JPH0613878Y2 - オーバーフロー用溝蓋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、たとえばプール等におけるオーバーフロー
溝に対して適用される溝蓋の構造に関するものである。

［従来の技術］ 周知のように、プールの施工に際しては、その周囲、す
なわち平坦なプールサイド面に、プールから溢れ出る水
を集拾する目的においてオーバーフロー溝が設けられる
ようになっている。通常、このオーバーフロー溝は、上
方に向いて開口しているので、そのままの状態では危険
であり、何らかの溝蓋手段で封止しておかなければなら
ない。しかしながら、この種のオーバーフロー溝に対す
る溝蓋手段は、プールサイドの平面性を保ちつつ、流水
可能な構成のものでなければならず、その範囲におい種
々の構造体が開発され提供されてきている。従来のオー
バーフロー用溝蓋は、金属製の溝蓋ユニットを、オーバ
ーフロー溝の上部開口に対し、長さ方向に沿って連続的
に配設設置するものとして提供されてきている。

［考案が解決しようとする課題］ この従来のオーバーフロー用溝蓋は、重量であり嵩高で
ある点において、運搬並びに保管に際して極めて不都合
なものであり、耐蝕性、色彩性並びに施工作業性に欠け
る等の問題点を有していた。

そこで、この考案は、単一化したプラスチック成形体の
合理的組み立てによって構成されるオーバーフロー用溝
蓋を提供するものであって、それによって、上記する従
来例にみられる欠点ないしは問題点を解決しようとする
ものである。

［課題を解決するための手段］ この考案は、上記する目的を達成するにあたって、具体
的には、所望の板厚寸法でなる複数の板体を、その板厚
方向に一定間隔をおいて平行に配列して連結固定し、オ
ーバーフロー溝の上部開口を略面一的にかつ流水可能な
ように封止するためのオーバーフロー用溝蓋であって、 前記板体は、オーバーフローの溝幅方向にさし渡される
長さを有し、長さ方向における予め定められた少くとも
二つの定点位置において、該板体の板厚方向における一
方の側面に、該面から外方向に向けてのびる突出寸法T₁
の突起部と、前記板体の他方の側面に、該面から内方向
に向けて穿った深さ寸法T₂（T₁＞T₂）の凹部とを備えて
なり、一方の板体の突起部を他方の板体の凹部にはめ合
わせて、前記板体をT₁−T₂の間隔をおいて平行に組み立
て得るようになしたオーバーフロー用溝蓋を構成する。

［実施例］ 以下、この考案になるオーバーフロー用溝蓋について、
図面に示す具体的な実施例にもとづいて詳細に説明す
る。

この考案になるオーバーフロー用溝蓋は、基本的には、
板体（１）の組み立てによって構成される。前記板体
（１）は、たとえば硬質塩化ビニル等のプラスチック成
形体からなっている。前記板体（１）は、より具体的実
施例において、第１図〜第３図に示すように横断面が概
してＴ字形であり、長さ方向にのびる上辺部（２）と基
部（３）とを有していて、第６図に示すようなオーバー
フロー溝（O.C）の溝幅方向にさし渡される長さを有し
ている。前記オーバーフロー溝（O.C）は、上部開口側
に段座部（Ｓ）を備えていて、該段座部（Ｓ）上に前記
板体（１）を載置するようになっている。前記板体
（１）は、前記上辺部（２）の頂面にすべり止め（４）
を備えている。一例において、前記すべり止め（４）
は、長さ方向に規則的な刻線（５）を含み、当該板体
（１）の長さを規定するメジヤとして機能するように構
成することもできる。

一方、前記板体（１）における基部（３）には、板厚方
向における一方の側面（3a）に、該面（3a）から外方に
向けてのびる突起部（６）と、板厚方向における他方の
側面（3b）に、該面（3b）から内方向に向けて穿った凹
部（７）が設けてある。図に示す例において、前記突起
部（６）と凹部（７）とは、前記板体（１）の長さ方向
に関して、二つの定点位置（P₁）、（P₂）に同心円的に
設けてある。前記二つの定点位置（P₁）、（P₂）は、前
記板体（１）の各端部から同寸法の位置にある。図に示
す具体的実施例によれば、前記突起部（６）は、前記板
体基部の側面（3a）上のボス部（８）を介して、外方向
に向けて突出していて、ボス面（8a）から突出寸法T₁を
有している。これに対し、前記凹部（７）は、前記板体
基部の側面（3b）上のボス部（９）を介して内方向に向
けて穿ったものからなり、前記ボス面（9a）から深さ寸
法T₂を有している。前記突起部（６）の突出寸法T₁と、
前記凹部（７）の深さ寸法T₂との関係は、T₁＞T₂であっ
て、その差は、寸法Ｄをもって設定されている。

この考案になるオーバーフロー用溝蓋は、第４図並びに
第５図に示すように組み立てられる。すなわち、一つの
板体（1A）の突起部（６）を隣接する他の板体（1B）の
凹部（７）に嵌め合せながら組み立てていく。前記板体
（1A）と板体（1B）とは、間隔寸法Ｄを隔てて平行に組
み立てられる。

前記板体（１）は、より具体的には、前記定点位置
（P₁）、（P₂）に板厚方向に貫通する孔（10）を設けて
おくことがで、板体の組み合わせに際して、該孔（10）
に補強索条部材（図示せず）を挿通するようにしたもの
であってもよい。

［考案の効果］ 以上の構成になるこの考案のオーバーフロー用溝蓋は、
構造が簡単で、単一化した板体の集合でなり、多量生産
に適合するとともに、安価に入手可能な素材によって構
成されるものであって、経済的に極めて安価に提供し得
る点において実効性の高いものであるといえる。

さらに、この考案になるオーバーフロー用溝蓋は、軽量
であり、最小単位の組み合わせによって構成されるもの
であり、取り扱い性並びに施工作業性に関して、極めて
有効に作用するものといえる。

さらに、この考案になるオーバーフロー用溝蓋は、板体
を異なる色彩のものとして準備しておくことにより、施
工に際して、異なる色の板体を所望に応じて組み合わ
せ、プールサイドをファッショナブルにデザインするこ
とができ、その点においても有効に作用するものといえ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案になるオーバーフロー用溝蓋の具体
的実施例を示す側面図、 第２図は、その平面図、 第３図は、その側面図、 第４図は、二つの板体を組み合わせた状態の側断面図、 第５図は、複数の板体を組み合わせた状態を示す平面
図、 第６図は、オーバーフロー溝に対する取付け状態を示す
側断面図である。 （１）……板体 （２）……上辺部 （３）……基部 （６）……突起部 （７）……凹部 （P₁）、（P₂）……定点位置 （O.C）……オーバーフロー溝 （Ｓ）……段座部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】所望の板厚寸法でなる複数の板体を、その
   板厚方向に一定間隔をおいて平行に配列して連結固定
   し、オーバーフロー溝の上部開口を略面一的にかつ流水
   可能なように封止するためのオーバーフロー用溝蓋であ
   って、 前記板体は、オーバーフローの溝幅方向にさし渡される
   長さを有し、長さ方向における予め定められた少くとも
   二つの定点位置において、該板体の板厚方向における一
   方の側面に、該面から外方向に向けてのびる突出寸法T₁
   の突起部と、前記板体の他方の側面に、該面から内方向
   に向けて穿った深さ寸法T₂（T₁＞T₂）の凹部とを備えて
   なり、一方の板体の突起部を他方の板体の凹部にはめ合
   わせて、前記板体をT₁−T₂の間隔をおいて平行に組み立
   て得るようになしたことを特徴とするオーバーフロー用
   溝蓋。