JP3038210B2 - ビアホ―ル充填用導電体ペ―スト組成物並びにそれを用いた両面及び多層プリント基板とその製造方法 - Google Patents

ビアホ―ル充填用導電体ペ―スト組成物並びにそれを用いた両面及び多層プリント基板とその製造方法

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JP3038210B2 JP12445499A JP12445499A JP3038210B2 JP 3038210 B2 JP3038210 B2 JP 3038210B2 JP 12445499 A JP12445499 A JP 12445499A JP 12445499 A JP12445499 A JP 12445499A JP 3038210 B2 JP3038210 B2 JP 3038210B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビアホール充填用導
電体ペースト組成物と、それを用いた両面プリント基板
および多層プリント基板並びにこれらの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の高性能化、小型化に伴
い、回路基板には高多層、高密度化が求められている。
IC間や部品間を最短距離で結合できる基板の層間の接
続方式としてインナビアホール接続によって、高密度化
が図れることが知られている。一般のガラスエポキシ多
層基板に用いられるようなスルーホール接続において
は、貫通孔にメッキすることで接続を行うため、必要な
層間のみの接続は困難であり、また基板最上層に電極の
ランドを有する構成のため、その部分に表面実装部品の
電極ランドを構成することができないことからこれらの
制約により実装密度を上げることは難しい。これらを解
決する方法として貫通孔でなく、基板の半分までの孔を
開け貫通孔を減らす方法や、スルーホールに導電体ペー
ストを充填し更にメッキする工程にて基板最上層の孔を
塞ぎ、実装密度を向上させる方法などが行われている
が、製造工程が複雑になりコストならびに量産性が課題
となる。
【0003】これに対して、インナビアホール接続で
は、必要な各層間のみの接続が可能であり、さらに基板
最上層にも貫通孔がなく実装性も優れている。
【0004】しかしこの接続方式を樹脂基板(例えば、
ガラスエポキシ基板)に適用した例では、両面基板では
低粘度の溶剤型銀ペーストを貫通孔に印刷法を用いて埋
め込み、乾燥硬化させ導通をとる基板があるが、その接
続抵抗値は10mΩ・cm程度と高く、またヒートサイ
クル等の耐熱衝撃における信頼性が乏しい。また導電体
ペーストの貫通孔への埋め込み性を高めるためペースト
の低粘度化手段としては、導電体粒子量を少なく用いた
り、低沸点の溶剤あるいは反応性希釈剤を添加する方法
が行われていた。
【0005】しかし、導電体粒子の添加量を減らすこと
は、フィラー同士の接触点が少なくなりビアホール接続
抵抗値が大きくなり、またヒートサイクル等の熱応力が
発生する試験では信頼性が確保できない問題があった。
また、低沸点の溶剤または反応性希釈剤を添加する方法
では、熱プレスの硬化中にこれら成分の揮発による重量
減少が大きく、この揮発成分のために基材に膨れが生じ
たり、または配線銅箔との接着力が弱くなる問題があっ
た。
【0006】これらの課題を克服した例としては、導電
体粒子を高濃度で含有しつつリノールダイマー酸グリシ
ジルエステルエポキシ樹脂を主成分とすることで無溶剤
で低粘度、高導電性、耐熱衝撃導電接続信頼性の導電体
ペーストを実現したものがある(特開平7−17684
6号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の例
ではリノールダイマー酸グリシジルエステルエポキシ樹
脂を主成分としており、樹脂の架橋密度が低くなるため
低粘度で熱衝撃には強いものの、吸水率が高く高湿度試
験において導電接続信頼性が不足であった。またリノー
ルダイマー酸グリシジルエステルエポキシ樹脂はエポキ
シ樹脂の中では接着強度も低レベルにあるため、これを
主成分に用いた導電体ペーストをビアホールに使用した
場合配線銅箔との接着力が不十分であるという問題があ
った。
【0008】一般にエポキシ樹脂の吸水率を低減し接着
強度を高めるには、架橋密度がより高められるエポキシ
当量が低い、例えばビスフェノール型エポキシ樹脂など
を配合する手段が知られている。しかし吸水率を低減し
接着強度を高められるこれら低エポキシ当量の樹脂はリ
ノールダイマー酸グリシジルエステルエポキシ樹脂など
に比較し高粘度であり、結果ビアホール充填ができない
導電体ペーストとなる。
【0009】本発明は上記課題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、インナビアホール接
続による電極層間の電気的接続ならびに高耐熱衝撃性、
高耐湿性、高接続強度が得られる、低粘度で低揮発性の
導電体ペースト組成物を得ることにあり、またこのペー
ストを用いたインナビアホール接続を含んだ両面プリン
ト基板から多層プリント基板を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電体ペース
トの粘度を決定づける因子として樹脂粘度の他にエポキ
シ化合物中に含まれる水酸基、アミノ基、カルボキシル
基の存在があることを解明し、その知見を基に低吸水率
で高接着強度が得られかつビアホール充填作業性も高め
られる無溶剤低粘度導電体ペースト組成物及びこのペー
ストを用いたインナビアホール接続を含んだ両面プリン
ト基板、多層プリント基板を得るに至ったものである。
前記アミノ基は、第1アミン及び第2アミン等に含まれ
るアミノ基である。
【0011】本発明の導電体ペースト組成物は、(a)
平均粒径が0.5〜20μmで、その比表面積が0.0
5〜1.5m2/gの導電体粒子;30〜70体積%
と、(b)一分子中に1つ以上のエポキシ基を有し、か
つ水酸基、アミノ基及びカルボキシル基の合計量がエポ
キシ基の5モル%以下であり、エポキシ当量が100〜
350g/eqであるエポキシ化合物を10重量%以上
含む樹脂;70〜30体積%とを少なくとも含むもので
ある。前記において、水酸基、アミノ基及びカルボキシ
ル基の合計量は、エポキシ基の3モル%以下であること
がさらに好ましい。前記エポキシ化合物中の水酸基、ア
ミノ基及びカルボキシル基の合計量を少なくするには、
分子蒸留により低減する方法が一例として採用できる。
ここで、エポキシ当量とは、エポキシ基1つあたりのエ
ポキシ化合物の分子量である。
【0012】前記ペースト組成物においては、導電体粒
子が、下記I〜IVの群から選ばれる少なくとも一つの
粒子であることが好ましい。 (I)金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、
鉛、インジウムから選ばれる少なくとも一つの粒子。 (II)金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、
鉛、インジウム、亜鉛、クロムから選ばれる任意の組み
合わせの合金粒子。 (III)導電性または非導電性粒子を核とし、金、白
金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウ
ムから選ばれる少なくとも一つの金属で被覆された粒
子。 (IV)導電性または非導電性粒子を核とし、金、白金、
銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウム、
亜鉛、クロムから選ばれる任意の組み合わせの合金で被
覆された粒子。
【0013】また前記ペースト組成物においては、導電
体粒子の表面酸素濃度が1.0重量%以下の銅を含むこ
とが好ましい。また前記ペースト組成物においては、エ
ポキシ化合物が、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、
グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン
型エポキシ樹脂および脂環式エポキシ樹脂から選ばれる
少なくとも一つのエポキシ樹脂であることが好ましい。
【0014】また前記ペースト組成物においては、エポ
キシ化合物が、ビスフェノールグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂であることが好ましい。また前記ペースト組
成物においては、エポキシ化合物が、重量平均分子量6
00〜10000のエポキシオリゴマーを含むことが好
ましい。
【0015】また前記ペースト組成物においては、エポ
キシ化合物が、(A群)ビスフェノールグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂90〜20重量%と、(B群)C8
以上の長鎖脂肪族アルコールグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂及びC8以上の長鎖脂肪酸グリシジルエステル
型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも一つのエポキシ
樹脂10〜80重量%であることが好ましい。また前記
ペースト組成物においては、エポキシ化合物が、(A
群)ビスフェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂;90〜19重量%と、(B群)炭素数(C)8以上
の長鎖脂肪族アルコールグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂及び炭素数(C)8以上の長鎖脂肪酸グリシジルエ
ステル型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも一つの樹
脂;9〜80重量%と、(C群)重量平均分子量600
〜10000のエポキシオリゴマー;1〜30重量%と
を少なくとも含むことが好ましい。また前記ペースト組
成物においては、ペースト組成物の粘度特性が、温度:
25℃、1[1/sec]における粘度(A)と、2[1/sec]に
おける粘度(B)の比(A/B)が、1以下であること
が好ましい。
【0016】次に本発明の両面プリント基板は、絶縁基
材内に開けられたビアホール中に、導電性樹脂組成物が
充填され、かつ前記絶縁基材表面の上下電極層が電気的
に接続されている両面プリント基板であって、前記導電
性樹脂組成物が(a)平均粒径が0.5〜20μmで、
その比表面積が0.05〜1.5m2/gの導電体粒
子;30〜70体積%と、(b)一分子中に1つ以上の
エポキシ基を有し、かつ水酸基、アミノ基及びカルボキ
シル基の合計量がエポキシ基の5モル%以下であり、エ
ポキシ当量が100〜350g/eqであるエポキシ化
合物を10重量%以上含む樹脂;70〜30体積%とを
少なくとも含み、かつ前記導電性樹脂組成物が前記ビア
ホール中において硬化されていることを特徴とする。
【0017】前記両面プリント基板においては、絶縁基
材が、アラミド繊維と熱硬化性樹脂の複合材であること
が好ましい。また前記両面プリント基板においては、絶
縁基材が、アラミド不織布に熱硬化性樹脂が含浸された
複合材であることが好ましい。
【0018】次に本発明の多層プリント基板は、複数枚
の絶縁基材層と2つ以上の電極層をもち、各々の絶縁基
材内に開けられたビアホール中に、平均粒径が0.5〜
20μmで、その比表面積が0.05〜1.5m2/g
の導電体粒子30〜70体積%と、一分子中に1つ以上
のエポキシ基を有し、かつ水酸基、アミノ基及びカルボ
キシル基の合計量がエポキシ基の5モル%以下であり、
エポキシ当量が100〜350g/eqであるエポキシ
化合物を10重量%以上含む樹脂を硬化した樹脂70〜
30体積%を少なくとも含む導電性樹脂組成物が充填さ
れ、各電極層が互いに電気的に接続された構造を持つも
のである。
【0019】前記多層プリント基板においては、絶縁基
材が、アラミド繊維と熱硬化性樹脂の複合材であること
が好ましい。また前記多層プリント基板においては、絶
縁基材が、アラミド不織布に熱硬化性樹脂を含浸させた
複合材であることが好ましい。
【0020】次に本発明の両面プリント基板の製造方法
は、プリント基板の製造に用いられるプリプレグにあら
かじめビアホールを形成し、このビアホールに、(a)
平均粒径が0.5〜20μmで、その比表面積が0.0
5〜1.5m2/gの導電体粒子30〜70体積%、
(b)一分子中に1つ以上のエポキシ基を有し、かつ水
酸基、アミノ基及びカルボキシル基の合計量がエポキシ
基の5モル%以下であり、エポキシ当量が100〜35
0g/eqであるエポキシ化合物を10重量%以上含む
樹脂70〜30体積%を少なくとも含む導電体ペースト
組成物を充填した後、前記プリプレグの上下層に銅箔を
挟んで加熱加圧後、銅箔をエッチングすることにより電
気回路を形成するものである。
【0021】前記両面プリント基板の製造方法において
は、プリプレグがアラミド繊維と熱硬化性樹脂の複合材
であることが好ましい。また前記両面プリント基板の製
造方法においては、プリプレグがアラミド不織布に熱硬
化性樹脂を含浸したシートであることが好ましい。また
前記両面プリント基板の製造方法においては、導電体粒
子が、下記I〜IVの群から選ばれる少なくとも一つの
粒子であることが好ましい。 (I)金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、
鉛、インジウムから選ばれる少なくとも一つの粒子。 (II)金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、
鉛、インジウム、亜鉛、クロムから選ばれる任意の組み
合わせの合金粒子。 (III)導電性または非導電性粒子を核とし、金、白
金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウ
ムから選ばれる少なくとも一つの金属で被覆された粒
子。 (IV)導電性または非導電性粒子を核とし、金、白金、
銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウム、
亜鉛、クロムから選ばれる任意の組み合わせの合金で被
覆された粒子。
【0022】また前記両面プリント基板の製造方法にお
いては、導電体粒子が、その表面酸素濃度が1.0重量
%以下の銅を含むことが好ましい。また前記両面プリン
ト基板の製造方法においては、エポキシ化合物が、グリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型
エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂および
脂環式エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも一つのエポ
キシ樹脂であることが好ましい。また前記両面プリント
基板の製造方法においては、エポキシ化合物がビスフェ
ノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂であることが
好ましい。
【0023】また前記両面プリント基板の製造方法にお
いては、エポキシ化合物が、重量平均分子量600〜1
0000のエポキシオリゴマーを含むことが好ましい。
また前記両面プリント基板の製造方法においては、エポ
キシ化合物が、(A群)ビスフェノールグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂90〜20重量%と、(B群)C8
以上の長鎖脂肪族アルコールグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂及びC8以上の長鎖脂肪酸グリシジルエステル
型エポキシ樹脂10〜80重量%とを含むことが好まし
い。また前記両面プリント基板の製造方法においては、
エポキシ化合物が、(A群)ビスフェノールグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂;90〜19重量%と、(B
群)炭素数(C)8以上の長鎖脂肪族アルコールグリシ
ジルエーテル型エポキシ樹脂及び炭素数(C)8以上の
長鎖脂肪酸グリシジルエステル型エポキシ樹脂から選ば
れる少なくとも一つの樹脂;9〜80重量%と、(C
群)重量平均分子量600〜10000のエポキシオリ
ゴマー;1〜30重量%とを少なくとも含むことが好ま
しい。また前記両面プリント基板の製造方法において
は、ペースト組成物の粘度特性が、1[1/sec]における
粘度(A)と、2[1/sec]における粘度(B)の比(A
/B)が、1以下であることが好ましい。
【0024】次に本発明の多層プリント基板の製造方法
は、プリント基板の製造に用いられるプリプレグにあら
かじめビアホールを形成し、このビアホールに、(a)
平均粒径が0.5〜20μmで、その比表面積が0.0
5〜1.5m2/gの導電体粒子30〜70体積%、
(b)一分子中に1つ以上のエポキシ基を有し、かつ水
酸基、アミノ基及びカルボキシル基の合計量がエポキシ
基の5モル%以下であり、エポキシ当量が100〜35
0g/eqであるエポキシ化合物を10重量%以上含む
樹脂70〜30体積%を少なくとも含む導電体ペースト
組成物を充填して基板中間体を形成し、さらに下記方法
(A)および(B)から選ばれるいずれかの方法によ
り、前記基板中間体を含む多層プリント基板を形成する
ことを特徴とする多層基板プリント基板の製造方法。 方法(A);前記基板中間体を両面プリント基板の上下
に配置し、さらに前記基板中間体の上下に銅箔を配置
し、前記基板中間体及び前記両面プリント基板を前記銅
箔と共に加熱加圧した後、銅箔をエッチングして回路を
形成する方法。 方法(B);両面プリント基板を前記基板中間体の上下
に配置し、前記基板中間体を前記両面プリント基板と共
に加熱加圧する方法。
【0025】前記多層プリント基板の製造方法において
は、プリプレグがアラミド繊維と熱硬化性樹脂の複合材
であることが好ましい。また前記多層プリント基板の製
造方法においては、プリプレグがアラミド不織布に熱硬
化性樹脂を含浸したシートであることが好ましい。また
前記多層プリント基板の製造方法においては、導電体粒
子が、下記I〜IVの群から選ばれる少なくとも一つの
粒子であることが好ましい。 (I)金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、
鉛、インジウムから選ばれる少なくとも一つの粒子。 (II)金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、
鉛、インジウム、亜鉛、クロムから選ばれる任意の組み
合わせの合金粒子。 (III)導電性または非導電性粒子を核とし、金、白
金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウ
ムから選ばれる少なくとも一つの金属で被覆された粒
子。 (IV)導電性または非導電性粒子を核とし、金、白金、
銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウム、
亜鉛、クロムから選ばれる任意の組み合わせの合金で被
覆された粒子。
【0026】また前記多層プリント基板の製造方法にお
いては、導電体粒子が、その表面酸素濃度が1.0重量
%以下の銅を含むことが好ましい。また前記多層プリン
ト基板の製造方法においては、エポキシ化合物が、グリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型
エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂および
脂環式エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも一つのエポ
キシ樹脂であることが好ましい。また前記多層プリント
基板の製造方法においては、エポキシ化合物が、ビスフ
ェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂であること
が好ましい。
【0027】また前記多層プリント基板の製造方法にお
いては、エポキシ化合物が、重量平均分子量600〜1
0000のエポキシオリゴマーを含むことが好ましい。
また前記多層プリント基板の製造方法においては、エポ
キシ化合物が、(A群)ビスフェノールグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂90〜20重量%と、(B群)C8
以上の長鎖脂肪族アルコールグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂及びC8以上の長鎖脂肪酸グリシジルエステル
型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも一つのエポキシ
樹脂10〜80重量%であることが好ましい。また前記
多層プリント基板の製造方法においては、エポキシ化合
物が、(A群)ビスフェノールグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂;90〜19重量%と、(B群)炭素数
(C)8以上の長鎖脂肪族アルコールグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂及び炭素数(C)8以上の長鎖脂肪酸
グリシジルエステル型エポキシ樹脂から選ばれる少なく
とも一つの樹脂;9〜80重量%と、(C群)重量平均
分子量600〜10000のエポキシオリゴマー;1〜
30重量%とを少なくとも含むことが好ましい。また前
記多層プリント基板の製造方法においては、ペースト組
成物の粘度特性が、1[1/sec]における粘度(A)と、
2[1/sec]における粘度(B)の比(A/B)が、1以
下であることが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明のビアホール充填用
導電体ペーストを用いた両面プリント基板およびその形
成方法ならびにそれを用いた多層プリント基板の実施例
を図面に基づき詳細に説明する。
【0029】図1は本発明の両面プリント基板の一実施
例の構造断面図である。両面プリント基板104は積層
基材101、銅箔102(図の場合は配線パターンの銅
箔)、導電体ペーストが硬化した導電体ビアホール10
3とからなっている。本発明のポイントは、導電体ペー
スト組成物が低粘度であることで充填が容易であり、高
含有量の導電体粒子が満たされた接続であることで、低
抵抗値・低熱膨張率であり、かつ導電体ペースト組成物
中の樹脂が低吸水率・高接着強度・無溶剤で低揮発性で
あることであらゆる環境試験においても高い接続信頼性
を有するインナビアホール基板が得られることにある。
なお、インナビアホール接続とは、両面、および多層プ
リント基板の各層間を任意の位置で接続を得る方法であ
る。
【0030】導電体ビアホール103を形成する導電体
ペースト組成物中の導電体粒子は、導電体組成中に高濃
度に含有される必要がある。その理由は、前記したよう
に導電体粒子同士の接触確率を高めることによる接続ビ
アホールの低抵抗化および熱または機械的応力による基
板歪みが加わった際にも接続信頼性を保持する必要があ
るからである。導電体粒子を高濃度に分散させるために
は、導電体粒子の平均粒径が0.2〜20μmの範囲
で、その比表面積が小さい程よく、その値は0.05〜
1.5m2/gが適正である。平均粒径が0.2μm未
満であれば比表面積が1.5m2/gを越え高濃度の分
散は不可能になり、20μmを越えると1つのビアホー
ルに充填される導電体ペースト中の導電体粒子個数が少
なすぎて接続信頼性が低下する。また比表面積は0.0
5m2/g未満では平均粒径を20μm以下にすること
が困難で、1.5m2/gを越えると導電体粒子の高濃
度の分散は不可能になるため好ましくない。また前記導
電体ペースト組成物は、ビアホールへの充填性を高める
ため、その粘度とTI値は低いほどよく、TI値は1.
0以下が適正である。なおTI値とは、粘度が剪断速度
依存性を持つペーストにおいて、異なる剪断速度におけ
る各粘度の相対比を表す。本発明においては、TI値
は、温度:25℃、1[1/sec]における粘度(A)と、
温度:25℃、2[1/sec]における粘度(B)の比(A
/B)である。また、粘度測定は、東機産業(株)製、
E型粘度計(DVU−E型)を用いて25℃でR=14
mm、3°コーン、0.5rpm(剪断速度1(1/s)に相
当)の条件で測定する。
【0031】また導電体粒子の種類としては、金、白
金、銀、パラジウム等の貴金属のもの、または銅、ニッ
ケル、錫、鉛、インジウム等の卑金属等ほとんどのもの
が使用可能で、これら2種以上を併用することも出来
る。また、純粋な金属だけでなく合金やまたは、図5に
示すような金属または絶縁性の核に導電性の材料で覆っ
たものも使用可能である。図5において501は球形の
核であり、502は導電性材料であり核の表面を覆い導
電性フィラーとしての役割を果たす。また、導電体粒子
の形状については上記平均粒径、比表面積を有するもの
であれば特に制限はない。
【0032】特に銅粉末を導電体粒子として用いること
は、マイグレーションの抑制、経済的供給と価格の安定
性の面から望ましい。しかし、銅粉末は一般に酸化され
易いため、本目的でビアホール充填用として用いる場合
には、銅粉末の酸化が導電性を阻害することとなるため
銅粉末の酸素濃度は1.0重量%以下であることが好ま
しい。
【0033】次に、導電体ビアホール103を形成する
導電体ペースト中の樹脂について説明する。接続信頼性
の高いインナビアホール用の導電体組成物を形成するた
めには、樹脂としては無溶剤で低粘度・低吸水率・高接
着強度の樹脂が基本的に必要である。この物性を得るた
め樹脂の組成としては、一分子中に1つ以上のエポキシ
基を有し、かつ水酸基、アミノ基、カルボキシル基がエ
ポキシ基の5モル%以下であり、エポキシ当量が100
〜350g/eqであるエポキシ化合物を10重量%以
上含む樹脂が用いられる。エポキシ化合物を必須成分と
する理由は高接着強度を得るためである。このエポキシ
化合物において、水酸基、アミノ基、カルボキシル基を
エポキシ基の5モル%以下の低濃度にする理由は、これ
ら水素結合力の高い官能基があるとたとえ樹脂粘度が低
くても導電体ペースト粘度が高くなるためである。逆に
これら水素結合力の高い官能基がエポキシ基の5モル%
以下の低濃度であれば樹脂粘度が高くても低粘度の導電
体ペーストが得られる。なお水酸基、アミノ基、カルボ
キシル基とエポキシ基の比は化学定量分析で確認できる
が、簡易的に赤外分光分析における3500cm-1近傍
の吸光度(水酸基、アミノ基、カルボキシル基に起因)
と910cm-1近傍の吸光度(エポキシ基に起因)の比
でも確認できる。このエポキシ化合物において、エポキ
シ当量を100〜350g/eqにする理由は、350
g/eq以上だと架橋密度が低すぎて吸水率が高く低接
着強度になるためで、100g/eq未満だと架橋密度
が高すぎて硬化収縮歪みが大きくなり接着強度低下を招
くためである。当該エポキシ化合物が樹脂中に10重量
%以上含まれていれば低粘度・低吸水率・高接着強度の
導電体ペースト組成物が得られる。当該エポキシ化合物
以外の樹脂成分については無溶剤であれば特に制限はな
い。また必要に応じエポキシ化合物を反応硬化させるた
めのエポキシ硬化剤も配合される。なお導電体ペースト
粘度は2000Pa・s以下、TI値は1以下が望まし
い。粘度が2000Pa・s以上、TI値が1を越える
とビアホール充填作業が出来ないという不具合を生じ
る。また本発明において樹脂を無溶剤にする理由は、溶
剤が含まれていた場合、本導電体組成物はビアホールに
充填された後加熱圧縮される時、揮発成分が揮散してビ
アホール充填構造物中にボイドが発生したり、またはプ
リプレグの剥離が生じたりして接続が不安定になるため
である。
【0034】使用に適したエポキシ化合物としては、グ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル
型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂
環式エポキシ樹脂等が使用される。中でも、ビスフェノ
ールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、例えば、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂(化1)、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂(化2)、ビスフェノールAD型(化
3)、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂(化4)、ア
ルキレンオキシド変性ビスフェノール型エポキシ樹脂
(化5)、アルコキシ変性ビスフェノール型エポキシ樹
脂(化6)等を使用することで低粘度で低吸水率かつ高
接着強度が得られる。これらのビスフェノールグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂は単独でも任意の組み合わせ
で使用しても有効である。
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
【0037】
【化3】
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】また前記において、エポキシ化合物が、
(A群)ビスフェノールグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂90〜20重量%と、(B群)C8以上の長鎖脂肪
族アルコールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂及びC
8以上の長鎖脂肪酸グリシジルエステル型エポキシ樹脂
から選ばれる少なくとも一方のエポキシ樹脂10〜80
重量%とで構成される樹脂は、特に低粘度で低吸水率か
つ高接着強度が得られ、かつ応力に対する緩和効果が大
きいためビアホールの接続信頼性が高くなる。ここで
(A群)に含まれる樹脂例としては、前記のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(化1)、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂(化2)、ビスフェノールAD型(化3)、
水添ビスフェノール型エポキシ樹脂(化4)、アルキレ
ンオキシド変性ビスフェノール型エポキシ樹脂(化
5)、アルコキシ変性ビスフェノール型エポキシ樹脂
(化6)等が使用できる。また(B群)に含まれる樹脂
例としては、リノールダイマー酸グリシジルエステル型
エポキシ樹脂(化7)、イソプレンカプロン酸ダイマー
グリシジルエステル型エポキシ樹脂(化8)バーサチッ
ク酸グリシジルエステル型エポキシ樹脂(化9)、ラウ
リルグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(化10)等を
使用することができる。これらA群B群の樹脂は単独で
も任意の組み合わせで使用しても有効である。
【0042】
【化7】
【0043】
【化8】
【0044】
【化9】
【化10】
【0045】またこの他に使用に適したエポキシ化合物
としては、平均分子量600〜10000のエポキシオ
リゴマーがある。当該エポキシオリゴマーは、水酸基、
アミノ基、及びカルボキシル基量がエポキシ基量に対し
て非常に少ないこと、および導電体ペーストにした場合
樹脂分子量の増加に伴い粘度の剪断速度依存性(TI
値)が小さくなることから、低粘度の導電体ペーストが
得られる効果を有する。加えて当該エポキシオリゴマー
は、剥離接着強度を向上させる効果もある。
【0046】また前記において、エポキシ化合物が、
(A群)ビスフェノールグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂90〜19重量%と、(B群)C8以上の長鎖脂肪
族アルコールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂及び/
またはC8以上の長鎖脂肪酸グリシジルエステル型エポ
キシ樹脂9〜80重量%と、(C群)平均分子量600
〜10000のエポキシオリゴマー1〜30重量%とで
構成される樹脂は、特に低粘度で低吸水率かつ高接着強
度が得られ、かつ応力に対する緩和効果が大きいためビ
アホールの接続信頼性が高くなる。ここで(A群)に含
まれる樹脂例としては、前記ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(化1)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(化
2)、ビスフェノールAD型(化3)、水添ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂(化4)、アルキレンオキシド変性
ビスフェノール型エポキシ樹脂(化5)、アルコキシ変
性ビスフェノール型エポキシ樹脂(化6)等が使用でき
る。また(B群)に含まれる樹脂例としては、リノール
ダイマー酸グリシジルエステル型エポキシ樹脂(化
7)、イソプレンカプロン酸ダイマーグリシジルエステ
ル型エポキシ樹脂(化8)バーサチック酸グリシジルエ
ステル型エポキシ樹脂(化9)、ラウリルグリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂(化10)等を使用することがで
きる。さらに(B群)に含まれる樹脂例としては、エポ
キシ化不飽和脂肪酸変性物(化11)、エポキシ化ポリ
ブタジエン(化12)、エポキシ化ポリスチレンブタジ
エン共重合体(化13)等を使用することができる。こ
れらA群B群C群の樹脂は単独でも任意の組み合わせで
使用しても有効である。
【0047】
【化11】
【0048】
【化12】
【0049】
【化13】
【0050】また導電体ペーストには必要に応じてエポ
キシ化合物以外の樹脂が加えられてもよい。使用に適し
た当該樹脂としては、例えば耐熱性向上を目的にイミド
樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ、銅箔との剥離接
着強度向上を目的にポリオレフィン等のビニル重合体、
アクリル樹脂、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリウレタン等が用いられる。これら樹脂は単独で
も任意の組み合わせで使用しても有効である。
【0051】また導電体ペーストには必要に応じてエポ
キシ硬化剤が配合されてもよい。エポキシ硬化剤につい
ては、1液性組成物として一般的に使用されている硬化
剤が使用可能である。例えばジシアンジアミド、カルボ
キシルヒドラジド等のアミン系硬化剤、ヘプタデシルイ
ミダゾール等のイミダゾール系硬化剤、3−(3,4−
ジクロロフェニル)−1、1−ジメチル尿素等の尿素系
硬化剤、無水メチルヘキサフタル酸、無水メチルナジッ
ク酸等の酸無水物系硬化剤、トリフェニルフォスフィン
等のフォスフィン系硬化剤、及びヘキサフルオロアンチ
モン塩等のルイス酸などが代表的に用いられる。これら
のうちでも、特に組成物の安定性および作業性の観点よ
り、潜在性硬化剤が望ましい。ここで潜在性硬化剤と
は、室温では反応が停止状態にあり長時間特性が変わる
ことなく保存可能で、所定の温度以上に加熱したときに
粒子が溶融、分解または溶解し、封じ込められていた活
性基が現れ、一斉に反応が開始され速やかに硬化する機
能を有するものをいう。
【0052】また導電体ペーストには必要に応じて分散
剤が配合されてもよい。分散剤については、一般に使用
される分散剤が使用可能である。第一は、高級脂肪酸の
エチレンオキシド、プロピレンオキシド付加エステル化
物、ゾルビタンと脂肪酸のエステル化合物、ゾルビタン
等の多価アルコールのエチレンオキシド、プロピレンオ
キシド付加エーテル化合物、アルキルベンゼンのエチレ
ンオキシド、プロピレンオキシド付加物等の非イオン性
分散剤、第二には、アルキルベンゼンスルフォン酸アル
カリ塩、高級アルコール硫酸エステルアルカリ塩、リン
酸エステル化合物、高級脂肪酸、高級脂肪酸のエチレン
オキシド、プロピレンオキシド付加物のサルファートア
ルカリ塩等のアニオン系分散剤、第三に4級アンモニウ
ム塩タイプのカチオン系分散剤が代表的に用いられる。
ここにいう分散剤とは、ペースト中において金属粒子表
面とバインダとして配合される有機樹脂との親和性を増
すことによって、ペーストの低粘度化及び低TI値化を
促進する効果を持つ。
【0053】積層基材101としては、プレス時にその
厚みがプリプレグより硬化後薄くなるものであれば制限
はなく現在知られているほとんどの積層基材が使える。
例えば、ガラスエポキシ基材、アラミドエポキシ基材、
ガラスイミド基材、紙フェノール基材等が使える。加熱
加圧する前はプリプレグといわれ、芯材のガラスクロス
または不織布に未硬化の樹脂を含浸してある。
【0054】図2(a)〜(d)は本発明の両面基板の
形成方法の工程図である。図2において積層基材201
はプリプレグである。このプリプレグに貫通孔を明け
る。一般にはドリルがよく使われるが、材料によっては
レーザビームなど他の加工法をとることも可能である。
図2(b)は、図2(a)を銅箔202ではさんだ状態
を示している。図2(c)は、図2(b)に加熱加圧を
加えた後の状態を示している。図2(c)は、プリプレ
グに開けた貫通孔に加熱加圧後に金属充填量が増えてい
る状態を示している。プリプレグは圧縮されて厚みが薄
くなり、且、樹脂が硬化している。導電体ペースト20
3は圧縮された状態になっている。この状態の導電体1
03が上下両面の電気的接続の役割を果たす。図2
(d)は表面の銅箔202を加工(エッチング等)して
配線パターンを形成した後の状態を示している。加工後
の銅箔102は回路導電体となる。実用に供せられるプ
リント基板はこの後、半田レジストを塗布したり、文字
や記号を印刷したり、挿入部品用の穴を開けるなどの工
程があるが、ここでは本質ではないので省略する。
【0055】図3(a)、(b)は上記に述べた両面プ
リント基板の形成方法を繰り返し用いて多層プリント基
板を作る工程を示している。図3(a)は芯になる両面
プリント基板104の両側(上下面)に図2(a)の貫
通孔に導電体ペーストを充填したものを配置し、更に銅
箔202をおいた状態を示している。この状態で、上下
面から加熱加圧すれば図3(b)の多層プリント基板が
得られ、すでにインナビアホール接続が出来上がってい
る。さらに上下面の銅箔をパターン状に加工すれば4層
の多層プリント基板が完成する。以後、この工程を繰り
返し、より層数の多い多層プリント基板を作ることが出
来る。
【0056】図3の多層プリント基板の形成方法におい
て、芯の両面プリント基板は本発明の両面プリント基板
を用いたが、必ずしもその必要はなく、従来あるスルー
ホール両面プリント基板が使えることは容易にわかる。
この場合、スルーホールの貫通孔は前もって埋めておい
たほうがよい。ここでスルーホール基板とは、樹脂基板
のことをいう。スルーホール基板ばかりでなくセラミッ
クの基板等が使える。
【0057】図4は多層プリント基板の他の形成方法を
示している。図4(a)においては、導電体ペースト2
03を充填した加熱加圧前のプリプレグ201を2枚の
両面プリント基板104ではさんでいる。この状態で加
熱加圧し、図4(b)の4層の多層プリント基板を得る
ことが出来る。4層ばかりでなく、複数枚の両面プリン
ト基板を用意し、前記の導電体粒子を充填した加熱加圧
前の積層基材を各両面プリント基板の間に挟んで加熱加
圧すればより多層の多層プリント基板を得ることが出来
る。
【0058】図4の多層プリント基板の形成方法におい
て、両面プリント基板は本発明の両面プリント基板を用
いたが、必ずしもその必要はなく、従来あるスルーホー
ル両面プリント基板が使える。スルーホール基板ばかり
でなくセラミックの基板等が使える。
【0059】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。なお下記の実施例において、単に%と表示し
た場合は、重量%を意味する。またPCT試験(Pressur
e Cooker Test)は次の方法で測定した。図6に示すとお
り、密閉した圧力容器1の加湿水12を加湿水ヒータ9
で加熱し、水蒸気で容器内を高圧に保ち、その水蒸気を
ヒーター4で再加熱し、撹拌ファン8より内筒2へ循環
させる。図6において、3は扉であり、試料14を出し
入れするときに開閉する。6は撹拌用モータ、7は撹拌
用モータの回転力を撹拌ファン8に伝達するための磁気
カップリング、5は器内温度センサ、10は加湿水温セ
ンサ、11は湿球温度センサ、13はクロスウィック
(繊維製吸水芯)である。また、矢印Aは風の流れを示
す。この測定装置は、「HASTチャンバー、EHS−
411型」(タバイエスペック社製)として市販されて
いる。前記測定装置を用いて、121℃、2気圧の飽和
水蒸気中に試料をさらした。また電気抵抗は時間ごとに
PCT試験装置より取り出し、サンプルの水分をベンコ
ットンで拭き取り、2時間通常室内(25℃、23%相
対湿度)放置後、電気抵抗を4端子法で測定した。
【0060】(実施例1)本発明の第1の実施例では図
1に示すようにプリプレグとしては200μmの厚みの
アラミド・エポキシシート(帝人(株)製TA−01)
を使用し、このプリプレグの片面に厚み20μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムを接着剤を用いて貼り
合わせ、ドリルを用いてこの基材に直径0.2mmの貫
通孔を形成した。この貫通孔にビアホール充填用とし
て、表1に示した組成物を三本ロールにて混練した導電
体ペーストを充填した。表1に導電体粒子の平均粒径お
よび比表面積とビアホール充填用導電体ペースト粘度値
を示す。なお以下の全て実施例における粘度データは、
E型粘度計を用い、剪断速度1[1/sec]、温度2
5℃で測定した値である。またTI値は、E型粘度計を
用い、温度:25℃で測定した剪断速度、1[1/sec]に
おける粘度(A)と、2[1/sec]における粘度(B)の
比(A/B)である。
【0061】
【表1】
【0062】各ペーストが充填されたプリプレグに、3
5μmの銅箔102をプリプレグの上下面に貼り合わ
せ、これを熱プレスを用いてプレス温度180℃、圧力
50Kg/cm2で60分間加熱加圧して両面銅張板を
形成し、公知のエッチング技術を用いて電極パターンを
形成した。
【0063】表1にそれぞれの導電体ペーストを用いた
ときの、インナビアホールの接続抵抗値および銅箔剥離
強度を示す。本発明の条件を満たした導電粒子を用いる
と、いずれのペーストを用いてもビアホールの体積抵抗
値は100(μΩ・cm)以下である低抵抗の接続が得
られた。また銅箔剥離強度についても請求項記載の条件
を満たした導電粒子を用いればいずれのペーストを用い
た場合でも1.5kgf/cm以上の高強度が得られ
た。
【0064】一方、比較例の微小粒径の導電体粒子を用
いた場合には、非常に高粘度で高TI値のペーストが得
られ貫通孔への充填作業性が低く、銅箔剥離強度が低い
結果が得られた。また比較例の大粒径の導電体粒子を用
いた場合には、充填作業性と銅箔剥離強度は高いがビア
ホールの体積抵抗値は130(μΩ・cm)以上の高抵
抗値が得られた。
【0065】(実施例2)第2の実施例では、平均粒径
2μmの銅粉25〜75体積%と、第1の実施例と同じ
樹脂75〜25体積%を三本ロールにて混練して導電体
ペーストを得、これを第1の実施例と同様に直径0.2
mmの貫通孔を形成したプリプレグに充填した。これら
の各ペーストが充填されたプリプレグに、銅箔102を
プリプレグの上下面に貼り合わせ、これを熱プレスを用
いてプレス温度180℃、圧力50kg/cm2で60
分間加熱加圧して両面銅張板を形成し、公知のエッチン
グ技術を用いて電極パターンを形成した。
【0066】
【表2】
【0067】表2に各ビアホール充填用導電体ペースト
の粘度値とTI値、それぞれのペーストを用いたときの
インナビアホールの接続抵抗値および銅箔剥離強度を示
す。導電体粒子と樹脂を請求項の条件を満たした範囲で
配合した導電体ペーストはいずれもビアホールの体積抵
抗値は100(μΩ・cm)以下である低抵抗の接続が
得られた。一方、導電体粒子の含有量が比較例である3
0体積%未満では、導電体粒子が不足しビアホール抵抗
値が大きい。また導電体粒子の含有量が比較例の70体
積%を越えるとペースト粘度及びTI値が高くなりビア
ホール充填作業性が困難であった。また銅箔剥離強度に
ついては導電体粒子の含有量が70体積%以下であれば
いずれのペーストを用いた場合でも1.5kgf/cm
以上の高強度が得られた。
【0068】またインナビアホール接続の耐熱衝撃信頼
性を評価するため、各導電体ペーストをビアホールに充
填して作製した両面銅張板のヒートサイクル試験(−5
5℃〜125℃各30分)をおこなった。評価はインナ
ビアホールの接続抵抗値が初期値の変化率10%以内に
保持されるサイクル数で行った。なお以下の全ての実施
例における耐熱衝撃信頼性の評価は同様な方法で行っ
た。本実施例のビアホール接続の耐熱衝撃信頼性評価結
果は表2に示す。各導電体ペーストを充填したサンプル
のヒートサイクル試験におけるビアホール抵抗値の変化
は、本発明の条件を満たした範囲であれば数100サイ
クル以上にわたり安定で、ビアホールの接続信頼性が損
なわれていない。一方、導電体粒子の含有量が比較例の
30体積%未満の場合には、短時間で抵抗値が大きく上
昇し、やがて断線に至った。
【0069】(実施例3)第3の実施例では、導電体粒
子として表面酸素濃度が異なる平均粒径2μmの銅粉を
50体積%と、表3に示した樹脂50体積%を三本ロー
ルにて混練して導電体ペーストを得、第1の実施例と同
様に、直径0.2mmの貫通孔を形成したプリプレグに
これを充填した。これらの各ペーストが充填されたプリ
プレグに、銅箔102をプリプレグの上下面に貼り合わ
せ、これを熱プレスを用いてプレス温度180℃、圧力
50kg/cm2で60分間加熱加圧して両面銅張板を
形成し、公知のエッチング技術を用いて電極パターンを
形成した。
【0070】
【表3】
【0071】表3に各ビアホール充填用導電体ペースト
の粘度とTI値、それぞれのペーストを用いたときのイ
ンナビアホールの接続抵抗値を示す。銅の表面酸素濃度
が1.0重量%以下のペーストでは100(μΩ・c
m)以下である低抵抗の接続が得られた。しかし表面酸
素濃度の増大とともに、ビアホール抵抗値が高くなり、
その量が1.0重量%を越えると急激に抵抗値が増大し
100(μΩ・cm)以下である低抵抗の接続が得られ
ない。また表面酸素濃度の増大とともにペースト粘度及
びTI値も高くなり充填しにくい導電体ペーストとなっ
た。
【0072】(実施例4)第4の実施例では、表4に示
すようにエポキシ化合物中の水酸基・アミンノ基・カル
ボキシル基を分子蒸留にて低減したもの(本発明の範囲
内)と未処理の樹脂(比較例)との比較を行った。導電
体粒子として平均粒径2μmの銅粉を50体積%と、表
4に示した硬化剤を含んだグリシジルエーテル型エポキ
シ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジ
ルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂の各樹脂
50体積%を三本ロールにて混練し導電体ペーストを
得、第1の実施例と同様に、直径0.2mmの貫通孔を
形成したプリプレグにこれを充填した。
【0073】
【表4】 ここで、表4中のH値は、水酸基、アミノ基およびカル
ボキシル基に起因する赤外吸収(3200〜3600c
-1)とエポキシ基に起因する赤外吸収(880〜94
0cm-1)の各極大吸光度の比である。なお、エポキシ
基に対する水酸基、アミノ基およびカルボキシル基の合
計量の比とH値との関係を調査するために、併せて、分
子構造が既知の各種化合物についてH値を測定した。そ
の結果、H値が10のとき、上記の比は5%程度となる
ことが判明した。上記の3つの基の存在に起因する赤外
吸光のピークが、いずれも3200〜3600cm-1
あり、エポキシ基に起因する赤外吸光のピークが880
〜940cm-1にあることからも明らかなように、H値
が10を超えると、エポキシ基に対する、水酸基、アミ
ノ基およびカルボキシル基の合計量の比も5%を上回
る。
【0074】表5に各ビアホール充填用導電体ペースト
の粘度とTI値を示す。エポキシ化合物中の水酸基・ア
ミノ基・カルボキシル基を低減したものを用いた導電体
ペースト(表5−a2、b2、c2、d2)では、いず
れのペーストを用いても低粘度かつ低TI値で充填作業
性の良い結果が得られた。一方、エポキシ化合物中の水
酸基・アミノ基・カルボキシル基が多い樹脂を用いた導
電体ペーストでは(表5−a1、b1、c1、d1)非
常に高粘度かつ高TI値でビアホール充填作業性が低か
った。
【0075】
【表5】
【0076】これらの各ペーストが充填されたプリプレ
グに、銅箔102をプリプレグの上下面に貼り合わせ、
これを熱プレスを用いてプレス温度180℃、圧力50
kg/cm2で60分間加熱加圧して両面銅張板を形成
し、公知のエッチング技術を用いて電極パターンを形成
した。
【0077】表5にそれぞれのペーストを用いたとき
の、インナビアホールの接続抵抗値および銅箔剥離強度
を示す。エポキシ化合物中の水酸基・アミノ基・カルボ
キシル基を本発明の範囲内に低減したもの(表5−a
2、b2、c2、d2)はいずれのペーストを用いても
ビアホールの体積抵抗値は100(μΩ・cm)以下で
ある低抵抗の接続が得られ、また銅箔剥離強度も1.5
kgf/cm以上の高強度が得られた。一方、エポキシ
化合物中の水酸基・アミノ基・カルボキシル基が多い樹
脂を用いた導電体ペースト(表5−a1、b1、c1、
d1)では、導電体ペーストがビアホールに十分に充填
されていないためか高抵抗でかつ低強度である結果が得
られた。
【0078】またインナビアホール接続の耐熱衝撃信頼
性を評価するため、各導電体ペーストをビアホールに充
填して作製した両面銅張板のヒートサイクル試験(−5
5℃〜125℃各30分)をおこなった。評価は第2の
実施例と同様な方法で行った。結果は表5に示す。各導
電体ペーストを充填したサンプルのヒートサイクル試験
におけるビアホール抵抗値の変化は、請求項の条件を満
たした範囲の導電体ペースト(表5−a2、b2、c
2、d2)を使用した場合であれば1000サイクル以
上にわたり安定で、ビアホールの接続信頼性が損なわれ
ていない。一方、エポキシ化合物中の水酸基・アミノ基
・カルボキシル基が本発明の範囲を越えて多い樹脂を用
いた導電体ペーストの場合には、短時間で抵抗値が大き
く上昇する結果が得られた。
【0079】(実施例5)第5の実施例では、導電体粒
子として平均粒径2μmの銅粉を50体積%と、表6に
示した硬化剤を含んだ樹脂50体積%を三本ロールにて
混練して導電体ペーストを得、第1の実施例と同様に、
直径0.2mmの貫通孔を形成したプリプレグにこれを
を充填した。本実施例でも第4の実施例と同様にエポキ
シ化合物中の水酸基・アミノ基・カルボキシル基を分子
蒸留にて低減したもの(本発明の範囲内)と未処理の樹
脂(比較例)との比較、およびエポキシ当量が低いもの
(本発明の範囲内)と高いもの(比較例)との比較を行
った。
【0080】
【表6】
【0081】これらの各ペーストが充填されたプリプレ
グに、銅箔102をプリプレグの上下面に貼り合わせ、
これを熱プレスを用いてプレス温度180℃、圧力50
kg/cm2で60分間加熱加圧して両面銅張板を形成
し、公知のエッチング技術を用いて電極パターンを形成
した。
【0082】表7に各ビアホール充填用導電体ペースト
の粘度とTI値およびペースト硬化物の吸水率を示す。
吸水率は各導電体ペーストを直径20mm厚さ1mmの
円盤状の型に入れプレス温度180℃、圧力50kg/
cm2で60分間加熱加圧して成形した硬化物のPCT
試験(121℃、2気圧、50Hr)での重量増加率で
評価した。またそれぞれのペーストを用いたときの、イ
ンナビアホールの接続抵抗値および銅箔剥離強度も表7
に示す。なお以下の全ての実施例におけるペースト硬化
物の吸水率の評価は同様な方法で行った。
【0083】
【表7】
【0084】エポキシ化合物中の水酸基・アミノ基・カ
ルボキシル基を請求項範囲内に低減、かつエポキシ当量
を請求項範囲内にした樹脂を用いた導電体ペーストは、
いずれのペーストを用いても低粘度かつ低TI値で充填
作業性の良いペーストが得られた。また導電体ペースト
硬化物のPCTにおける吸水率についても、請求項範囲
のエポキシ化合物を用いた導電体ペーストは、10重量
%以下の低吸水率を示した。さらにこれら請求項範囲内
のペーストはいずれを用いてもビアホールの体積抵抗値
は100(μΩ・cm)以下である低抵抗の接続が得ら
れ、また銅箔剥離強度も1.5kgf/cm以上の高強
度が得られた。
【0085】一方、エポキシ化合物中の水酸基・アミノ
基・カルボキシル基が多い樹脂を用いた導電体ペースト
では、1種(表7−i)をのぞき非常に高粘度かつ高T
I値でビアホール充填作業性が低く、ビアホールの体積
抵抗値も高い結果が得られた。また高エポキシ当量の樹
脂を用いた導電体ペーストでは(表7−i、j)、吸水
率が非常に高く銅箔剥離強度も低い結果が得られた。
【0086】またインナビアホール接続の耐湿信頼性を
評価するため、各導電体ペーストをビアホールに充填し
て作製した両面銅張板のPCT試験をおこなった。試験
の評価はビアホール接続抵抗値が初期値の変化率10%
以下に保持される時間で行った。その結果を表7に示す
が、比較例の(表7−e1、i、j)は100時間以内
で接続不良となるが、その他の本発明の範囲内のものは
いずれのペーストを用いても高い耐湿接続信頼性が得ら
れた。
【0087】またインナビアホール接続の耐熱衝撃信頼
性を評価するため、各導電体ペーストをビアホールに充
填して作製した両面銅張板のヒートサイクル試験(−5
5℃〜125℃各30分)をおこなった。評価は第2の
実施例と同様な方法で行った。結果は表7に示す。各導
電体ペーストを充填したサンプルのヒートサイクル試験
におけるビアホール抵抗値の変化は、請求項の条件を満
たした範囲であればいずれの導電体ペーストを使用した
場合でも1000サイクル以上にわたり安定で、ビアホ
ールの接続信頼性が損なわれていない。一方、エポキシ
化合物中の水酸基・アミノ基・カルボキシル基が本発明
の範囲を越えて多い樹脂(表7−a1、e1、g1、h
1)を用いた導電体ペーストの場合には、短時間で抵抗
値が大きく上昇する結果が得られた。
【0088】(実施例6)第6の実施例では、導電体粒
子として平均粒径2μmの銅粉を50体積%と、表8に
示す硬化剤を含むエポキシ当量の異なるビスフェノール
F型エポキシ樹脂50体積%を三本ロールにて混練して
導電体ペーストを得、第1の実施例と同様に、直径0.
2mmの貫通孔を形成したプリプレグにこれを充填し
た。これらの各ペーストが充填されたプリプレグに、銅
箔102をプリプレグの上下面に貼り合わせ、これを熱
プレスを用いてプレス温度180℃、圧力50kg/c
2で60分間加熱加圧して両面銅張板を形成し、公知
のエッチング技術を用いて電極パターンを形成した。
【0089】
【表8】
【0090】表8に各ビアホール充填用導電体ペースト
の粘度値とTI値およびペースト硬化物の吸水率、それ
ぞれのペーストを用いたときのインナビアホールの接続
抵抗値および銅箔剥離強度を示す。エポキシ当量の増大
とともにペースト粘度及びTI値も高くなり充填しにく
く、かつ吸水率の大きい導電体ペーストとなった。これ
はエポキシ当量が高まると、樹脂自身の粘度が高くなる
と同時にエポキシ化合物中の水酸基の増大および硬化架
橋密度低下が不可避であるためと考えられる。エポキシ
当量が請求項範囲内である樹脂を用いた導電体ペースト
は、いずれも低粘度かつ低TI値で充填作業性が良く、
さらに低吸水率で、その結果ビアホールの体積抵抗値は
100(μΩ・cm)以下である低抵抗の接続で、かつ
銅箔剥離強度も1.5kgf/cm以上の高強度が得ら
れた。
【0091】(実施例7)第7の実施例では、導電体粒
子として平均粒径2μmの銅粉を50体積%と、表9に
あるA群(ビスフェノール型エポキシ樹脂)とB群の樹
脂およびアミン系硬化剤を配合した総量50体積%から
なる組成物を、3本ロールにて混練して導電体ペースト
を得、第1の実施例と同様に、直径0.2mmの貫通孔
を形成したプリプレグにこれを充填した。なお表9中の
(9)はエポキシ化合物以外の樹脂(ポリビニルブチラー
ル[略称PVB])が一部配合されている。
【0092】
【表9】
【0093】表10にビアホール充填用導電体ペースト
の粘度とTI値およびペースト硬化物の吸水率を示す。
エポキシ化合物中の水酸基・アミノ基・カルボキシル基
を本発明の範囲に低減し、かつエポキシ当量も請求項範
囲内にした樹脂を用いた導電体ペースト(表10(1)〜
(9))は、いずれのペーストを用いても低粘度かつ低T
I値で充填作業性の良いペーストが得られ、またペース
ト硬化物のPCTにおける吸水率についても10%以下
の低吸水率を示した。一方、エポキシ化合物中の水酸基
・アミノ基・カルボキシル基の合計量が本発明の範囲を
越えて多い樹脂を用いた導電体ペーストでは、1種(表
10(10))は高粘度かつ高TI値でプリプレグ貫通孔へ
の充填作業性が低く、1種(表10(11))は低粘度が得
られたがエポキシ当量が請求項範囲を越えて大きいこと
からペースト硬化物の吸水率は非常に高いものが得られ
た。
【0094】
【表10】
【0095】これらの各ペーストが充填されたプリプレ
グに、銅箔102をプリプレグの上下面に貼り合わせ、
これを熱プレスを用いてプレス温度180℃、圧力50
kg/cm2で60分間加熱加圧して両面銅張板を形成
し、公知のエッチング技術を用いて電極パターンを形成
した。
【0096】表10にそれぞれのペーストを用いたとき
の、インナビアホールの接続抵抗値および銅箔剥離強度
を示す。エポキシ化合物中の水酸基・アミノ基・カルボ
キシル基を請求項範囲に低減し、かつエポキシ当量も請
求項範囲内にした樹脂を用いた導電体ペースト(表10
(1)〜(9))いずれのペーストを用いてもビアホールの体
積抵抗値は100(μΩ・cm)以下である低抵抗の接
続が得られ、かつ銅箔剥離強度も1.5kgf/cm以
上の高強度が得られた。エポキシ化合物以外の樹脂(P
VB)を配合した導電体ペースト(表10(9))でも、
低抵抗の接続が得られ、かつ銅箔剥離強度も2.5kg
f/cm以上の高強度が得られた。一方、エポキシ化合
物中の水酸基・アミノ基・カルボキシル基が本発明の範
囲外である樹脂を使用した導電体ペーストでは、1種
(表10(10))はプリプレグ貫通孔への充填作業性が低
かったためか抵抗値が若干高く銅箔剥離強度も低かっ
た。また、もう1種(表10(11))は低抵抗値であった
がエポキシ当量が請求項範囲を越えて大きいことから銅
箔剥離強度が非常に低い結果が得られた。
【0097】またインナビアホール接続の耐湿信頼性を
評価するため、各導電体ペーストをビアホールに充填し
て作製した両面銅張板のPCT試験をおこなった。試験
の評価は実施例5と同様の方法で行った。その結果を表
10に示すが、比較例の(表10(11))は短時間で接続
不良となるが、その他の本発明の範囲内のものはいずれ
のペーストを用いても高い耐湿接続信頼性が得られた。
【0098】またインナビアホール接続の耐熱衝撃信頼
性を評価するため、各導電体ペーストをビアホールに充
填して作製した両面銅張板のヒートサイクル試験(−5
5℃〜125℃各30分)をおこなった。評価は実施2
と同様な方法で行った。結果は表10に示す。各導電体
ペーストを充填したサンプルのヒートサイクル試験にお
けるビアホール抵抗値の変化は、本発明の範囲内であれ
ばいずれの導電体ペーストを使用した場合でも1000
サイクル以上にわたり安定で、ビアホールの接続信頼性
が損なわれていない結果が得られた。
【0099】(実施例8)第8の実施例では、A群(ビ
スフェノール型エポキシ樹脂(g2))とB群(リノー
ルダイマー酸エポキシ樹脂(i))の樹脂の組成比の影
響について検討した。導電体粒子として平均粒径2μm
の銅粉を50体積%と、表11にあるA群とB群の樹脂
およびアミン系硬化剤を配合した総量50体積%からな
る組成物を、3本ロールにて混練して導電体ペーストを
得、第1の実施例と同様に、直径0.2mmの貫通孔を
形成したプリプレグにこれを充填した。
【0100】
【表11】
【0101】表11にビアホール充填用導電体ペースト
の粘度とTI値およびペースト硬化物の吸水率を示す。
エポキシ化合物中の水酸基・アミノ基・カルボキシル基
を請求項範囲に低減し、かつエポキシ当量も請求項範囲
内にしたA群の樹脂が40%以上配合された導電体ペー
スト(表11(7),(13)〜(15))は、いずれのペーストを
用いても低粘度で充填作業性の良いペーストが得られ、
またペースト硬化物のPCTにおける吸水率についても
10%以下の低吸水率を示した。一方、エポキシ化合物
中の水酸基・アミノ基・カルボキシル基が請求項範囲を
越えて多く、エポキシ当量も請求項範囲より高い樹脂を
用いた導電体ペースト(表11(11),(12))では、低粘
度、低TI値は得られたものの硬化物の吸水率は非常に
高いものが得られた。
【0102】これらの各ペーストが充填されたプリプレ
グに、銅箔102をプリプレグの上下面に貼り合わせ、
これを熱プレスを用いてプレス温度180℃、圧力50
kg/cm2で60分間加熱加圧して両面銅張板を形成
し、公知のエッチング技術を用いて電極パターンを形成
した。
【0103】表11にそれぞれのペーストを用いたとき
の、インナビアホールの接続抵抗値および銅箔剥離強度
を示す。インナビアホールの接続抵抗値については、い
ずれのペーストを用いてもビアホールの体積抵抗値は1
00(μΩ・cm)以下である低抵抗の接続が得られ
た。銅箔剥離強度については、エポキシ化合物中の水酸
基・アミノ基・カルボキシル基を本発明の範囲に低減
し、かつエポキシ当量も請求項範囲内にしたA群の樹脂
が40%以上配合された導電体ペースト(表11(7),(1
3)〜(15))では、1.5kgf/cm以上の高強度が得
られた。一方、A群樹脂が20%以下しか使用していな
い導電体ペーストでは、低粘度でプリプレグ貫通孔への
充填作業性が高かったにもかかわらず銅箔剥離強度は低
かった。
【0104】またインナビアホール接続の耐湿信頼性を
評価するため、各導電体ペーストをビアホールに充填し
て作製した両面銅張板のPCT試験をおこなった。試験
の評価は実施例5と同様の方法で行った。その結果を表
11に示すが、比較例の(表11(11),(12))は短時間
で接続不良となるが、その他の本発明の範囲内のものは
いずれのペーストを用いても高い耐湿接続信頼性が得ら
れた。
【0105】(実施例9)第9の実施例では、導電体粒
子として平均粒径2μmの銅粉を50体積%と、表12
にあるA群(ビスフェノール型エポキシ樹脂)とB群と
C群(オリゴマー)の樹脂およびアミン系硬化剤を配合
した総量50体積%からなる組成物を、3本ロールにて
混練して導電体ペーストを得、第1の実施例と同様に、
直径0.2mmの貫通孔を形成したプリプレグにこれを
充填した。
【0106】
【表12】
【0107】表13にビアホール充填用導電体ペースト
の粘度とTI値およびペースト硬化物の吸水率を示す。
表12にあるC群のエポキシオリゴマー樹脂が本発明の
範囲内の30%以内である導電体ペーストでは(表13
ア〜エ)、いずれのペーストを用いても低粘度かつ低T
I値で充填作業性の良いペーストが得られ、またペース
ト硬化物のPCTにおける吸水率についても10%以下
の低吸水率を示した。一方、C群樹脂が本発明の範囲の
30%を越えて多い樹脂を用いた導電体ペースト(表1
3オ)では、低吸水率ではあったものの非常に高粘度か
つ高TI値のペーストが得られ、プリプレグ貫通孔への
充填作業性が低かった。
【0108】
【表13】
【0109】これらの各ペーストが充填されたプリプレ
グに、銅箔102をプリプレグの上下面に貼り合わせ、
これを熱プレスを用いてプレス温度180℃、圧力50
kg/cm2で60分間加熱加圧して両面銅張板を形成
し、公知のエッチング技術を用いて電極パターンを形成
した。
【0110】表13にそれぞれのペーストを用いたとき
の、インナビアホールの接続抵抗値および銅箔剥離強度
を示す。C群のエポキシオリゴマー樹脂が請求項の範囲
である30%以内である導電体ペースト(表13ア〜
エ)では、いずれのペーストを用いてもビアホールの体
積抵抗値は100(μΩ・cm)以下である低抵抗の接
続が得られ、かつ銅箔剥離強度も2kgf/cm以上で
非常に高強度が得られた。一方、C群樹脂が本発明の範
囲を越えて30%以上である導電体ペーストでは、プリ
プレグ貫通孔への充填作業性が低かったためか抵抗値が
若干高く銅箔剥離強度も低かった。
【0111】またインナビアホール接続の耐熱衝撃信頼
性を評価するため、各導電体ペーストをビアホールに充
填して作製した両面銅張板のヒートサイクル試験(−5
5℃〜125℃各30分)をおこなった。評価は実施2
と同様な方法で行った。結果は表13に示す。各導電体
ペーストを充填したサンプルのヒートサイクル試験にお
けるビアホール抵抗値の変化は、本発明の範囲内の条件
を満たした範囲であればいずれの導電体ペーストを使用
した場合でも1000サイクル以上にわたり安定で、ビ
アホールの接続信頼性が損なわれていない結果が得られ
た。
【0112】(実施例10)導電体粒子として平均粒径
2μmの銅粉を50体積%と、表9(8)の樹脂と硬化剤
を配合したもの総量50体積%とを三本ロールにて混練
した導電体ペーストを用いて、接続抵抗を測定するため
のパターンが形成されているアラミド・エポキシ両面基
板2枚の間に、上記のペーストを直径0.2mmの貫通
孔を形成したプリプレグに充填したアラミド−エポキシ
プレプレグをはさみ、これを熱プレスを用いてプレス温
度180℃、圧力50kg/cm2で60分間加熱加圧
して4層プリント基板を形成した。
【0113】4層基板の2,3層間に形成されたインナ
ビアホールの接続抵抗は、実施例7の(8)と同様の抵抗
値を示した。同様に6層プリント基板においても、4層
と同じ接続抵抗値で、同様の信頼性が得られた。
【0114】また、上記のペーストを用いて実施例1と
同様の方法にて作製したアラミド・エポキシ両面基板1
枚の両側に、上記のペーストを直径0.2mmの貫通孔
を形成したプリプレグに充填した2枚のアラミド−エポ
キシプレプレグをはさみ、これを熱プレスを用いてプレ
ス温度180℃、圧力50kg/cm2で60分間加熱
加圧して4層プリント基板を形成した方法においても、
同等のビアホールの接続抵抗が得られた。さらにこの方
法を用いて作製した6層プリント基板においても、同様
の信頼性が得られた。
【0115】また実施例1と同様の方法にて作製したア
ラミド・エポキシ両面基板の代わりに回路形成されたセ
ラミック基板を用いても同様のビアホール接続信頼性が
得られた。
【0116】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のビアホ
ール充填用導電体ペーストを用いた両面プリント基板と
その形成方法およびそれを用いた多層基板によればスル
ーホールメッキ技術を用いることなく簡便に高信頼性の
インナビアホールを備えた両面プリント基板を実現する
ことができ、その多層化も容易に実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における両面プリント基板を
示す構造断面図。
【図2】同実施例における両面プリント基板の形成方法
の工程図。
【図3】同実施例における多層プリント基板の形成方法
の工程図。
【図4】同実施例における多層プリント基板の他の形成
方法の工程図。
【図5】同実施例におけるプリント基板に用いた導電性
粒子の構造図。
【図6】同実施例におけるPCT試験(Pressure Cooker
Test)測定装置の概念図。
【符号の説明】
1 圧力容器 2 内筒 3 扉 4 ヒーター 5 器内温度センサ 6 撹拌用モータ 7 磁気カップリング 8 撹拌ファン 9 加湿水ヒータ 10 加湿水温センサ 11 湿球温度センサ 12 加湿水 13 クロスウィック(繊維製吸水芯) 101 積層基材 102 加工後の銅箔 103 導電体ビアホール 104 両面プリント基板 201 加熱加圧前の積層基材 202 銅箔 203 導電体ペースト 501 核 502 導電性材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05K 3/40 H05K 3/40 K 3/46 3/46 N S (72)発明者 大林 孝志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−176846(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 1/22 C09D 5/24 C09J 9/02 H05K 1/09 H05K 1/11 H05K 3/40 H05K 3/46

Claims (37)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)平均粒径が0.5〜20μmで、
    その比表面積が0.05〜1.5m2/gの導電体粒
    子;30〜70体積%と、(b)一分子中に1つ以上の
    エポキシ基を有し、かつ水酸基、アミノ基及びカルボキ
    シル基の合計量がエポキシ基の5モル%以下であり、エ
    ポキシ当量が100〜350g/eqであるエポキシ化
    合物を10重量%以上含む樹脂;70〜30体積%とを
    少なくとも含むビアホール充填用導電体ペースト組成
    物。
  2. 【請求項2】 導電体粒子が、下記I〜IVの群から選
    ばれる少なくとも一つの粒子である請求項1に記載のビ
    アホール充填用導電体ペースト組成物。 (I)金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、
    鉛、インジウムから選ばれる少なくとも一つの粒子。 (II)金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、
    鉛、インジウム、亜鉛、クロムから選ばれる任意の組み
    合わせの合金粒子。 (III)導電性または非導電性粒子を核とし、金、白
    金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウ
    ムから選ばれる少なくとも一つの金属で被覆された粒
    子。 (IV)導電性または非導電性粒子を核とし、金、白金、
    銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウム、
    亜鉛、クロムから選ばれる任意の組み合わせの合金で被
    覆された粒子。
  3. 【請求項3】 導電体粒子が、表面酸素濃度が1.0重
    量%以下の銅を含む請求項1に記載のビアホール充填用
    導電体ペースト組成物。
  4. 【請求項4】 エポキシ化合物が、グリシジルエーテル
    型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、
    グリシジルアミン型エポキシ樹脂および脂環式エポキシ
    樹脂から選ばれる少なくとも一つのエポキシ樹脂である
    請求項1に記載のビアホール充填用導電体ペースト組成
    物。
  5. 【請求項5】 エポキシ化合物が、ビスフェノールグリ
    シジルエーテル型エポキシ樹脂である請求項1に記載の
    ビアホール充填用導電体ペースト組成物。
  6. 【請求項6】 エポキシ化合物が、重量平均分子量60
    0〜10000のエポキシオリゴマーを含む請求項1に
    記載のビアホール充填用導電体ペースト組成物。
  7. 【請求項7】 エポキシ化合物が、(A群)ビスフェノ
    ールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂90〜20重量
    %と、(B群)C8以上の長鎖脂肪族アルコールグリシ
    ジルエーテル型エポキシ樹脂及びC8以上の長鎖脂肪酸
    グリシジルエステル型エポキシ樹脂から選ばれる少なく
    とも一つのエポキシ樹脂10〜80重量%とを含む請求
    項1に記載のビアホール充填用導体ペースト組成物。
  8. 【請求項8】 エポキシ化合物が、(A群)ビスフェノ
    ールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;90〜19重
    量%と、(B群)炭素数(C)8以上の長鎖脂肪族アル
    コールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂及び炭素数
    (C)8以上の長鎖脂肪酸グリシジルエステル型エポキ
    シ樹脂から選ばれる少なくとも一つの樹脂;9〜80重
    量%と、(C群)重量平均分子量600〜10000の
    エポキシオリゴマー;1〜30重量%とを少なくとも含
    む請求項1に記載のビアホール充填用導電体ペースト組
    成物。
  9. 【請求項9】 ペースト組成物の粘度特性が、温度:2
    5℃、1[1/sec]における粘度(A)と、2[1/sec]にお
    ける粘度(B)の比(A/B)が、1以下である請求項
    1に記載のビアホール充填用導電体ペースト組成物。
  10. 【請求項10】 絶縁基材内に開けられたビアホール中
    に、導電性樹脂組成物が充填され、かつ前記絶縁基材表
    面の上下電極層が電気的に接続されている両面プリント
    基板であって、前記導電性樹脂組成物が(a)平均粒径
    が0.5〜20μmで、その比表面積が0.05〜1.
    5m2/gの導電体粒子;30〜70体積%と、(b)
    一分子中に1つ以上のエポキシ基を有し、かつ水酸基、
    アミノ基及びカルボキシル基の合計量がエポキシ基の5
    モル%以下であり、エポキシ当量が100〜350g/
    eqであるエポキシ化合物を10重量%以上含む樹脂;
    70〜30体積%とを少なくとも含み、かつ前記導電性
    樹脂組成物が前記ビアホール中において硬化されている
    ことを特徴とする両面プリント基板。
  11. 【請求項11】 絶縁基材が、アラミド繊維と熱硬化性
    樹脂の複合材である請求項10に記載の両面プリント基
    板。
  12. 【請求項12】 絶縁基材が、アラミド不織布に熱硬化
    性樹脂が含浸された複合材である請求項10に記載の両
    面プリント基板。
  13. 【請求項13】 複数枚の絶縁基材層と2つ以上の電極
    層をもち、各々の絶縁基材内に開けられたビアホール中
    に、平均粒径が0.5〜20μmで、その比表面積が
    0.05〜1.5m2/gの導電体粒子30〜70体積
    %と、一分子中に1つ以上のエポキシ基を有し、かつ水
    酸基、アミノ基及びカルボキシル基の合計量がエポキシ
    基の5モル%以下であり、エポキシ当量が100〜35
    0g/eqであるエポキシ化合物を10重量%以上含む
    樹脂を硬化した樹脂70〜30体積%を少なくとも含む
    導電性樹脂組成物が充填され、各電極層が互いに電気的
    に接続された構造を持つ多層プリント基板。
  14. 【請求項14】 絶縁基材が、アラミド繊維と熱硬化性
    樹脂の複合材である請求項13に記載の多層プリント基
    板。
  15. 【請求項15】 絶縁基材が、アラミド不織布に熱硬化
    性樹脂を含浸させた複合材である請求項13に記載の多
    層プリント基板。
  16. 【請求項16】 プリント基板の製造に用いられるプリ
    プレグにあらかじめビアホールを形成し、このビアホー
    ルに、(a)平均粒径が0.5〜20μmで、その比表
    面積が0.05〜1.5m2/gの導電体粒子30〜7
    0体積%、(b)一分子中に1つ以上のエポキシ基を有
    し、かつ水酸基、アミノ基及びカルボキシル基の合計量
    がエポキシ基の5モル%以下であり、エポキシ当量が1
    00〜350g/eqであるエポキシ化合物を10重量
    %以上含む樹脂70〜30体積%を少なくとも含む導電
    体ペースト組成物を充填した後、前記プリプレグの上下
    層に銅箔を挟んで加熱加圧後、銅箔をエッチングするこ
    とにより電気回路を形成する両面プリント基板の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 プリプレグがアラミド繊維と熱硬化性
    樹脂の複合材である請求項16に記載の両面プリント基
    板の製造方法。
  18. 【請求項18】 プリプレグがアラミド不織布に熱硬化
    性樹脂を含浸したシートである請求項16に記載の両面
    プリント基板の製造方法。
  19. 【請求項19】 導電体粒子が、下記I〜IVの群から
    選ばれる少なくとも一つの粒子である請求項16に記載
    の両面プリント基板の製造方法。 (I)金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、
    鉛、インジウムから選ばれる少なくとも一つの粒子。 (II)金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、
    鉛、インジウム、亜鉛、クロムから選ばれる任意の組み
    合わせの合金粒子。 (III)導電性または非導電性粒子を核とし、金、白
    金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウ
    ムから選ばれる少なくとも一つの金属で被覆された粒
    子。 (IV)導電性または非導電性粒子を核とし、金、白金、
    銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウム、
    亜鉛、クロムから選ばれる任意の組み合わせの合金で被
    覆された粒子。
  20. 【請求項20】 導電体粒子が、表面酸素濃度が1.0
    重量%以下の銅を含む請求項16に記載の両面プリント
    基板の製造方法。
  21. 【請求項21】 エポキシ化合物が、グリシジルエーテ
    ル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹
    脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂および脂環式エポ
    キシ樹脂から選ばれる少なくとも一つのエポキシ樹脂で
    ある請求項16に記載の両面プリント基板の製造方法。
  22. 【請求項22】 エポキシ化合物が、ビスフェノールグ
    リシジルエーテル型エポキシ樹脂である請求項16に記
    載の両面プリント基板の製造方法。
  23. 【請求項23】 エポキシ化合物が、重量平均分子量6
    00〜10000のエポキシオリゴマーを含む請求項1
    6に記載の両面プリント基板の製造方法。
  24. 【請求項24】 エポキシ化合物が、(A群)ビスフェ
    ノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂90〜20重
    量%と、(B群)C8以上の長鎖脂肪族アルコールグリ
    シジルエーテル型エポキシ樹脂及びC8以上の長鎖脂肪
    酸グリシジルエステル型エポキシ樹脂から選ばれる少な
    くとも1つのエポキシ樹脂10〜80重量%とを含む請
    求項16に記載の両面プリント基板の製造方法。
  25. 【請求項25】 エポキシ化合物が、(A群)ビスフェ
    ノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;90〜19
    重量%と、(B群)炭素数(C)8以上の長鎖脂肪族ア
    ルコールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂及び炭素数
    (C)8以上の長鎖脂肪酸グリシジルエステル型エポキ
    シ樹脂から選ばれる少なくとも一つの樹脂;9〜80重
    量%と、(C群)重量平均分子量600〜10000の
    エポキシオリゴマー;1〜30重量%とを少なくとも含
    む請求項16に記載の両面プリント基板の製造方法。
  26. 【請求項26】 ペースト組成物の粘度特性が、1[1/s
    ec]における粘度(A)と、2[1/sec]における粘度
    (B)の比(A/B)が、1以下である請求項16に記
    載の両面プリント基板の製造方法。
  27. 【請求項27】 プリント基板の製造に用いられるプリ
    プレグにあらかじめビアホールを形成し、このビアホー
    ルに、(a)平均粒径が0.5〜20μmで、その比表
    面積が0.05〜1.5m2/gの導電体粒子30〜7
    0体積%、(b)一分子中に1つ以上のエポキシ基を有
    し、かつ水酸基、アミノ基及びカルボキシル基の合計量
    がエポキシ基の5モル%以下であり、エポキシ当量が1
    00〜350g/eqであるエポキシ化合物を10重量
    %以上含む樹脂70〜30体積%を少なくとも含む導電
    体ペースト組成物を充填して基板中間体を形成し、 さらに下記方法(A)および(B)から選ばれるいずれ
    かの方法により、前記基板中間体を含む多層プリント基
    板を形成することを特徴とする多層基板プリント基板の
    製造方法。 方法(A);前記基板中間体を両面プリント基板の上下
    に配置し、さらに前記基板中間体の上下に銅箔を配置
    し、前記基板中間体及び前記両面プリント基板を前記銅
    箔と共に加熱加圧した後、銅箔をエッチングして回路を
    形成する方法、 方法(B);両面プリント基板を前記基板中間体の上下
    に配置し、前記基板中間体を前記両面プリント基板と共
    に加熱加圧する方法。
  28. 【請求項28】 プリプレグがアラミド繊維と熱硬化性
    樹脂の複合材である請求項27に記載の多層プリント基
    板の製造方法。
  29. 【請求項29】 プリプレグがアラミド不織布に熱硬化
    性樹脂を含浸したシートである請求項27に記載の多層
    プリント基板の製造方法。
  30. 【請求項30】 導電体粒子が、下記I〜IVの群から
    選ばれる少なくとも一つの粒子である請求項27に記載
    の多層プリント基板の製造方法。 (I)金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、
    鉛、インジウムから選ばれる少なくとも一つの粒子。 (II)金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、
    鉛、インジウム、亜鉛、クロムから選ばれる任意の組み
    合わせの合金粒子。 (III)導電性または非導電性粒子を核とし、金、白
    金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウ
    ムから選ばれる少なくとも一つの金属で被覆された粒
    子。 (IV)導電性または非導電性粒子を核とし、金、白金、
    銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウム、
    亜鉛、クロムから選ばれる任意の組み合わせの合金で被
    覆された粒子。
  31. 【請求項31】 導電体粒子が、表面酸素濃度が1.0
    重量%以下の銅を含む請求項27に記載の多層プリント
    基板の製造方法。
  32. 【請求項32】 エポキシ化合物が、グリシジルエーテ
    ル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹
    脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂および脂環式エポ
    キシ樹脂から選ばれる少なくとも一つのエポキシ樹脂で
    ある請求項27に記載の多層プリント基板の製造方法。
  33. 【請求項33】 エポキシ化合物が、ビスフェノールグ
    リシジルエーテル型エポキシ樹脂である請求項27に記
    載の多層プリント基板の製造方法。
  34. 【請求項34】 エポキシ化合物が、重量平均分子量6
    00〜10000のエポキシオリゴマーを含む請求項2
    7に記載の多層プリント基板の製造方法。
  35. 【請求項35】 エポキシ化合物が、(A群)ビスフェ
    ノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂90〜20重
    量%と、(B群)C8以上の長鎖脂肪族アルコールグリ
    シジルエーテル型エポキシ樹脂及びC8以上の長鎖脂肪
    酸グリシジルエステル型エポキシ樹脂から選ばれる少な
    くとも一つのエポキシ樹脂10〜80重量%とを含む請
    求項27に記載の多層プリント基板の製造方法。
  36. 【請求項36】 エポキシ化合物が、(A群)ビスフェ
    ノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;90〜19
    重量%と、(B群)炭素数(C)8以上の長鎖脂肪族ア
    ルコールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂及び炭素数
    (C)8以上の長鎖脂肪酸グリシジルエステル型エポキ
    シ樹脂から選ばれる少なくとも一つの樹脂;9〜80重
    量%と、(C群)重量平均分子量600〜10000の
    エポキシオリゴマー;1〜30重量%とを少なくとも含
    む請求項27に記載の多層プリント基板の製造方法。
  37. 【請求項37】 ペースト組成物の粘度特性が、1[1/s
    ec]における粘度(A)と、2[1/sec]における粘度
    (B)の比(A/B)が、1以下である請求項27に記
    載の多層プリント基板の製造方法。
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