JPH06139818A - 導電性銀ペースト組成物 - Google Patents

導電性銀ペースト組成物

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JPH06139818A
JPH06139818A JP28847492A JP28847492A JPH06139818A JP H06139818 A JPH06139818 A JP H06139818A JP 28847492 A JP28847492 A JP 28847492A JP 28847492 A JP28847492 A JP 28847492A JP H06139818 A JPH06139818 A JP H06139818A
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JP
Japan
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silver paste
resin
paste composition
substrate
epoxy resin
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JP28847492A
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English (en)
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Toshimitsu Fukase
利光 深瀬
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 バインダーとしてレゾール型フェノール樹脂
70部とエポキシ当量190のビスフェノールA型エポ
キシ樹脂30部とよりなる導電性銀ペースト組成物。 【効果】 良好な導電性を有し、かつ長期の温度サイク
ル試験でも導電性の変化率が小さく、高い信頼性が維持
できるので、銀スルーホール基板用として極めて有用で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント回路基板にお
けるスルーホール部分の信頼性に優れた導電性銀ペース
ト組成物に関するものであり、更に詳しくは、紙基材フ
ェノール樹脂基板或いはガラス基材エポキシ樹脂基板等
のプリント回路基板に設けたスルーホール部分にスクリ
ーン印刷で埋め込み後、加熱・硬化することにより、ス
ルーホール部分の良好な導電性を与え、経時変化に伴う
スルーホール部分の導電性不良を起こさない導電性銀ペ
ースト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙基材フェノール樹脂基板(以下、紙フ
ェノール基板という)或いはガラス基材エポキシ樹脂基
板(以下、ガラスエポキシ基板という)等のプリント回
路基板のランド部にスルーホールを設け、そこに導電性
銀ペースト(以下、銀ペーストという)をスクリーン印
刷で埋め込み後、加熱硬化てしプリント配線板を製造す
る方法が最近盛んになってきた。銀ペーストとしては、
銀粉或いは銀粉と銅粉又はニッケル粉等を併用した導電
粉に、バインダー樹脂として熱硬化性樹脂等を用いた組
成物が知られている。しかし、従来の銀ペーストを用い
た場合には、部品実装されたプリント配線板の信頼性と
いう点で問題があった。特にプリント配線板のスルーホ
ール部分の厚み方向にいわゆるバレルクラックと称する
導通不良個所が度々発生する。そこで、最近では、更な
る高密度実装されたプリント配線板の信頼性に関し、例
えば、MIL-STD-202E,107D による温度サイクル試験(下
記の条件)において
【0003】
【数1】
【0004】紙フェノール基板では200回以上、また
ガラスエポキシ基板では400回以上繰り返してもスル
ーホール部分に埋め込まれた銀ペーストにバレルクラッ
クが発生しないような銀ペーストが新たに要求されてき
た。従って、本発明者らは、良好なスクリーン印刷・埋
め込み性と導電性を具備しつつ、長期の温度サイクル試
験でもスルーホール部分の導通不良個所の発生を極力少
なくするための検討を行った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これら
の従来の銀ペーストの欠点を改良すべく鋭意検討した結
果、特に硬化後の銀ペーストの40℃〜160℃におけ
る線膨張係数が紙フェノール基板或いはガラスエポキシ
基板の線膨張係数に対して±25%以内になるように、
樹脂の選択及び導電粉と該樹脂の配合量を選択すること
により、バレルクラックと称する導通不良防止に優れた
効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至っ
たものである。本発明の目的は、スクリーン印刷が可能
で、かつ良好な導電性を有し、特に部品実装したプリン
ト配線板のスルーホール部分の長期信頼性を有する銀ス
ルーホール用フェノール樹脂基板或いはエポキシ樹脂基
板に適した銀ペースト組成物を提供するにことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性粉末と
熱硬化性樹脂とを主要構成成分とし、該熱硬化性樹脂が
レゾール型フェノール樹脂とグリシジルエーテル系エポ
キシ樹脂とからなることを特徴とする導電性銀ペースト
組成物に関するものであり、好ましくは、前記グリシジ
ルエーテル系エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型又は
ビスフェノールF型グリシジルエーテル系エポキシ樹脂
で、エポキシ当量が500以下であり、かつレゾール型
フェノール樹脂との配合割合が20:80〜50:50
(重量比)であり、また、導電性粉末と熱硬化性樹脂と
の配合割合が100:15〜100:30(重量比)で
ある導電性銀ペースト組成物である。ここで、銀スルー
ホール用の紙フェノール基板とガラスエポキシ基板(C
EM3)の温度に対する厚み方向の寸法変化は、板厚
1.6mm の場合、熱機械分析(Thermal Mechanical Ana
lysis:以下、TMAという)によれば、それぞれ図1,
図2のようになり、概ね昇温と共に単調増加(膨張)し、
例えば40℃〜160℃における厚さ方向の線膨張係数
は紙フェノール基板が2.3×10-4cm/cm・℃であり、
ガラスエポキシ基板(CEM3)が1.3×10-4cm/c
m・℃であることが分かった。
【0007】基板のスルーホール部の概略図は図3のよ
うになる。基板の昇温における寸法変化は特に厚み方向
が大きいことが知られており、バレルクラックの発生も
この部分に集中している。即ち、銀ペーストが基板の厚
み方向の寸法変化に追従できない結果、銀ペーストと基
材間にひずみ応力が発生し、温度サイクル試験を繰り返
すことにより、やがて銀ペーストがひずみ応力を吸収し
切れなくなってバレルクラックが発生するものと推定し
ている。本発明者は、バレルクラック発生の防止方法の
一つとして、ひずみ応力を緩和することが重要であると
考えた。図3のようなスルーホール部の熱変形や硬化収
縮における基板と銀ペーストの界面のひずみ応力(M)
は、「複合材料と界面」(総合技術出版発行 63〜69頁)
を近似モデルとして、下式のように表すことができる。 M = E(εT−ε'T') (1) T = T1 −T0 (2) T'= T'1−T0 (3) (Eは基板の引張り弾性係数、ε,ε'は、それぞれ基板
と銀ペーストの線膨張係数、T1, T'1は、それぞれ基
板と銀ペーストの温度、T0はひずみを受けない温度)
【0008】従って、基板と銀ペーストの界面のひずみ
応力(M)が零であるためには、式(1)より、 εT−ε'T'= 0 (4) 即ち、 ε/ε'= T'/T (5) 通常、T=T'であるので、少なくともε=ε'にするこ
とが必要条件の一つと考えるに至ったのである。ところ
で、グリシジルエーテル系エポキシ樹脂の硬化物のTM
Aは、概ね図1あるいは図2のような挙動をすることが
知られているので、スルホール埋め込み用銀ペーストの
バインダーとして使用するのに都合がよい。しかしなが
ら、スルホール部へのスクリーン印刷、埋め込み性をよ
くするため、溶剤として例えばブチルセロソルブアセテ
ートなどを使用すると、所望の比抵抗が得られない。一
方、比抵抗を向上させるべく溶剤として例えばブチルセ
ロソルブなどを使用すると、スクリーン印刷、埋め込み
性が悪いという欠点がある。
【0009】一方、スクリーン印刷が良好なレゾール型
フェノール樹脂はフェノールとホルマリンをアルカリ触
媒下でメチロール化したもので、そのTMAの挙動は図
4のようになり、40〜160℃の温度範囲では、概ね
単調減少即ち収縮することが分かった。これは、レゾー
ル型フェノール樹脂が加熱により更に縮重合が進むこと
によるもので、この現象が温度サイクル試験において、
バレルクラックが容易に発生する要因になっている。そ
こで、レゾール型フェノール樹脂とエポキシ樹脂とが付
加重合反応することに注目し、それぞれの特徴を生かす
べく検討した。その結果、レゾール型フェノール樹脂と
エポキシ樹脂との組み合わせにおいて、線膨張係数、比
抵抗及び温度サイクル試験に関する種々の知見を得た。
エポキシ樹脂では、グリシジルエーテル系が好ましく、
特にビスフェノールA型及びビスフェノールF型エポキ
シ樹脂で、エポキシ当量が500以下で、平均分子量が
900以下が好ましい。これ以上の場合は、レゾール型
フェノール樹脂の収縮に抗し切れず、所望の線膨張係数
が得られにくい。ノボラック型エポキシ樹脂は比抵抗が
低下するのであまり好ましくない。
【0010】その他、グリシジルエステル系エポキシ樹
脂、例えばフタル酸ジグリシジルエステル、脂環族エポ
キシ樹脂、例えばアリサイクリックジエポキシカルボキ
シレート、あるいはグリシジルアミン系エポキシ樹脂、
例えばN,N-ジグリシジルアミンなども比抵抗を著しく
低下させるので好ましくない。そして、レゾール型フェ
ノール樹脂とエポキシ樹脂の配合割合は80:20〜5
0:50(重量比)が好ましい。また上記配合割合による
樹脂の添加量は、導電粉100重量部に対して15〜3
0重量部が好ましい。本発明に用いる導電粉は市販され
ている銀粉単独或いは銀粉と銅粉又はニッケル粉との2
種以上を併用したものが使用可能であり、形状は特に限
定されない。また、その粒径は特に限定するものではな
いが、良好なスクリーン印刷性とスルーホール埋め込み
性を有する銀ペーストを得るために可及的に微粉である
ことが好ましい。銀ペースト組成物の製造方法として
は、各種の方法が適用可能であるが、構成成分を混合後
インクロール、擂潰機、ボールミル等で混練して得るの
が一般的である。また必要に応じて上記組成物中に各種
分散剤、溶剤等を添加することも可能である。
【0011】
【実施例】以下に、実施例により更に本発明を詳細に説
明する。銀粉は(株)徳力化学研究所製の商品名:TC
G−11Nを、レゾール型フェノール樹脂は住友デュレ
ズ(株)製のPR−2011を、エポキシ樹脂は下記の
ものを使用した。表1及び表2の配合割合に従ってイン
クロールで混練してそれぞれ銀ペースト組成物を得た。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】(使用したエポキシ樹脂) EP828:油化シェルエポキシ(株)製ビスフェノール
A型エポキシ樹脂 平均分子量 約380、エポキシ当量 184〜194 EP807:油化シェルエポキシ(株)製ビスフェノール
Fエポキシ樹脂 平均分子量 約346、エポキシ当量 170〜175 EP152:油化シェルエポキシ(株)製ノボラック型エ
ポキシ樹脂 平均分子量 約350、エポキシ当量 172〜179 ショウダイン508:昭和電工(株)製フタル酸ジグリシ
ジルエステル 分子量 350、エポキシ当量 175 CY179:チバガイギー社製アリサイクリックジエポ
キシカルボキシレート (下式) 分子量 270、エポキシ当量 135
【化1】
【0015】それぞれの結果は表1,表2に示す通りで
ある。実施例で得られた銀ペースト組成物は、比抵抗も
十分良好であり、厚み方向の線膨張係数をできるだけ銀
スルーホール用基板に合わせているので、温度サイクル
試験でも非常に優れていることが明確である。
【0016】(評価方法) (1) 線膨張係数の評価は次の通りである。 まず、銀ペーストの試験片は、耐熱フィルム上に銀ペー
ストをスクリーン印刷後、充分に風乾した後、60℃×
30分間更に150℃×30分間熱風乾燥機で硬化さ
せ、5mm×5mmの大きさに切断して試験片を得た。ま
た、紙フェノール基板及びガラスエポキシ基板は、それ
ぞれ住友ベークライト(株)製のPLC−2147R
(PLCと略記)とELC−4970(CEM3と略
記)を5mm×5mmの大きさに切断して試験片とした。評
価装置はセイコー電子工業(株)製を使用し、評価条件
は加重 5.0g、昇温速度:5℃/分、測定温度範囲:
30℃〜260℃で行い、その中から、実用上問題にな
ると考えられる温度、即ち、40℃〜160℃の範囲に
ついての線膨張係数を求めた。ただし、表1及び表2の
比較例2、3では、上段は40〜80℃の値、下段は9
0〜160℃の値である。
【0017】(2) 比抵抗の評価は、ガラスエポキシ基板
(CEM3)に銀ペーストをスクリーン印刷し、充分に
風乾後、60℃×30分間更に150℃×30分間熱風
乾燥機で硬化させ、硬化した銀ペーストの抵抗値、幅及
び膜厚を測定して比抵抗の初期値を求めた。 (3) 温度サイクル試験の評価は、図5のような基板構成
でランド部が100個連結するようにスルーホール部分
に銀ペーストをスクリーン印刷で埋め込み後、充分風乾
した後、60℃×30分間更に150℃×30分間熱風
乾燥機で硬化して試験片を得た。この試験片を下記の条
件で温度サイクル試験をし、導電率が初期値の±100
%以上になるまでの回数を求めた。
【0018】
【数2】
【0019】
【発明の効果】本発明による銀ペースト組成物は良好な
導電性を有し、かつ長期の温度サイクル試験でも導電性
の変化率が小さく、高い信頼性が維持できるので、銀ス
ルーホール基板用として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】紙フェノール基板のTMA測定図。
【図2】ガラスエポキシ基板のTMA測定図。
【図3】基板のスルーホール部の概略断面図。
【図4】レゾール型フェノール樹脂のTMA測定図。
【図5】温度サイクル試験用基板の部分断面図。
【符号の説明】
1 基板 2 銅箔 3 銀ペースト 4 バレルクラック 11 基板 12 銅箔 13 ランド部 14 銀ペースト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/40 K 7511−4E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性粉末と熱硬化性樹脂とを主要構成
    成分とし、該熱硬化性樹脂がレゾール型フェノール樹脂
    とグリシジルエーテル系エポキシ樹脂とからなることを
    特徴とする導電性銀ペースト組成物。
  2. 【請求項2】 グリシジルエーテル系エポキシ樹脂が、
    ビスフェノールA型又はビスフェノールF型グリシジル
    エーテル系エポキシ樹脂で、エポキシ当量が500以下
    であり、かつレゾール型フェノール樹脂との配合割合が
    20:80〜50:50(重量比)であることを特徴と
    する請求項1記載の導電性銀ペースト組成物。
  3. 【請求項3】 導電性粉末と熱硬化性樹脂との配合割合
    が100:15〜100:30(重量比)であることを
    特徴とする請求項1記載の導電性銀ペースト組成物。
JP28847492A 1992-10-27 1992-10-27 導電性銀ペースト組成物 Pending JPH06139818A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07188391A (ja) * 1993-11-17 1995-07-25 Internatl Business Mach Corp <Ibm> バイア充填組成物およびその充填方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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