いずれ
のものでも充分なものとは言えず、さらなる改善が待た
れている。
(特開平2−89213号公報)されているが、いずれ
のものでも充分なものとは言えず、さらなる改善が待た
れている。
【0006】
【発明の開示】本発明の目的は、コストが低廉で、か
つ、CoやCrを多量に用いた場合のような環境汚染の
問題を考慮しなくて済み、さらには耐久性に富む高密度
記録可能な磁気記録媒体を提供することである。この本
発明の目的は、50原子%≦Fe≦90原子%、2原子
%≦Co(又はNi)≦10原子%、5原子%≦N≦2
5原子%、2原子%≦O≦20原子%の組成割合からな
るFe−Co(又は/及びNi)−N−O系の磁性膜が
構成されてなることを特徴とする磁気記録媒体によって
達成される。
つ、CoやCrを多量に用いた場合のような環境汚染の
問題を考慮しなくて済み、さらには耐久性に富む高密度
記録可能な磁気記録媒体を提供することである。この本
発明の目的は、50原子%≦Fe≦90原子%、2原子
%≦Co(又はNi)≦10原子%、5原子%≦N≦2
5原子%、2原子%≦O≦20原子%の組成割合からな
るFe−Co(又は/及びNi)−N−O系の磁性膜が
構成されてなることを特徴とする磁気記録媒体によって
達成される。
【0007】又、非磁性の支持体上にイオンアシスト斜
め蒸着法により磁性膜を形成して磁気記録媒体を製造す
る方法であって、蒸発源物質としてFeが用いられての
蒸着工程と、蒸発源物質としてCo(又は/及びNi)
が用いられての蒸着工程と、窒素イオンを蒸着Fe−C
o(又は/及びNi)膜に衝突させる衝突工程と、酸素
イオンを蒸着Fe−Co(又は/及びNi)膜に衝突さ
せる衝突工程とを具備することを特徴とする磁気記録媒
体の製造方法によって達成される。
め蒸着法により磁性膜を形成して磁気記録媒体を製造す
る方法であって、蒸発源物質としてFeが用いられての
蒸着工程と、蒸発源物質としてCo(又は/及びNi)
が用いられての蒸着工程と、窒素イオンを蒸着Fe−C
o(又は/及びNi)膜に衝突させる衝突工程と、酸素
イオンを蒸着Fe−Co(又は/及びNi)膜に衝突さ
せる衝突工程とを具備することを特徴とする磁気記録媒
体の製造方法によって達成される。
【0008】又、非磁性の支持体上にイオンアシスト斜
め蒸着法により磁性膜を形成して磁気記録媒体を製造す
る方法であって、蒸発源物質としてFeが用いられての
蒸着工程と、蒸発源物質としてCo(又は/及びNi)
が用いられての蒸着工程と、活性窒素を蒸着Fe−Co
(又は/及びNi)膜に衝突させる衝突工程と、活性酸
素を蒸着Fe−Co(又は/及びNi)膜に衝突させる
衝突工程とを具備することを特徴とする磁気記録媒体の
製造方法によって達成される。
め蒸着法により磁性膜を形成して磁気記録媒体を製造す
る方法であって、蒸発源物質としてFeが用いられての
蒸着工程と、蒸発源物質としてCo(又は/及びNi)
が用いられての蒸着工程と、活性窒素を蒸着Fe−Co
(又は/及びNi)膜に衝突させる衝突工程と、活性酸
素を蒸着Fe−Co(又は/及びNi)膜に衝突させる
衝突工程とを具備することを特徴とする磁気記録媒体の
製造方法によって達成される。
【0009】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。図1に本発明になる磁気記録媒体の概略断面図を示
す。同図中、1は非磁性の基板であり、この基板1はポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリカーボネート、
ポリプロピレン等のオレフィン系の樹脂、セルロース系
の樹脂、塩化ビニル系の樹脂といった高分子材料、ガラ
スやセラミック等の無機系材料、アルミニウム合金など
の金属材料が用いられる。尚、基板1面上には磁性層の
密着性を向上させる為のアンダーコート層2が必要に応
じて設けられる。すなわち、表面の粗さを適度に粗すこ
とにより乾式メッキにより構成される磁性層の密着性を
向上させ、さらに磁気記録媒体表面の表面粗さを適度な
ものとして走行性を改善する為、例えばSiO2 等の粒
子を含有させた厚さが0.01〜0.5μmの塗膜を設
けることによってアンダーコート層2が構成されてい
る。
る。図1に本発明になる磁気記録媒体の概略断面図を示
す。同図中、1は非磁性の基板であり、この基板1はポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリカーボネート、
ポリプロピレン等のオレフィン系の樹脂、セルロース系
の樹脂、塩化ビニル系の樹脂といった高分子材料、ガラ
スやセラミック等の無機系材料、アルミニウム合金など
の金属材料が用いられる。尚、基板1面上には磁性層の
密着性を向上させる為のアンダーコート層2が必要に応
じて設けられる。すなわち、表面の粗さを適度に粗すこ
とにより乾式メッキにより構成される磁性層の密着性を
向上させ、さらに磁気記録媒体表面の表面粗さを適度な
ものとして走行性を改善する為、例えばSiO2 等の粒
子を含有させた厚さが0.01〜0.5μmの塗膜を設
けることによってアンダーコート層2が構成されてい
る。
【0010】アンダーコート層2の上には、イオンアシ
スト斜め蒸着装置によって金属薄膜型の磁性層3が設け
られる。例えば、10-4〜10-6Torr程度の真空雰
囲気下でFeやCo(又は/及びNi)を抵抗加熱、高
周波加熱、電子ビーム加熱などにより蒸発させ、基板1
のアンダーコート層2面上に堆積(蒸着)させることに
より、磁性層3が0.04〜1μm厚形成される。尚、
斜め蒸着の際の入射角αは30°〜80°、望ましくは
約45°〜70°であることが好ましい。
スト斜め蒸着装置によって金属薄膜型の磁性層3が設け
られる。例えば、10-4〜10-6Torr程度の真空雰
囲気下でFeやCo(又は/及びNi)を抵抗加熱、高
周波加熱、電子ビーム加熱などにより蒸発させ、基板1
のアンダーコート層2面上に堆積(蒸着)させることに
より、磁性層3が0.04〜1μm厚形成される。尚、
斜め蒸着の際の入射角αは30°〜80°、望ましくは
約45°〜70°であることが好ましい。
【0011】本発明の磁性層3の構成に際して、蒸発源
のFeは、その純度が高いものでなくても良い。但し、
純度が99%程度はあることが好ましい。すなわち、磁
性層3がFe−C−O系あるいはFe−N−O系のもの
では、蒸発源に用いたFeの純度が高くないと耐蝕性に
問題が有ったものの、本願発明の如く、Fe−Co(又
は/及びNi)−N−O系のものとした場合には、蒸発
源に用いたFeの純度が高くない場合でも耐蝕性に問題
が認められず、例えば99.95%以上の純度がない場
合でも充分で有った。この為、スリーナイン以上といっ
た純度のものを用いなくても済むようになったことか
ら、コストが大幅に低廉なものとなる。尚、CoやNi
が高価であるとしても、その使用量は少ないから、コス
トアップはそれだけ低く、かつ、環境汚染の問題も大幅
に改善される。
のFeは、その純度が高いものでなくても良い。但し、
純度が99%程度はあることが好ましい。すなわち、磁
性層3がFe−C−O系あるいはFe−N−O系のもの
では、蒸発源に用いたFeの純度が高くないと耐蝕性に
問題が有ったものの、本願発明の如く、Fe−Co(又
は/及びNi)−N−O系のものとした場合には、蒸発
源に用いたFeの純度が高くない場合でも耐蝕性に問題
が認められず、例えば99.95%以上の純度がない場
合でも充分で有った。この為、スリーナイン以上といっ
た純度のものを用いなくても済むようになったことか
ら、コストが大幅に低廉なものとなる。尚、CoやNi
が高価であるとしても、その使用量は少ないから、コス
トアップはそれだけ低く、かつ、環境汚染の問題も大幅
に改善される。
【0012】本発明では、磁性層3の構成に際しては窒
素イオン(又は活性窒素)及び酸素イオン(又は活性酸
素)が蒸着Fe−Co(又は/及びNi)膜に照射され
ることから、この磁性層3はFe−Co(又は/及びN
i)−N−O系のものからなっており、特に、Fe成分
が50原子%〜90原子%、Co(Ni)成分が2原子
%〜10原子%、N成分が5原子%〜25原子%、O成
分が2原子%〜20原子%の組成割合からなるように制
御される。
素イオン(又は活性窒素)及び酸素イオン(又は活性酸
素)が蒸着Fe−Co(又は/及びNi)膜に照射され
ることから、この磁性層3はFe−Co(又は/及びN
i)−N−O系のものからなっており、特に、Fe成分
が50原子%〜90原子%、Co(Ni)成分が2原子
%〜10原子%、N成分が5原子%〜25原子%、O成
分が2原子%〜20原子%の組成割合からなるように制
御される。
【0013】ところで、イオンアシスト斜め蒸着装置は
図2に示す如くの構成である。図2中、11は冷却キャ
ン、12はPETフィルム10の供給側ロール、13は
PETフィルム10の巻取側ロール、14は遮蔽板、1
5はルツボ、16aは純度が99%程度のFe、16b
は純度が99%程度のCo、16cは純度が99%程度
のNi、17は電子銃、18は真空容器、19はイオン
銃であり、イオン銃19に窒素ガス、酸化窒素ガスやア
ンモニア等のN含有ガスや酸素ガスが供給されると、窒
素イオン及び酸素イオンが放出され、これらのイオンが
PETフィルム10上に蒸着したFe−Co(又は/及
びNi)膜に衝突し、Fe−Co(又は/及びNi)が
Fe−Co(又は/及びNi)−N−O系のものに変換
する。尚、イオン銃としてはECR形(Electro
n Cyclotron Resonance)やカウ
フマン形などのものが有り、いずれのタイプのものをも
用いることが出来る。そして、一つの銃に二種のガスを
入れても良く、又、複数の銃の各々に各々のガスを入
れ、独立して各々のイオンを照射するようにしても良
い。
図2に示す如くの構成である。図2中、11は冷却キャ
ン、12はPETフィルム10の供給側ロール、13は
PETフィルム10の巻取側ロール、14は遮蔽板、1
5はルツボ、16aは純度が99%程度のFe、16b
は純度が99%程度のCo、16cは純度が99%程度
のNi、17は電子銃、18は真空容器、19はイオン
銃であり、イオン銃19に窒素ガス、酸化窒素ガスやア
ンモニア等のN含有ガスや酸素ガスが供給されると、窒
素イオン及び酸素イオンが放出され、これらのイオンが
PETフィルム10上に蒸着したFe−Co(又は/及
びNi)膜に衝突し、Fe−Co(又は/及びNi)が
Fe−Co(又は/及びNi)−N−O系のものに変換
する。尚、イオン銃としてはECR形(Electro
n Cyclotron Resonance)やカウ
フマン形などのものが有り、いずれのタイプのものをも
用いることが出来る。そして、一つの銃に二種のガスを
入れても良く、又、複数の銃の各々に各々のガスを入
れ、独立して各々のイオンを照射するようにしても良
い。
【0014】ここで、磁性膜がFe−Co(又は/及び
Ni)−N−O系の組成、特に、Fe成分が50原子%
〜90原子%、Co(Ni)成分が2原子%〜10原子
%、N成分が5原子%〜25原子%、O成分が2原子%
〜20原子%の組成割合からなるFe−Co(又は/及
びNi)−N−O系金属膜で構成されていると、保磁力
Hcが1500Oe以上も有り、かつ、飽和磁束密度B
sが4000G以上も有り、しかも耐蝕性(ΔBs)に
も優れており、さらにはFe源として用いる材料に高純
度なものを用いなくとも済み、低コストで得られるよう
になり、かつ、CoやNi成分を多量に用いないから環
境汚染も少なく、Co−Cr合金やCo−Ni合金など
の磁性金属に代わる高密度記録が可能な磁気記録媒体と
なる。
Ni)−N−O系の組成、特に、Fe成分が50原子%
〜90原子%、Co(Ni)成分が2原子%〜10原子
%、N成分が5原子%〜25原子%、O成分が2原子%
〜20原子%の組成割合からなるFe−Co(又は/及
びNi)−N−O系金属膜で構成されていると、保磁力
Hcが1500Oe以上も有り、かつ、飽和磁束密度B
sが4000G以上も有り、しかも耐蝕性(ΔBs)に
も優れており、さらにはFe源として用いる材料に高純
度なものを用いなくとも済み、低コストで得られるよう
になり、かつ、CoやNi成分を多量に用いないから環
境汚染も少なく、Co−Cr合金やCo−Ni合金など
の磁性金属に代わる高密度記録が可能な磁気記録媒体と
なる。
【0015】Fe成分が50原子%〜90原子%、Co
(Ni)成分が2原子%〜10原子%、N成分が5原子
%〜25原子%、O成分が2原子%〜20原子%の組成
割合からなるFe−Co(又は/及びNi)−N−O系
金属膜を構成する為には、純度が99%程度のFeやC
o(又は/及びNi)を蒸発源物質として用い、そして
窒素イオンや酸素イオン(又は活性窒素や酸素)を蒸着
Fe−Co(又は/及びNi)膜に衝突させれば達成で
きるが、蒸発したFeやCo(又は/及びNi)がフィ
ルム上に付着すると同時にイオン化された窒素イオンや
酸素イオン(又は活性窒素や酸素)を付着したFe−C
o(又は/及びNi)に衝突させ、窒化・酸化反応させ
ることが重要である。そして、この際、図2における冷
却キャン11をフィルム10が熱変形を起こさない程度
の温度下において出来るだけ高い温度に保持しておく
と、反応性が高まり、好ましい結果が得られる。
(Ni)成分が2原子%〜10原子%、N成分が5原子
%〜25原子%、O成分が2原子%〜20原子%の組成
割合からなるFe−Co(又は/及びNi)−N−O系
金属膜を構成する為には、純度が99%程度のFeやC
o(又は/及びNi)を蒸発源物質として用い、そして
窒素イオンや酸素イオン(又は活性窒素や酸素)を蒸着
Fe−Co(又は/及びNi)膜に衝突させれば達成で
きるが、蒸発したFeやCo(又は/及びNi)がフィ
ルム上に付着すると同時にイオン化された窒素イオンや
酸素イオン(又は活性窒素や酸素)を付着したFe−C
o(又は/及びNi)に衝突させ、窒化・酸化反応させ
ることが重要である。そして、この際、図2における冷
却キャン11をフィルム10が熱変形を起こさない程度
の温度下において出来るだけ高い温度に保持しておく
と、反応性が高まり、好ましい結果が得られる。
【0016】4は磁性層3の上に設けられた潤滑剤層で
ある。すなわち、潤滑剤を含有させた塗料を所定の手段
で塗布することにより、約5〜50Å、好ましくは約1
0〜30Å程度の厚さの潤滑剤層4が設けられる。5
は、基板1の他面に設けられたカーボンブラック等を含
有させたバックコート層である。
ある。すなわち、潤滑剤を含有させた塗料を所定の手段
で塗布することにより、約5〜50Å、好ましくは約1
0〜30Å程度の厚さの潤滑剤層4が設けられる。5
は、基板1の他面に設けられたカーボンブラック等を含
有させたバックコート層である。
【0017】以下、具体的な実施例を挙げて説明する。
【0018】
【実施例】〔実施例1〕図2に示される如くのイオンア
シスト斜め蒸着装置に厚さ9.3μmのPETフィルム
10を装着し、PETフィルム10が2m/分の走行速
度で走行させられている。
シスト斜め蒸着装置に厚さ9.3μmのPETフィルム
10を装着し、PETフィルム10が2m/分の走行速
度で走行させられている。
【0019】そして、酸化マグネシウム製のルツボ15
に純度が99%程度のFe16a,Co16b,Ni1
6cを入れ、例えば出力30kWの電子銃(日本電子
(株)製のJEBG−303UA)17をトリプルソー
スコントローラー(三元合金作成コントローラー)と共
に用いてFe,Co,Niを蒸発させ、PETフィルム
10にFe及びCo(Ni)粒子を蒸着(入射角α=6
0°)させると共に、窒素ガス(純度99.99%)及
び酸素ガス(純度99.99%)の混合ガス(体積混合
比4:1)を出力500Wのカウフマン形イオン銃19
に供給し、PETフィルム10のFe蒸着面に向けて窒
素イオン及び酸素イオンを照射する。
に純度が99%程度のFe16a,Co16b,Ni1
6cを入れ、例えば出力30kWの電子銃(日本電子
(株)製のJEBG−303UA)17をトリプルソー
スコントローラー(三元合金作成コントローラー)と共
に用いてFe,Co,Niを蒸発させ、PETフィルム
10にFe及びCo(Ni)粒子を蒸着(入射角α=6
0°)させると共に、窒素ガス(純度99.99%)及
び酸素ガス(純度99.99%)の混合ガス(体積混合
比4:1)を出力500Wのカウフマン形イオン銃19
に供給し、PETフィルム10のFe蒸着面に向けて窒
素イオン及び酸素イオンを照射する。
【0020】このようなイオンアシスト斜め蒸着により
磁性膜を1500Å厚形成し、磁気テープを作製した。 〔実施例2〜8〕実施例1において、CoやNiの蒸発
速度、及び窒素ガスや酸素ガスの混合割合を変化させた
以外は同様に行い、磁気テープを作製した。
磁性膜を1500Å厚形成し、磁気テープを作製した。 〔実施例2〜8〕実施例1において、CoやNiの蒸発
速度、及び窒素ガスや酸素ガスの混合割合を変化させた
以外は同様に行い、磁気テープを作製した。
【0021】〔比較例1〜3〕実施例1において、Co
やNiの蒸発速度、及び窒素ガスや酸素ガスの混合割合
を変化させた以外は同様に行い、磁気テープを作製し
た。 〔特性〕上記各例で得られた磁気テープの磁気特性及び
耐蝕性について調べたので、その結果を下記の表1に示
す。
やNiの蒸発速度、及び窒素ガスや酸素ガスの混合割合
を変化させた以外は同様に行い、磁気テープを作製し
た。 〔特性〕上記各例で得られた磁気テープの磁気特性及び
耐蝕性について調べたので、その結果を下記の表1に示
す。
【0022】 表 1 組成(原子%) 保磁力 飽和磁束密度 ΔBs Fe Co Ni N O (Oe) (G) (%) 実施例1 70 2 2 13 13 2050 4200 8 実施例2 60 10 10 10 10 1850 5100 4 実施例3 70 10 0 10 10 1900 5900 6 実施例4 70 0 10 10 10 1800 5400 5 実施例5 60 2 0 25 13 2000 5000 4 実施例6 90 0 2 5 3 1500 7200 8 実施例7 50 10 10 10 20 1800 4700 2 実施例8 60 5 8 25 2 1700 6400 9 比較例1 75 0 0 15 15 1950 3700 11 比較例2 40 20 20 10 10 1700 3900 2 比較例3 70 0 5 25 0 1050 5400 16 ΔBs:5%NaCl水溶液中に1週間浸けておき、飽
和磁束密度の変化率を求め、これによって耐蝕性を判定
する。
和磁束密度の変化率を求め、これによって耐蝕性を判定
する。
【0023】
【効果】低廉なFeを用いたことから、コスト面で好ま
しく、かつ、CoやCrを多量に用いた場合のような環
境汚染の問題やコスト高を考慮しなくて済み、そして耐
蝕性に富んだ高密度記録可能な磁気記録媒体が得られ
る。
しく、かつ、CoやCrを多量に用いた場合のような環
境汚染の問題やコスト高を考慮しなくて済み、そして耐
蝕性に富んだ高密度記録可能な磁気記録媒体が得られ
る。
【図1】磁気記録媒体の概略断面図である。
【図2】磁気記録媒体製造装置の概略図である。
1 非磁性の基板 2 アンダーコート層 3 磁性層 10 PETフィルム 14 遮蔽板 15 ルツボ 16 純度99%のFe 17 電子銃 19 イオン銃
Claims (3)
- 【請求項1】 50原子%≦Fe≦90原子%、2原子
%≦Co(又はNi)≦10原子%、5原子%≦N≦2
5原子%、2原子%≦O≦20原子%の組成割合からな
るFe−Co(又は/及びNi)−N−O系の磁性膜が
構成されてなることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 非磁性の支持体上にイオンアシスト斜め
蒸着法により磁性膜を形成して磁気記録媒体を製造する
方法であって、蒸発源物質としてFeが用いられての蒸
着工程と、蒸発源物質としてCo(又は/及びNi)が
用いられての蒸着工程と、窒素イオンを蒸着Fe−Co
(又は/及びNi)膜に衝突させる衝突工程と、酸素イ
オンを蒸着Fe−Co(又は/及びNi)膜に衝突させ
る衝突工程とを具備することを特徴とする磁気記録媒体
の製造方法。 - 【請求項3】 非磁性の支持体上にイオンアシスト斜め
蒸着法により磁性膜を形成して磁気記録媒体を製造する
方法であって、蒸発源物質としてFeが用いられての蒸
着工程と、蒸発源物質としてCo(又は/及びNi)が
用いられての蒸着工程と、活性窒素を蒸着Fe−Co
(又は/及びNi)膜に衝突させる衝突工程と、活性酸
素を蒸着Fe−Co(又は/及びNi)膜に衝突させる
衝突工程とを具備することを特徴とする磁気記録媒体の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29134592A JPH06140246A (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 磁気記録媒体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29134592A JPH06140246A (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 磁気記録媒体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06140246A true JPH06140246A (ja) | 1994-05-20 |
Family
ID=17767724
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29134592A Pending JPH06140246A (ja) | 1992-10-29 | 1992-10-29 | 磁気記録媒体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06140246A (ja) |
-
1992
- 1992-10-29 JP JP29134592A patent/JPH06140246A/ja active Pending
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