JPH06131776A - テープカセットの装着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テープを損傷したり引き出したりすることな
く、塵埃等の侵入を防止するシャッタを有するテープカ
セットと、従来のコンパクト・カセットを適用可能とす
るテープカセットの装着装置。 【構成】 シャッタを有するテープカセット１とコンパ
クト・カセット３１を着脱するホルダ手段９、１０と、
略斜面１２ｄを設けたシャッタを開く開成手段１２とで
構成し、略斜面がコンパクト・カセットの窓部３６の前
端面の段差３３ａに当接することでコンパクト・カセッ
トの挿着を妨げない。また、シャッタを有するテープカ
セット１を使用する際、シャッタ８を円滑に開閉し、塵
埃等の進入を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、音楽や映像等の情報が
記録／再生可能なテープを収納するテープカセットの装
着装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のテープカセットとしては、例えば
図７に示すコンパクト・カセットがある。このコンパク
ト・カセット３１は、テープ３２を収納し、磁気ヘッド
挿入窓３４およびピンチローラ挿入窓３５ａ，３５ｂを
有しており、カセットシェル３３に磁気ヘッドを挿入す
る磁気ヘッド挿入窓３４およびピンチローラを挿入する
ピンチローラ挿入窓３５ａ，３５ｂ等からテープ３２が
カセットシェル３３より露出する構成となっており、窓
部３６の寸法Ａがテープ収納部３７の寸法Ｂより厚いカ
セットシェル３３で構成される。

【０００３】上記したコンパクト・カセットでは、テー
プカセットに磁気ヘッドを挿入する磁気ヘッド挿入窓お
よびピンチローラを挿入するピンチローラ挿入窓等から
テープが露出しているので、上記挿入窓から塵埃等が侵
入してテープの記録／再生面に付着したり、手等がテー
プの記録／再生面に不測に触れてこれを損傷することが
ある。

【０００４】このような従来のコンパクト・カセットの
問題点を解決するものとして、例えば、本出願人が、平
成３年９月３０日に出願した、特願平３−２５１１０２
号（資料１）に示すテープレコーダがある。

【０００５】以下に資料１の概要について図８および図
９を用いて説明する。図８において、シャッタを有する
テープカセット１はテープ２を収納し、位置決め穴１
ａ，１ｂを有し、磁気ヘッドを挿入する磁気ヘッド挿入
窓４を有し、ピンチローラおよびキャプスタンを挿入す
る開口部が連続するピンチローラ挿入窓５ａ，５ｂを有
し、これらの窓部６を摺動自在に開閉し常時は閉じる方
向へ付勢されたシャッタ８を有し、テープ収納部７およ
び窓部６よりなるカセットシェル３の厚さ寸法Ｃがコン
パクト・カセット３１のテープ収納部３７の寸法Ｂと略
々同じである。また、シャッタを有するテープカセット
１のカセットシェル３の前端面近傍には回動レバー１２
の先端のピン１２ｂが係合する切欠部２１を設けてい
る。

【０００６】図９は資料１の実施例のテープレコーダで
あって、ホルダ１０９，１１０はホルダベース１１１に
取り付けられており、前記シャッタを有するテープカセ
ット１を着脱可能に保持するテープカセットのホルダを
構成している。

【０００７】回動レバー１１２はこの例ではホルダ１０
９の下端部に回動レバ−１１２の一端に設けた軸１１２
ａを回動支軸として回動自在に設けられ、他端にピン１
２ｂを有し、シャッタを有するテープカセット１のテー
プ収納部７に略々接するように設けられ、付勢手段１１
３によりこの図では時計回り方向に付勢されピン１１２
ｂがホルダ１０９に当接するように位置を保っており、
前記シャッタを有するテープカセット１の挿着動作と連
動してシャッタ８を開くよう配置されており、常時は前
記回動レバー１１２が前記シャッタを有するテープカセ
ット１を排出する方向へ付勢手段１１３により付勢して
おり、付勢手段１１３の一端はホルダ１０９の溝部側壁
１０９ａに衝合し、他端は回動レバー１１２の突起１１
２ｃがホルダ１０９の所定の位置に係止している。

【０００８】ここで、この例では、ホルダベース１１１
の両端には軸１１１ａ，１１１ｂが設けられており、基
板１１４に設けられた軸受１１４ａ，１１４ｂにより回
動可能であって、ホルダベース１１１には磁気ヘッド１
１７、ピンチローラ１１８，１１９が移動可能に取り付
けられている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】従来のコンパクト・カ
セットを、上記したテープレコーダのホルダに挿着する
際の問題点を図１０により説明すると、コンパクト・カ
セット３１のカセットシェル３３には窓部３６の近傍に
少なからず段差３３ａ、この図では寸法Ｄがある。カセ
ットシェル３３の金型構成上ある程度避け難いものであ
る。

【００１０】このコンパクト・カセット３１をホルダに
装着したとき、段差３３ａは回動レバー１１２のピン１
１２ｂに図のように当接する。ここで、軸１１２ａの中
心とピン１１２ｂの中心とを結ぶ線を考えたとき、段差
３３ａがこの図でこの線より寸法Ｅだけ左に在るときに
は、矢印Ｆの方向に力を受け、コンパクト・カセット３
１を装着する力に抗し装着を妨げる。

【００１１】本発明は、このような従来の問題点を解決
するものであり、従来のコンパクト・カセットをホルダ
へ装着する際、シャッタを有するテープカセットのシャ
ッタを開閉する回動レバーのピンがコンパクト・カセッ
トの装着を妨げる恐れがなく、さらに、従来のコンパク
ト・カセットと寸法および形状面で互換性があり、塵埃
等の侵入を防止し、高い信頼性の要求されるデジタル記
録／再生をも行うことができ、かつ機器の小型化に貢献
できるテープカセットに適用可能なテープカセットの装
着装置を提供することを技術的課題としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のテープカセットの装着装置は、テープを収
納し、窓部の厚さがテープ収納部より厚いコンパクト・
カセットと、テープを収納し、磁気ヘッドおよびピンチ
ローラを挿入する窓部を摺動自在に開閉し常時は閉じる
方向へ付勢されたシャッタを有しテープ収納部および窓
部の厚さが前記コンパクト・カセットのテープ収納部と
ほぼ同じテープカセットとを着脱可能に保持するテープ
カセットの装着装置であって、前記コンパクト・カセッ
トあるいはシャッタを有するテープカセットを収納する
ホルダ手段と、前記シャッタを有するテープカセットを
前記ホルダ手段に挿着する動作に連動して前記シャッタ
を開く開成手段と、前記開成手段に設けられ、前記コン
パクト・カセットを前記ホルダ手段に挿着する際、すく
なくとも前記開成手段より先に、前記コンパクト・カセ
ットの窓部の前端面にわずかな角度で当接する略斜面
と、常時は前記開成手段が前記シャッタを有するテープ
カセットを排出する方向へ付勢する付勢手段とより構成
しており、また、前記開成手段は先端にピンが設けられ
他端を回動支軸とする回動レバーであって、前記略斜面
は前記ピンの中心と前記回動支軸の中心とを結ぶ線との
なす角度が少なくとも９０度を越える様にしている。

【００１３】

【作用】本発明のテープカセットの装着装置は、コンパ
クト・カセットをホルダ手段に挿着する際、シャッタを
開く開成手段に設けられた略斜面が、コンパクト・カセ
ットの窓部の前端面とわずかな角度で当接するよう設け
られ、前記窓部が開成手段を移動させるようにしたの
で、コンパクト・カセットをホルダへ装着する際、シャ
ッタを有するテープカセットのシャッタを開閉する回動
レバーのピンがコンパクト・カセットの装着を妨げる恐
れがない。

【００１４】

【実施例】以下、本発明のテープカセットの装着装置の
１実施例を図面を用いて説明する。

【００１５】図１はシャッタを有するテープカセットを
装着開始したときの本発明の実施例のテープカセットの
装着装置の平面図、図２は図１の右側面図、図３はシャ
ッタを有するテープカセットを装着終了したときの本発
明の実施例のテープカセットの装着装置の平面図、図４
はコンパクト・カセットを装着開始したときの本発明の
実施例のテープテープカセットの装着装置の部分平面
図、図５は図４の前側面図、図６はコンパクト・カセッ
トを装着終了したときの本発明の実施例のテープカセッ
トの平面図である。

【００１６】図１および図２において、ホルダ９，１０
はホルダベース１１に取り付けられており、前記シャッ
タを有するテープカセット１を着脱可能に保持するよう
に構成している。

【００１７】回動レバー１２はこの例ではホルダ９の下
端部に回動レバ−１２の一端に設けた軸１２ａを回動支
軸として回動自在に設けられ、他端にピン１２ｂを有
し、シャッタを有するテープカセット１のテープ収納部
７に略々接するように設けられ、付勢手段１３によりこ
の図では時計回り方向に付勢されピン１２ｂがホルダ９
に当接するように位置を保っており、前記シャッタを有
するテープカセット１の挿着動作と連動してシャッタ８
を開くよう配置されており、常時は前記回動レバー１２
が前記シャッタを有するテープカセット１を排出する方
向へ付勢手段１３により付勢しており、付勢手段１３の
一端はホルダ９の溝部側壁（図示せず）に衝合し他端は
回動レバー１２の突起１２ｃに係合してホルダ９を所定
の位置に係止している。ここで、この例では、ホルダベ
ース１１には磁気ヘッド１７、ピンチローラ１８，１９
が移動可能に取り付けられている。

【００１８】図４および図５は従来のコンパクト・カセ
ットを装着開始した状態であって、コンパクト・カセッ
ト３１の窓部３６の前端面が回動レバー１２のピン１２
ｂに当接する前に、窓部３６の前端面とわずかな角度
（この図ではＧ度）で当接する略斜面１２ｄを回動レバ
ー１２に設けている。また、この略斜面１２ｄは回動レ
バー１２の軸１２ａの中心とピン１２ｂの中心とを結ぶ
線とのなす角度（この図ではＨ度）が少なくとも９０度
を越えるように設定する。

【００１９】以上のように構成されたテープカセットの
装着装置についてその動作を説明する。

【００２０】図１および図２において、シャッタを有す
るテープカセット１は装着開始の状態であり、回動レバ
ー１２の先端のピン１２ｂが第２のシャッタを有するテ
ープカセット１のシャッタ８の近傍にある案内溝２１に
案内され、シャッタを有するテープカセット１の挿入動
作により回動レバー１２が回動するとともに、付勢手段
１３により排出方向に付勢されているので、ピン１２ｂ
はシャッタを有するテープカセット１のピンチローラ挿
入窓５ｂの形状に案内されシャッタ８を開く方向に摺動
させる。

【００２１】図３のようにシャッタを有するテープカセ
ット１を装着終了したときには、シャッタ８は開位置に
あり、回動レバー１２の先端のピン１２ｂはシャッタを
有するテープカセット１のピンチローラ挿入窓５ｂに案
内されカセットシェル３の切欠部２０と係合し、磁気ヘ
ッド１７およびピンチローラ１８，１９は挿入可能とな
っている。

【００２２】図４および図５は従来のコンパクト・カセ
ットを装着開始した状態であって、コンパクト・カセッ
ト３１の窓部３６の前端面に図では寸法Ｄの段差３３ａ
が在るとき、回動レバー１２のピン１２ｂに当接する前
に、コンパクト・カセット３１の窓部３６に回動レバー
１２の略斜面１２ｄが当接し、略斜面１２ｄの角度Ｇ度
により摺動しながら回動レバー１２を回動させ押し下げ
る。

【００２３】このとき、この略斜面１２ｄは回動レバー
１２の軸１２ａの中心とピン１２ｂの中心とを結ぶ線と
のなす角度（この図ではＨ度）が少なくとも９０度を越
えるように設定してあるので、段差３３ａがかなり大き
くなっても矢印Ｉの方向に力を受け、コンパクト・カセ
ット３１を装着する力に抗し装着を妨げることはない。

【００２４】図６は従来のコンパクト・カセットを装着
完了した状態であって、回動レバー１２は所定の位置に
納められ、演奏等を妨げることはない。

【００２５】

【発明の効果】以上のように、本発明のテープカセット
の装着装置によれば、コンパクト・カセットをホルダへ
装着する際、シャッタを有するテープカセットのシャッ
タを開閉する回動レバーのピンがコンパクト・カセット
の装着を妨げる恐れがない。

【００２６】また、従来のコンパクト・カセットと寸法
および形状面で互換性がある、シャッタを有するテープ
カセットを使用する際、シャッタを円滑に開閉し、塵埃
等の侵入を防止し、高い信頼性の要求されるデジタル記
録／再生をも行うことができ、かつ機器の小型化に貢献
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】シャッタを有するテープカセットを装着開始し
たときの本発明の実施例のテープカセットの装着装置の
平面図

【図２】図１の右側面図

【図３】シャッタを有するテープカセットを装着終了し
たときの本発明の実施例のテープカセットの装着装置の
平面図

【図４】コンパクト・カセットを装着開始したときの本
発明の実施例のテープテープカセットの装着装置の部分
平面図

【図５】図４の前側面図

【図６】コンパクト・カセットを装着終了したときの本
発明の実施例のテープカセットの平面図

【図７】従来のコンパクト・カセットを上方より見た斜
視図

【図８】シャッタを有するテープカセットを上方より見
た斜視図

【図９】従来例のテープレコーダのホルダを説明する平
面図

【図１０】従来例のテープレコーダのホルダの動作を説
明する図

【符号の説明】

１ シャッタを有するテープカセット ２，３２ テープ ４，３４ 磁気ヘッド挿入窓 ５ａ，５ｂ，３５ａ，３５ｂ ピンチローラ挿入窓 ８，３８ シャッタ ９，１０ ホルダ １２ 回動レバー １２ｂ ピン １２ｄ 略斜面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 テープを収納し、窓部の厚さがテープ収
   納部より厚いコンパクト・カセットと、テープを収納
   し、磁気ヘッドおよびピンチローラを挿入する窓部を摺
   動自在に開閉し常時は閉じる方向へ付勢されたシャッタ
   を有しテープ収納部および窓部の厚さが前記コンパクト
   ・カセットのテープ収納部とほぼ同じテープカセットと
   を着脱可能に保持するテープカセットの装着装置であっ
   て、 前記コンパクト・カセットあるいはシャッタを有するテ
   ープカセットを収納するホルダ手段と、 前記シャッタを有するテープカセットを前記ホルダ手段
   に挿着する動作に連動して前記シャッタを開く開成手段
   と、 前記開成手段に設けられ、前記コンパクト・カセットを
   前記ホルダ手段に挿着する際、すくなくとも前記開成手
   段より先に、前記コンパクト・カセットの窓部の前端面
   にわずかな角度で当接する略斜面と、 常時は前記開成手段が前記シャッタを有するテープカセ
   ットを排出する方向へ付勢する付勢手段とよりなり、 前記シャッタを有するテープカセットを前記ホルダ手段
   に挿着するときには、前記開成手段によって前記シャッ
   タを開き、 前記コンパクト・カセットを前記ホルダ手段に挿着する
   ときには、前記開成手段に設けられた略斜面が前記コン
   パクト・カセットの窓部の前端面と当接し、前記開成手
   段を移動させるようにしたことを特徴とするテープカセ
   ットの装着装置。
2. 【請求項２】 前記開成手段は先端にピンが設けられ他
   端を回動支軸とする回動レバーであって、 前記略斜面は前記ピンの中心と前記回動支軸の中心とを
   結ぶ線とのなす角度が少なくとも９０度を越えることを
   特徴とする請求項１記載のテープカセットの装着装置。