JPH06138082A - 小型酸素電極およびその製造方法 - Google Patents

小型酸素電極およびその製造方法

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JPH06138082A
JPH06138082A JP4287618A JP28761892A JPH06138082A JP H06138082 A JPH06138082 A JP H06138082A JP 4287618 A JP4287618 A JP 4287618A JP 28761892 A JP28761892 A JP 28761892A JP H06138082 A JPH06138082 A JP H06138082A
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oxygen
electrolyte
small
electrodes
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JP4287618A
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Akio Sugama
明夫 菅間
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低価格で大量生産に適した小型酸素電極の構
造の改良に関し、酸素の還元が起こるべき電極上で酸素
以外の化学種の還元反応が起こることを防止すると共に
同電極上で生成した中間生成物により他の電極上で余分
な酸化反応が起こることを防止することにより、長時間
の動作安定性を確保することを目的とする。 【構成】 絶縁性基板上に、水分供給を受けて電解液と
なり得る電解質含有体と、電解質含有体で相互に接続さ
れた1組の電極と、電解質含有体を被覆したガス透過膜
とを有し、1組の電極は電解液中の酸素の還元反応が起
こる第1の電極とそれ以外の第2の電極とから成る小型
酸素電極において、小型酸素電極の作動中に第1および
第2の電極の一方で生成した電極活物質が電解液中を拡
散して他方の電極に到達するのを防止するように、両電
極間の電極活物質の拡散経路に対応する電解質含有体の
長さを十分に長くして構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低価格で大量生産に適
した小型酸素電極の構造の改良に関する。小型酸素電極
は、いろいろな分野において溶存酸素濃度の測定に用い
られる。例えば、水質保全の見地から行われる水中の生
化学的酸素要求量(BOD)の測定に、小型酸素電極を
用いることができる。また、醗酵工業において、効率良
くアルコール醗酵を進めるために醗酵槽中の溶存酸素濃
度の調整が必要であり、そのための測定器として小型酸
素電極を用いることができる。更にまた、小型酸素電極
は、酵素と組み合わせて酵素電極を形成し、糖やビタミ
ン等の濃度測定に用いることもできる。例えば、グルコ
ースはグルコースオキシダーゼという酵素を触媒とし溶
存酸素と反応してグルコノラクトンに酸化するが、この
反応により酸素電極セルの中に拡散してくる溶存酸素が
減ることを利用し、溶存酸素の消費量からグルコース濃
度を測定することができる。
【0002】このように小型酸素電極は、環境計測、醗
酵工業、臨床医療等の各種の分野で非常に有用であり、
特に臨床医療分野においてカテーテルに装着して体内に
挿入する用途では、小型であると共に使い捨て可能で低
価格である点で、小型酸素電極は非常に利用価値が高
い。
【0003】
【従来の技術】小型酸素電極の作動原理は旧来から知ら
れているクラーク型酸素電極と基本的に同じである。図
1にクラーク型酸素電極の基本構造を示す。ガラス、プ
ラスチック、ステンレス等から成る容器106は、開放
端(下部)がシリコーン樹脂やフッ素樹脂等から成るガ
ス透過膜105で覆われている。塩化カリウム(KC
l)や水酸化ナトリウム(NaOH)等の水溶液から成
る電解液104を封入した容器106の内部には、銀
(Ag)や鉛(Pb)等から成るアノード103と、白
金(Pt)や金(Au)等から成るカソード102とが
配置されている。電解液104として塩化カリウム水溶
液を用い、アノード103が銀(Ag)で作られている
場合、カソード103とアノード102との間に電圧を
印加すると、カソード上およびアノード上でそれぞれ次
式の反応が起こる。
【0004】 カソード上の反応:O2 +2H2 O+4e → 4OH- (1) アノード上の反応:Ag+Cl- → AgCl+e (2)
【0005】すなわち、カソード上では測定対象から電
解液中に取り込まれた酸素が還元され、酸素量に対応し
た値の電流として測定される。一方、アノード上では、
アノードの銀および電解液中の塩素イオンが反応して消
耗していく。したがって、酸素電極の作動時間を長くす
るためには、銀および塩化カリウムの量を十分に確保す
る必要がある。
【0006】図1に示したクラーク型酸素電極は、小さ
いものでも鉛筆もしくは単三電池程度の大きさがあり、
必要量の銀および電解液を収容することに困難はなかっ
た。その反面、クラーク型酸素電極は一般に大型であ
り、数万〜数十万円と高価である。また、上記のように
電解液が消耗するため、一定時間使用する毎に電解液を
交換する必要があった。
【0007】そこで本発明者はフォトリソグラフィ技術
を利用して、シリコン基板上に形成できる小型の酸素電
極を開発した(特開昭63−238548号、米国特許
第4,975,175号)。この小型酸素電極は、数m
m角程度の大きさで、クラーク型酸素電極に比較して極
めて小さい上、シリコン基板上に一括して多数個を作製
することができるため安価となり、使い捨ても可能であ
る。
【0008】しかし小型化に伴い、動作に必要な量の銀
および塩化カリウムを十分に収容できないという欠点も
あった。そのため、銀は厚さを増やすことで、塩化カリ
ウムは高濃度溶液とすることで、それぞれ必要量を確保
していた。
【0009】既に説明したように、アノードで塩化銀が
生成するが、これは難溶性でありアノード上に蓄積して
いく。しかし、高濃度の塩素イオンが存在すると、塩化
銀が塩素イオンと錯体を形成して水溶性となり、電解液
中に溶解する。この銀錯体が電解液中を拡散してカソー
ドに到達すると還元を受けてしまう。すなわち、カソー
ド上では前記式(1)に示した酸素の還元反応以外にも
還元反応が起きるため、測定対象からの酸素量に対応し
た正しい電流出力が得られなくなる。一方、前記式
(1)に示したカソード上での酸素の還元反応過程で
は、中間生成物として過酸化水素が生成するが、これが
電解液中を拡散してアノードに到達すると前記式(2)
で示した反応以外に余分な酸化反応も起きるため、やは
り正しい電流出力が得られなくなる。
【0010】以上はカソードおよびアノードを1組の電
極として用いる2極構成の酸素電極の場合であるが、作
用極、対極および参照極を1組の電極として用いる3極
構成の場合も事情は同じであった。すなわち上記2極構
成についての説明中のカソードを作用極に、アノードを
対極および参照極に置き換えれば、3極構成の場合も基
本的に説明される。
【0011】このように、従来の小型酸素電極において
は、測定に必要な電解質の量を確保するために電解質濃
度を高めると、電解質構成成分の錯体が生成し、酸素の
還元反応が起こるべき電極上で上記錯体の還元反応も起
きてしまい、一方、この電極上で生成した中間生成物に
よって他の電極上で余分な酸化反応も起きてしまうた
め、小型酸素電極が正しい出力を示さなくなり、特に長
時間の動作安定性が確保できないという欠点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸素の還元
が起こるべき電極上で酸素以外の化学種の還元反応が起
こることおよび同電極上で生成した中間生成物により他
の電極上で余分な酸化反応が起こることを防止すること
により、長時間の動作安定性を確保した小型酸素電極お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
よれば、絶縁性基板上に、水分供給を受けて電解液とな
り得る電解質含有体と、該電解質含有体で相互に接続さ
れた1組の電極と、該電解質含有体を被覆したガス透過
膜とを有し、該1組の電極は該電解液中の酸素の還元反
応が起こる第1の電極とそれ以外の第2の電極とから成
る小型酸素電極において、該小型酸素電極の作動中に上
記第1電極および第2電極の内の一方の電極上に生成し
た電極活物質が、上記電解液中を拡散して他方の電極に
到達するのを防止するように、上記第1電極と上記第2
電極との間の該電極活物質の拡散経路に対応する上記電
解質含有体の長さを十分に長くしたことを特徴とする小
型酸素電極によって達成される。
【0014】小型酸素電極が2極構成の場合には、カソ
ードおよびアノードが前記1組の電極を構成し、該カソ
ードが前記第1の電極として、該アノードが前記第2の
電極として作用する。
【0015】小型酸素電極が3極構成の場合には、作用
極、対極、および参照極が前記1組の電極を構成し、該
作用極が前記第1の電極として、該対極および該参照極
が前記第2の電極として作用する。
【0016】本発明の望ましい態様においては、前記第
1電極および前記第2電極の内の一方から他方への前記
電極活物質の拡散到達を防止するように、前記電解質含
有体が十分に細長い形状をしている
【0017】本発明の更に望ましい態様においては、前
記電解質含有体が屈曲した形状をしている。
【0018】本発明の小型酸素電極を製造する方法にお
いては、前記電解質を含有する組成物を前記絶縁性基板
上に印刷することにより前記電解質含有体を形成する。
【0019】
【作用】本発明によれば、酸素の還元反応を起こすべき
第1の電極以外の第2の電極上に生成した電極活物質
が、電解液中を拡散して酸素の還元反応を起こすべき第
1の電極に到達するのを防止するように、またその反対
に第1の電極で生成した電極活物質が前者の第2の電極
へ到達するのを防止するように、両電極間の電極活物質
の拡散経路を十分に長くしたので、酸素の還元反応を起
こすべき電極上で酸素以外の化学種の還元反応が起こる
のを防止することができると共に酸素の還元反応を起こ
すべき電極以外の電極での余分な酸化反応が起こるのを
防止することができるため、長時間の測定においても正
しい出力を維持することができる。
【0020】また上記両電極間を結ぶ電解液を細くする
ことにより電極活物質の拡散をより有効に抑制できる
し、電解液を屈曲した形状にすることによりチップサイ
ズを大きくすることなく電解液の長さを長くすることが
できる。すなわち、電解液を細長くおよび/または屈曲
させることにより、同一チップ面積で電解液をより長く
することができ、小型化に有利である。
【0021】これらの本発明の効果は、2極構成および
3極構成について同等に得られる。
【0022】以下に、実施例によって本発明を更に詳細
に説明する。
【実施例】
〔実施例1〕図2(a)および(b)に、本発明による
2極構成および3極構成の小型酸素電極の例をそれぞれ
示す。いずれも、内部の配置状態を明示するために、ガ
ス透過膜を取り除いた状態を示す。
【0023】図2(a)において、2極構成の小型酸素
電極210は、絶縁性基板201上に1組の電極として
カソード202およびアノード203が配置されてお
り、カソード202とアノード203とは細長く屈曲し
た電解質含有体204で接続されている。各電極への電
圧印加および測定電流の出力のために、パッド部分20
8を介して外部との電気的接続を行う。図には示してい
ないが、パッド部分208以外は、ガス透過膜により覆
われている。
【0024】図2(b)において、3極構成の小型酸素
電極220は、絶縁性基板201上に1組の電極として
作用極205、対極206および参照極207が配置さ
れており、作用極205と対極206および参照極20
7とは細長く屈曲した電解質含有体204で接続されて
いる。各電極への電圧印加および測定電流の出力のため
に、パッド部分208を介して外部との電気的接続を行
う。図には示していないが、パッド部分208以外は、
ガス透過膜により覆われている。
【0025】絶縁性基板201としてはシリコン基板を
用い、半導体装置製造プロセスを利用して各電極の形成
を行う。電解質含有体204は基板201表面へのスク
リーン印刷により形成される。
【0026】〔実施例2〕図3(a)および(b)に本
発明による2極構成の小型酸素電極の別の例を示す。同
図(a)は小型酸素電極の平面図、同図(b)はガス透
過膜を取り除いた状態を示す。同図において、本発明に
よる小型酸素電極310は、シリコン基板301上にカ
ソード302、アノード303、およびこれらを接続す
る逆さL字状に細長く屈曲した電解質含有体304が配
置されている。各電極への電圧印加および測定電流の出
力のために、パッド部分308を介して外部との電気的
接続を行う。パッド部分308以外は、ガス透過膜30
9により覆われている。
【0027】以下に、図4〜図12を参照して、この小
型酸素電極の製造プロセスの望ましい一例を以下に説明
する。これらの図中で(a)は平面図、(b)は(a)
のI−I線に沿った断面図である。
【0028】なお、簡潔にするために、1個の小型酸素
電極チップのみを示すが、実際には1枚のシリコンウェ
ハ上に多数個の小型酸素電極を同時に形成する。また、
電解質含有体およびパッド部被覆膜についての詳細は特
願平第4−32120号に開示されているので、ここで
は敢えて繰り返さない。
【0029】<工程1>厚さ400μmの(100)面
シリコンウェハ401を、過酸化水素とアンモニアの混
合溶液および濃硝酸で良く洗浄する。
【0030】<工程2>(図4参照) ウェハ401を1000℃で200分間ウェット熱酸化
し、その両面に厚さ0.8μmのSiO2 絶縁膜402
を形成する。
【0031】<工程3>(図5参照) シリコンウェハ401の片面に、真空蒸着により厚さ4
00Åのクロム膜403、厚さ1000Åのニッケル膜
404、および厚さ5000Åの銀膜405を順次形成
する。
【0032】<工程4>(図6参照) ポジ型フォトレジスト(東京応化工業製OFPR−80
0)をウェハ401上にスピンコートし、80℃で30
分間プリベークした後、これを露光および現像すること
により、エッチングマスクとしてフォトレジストパター
ン406を形成する。
【0033】<工程5>(図7参照) 銀膜405、ニッケル膜404およびクロム膜403を
それぞれ下記のエッチング液でエッチングし、更にアセ
トンでフォトレジストパターン406を除去することに
より、カソード407およびアノード408となる電極
パターンを形成する。 エッチング液 銀用 :NH3 水〔1ml〕+H2 2 〔1ml〕
+水〔20ml〕 ニッケル用:10%塩化第二鉄 クロム用:NaOH〔0.5g〕+K3 Fe(CN)6
〔1g〕+水〔4ml〕
【0034】<工程6>(図8参照) 図7(a)に示した範囲で、カソード407、アノード
408、およびパッド部分409以外を被覆するネガ型
フォトレジスト(東京応化工業製OMR−83)の絶縁
膜410を形成する。これは、ウェハ401表面に上記
フォトレジストを塗布し、80℃で30分間プリベーク
した後、露光および現像を行い、その後150℃で30
分間ポストベークすることによって行う。
【0035】<工程7>(図9参照) 酸素電極として動作する酸素感応部411に、電解質組
成物412をスクリーン印刷する。電解質組成物412
は、粉末化した塩化カリウムをポリビニルピロリドンの
アルコール溶液中に分散させたものを使用する。
【0036】<工程8>(図10参照) パッド部分409に、熱硬化性剥離塗料(藤倉化成製X
B−801)を厚さ100μmにスクリーン印刷する。
次に、150℃で10分間加熱して硬化させ、被覆膜4
13とする。
【0037】<工程9>(図11参照) 上下2層から成るガス透過膜414をウェハ全面に被覆
する。下層のガス透過膜は、ネガ型フォトレジスト(東
京応化工業製OMR−83)をスピンコートにより塗布
し、80℃で30分間プリベークした後、ウェハ全面に
対して露光を行い、150℃で30分間ポストベークを
行うことにより形成する。上層のガス透過膜は、シリコ
ーン樹脂(トーレ・ダウコーニング・シリコーン製SE
9176)をスピンコートにより塗布し、加湿した恒温
槽内で70℃で60分間加熱して硬化させる。加湿は、
恒温槽内に水の入ったシャーレもしくはビーカーを設置
することにより行う。
【0038】<工程10>(図12参照) パッド部分409に形成した被覆膜413をピンセット
で剥離することにより、小型酸素電極のパッド部分40
9を露出させる。
【0039】<工程11>1枚のシリコンウェハ401
上に形成された多数個の小型酸素電極415をダイシン
グソーにてチップ状に切り出す。
【0040】〔実施例3〕図13(a)および(b)に
本発明による3極構成の小型酸素電極の別の例を示す。
同図(a)は小型酸素電極の平面図、同図(b)はガス
透過膜を取り除いた状態を示す。同図において、本発明
による3極構成の小型酸素電極510は、シリコン基板
501上に1組の電極として作用極502、対極503
および参照極504が配置されており、作用極502と
対極503および参照極504とは逆さL字状に細長く
屈曲した電解質含有体505で接続されている。各電極
への電圧印加および測定電流の出力のために、パッド部
分507を介して外部との電気的接続を行う。パッド部
分507以外は、ガス透過膜506により覆われてい
る。この3極構成小型酸素電極も実施例2と同様の手順
により製造される。
【0041】〔実施例4〕図14(a)および(b)に
本発明による2極構成の小型酸素電極の更に別の例を示
す。同図(a)は小型酸素電極の平面図、同図(b)は
ガス透過膜を取り除いた状態を示す。同図において、本
発明による小型酸素電極610は、ガラス基板601上
にカソード602、アノード603、およびこれらを接
続する細長く屈曲した電解質含有体604が配置されて
いる。各電極への電圧印加および測定電流の出力のため
に、パッド部分606を介して外部との電気的接続を行
う。パッド部分606以外は、ガス透過膜605により
覆われている。図中、602Aおよび603Aはそれぞ
れカソード602およびアノード603のパッド部分で
あり、620は3極構成への変更時のための予備パッド
である。
【0042】以下に、図15〜図19を参照して、この
小型酸素電極の製造プロセスの望ましい一例を以下に説
明する。これらの図中で(a)は平面図、(b)は
(a)のI−I線に沿った断面図である。
【0043】なお、簡潔にするために1個の小型酸素電
極チップのみを示すが、実際には1枚のガラス基板上に
多数個の小型酸素電極を同時に形成する。
【0044】<工程1>清浄な厚さ1.6mmのガラス
板701を用意する。
【0045】<工程2>(図15参照) ガラス基板701上に銀ペースト(藤倉化成製D−12
30(改))をスクリーン印刷し、600℃で焼成する
ことにより、カソード702およびアノード703とな
る電極パターンを形成する。なお、702Aおよび70
3Aはそれぞれカソード702およびアノード703の
パッド部分であり、同時にスクリーン印刷される720
は3極構成への変更時のための予備パッドである。
【0046】<工程3>(図16参照) 酸素電極として動作する酸素感応部704に、実施例2
と同じ電解質組成物705をスクリーン印刷する。
【0047】<工程4>(図17参照) パッド部分707に熱硬化性剥離塗料(藤倉化成製XB
−801)を厚さ100μmにスクリーン印刷する。次
に、150℃で10分間加熱して硬化させ、被覆膜70
6とする。
【0048】<工程5>(図18参照) ガス透過膜708を基板全面に被覆する。シリコーン樹
脂(トーレ・ダウコーニング・シリコーン製SE917
6)をスピンコートにより塗布し、加湿した恒温槽内で
70℃で60分間加熱して硬化させる。加湿は、恒温槽
内に水の入ったシャーレもしくはビーカーを設置するこ
とにより行う。
【0049】<工程6>(図19参照) パッド部分707に形成した被覆膜706をピンセット
で剥離することにより、小型酸素電極のパッド部分70
7を露出させる。
【0050】<工程7>ガラス基板701上に形成され
た多数の小型酸素電極709をダイシングソーにてチッ
プ状に切り出す。
【0051】以上のようにして作製された本発明の小型
酸素電極は、電解質含有体に水分を供給して電解液とし
た状態で使用に供する。水分の供給は、小型酸素電極を
沸騰水中で煮沸するか、オートクレーブにて121℃で
処理することにより、水蒸気の形で行う。
【0052】図20に、上記実施例により得られる本発
明の小型酸素電極の連続使用時間と出力との関係の一例
を、従来の小型酸素電極と比較して示す。同図に示した
ように、従来の小型酸素電極では使用に伴う電極活物質
の生成に伴い出力電流値が変動し、連続使用時に安定し
た出力を得ることができない。これに対し、本発明の小
型酸素電極は連続使用時においても、安定した出力を維
持することができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の小型酸素
電極は、酸素の還元が起こるべき電極上で酸素以外の化
学種の還元反応が起こることおよび同電極上で生成した
中間生成物により他の電極上で余分な酸化反応が起こる
ことを防止することにより、長時間の動作安定性を確保
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クラーク型酸素電極の構成を示す断面図であ
る。
【図2】本発明による小型酸素電極の構成例を示す平面
図である。(a)は2極構成、(b)は3極構成の例を
示す。
【図3】本発明によりシリコンウェハ上に作製した2極
構成の小型酸素電極の例を示す平面図である。(a)は
ガス透過膜で被覆された正規の状態、(b)は内部の配
置を示すためにガス透過膜を除去した状態を示す。
【図4】本発明に従ってシリコンウェハ上に2極構成の
小型酸素電極を作製する手順のうち、シリコンウェハ両
面にSiO2 絶縁膜を形成する工程を示す(a)平面図
および(b)線I−Iに沿った断面図である。
【図5】本発明に従ってシリコンウェハ上に2極構成の
小型酸素電極を作製する手順のうち、シリコンウェハの
片面においてSiO2 絶縁膜上にクロム膜、ニッケル膜
および銀膜を形成する工程を示す(a)平面図および
(b)線I−Iに沿った断面図である。
【図6】本発明に従ってシリコンウェハ上に2極構成の
小型酸素電極を作製する手順のうち、銀膜上に、次工程
で行うエッチングのマスクとしてフォトレジストパター
ンを形成する工程を示す(a)平面図および(b)線I
−Iに沿った断面図である。
【図7】本発明に従ってシリコンウェハ上に2極構成の
小型酸素電極を作製する手順のうち、フォトレジストパ
ターンをマスクとして銀膜、ニッケル膜およびクロム膜
を順次エッチングして、電極パターンを形成する工程を
示す(a)平面図および(b)線I−Iに沿った断面図
である。
【図8】本発明に従ってシリコンウェハ上に2極構成の
小型酸素電極を作製する手順のうち、フォトレジストの
絶縁膜を形成する工程を示す(a)平面図および(b)
線I−Iに沿った断面図である。
【図9】本発明に従ってシリコンウェハ上に2極構成の
小型酸素電極を作製する手順のうち、酸素感応部に電解
質組成物をスクリーン印刷する工程を示す(a)平面図
および(b)線I−Iに沿った断面図である。
【図10】本発明に従ってシリコンウェハ上に2極構成
の小型酸素電極を作製する手順のうち、最終的に露出す
べきパッド部分に熱硬化性塗料の被覆膜を形成する工程
を示す(a)平面図および(b)線I−Iに沿った断面
図である。
【図11】本発明に従ってシリコンウェハ上に2極構成
の小型酸素電極を作製する手順のうち、上下2層から成
るガス透過膜を形成する工程を示す(a)平面図および
(b)線I−Iに沿った断面図である。
【図12】本発明に従ってシリコンウェハ上に2極構成
の小型酸素電極を作製する手順のうち、被覆膜を剥離す
ることによりパッド部分を露出させる工程を示す(a)
平面図および(b)線I−Iに沿った断面図である。
【図13】本発明によりシリコンウェハ上に作製した3
極構成の小型酸素電極の例を示す平面図である。(a)
はガス透過膜で被覆された正規の状態、(b)は内部の
配置を示すためにガス透過膜を除去した状態を示す。
【図14】本発明によりガラス基板上に作製した2極構
成の小型酸素電極の例を示す平面図である。(a)はガ
ス透過膜で被覆された正規の状態、(b)は内部の配置
を示すためにガス透過膜を除去した状態を示す。
【図15】本発明に従ってガラス基板上に2極構成の小
型酸素電極を作製する手順のうち、ガラス基板上に銀ペ
ーストをスクリーン印刷することにより電極パターンを
形成する工程を示す(a)平面図および(b)線I−I
に沿った断面図である。
【図16】本発明に従ってガラス基板上に2極構成の小
型酸素電極を作製する手順のうち、酸素感応部に電解質
組成物をスクリーン印刷する工程を示す(a)平面図お
よび(b)線I−Iに沿った断面図である。
【図17】本発明に従ってガラス基板上に2極構成の小
型酸素電極を作製する手順のうち、パッド部分に熱硬化
性塗料の被覆膜を形成する工程を示す(a)平面図およ
び(b)線I−Iに沿った断面図である。
【図18】本発明に従ってガラス基板上に2極構成の小
型酸素電極を作製する手順のうち、ガス透過膜を形成す
る工程を示す(a)平面図および(b)線I−Iに沿っ
た断面図である。
【図19】本発明に従ってガラス基板上に2極構成の小
型酸素電極を作製する手順のうち、被覆膜を剥離するこ
とによりパッド部分を露出させる工程を示す(a)平面
図および(b)線I−Iに沿った断面図である。
【図20】本発明の小型酸素電極の連続使用時間と出力
との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
101…クラーク型酸素電極 102…白金や金等から成るカソード 103…銀や鉛等から成るアノード 104…塩化カリウムや水酸化ナトリウム等の水溶液か
ら成る電解液 105…シリコーン樹脂やフッ素樹脂等から成るガス透
過膜 106…ガラス、プラスチック、ステンレス等から成る
容器 201…絶縁性基板 202…カソード 203…アノード 204…細長く屈曲した電解質含有体 205…作用極 206…対極 207…参照極 208…各電極への電圧印加および測定電流の出力のた
めのパッド部分 210…本発明による2極構成の小型酸素電極 220…本発明による3極構成の小型酸素電極 301…シリコン基板 302…カソード 303…アノード 304…細長く屈曲した電解質含有体 308…各電極への電圧印加および測定電流の出力のた
めのパッド部分 309…ガス透過膜 310…本発明によりシリコンウェハ上に作製した2極
構成の小型酸素電極 401…シリコンウェハ 402…SiO2 絶縁膜 403…クロム膜 404…ニッケル膜 405…銀膜 406…フォトレジストパターン 407…カソード 408…アノード 409…パッド部分 410…ネガ型フォトレジストの絶縁膜 411…酸素感応部 412…電解質組成物 413…熱硬化性剥離塗料の被覆膜 414…上下2層から成るガス透過膜 415…本発明によりシリコンウェハ上に作製した2極
構成の小型酸素電極 501…シリコン基板 502…作用極 503…対極 504…参照極 505…細長く屈曲した電解質含有体 506…ガス透過膜 507…各電極への電圧印加および測定電流の出力のた
めのパッド部分 510…本発明によりシリコンウェハ上に作製した3極
構成の小型酸素電極 610…本発明によりガラス基板上に作製した2極構成
の小型酸素電極 601…ガラス基板 602…カソード 602A…カソード602のパッド部分 603…アノード 603A…アノード603のパッド部分 604…細長く屈曲した電解質含有体 605…ガス透過膜 606…各電極への電圧印加および測定電流の出力のた
めのパッド部分 620…予備パッド 701…ガラス板 702…カソード 702A…カソード702のパッド部分 703…アノード 703A…アノード703のパッド部分 704…酸素感応部 705…電解質組成物 707…パッド部分 706…熱硬化性剥離塗料の被覆膜 708…シリコーン樹脂のガス透過膜 709…本発明によりガラス基板上に作製した2極構成
の小型酸素電極 720…予備パッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に、水分供給を受けて電解
    液となり得る電解質含有体と、該電解質含有体で相互に
    接続された1組の電極と、該電解質含有体を被覆したガ
    ス透過膜とを有し、該1組の電極は該電解液中の酸素の
    還元反応が起こる第1の電極とそれ以外の第2の電極と
    から成る小型酸素電極において、該小型酸素電極の作動
    中に上記第1電極および第2電極の内の一方の電極上に
    生成した電極活物質が、上記電解液中を拡散して他方の
    電極に到達するのを防止するように、上記第1電極と上
    記第2電極との間の該電極活物質の拡散経路に対応する
    上記電解質含有体の長さを十分に長くしたことを特徴と
    する小型酸素電極。
  2. 【請求項2】 カソードおよびアノードが前記1組の電
    極を構成し、該カソードが前記第1の電極として、該ア
    ノードが前記第2の電極として作用することを特徴とす
    る請求項1記載の小型酸素電極。
  3. 【請求項3】 作用極、対極、および参照極が前記1組
    の電極を構成し、該作用極が前記第1の電極として、該
    対極および該参照極が前記第2の電極として作用するこ
    とを特徴とする請求項1記載の小型酸素電極。
  4. 【請求項4】 前記第1電極および前記第2電極の内の
    一方から他方への前記電極活物質の拡散到達を防止する
    ように、前記電解質含有体が該拡散の経路に沿って十分
    に細長い形状をしていることを特徴とする請求項1から
    3までのいずれか1項記載の小型酸素電極。
  5. 【請求項5】 前記電解質含有体が屈曲した形状をして
    いることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1
    項記載の小型酸素電極。
  6. 【請求項6】 請求項1から5までのいずれか1項記載
    の小型酸素電極を製造する際に、前記電解質を含有する
    組成物を前記絶縁性基板上に印刷することにより前記電
    解質含有体を形成することを特徴とする小型酸素電極の
    製造方法。
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