JPH06130718A - 磁性トナー用磁性粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

磁性トナー用磁性粒子粉末及びその製造法

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JPH06130718A
JPH06130718A JP4304689A JP30468992A JPH06130718A JP H06130718 A JPH06130718 A JP H06130718A JP 4304689 A JP4304689 A JP 4304689A JP 30468992 A JP30468992 A JP 30468992A JP H06130718 A JPH06130718 A JP H06130718A
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magnetic
particles
iron oxide
type iron
specific surface
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JP4304689A
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English (en)
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Hiromitsu Misawa
浩光 三澤
Kazuo Fujioka
和夫 藤岡
Isataka Aoki
功荘 青木
Eiichi Kurita
栄一 栗田
Yoji Okano
洋司 岡野
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Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 残留磁化が可及的に低いことに起因して磁気
的な凝集力が小さく、しかも、流動性が優れている磁性
トナー用磁性粒子粉末及びその製造法を提供する。 【構成】 一般式 6/(ρ・d3 )×Φs〔ρ:スピ
ネル型鉄酸化物粒子の比重、d3 (面積平均径)=0.
1〜0.5μm、1.40≦Φs(面積形状係数)≦
1.60〕で示されるBET比表面積を有する球状スピ
ネル型鉄酸化物粒子粉末100重量部にシリカ微粒子を
SiO2 換算で0.5〜3.5重量部添加混合して球状
スピネル型鉄酸化物粒子の粒子表面にシリカ微粒子が付
着されてなるBET比表面積の増加巾がBET比表面積
値に対し1〜5m2 /gの範囲内であって、且つ、シリ
カ微粒子量に対する比で1.0〜4.5の範囲内である
球状スピネル型鉄酸化物粒子粉末からなる磁性トナー用
磁性粒子粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、残留磁化が可及的に低
いことに起因して磁気的な凝集力が小さく、しかも、流
動性が優れている磁性トナー用磁性粒子粉末及びその製
造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、静電潜像現像法の一つとして、キ
ャリアを使用せずに樹脂中にマグネタイト粒子粉末等の
磁性粒子粉末を混合分散させた複合体粒子を現像剤とし
て用いる所謂一成分系磁性トナーによる現像法が広く知
られ、汎用されている。
【0003】近時、画像濃度や階調性等複写機の高画質
化に伴って、現像剤である磁性トナーの特性向上が強く
要求されており、その為には、磁性トナーの帯電性の安
定化及び流動性の向上が強く要求される。
【0004】磁性トナーの流動性については、特開昭5
3−94932号公報の「このような高抵抗磁性トナー
は高抵抗であるが故に流動性が悪く、現像ムラを起し易
い欠点を有していた。つまりPPC用の高抵抗磁性トナ
ーは転写するに必要な帯電を保持できる反面、トナーボ
トル中あるいは磁気ロール表面等、転写工程以外の帯電
している必要のない工程に於いても摩擦帯電もしくは製
造工程におけるメカノエレクトレット等により若干の帯
電をしていることによる帯電凝集を起し易く、これが為
に流動性の低下を招いている。」、「本発明の他の目的
は流動性の改善されたPPC用高抵抗磁性トナーを供給
することにより、現像ムラの無い、従って解像度、階調
性の優れた良質の間接式複写を得んとするものであ
る。」なる記載の通りである。
【0005】前記特性を有する磁性トナーを得る為に
は、磁性粒子粉末の残留磁化が可及的に低いことに起因
して磁気的な凝集力が小さく、しかも、流動性が優れて
いることが要求される。
【0006】磁性粒子粉末の残留磁化については、特開
平3−122658号公報の「このような磁性体は、残
留磁化が小さいため凝集性も小さく、そのため画像性が
良い傾向である。」なる記載の通りである。
【0007】従来、残留磁化が小さい磁性粒子粉末とし
ては、周知の通り、球状スピネル型鉄酸化物粒子粉末が
知られており、残留磁化が小さいことによって凝集力が
きわめて小さいものである。磁性粒子粉末の残留磁化の
値は磁性粒子の粒子サイズと密接な関係があり、磁性粒
子の粒子サイズが小さくなる程残留磁化は大きくなる傾
向にあり、球状磁性粒子粉末の残留磁化は面積平均粒子
径(μm)×残留磁化値(emu/g)で示せば2(μ
m・emu/g)以下の値となる。
【0008】また、従来、磁性トナーの流動性について
は、磁性トナー自体に何らかの処理を施して流動性を向
上させる試みが主流となっており、例えば、流動性改
質剤であるケイ素化合物等の微粒子を樹脂と混練して磁
性トナーの内部又は表面に含有させる方法(特開昭53
−94932号公報、特開昭59−223451号公
報、特開昭60−26953号公報、特開平2−733
62号公報、特公平4−21860号公報)及び磁性
トナーの粒子表面を前記流動性改質剤であるケイ素化合
物等の微粒子で処理する方法(特開昭63−8750号
公報)等がある。
【0009】一方、磁性トナー用磁性粒子粉末の粒子表
面にケイ素化合物を存在させるものとして磁性粒子の
粒子表面にシリカゲルSiO2 ・nH2 Oを付着結合さ
せる方法(特開平2−73362号公報)、磁性粒子
の粒子表面にケイ酸塩化合物の中和物の被膜を形成させ
る方法(特開昭57−201244号公報)等がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】残留磁化が可及的に低
いことに起因して磁気的な凝集力が小さく、しかも、流
動性が優れている磁性トナー用磁性粒子粉末は現在最も
要求されているところであるが、前出公知の及びの
方法による場合は、粒子表面におけるケイ素化合物等の
存在形態、分布状態の均一性、固定強度等が不十分であ
る為、磁性粒子粉末の流動性は十分優れたものとは言い
難いものであった。
【0011】この事実について以下に説明する。磁性粒
子の粒子表面に流動性改質剤を付着又は被覆する方法
は、磁性粒子のサイズが流動性改質剤であるケイ素化合
物等のサイズよりも大きい為、流動性改質剤であるケイ
素化合物等の微粒子を樹脂と混練する前出の方法に比
べ、磁性粒子の表面に付着しているケイ素化合物等が磁
性トナーの内部に埋没することなく表面に多量に分布す
ることになり、また、前出の方法に比べ、流動性改質
剤が脱離しにくく、磁性トナーの流動性の改良が期待さ
れる。
【0012】しかしながら、前出の方法は、シリカゲ
ルSiO2 ・nH2 Oを磁性粒子の粒子表面に付着結合
してシリカゲルの吸水、放水特性を利用して湿度変動に
よる帯電量の変動を抑制して帯電量を一定に保持するこ
とにより環境安定性を改良することを目的とするもので
あり、後出比較例に示す通り、磁性トナーの流動性の改
良は、十分ではない。
【0013】前出の方法は、磁性粒子の粒子表面に存
在するケイ酸塩化合物の中和物が微粒子ではなく被膜の
形態であるので、磁性トナー相互間に微粒子が介在する
場合に比べ磁性トナー相互の付着力が増加する為、磁性
トナーの流動性を改良することはできない。
【0014】尚、前出の方法による場合には、スリー
ブ上における磁性トナーの帯電時に磁性トナー同志の接
触又は磁性トナーとスリーブとの接触による衝撃により
磁性トナーの粒子表面から流動性改質剤であるケイ素化
合物等の微粒子が脱離してしまう。
【0015】そこで、本発明は、球状スピネル型鉄酸化
物粒子粉末の流動性を改良することを技術的課題とす
る。
【0016】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。即ち、本発明は、一般
式 6/(ρ・d3 )×Φs〔ρ:スピネル型鉄酸化物
粒子の比重、d3 (面積平均径)=0.1〜0.5μ
m、1.40≦Φs(面積形状係数)≦1.60〕で示
されるBET比表面積を有する球状スピネル型鉄酸化物
粒子粉末100重量部にシリカ微粒子をSiO2 換算で
0.5〜3.5重量部添加混合して前記球状スピネル型
鉄酸化物粒子の粒子表面に前記シリカ微粒子が付着され
てなるBET比表面積の増加巾が前記BET比表面積値
に対し1〜5m2 /gの範囲内であって、且つ、前記シ
リカ微粒子量に対する比で1.0〜4.5の範囲内であ
る球状スピネル型鉄酸化物粒子粉末からなる磁性トナー
用磁性粒子粉末及び一般式 6/(ρ・d3 )×Φs
〔ρ:スピネル型鉄酸化物粒子の比重、d3(面積平均
径)=0.1〜0.5μm、1.40≦Φs(面積形状
係数)≦1.60〕で示されるBET比表面積を有する
球状スピネル型鉄酸化物粒子粉末100重量部にシリカ
微粒子をSiO2 換算で0.5〜3.5重量部添加し
て、ホイール形混練機を用いて圧縮、せん断及びへらな
でによって混合することにより、前記球状スピネル型鉄
酸化物粒子の粒子表面に前記シリカ微粒子が付着されて
なるBET比表面積の増加巾が前記BET比表面積値に
対し1〜5m2 /gの範囲内であって、且つ、前記シリ
カ微粒子量に対する比で1.0〜4.5の範囲内である
球状スピネル型鉄酸化物粒子粉末を得ることからなる磁
性トナー用磁性粒子粉末の製造法である。
【0017】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。本発明に係る磁性粒子粉末は、一般式 6
/(ρ・d3 )×Φs〔ρ:スピネル型鉄酸化物粒子の
比重、d3 (面積平均径)=0.1〜0.5μm、1.
40≦Φs(面積形状係数)≦1.60〕で示されるB
ET比表面積を有する球状スピネル型鉄酸化物粒子粉末
100重量部にシリカ微粒子をSiO2 換算で0.5〜
3.5重量部添加混合して前記球状スピネル型鉄酸化物
粒子の粒子表面に前記シリカ微粒子が付着されてなるB
ET比表面積の増加巾が前記BET比表面積値に対し1
〜5m2 /gの範囲内であって、且つ、前記シリカ微粒
子量に対する比で1.0〜4.5の範囲内である球状ス
ピネル型鉄酸化物粒子粉末である。
【0018】本発明における被処理粒子である球状スピ
ネル型鉄酸化物粒子は、透過型電子顕微鏡観察により、
ほぼ等方形状を呈しており、角がなく全体が曲面形状を
なしているものであれば、粒子形態が真球状のものはも
ちろん、多少変形していても、また、表面が平滑ないし
凹凸であってもよく、換言すれば面積形状係数が1.4
0≦Φs≦1.60の範囲のものであればよい。
【0019】尚、上記面積形状係数1.40≦Φs≦
1.60は、前記球状の定義の範囲に入ると認められる
数多くの粒子が有する比表面積の値から求めたものであ
り、真球状粒子の場合、Φs=1.0であるから、これ
を基準として球状粒子の面積形状係数を1.40≦Φs
≦1.60と表したのである。
【0020】そして、組成的にはマグネタイト粒子(
eO x ・Fe23 、0<x≦1)、マグヘマタイト粒
子、Fe以外の2価金属(Mn、Ni、Zn、Cu、M
g、Co等の1種又は2種以上)を含む所謂フェライト
粒子等を言い、いずれも本発明の目的とする効果が得ら
れる。
【0021】本発明における球状スピネル型鉄酸化物粒
子粉末の粒子サイズは0.1〜0.5μmである。0.
1μm未満の場合には磁性粒子相互間の凝集力が大きく
分散性が困難となって、磁性粒子の粒子表面へのシリカ
微粒子の付着が困難となり本発明の目的とする効果が得
られない。
【0022】0.5μmを越える場合には、磁性粒子の
粒子表面へのシリカ微粒子の付着は可能であるが、磁性
トナーの粒子内部又は表面や磁性トナー粒子相互間で磁
性粒子の濃度分布が生じて画像特性等劣化の原因とな
り、磁性トナーとして好ましくない。
【0023】本発明における球状スピネル型鉄酸化物粒
子粉末は、周知のものを使用すればよく、残留磁化は面
積平均粒子径(μm)×残留磁化値(emu/g)で示
せば2(μm・emu/g)以下、好ましくは1.5
(μm・emu/g)以下である。
【0024】本発明におけるシリカ微粒子は、一般式
(SiO2 )nで示されるものであり、市販のコロイダ
ルシリカや疎水性シリカ微粉末等を使用すればよい。
【0025】シリカ微粒子の大きさは、BET比表面積
で100〜450m2 /gが好ましい。100m2 /g
未満である場合には、磁性粒子自体の流動性を改良する
ことが困難であり、その結果、磁性トナーの流動性を改
良することが困難である。450m2 /gを越える場合
には、高温高湿の環境下において磁性体の吸着水分量が
増加し、磁性粒子自体の流動性が低下し、その結果、磁
性トナーの流動性も低下する。磁性粒子粉末の流動性を
考慮すれば150〜400m2 /gがより好ましい。
【0026】本発明における球状スピネル型鉄酸化物粒
子粉末とシリカ微粒子との混合割合は、球状スピネル型
鉄酸化物粒子粉末100重量部に対しシリカ微粒子がS
iO2 換算で0.5〜3.5重量部である。0.5重量
部未満である場合は磁性粒子自体の流動性を改良するこ
とが困難であり、その結果、磁性トナーの流動性も改良
することができない。3.5重量部を越える場合には、
高温高湿の環境下において磁性体の吸着水分量が増加
し、その結果、磁性トナーの流動性も低下する。また、
磁性に関与しないシリカ微粒子が増加することによって
磁性粒子の磁化値はもちろん、磁性トナーの磁化値も低
下する。
【0027】本発明に係る磁性粒子粉末のBET比表面
積の増加幅は、1〜5m2 /gの範囲である。BET比
表面積の増加巾が1m2 /g未満の場合には、磁性粒子
粉末自体の流動性を改良することができず、その結果、
磁性トナーの流動性も改良することができない。5m2
/gを越える場合には、高温高湿の環境下において磁性
体の吸着水分量が増加し、磁性粒子自体の流動性が低下
し、その結果、磁性トナーの流動性も低下する。磁性粒
子粉末及び磁性トナーの流動性を考慮すればBET比表
面積の増加巾が2〜4m2 /gの範囲が好ましい。
【0028】本発明に係る球状スピネル型鉄酸化物粒子
粉末は、BET比表面積の増加巾がシリカ微粒子量に対
し1.0〜4.5の範囲内である。1.0未満の場合に
は、磁性粒子に付着するシリカ微粒子の個数が少なくな
って、磁性粒子の粒子表面にシリカ微粒子が均一且つ緻
密に付着することが困難となり、本発明の効果が得られ
ない。4.5を越える場合には、高温高湿の環境下にお
いて磁性体の吸着水分量が増加し、磁性粒子自体の流動
性が低下し、その結果、磁性トナーの流動性も低下す
る。
【0029】本発明においては、樹脂への混練、混合に
あたり、分散性を改良する為に通常行なわれるチタンカ
ップリング剤やシランカップリング剤等のカップリング
剤や界面活性剤等による疎水化処理を施してもよい。
【0030】本発明に係る磁性粒子粉末は、一般式 6
/(ρ・d3 )×Φs〔ρ:スピネル型鉄酸化物粒子の
比重、d3 (面積平均径)=0.1〜0.5μm、1.
40≦面積形状係数Φs≦1.60〕で示されるBET
比表面積を有する球状スピネル型鉄酸化物粒子粉末10
0重量部にシリカ微粒子0.5〜3.5重量部を添加し
て、ホイール形混練機を用いて圧縮、せん断及びへらな
でによって混合することにより得ることができる。
【0031】本発明における混合は、ホイール型混練機
を用いて混合することによりBET比表面積の増加巾が
1〜5m2 /gの範囲の球状スピネル型鉄酸化物粒子粉
末を得ればよい。本発明の目的を考慮すれば、ホイール
型混練機の線荷重は、好ましくは30kg/cm以上、
より好ましくは40kg/cm以上である。
【0032】ホイール型混練機としては、具体的には、
シンプソンミックスマーラー、マルチミル、ストッツミ
ル、逆流混練機、アイリッヒミル等が適用できるが、ウ
エットパンミル、メランジャ、ワールミックス及び速練
機は、いずれも圧縮及びへらなで作用のみでせん断作用
を有しないので、BET比表面積の増加巾が1〜5m2
/gの範囲の球状スピネル型鉄酸化物粒子粉末を得るこ
とができない。
【0033】尚、従来、磁性粒子の粒子表面を疎水基を
有する有機化合物で被覆するにあたって、ホイール型混
練機又はらいかい機を用いて混練する方法(特開平3−
22196号公報)があるが、この方法は吸液量を小さ
くして樹脂への混練性を改良することを目的とするもの
であり、磁性粒子の流動性を改良する本発明とはその目
的、構成を異にするものである。
【0034】
【作用】先ず、本発明において最も重要な点は、一般式
6/(ρ・d3 )×Φs〔ρ:スピネル型鉄酸化物粒
子の比重、d3 (面積平均径)=0.1〜0.5μm、
1.40≦面積形状係数Φs≦1.60〕で示されるB
ET比表面積を有する球状スピネル型鉄酸化物粒子粉末
100重量部にシリカ微粒子をSiO2 換算で0.5〜
3.5重量部添加混合して前記球状スピネル型鉄酸化物
粒子の粒子表面に前記シリカ微粒子が付着されているB
ET比表面積の増加巾が前記BET比表面積値に対し1
〜5m2 /gの範囲内であって、且つ、前記シリカ微粒
子量に対する比で1.0〜4.5の範囲内である球状ス
ピネル型鉄酸化物粒子粉末は、優れた流動性を有すると
いう事実である。
【0035】本発明に係る球状スピネル型鉄酸化物粒子
粉末は、流動性が優れており、殊に、流動性指数が60
以上、好ましくは65以上が得られる。
【0036】本発明に係る球状スピネル型鉄酸化物粒子
粉末を用いて得られる磁性トナーの流動性もまた優れた
ものであり、殊に、流動性指数が80以上、好ましくは
85以上が得られる。
【0037】本発明に係る球状スピネル型鉄酸化物粒子
粉末の流動性が優れている理由について、本発明者は、
後出実施例及び比較例に示す通り、シリカ微粒子の付着
後における球状スピネル型鉄酸化物粒子のBET比表面
積の増加巾が付着前におけるBET比表面積に比べ特定
範囲であって、且つ、シリカ微粒子量に対して特定範囲
にある場合には、球状スピネル型鉄酸化物粒子の粒子表
面に付着しているシリカ微粒子が多量に且つ均一に分布
し、しかも強固に固定されていることによるものと考え
ている。そして、このように流動性が改良された球状ス
ピネル型鉄酸化物粒子粉末を用いて磁性トナーを製造し
た場合には、磁性トナー製造時における樹脂との混練工
程中に混練不良や磁性粒子相互の再凝集が生起しにくく
なって磁性トナーの粒子表面に磁性粒子が多量且つ均一
に突出することとなり、その結果、球状スピネル型鉄酸
化物粒子表面に存在するシリカ微粒子が磁性トナー表面
に多量且つ均一に分布し、しかも脱離しにくいことに起
因して、磁性トナー自体の流動性を改良することができ
るものと考えている。
【0038】また、後出比較例に示す通り、シリカ微粒
子とスピネル型鉄酸化物粒子との混合に通常使用されて
いるブレード型混練機に属するヘンシェルミキサーは攪
拌作用のみを有するものであるから、本発明の効果は得
られない。
【0039】今、図によって説明すれば以下の通りであ
る。図3は、シリカ化合物微粒子の種類及び使用量と混
練機器の線荷重を種々変化させてシリカ化合物微粒子を
混合、付着して得られる球状スピネル型鉄酸化物粒子粉
末のBET比表面積値の増加巾、即ち、付着後のBET
比表面積値と付着前のBET比表面積値との差(以下、
ΔBETという。)との関係を示したものである。
【0040】即ち、図3は、シリカ化合物微粒子の種類
及び使用量とシンプソンミックスマーラーの線荷重を種
々変化させた以外は後出実施例1と同様にして得られた
粒子表面にシリカ化合物微粒子が付着している球状マグ
ネタイト粒子粉末についてシリカ化合物微粒子の使用量
とΔBETとの関係を示したものである。図3中、○印
に該当する球状マグネタイト粒子は流動性が優れたもの
であり、×印に該当する球状マグネタイト粒子粉末は、
流動性が悪いものであった。流動性が優れている球状マ
グネタイト粒子粉末は、シリカ微粒子が付着し、該シリ
カ微粒子量が特定範囲内であり、ΔBETが1〜5m2
/gであって、シリカ微粒子量に対する比で1.0〜
4.5の範囲内であることが認められた。尚、図中、点
線aはΔBET/シリカ微粒子量が4.5の線であり。
点線bは1.0の線である。
【0041】図4は、シリカ微粒子の使用量とシンプソ
ンミックスマーラーの線荷重を種々変化させた以外は、
後出実施例1と同様にして得られた粒子表面にシリカ微
粒子が付着している球状マグネタイト粒子粉末につい
て、ΔBETと流動性との関係を示したものである。図
4に示される通り、ΔBETが1〜5m2 /gの範囲の
粒子表面にシリカ微粒子が付着している球状マグネタイ
ト粒子粉末は、流動性が優れたものであり、流動性指数
55以上が得られている。
【0042】
【実施例】次に、実施例、比較例及び使用例により、本
発明を説明する。尚、以下の実施例、比較例及び使用例
における粒子の形状は、透過型電子顕微鏡及び走査型電
子顕微鏡により観察したものである。
【0043】球状スピネル型鉄酸化物粒子の粒子径は、
投影径の中のMartin径(定方向に投影面積を2等
分する線分の長さ)より算出した面積平均径を用いた。
球状スピネル型鉄酸化物粒子の磁気特性は、「振動試料
型磁力計 VSM−3S−15」(東英工業(株)製)
を用いて外部磁場10kOe下で測定した値である。比
表面積は、「Mono Sorb MS−11」(湯浅
アイオニックス(株)製)を用いBET法により求め
た。
【0044】シリカ微粒子の比表面積は、コロイダルシ
リカを120℃で乾燥させて水分を飛ばして、乾燥物の
比表面積を測定した。ΔBETは、(コロイダルシリカ
を処理した磁性粒子の比表面積)−(コロイダルシリカ
を処理する前の磁性粒子の比表面積)を表わす。磁性粒
子粉末及び磁性トナーの流動性評価は、「パウダーテス
ター PT−E型」(細川ミクロン社製)で測定した値
である。
【0045】実施例1 湿式法により水溶液中から生成した面積平均径0.25
μmの球状を呈したマグネタイト粒子粉末(BET比表
面積7.0m2 /g、磁化値83.5emu/g、残留
磁化値5.5emu/g)10kgと、比表面積が17
2m2 /gのコロイダルシリカ(スノーテックスST−
40−商品名−日産化学社製)500g(SiO2 とし
てマグネタイト粒子粉末100重量部に対して2重量
部)とを、シンプソン・ミックスマーラーである「サン
ドミル MPUV−2」(商品名:(株)松本鋳造鉄工
所製)に投入して線荷重40kg/cm下で60分間混
合して球状を呈したマグネタイト粒子の粒子表面にシリ
カ微粒子を付着させた。得られたシリカ微粒子が粒子表
面に付着している球状を呈したマグネタイト粒子粉末の
BET比表面積は10.0m2 /gであって、ΔBET
は3.0m2 /gであった。また、流動性指数は75と
優れたものであり、磁気特性は磁化値が81.5emu
/g、残留磁化値5.2emu/gであった。
【0046】実施例2〜11、比較例1〜6 被処理磁性粒子粉末の種類、シリカ微粒子の種類及び
量、混練機器の種類及び線荷重を種々変化させた以外は
実施例1と同様にして粒子表面にシリカ微粒子が付着さ
れてなるスピネル型鉄酸化物粒子粉末を得た。
【0047】この時の主要製造条件及び諸特性を表1乃
至表4に示す。図1及び図2の電子顕微鏡写真(×20
000)はそれぞれ実施例9で用いた被処理球状マグネ
タイト粒子粉末、実施例11で用いた被処理球状スピネ
ル型フェライト粒子粉末(亜鉛をZn/Fe換算で2m
ol%含有)の粒子構造を示す。尚、表1中、スノーテ
ックスST−SのBET比表面積は232m2 /gであ
り、スノーテックスST−XSのBET比表面積は35
0m2 /gである。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】使用例1 実施例1で得られた粒子表面にシリカ微粒子が付着され
てなる球状マグネタイト粒子粉末を用い、下記配合割合
でミキサーにより粉体混合し、熱間2本ロールで10分
間溶融混練した。混練物を冷却後、粗粉砕、微粉砕(フ
ァインミル)した。さらに、これを分級して体積平均径
12〜13μm(コルターカウンター社製 TA−II
で測定)の磁性トナーを製造した。得られた磁性トナー
100重量部に対して疎水性シリカ微粒子粉末0.5重
量部を外添し、磁性トナーを得た。磁性トナーの流動性
指数は90であった。 スチレン−アクリル系共重合体 100重量部 負帯電性制御剤 0.5重量部 離型剤 6重量部 磁性粒子粉末 60重量部
【0053】上記磁性トナーをレーザショットLBP−
B406Eで画像性を評価した。その結果、画像濃度が
高く、しかも、カブリ、飛散の少ない良好な画像が得ら
れた。また、トナーの流動性が高いので、スリーブ上で
のトナーの塗布状態が均一になり、ベタ黒画像が均一に
なり、しかも、長期に渡って、画像濃度、画質とも安定
していた。
【0054】使用例2〜11及び使用比較例1〜6 処理済磁性粒子粉末を種々変化させた以外は、使用例1
と同様にして磁性トナーを製造した。磁性トナーの諸特
性を表5に示す。
【0055】
【表5】
【0056】
【発明の効果】本発明に係る磁性粒子粉末は、前出実施
例に示した通り、残留磁化が可及的に低いことに起因し
て磁気的凝集力が小さく、しかも、流動性が優れている
ので、磁性トナー用磁性粒子粉末として好適である。ま
た、本発明に係る磁性粒子粉末を用いて製造した磁性ト
ナーもまた流動性が優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例9で用いた被処理球状マグネタイト粒子
粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×20000)
である。
【図2】実施例11で用いた被処理球状スピネル型フェ
ライト粒子粉末(亜鉛をZn/Fe換算で2mol%含
有)の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×20000)
である。
【図3】シリカ微粒子の使用量と粒子表面にシリカ微粒
子が付着されてなる球状マグネタイト粒子のΔBETと
の関係を示したものである。
【図4】粒子表面にシリカ微粒子が付着されてなる球状
マグネタイト粒子のΔBETと流動性との関係を示した
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗田 栄一 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号戸 田工業株式会社創造センター内 (72)発明者 岡野 洋司 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号戸 田工業株式会社創造センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 6/(ρ・d3 )×Φs〔ρ:
    スピネル型鉄酸化物粒子の比重、d3 (面積平均径)=
    0.1〜0.5μm、1.40≦Φs(面積形状係数)
    ≦1.60〕で示されるBET比表面積を有する球状ス
    ピネル型鉄酸化物粒子粉末100重量部にシリカ微粒子
    をSiO2 換算で0.5〜3.5重量部添加混合して前
    記球状スピネル型鉄酸化物粒子の粒子表面に前記シリカ
    微粒子が付着されてなるBET比表面積の増加巾が前記
    BET比表面積値に対し1〜5m2 /gの範囲内であっ
    て、且つ、前記シリカ微粒子量に対する比で1.0〜
    4.5の範囲内である球状スピネル型鉄酸化物粒子粉末
    からなる磁性トナー用磁性粒子粉末。
  2. 【請求項2】 一般式 6/(ρ・d3 )×Φs〔ρ:
    スピネル型鉄酸化物粒子の比重、d3 (面積平均径)=
    0.1〜0.5μm、1.40≦Φs(面積形状係数)
    ≦1.60〕で示されるBET比表面積を有する球状ス
    ピネル型鉄酸化物粒子粉末100重量部にシリカ微粒子
    をSiO2 換算で0.5〜3.5重量部添加して、ホイ
    ール形混練機を用いて圧縮、せん断及びへらなでによっ
    て混合することにより、前記球状スピネル型鉄酸化物粒
    子の粒子表面に前記シリカ微粒子が付着されてなるBE
    T比表面積の増加巾が前記BET比表面積値に対し1〜
    5m2 /gの範囲内であって、且つ、前記シリカ微粒子
    量に対する比で1.0〜4.5の範囲内である球状スピ
    ネル型鉄酸化物粒子粉末を得ることを特徴とする磁性ト
    ナー用磁性粒子粉末の製造法。
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