JPH0613144U - 収納容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、積み上げおよび配列が容易でかつ
取扱いの容易な収納容器を提供することを目的とする。 【構成】 本考案の収納容器１は、収納容器本体に指挿
入口２２が設けられ、該指挿入口内壁の手前側上部にす
べり止め突起層２４が配設されるとともに、その奥に斜
め上方に向かう傾斜部２３が配設されていることを特徴
とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、収納容器に係り、特に半導体ウェハなどの衝撃に弱いものを運搬 するために用いる通い箱としての半導体ウェハ搬送治具の取手の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

半導体ウェハは、製造後、出荷検査を受けて包装容器に収納されて密封され る。この半導体ウェハがデバイス工場に出荷される際には、通常半導体ウェハが 収納された包装容器が数個から１０個程度ダンボール箱やプラスチック製の箱に 梱包されて運搬される。運搬に際してはトラックやコンテナが使用され、この中 では通い箱等は何段、何列にも積み込まれる。

【０００３】 包装容器中では半導体ウェハは、Ｖ溝とウェハ押さえとによって１枚１枚固定 されているが、衝撃が与えられると容器内壁から発生するホコリがウェハ表面に 付着したりあるいは割れたりする可能性があるため通い箱の取扱いを衝撃を与え ることなく行えるように通い箱の長手方向両側面に半円状のヒモがつけられたり あるいは取手がかしめ込まれたりされており、このひもを手で挟んだりあるいは 取手に指先を入れて持ち上げ積み上げ積み降ろしあるいは持ち運び作業等が行わ れる。また、従来の取手３は図７に示すように、指の挿入口がコの字型になって おり、この中に指をいれて持ち上げることができるようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら取手をひもで形成した場合は、箱の外にはみだしているので積 み込むと隣り合わせの箱のひも同志が邪魔をしあい、凹凸なしにきれいに積み上 げることができないという問題がある。また、このようなひもの欠点を改善する ためになされたコの字型取手の場合は、きれいに多数段の積みあげを行うことは できるが、通い箱の容積を効果的に確保するために、指の挿入口の奥行きが制限 されるため、指の先しか挿入できず、繰り返しの作業で指先の力が弱ってくると 指が滑って通い箱を落下させてしまうことがある。

【０００５】 本考案は前記実情に鑑みてなされたもので、積み上げおよび配列が容易でかつ 取扱いの容易な収納容器を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案の収納容器は、収納容器本体に指挿入口が設けられ、該指挿入口 内壁の手前側上部にすべり止め突起が配設されるとともに、その奥に斜め上方に 向かう傾斜部が配設されていることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

上記構造によれば、指挿入口に指先を挿入し容器を持ち上げると、指先は上向 きになり、またすべり止め突起が設けられているため、指先に力が入りやすくか つ滑りにくいため、確実な力で容器を持ち上げることができ、信頼性の高いもの となる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。

【０００９】 本考案実施例の半導体ウェハ搬送用の通い箱は、図１に全体図、図２，図３， 図４にそれぞれ取手部の正面図、平面図、側面図、図５に図２にＡ−Ａ断面を示 すように、段ボール状に成形されたプラスチック製の直方体をなす箱本体１と、 この箱本体の長手方向両端の両側面にそれぞれ設けられた取手２が、指挿入口２ ２と、該指挿入口内壁の手前側上部に配設されたすべり止め突起層２４と、その 奥に斜め上方に向かうように形成された傾斜部２３とを具備したことを特徴とす る。そして、この取手はビス穴２１を介して箱本体１にビス止めによって取り付 けられ、傾斜部２３は相対向して形成された上側傾斜部２３ａと下側傾斜部２３ ｂとから構成されている。

【００１０】 この通い箱１の内部には半導体ウェハの収納された包装容器が６個あるいは８ 個梱包され、箱全体としての重さは１０ｋｇ程度となっている。

【００１１】 この通い箱１によれば、多段に積み上げても多数列に並べても、取手のスペー スがはみだすこともなく、また手をかけて持ち上げようとする際、指先が上側傾 斜部２３に当接し、すべり止め突起層２４の存在により指先に力が入りかつ指先 のすべりを防止することができるため、しっかりと持ち上げることができ、指が すべって半導体ウェハに衝撃を与えたりするのを防止することが可能となる。ま た落下等の衝撃の頻度が大きく低減されるため、落下による半導体ウェハの破損 やウェハ表面へのパーティクル付着が低減されコスト面で極めて有利なものとな る。加えて取扱い者の肉体的精神的疲労を低減することができる。

【００１２】 なお、取手の材質としては通常軽くて手に対する感触のよいプラスチックが使 用されるが、ゴムなどの弾性部材を用いても良くまた必ずしもプラスチックに限 定されるものではない。また、前記実施例では半導体ウェハ用の通い箱について 説明したが、かならずしも半導体ウェハ用に限定されることなく、いかなるもの にも適用可能であることはいうまでもないが衝撃に弱いものの容器に用いる場合 に特に有効である。

【００１３】 また、本考案の第２の実施例を図６に示すように、すべり止め突起層を表面に 凹凸を形成したゴム３４で構成し、これを傾斜状の壁の内壁に接着剤を介して貼 着するようにしてもよい。他の部分については前記第１の実施例とまったく同様 に形成する。

【００１４】 さらにまた、この取手は本体にビス止めを行うことによって取り付けられてい るが、これに限定されることなく、本体に嵌め込む等他の方法でとりつけるよう にしてもよいことはいうまでもない。

【００１５】

【考案の効果】 以上説明してきたように、本考案によれば、指先に力が入りやすくかつ滑り にくいため、確実な力で容器を持ち上げることができ、被収容物に衝撃を与える ことなく取り扱うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の容器を示す図

【図２】同容器で用いられている取手の正面図

【図３】同容器で用いられている取手の上面図

【図４】同容器で用いられている取手の側面図

【図５】図２のＡ−Ａ断面図

【図６】本考案の第２の実施例の取手を示す図

【図７】従来例の取手を示す図

【符号の説明】

１ 容器本体 ２ 取手 ３ 取手 ２１ ビス孔 ２２ 指挿入口 ２３ 傾斜部 ２４ 突起層 ３４ 突起層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 収納容器本体と前記収納容器本体の所定
   の位置に設けられた指挿入口と前記指挿入口内壁の手前
   側上部に配設されたすべり止め突起とさらに前記すべり
   止め突起の奥に配設され斜め上方に向かう傾斜部とを具
   備したことを特徴とする収納容器。