JPH06132525A - 高耐圧misトランジスタ、および半導体装置 - Google Patents

高耐圧misトランジスタ、および半導体装置

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JPH06132525A
JPH06132525A JP4279615A JP27961592A JPH06132525A JP H06132525 A JPH06132525 A JP H06132525A JP 4279615 A JP4279615 A JP 4279615A JP 27961592 A JP27961592 A JP 27961592A JP H06132525 A JPH06132525 A JP H06132525A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CMOS等の制御回路部を構成する素子と同
一基板に搭載可能で、信頼性が高く、十分な耐圧を有す
る高耐圧MISトランジスタを実現すること。 【構成】 本高耐圧IGBTにおいては、半導体基板1
01の表面側に、イオン注入およびその後の熱拡散によ
ってウェル層102を形成しているため、CMOS等の
低耐圧制御回路部を構成する素子と同一工程にて形成で
きるので、製造工程を増加させることなくパワーICの
集積化が可能となる。このIGBTにおいて、ウェル層
と半導体基板との接合からの空乏層は主に半導体基板の
側へ広がるため、空乏層の広がる領域を確保することが
できるので、素子を高耐圧化できると共に、ウェル層を
薄く形成できるので、素子の縮小化も可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高耐圧MISトランジ
スタの構成に関し、さらに詳細には、CMOS等と集積
化する上での損失低減、素子の高信頼化を目的とした集
積化技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図19に、従来の高耐圧MOSトランジ
スタの構成を示してある。この高耐圧MOSトランジス
タは、ゲート電極2111に与えられるゲート信号によ
り駆動制御される横型のIGBTであり、エミッタ電極
2114が接続されるエミッタ領域とコレクタ電極21
15が接続されるコレクタ領域とを離隔して設置するこ
となどによりエミッタ・コレクタ間耐圧が確保される構
造となっている。この高耐圧IBGTは、p型の半導体
基板2101の表面側にp型の埋込み層2102が形成
され、これらの表面側に堆積されたn型のエピタキシャ
ル層2103は、その表面側から埋込み層2102へか
けて形成されたp型の分離拡散層2104によって半導
体島領域に分離されている。このエピタキシャル層21
03の一端には、エピタキシャル層2103から分離拡
散層2104へかけてp型のベース層2109が拡散形
成されており、このベース層2109の表面には、n+
型のエミッタ層2108およびp+ 型のベースコンタク
ト層2107が形成されている。そして、これらエミッ
タ層2108およびベースコンタクト層2107にはい
ずれもエミッタ電極2114が接続されている。また、
エピタキシャル層2103の他端には、n型のベース層
2105が拡散形成され、このベース層2105の表面
に形成されたp型のコレクタ層2106およびその内に
形成されたp+型のコンタクト層2110を備えてい
る。そして、このコンタクト層2110には、コレクタ
電極2115が接続されている。また、n+ 型のエミッ
タ層2108からp型のベース層2109およびn型の
エピタキシャル層2103の表面には、ゲート酸化膜2
112を介してゲート電極2111が設置されている。
また、エピタキシャル層2103の表面には、ゲート酸
化膜2112から一体的に延長して形成されたゲート酸
化膜2112の膜厚に比して厚い酸化膜2113を有し
ている。
【0003】このような構成の高耐圧IGBTにおい
て、エミッタ電極2114に印加されるエミッタ電位に
対し、正のコレクタ電圧をコレクタ電極2115に印加
し、ゲート電極2111にエミッタ電位に対し正のゲー
ト電位を印加すると、ゲート電極2111の直下のベー
ス層2109の表面が反転してチャンネルとして動作
し、エミッタ層2108,ベース層2109およびエピ
タキシャル層2103からなるMOSFETがオン状態
となる。このため、エミッタ電極2114からエミッタ
層2108、さらに、ベース層2109の表面に形成さ
れたチャンネルを通り、電子がエピタキシャル層210
3に流入する。これは、コレクタ層2106,エピタキ
シャル層2103および半導体基板2101からなる第
1のpnpトランジスタと、コレクタ層2106,エピ
タキシャル層2103およびベース層2109からなる
第2のpnpトランジスタとにベース電流が供給され、
これらのトランジスタがオン状態となることを意味す
る。このことにより、エピタキシャル層2103にはコ
レクタ層2106から正孔が注入されるため、エピタキ
シャル層2103は電子と正孔とが共存する所謂伝導度
変調状態となり、本高耐圧IGBTは、低オン電圧で動
作し、大電流を処理することができる。
【0004】ここで、本高耐圧IGBTにおいては、ゲ
ート電極2111がゲート酸化膜2112から厚い酸化
膜2113に跨がって設置されており、ゲート電極21
11のコレクタ端の電界集中を緩和できるので、素子耐
圧を保持することができる。
【0005】また、コレクタ領域において、コレクタ層
2106がベース層2105内に形成された2重拡散構
造となっており、素子のオフ時に、エピタキシャル層2
103とベース層2109,拡散分離層2104,埋込
み層2102および半導体基板2101とのpn接合か
ら伸びる空乏層のパンチスルーを防止できるようになっ
ている。
【0006】図20に、従来の高耐圧MOSトランジス
タの別の例を示してある。この高耐圧MOSトランジス
タは、ゲート電極2124に与えられるゲート信号によ
り駆動制御されるnチャンネル型の横型MOSFETで
あり、高耐圧構造となっている。図20(a)はこの高
耐圧MOSFETの構成を示す平面図、図20(b)は
そのA−A’断面図である。なお、図20において、図
19に対応する部分には同一符号を付してある。この高
耐圧MOSFETは、p型の半導体基板2101と、こ
の表面側に形成されたp型の埋込み層2102と、これ
らの表面側に形成されたn型のエピタキシャル層210
3と、このエピタキシャル層2103を半導体島領域に
分離するp型の分離拡散層2104とを有している。そ
して、エピタキシャル層2103の一端から分離拡散層
2104へかけて形成されたp型のベース層2109の
内には、p+ 型のベースコンタクト層2107と、n+
型のソース層2121とが形成されており、これらには
共にソース電極2125が接続されている。また、エピ
タキシャル層2103の他端の表面には、n+ 型のドレ
イン層2122が形成されており、ドレイン電極212
3が接続されている。また、ソース層2121からベー
ス層2109およびエピタキシャル層2103の表面に
は、ゲート酸化膜2112を介してゲート電極2124
が設置されている。この高耐圧MOSFETにおいて、
素子の中央部に位置するドレイン電極2123に対して
は、素子の外部にドレインパッド2128を設けて、こ
の間をドレイン配線2126で接続し、集積化する際の
配線が容易に行なえるようにしている。なお、ドレイン
配線2126は、エピタキシャル層2103,ソース層
2121およびゲート電極2124に対し、これらの上
部に形成された層間絶縁膜2127を介して配線されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、数百V以上の耐
圧と数A程度の高電流出力とを持つパワートランジスタ
と、5V程度の低電圧で作動する制御回路部とを1チッ
プ化するパワーICの開発が盛んに行なわれており、家
電製品などに応用されている。このようなパワーICを
低コストで実現するためには、チップサイズの縮小が不
可欠である。従って、パワーICにおいて、大きな面積
を占めるパワートランジスタ部をいかに小さくするかが
重要な問題であり、さらに、このパワートランジスタ部
を製造する際に、製造工程が増加するようでは製造コス
トの削減は不可能である。
【0008】しかしながら、上述した従来の高耐圧MO
Sトランジスタにおいては、素子分離を考慮する必要が
あり、埋込み層の形成やエピタキシャル成長、さらに、
分離拡散層の形成が必要となるため、1チップ化して集
積回路を形成する場合の製造工数が増加し、コスト高に
なってしまう。また、図19に示す高耐圧IGBTは、
エピタキシャル層2103の伝導度変調により低オン電
圧で作動し、大電流を処理することができるが、pnp
トランジスタが飽和状態となるため、オフ時に、エピタ
キシャル層2103および半導体基板2101に蓄積し
た少数キャリアの掃き出しに要する時間が長く、200
kHz〜1MHzの高速スイッチングを行なう際の大きな損
失となる。また、大きな掃き出し電流が流れることに起
因して、寄生サイリスタが動作し、ターンオフ能力その
ものが失われる可能性もある。
【0009】一方、図20に示す高耐圧MOSFETに
おいては、横方向に空乏層が広がるため、必要な耐圧を
確保するためには、長いオフセット層が必要であり、こ
のオフセット層の断面積の確保が困難なことからオン時
において、抵抗が増加し易いという問題がある。また、
ドレイン電極2123とドレインパッド2128とを接
続するドレイン配線2126は、層間絶縁膜2127を
介してエピタキシャル層2103,ソース層2121お
よびゲート電極2124の上方に設置されているが、L
SIプロセスにおいて、層間絶縁膜2127は6000
Å〜10000Å程度の膜厚にしか形成することができ
ないため、ドレイン電極2123に高電位が印加された
時に、ゲート電極2124のドレイン側端には極度の電
界集中が生じる。このため、ゲート電極2124とドレ
イン層2122との距離を十分に確保しても200V程
度の耐圧しか実現できず、デバイスの信頼性を確保する
ことが困難である。
【0010】そこで、本発明においては、上記の問題点
に鑑みて、CMOS等の制御回路部を構成する素子と同
一基板に搭載可能で、信頼性が高く、十分な耐圧を有す
る高耐圧MISトランジスタを実現することを目的とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る高耐圧MISトランジスタにおいて
は、第1導電型の半導体基板の表面側からのイオン注入
工程およびその後の熱拡散工程により形成された第2導
電型のウェル領域と、このウェル領域内の一端に形成さ
れた第1導電型のベース層,この第1導電型のベース層
内に形成され共にエミッタ電位が印加される第1導電型
のベースコンタクト層,第2導電型のエミッタ層および
このエミッタ層からウェル領域に亘って絶縁ゲート膜を
介して設置されたゲート電極を具備するMIS部と、ウ
ェル領域の他端に形成された第2導電型のベース層,こ
の第2導電型のベース層内に形成された第1導電型のコ
レクタ層およびこのコレクタ層内に形成されコレクタ電
位が印加される第1導電型で高濃度のコンタクト層を具
備するコレクタ部とを有してなることを特徴としてい
る。
【0012】この高耐圧MISトランジスタにおいて、
高速スイッチングを可能とするために、ウェル領域内の
MOS部とコレクタ層との間に、第2導電型で高濃度の
ドレイン層を形成し、このドレイン層にウェル領域とコ
レクタ層とを短絡的に接続可能なスイッチング素子を備
えた外部回路を接続することが有効である。また、コレ
クタ層内に、コレクタ電位が印加され、半導体基板上に
付加されたウェル領域とコレクタ層とを短絡的に接続可
能なスイッチング素子のソースたる第2導電型で高濃度
のソース層を形成することが有効である。そして、この
スイッチング素子の駆動源は、半導体基板上に構造的に
形成された容量であることが好ましく、スイッチング素
子としては、MISFETあるいはバイポーラトランジ
スタを採用することができる。
【0013】さらに、このような高耐圧MISトランジ
スタを備える半導体装置の平面構造としては、コレクタ
層を中心に、このコレクタ層とエミッタ層との間の高抵
抗ウェル領域およびエミッタ層が略同心円状に形成され
たものが好ましく、スイッチング素子を構成する複数の
半導体分離領域のうち、出力電位に近い高電位分離領域
は中心側に、入力電位に近い低電位分離領域は円周側に
形成することが好ましい。
【0014】
【作用】斯かる手段を講じた本発明に係る高耐圧MIS
トランジスタにおいては、ウェル領域が半導体基板の表
面側からのイオン注入およびその後の熱拡散工程によっ
て形成されていることを特徴とする。従って、CMOS
等の制御回路部を構成する素子との集積化において、埋
込み層の形成やエピタキシャル成長などの高耐圧MIS
トランジスタ単独の工程が不要となり、制御回路部を構
成する素子の不純物領域と同一工程にて形成することが
できるので、製造工数を削減でき、集積回路装置を安価
に提供することができる。また、分離拡散層の形成も不
要であるので、素子面積の縮小化が可能となる。しか
も、半導体基板の不純物濃度をウェル領域の不純物濃度
に比して低く設定することができるため、逆バイアス電
圧が印加された場合の半導体基板とウェル領域との接合
から広がる空乏層は主に半導体基板の側へ広がるので、
空乏層の広がる領域を広範囲に確保することができ、素
子の高耐圧化が可能となる。同時に、ウェル領域の不純
物濃度を比較的高く設定することが可能となるので、主
電流経路を低抵抗化することができ、低オン抵抗と高耐
圧との両立を図ることが可能となる。さらに、ウェル領
域の不純物分布は略ガウス分布に従うため、エピタキシ
ャル成長により形成される従来のオフセット層に比して
不純物濃度が均一化されるので、半導体基板とウェル領
域との接合から広がる空乏層内の電界分布がより均一と
なり、さらなる高耐圧化構造を実現することができる。
【0015】そして、この高耐圧MISトランジスタに
おいて、主電流経路のエミッタ・ベース間を短絡的に接
続可能なスイッチング素子を素子の複合化により実現す
ることで素子のターンオフ時に、ウェル領域に蓄積する
少数キャリアを速やかにエミッタ側へ引抜くことができ
るので、蓄積キャリアの掃き出しに要する時間を大幅に
短縮することができ、素子の高速スイッチングが可能と
なる。ここで、半導体基板上に構造的に形成された容量
をスイッチング素子の駆動源に利用する場合には、スイ
ッチング素子を制御するための信号端子は不要であり、
素子設計が容易で、また、配線も簡略化される。
【0016】さらに、このような高耐圧MISトランジ
スタを備える半導体装置の平面構造として略同心円状の
構造を採用する場合には、高電圧出力配線を素子の中央
部からパッケージ端子へ空中配線により行なうことで、
高電圧配線のはい回しがなくなり、高電圧出力配線によ
る電界集中を防止することができるので、素子耐圧の信
頼性が向上される。従って、制御回路部への影響が大き
いMIS部の信頼性が確保できることから、この高耐圧
MISトランジスタを用いた集積回路装置の信頼性の向
上を図ることができる。また、各層の端部の処理が不要
となり、工程的にも、設計的にも容易となる。
【0017】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を添付図面を参照し
て説明する。
【0018】〔実施例1〕図1は、本発明の実施例1に
係る高耐圧MOSトランジスタの構造を示す断面図であ
る。この高耐圧MOSトランジスタは、n+ 型のエミッ
タ層105,p型のベース層,n型のウェル層102お
よびp型のコレクタ層107からなるnpnp構造の横
型IGBT100であり、エミッタ層105とコレクタ
層107との間のウェル層102が広く確保されて高耐
圧構造となっている。本例の高耐圧IGBT100にお
いて、低濃度で高抵抗のp型の半導体基板101上に形
成されたn型のウェル層102の表面には、その一端に
MOS部131が、また、他端にコレクタ部132が形
成されている。MOS部131には、チャンネル形成層
となるp型のベース層103が形成されており、その内
部にはさらに、n+ 型のエミッタ層105とp+ 型のベ
ースコンタクト層104とがそれぞれ形成されている。
また、半導体基板101の表面には、ウェル層102に
隣接する位置に不純物が高濃度に導入されたp+ 型のド
ーピング層113が形成されている。MOS部131に
おいて、n+ 型のエミッタ層105からp型のベース層
103およびn型のウェル層102の表面には、ゲート
酸化膜110を介してゲート電極125が設置されてい
る。ここで、MOS部131とコレクタ部132との間
のウェル層102の表面には、ゲート酸化膜110から
一体的に延設する厚いフィールド酸化膜112が形成さ
れており、ゲート電極125はゲート酸化膜110から
フィールド酸化膜112に亘って設置されている。そし
て、エミッタ層105,ベースコンタクト層104およ
びドーピング層113には、いずれもエミッタ電極12
4が接続されている。このように、MOS部131にお
いては、エミッタ層105とベース層103とが2重拡
散構造になっており、また、フィールド酸化膜112に
よってゲート電極125のコレクタ部132の側の電界
が緩和されるため、素子耐圧がより向上する構造となっ
ている。
【0019】一方、ウェル層102の他端に設けられた
コレクタ部132においては、ウェル層102の表面に
n型のベース層106が形成されており、このベース層
106の内部には、p型のコレクタ層107とn+ 型の
ベースコンタクト層109とが形成されている。さら
に、コレクタ層107の表面には、p+ 型のコンタクト
層108が形成されている。なお、コンタクト層108
およびベースコンタクト層109には、それぞれコレク
タ電極126が接続されている。このように、コレクタ
部132においても、コレクタ層107とベース層10
6とが2重拡散構造になっており、素子耐圧が確保され
ている。なお、エミッタ電極124にはエミッタ端子1
14が、ゲート電極125にはゲート端子115が、そ
して、コレクタ電極126にはコレクタ端子116がそ
れぞれ接続されている。また、半導体基板101には、
実装時に裏面側から接地電位が供給されるようになって
いる。
【0020】ここで、本例の高耐圧IGBT100にお
いて、半導体基板101上に形成されているウェル層1
02を初めとする各不純物領域は、半導体基板101の
表面からのイオン注入工程、およびその後の熱拡散工程
により形成されている。たとえば、ウェル層102は半
導体基板101の表面からドナーとしてPを90kVで
イオン注入し、このイオン注入工程の後に酸素雰囲気下
で1100℃の拡散処理を行って形成されている。この
ような構造の本高耐圧IGBT100においては、各拡
散層のイオン総量および拡散深さなどを高精度で制御で
きるため、素子耐圧やオン電圧およびオン電流のバラツ
キを小さく抑えることができ、素子の信頼性を向上させ
ることができる。さらに、従来のように、埋込み層の形
成やエピタキシャル成長の必要がないので、製造工程を
削減することができ、従来の製造方法に比して約30%
の低価格化ができる。
【0021】つぎに、本高耐圧IGBT100の動作に
ついて説明する。まず、オン時において、エミッタ電極
124に印加されるエミッタ電位に対し、コレクタ電極
126に正のコレクタ電圧が印加されている状態で、ゲ
ート電極125にエミッタ電位に対し、しきい電圧以上
の正電位を印加すると、ゲート電極125の直下のベー
ス層103の表面が反転してチャンネルとして動作し、
エミッタ層105より電子がウェル層102に流れ出
す。これらウェル層102に流れ出した電子は、ウェル
層102に沿って横向きに流れ、ベースコンタクト層1
09に達し吸収される。この時、エミッタ層105から
の電子電流はコレクタ層107の直下を経てベースコン
タクト層109へ流れ込むため、コレクタ層107の直
下で発生する電圧降下により、ウェル層102にはコレ
クタ層107から正孔が注入される。このことにより、
ウェル層102は電子と正孔とが共存する伝導度変調状
態となり、さらに多くの電子電流が流れると共に、コレ
クタ層107より注入された正孔がベース層103およ
び半導体基板101へ達する正孔電流成分も加わって、
本高耐圧IGBT100は低オン電圧で動作し、大電流
を駆動することができる。
【0022】つぎに、オフ時において、ゲート電極12
5に零またはエミッタ電位に対して負の電位を印加する
と、ベース層103の表面に形成されていたチャンネル
が消滅し、エミッタ層105からの電子の注入が停止
し、本高耐圧IGBT100は導通状態から電圧印加状
態へと移行する。この外部電源から印加されるエミッタ
・コレクタ間電圧によりウェル層102および半導体基
板101に蓄積している少数キャリアはエミッタ層10
5およびコレクタ層107の側に掃き出され、本高耐圧
IGBT100はオフ状態となる。この時、ウェル層1
02と半導体基板101とのpn接合、およびウェル層
102とベース層103とのpn接合には印加電圧に応
じて空乏層が広がり、電界がかかる。ここで、本高耐圧
IGBT100においては、ウェル層102をイオン注
入工程などによって形成しているため、半導体基板10
1の不純物濃度をウェル層102の不純物濃度に比して
低く設定することができ、半導体基板101とウェル層
102とのpn接合では主に半導体基板101の側へ空
乏層が広がるので、空乏層の広がる領域が確保され、素
子の高耐圧化を実現する。また、ウェル層102を従来
の高耐圧MOSトランジスタで耐圧を保持するために必
要であった長く、低濃度のオフセット層とする必要がな
いので、ウェル層102を縮小化して小型で横方向に薄
い素子として形成可能であり、その不純物濃度を比較的
高く設定することが可能となる。従って、本例の高耐圧
IGBT100は、低オン抵抗と高耐圧とのトレードオ
フを改善し、それらの両立を図ることが可能となる。ま
た、イオン注入および熱拡散工程によってウェル層10
2が形成されるため、ウェル層102内の不純物分布は
略ガウス分布に従うので、エピタキシャル成長により形
成される従来のオフセット層に比して不純物濃度が均一
化される。それ故、半導体基板101とウェル層102
とのpn接合から広がる空乏層内の電界分布がより均一
となるので、さらなる高耐圧化構造を実現することがで
きる。そして、本高耐圧IGBT100においては、半
導体基板101の表面に形成されたドーピング層113
と、ベース層106の表面に形成されたベースコンタク
ト層109とを備えているため、ターンオフ時に、ウェ
ル層102,ベース層106および半導体基板101中
に流入したキャリアをこれらドーピング層113および
ベースコンタクト層109を介して引き抜くことができ
るので、蓄積キャリアの掃き出しに要する時間を短縮す
ることができ、高速のスイッチングが可能となる。
【0023】このように、本例の高耐圧IGBT100
は、基板の厚さをそれ程必要とせず、制御回路部を構成
するCMOSおよびバイポーラトランジスタなどの基板
と同程度の厚さで十分な耐圧を得ることができるので、
低耐圧の制御回路部と同一基板上に形成することが可能
となる。
【0024】図2は、上述した高耐圧IGBT100と
同一基板上に形成可能な低耐圧制御回路部を示す断面図
である。本図において、p型の半導体基板101の表面
には、p型ウェル1802に形成されたnチャンネル型
MOSと、n型ウェル1803に形成されたpチャンネ
ル型MOSとからなるCMOSにより低耐圧制御回路部
が形成されている。この低耐圧制御回路部において、n
型ウェル1803は図1に示す高耐圧IGBT100の
n型ウェル層102と同一工程で形成可能であり、ま
た、p型のフィールド層1804およびn型のフィール
ド層1805は同高耐圧IGBT100のp型のベース
層103およびn型のベース層106と同一工程で形成
可能である。勿論、低耐圧制御回路部のソース,ドレイ
ン層においても同高耐圧IGBT100のエミッタ,コ
レクタ層と同一工程で形成することが可能である。この
ように、本例の高耐圧IGBT100を用いて1チップ
化した半導体集積回路装置においては、高耐圧用の不純
物領域と、低耐圧制御回路部の不純物領域とを同時に形
成することができ、チップの製造工程を短縮することが
可能である。
【0025】なお、本例の高耐圧IGBT100と1チ
ップ化する低耐圧制御回路部としては、CMOSの他、
バイポーラトランジスタあるいはBiCMOSであって
も良いことは勿論である。
【0026】〔実施例2〕図3は、本発明の実施例2に
係る高耐圧IGBT100aの構造を示す断面図であ
る。なお、図3に示す高耐圧IGBT100aにおい
て、図1に示す高耐圧IGBT100と共通する部分に
は同一参照符号を付し、その説明を省略する。
【0027】この高耐圧IGBT100aにおいて、実
施例1の高耐圧IGBT100と異なる点は、コレクタ
部132の近傍のウェル層102の表面に、n+ 型のド
レイン層208が形成されている点にある。このドレイ
ン層208にはドレイン電極212が接続され、本高耐
圧IGBT100aと同一チップ内に設けられた外部素
子とを接続している。
【0028】図4は、本例の高耐圧IGBT100aを
外部素子と共に示す等価回路図である。図において、外
部素子はnチャンネル型のMOSFET220,容量2
21および第1,第2のダイオード222,223から
なり、ドレイン層208をコレクタ端子116に短絡的
に接続可能となっている。外部素子において、MOSF
ET220はドレイン層208とコレクタ端子116と
の間に、ソースがコレクタ端子116に接続するように
配設され、このMOSFET220のゲート・ドレイン
間には容量221が接続されている。そして、容量22
1の絶縁破壊防止を目的とした保護用の第1のダイオー
ド222が容量221に並列に、カソードがMOSFE
T220のゲートに接続するように配設されており、ま
た、第2のダイオード223がMOSFET220のゲ
ート・ソース間に、カソードがMOSFET220のゲ
ートに接続するように配設されている。
【0029】つぎに、上記構成の外部素子が接続された
本高耐圧IGBT100aの動作について説明する。な
お、本高耐圧IGBT100aにおいて、オン時の動作
は実施例1の高耐圧IGBT100と略同様であるの
で、説明を省略する。この高耐圧IGBT100aの特
徴的なことは、オン状態からオフ状態へ移行する素子の
ターンオフ時に、外部素子のMOSFET220をオン
することにより、ウェル層102の内の少数キャリアで
ある正孔をドレイン層208から早急に引き抜いて、素
子の高速スイッチングを実現している点にある。すなわ
ち、本例の高耐圧IGBT100aのオン電圧は10V
程度であり、主電流はコレクタ端子116(コレクタ層
107)よりウェル層102内の寄生抵抗219,21
7および216を通り、MOSFET131のチャンネ
ルを経てエミッタ層105(エミッタ端子114)に達
する。このため、寄生抵抗219,217の電圧降下に
等しい電圧から第2のダイオード223の順方向電圧を
引いた電圧が容量221に印加され、蓄えられる(約5
V)。この状態から素子のターンオフ時に、MOSFE
T131がオフすると、ドレイン層208の電位が上昇
してコレクタ電位と等しくなるため、第1,第2のダイ
オード222,223によって流出を妨げられていた容
量221の電荷により、MOSFET220のゲート電
位がソースであるコレクタ電位より上昇し、MOSFE
T220はオン状態となる。このため、本高耐圧IGB
T100aにおいて、ドレイン層208とコレクタ層1
07(コレクタ端子116)とが短絡的に接続されるた
め、ウェル層102の内の少数キャリアがドレイン層2
08を介して早急にコレクタ端子116の側に流出する
ので、蓄積キャリアの掃き出しに要する時間を大幅に短
縮することができ、素子の高速スイッチングが可能とな
る。
【0030】このように、本例の高耐圧IGBT100
aにおいては、コレクタ部132の近傍のウェル層10
2の表面に、ドレイン層208を設け(ドレイン層20
8の位置はウェル層102内の寄生抵抗216,217
の比によって決定される。)、このドレイン層208と
コレクタ端子116とを外部素子により短絡的に接続す
ることを特徴とする。従って、素子のターンオフ時に、
ウェル層102の内の少数キャリアを速やかに消滅させ
ることができ、素子の高速スイッチングが可能となる。
ここで、外部素子において、ドレイン層208とコレク
タ端子116との間に設置され、この間を短絡的に接続
するMOSFET220を制御するゲート信号は、素子
の複合化によって形成された容量221の電荷に基づく
ものである。それ故、外部素子を制御するための端子は
必要なく、素子設計が容易となり、配線も簡略化され
る。
【0031】なお、本例の外部素子において、MOSF
ET220ではなく、バイポーラトランジスタにてドレ
イン層208とコレクタ端子116とを接続することが
可能であり、その等価回路を図5に示す。本図におい
て、ドレイン層208とコレクタ端子116との間には
npnトランジスタ224が、そのエミッタがコレクタ
端子116に接続するように配設されている。従って、
素子のオフ時には、容量221から放出される電荷がト
ランジスタ224のベース電流となり、このトランジス
タ224が飽和状態に移行するため、ドレイン層208
とコレクタ端子116とが短絡的に接続されるので、図
4に示す回路と同様な効果を得ることができる。
【0032】〔実施例3〕図6は、本発明の実施例3に
係る高耐圧IGBT100bの構造を示す断面図であ
る。なお、図6に示す高耐圧IGBT100bにおい
て、図3に示す高耐圧IGBT100aと共通する部分
には同一参照符号を付し、その説明を省略する。この高
耐圧IGBT100bにおいて、実施例2の高耐圧IG
BT100aと異なる点は、n+ 型のドレイン層208
がコレクタ部132のベース層106に隣接して形成さ
れている点にある。なお、本例の高耐圧IGBT100
bにおいても、ドレイン層208にはドレイン電極21
2が接続され、同一チップ内に設けられた外部素子に接
続されている。
【0033】図7は、本例の高耐圧IGBT100bを
外部素子と共に示す等価回路図である。なお、図7に示
す等価回路において、図4および図5に示す等価回路と
同一部分には同一参照符号を付してある。図7におい
て、本例の特徴は外部素子の構成にあり、nチャンネル
型のMOSFET220,容量221および第1,第2
のダイオード222,223に加えて、本高耐圧IGB
T100bと同じゲート信号により制御される第2のn
チャンネル型のMOSFET306を備えている点であ
る。この第2のMOSFET306は、エミッタ端子1
14と容量221との間に、ソースがエミッタ端子11
4に接続するように設置されており、また、そのゲート
はゲート電極125に金属配線で接続されて本高耐圧I
GBT100bのゲート信号と同一信号が印加されるよ
うになっている。
【0034】このような構成の本高耐圧IGBT100
bにおいても、実施例2の高耐圧IGBT100aと同
様に、素子のターンオフ時に、ウェル層102の内の少
数キャリアをドレイン層208から早急に引き抜くこと
ができ、素子の高速スイッチングを実現することができ
る。すなわち、本高耐圧IGBT100bにおいて、ゲ
ート端子115にしきい値以上の電圧を印加すると、本
高耐圧IGBT100bの側のMOSFET131と共
に第2のMOSFET306もオンするため、容量22
1の両端には本高耐圧IGBT100bのオン電圧から
第2のダイオード223の順方向電圧を引いた電圧が印
加される。このため、素子のターンオフ時に、ゲート端
子115に零またはエミッタ電位に対して負の電位を印
加すると、第2のMOSFET306がオフし、第2の
MOSFET306のドレインはコレクタ電位と等しく
なるので、容量221の電荷によりMOSFET220
がオン状態となる。従って、ドレイン層208とコレク
タ層107(コレクタ端子116)とが短絡的に接続さ
れるため、ウェル層102の内の少数キャリアを速やか
に消滅させることができ、素子の高速スイッチングが可
能となる。
【0035】なお、本例の外部素子においても実施例2
と同様に、MOSFET220ではなく、バイポーラト
ランジスタにてドレイン層208とコレクタ端子116
とを接続することが可能であり、その等価回路を図8に
示す。本図において、ドレイン層208とコレクタ端子
116との間にはnpnトランジスタ224が、そのエ
ミッタがコレクタ端子116に接続するように配設され
ており、素子のオフ時に、ドレイン層208とコレクタ
端子116とを短絡的に接続することができ、図7に示
す回路と同様な効果を得ることができる。
【0036】〔実施例4〕図9(a)は本発明の実施例
4に係る高耐圧IGBT100cの構造を示す平面図、
図9(b)はその断面図である。なお、図9(b)にお
いて、図3に示す高耐圧IGBT100aと共通する部
分には同一参照符号を付し、その説明を省略する。この
高耐圧IGBT100cにおいて、実施例2の高耐圧I
GBT100aと異なる点は、実施例2における外部素
子がウェル層102内に形成されている点にある。すな
わち、半導体基板101上に形成されたウェル層102
の表面には、その一端にMOS部131が形成され、エ
ミッタ電極124およびゲート電極125が設置されて
いる。一方、他端にはn型のベース層106が形成さ
れ、このベース層106の内には2つのp型のウェルに
よりコレクタ層107およびウェル層401が形成され
ている。さらに、コレクタ層107の内にはp+型のコ
ンタクト層108およびn+ 型のソース層404が形成
され、ウェル層401の内にも同様にp+ 型のコンタク
ト層407およびn+ 型のコンタクト層408が形成さ
れている。そして、コレクタ層107とウェル層401
との間にはn+ 型のベースコンタクト層109が形成さ
れている。この高耐圧IGBT100cにおいて、n+
型のソース層404からp型のコレクタ層107および
n型のベース層106の表面には、フィールド酸化膜1
12から一体的に延設するゲート酸化膜111を介して
第2のゲート電極409が設置されており、この第2の
ゲート電極409はゲート酸化膜111からフィールド
酸化膜112へ跨がって設置されている。また、n+
のソース層404からp+ 型のコンタクト層108,コ
レクタ層107,ベース層106,ベースコンタクト層
109,ウェル層401およびp+ 型のコンタクト層4
07の表面にはコレクタ電極126が接続されている。
また、n+ 型のコンタクト層408は金属配線414に
よって第2のゲート電極409と接続されており、第2
のゲート電極409にはフィールドプレート413が接
続されている。
【0037】本高耐圧IGBT100cは上記構成を有
しているため、図10に示すように、図4に示す実施例
2の等価回路と略同様の回路を得ることができる。図1
0に示す等価回路においては、容量221の保護用ダイ
オード(図4中の第1のダイオード222)が設置され
ていないが、動作上酸化膜の絶縁破壊は生じない。な
お、図10に示す等価回路において、図4に示す等価回
路と共通する部分には同一参照符号を付してある。図9
および図10において、n+ 型のソース層404は第2
のゲート電極409の直下のコレクタ層107の表面に
形成されるチャンネルを介してウェル層102(ベース
層106)と導通し、nチャンネル型のMOSFET2
20を構成する。また、第2のゲート電極409とウェ
ル層102との間にフィールド酸化膜112を介して形
成された寄生容量410およびフィールドプレート41
3とウェル層102との間に層間絶縁膜113を介して
形成された寄生容量411によって容量221が構成さ
れ、p型のウェル層401とn+ 型のコンタクト層40
8とのpn接合によりダイオード223が構成されてい
る。
【0038】このように、本例の高耐圧IGBT100
cにおいては、ベース層106の内にMOSFET22
0およびダイオード223を構造的に形成すると共に、
MOSFET220のゲート電極409およびこのゲー
ト電極409と接続されたフィールドプレート413
と、ウェル層102との間に形成された容量221を設
けることにより、等価的に図4に示す実施例2の回路と
同様の回路を実現することができる。従って、実施例2
と同様な効果を得ることができ、素子のターンオフ時
に、高速スイッチングが可能となる。また、素子分離領
域が不要で、しかもウェル層102がMOSFET22
0のウェル層、および容量形成部を兼ねているため、素
子面積を縮小することができる。そして、コレクタ電極
126をn+型のソース層404からp+ 型のコンタク
ト層108,コレクタ層107,ベース層106,ベー
スコンタクト層109,ウェル層401およびp+ 型の
コンタクト層407の表面に亘って接続することによ
り、高耐圧IGBT100cのコレクタ,MOSFET
220のソースおよびダイオード223のアノード間の
高電圧配線のはい回しが不要となるので、1チップ化す
る上での高電圧配線による耐圧低下を防止することがで
き、集積回路装置の高信頼化を実現することができる。
【0039】〔実施例5〕図11は、本発明の実施例5
に係る高耐圧IGBT100dの構造を示す断面図であ
る。なお、図11に示す高耐圧IGBT100dにおい
て、図9に示す高耐圧IGBT100cと共通する部分
には同一参照符号を付し、その説明を省略する。図11
において、本例の高耐圧IGBT100dは、図9に示
す実施例4の高耐圧IGBT100cと同様に、ウェル
層102の内に実施例2における外部素子が形成されて
いることを特徴としている。すなわち、半導体基板10
1上に形成されたウェル層102の表面には、その一端
にMOS部131が形成され、エミッタ電極124およ
びゲート電極125が設置されている。一方、他端には
n型のベース層106が形成され、このベース層106
の内にp型のコレクタ層107およびn+ 型のベースコ
ンタクト層109が形成されている。このコレクタ層1
07の内には、p+ 型のコンタクト層108とn+ 型の
エミッタ層1004とがそれらの端部で重なって形成さ
れており、さらに、p+ 型のコンタクト層1003を備
えている。この高耐圧IGBT100dにおいて、n型
のベース層106からウェル層102の表面には、フィ
ールド酸化膜112から一体的に延設するゲート酸化膜
111を介してキャパシタ電極1007が設置されてお
り、このキャパシタ電極1007はゲート酸化膜111
からフィールド酸化膜112へ跨がって設置されてい
る。また、n+ 型のエミッタ層1004からp+ 型のコ
ンタクト層108およびn+ 型のベースコンタクト層1
09の表面にはコレクタ電極126が接続されている。
そして、p+ 型のコンタクト層1003は金属配線10
11によってキャパシタ電極1007と接続されてお
り、この金属配線1011は層間絶縁膜1010を介し
て広くウェル層102の上方部まで配線されている。
【0040】図12に、本高耐圧IGBT100dの等
価回路を示してある。図12において、本高耐圧IGB
T100dのターンオフ時に、ウェル層102中の少数
キャリアを引き抜くためのnpn型トランジスタ110
6は、n+ 型のエミッタ層1004,コレクタ層107
およびウェル層102(ベース層106)から構成され
ている。また、容量1107は3つの寄生容量、すなわ
ち、キャパシタ電極1007とウェル層102との間に
ゲート酸化膜111を介して形成された第1の寄生容
量,キャパシタ電極1007とウェル層102との間に
フィールド酸化膜112を介して形成された第2の寄生
容量および金属配線1011とウェル層102との間に
層間絶縁膜1010を介して形成された第3の寄生容量
によって構成されている。
【0041】このような構成の本高耐圧IGBT100
dにおいて、オン時には主電流はコレクタ端子116
(コレクタ層107)よりウェル層102内の寄生抵抗
219,217および216を通り、MOSFET13
1のチャンネルを経てエミッタ層105(エミッタ端子
114)に達する。このため、寄生抵抗219,217
に生じる電圧から寄生抵抗1102に生じる電圧を引い
た電圧が容量1107に印加される。この状態から素子
のターンオフ時に、MOSFET131がオフすると、
ノード1109の電位はコレクタ電位と等しくなるた
め、容量1107から放出される電荷がトランジスタ1
106のベース電流となり、このトランジスタ1106
が飽和状態に移行する。従って、ノード1110とコレ
クタ端子116とが短絡的に接続されるので、ウェル層
102の内の少数キャリアが早急にコレクタ端子116
の側に流出するので、蓄積キャリアの掃き出しに要する
時間を大幅に短縮することができ、素子の高速スイッチ
ングが可能となる。また、本高耐圧IGBT100dに
おいては、トランジスタ1106および容量1107を
構造的にウェル層102内に形成すると共に、高電圧配
線のはい回しが不要な構造となっているため、実施例4
の高耐圧IGBT100cと同様に、1チップ化した場
合の小型化および高信頼化を同時に実現することができ
る。
【0042】〔実施例6〕図13は本発明の実施例6に
係る高耐圧IGBT100eの構造を示す断面図、図1
4はその等価回路図である。本例の高耐圧IGBT10
0eにおいて、その等価回路は、図7に示す実施例3の
等価回路と同一であり、半導体基板101の表面側に形
成した3つのn型ウェルにより等価的にこの回路を得て
いることを特徴としている。すなわち、半導体基板10
1の表面側に形成された3つのn型ウェル群のうちの第
1のウェル層601には電流駆動の主経路であるIGT
Bが形成されている。ウェル層601の一端にはMOS
部131が形成され、一方、他端に形成されたn型のベ
ース層604の内には、p型のコレクタ層605および
p型のベース層606が形成されている。さらに、コレ
クタ層605の内には、p+ 型のコンタクト層607お
よびn+ 型のソース層626が形成され、ベース層60
6の内には、p+ 型のベースコンタクト層609および
+ 型のコンタクト層610が形成されている。そし
て、コレクタ層605とベース層606の間にはn+
のベースコンタクト層608が形成されている。
【0043】一方、第2のウェル層602には、第1の
ウェル層601内に構造的に形成されたnチャンネル型
のMOSFET220の駆動源としての容量221およ
びこの容量221の保護用ダイオード222が形成され
ている。すなわち、ウェル層602の内に形成されたn
型のベース層611の内には、p型のベース層612お
よび2つのn+ 型のベースコンタクト層613,616
が形成されている。さらに、ベース層612の内には、
+ 型のベースコンタクト層614およびn+型のコン
タクト層615が形成されている。ここで、ベース層6
11の表面に設置されるキャパシタ電極624は、ゲー
ト酸化膜と同等の数百Åの薄い膜を介して設置されてい
るため、キャパシタ面積を低減することが可能になって
いる。
【0044】また、第3のウェル層603には、第1の
ウェル層601内に形成されたIGBTと同一の耐圧を
有する高耐圧のnチャンネル型MOSFET306が形
成されている。すなわち、ウェル層603の内には、n
型のベース層617およびp型のベース層619が形成
されている。さらに、n型のベース層617内にはn+
型のベースコンタクト層618が形成されており、p型
のベース層619の内には、p+ 型のベースコンタクト
層621およびn+ 型のソース層620が形成されてい
る。
【0045】これらウェル群内に形成された各半導体領
域において、エミッタ層105からベース層103およ
びウェル層601の表面には第1のゲート電極125
が、また、ソース層620からベース層619およびウ
ェル層603の表面には第2のゲート電極625が設置
されており、これらゲート電極125,625はゲート
端子115に接続されている。また、ソース層626か
らベース層605,ベース層604およびウェル層60
1の表面には第3のゲート電極623が、ベース層61
1の表面にはキャパシタ電極624が設置されており、
これらはコンタクト層610およびコンタクト層615
と接続されている。また、ベースコンタクト層104,
エミッタ層105,ベースコンタクト層621およびソ
ース層620は金属配線によりエミッタ端子114に接
続されている。そして、ソース層626,コンタクト層
607,ベースコンタクト層608およびベースコンタ
クト層609はコレクタ端子116に接続されている。
なお、ベースコンタクト層613とベースコンタクト層
614とは短絡されており、また、ベースコンタクト層
616とベースコンタクト層618とも短絡されてい
る。
【0046】このように、本高耐圧IGBT100eに
おいては、半導体基板101の表面側に3つのウェル層
601,602,603を相互に隣接して形成し、これ
らウェル群の内にMOSFET220,223,容量2
21およびダイオード222,223を構造的に形成す
ることにより、等価的に図7に示す実施例3の回路と同
様の回路を実現することができる。従って、実施例3と
同様な効果を得ることができ、素子のターンオフ時に、
高速スイッチングが可能となる。また、各ウェル間には
10V程度の電位差しか生じないため、ウェル間隔をウ
ェル同士が接しない程度に隣接して形成することができ
るので、素子面積を縮小することができる。そして、第
2のウェル層602および第3のウェル層603に形成
される素子は、第1のウェル層601内に形成されるM
OSFET220の駆動用の素子であるため、第2,第
3のウェル層602,603の素子面積は第1のウェル
層601の素子面積に比して小さくて良い(約1/1
0)。従って、素子のスイッチング特性を向上させるに
当たり、第2,第3のウェル層602,603により形
成される回路を付加しても大幅な面積増大となることは
ない。さらに、本高耐圧IGBT100eの出力端子は
単体IGBTと同様の3つであるので、素子設計が容易
となり、配線も簡略化される。
【0047】〔実施例7〕図15は本発明の実施例7に
係る高耐圧IGBT100fの構造を示す断面図、図1
6はその等価回路図である。なお、図15に示す高耐圧
IGBT100fにおいて、図13に示す高耐圧IGB
T100eと共通する部分には同一参照符号を付し、そ
の説明を省略する。この高耐圧IGBT100fにおい
て、実施例6の高耐圧IGBT100eと異なる点は、
第1のウェル層601内に形成される少数キャリア引抜
き用のスイッチング素子がnpnトランジスタ224と
して形成されている点にある。すなわち、本高耐圧IG
BT100fにおいて、第1のウェル層601の他端に
形成されたn型のベース層604内には、p型のコレク
タ層605およびn+ 型のベースコンタクト層608が
形成されている。そして、コレクタ層605の内には、
2つのp+ 型のコンタクト層1207,1209および
+ 型のエミッタ層1208が形成されており、このエ
ミッタ層1208,コレクタ層605およびウェル層6
01によりnpnトランジスタ224が構成されてい
る。
【0048】このように、本例の高耐圧IGBT100
fにおいては、素子のオン時に、容量221の両端には
本高耐圧IGBT100fのオン電圧から寄生抵抗70
4の電圧降下を引いた電圧が印加される。そして、素子
がオフ状態に移行すると、MOSFET131,306
がオフするため、ノード1310,1312はコレクタ
電位と等しくなるので、容量221に蓄積されていた電
荷がnpnトランジスタ224のベース電流となり、ト
ランジスタ224がオンする。このため、トランジスタ
224は飽和状態となり、ノード1312とコレクタ端
子116とを短絡的に接続することができるので、高速
スイッチングが可能となる。また、本高耐圧IGBT1
00fにおいても、各ウェル間の電位差は10V程度で
あるので、実施例6の高耐圧IGBT100eと同様
に、素子面積を大幅に増大させることなく素子特性を向
上させることができる。さらに、本例の複合素子におい
て、トランジスタ224の電流増幅率(hfe)を約10
〜50の範囲に設定できるため、容量221に蓄積させ
る電荷はウェル層102内に蓄積する少数キャリア総量
の1/hfeで良い。従って、大きなキャパシタ面積は不
要であるので、第2,第3のウェル層602,603が
占める面積を低減することができ、複合素子の縮小化が
可能となる。
【0049】〔実施例8〕つぎに、上述した高耐圧IG
BTなどの高耐圧出力素子において、高電圧出力の取り
出し方法について説明する。
【0050】図17(a)は本実施例に係る高耐圧MO
SFETの構造を示す断面図、図17(b)はその平面
図である。これらの図において、p型の半導体基板14
01の表面側に形成されたn型のウェル層1402の内
には、その一端にp型のベース層1403およびn+
のドレイン層1407が形成されている。そして、ベー
ス層1403の内には、p+ 型のベースコンタクト層1
415およびn+ 型のソース層1404が形成され、こ
のソース層1404の端部からベース層1403および
ウェル層1402の表面にはゲート酸化膜を介してゲー
ト電極1405が設置されている。また、ベースコンタ
クト層1415およびソース層1404には入力電極
(ソース電極)1411が接続され、ドレイン層140
7には出力パッド(ドレイン電極)1409が接続され
ている。この高耐圧MOSFETは、平面的には出力パ
ッド1409を中心として、その外側に順に、ドレイン
層1407,高抵抗領域1408,ゲート電極1405
および入力電極1411が略等間隔的に設置されてい
る。また、外部回路とのインターフェイスのために、入
力電極1411に接続する入力配線1412と、ゲート
電極1405に接続するゲート配線1413とが設けら
れている。この高耐圧MOSFETは、チップ端141
4に近い位置に配設されており、出力パッド1409は
ワイヤボンディングにより空中配線でリードフレームに
接続される。なお、バンプなどのベアチップ実装の場合
には、必ずしもチップ端に設置する必要はない。
【0051】このような構成の本高耐圧MOSFET
は、出力パッド1409からの高電圧出力配線がゲート
電極1405および入力電極1411と数mmという十
分広い間隔を保って交差するため、高電圧出力配線によ
る電界集中を緩和して素子耐圧の劣化を防止することが
できるので、高信頼性の素子とすることができる。ま
た、高電圧出力配線を空中配線とすることにより、素子
表面の高電圧出力配線スペースが不要となるので、素子
面積を低減することができ、装置の縮小化が可能とな
る。
【0052】なお、高耐圧MOSFETの平面構造にお
いて、本例に示した形状の他、同心円構造を呈するもの
であってもよく、また、ゲート電極や入力電極がクシ歯
状に形成されていてもよい。
【0053】〔実施例9〕図18に、高耐圧IGTBの
平面構造を示してある。なお、この高耐圧IGBTの断
面構造は図13に示す高耐圧IGBT100eの構造と
同一である。図18において、本例の高耐圧IGBTは
3つのnウェル群より構成される複合素子であり、素子
中央部に配置された出力パッド1504を中心として第
2のウェル層602が形成され、その周囲に略等間隔的
に第1のウェル層601が形成されている。そして、こ
の第1のウェル層601の領域内に第3のウェル層60
3が素子分離されて形成されている。第1のウェル層6
01において、ウェル層601内に形成される高耐圧I
GBTは200〜1200Vの耐圧を必要とするため、
この耐圧が確保されるようにエミッタ領域1511とコ
レクタ領域1509とはウェル層601中の高抵抗領域
1505を挟んで位置している。また、第3のウェル層
603においても、この内に形成される高耐圧MOSF
ETの耐圧が確保されるようにソース領域1512とド
レイン領域1510とがウェル層603中の高抵抗領域
1506を挟んで形成されている。ここで、第2のウェ
ル層602内に形成される素子は出力パッド1504の
周囲の付加回路領域1508に位置し、電位的に取り得
る値は出力パッド1504,コレクタ領域1509およ
びドレイン領域1510に略等しく、その電位差は10
V程度であるので、この複合素子の高抵抗領域150
5,1506に対して出力パッド1504の側に形成さ
れている。なお、本例では存在しないが、エミッタ領域
1511,ソース領域1512あるいはゲート領域15
07の電位に近い電位を取り得る素子を複合素子として
採用する場合には、高抵抗領域1505,1506に対
して側方側(エミッタ,ソース側)にウェル層を形成
し、その内に素子を配置することになる。
【0054】このような平面構造を有する本高耐圧IG
BTにおいては、実施例8の高耐圧MOSFETと同様
に、素子中央部に配置された出力パッド1504からパ
ッケージ端子へ空中配線にて直接ワイヤボンディングす
ることができるので、高電圧配線が高抵抗領域150
5,1506を横断することがなく、高電圧配線による
耐圧劣化を防止することができる。従って、制御回路部
への影響が大きい高出力素子部の信頼性が確保できるこ
とから、この高耐圧MISトランジスタを用いた集積回
路装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0055】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る高耐圧MI
Sトランジスタにおいては、ウェル領域が半導体基板の
表面側からのイオン注入およびその後の熱拡散工程によ
って形成されているため、埋込み層の形成やエピタキシ
ャル成長などの工程が不要となる。従って、本発明によ
れば、高耐圧MISトランジスタからなる高出力素子部
とCMOS等の制御回路部との同一基板内への集積化に
おいて、高出力素子部を制御回路部と同一工程にて形成
することができるので、製造工数を削減でき、集積回路
装置を安価に提供することができる。また、分離拡散層
の形成も不要であるので、素子面積の縮小化が可能とな
る。しかも、半導体基板の不純物濃度をウェル領域の不
純物濃度に比して低く設定することができるため、逆バ
イアス電圧が印加された場合の空乏層の広がる領域を半
導体基板側に確保することができ、素子の高耐圧化が可
能となる。同時に、ウェル領域の不純物濃度を比較的高
く設定することが可能となるので、主電流経路を低抵抗
化することができ、低オン抵抗と高耐圧との両立を図る
ことが可能となる。
【0056】そして、この高耐圧MISトランジスタに
おいて、主電流経路のエミッタ・ベース間を短絡的に接
続可能なスイッチング素子を素子の複合化により実現す
ることで素子のターンオフ時に、ウェル領域に蓄積する
少数キャリアを速やかにエミッタ側へ引抜くことができ
るので、蓄積キャリアの掃き出しに要する時間を大幅に
短縮することができ、素子の高速スイッチングが可能と
なる。
【0057】さらに、このような高耐圧MISトランジ
スタを備える半導体装置の平面構造として略同心円状の
構造を採用する場合には、高電圧出力配線を素子の中央
部からパッケージ端子へ空中配線により行なうことで、
高電圧配線のはい回しがなくなり、高電圧出力配線によ
る電界集中を防止することができるので、素子耐圧の信
頼性が向上される。従って、制御回路部への影響が大き
いMIS部の信頼性が確保できることから、この高耐圧
MISトランジスタを用いた集積回路装置の信頼性の向
上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る高耐圧IGBTの構造
を示す断面図である。
【図2】本発明に係る高耐圧MOSトランジスタと集積
化されるCMOSの構成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例2に係る高耐圧IGBTの構造
を示す断面図である。
【図4】図2に示す高耐圧IGBTを外部素子と共に示
す等価回路図である。
【図5】図2に示す高耐圧IGBTを外部素子と共に示
す等価回路図である。
【図6】本発明の実施例3に係る高耐圧IGBTの構造
を示す断面図である。
【図7】図6に示す高耐圧IGBTを外部素子と共に示
す等価回路図である。
【図8】図6に示す高耐圧IGBTを外部素子と共に示
す等価回路図である。
【図9】(a)は本発明の実施例4に係る高耐圧IGB
Tの構造を示す平面図、(b)はその断面図である。
【図10】図9に示す高耐圧IGBTの等価回路図であ
る。
【図11】本発明の実施例5に係る高耐圧IGBTの構
造を示す断面図である。
【図12】図11に示す高耐圧IGBTの等価回路図で
ある。
【図13】本発明の実施例6に係る高耐圧IGBTの構
造を示す断面図である。
【図14】図13に示す高耐圧IGBTの等価回路図で
ある。
【図15】本発明の実施例7に係る高耐圧IGBTの構
造を示す断面図である。
【図16】図15に示す高耐圧IGBTの等価回路図で
ある。
【図17】(a)は本発明の実施例8に係る高耐圧MO
SFETの構造を示す断面図、(b)はその平面図であ
る。
【図18】本発明の実施例9に係る高耐圧MOSFET
の構造を示す平面図である。
【図19】従来の高耐圧IGBTの構造を示す断面図で
ある。
【図20】(a)は従来の高耐圧MOSFETの構造を
示す平面図、(b)はそれをA−A’線に沿って切断し
た状態を示す断面図である。
【符号の説明】
101・・・p型の半導体基板 102・・・n型のウェル層 103・・・p型のベース層 104・・・p+ 型のベースコンタクト層 105・・・n+ 型のエミッタ層 106・・・n型のベース層 107・・・p型のコレクタ層 108・・・p+ 型のコンタクト層 109・・・n+ 型のベースコンタクト層 110・・・ゲート酸化膜 112・・・フィールド酸化膜 113・・・p+ 型のドーピング層 114・・・エミッタ端子 115・・・ゲート端子 116・・・コレクタ端子 124・・・エミッタ電極 125・・・ゲート電極 126・・・コレクタ電極 131・・・MOS部(nチャンネル型MOSFET) 132・・・コレクタ部 208・・・ドレイン層 212・・・ドレイン電極 218・・・pnpトランジスタ 220・・・nチャンネル型MOSFET 221・・・容量 222,223・・・ダイオード 224・・・npnトランジスタ 306・・・第2のnチャンネル型MOSFET

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板の表面側からの
    イオン注入工程およびその後の熱拡散工程により形成さ
    れた第2導電型のウェル領域と、 このウェル領域内の一端に形成された第1導電型のベー
    ス層,この第1導電型のベース層内に形成され共にエミ
    ッタ電位が印加される第1導電型のベースコンタクト
    層,第2導電型のエミッタ層およびこのエミッタ層から
    前記ウェル領域に亘って絶縁ゲート膜を介して設置され
    たゲート電極を具備するMIS部と、 前記ウェル領域の他端に形成された第2導電型のベース
    層,この第2導電型のベース層内に形成された第1導電
    型のコレクタ層およびこのコレクタ層内に形成されコレ
    クタ電位が印加される第1導電型で高濃度のコンタクト
    層を具備するコレクタ部と、を有してなることを特徴と
    する高耐圧MISトランジスタ。
  2. 【請求項2】 請求項1に規定する高耐圧MISトラン
    ジスタを備える半導体装置において、前記ウェル領域内
    の前記MOS部と前記コレクタ層との間には、第2導電
    型で高濃度のドレイン層を有しており、このドレイン層
    には、前記ウェル領域と前記コレクタ層とを短絡的に接
    続可能なスイッチング素子を備えた外部回路が接続され
    ていることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に規定する高耐圧MISトラン
    ジスタを備える半導体装置において、前記コレクタ層内
    には、前記コレクタ電位が印加され、前記半導体基板上
    に付加された前記ウェル領域と前記コレクタ層とを短絡
    的に接続可能なスイッチング素子のソースたる第2導電
    型で高濃度のソース層を有していることを特徴とする半
    導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3において、前記
    スイッチング素子の駆動源は、前記半導体基板上に構造
    的に形成された容量であることを特徴とする半導体装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし請求項4のいずれかの項
    において、前記スイッチング素子は、MISFETであ
    ることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし請求項4のいずれかの項
    において、前記スイッチング素子は、バイポーラトラン
    ジスタであることを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかの項
    において、前記コレクタ層を中心に、このコレクタ層と
    前記エミッタ層との間の高抵抗ウェル領域および前記エ
    ミッタ層が略同心円状に形成されていることを特徴とす
    る半導体装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記スイッチング素
    子を構成する複数の半導体分離領域のうち、出力電位に
    近い高電位分離領域は中心側に、入力電位に近い低電位
    分離領域は円周側に形成されていることを特徴とする半
    導体装置。
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