JPH06135705A - 過酸化水素の製造方法 - Google Patents

過酸化水素の製造方法

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JPH06135705A
JPH06135705A JP31124892A JP31124892A JPH06135705A JP H06135705 A JPH06135705 A JP H06135705A JP 31124892 A JP31124892 A JP 31124892A JP 31124892 A JP31124892 A JP 31124892A JP H06135705 A JPH06135705 A JP H06135705A
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Kenichiro Matsushima
健一郎 松島
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    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B15/00Peroxides; Peroxyhydrates; Peroxyacids or salts thereof; Superoxides; Ozonides
    • C01B15/01Hydrogen peroxide
    • C01B15/022Preparation from organic compounds
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アントラキノン誘導体を利用する過酸化水素
の製造方法において使用する、無効アントラキノンの再
活性化法に代わる方法の提供、及び無効アントラキノン
の再活性化法を用いることなく、過酸化水素を製造する
方法の提供。 【構成】 作動液に含まれるアントラキノン誘導体の酸
化還元を利用した過酸化水素の製造方法において、作動
液に水素を添加して、該作動液中のアントラキノン誘導
体の一部又は全部を還元し、得られた作動液の少なくと
も一部を、例えばアルカリ水溶液を用いた抽出処理し
て、この作動液に含まれる還元されたアントラキノン誘
導体の一部又は全部を含む抽出液と作動液とを得、得ら
れた作動液を過酸化水素の製造に再利用する過酸化水素
の製造方法。上記還元されたアントラキノン誘導体の一
部又は全部を含む抽出液をクラフトパルプの蒸解助剤と
する、蒸解助剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アントラキノン誘導体
の酸化還元を利用した過酸化水素の製造方法に関し、さ
らに詳しくは、劣化したアントラキノン誘導体を除去す
る工程を有する過酸化水素の製造方法に関する。また、
本発明は、クラフトパルプの蒸解助剤の製造方法に関
し、さらに詳しくは、アントラキノン誘導体の酸化還元
を利用した過酸化水素の製造方法において副生する劣化
したアントラキノン誘導体を含むクラフトパルプの蒸解
助剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製紙工業では、漂白剤として古くは塩素
系漂白剤が使用されていた。しかし、近年、環境問題
等、特にダイオキシン対策のために非塩素系の漂白剤に
切り替えられつつある。そして、非塩素系の漂白剤の代
表的なものとして過酸化水素が挙げられる。
【0003】過酸化水素による漂白は、白色度の向上が
大きいという特徴に加えて、他の漂白剤に比べリグニン
の流出量が少ないため漂白歩留まりがよく、不透明度も
良好である等の特徴もある。そのため、今後さらに使用
量が増加するものと見込まれている。
【0004】過酸化水素は、現在ほとんどがアントラキ
ノン誘導体の水添(還元)及び酸化により製造されてい
る。その工程は、一般に以下のとおりである。アントラ
キノン誘導体として、例えばアルキルアントラキノンを
溶媒に溶解して、いわゆる作動液を調製する。この作動
液中に、ニッケル系またはパラジウム系などの触媒の存
在下、水素を吹き込んでアントラキノン誘導体に水素添
加し、アルキルアントラヒドロキノンを生成させる。こ
れに空気または酸素を導入して酸化反応を行うと、過酸
化水素ともとのアルキルアントラキノンが生じる。過酸
化水素は水で抽出し、アルキルアントラキノンは、水添
工程に循環し、再使用する。抽出後の粗過酸化水素を蒸
留などにより精製し濃度調整した上で製品とする。
【0005】具体的には、下記式1に示すような有効ア
ントラキノン類(核置換アントラキノン及び核置換テト
ラヒドロアントラキノン、式I及びV)を溶媒に溶解し
た作動液を循環使用して、有効アントラキノン類は接触
的に水素添加されて対応するアントラヒドロキノン類
(式II及びIII )となり、これは含酸素ガスによって酸
化され、過酸化水素を生成して元のアントラキノン類に
なる。
【0006】
【化1】
【0007】しかし、有効アントラキノン類が水添、酸
化を繰り返すうちに、水添、酸化を行ってもキノン体と
ヒドロキノン体との間の変化を容易に起こさない化合物
が副生する。この化合物はオキシアンスロン(式IV)類
及びその他のアントラキノン劣化体であって、これらは
過酸化水素の生成に寄与しないので無効アントラキノン
と呼ばれている。無効アントラキノンの蓄積は、過酸化
水素の生産性を低下させる原因となる。
【0008】そこで、この無効アントラキノンの蓄積を
防止するため、無効アントラキノンを再活性化させる種
々の方法が用いられている。例えば、特公昭49−41
040号は、白金族元素を活性成分とする担持触媒の存
在下に130℃以下の温度で、ガス状の水素添加生成物
を生ずるオレフィンと接触させ、オキシアンスロン類を
アントラキノン類に再生することを開示している。ま
た、これとは別に、酸化アルミニウムにより、無効アン
トラキノンを有効アントラキノンに再生する方法も知ら
れている。
【0009】しかし、無効アントラキノンの再活性化
は、過酸化水素の製造方法の工程を複雑化する要因にな
っている。
【0010】ところで、過酸化水素は、輸送効率の観点
から、一般に約15%の粗過酸化水素を高濃度(約50
〜60%)に濃縮した状態で供給される。一方、製紙工
業では上記のようにパルプの漂白等に多量の過酸化水素
を使用する。しかし、現在、過酸化水素は、比較的高価
な薬品であり、その製造コストの大部分は、濃縮のため
の蒸気費である。従って、15%以下の粗過酸化水素を
そのまま使用できれば製造コストの低減になる。
【0011】さらに、ダイオキシン等の環境問題の解決
のために、現在紙パルプ産業では、無塩素漂白の確立が
必要となってきており、そのためには過酸化水素が安価
で大量に使用できるようになることが望まれている。
【0012】ところで、アントラキノン化合物は、パル
プ製造工程において非常に有効な蒸解助剤として使用さ
れている。具体的な効果としては、(1)パルプ蒸解歩
留まりの向上による木材の節減、(2)パルプ蒸解温度
低下によるエネルギーの節減、(3)さらにパルプ蒸解
薬品の削減によるエネルギー減少・生産能力の向上・設
備コストの削減・石炭キルン、回収ボイラーの負荷低下
等である。現在、ほとんど全てのパルプ工場で、アント
ラキノン化合物が蒸解助剤として使用されている。しか
るに、アントラキノン化合物は、高価であり、パルプの
製造原価を押し上げるという欠点もあった。
【0013】本発明者は、上記の如き技術背景に基づ
き、安価に過酸化水素を生産するために、パルプ製造現
場に隣接した所で過酸化水素の製造を行うことを前提と
した、より簡易な過酸化水素の製造方法の提供について
検討した。その中で、過酸化水素の製造方法をより簡易
なものとするために、無効アントラキノンの再活性化に
代わる方法の提供が不可欠であるとの結論に至った。
【0014】そこで、本発明の目的は、アントラキノン
誘導体を利用する過酸化水素の製造方法において使用す
る、無効アントラキノンの再活性化法に代わる方法を提
供することにある。
【0015】さらに本発明の目的は、無効アントラキノ
ンの再活性化法を用いることなく、過酸化水素を製造す
る方法を提供することにある。
【0016】本発明は、アントラキノン誘導体の酸化還
元を利用した過酸化水素の製造方法におけるアントラキ
ノン誘導体を含有する作動液からクラフトパルプの蒸解
助剤を製造する方法であって、上記作動液に水素を添加
して該作動液中のアントラキノン誘導体の一部又は全部
を還元し、得られた作動液の少なくとも一部を抽出処理
して、この作動液に含まれる還元されたアントラキノン
誘導体の一部又は全部を含む抽出液を得ることを特徴と
するクラフトパルプの蒸解助剤の製造方法に関する。
【0017】本発明の別の態様は、作動液に含まれるア
ントラキノン誘導体の酸化還元を利用した過酸化水素の
製造方法において、作動液に水素を添加して、該作動液
中のアントラキノン誘導体の一部又は全部を還元し、得
られた作動液の少なくとも一部を抽出処理して、この作
動液に含まれる還元されたアントラキノン誘導体の一部
又は全部を含む抽出液と作動液とを得、得られた作動液
を過酸化水素の製造に再利用することを特徴とする過酸
化水素の製造方法に関する。
【0018】本発明は、過酸化水素の製造により発生す
る無効アントラキノンを水添した後の化合物が、パルプ
の有効な蒸解助剤として使用できることを見出して完成
されたものである。以下本発明について詳細に説明す
る。尚、本発明の製造方法のフローチャートを図1に示
す。
【0019】作動液の調製 作動液とは、一般に、酸化還元により過酸化水素を生成
する反応媒体であるアントラキノン誘導体と、このアン
トラキノン誘導体を溶解する溶媒とからなるものであ
る。
【0020】本発明においてアントラキノン誘導体には
特に限定や制限はない。水添によりヒドロキシキノン体
を形成し、このヒドロキシキノン体を酸素と接触させる
ことによりキノン体と過酸化水素とを生成するものであ
れば良い。一般にはアントラキノン誘導体としてはアル
キルアントラキノンが用いられている。アントラキノン
誘導体としては、例えばアントラキノン、1,4,9
a,10a−テトラヒドロアントラキノン、2−エチル
アントラキノン、2−プロピルアントラキノン、2−ブ
チルアントラキノン、1,4,9a,10a−テトラヒ
ドロ−2−アルキルアントラキノン及び2−アミルアン
トラキノン等を例示できる。またアントラキノン及びア
ントラヒドロキノン類は置換基の種類、数、位置などに
より溶解度が異なるので、前記アントラキノン類に加え
て、イソプロピル、フェニル、スルホン酸アルキルエス
テル、カルボン酸エステルなど種々のアントラキノンも
用いることもできる。
【0021】アントラキノン誘導体を溶解する溶媒は、
一般には、水添により生じるヒドロキシキノン体と、こ
のヒドロキシキノン体を酸素と接触させることにより生
じるキノン体の両者を溶解し、かつ純水を用いた過酸化
水素の抽出工程において、水に溶解しない溶媒から選ば
れる。本発明においては、さらに、水添により生じるヒ
ドロキシキノン体を分離する抽出処理工程においても、
抽出液と溶解しない溶媒が選ばれる。そのような溶媒と
しては、抽出液の種類にもよるが、例えば芳香族化合
物、高級アルコール、アルキルナフタリン類、グリコー
ルエーテル、エステル、リン含有溶剤、塩素化炭化水
素、ケトン類等を例示できる。好ましくは、メチルナフ
タレンとノニルアルコールとの混合液を例示できる。
【0022】水素添加工程 水素添加工程では、上記作動液に触媒の存在下に、例え
ば30〜50℃、1〜2気圧で水素を吹き込むことによ
り、アントラキノン誘導体をヒドロキシキノン体に還元
する。触媒としては、例えばラネーニッケル、パラジウ
ム単体、担体付きニッケル、担体付きパラジウム等が例
示できる。触媒は、固定触媒床を用いる固定式又は流動
循環方式のいずれの方式であっても良い。但し、触媒と
作動液との分離性を考慮すると固定式が好ましい。尚、
流動循環方式の場合、水素添加された作動液は、触媒を
分離した後に、その一部が抽出処理工程に送られ、残り
は酸化工程に送られる。
【0023】抽出処理工程 抽出処理工程では、作動液に含まれる還元されたアント
ラキノン誘導体(ヒドロキシキノン体)の一部又は全部
を抽出して、抽出液と作動液とを得る。ヒドロキシキノ
ン体は、アントラキノン誘導体の置換基の種類や数によ
っても異なるが、一般には水に対する溶解度は低い。そ
こで本発明においては、抽出液としてアルカリ水溶液を
用いることが適当である。アルカリ水溶液に対するヒド
ロキシキノン体の溶解度は、アルカリの種類と濃度によ
り変化する。但し、抽出したヒドロキシキノン体を抽出
液ごと蒸解助剤として使用するという観点から、アルカ
リは水酸化ナトリウムであることが好ましい。また、ア
ルカリの濃度は、使用するアントラキノン誘導体の種類
や溶媒の種類により適宜選択することができる。
【0024】上記抽出液は、アントラキノン誘導体のヒ
ドロキシキノン体を主に含有しており、クラフトパルプ
の蒸解助剤として使用できる。また、無効アントラキノ
ンも同時に抽出液に抽出されて、過酸化水素製造工程か
ら除去することができる。また、抽出後の作動液は主に
溶媒からなるが、抽出液に不溶性のアントラキノン誘導
体(主にキノン体)も一部含まれることがある。尚、こ
こで分離された主に溶媒からなる作動液は、補充薬品工
程に送られ、アントラキノン誘導体を補充した後に、作
動液として再度使用することができる。
【0025】このようにして得られたアントラキノン誘
導体のヒドロキシキノン体を主に含有する抽出液は、ア
ントラキノンとして絶乾木材チップに対して0.02〜
0.1%に相当する量をクラフトパルプの蒸解工程に添
加することで、蒸解助剤として優れた効果を発揮する。
【0026】又、上記のようにアルカリ水溶液として
は、主に水酸化ナトリウムを用いるが、この水酸化ナト
リウム水溶液として、クラフトパルプ製造工程において
生成される水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムとを含む
白液を空気酸化した酸化白液を用いることもできる。
【0027】酸化工程 水素添加された作動液の内、抽出処理工程に送られた以
外のものは、酸化工程に送られる。水素添加された作動
液の酸化は、触媒を用いず、例えば30〜50℃におい
て、作動液に空気又は酸素を吹き込むことにより行うこ
とができる。この酸化により、過酸化水素が生成する。
【0028】過酸化水素抽出工程 上記酸化により作動液中に生成した過酸化水素は、例え
ば充てん塔を用い純水で向流抽出することにより分離で
きる。抽出により生成する過酸化水素濃度は、抽出条件
によりことなるが、例えば15%程度である。また、分
離した作動液は、水素添加工程に循環再利用される。
【0029】精製及び濃縮工程 抽出により生成した過酸化水素水溶液は、製紙工業用に
はそのまま、又は水等で希釈して使用する。但し、必要
により常法により精製することはできる。又、抽出液中
の有機物は、溶媒抽出や活性炭、活性アルミナ、粒状ポ
リエチレンなどへの吸着等により除去することができ
る。製紙工業用には濃縮は一般には不要である。しか
し、必要な場合には、蒸留により50〜90%の製品を
得ることは可能である。
【0030】補充薬品工程 補充薬品工程とは、抽出処理工程で分離された主に溶媒
からなる作動液に、アントラキノン誘導体を補充する工
程である。アントラキノン誘導体を補充した作動液と過
酸化水素抽出工程から回収された作動液とは併せて、さ
らに、流動循環方式の場合には、水素添加触媒も添加さ
れて、補充水素添加作動液として水添工程に循環され
る。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、無効アントラキ
ノンは、アルカリ水溶液抽出工程により、作動液から容
易に分離することができ、無効アントラキノンを再生す
ることなしに過酸化水素を製造することができる。しか
もこの無効アントラキノンを含むアルカリ抽出液は、ク
ラフトパルプの蒸解助剤として有用である。
【0032】本発明をパルプ製造と併用することによ
り、従来、購入していた高価なパルプの蒸解助剤(アン
トラキノン類)を過酸化水素の製造の副産物として得る
ことができ、かつ過酸化水素製造工程には、アントラキ
ノン誘導体の再生工程を設けることなく、単にアントラ
キノン誘導体を補充することにより過酸化水素を製造す
ることができるという、実用上極めて優れた効果が得ら
れる。即ち、本発明の方法を利用することにより、過酸
化水素の濃縮費及び輸送費を削減することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例1 作動液としてメチルナフタレンとノニルアルコールの等
容量混合液に0.6モル/lとなるように2−エチルア
ントラキノンを溶解したものを用い、水素添加処理(4
5℃、1気圧、パラジウム触媒使用)を行い、処理後の
作動液の一部を15g/lの苛性ソーダ水溶液で抽出し
た。抽出液中のアントラキノン化合物を、アントラキノ
ン換算0.03%(対絶乾木材チップ)となるようにク
ラフト蒸解液に注して、北海道産広葉樹木材チップを蒸
解した。パルプ蒸解の促進、パルプ蒸解歩留の向上、活
性アルカリ添加率の削減等の効果が確認された。
【0034】一方、残部の作動液を45℃、1気圧の条
件下、空気で酸化し、この酸化作動液をイオン交換水で
抽出した。抽出液の過酸化水素濃度は10%であった。
この過酸化水素水を新聞古紙脱墨工程及び最終漂白工程
に使用し、白色度60〜77%の数種の脱墨パルプを得
た。抽出後の作動液には2−エチルアントラキノンを補
充した。
【0035】実施例2 作動液としてメチルナフタレンとノニルアルコールの等
量混合液に、0.5モル/lとなるように1,4,9
a,10a−テトラヒドロアントラキノンを溶解したも
のを用い、45℃、1気圧の条件下でパラジウム触媒を
用いて水素添加処理を行った。処理後の作動液の一部
を、クラフト蒸解白液を空気酸化後NaOH濃度10g
/lに希釈したアルカリ性水溶液で抽出した。この抽出
液から0.015%、これに加えて1,4,9a,10
a−テトラヒドロアントラキノンを0.015%(それ
ぞれアントラキノン換算、対絶乾木材チップ重量)をク
ラフト蒸解液に注入して、パルプ化を行った。
【0036】使用した木材チップは実施例1と同様のも
のである。蒸解実験結果は、実施例1と同様の効果を示
した。残部の作動液を空気酸化後、イオン交換水で注出
した。得られた過酸化水素濃度は8%であった。この過
酸化水素水溶液を白色度65%のBCTMP(ブリーチ
ト・ケミ・サーモ・メカニカル・パルプ)に添加し、白
色度75%のBCTMPを得た。抽出後の作動液には
1,4,9a,10a−テトラヒドロアントラキノンを
補充した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法のフローチャート図1を示
す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動液に含まれるアントラキノン誘導体
    の酸化還元を利用した過酸化水素の製造方法において、 作動液に水素を添加して、該作動液中のアントラキノン
    誘導体の一部又は全部を還元し、 得られた作動液の少なくとも一部を抽出処理して、この
    作動液に含まれる還元されたアントラキノン誘導体の一
    部又は全部を含む抽出液と作動液とを得、得られた作動
    液を過酸化水素の製造に再利用することを特徴とする過
    酸化水素の製造方法。
  2. 【請求項2】 抽出処理をアルカリ水溶液を用いて行う
    請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 還元前のアントラキノン誘導体が、アン
    トラキノン、1,4,9a,10a−テトラヒドロアン
    トラキノン、2−エチルアントラキノン、2−プロピル
    アントラキノン、2−ブチルアントラキノン、1,4,
    9a,10a−テトラヒドロ−2−アルキルアントラキ
    ノン及び2−アミルアントラキノンからなる群から選ば
    れる少なくとも1種である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 抽出処理して得られた作動液にアントラ
    キノン誘導体を新たに補充する請求項1記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 アントラキノン誘導体の酸化還元を利用
    した過酸化水素の製造方法におけるアントラキノン誘導
    体を含有する作動液からクラフトパルプの蒸解助剤を製
    造する方法であって、 上記作動液に水素を添加して該作動液中のアントラキノ
    ン誘導体の一部又は全部を還元し、 得られた作動液の少なくとも一部を抽出処理して、この
    作動液に含まれる還元されたアントラキノン誘導体の一
    部又は全部を含む抽出液を得ることを特徴とするクラフ
    トパルプの蒸解助剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 抽出処理をアルカリ水溶液を用いて行う
    請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 還元前のアントラキノン誘導体が、アン
    トラキノン、1,4,9a,10a−テトラヒドロアン
    トラキノン、2−エチルアントラキノン、2−プロピル
    アントラキノン、2−ブチルアントラキノン、1,4,
    9a,10a−テトラヒドロ−2−アルキルアントラキ
    ノン及び2−アミルアントラキノンからなる群から選ば
    れる少なくとも1種である請求項5記載の製造方法。
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