JPH0613977Y2 - 運転室後面窓の開閉機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はホイールローダ、モータグレーダ、パワーショ
ベル、バックホーローダ等の建設機械の車両運転室後面
に設けられた後面窓開閉機構に関するものである。

「従来の技術」 前記のような建設機械においては、後方アタッチメント
側の作業機を操作する場合に、運転者が身体の一部を運
転室の後側へ出して操作する必要があり、更に後方アタ
ッチメントと運転室の間隔も少ないため、従来では、運
転室の後面窓枠全体を取り外して開放したり、または後
方アタッチメントを外して一体形の後面窓枠を上部のヒ
ンジで後上方へ回動せしめ、固定棒で開放位置に固定
し、後方アタッチメントを装着して操作していた。

「考案が解決しようとする問題点」 従来の後面窓枠全体の取り外し開放は、その脱着に多く
の手数、時間を要し、また後面窓枠全体の回動および固
定棒による開放は、後方アタッチメントの着脱操作が必
要になって非常に面倒となり、手数、時間を要するとと
もに、開放した窓ガラスの固定力に不安があって作業性
が悪く、安全上にも問題があった。

「問題点を解決するための手段」 本考案は、前記のような従来の問題点を解決したもの
で、車両運転室の後面上部に設けたヒンジにて上側の窓
ガラスを嵌めた上側の窓枠を枢着し、上側の窓枠の下部
に設けたヒンジにて下側の窓ガラスを嵌めた下側の窓枠
を枢着し、下側の窓枠内に枠をガイドとして上下にスラ
イドする前記下側の窓ガラスを前記上側の窓枠まで上げ
て前記下側の窓枠から離脱させた時前記上側の窓枠の上
部に設けたストッパにて固定し、下側の窓枠の下側部に
取り付けたローラを車両運転室後部両側部に設けたガイ
ドレール内を上下させ、ガイドレールの上部に上、下の
窓枠を外側上方へ移動した時係止するローラのストッパ
を設けた運転室の後面窓の開閉機構であり、下側のガラ
スを上方にスライドさせて固定し、運転室後面上部のヒ
ンジにより上側の窓枠およびガラス共回動させ、同時に
下側の窓枠も上側の窓枠下部のヒンジにより外側上方に
移動固定させることにより、コンパクトに突出せしめて
開放でき、下側のガラスを上側の窓枠にスライド固定し
ておいたことにより、下側の窓枠を移動させるとき、ガ
ラス部に位置する後方アタッチメントの一部との干渉を
防止でき、下側の窓枠の下側部に設けたローラを運転室
の後部両側部に設けたガイドレールに案内させ、かつ下
側の窓枠をストッパで上部に係止するようにしたことに
より、上、下側の窓枠の開閉操作を円滑にするととも
に、開放時の固定力、雨天時の作業性を高めて前記のよ
うな問題点を解消した車両運転室の後面窓の開閉装置を
提供するにある。

「実施例」 本考案の一実施例を第１図ないし第７図に示す。

第１図中Ａは車両本体Ｂ上の車両運転室であって、前方
作業機とともに、車両後部に設けられた後方アタッチメ
ントＣを介して後方作業機が装着されるようになってお
り、運転者は後向きになって後方作業機を操作する。

さらに第２図ないし第６図に詳記するように、車両運転
室Ａの後面上部ａにヒンジ１で上側の窓ガラス２を嵌め
ている上側の窓枠３を枢着して上側の窓枠３がヒンジ１
を回転中心として外側上方へ回動されるように設け、上
側の窓枠３にヒンジ４で下側の窓枠５を枢着し、下側の
窓枠５は取手６により外側へ屈折されて上動される。

下側の窓枠５に嵌められた下側の窓ガラス７は取手８に
より上下にスライドでき、上側の窓枠３の上部に設けた
ストッパ９により上方にスライドされ下側の窓枠５から
離脱した下側の窓ガラス７が固定される。下側の窓枠５
の下側部に設けたローラ１１は車両運転室Ａの後部両側
部に設けられたガイドレール１０内を転動し、第６図に
示すように、ガイドレール１０の上部に設けた屈曲溝部
１０ａに付設したストッパ１２によって係止される。１
３はストッパ１２の高さを調節するナットである。

第７図は第６図のストッパ部の他の実施例を示す。

１４は車両運転室Ａに取り付けられたキャッチで、本機
構を操作しない時、上側の窓枠３を運転室Ａ側で上側の
窓枠３に取り付けられたキャッチ掛け１５にロックする
とともに、雨、ホコリ等の浸入を防止する。

次に本実施例の作用を述べる。

車両運転室Ａの後面の上側の窓枠３および下側の窓枠５
は回動又は屈曲状に上動でき、後方アタッチメントＣの
操作を運転室内より行なうことができる。

まず、運転室Ａ内より下側の窓枠５に取り付いている下
側のガラス７の取手８を上方にスライドさせて下側の窓
枠５から離脱させ、上側の窓枠２に取り付いているスト
ッパ９に固定する。

次に、後面窓枠を固定しているキャッチ１４を開放し、
取手６を上方に押し上げると、上側の窓枠３の上部は運
転室Ａと枢着されているヒンジ１にて回動し、上側の窓
枠３の下部は上動し、下側の窓枠５の上部はヒンジ４に
より上側の窓枠３とともに上動し、下側の窓枠５は、ロ
ーラ１１がガイドレール１０に案内されて上昇し、ロー
ラ１１が上部の屈曲溝部１０ａに入り、ストッパ１２を
通過、係止され、後面は全面にわたって開放される。

前記開放の状態は第１図、第２図に鎖線で示すように、
折り畳まれたようになって上，下の窓枠３，５の重量が
ローラ１１の固定力として作用し、開放位置に安定され
ているとともに、折り畳まれて、上動させる前に下側の
ガラス７を上方にスライドオープン状態にできているた
め、後方アタッチメントＣの存在に関係なく容易に開放
操作でき、かつ開放時は運転員の上部に延設された雨よ
けとなる。

「考案の効果」 本考案は上記構成であるので、下側の窓枠内の下側のガ
ラスを上方にスライドさせておき、運転室上部ヒンジお
よび、上，下の窓枠の枢着ヒンジにより外側へ屈折状に
上動させるが、この時下側のガラスが開放されているの
と併せてコンパクトに突出せしめて開放でき、ガイドレ
ールによるローラの案内とストッパによる同ローラの係
止によって開閉操作が円滑となり、かつ開放時の固定力
が高められ、開放時には雨よけとなり、後面窓の開閉操
作性が向上し、後向操作性が高められる等のすぐれた効
果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案の一実施例で、第１図は全
体の側面図、第２図は後面窓開閉装置の縦断面図、第３
図は第１図のIII矢視図、第４図は第３図のIV−IV断面
図、第５図は第３図のＶ−Ｖ断面図、第６図はストッパ
１２部の拡大縦断面図、第７図は第６図の他の実施例で
ある。 １：ヒンジ、２：上側の窓ガラス ３：上側の窓枠、４：ヒンジ ５：下側の窓枠、６：取手 ７：下側の窓ガラス、８：取手 ９：ストッパ、１０：ガイドレール １１：ローラ、１２：ストッパ １３：ナット、１４：キャッチ １５：キャッチ掛け

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両運転室後面上部に設けたヒンジにて上
   側の窓ガラスを嵌めた上側の窓枠を枢着し、該上側の窓
   枠の下部に設けたヒンジにて下側の窓ガラスを嵌めた下
   側の窓枠を枢着し、該下側の窓枠内に該枠をガイドとし
   て上下にスライドする前記下側の窓ガラスを前記上側の
   窓枠まで上げて前記下側の窓枠から離脱させた時前記上
   側の窓枠の上部に設けたストッパにて固定し、前記下側
   の窓枠の下側部に取り付けたローラを前記車両運転室後
   部両側部に設けたガイドレール内を上下させ、該ガイド
   レールの上部に前記上，下の窓枠を外側上方へ移動した
   時係止する前記ローラのストッパを設けたことを特徴と
   する運転室後面窓の開閉機構。