JPH06129253A - シーケンシャルターボエンジンの過給圧制御方法 - Google Patents

シーケンシャルターボエンジンの過給圧制御方法

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JPH06129253A
JPH06129253A JP4300376A JP30037692A JPH06129253A JP H06129253 A JPH06129253 A JP H06129253A JP 4300376 A JP4300376 A JP 4300376A JP 30037692 A JP30037692 A JP 30037692A JP H06129253 A JPH06129253 A JP H06129253A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特にツインターボモードでの両ターボ過給機
を共に高い効率で作動して、オクタン価の異なる燃料を
使用する場合の制御を容易化する。 【構成】 プライマリターボ過給機40を小容量、セカ
ンダリターボ過給機50を大容量に定めて、両ターボ過
給機40,50にそれぞれウエイストゲート弁41,5
1を、ブロワ吐出圧をデューティソレノイド弁43,5
3で制御してアクチュエータ42,52に作用すること
で、各別に開閉するように設ける。そしてツインターボ
モードでは、セカンダリターボ過給機50のウエイスト
ゲート弁51を全閉し、小容量の排気抵抗の大きいプラ
イマリターボ過給機40のウエイストゲート弁41のみ
を開閉して、両ターボ過給機40,50の作動による過
給圧を一括して制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用エンジンとし
て、複数のターボ過給機を備えてシーケンシャルターボ
式に作動するシーケンシャルターボエンジンにおいて、
ターボ過給機の効率、オクタン価の異なる燃料を使用す
る場合等に対応した過給圧制御の方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両用の過給機付エンジンとし
て、多気筒の排気系にプライマリとセカンダリのターボ
過給機を並列的に装備し、このターボ過給機をシーケン
シャルターボ式に作動するものが提案されている。この
シーケンシャルターボエンジンでは、プライマリターボ
過給機のみが作動するシングルターボモード、セカンダ
リターボ過給機を予備回転する予備回転モード、プライ
マリターボ過給機とセカンダリターボ過給機が作動する
ツインターボモードが設定されるため、これらの各モー
ドにおいて過給圧を制御することが必要になる。ここで
過給圧制御するために種々の手段が考えられるが、上述
の3つのモードにおいてそれぞれ的確に過給圧制御可能
な手段を用いることが前提になる。そして各モードでは
運転状態、排気エネルギの利用状態等が異なるが、これ
らを加味して要求されるエンジン出力特性を得るように
適正に過給圧制御することが望まれる。
【0003】また各モードでのエンジン出力特性等を加
味して両ターボ過給機の容量が異なるものに設定された
り、または容量が同一でも排気系の管長、管形状が相違
することがあり、これにより各ターボ過給機の排気抵抗
が変化して効率が異なったものになる。この場合に過給
圧制御の手段として例えばウエイストゲート弁を使用す
ると、過給圧制御する際にターボ過給機のノズル面積が
変化して同様に効率に影響する。従って、これらの点を
考慮して、特にツインターボモードでは両ターボ過給機
が共に高い効率で作動するように過給圧制御することが
望まれる。更にこの種のエンジンでは、オクタン価の異
なる燃料を使用することが考えられ、この場合には過給
圧が直接ノックキングに影響する。このため簡単な制御
で的確にノックキング回避するように過給圧制御するこ
とが要求される。
【0004】従来、上記シーケンシャルターボの過給圧
制御に関しては、以下の先行技術がある。例えば特開平
3−260325号公報では、エンジンに常に作動する
主ターボチャージャと、高速域でのみ作動する副ターボ
チャージャとを並列に配置して、主ターボチャージャに
のみウエイストゲート弁を設ける。そして吸気系の過給
圧に応じてアクチュエータによりウエイストゲート弁を
開閉して、1個ターボチャージャ域と2個ターボチャー
ジャ域で、過給圧を同一に制御することが示されてい
る。
【0005】また特開平1−195921号公報では、
第1過給機が小型で、第2過給機が大型のものであり、
両過給機にそれぞれウエイストゲート弁が設けられ、第
1過給機のみ作動する領域と、第1過給機作動で第2過
給気空転の領域では第1過給機のウエイストゲート弁で
過給圧制御し、両過給機が作動する領域では第2過給機
のウエイストゲート弁で過給圧制御する。そしてオクタ
ン価の異なる燃料を使用する場合は、過給圧を一律に増
減変化し、低オクタン燃料の使用では第2過給機を作動
する領域を低速側に拡大するように変更することが示さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術の前者のものにあっては、過給圧一定制御を前提にす
るので、各モードで過給圧を最適に制御することができ
ない。またウエイストゲート弁が一方のターボチャージ
ャにのみ設けられているので、両ターボチャージャの作
動時に両者のノズル面積が相違して、作動効率に差を生
じる等の問題がある。先行技術の後者のものにあって
は、両過給機が作動する領域においては大型の第2過給
機のウエイストゲート弁により過給圧制御するので、特
に小型の第1過給機では排気抵抗が大きくなって効率が
低下する。またオクタン価の異なる燃料を使用する場合
は、過給圧と切換点を変更したマップにより制御するの
で、メモリ容量が増し、制御が煩雑になる等の問題があ
る。
【0007】本発明は、この点に鑑みてなされたもの
で、特にツインターボモードでの両ターボ過給機を共に
高い効率で作動し、オクタン価の異なる燃料を使用する
場合の制御を容易化することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、エンジン本体の吸、排気系にプライマリ
ターボ過給機とセカンダリターボ過給機が並列的に配置
され、セカンダリターボ過給機側に各種制御弁が設けら
れて、シングルターボモードではプライマリターボ過給
機のみを作動し、ツインターボモードではプライマリタ
ーボ過給機とセカンダリターボ過給機を共に作動するよ
うに制御するシーケンシャルターボエンジンにおいて、
プライマリターボ過給機とセカンダリターボ過給機にそ
れぞれウエイストゲート弁を、ブロワ吐出圧をデューテ
ィソレノイド弁で制御してアクチュエータに作用するこ
とで各別に開閉するように設け、ツインターボモードで
は排気抵抗の大きい方のターボ過給機のウエイストゲー
ト弁のみを開閉して、両ターボ過給機の作動による過給
圧を一括して制御するものである。
【0009】
【作用】上記構成に基づき、例えばプライマリターボ過
給機が小容量で、セカンダリターボ過給機が大容量のも
のに設定され、これにより低中速域のシングルターボモ
ードでプライマリターボ過給機のみが作動する場合と、
中高速域のツインターボモードで両ターボ過給機が作動
する場合に、いずれも過給能力の大きい状態で充分高く
過給圧制御される。そしてツインターボモードでは小容
量で排気抵抗の大きいプライマリターボ過給機のウエイ
ストゲート弁のみにより過給圧制御されることで、両タ
ーボ過給機のノズル面積が略同じになって共に高効率で
作動し、これにより高出力の特性を得ることが可能にな
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1において、水平対向式エンジンにシーケンシ
ャルターボ式過給機を装着した場合の全体の構成につい
て説明する。符号1は水平対向式エンジンのエンジン本
体であり、クランクケース2の左右のバンク3,4に、
燃焼室5、吸気ポート6、排気ポート7、点火プラグ
8、動弁機構9等が設けられている。またこのエンジン
短縮形状により左右バンク3,4の直後に、プライマリ
ターボ過給機40とセカンダリターボ過給機50がそれ
ぞれ配設されている。排気系として、左右バンク3,4
からの共通の排気管10が両ターボ過給機40,50の
タービン40a,50aに連通され、タービン40a,
50aからの排気管11が1つの排気管12に合流して
触媒コンバータ13、マフラ14に連通される。
【0011】プライマリターボ過給機40は、低中速域
で過給能力の大きい小容量の低速型であり、これに対し
てセカンダリターボ過給機50は、中高速域で過給能力
の大きい大容量の高速型である。このためプライマリタ
ーボ過給機40の方が容量が小さいことで、排気抵抗が
大きくなる。
【0012】吸気系として、エアクリーナ15から2つ
に分岐した吸気管16,17はそれぞれ両ターボ過給機
40,50のブロワ40b,50bに連通され、このブ
ロワ40b,50bからの吸気管18,19がインター
クーラ20に連通される。そしてインタークーラ20か
らスロットル弁21を有するスロットルボデー27を介
してチャンバ22に連通され、チャンバ22から吸気マ
ニホールド23を介して左右バンク3,4の各気筒に連
通されている。またアイドル制御系として、エアクリー
ナ15の直下流と吸気マニホールド23の間のバイパス
通路24に、アイドル制御弁25、負圧で開く逆止弁2
6が設けられ、アイドル時や減速時に吸入空気量を制御
するようになっている。
【0013】燃料系として、吸気マニホールド23のポ
ート近傍にインジェクタ30が配設され、燃料ポンプ3
1を有する燃料タンク32からの燃料通路33が、フィ
ルタ34、燃圧レギュレータ35を備えてインジェクタ
30に連通される。燃圧レギュレータ35は、吸気圧力
に応じて調整作用するものであり、これにより、インジ
ェクタ30に供給する燃料圧力を吸気圧力に対して常に
一定の高さに保ち、噴射信号のパルス幅により燃料噴射
制御することが可能になっている。点火系として、点火
プラグ8にイグナイタ36からの点火信号が入力するよ
うに接続されている。
【0014】プライマリターボ過給機40の作動系につ
いて説明する。プライマリターボ過給機40は、タービ
ン40aに導入する排気のエネルギによりブロワ40b
を回転駆動し、空気を吸入、加圧して常に過給するよう
に作動する。タービン側にはダイアフラム式アクチュエ
ータ42を備えたウエイストゲート弁41が設けられ
る。アクチュエータ42の圧力室にはブロワ40bの直
下流からの制御圧通路44がオリフィス48を有して連
通し、過給圧が設定値以上に上昇すると応答良くウエイ
ストゲート弁41を開くように連通される。またこの制
御圧通路44は、更に過給圧をブロワ40bの上流側に
リークするデューティソレノイド弁43に連通し、この
デューティソレノイド弁43により所定の制御圧を生じ
てアクチュエータ42に作用し、ウエイストゲート弁4
1の開度を変化して過給圧を制御するようになってい
る。ここで例えばデューティ比が大きい場合は、リーク
量の増大により制御圧を低下し、ウエイストゲート弁4
1の開度を減じて過給圧を上昇する。逆にデューティ比
が小さくなると、高い制御圧で開度を増して過給圧を低
下する。
【0015】一方、スロットル弁急閉時のブロワ回転の
低下や吸気騒音の発生を防止するため、ブロワ40bの
下流としてスロットル弁21の近くのインタークーラ2
0の出口側と、ブロワ40bの上流との間にバイパス通
路46が連通される。そしてこのバイパス通路46にエ
アバイパス弁45が、スロットル弁急閉時に通路47に
よりマニホールド負圧を導入して開き、ブロワ下流に封
じ込められる加圧空気を迅速にリークするように設けら
れる。
【0016】セカンダリターボ過給機50の作動系につ
いて説明する。セカンダリターボ過給機50は同様に排
気によりタービン50aとブロワ50bが回転駆動して
過給するものであり、タービン側にはアクチュエータ5
2を備えたウエイストゲート弁51が各別に設けられ
る。アクチュエータ52の圧力室には、ブロワ50bの
直下流からの通路67が大気にリークするデューティソ
レノイド弁53、制御圧通路54を介して連通され、過
給圧が設定値以上に上昇すると応答良くウエイストゲー
ト弁51を開き、デューティソレノイド弁53により制
御圧を生じて、同様に過給圧制御するようになってい
る。一方タービン50aの上流の排気管10には、ダイ
アフラム式アクチュエータ56を備えた排気制御弁55
が設けられ、ブロワ50bの下流には同様のアクチュエ
ータ57を備えた吸気制御弁58が設けられ、ブロワ5
0bの上、下流の間に過給圧リリーフ弁60を備えたリ
リーフ通路59が連通されている。
【0017】これらの各弁の圧力動作系について説明す
ると、吸気マニホールド23からの通路61がチェック
弁62を有してサージタンク63に連通されて、スロッ
トル弁全閉時に負圧を貯え且つ脈動圧を緩衝するように
なっている。過給圧リリーフ弁60の一方のスプリング
室には、サージタンク63からの負圧通路64と吸気制
御弁58の下流の正圧通路65が、切換用ソレノイド弁
70と通路66を介して連通される。そして電気信号に
より負圧を作用して過給圧リリーフ弁60を開き、正圧
を作用して過給圧リリーフ弁60を閉じる。吸気制御弁
58のアクチュエータ57は、一方のスプリング室に負
圧と大気圧に切換える切換用ソレノイド弁71が通路6
8を介して連通される。そして電気信号により負圧を作
用して吸気制御弁58を閉じ、大気開放でのスプリング
力で吸気制御弁58を開くように構成される。
【0018】排気制御弁55は下流開きの方式に構成さ
れ、アクチュエータ56の一方の室にスプリング56a
が排気制御弁55を閉じる方向に付勢されている。ここ
でスプリング56aのスプリング力が、中速域の予備回
転モードの排気圧による力と等しく設定される。またア
クチュエータ56のスプリング56aを有する一方の室
には、大気圧と負圧を切換える第2の切換用ソレノイド
弁74が通路69を介して連通され、他方の室には正圧
と大気圧を切換える第1の切換用ソレノイド弁73が通
路75を介して連通される。そしてシングルターボモー
ドでは電気信号による第1と第2の切換用ソレノイド弁
73,74の動作で、両方の室を大気開放してスプリン
グ力により排気制御弁55を全閉し、且つこのモードで
プライマリ側のウエイストゲート弁41が故障して排気
圧が上昇する場合には、自動的に開弁してフェイルセー
フする機能を有する。また予備回転モードでは排気圧と
スプリング力とのバランスにより排気制御弁55を微小
開度だけ開いて、セカンダリターボ過給機50を予備回
転する。更にツインターボモードでは、一方の室に負圧
を他方の室に正圧を作用して排気制御弁55を全開し、
且つその全開状態に保つように構成される。
【0019】各種のセンサについて説明すると、差圧セ
ンサ80が吸気制御弁58の上、下流の差圧を検出する
ように設けられ、絶対圧センサ81が切換用ソレノイド
弁76により吸気管圧力と大気圧を選択して検出するよ
うに設けられる。また、エンジン本体1にクランク角セ
ンサ82、ノックセンサ83、水温センサ84が設けら
れ、動弁機構9のカムシャフトに連設した図示しないカ
ムロータに対向してカム角センサ85が設けられ、排気
管10にO2 センサ86が設けられ、スロットル弁21
にスロットル開度センサ87が設けられ、エアクリーナ
15の直下流に吸入空気量センサ88が設けられてい
る。
【0020】図2において、電子制御系の全体の構成に
ついて説明する。先ず、マイクロコンピュータ等からな
る制御ユニット100は、I/O101、CPU10
2、RAM103、バックアップRAM104、ROM
105、定電圧回路106を備えている。またイグニッ
ションスイッチ90をONすると、リレー91をONし
バッテリ92から定電圧回路106に電力を供給して、
制御ユニット100の各種制御を実行し、駆動回路10
7によりリレー93をONし燃料ポンプ31を通電して
駆動する。CPU102はROM105に格納されてい
る演算プログラムに基づいて、I/O101から各種セ
ンサ80〜88、車速センサ89の信号を入力し、RA
M103,バックアップRAM104に記憶されている
データ及びRAM103に記憶されているマップ等の固
定データに基づき演算処理する。そして駆動回路107
から各種切換用ソレノイド弁70,71,73,74,
76に切換信号を、デューティソレノイド弁43,53
にデューティ信号を出力してシーケンシャルターボ制御
し、インジェクタ30に噴射信号を出力して燃料噴射制
御する。またイグナイタ36に点火信号を出力して点火
時期制御し、アイドル制御弁25に制御信号を出力して
アイドル回転数制御する。
【0021】次に図3ないし図6のフローチャートを用
いて、制御ユニット100によるシーケンシャルターボ
制御について説明する。図3のメインルーチンは所定時
間毎に実行される。先ずステップS1でツインターボモ
ードで1にセットされるツインターボモード判別フラグ
F1の値を参照し、F1=0でセカンダリターボ過給機
50が不作動の場合は、ステップS2に進みターボモー
ド判定マップを参照して現在のエンジン運転領域がツイ
ンターボモード領域であるかチェックする。
【0022】このターボモード判定マップは、図7に示
すように基本噴射量(基本燃料噴射パルス幅)Tpとエ
ンジン回転数Nの関係により、シーケンシャルターボモ
ードからツインターボモードへ切換えるツイン側切換ラ
インL1とツインターボモードからシーケンシャルター
ボモードへ切換えるシングル側切換ラインL2を定め
て、シングルターボ領域Asとツインターボ領域Atが
設定される。ツイン側切換ラインL1は排気制御弁55
が微小開度開く直前の運転状態に定める必要があり、こ
のため中速域において高負荷側のエンジン回転数Nの低
い状態から低負荷側のエンジン回転数Nの高い状態に階
段状に定められる。そしてこのツイン側切換ラインL1
より低速側がシングルターボ領域Asに、高速側がツイ
ンターボ領域Atに設定される。またシングル側切換ラ
インL2は任意に定めることが可能であるが、変速機で
の変速時等においてエンジン負荷の変動により誤ってモ
ード切換することを防止するため、エンジン回転数Nの
みにより定めることが望ましい。このため上記ツイン側
切換ラインL1より低速側にヒステリシスを設けた状態
で、所定の切換回転数Naに定められる。そしてこのシ
ングル側切換ラインL2より低速側がシングルターボ領
域Asに、高速側がツインターボ領域Atに設定され
る。
【0023】そこでF1=0のシングルターボモード下
でステップS2へ進むと、基本噴射量Tpとエンジン回
転数Nによる運転状態が、ターボモード判定マップのツ
イン側切換ラインL1より低速側の場合はシングルター
ボモードを判断し、ステップS3以降のシングルターボ
制御ルーチンを実行する。
【0024】そこで先ずステップS3で切換用ソレノイ
ド弁70への出力信号G1を0にして、過給圧リリーフ
弁60のスプリング室に負圧を作用して過給圧リリーフ
弁60を開き、ブロワ50bの下流の過給圧をリークす
る。またステップS4で切換用ソレノイド弁71への出
力信号G2を0にし、アクチュエータ57に負圧を作用
して吸気制御弁58を閉じ、プライマリターボ過給機4
0による過給圧の洩れを防止する。
【0025】その後ステップS5で第1の切換用ソレノ
イド弁73への出力信号G3を0にし、アクチュエータ
56の他方の室を大気開放し、ステップS6で第2の切
換用ソレノイド弁74への出力信号G4を0にし、アク
チュエータ56の一方の室も大気開放する。そしてアク
チュエータ56のスプリング56aにより低中速域の低
い排気圧に抗して排気制御弁55を閉じ、排気がセカン
ダリターボ過給機50に導入することを遮断するのであ
り、こうしてプライマリターボ過給機40が単独作動状
態に確保される。
【0026】その後、ステップS7でエンジン回転数N
とスロットル開度Thとに基づき、予め実験等により得
られた高オクタン価燃料(プレミアムガソリン)使用で
のシングルターボモード時の最適値がストアされている
ROM105に格納されたシングルターボモード目標過
給圧マップを補間計算付きで参照して、シングルターボ
モードの目標過給圧Ptを設定する。ここで例えばエン
ジン回転数Nに対する目標過給圧Ptが図8(a)のよ
うに定められ、シングルターボモードではエンジン回転
数Nの上昇に応じて目標過給圧Ptが滑らかに上昇して
一定の高さになる。また予備回転モードでは目標過給圧
Ptが少し高目に設定され、ツインターボモードでは後
述するツインターボモード目標過給圧マップにより目標
過給圧Ptが更に高い一定値に設定されている。またこ
れらの目標過給圧マップは、高オクタン価燃料の使用に
対応して設定されているが、低オクタン価燃料(レギュ
ラーガソリン)の使用の場合にも用いて実過給圧を目標
値より一律に低下した状態で制御するようになってい
る。
【0027】そこでシングルターボモード目標過給圧マ
ップにより、シングルターボモードでの目標過給圧Pt
が各運転状態に応じて設定される。そしてステップS8
でツインターボモード判別フラグF1をクリアし、ステ
ップS9で差圧検索フラグF3をクリアし、その後ステ
ップS10でツインターボモードに移行する経過時間の
カウント値C1をクリアする。そして図4の使用燃料判
別及び過給圧制御ルーチンを実行する。
【0028】そこで先ずステップS11で点火時期制御
の全体補正係数Kを設定値Ksと比較して、使用燃料を
判断する。全体補正係数Kは、本件出願人による特開平
1−294966号公報に示されており、点火時期制御
においてノックの発生の有無に応じてエンジンの要求す
る点火時期を学習し、全体補正係数Kが低オクタン価燃
料のマップと高オクタン価燃料のマップのいずれの位置
にあるかを判断するものである。従って、全体補正係数
Kが設定値Ksより小さい場合は低オクタン価燃料を、
大きい場合は高オクタン価燃料を判断することができ
る。
【0029】このためK>Ksであり高オクタン価燃料
を使用している場合は、ステップS12に進んで目標過
給圧Ptと実過給圧Pbの偏差pを算出する。その後ス
テップS13でその偏差の絶対値|p|を設定値psと
比較して小さい場合は、実過給圧Pbが目標過給圧Pt
の許容範囲に収束していると判断してステップS14で
積分分制御量Diを零にし、ステップS15で比例分制
御量Dpも0にする。そしてステップS16でデューテ
ィ比Dを、前回の値Doに積分分及び比例分の制御量D
p,Diを加算して求めるのであり、この場合は前回の
値Doと同一になる。その後ステップS17で上記デュ
ーティ比Dをプライマリ側デューティソレノイド弁43
のデューティ比Dprとして出力し、ステップS18で
セカンダリ側デューティソレノイド弁53のデューティ
比DseをFFH(100%)にしてウエイストゲート
弁51を全閉し、ステップS19でこのデューティ比D
を前回の値Doとしてストアする。
【0030】このモードにおいて、目標過給圧Ptと実
過給圧Pbの偏差の絶対値|p|が設定値psより大き
くなると、ステップS13から図5のステップS20に
進んで実過給圧Pbの目標過給圧Ptに対する大小関係
をチェックする。そこで図10の時点t1のように、実
過給圧Pbが低下した条件では、ステップS21でデュ
ーティ比Dのダウン補正時に1にセットされるPI制御
判別フラグF2の値を参照し、F2=1でありデューテ
ィ比Dのアップが初回の場合は、ステップS22で積分
分制御量Diを0にする。そしてステップS23でツイ
ンターボモード判別フラグF1の値を参照してステップ
S24に進み、偏差pに応じた比例分アップ量Pup1
を設定する。
【0031】ここでシングルターボモードでは、比例分
制御量Dpが図9(a)の比例分補正量マップの実線の
ように、積分分制御量Diが(b)の積分分補正量マッ
プの実線のように制御量の小さいステップ状に設定され
ている。また、ツインターボモードでは、プライマリ側
ウエイストゲート弁41のみで両ターボ過給機40,5
0の過給圧を制御するため、偏差pに対する比例分制御
量Dpと積分分制御量Diが、同図の破線のように大き
く設定されている。
【0032】このためS24では上記マップにより偏差
pに応じた比例分アップ量Pup1をツインターボモー
ドに比して小さ目に設定し、ステップS25でこれを比
例分制御量Dpに定め、ステップS26でPI制御判別
フラグF2をクリアしてステップS16以降に進む。従
って、プライマリ側デューティソレノイド弁43のデュ
ーティ比Dprが比例分制御量Dpだけ増大し、ウエイ
ストゲート弁41の開度が減じて実過給圧Pbが図10
のように比較的大きく上昇される。
【0033】また2回目以降は、ステップS21のフラ
グF2によりステップS27に進みフラグF1の値を参
照して、ステップS28で図9(b)のマップにより偏
差pに応じた積分分アップ量Iup1を検索して、ステ
ップS29でこれを積分分制御量Diに定め、且つステ
ップS30で比例分制御量Dpを0にする。そこで図1
0の時点t2のような2回目以降の場合は、積分分制御
量Diにより実過給圧Pbが徐々に上昇され、これらの
補正により実過給圧Pbが目標過給圧Ptに追従する。
そして時点t3で偏差pが設定値psより小さくなって
収束すると、ステップS13からステップS14以降に
進んで制御を中断する。
【0034】一方、図10の時点t5のように実過給圧
Pbの高い側で偏差pが設定値psより大きくなると、
ステップS20からステップS31に進み、この場合は
上述の制御でフラグF2が0になっていることで、この
フラグF2により初回の場合はステップS32以降に進
む。そこでステップS32で積分分制御量Diを0にし
て、ステップS33でフラグF1の値を参照してステッ
プS34に進み、同様のマップにより偏差pに応じた比
例分ダウン量Pdo1を検索し、ステップS35でこれ
を比例分制御量Dpに定め、ステップS36でPI制御
判別フラグF2を1にしてステップS16以降に進む。
従って、プライマリ側デューティソレノイド弁43のデ
ューティ比Dprが比例分制御量Dpだけ減少し、ウエ
イストゲート弁41の開度が増して実過給圧Pbが図1
0のように比較的大きく低下される。
【0035】また2回目以降は、ステップS31のフラ
グF2によりステップS37に進みフラグF1の値を参
照して、ステップS38で同様のマップにより偏差pに
応じた積分分ダウン量Ido1を検索し、ステップS3
9でこれを積分分制御量Diに定め、且つステップS4
0で比例分制御量Dpを0にする。そこで図10の時点
t6のような2回目以降の場合は、積分分制御量Diに
より実過給圧Pbが徐々に低下して、同様に実過給圧P
bが目標過給圧Ptに追従する。
【0036】こうして高オクタン価燃料を使用してエン
ジン運転する場合のシングルターボモードでは、小容量
のプライマリターボ過給機40のみが、低中速域で効率
良く作動して過給能力の大きい状態になる。そしてPI
制御の制御量Dp,Diによるプライマリ側ウエイスト
ゲート弁41の開度変化で、実過給圧Pbが目標過給圧
Ptに追従するようにフィードバック制御される。そこ
で実過給圧Pbは図8(b)のように、滑らかに上昇し
て比較的高い一定値に過給圧制御される。このため低中
速域のシングルターボモードでも、高出力の特性が得ら
れる。
【0037】次いで中速域の運転条件において、図3の
ステップS2で図7のターボモード判定マップのツイン
側切換ラインL1に達すると、予備回転モードを判断し
て図6の予備回転制御ルーチンを実行する。そこで先ず
ステップS47で差圧検索フラグF3を参照する。そし
てF3=0のシングルターボモードから予備回転モード
に移行した直後の初回ルーチン実行時には、ステップS
48で吸気制御弁58を開く差圧設定値−Aを、差圧セ
ンサ80による差圧ΔPと車速センサ89による車速V
とに基づき開時期決定マップを参照して定める。
【0038】ここで差圧センサ80による吸気制御弁5
8の上,下流の差圧ΔPは、例えば吸気制御弁の上流圧
Puから下流圧Pdを減算して、ΔP=Pu−Pd、に
より算出され、予備回転モードの初期差圧ΔPmも同様
に算出される。そして予備回転モードでの各制御弁の機
械的遅れ、ターボ過給機のターボラグ等の作動遅れを補
償するため、初期差圧ΔPmに対して差圧設定値−A
が、図11(a)のように負の関係で減少関数的に設定
される。そして吸気制御弁上流圧Puに対して下流圧P
dが高い過給状態であるほど、差圧設定値−Aをマイナ
ス側にして吸気制御弁58の開時期を早めるようになっ
ている。また車速Vに対しても差圧設定値−Aが、同図
(b)のように減少関数的に設定され、高速ほど同様に
吸気制御弁58の開時期を早める。そこでこれらのマッ
プを参照することにより、予備回転モード直後の初期差
圧ΔPmと車速Vに対応した差圧設定値−Aが設定され
る。そしてステップS49でこの差圧検索フラグF3を
1にセットする。
【0039】その後ステップS50で、図12の予備回
転制御開始時点tsからツインターボモードに移行する
経過時間のカウント値C1を第1のディレー時間T1と
比較し、C1<T1の場合はステップS51に進んでカ
ウント値C1をインクリメントする。そしてステップS
52でプライマリ側デューティソレノイド弁43のデュ
ーティ比DprをFFHに定めてウエイストゲート弁4
1を全閉し、プライマリターボ過給機40による実過給
圧Pbが出力ダウンを生じないように少し高めに制御さ
れる。またステップS53でセカンダリ側デューティソ
レノイド弁53もデューティ比DseをFFHに定めて
ウエイストゲート弁51を全閉し、効率良く予備回転す
ることが可能に準備される。
【0040】カウント値C1が第1のディレー時間T1
に達すると、ステップS50からステップS54に進
み、切換用ソレノイド弁70に対する出力状態をチェッ
クし、開信号(G1=0)の場合はステップS55で切
換用ソレノイド弁70への出力信号G1を1にし、過給
圧リリーフ弁60のスプリング室に正圧を作用して過給
圧リリーフ弁60を図12のように閉じる。そこでこれ
以降はステップS54からステップS56に進み、カウ
ント値C1を第2のディレー時間T2と比較して、その
時間T2に達しない場合は上述と同様にカウント値C1
をインクリメントする。
【0041】一方、このとき排気制御弁55はアクチュ
エータ56のスプリング56aで閉じた状態にあり、こ
のスプリング力に排気圧が対向して作用している。そこ
でこの予備回転モードの運転条件で排気圧がスプリング
力に打勝つと、排気制御弁55が図12のように微小開
度θだけ開き、排気の一部がセカンダリターボ過給機5
0のタービン50aに導入して滑らかに予備回転が開始
される。
【0042】そして第2のディレー時間T2に達する
と、ステップS57で第1の切換用ソレノイド弁73に
対する出力状態をチェックし、大気開放信号(G3=
0)の場合はステップS58で第1の切換用ソレノイド
弁73のへ出力信号G3を1にして、アクチュエータ5
6の一方の室に正圧を作用する。またステップS59で
第2の切換用ソレノイド弁74に対する出力状態をチェ
ックし、大気開放信号(G4=0)ではステップS60
で第2の切換用ソレノイド弁74への出力信号G4を1
にして、アクチュエータ56の他方の室に負圧を作用す
るのであり、こうして図12のように排気制御弁55を
全開する。これによりセカンダリターボ過給機50のタ
ービン50aに導入する排気の量が増大して、セカンダ
リ過給圧が更に上昇するようになる。
【0043】その後ステップS61でカウント値C1を
第3のディレー時間T3と比較し、その時間T3に達す
ると、ステップS62で差圧センサ80の差圧ΔPを差
圧設定値−Aと比較する。そして吸気制御弁上流圧Pu
が上昇して差圧ΔPが、ΔP≧−Aになると、ステップ
S63で切換用ソレノイド弁71に対する出力状態をチ
ェックし、閉信号(G2=0)の場合はステップS64
で切換用ソレノイド弁71への出力信号G2を1にし、
アクチュエータ57を大気開放してスプリング力により
図12のように吸気制御弁58を開く。この場合に差圧
設定値−Aが初期差圧ΔPmや車速Vに応じて設定され
ることで、種々の作動遅れや走行状態に対し吸気制御弁
58の開時期が常にマッチングするように補償される。
【0044】そして吸気制御弁58が開くと、ステップ
S63からステップS65に進んでツインターボモード
判別フラグF1を1にセットする。このため吸気制御弁
58の開時期tgで、セカンダリターボ過給機50が予
備回転を終了して実質的に作動して、自動的にツインタ
ーボモードに移行する。また、この予備回転モードで
は、排気がセカンダリターボ過給機50にも供給されて
過給圧の自然低下を生じるが、両ウエイストゲート弁4
1,51が全閉した状態で行われることで、実過給圧P
bは図8(b)のように落込みが少なく制御され、ター
ボモード切換時のトルク変動等が低減される。
【0045】こうしてツインターボモードに移行する
と、ツインターボ制御ルーチンを実行する。即ち、図3
のステップS1からステップS69に進みエンジン回転
数Nをシングル側切換ラインL2の切換回転数Naに対
してチェックする。そしてN≧Naの場合にはツインタ
ーボモードを判断する。その後ステップ70でシングル
ターボモードに移行する経過時間のカウント値C2をク
リアし、ステップS71〜74で各弁の切換用ソレノイ
ド弁に対する出力信号G1〜G4を上述の状態に保持す
る。またステップS75でエンジン回転数Nとスロット
ル開度Thとに基づき、ツインターボモード目標過給圧
マップを補間計算付きで参照して、このツインターボモ
ードの目標過給圧Ptを、図8(a)に示すように高か
目に設定する。なお、ツインターボモード目標過給圧マ
ップには、上述のシングルターボモード目標過給圧マッ
プと同様に、高オクタン価燃料使用での最適値がストア
されている。その後ステップS76に進んでツインター
ボモード判別フラグF1をセットし、ステップS10で
カウント値C1をクリアする。
【0046】そしてこのツインターボモードの場合も、
上述のシングルターボモードと同様に図4のステップS
11に進んで使用燃料を判断し、高オクタン価の燃料で
あるからステップS12,S13で実過給圧Pbの目標
過給圧Ptに対する追従状態を判断する。そしてモード
の初期において、例えば実過給圧Pbが図10の時点t
5のように目標過給圧Ptより高い側にずれている場合
は、初回に図5のステップS20からステップS31,
S32,S33を介しステップS77に進む。そして図
9(a)のマップの破線を用いて偏差pに応じた比例分
ダウン量Pdo2を大き目に設定し、ステップS78で
これを比例分制御量Dpとする。その後ステップS3
6,S16,S17,S18,S19に進んでデューテ
ィ比Dを算出し、セカンダリ側ウエイストゲート弁51
を全閉した状態で、デューティ比Dをプライマリ側デュ
ーティソレノイド弁43のデューティ比Dprとして出
力する。また2回目以降では、ステップS31からステ
ップS37を介してステップS79に進み、図9(b)
のマップの破線を用いて積分分ダウン量Ido2を大き
目に設定し、ステップS80でこれを積分分制御量Di
とする。そして上述と同様にデューティ比Dを算出し
て、このデューティ比Dをプライマリ側デューティソレ
ノイド弁43のデューティ比Dprとして出力する。
【0047】そこでプライマリ側ウエイストゲート弁4
1のみが、シングルターボモードの場合に比べて大きく
開度を増すように変化する。そしてこのウエイストゲー
ト弁41により両ターボ過給機40,50の作動による
実過給圧Pbが低下して、目標過給圧Ptに追従する。
【0048】また図10の時点t1のように実過給圧P
bが目標過給圧Ptより低い側にずれる場合は、初回に
ステップS20からS21,S22,S23を介してス
テップS81,S82に進み、同様にして偏差pに応じ
た比例分アップ量Pup2で比例分制御量Dpを定め
る。2回目以降では、ステップS21からS27を介し
てステップS83,S84に進み、同様にして偏差pに
応じた積分分アップ量Iup2で積分分制御量Diを定
める。そして同様にセカンダリ側ウエイストゲート弁5
1を全閉した状態で、デューティ比Dをプライマリ側デ
ューティソレノイド弁43のデューティ比Dprとして
出力することで、プライマリ側ウエイストゲート弁41
のみが開度を減じるように変化して、これにより両ター
ボ過給機40,50の作動による実過給圧Pbが上昇し
て、目標過給圧Ptに追従する。
【0049】こうして高オクタン価燃料を使用してエン
ジン運転する場合のツインターボモードでは、小容量の
プライマリターボ過給機40に加えて大容量のセカンダ
リターボ過給機50も作動することで、過給能力が大幅
に増大する。そしてプライマリ側ウエイストゲート弁4
1のみで一括して過給圧制御され、この場合も実過給圧
Pbが目標過給圧Ptに追従するようにフィードバック
制御されることで、実過給圧Pbは図8(b)のよう
に、シングルターボモードより更に高い一定値に過給圧
制御される。また両ターボ過給機40,50において小
容量のプライマリターボ過給機40は排気抵抗が大き
く、大容量のセカンダリターボ過給機50は排気抵抗が
小さくなって両者の排気抵抗が相違するが、排気抵抗の
大きいプライマリターボ過給機側のウエイストゲート弁
41により排気を逃がして過給圧制御されるので、両タ
ーボ過給機40,50のノズル面積が略同一になる。
【0050】このためプライマリターボ過給機40の効
率は図13(a)のようになり、セカンダリターボ過給
機50の効率は同図(b)のようになる。この線図は、
両ターボ過給機の空気流量と、ブロワの入口、出口の圧
力比との関係により作動効率ηcを示したものであり、
一点鎖線はプライマリ側ウエイストゲート弁のみで制御
したもの、破線はセカンダリ側ウエイストゲート弁のみ
で制御したもの、実線はプライマリとセカンダリの両ウ
エイストゲート弁で制御したものを示す。この線図から
両ターボ過給機40,50がいずれも、効率ηcが0.
70以上の領域で圧力比一定制御されており、これによ
り両ターボ過給機40,50が高い効率で作動すること
がわかる。こうして両ターボ過給機40,50の作動効
率ηcが共に高いことで、圧縮空気の温度やエンジン排
圧が低下することになり、更にこのモードの過給圧が充
分に高く制御されるで、高出力のエンジン出力特性が得
られる。
【0051】一方、上記ツインターボモードでは、図3
のステップS69でエンジン回転数Nが常にチェックさ
れる。そしてエンジン回転数Nがシングル側切換ライン
L2の切換回転数Naより低下すると、ステップS90
に進んでシングルターボモードに移行する経過時間C2
と第4のディレー時間T4を比較する。そしてこのディ
レー時間T4に達しない場合は、ステップS91でカウ
ント値C2をインクリメントし、更にステップS71以
降に進んでツインターボモードの状態に保持する。この
ため変速機での変速時等において一時的にエンジン回転
数Nが低下する際に、誤ってモード切換えされることが
防止される。そしてディレー時間T4に達するとステッ
プS92に進んでカウント値C2をクリアし、更にステ
ップS3以降に進む。そこで各切換用ソレノイド弁に対
する出力信号G1〜G4が反転され、過給圧リリーフ弁
60を開くと共に吸気制御弁58と排気制御弁55を閉
じてシングルターボモードに戻る。
【0052】続いて、低オクタン価燃料を使用する場合
の制御について説明する。この制御では、シングルター
ボモードとツインターボモードにおいて、図4のステッ
プS11で全体補正係数Kが設定値Ksより小さいこと
で低オクタン価燃料が判断される。そこでステップS9
3に進んでステップS7あるいはステップS75で設定
された目標過給圧Ptに応じたデューティ比Dを、マッ
プ参照により定める。その後ステップS94でこのデュ
ーティ比Dをプライマリ側デューティソレノイド弁43
のデューティ比Dprとして出力する。またステップS
95でセカンダリ側デューティソレノイド弁53のデュ
ーティ比Dseを、所定開度の設定値aにしてウエイス
トゲート弁51を所定量だけ開いた状態に固定する。
【0053】そこで低オクタン価燃料を使用してエンジ
ン運転する場合は、シングルターボモードとツインター
ボモードのいずれにおいても、セカンダリ側ウエイスト
ゲート弁51が所定量開いて排気がリークされ、過給能
力が全体的にダウンされる。またこの場合もプライマリ
側ウエイストゲート弁41のみにより過給圧制御される
が、目標過給圧に応じた制御量でオープンループ制御さ
れる。このため実過給圧は図8(b)の一点鎖線のよう
に、シングルターボモードとツインターボモードにおい
て目標過給圧より一律に低下するように制御され、こう
してノッキングが確実に回避される。
【0054】尚、プライマリとセカンダリのターボ容量
が同一の場合でも、排気管長、管形状の相違等によりプ
ライマリとセカンダリの排気抵抗が異なることがある。
この場合も、排気抵抗の大きい側のターボ過給機のウエ
イストゲート弁のみで過給圧制御することにより、同様
に両ターボ過給機を高い効率で作動することが可能にな
る。
【0055】本発明の他の実施例として、プライマリと
セカンダリのターボ容量等が同一で排気抵抗が等しい場
合の制御について説明する。ここでオクタン価の相違に
よる過給圧制御を考慮しないと、図4のフローチャート
の部分が図14のフローチャートのようになる。そこで
上述の制御と異なる部分のみについて説明すると、ステ
ップS12、S13で実過給圧Pbの目標過給圧Ptに
対する追従状態を判断して、図5のフローチャートに進
む。ここでこの実施例の制御では、ツインターボモード
において両ウエイストゲート弁41,51により過給圧
制御することから、比例分制御量Dpが図15(a)の
ように、積分分制御量Diが同図(b)のように設定さ
れ、シングルターボモードの制御量に対してツインター
ボモードの制御量の方が小さく設定されている。
【0056】これによりシングルターボモードでは、こ
の図15の実線により偏差の絶対値|p|に応じた比例
分制御量Dpと積分分制御量Diを定め、ステップS1
6でデューティ比Dを算出する。その後ステップS10
0でツインターボモード判別フラグF1を参照し、シン
グルターボモードの場合はステップS17以降に進ん
で、プライマリ側ウエイストゲート弁41のみにより過
給圧制御する。
【0057】またツインターボモードでは、図15の破
線により偏差の絶対値|p|に応じた比例分制御量Dp
と積分分制御量Diを定めてデューティ比Dを算出す
る。その後ステップS100によりステップS101,
S102に進み、プライマリとセカンダリのデューティ
ソレノイド弁43,53のデューティ比Dpr,Dse
を等しく上記デューティ比Dにセットして出力する。こ
れによりこのターボモードではプライマリとセカンダリ
の両ウエイストゲート弁41,51の開度が等しく変化
し、両ターボ過給機40,50が等分に作動して過給圧
制御される。
【0058】こうしてプライマリターボ過給機40とセ
カンダリターボ過給機50の排気抵抗が等しい場合は、
両者のウエイストゲート弁41,51により等しく排気
を逃がして過給圧制御されるため、両ターボ過給機4
0,50のノズル面積が同一に保持されて、この場合も
両ターボ過給機40,50が高効率で作動するようにな
る。
【0059】以上、本発明の実施例について説明した
が、水平対向式エンジン以外にも同様に適用することが
できることは勿論である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シーケンシャルターボエンジンの過給圧制御において、
ツインターボモードでは排気抵抗が大きい方のターボ過
給機のウエイストゲート弁により過給圧制御するので、
両ターボ過給機のノズル面積が略同じになって、両ター
ボ過給機が高効率で作動し、高出力の出力特性を得られ
る。プライマリターボ過給機が小容量で排気抵抗が大き
く、セカンダリターボ過給機が大容量で排気抵抗が小さ
くなっているので、シングルターボモードとツインター
ボモードの過給能力が共に大きくなって、過給圧を充分
に高く制御することができる。
【0061】高オクタン価燃料の使用の場合には、過給
圧が過給圧マップにより充分高くフィードバック制御さ
れるので、高オクタン価の性能を充分に発揮して高出力
を得ることができる。低オクタン価燃料の使用の場合に
は、高オクタン価燃料対応の過給圧マップを用いて、過
給圧が一律に低下制御されるので、ノッキングを確実に
回避することができ、マップが少なくなってメモリ容量
が低減する。また目標過給圧に基づきオープンループ制
御されるので、制御も容易になる。
【0062】両ターボ過給機の排気抵抗が等しい場合
は、ツインターボモードにおいて両ターボ過給機のウエ
イストゲート弁を等しく開閉するように制御するので、
この場合も両ターボ過給機を高効率で作動することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシーケンシャルターボエンジンの
排気制御方法の実施に適した装置を示す全体の構成図で
ある。
【図2】制御系の全体の回路図である。
【図3】シーケンシャルターボ制御のメインルーチンを
示すフローチャートである。
【図4】使用燃料判別及び過給圧制御ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図5】過給圧制御ルーチンの低下、上昇補正を示すフ
ローチャートである。
【図6】予備回転制御ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図7】ターボモード判定マップの概念図である。
【図8】目標過給圧と実過給圧との関係を示す図であ
る。
【図9】シングルターボモードとツインターボモードの
比例分制御量と積分分制御量を示す図である。
【図10】過給圧のフィードバック制御状態を示すタイ
ムチャートである。
【図11】予備回転モードにおいて吸気制御弁を開く差
圧設定値を示す図である。
【図12】予備回転モードでの各制御弁の開閉状態を示
すタイムチャートである。
【図13】プライマリターボ過給機とセカンダリターボ
過給機の作動効率を示す図である。
【図14】本発明の他の実施例の過給圧制御ルーチンの
要部を示すフローチャートである。
【図15】同実施例のシングルターボモードとツインタ
ーボモードの比例分制御量と積分分制御量を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン本体 10,11,12 排気管 16,17,18,19 吸気管 40 プライマリターボ過給機 41,51 ウエイストゲート弁 42,52 アクチュエータ 43,53 デューティソレノイド弁 50 セカンダリターボ過給機 100 制御ユニット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン本体の吸,排気系にプライマリ
    ターボ過給機とセカンダリターボ過給機が並列的に配置
    され、セカンダリターボ過給機側に各種制御弁が設けら
    れて、シングルターボモードではプライマリターボ過給
    機のみを作動し、ツインターボモードではプライマリタ
    ーボ過給機とセカンダリターボ過給機を共に作動するよ
    うに制御するシーケンシャルターボエンジンにおいて、
    プライマリターボ過給機とセカンダリターボ過給機にそ
    れぞれウエイストゲート弁を、ブロワ吐出圧をデューテ
    ィソレノイド弁で制御してアクチュエータに作用するこ
    とで各別に開閉するように設け、ツインターボモードで
    は排気抵抗の大きい方のターボ過給機のウエイストゲー
    ト弁のみを開閉して、両ターボ過給機の作動による過給
    圧を一括して制御することを特徴とするシーケンシャル
    ターボエンジンの過給圧制御方法。
  2. 【請求項2】 排気抵抗の大きいターボ過給機は、小容
    量のものであることを特徴とする請求項1記載のシーケ
    ンシャルターボエンジンの過給圧制御方法。
  3. 【請求項3】 排気抵抗の大きいターボ過給機は、プラ
    イマリ側であることを特徴とする請求項1記載のシーケ
    ンシャルターボエンジンの過給圧制御方法。
  4. 【請求項4】 プライマリターボ過給機は小容量で、セ
    カンダリターボ過給機は大容量であり、高オクタン価燃
    料使用の場合は、常にセカンダリ側ウエイストゲート弁
    を全閉し、プライマリ側ウエイストゲート弁のみを開閉
    して、高オクタン価燃料対応の目標過給圧に実過給圧が
    追従するように過給圧をフィードバック制御することを
    特徴とする請求項1記載のシーケンシャルターボエンジ
    ンの過給圧制御方法。
  5. 【請求項5】 プライマリターボ過給機は小容量で、セ
    カンダリターボ過給機は大容量であり、低オクタン価燃
    料使用の場合は、常にセカンダリ側ウエイストゲート弁
    を所定開度開き、プライマリ側ウエイストゲート弁のみ
    を開閉して、高オクタン価燃料対応の目標過給圧に基づ
    いて過給圧をオープンループ制御することを特徴とする
    請求項1記載のシーケンシャルターボエンジンの過給圧
    制御方法。
  6. 【請求項6】 エンジン本体の吸,排気系にプライマリ
    ターボ過給機とセカンダリターボ過給機が並列的に配置
    され、セカンダリターボ過給機側に各種制御弁が設けら
    れて、シングルターボモードではプライマリターボ過給
    機のみを作動し、ツインターボモードではプライマリタ
    ーボ過給機とセカンダリターボ過給機を共に作動するよ
    うに制御するシーケンシャルターボエンジンにおいて、
    プライマリターボ過給機とセカンダリターボ過給機にそ
    れぞれウエイストゲート弁を、ブロワ吐出圧をデューテ
    ィソレノイド弁で制御してアクチュエータに作用するこ
    とで各別に開閉するように設け、プライマリ側とセカン
    ダリ側の排気抵抗が等しい場合は、ツインターボモード
    で両ターボ過給機のウエイストゲート弁を等しく開閉制
    御して過給圧制御することを特徴とするシーケンシャル
    ターボエンジンの過給圧制御方法。
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