JPH05156955A - 過給機付エンジンの制御装置 - Google Patents

過給機付エンジンの制御装置

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JPH05156955A
JPH05156955A JP3348204A JP34820491A JPH05156955A JP H05156955 A JPH05156955 A JP H05156955A JP 3348204 A JP3348204 A JP 3348204A JP 34820491 A JP34820491 A JP 34820491A JP H05156955 A JPH05156955 A JP H05156955A
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JP
Japan
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primary
control valve
exhaust
pressure
valve
Prior art date
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Application number
JP3348204A
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English (en)
Inventor
Satoshi Sugimura
聡 杉村
Minoru Nameki
稔 行木
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シーケンシャルターボ式の過給機制御系にお
いて、予備回転手段の構成、制御を簡素化すると共に排
気の利用効率を向上し、個々の過給機の作動を独立して
過給圧等の特性を常に最適化する。 【構成】 所定のエンジン回転数等によりプライマリ・
セカンダリターボモードになったとき、セカンダリター
ボ過給機50で排気制御弁55をそのアクチュエータ5
6のスプリング56aと排気圧の関係で所定量だけ開
き、排気を導入して予備回転し、吸気制御弁58の上、
下流の差圧が略零になった時点で排気制御弁55と吸気
制御弁58を開き、セカンダリターボ過給機50も作動
して実質的にプライマリ・セカンダリターボモードに移
行し、高い過給圧に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用エンジンとし
て、複数のターボ過給機をシーケンシャルターボ式に作
動する過給機付エンジンの制御装置に関し、詳しくは、
セカンダリターボ過給機の予備回転制御に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両用の過給機付エンジンとし
て、多気筒の排気系にプライマリとセカンダリのターボ
過給機を並列的に装備し、このターボ過給機をシーケン
シャルターボ式に作動するものが提案されている。この
シーケンシャルターボ式の制御系においては、例えば低
速域でプライマリターボ過給機のみを作動し、高速域で
プライマリとセカンダリの両ターボ過給機を作動して、
走行状態に応じた最適なエンジン出力特性を得ることを
図っている。
【0003】そこで、この過給機付エンジンの制御系に
おいて、プライマリターボ過給機側では常に過給するこ
とが可能に構成される。一方、セカンダリターボ過給機
側には排気制御弁、吸気制御弁、吸気制御弁の上、下流
の差圧を検知する差圧センサ等が設けられて、所定の領
域でのみ排気を導入し、且つ吸気制御弁の上、下流が等
圧になった時点で開いて過給するように構成されてい
る。また、このセカンダリターボ過給機側にはその作動
応答性を向上するため、作動領域の近くになると予備回
転する手段が更に付設され、排気系にはウエイストゲー
ト弁による過給圧制御手段等が設けられている。ここ
で、上述の各制御弁のアクチュエータは過給機の高熱に
対する安全性、耐久性を考慮して、吸気系の負圧、正圧
及び大気圧を用いて動作するようになっている。
【0004】従来、上記シーケンシャルターボ式の過給
機付エンジンに関しては、例えば特開平2−20102
3号公報の先行技術がある。ここで、プライマリとセカ
ンダリの排気通路が連通路により連通され、この連通路
と両過給機のタービン下流の合流排気通路にバイパス通
路が連通され、このバイパス通路に両過給機の排気を同
時に逃がすことが可能にウエイストゲート弁が設けられ
る。また、セカンダリの排気通路の排気カット弁の下流
に、排気洩らし通路と共に排気洩らし弁が設けられ、セ
カンダリターボ過給機のブロワ側に吸気リリーフ弁が設
けられる。そして低速域では、吸気リリーフ弁を開き且
つ排気洩らし弁を開いてセカンダリターボ過給機に少量
の排気を導入して予回転し、その後所定の条件で吸気リ
リーフ弁を閉じ、次いで排気カット弁を開き、更に吸気
カット弁を開いてセカンダリターボ過給機も過給するよ
うに作動することが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術のものにあっては、予備回転手段として専用の排気洩
らし弁、吸気リリーフ弁を用いて、プライマリターボ領
域で常時予備回転する構成であるから、構造が複雑にな
り、排気の利用効率も低下する。また、単一のウエイス
トゲート弁でプライマリとセカンダリの過給圧を同時に
制御するように構成されているので、個々の過給機を異
なる特性で作動することができない等の問題がある。
【0006】本発明は、この点に鑑みてなされたもの
で、シーケンシャルターボ式の過給機制御系において、
予備回転手段の構成、制御を簡素化すると共に排気の利
用効率を向上し、個々の過給機の作動を独立して過給圧
等の特性を常に最適化することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、エンジンの吸,排気系にプライマリター
ボ過給機とセカンダリターボ過給機とが並列的に配置さ
れ、プライマリターボ過給機は常時作動するように構成
され、セカンダリターボ過給機側に少なくとも排気制御
弁、吸気制御弁、差圧センサを有して、セカンダリター
ボ過給機はプライマリ・セカンダリターボモードでのみ
作動するように構成される過給機付エンジンにおいて、
排気制御弁を動作するアクチュエータが、予備回転時に
制御ユニットの電気信号で動作する切換用ソレノイド弁
により両室を大気に開放して、排気制御弁をスプリング
と排気圧のバランスにより所定量だけ開くように構成さ
れものである。
【0008】
【作用】上記構成に基づき、エンジン運転時の低中速域
ではセカンダリターボ過給機側において排気制御弁と吸
気制御弁とが閉じ、プライマリターボ過給機のみが単独
で作動して過給圧制御される。そして所定のエンジン回
転数等によりプライマリ・セカンダリターボモードにな
ると、セカンダリターボ過給機で排気制御弁がそのアク
チュエータのスプリングと排気圧の関係で所定量だけ開
き、排気を導入して予備回転することで迅速に過給圧を
生じ、吸気制御弁の上,下流の差圧が略零になった時点
で排気制御弁と吸気制御弁を開き、セカンダリターボ過
給機も作動して実質的にプライマリ・セカンダリターボ
モードに移行し、高い過給圧に制御されるようになる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1において、過給機付エンジンとして水平対向
式エンジンにプライマリとセカンダリのターボ過給機を
装着した場合の全体の構成について説明する。符号1は
水平対向式エンジンのエンジン本体であり、クランクケ
ース2の左右のバンク3,4に、燃焼室5、吸気ポート
6、排気ポート7、点火プラグ8、動弁機構9等が設け
られている。また、このエンジン構造により左右バンク
3,4の付近に、プライマリとセカンダリのターボ過給
機40,50がそれぞれ配設されている。排気系とし
て、左右バンク3,4からの共通の排気管10が両ター
ボ過給機40,50のタービン40a,50aに連通さ
れ、タービン40a,50aからの排気管11が1つの
排気管12に合流して触媒コンバータ13、マフラ14
に連通される。
【0010】吸気系として、エアクリーナ15から2つ
に分岐した吸気管16,17はそれぞれ両ターボ過給機
40,50のブロワ40b,50bに連通され、このブ
ロワ40b,50bからの吸気管18,19がインター
クーラ20に連通される。そして、インタークーラ20
からスロットル弁21を介してチャンバ22に連通さ
れ、チャンバ22から吸気マニホールド23を介して左
右バンク3,4の各気筒に連通されている。また、アイ
ドル制御系として、エアクリーナ15の直下流と吸気マ
ニホールド23の間のバイパス通路24に、アイドル制
御弁25、負圧で開く逆止弁26が設けられ、スロット
ル弁全閉のアイドル時と減速時に吸入空気量を制御する
ようになっている。
【0011】燃料系として、吸気マニホールド23のポ
ート近傍にインジェクタ30が配設され、燃料ポンプ3
1を有する燃料タンク32からの燃料通路33が、フィ
ルタ34、燃圧レギュレータ35を備えてインジェクタ
30に連通される。燃圧レギュレータ35は、吸気圧力
に応じて調整作用するものであり、これによりインジェ
クタ30に供給する燃料圧力を吸気圧力に対して常に一
定の高さに保ち、噴射信号のパルス幅により燃料噴射制
御することが可能になっている。点火系として、点火プ
ラグ8にイグナイタ36からの点火信号が入力するよう
に接続されている。
【0012】次に、プライマリターボ過給機40の制御
系について説明すると、タービン40aには常に排気を
導入して作動し、スロットル弁21が開いた負荷運転時
にはブロワ40bから加圧空気を供給するようになって
いる。タービン側にはダイアフラム式アクチュエータ4
2を備えたウエイストゲート弁41が設けられる。ま
た、ブロワ40bの上、下流との間からアクチュエータ
42の圧力室に、デューティソレノイド弁43を有する
制御圧通路44が設けられ、デューティソレノイド弁4
3で過給圧をリークすることで制御圧を生じてアクチュ
エータ42に作用し、ウエイストゲート弁41の開度を
増減して過給圧を制御する。ここで、例えばデューティ
比が大きい場合は、リーク量の増大により制御圧が低下
してウエイストゲート弁41の開度を減じ、過給圧を上
昇する。逆にデューティ比が小さくなると、高い制御圧
で開度を増して過給圧を低下する。
【0013】一方、常に過給可能になっているため、減
速時にスロットル弁21が急激に閉じると、ブロワ40
bの下流側に加圧空気が封じ込められてこの場合の高負
荷がターボ過給機40にかかり、ため息のような異音を
生じる。このため、ブロワ40bの上、下流の間にリリ
ーフ弁45を有するリーク通路46が設けられる。リリ
ーフ弁45はスプリングで閉じ、マニホールド負圧で開
くように構成され、上述の減速時にはマニホールド負圧
により開いて封じ込められた加圧空気をリークし、上記
異音の発生を防ぐ。
【0014】セカンダリターボ過給機50の制御系につ
いて説明すると、プライマリ側と同様のウエイストゲー
ト弁51が、アクチュエータ52、デューティソレノイ
ド弁53を有する制御圧通路54により、各別に過給圧
制御するように設けられる。タービン50aの上流の排
気管10には、ダイアフラム式アクチュエータ56を備
えた排気制御弁55が設けられ、ブロワ50bの下流に
は同様のアクチュエータ57を備えた吸気制御弁58が
設けられ、ブロワ50bの上、下流の間に過給圧リリー
フ弁60を備えたリリーフ通路59が連通されている。
【0015】これらの各弁の作動制御系について説明す
ると、吸気マニホールド23からの通路61がチェック
弁62を有してサージタンク63に連通されて、スロッ
トル弁全閉時に負圧を貯え且つ脈動圧を緩衝するように
なっている。過給圧リリーフ弁60の一方のスプリング
室には、サージタンク63からの負圧通路64と吸気制
御弁58の下流の過給圧による正圧通路65が、切換用
ソレノイド弁70と通路66を介して連通され、電気信
号により負圧を作用して開き、過給圧を作用して閉じ
る。
【0016】吸気制御弁58のアクチュエータ57は一
方の室に正圧通路67が連通され、スプリング室に上記
正圧通路65と負圧通路64が、切換用ソレノイド弁7
1と通路68を介して連通される。そして電気信号によ
り負圧を作用して吸気制御弁58を閉じ、過給圧を作用
した際のスプリング力により吸気制御弁58を開く。排
気制御弁55のアクチュエータ56は、スプリング56
aが閉弁方向に付勢され、このスプリング室に大気圧と
負圧を切換える第3の切換用ソレノイド弁74と通路6
9を介して連通される。また大気圧と負圧を切換える第
1の切換用ソレノイド弁72,これと正圧を切換える第
2の切換用ソレノイド弁73及び通路75が、アクチュ
エータ56の他方の室に連通される。そして電気信号に
よりスプリング室は大気圧を、他方の室は負圧を作用し
て排気制御弁55を全閉し、スプリング室は負圧を、他
方の室は正圧を作用して排気制御弁55を全開する。
【0017】また、セカンダリターボ過給機50の予備
回転制御は、上記排気制御弁55の機構を利用してい
る。即ち、排気制御弁55ではスプリング56aが閉じ
る方向に付勢されているので、予備回転時の比較的大き
い排気圧Pexをスプリングに対向して作用すること
で、排気制御弁55を所定の開度だけ開くことが可能に
なる。そこで、予備回転時に電気信号によりスプリング
室と他方の室を共に大気圧にし、スプリング56aと排
気圧Pexのバランスで排気制御弁55を所定量開きタ
ービン50aに排気を導入して予備回転するようになっ
ている。
【0018】各種のセンサについて説明すると、差圧セ
ンサ80が吸気制御弁58の上、下流の差圧を検出する
ように設けられ、絶対圧センサ81が切換用ソレノイド
弁76により吸気管圧力と大気圧を選択して検出するよ
うに設けられる。また、エンジン本体1にクランク角セ
ンサ82、ノックセンサ83、水温センサ84が設けら
れ、動弁機構9のカムシャフトに連設した図示しないカ
ムロータに対向してカム角センサ85が設けられ、排気
管10にO2 センサ86が設けられ、スロットル弁21
にスロットル開度センサ87が設けられ、エアクリーナ
15の直下流に吸入空気量センサ88が設けられてい
る。
【0019】図2において、電子制御系の全体の構成に
ついて説明する。先ず、制御ユニット100は、I/O
101、CPU102、RAM103、バックアップR
AM104、ROM105、定電圧回路106を有し
て、信号を処理する。また、イグニッションスイッチ9
0、リレー91をONしてバッテリ92から定電圧回路
106に電力を供給し、駆動回路107によりリレー9
3をONして燃料ポンプ31を通電により駆動する。I
/O101には各種センサ80〜88の信号が入力し、
駆動回路107から各種切換用ソレノイド弁70〜7
4,76に切換信号を、デューティソレノイド弁43,
53にデューティ信号を、インジェクタ30に噴射信号
を、アイドル制御弁25に制御信号を、イグナイタ36
に点火信号を出力するように構成されている。
【0020】図3において、特にシーケンシャルターボ
制御系の構成について説明する。クランク角センサ82
のパルスが制御ユニット100のエンジン回転数算出部
110に入力してエンジン回転数Nを算出する。また吸
入空気量センサ88の吸入空気量Qとエンジン回転数N
は基本燃料噴射量算出部111に入力して、負荷に応じ
た基本燃料噴射量Tpを算出するのであり、これらのエ
ンジン回転数Nと基本燃料噴射量Tpがプライマリとプ
ライマリ・セカンダリとのターボモード判定部112に
入力する。ターボモード判定部112は、図4(a)に
示すように高,低負荷時のセカンダリターボ過給機作動
開始設定値Nb,Ncと基本燃料噴射量設定値Tpsの
関係で、低負荷低中速と、高負荷低速の条件の場合にプ
ライマリターボ過給機のみを作動するプライマリターボ
モードを、これ以外の条件の場合に両過給機を作動する
プライマリ・セカンダリターボモードを判断する。尚、
セカンダリターボ過給機の作動,停止のハンチングを防
止するため、作動停止設定値Naにヒステリシスを設け
ている。
【0021】エンジン回転数N、基本燃料噴射量Tp、
モード判定信号は目標過給圧設定部113に入力して、
各モードでの運転状態に応じた目標過給圧Ptを設定す
る。ここで図4(b)のように例えばエンジン回転数N
に対する目標過給圧Ptが、プライマリターボ領域では
適正な高さに、プライマリ・セカンダリターボ領域では
それより高い適正な高さに定めてあり、このマップを検
索して目標過給圧Ptが設定される。この目標過給圧P
tと絶対圧センサ81の実過給圧Pbは偏差算出部11
4に入力して、両者の偏差Δpを算出する。この偏差Δ
pはPI補正部115に入力して、所定の範囲を超えて
増減する場合に、各モード毎に偏差Δpに応じた比例分
補正量Dpと積分分補正量Diを定める。ここでプライ
マリターボモードにおいて、初回の場合は図4(c)の
ように補正量の大きい比例分補正量Dpを、2回目以降
では図4(d)のように補正量の小さい積分分補正量D
iを定める。そしてこの補正量Dp,Diは、プライマ
リデューティ比設定部116に入力して補正量Dp,D
iに応じたデューティ比Dprを定め、このデューティ
信号をプライマリ側のデューティソレノイド弁43に出
力する。
【0022】プライマリターボモードでは、モード判定
信号で駆動部118により切換用ソレノイド弁70に開
信号を出力して過給圧リリーフ弁60を開き、特に減速
時に吸気制御弁58が閉じた際のセカンダリ側のブロワ
下流の過給圧をリークする。同時に駆動部119により
第1、第2、第3の切換用ソレノイド弁72〜74に閉
信号を出力して排気制御弁55を閉じ、排気がセカンダ
リターボ過給機50に導入することを遮断し、且つ駆動
部120により切換用ソレノイド弁71に閉信号を出力
して吸気制御弁58を閉じ、プライマリターボ過給機4
0による過給圧がリークすることを防止する。これによ
り、プライマリターボモードではプライマリターボ過給
機40の単独作動状態に確保され、ウエイストゲート弁
41の開度が調整されて、タービン40aに対する排気
導入、即ちそのターボ作動状態が可変制御されるのであ
り、こうして実過給圧Pbが常に目標過給圧Ptに追従
するようにフィードバック制御される。
【0023】一方、ターボモード判定信号と差圧センサ
80の差圧が入力する予備回転モード判定部121を有
し、プライマリ・セカンダリターボ領域に入った時点で
予備回転開始を判断して、駆動部118により切換用ソ
レノイド弁70に閉信号を出力して過給圧リリーフ弁6
0を閉じる。また吸気制御弁58を閉状態に保ち、駆動
部119により第1、第2、第3の切換用ソレノイド弁
72〜74に開可能信号を出力する。そこで、排気制御
弁55はアクチュエータ56のスプリング56aと排気
圧Pexとのバランスで所定の開度だけ開くことが可能
になり、セカンダリターボ過給機50のタービン50a
に排気導入して、予備回転作動により過給圧を生じる。
そして両ターボ過給圧の差圧が零になって同期した時点
で予備回転終了を判断し、切換用ソレノイド弁71〜7
4に開信号を出力して吸気制御弁58と排気制御弁55
を同時に開くのであり、こうして実質的にプライマリ・
セカンダリモードに移行される。
【0024】このプライマリ・セカンダリターボモード
では、PI補正部115において偏差Δpに対する比例
分補正量Dpと積分分補正量Dpを、両ターボ過給機4
0,50の作動配分に基づいて定める。ここで、例えば
両ターボ過給機40,50の作動配分を等分に設定する
場合は、比例分と積分分の補正量Dp,Diが1種類で
済むことになり、このため図4(c),(d)の破線の
ように実線に比べて小さい補正量に設定される。そして
この補正量Dp,Diは、プライマリとセカンダリのデ
ューティ比設定部116,117に入力して補正量に応
じたデューティ比Dpr,Dseを定め、このデューテ
ィ信号をプライマリとセカンダリのデューティソレノイ
ド弁43,53に出力する。これにより、プライマリと
セカンダリの両ターボ過給機40,50が作動し、それ
らのウエイストゲート弁41,51でターボ作動状態が
それぞれ可変制御されて、この場合の実過給圧Pbが上
述より高い目標過給圧Ptに追従するようにフィードバ
ック制御されるようになる。
【0025】次に、この実施例の制御作用を、図5ない
し図7のフローチャートを用いて説明する。シーケンシ
ャルターボ制御ルーチンは所定時間毎に実行され先ず、
ステップS1でセカンダリターボ過給機作動状態の時に
1にセットされるセカンダリターボ過給機作動判別フラ
グF1の値を参照し、F1=0(不作動)の場合はステ
ップS2に進み、基本噴射量Tpの値を参照して設定値
Tpsと比較する。Tp≦Tps(低負荷)の場合には
ステップS3へ進み、エンジン回転数Nと低負荷時セカ
ンダリターボ過給機作動開始設定値Ncとを比較し、N
<Ncの場合にプライマリターボモードと判断してプラ
イマリターボモードの制御を実行すべくステップ5へ進
む。またステップS2でTp>Tps(高負荷)の場合
にはステップS4へ進み、エンジン回転数Nと高負荷時
セカンダリターボ過給機作動設定値Nbとを比較し、N
<Nbの場合に同様にプライマリターボモードと判断
し、この場合は、ステップS5で切換用ソレノイド弁7
0の出力信号G1を0にして過給圧リリーフ弁60を開
く。また、ステップS6で切換用ソレノイド弁71の出
力信号G2を0にして吸気制御弁58を閉じ、ステップ
S7〜S9で切換用ソレノイド弁72〜74の出力信号
G3〜G5を0にして排気制御弁55を閉じ、ステップ
S10でセカンダリ側デューティソレノイド弁53のデ
ューティ比DseをFFH(100%)にしてウエイス
トゲート弁51を全閉する。
【0026】その後、ステップS11でエンジン回転数
Nと基本燃料噴射量Tpに基づき目標過給圧Ptを設定
し、ステップS12でセカンダリターボ過給機作動判別
フラグF1をクリアする。次いでステップS13で目標
過給圧Ptと実過給圧Pbの偏差Δpを算出し、ステッ
プS14でその偏差の絶対値|Δp|を設定値Δpsと
比較して小さい場合は、実過給圧Pbが目標過給圧Pt
の許容範囲に収束していると判断してステップS15で
積分分補正量Diを零にし、ステップS16で比例分補
正量Dpも零にする。そしてステップS17でデューテ
ィ比Dを、前回の値Doに積分分及び比例分の補正量D
p,Diを加算して求めるのであり、この場合は前回の
値Doと同一になる。その後ステップS18でフラグF
1の値を参照し、既に0になっているので、ステップS
19で上記デューティ比Dをプライマリ側デューティソ
レノイド弁43のデューティ比Dprとして出力し、ス
テップS20でこのデューティ比Dを前回の値Doとし
てストアする。
【0027】このプライマリターボモードにおいて、目
標過給圧Ptと実過給圧Pbの偏差の絶対値|Δp|が
設定値Δpsより大きくなると、ステップS14からス
テップS21に進んで実過給圧Pbの目標過給圧Ptに
対する大小関係をチェックして、図8のt1のように実
過給圧Pbが低下した条件では、ステップS22でデュ
ーティ比Dのダウン補正時に1にセットされるPI制御
判別フラグF2の値を参照し、F2=1でありデューテ
ィ比Dのアップ補正が初回の場合はステップS23で積
分分補正量Diを零にする。そしてステップS24でフ
ラグF1の値を参照してステップS25に進み、図4
(c)のマップにより偏差Δpに応じた比例分アップ量
Pup1を検索して、ステップS26でこれを比例分補
正量Dpに定め、ステップS27でPI制御判別フラグ
F2をクリアしてステップS17以降に進む。従って、
プライマリ側デューティソレノイド弁43のデューティ
比Dprが比例分補正量Dpだけ増大し、ウエイストゲ
ート弁41の開度が減じて実過給圧Pbが図8のように
比較的大きく上昇補正される。また、2回目以降はステ
ップS22のフラグF2によりステップS28に進みフ
ラグF1の値を参照して、ステップS29で図4(d)
のマップにより偏差Δpに応じた積分分アップ量Iup
1を検索して、ステップS30でこれを積分分補正量D
iに定め、且つステップS31で比例分補正量Dpを零
にする。そこで、図8のt2のような2回目以降の場合
は積分分補正量Diにより実過給圧Pbが徐々に上昇補
正され、これらの補正により実過給圧Pbが目標過給圧
Ptに追従する。
【0028】そして、t3で偏差Δpが設定値Δpsよ
り小さくなると、ステップS14からステップS15以
降に進んで、補正作用を中断する。またt4で再び実過
給圧Pbの低い側で偏差Δpが大きくなると、ステップ
S22のフラグF2によりステップS28以降に進み、
積分分補正量Diにより徐々に実過給圧Pbが上昇補正
される。
【0029】一方、図8のt5のように実過給圧Pbの
高い側で偏差Δpが設定値Δpsより大きくなると、ス
テップS21からステップS32に進み、この場合は上
述の制御でフラグF2が0になっていることで、このフ
ラグF2により初回の場合はステップS33以降に進
む。そこで、ステップS33で積分分補正量Diを0に
し、ステップS34でフラグF1の値を参照してステッ
プS35に進み、同様のマップにより偏差Δpに応じた
比例分ダウン量Pdo1を検索し、ステップS36でこ
れを比例分補正量Dpに定め、ステップS37でPI制
御判別フラグF2を1にしてステップS17以降に進
む。従って、プライマリ側デューティソレノイド弁43
のデューティ比Dprが比例分補正量Dpだけ減少し、
ウエイストゲート弁41の開度が増して実過給圧Pbが
図8のように比較的大きく低下補正される。また、2回
目以降はステップS32のフラグF2によりステップS
38に進みフラグF1の値を参照して、ステップS39
で同様のマップにより偏差Δpに応じた積分分ダウン量
Ido1を検索し、ステップS40でこれを積分分補正
量Diに定め、且つステップS41で比例分補正量Dp
を0にする。そこで、図8のt6のような2回目以降の
場合は積分分補正量Diにより実過給圧Pbが徐々に低
下補正され、これらの補正で実過給圧Pbが目標過給圧
Ptに追従する。この場合も偏差Δpが設定値Δpsよ
り小さくなったり、または再び大きくなると、上述と同
様に制御される。
【0030】次いで、ステップS2〜S4によりN≧N
c(Tp≦Tpsの低負荷時)、あるいはN≧Nc(T
p>Tpsの高負荷時)でプライマリ・セカンダリター
ボモードと判断すると、ステップS50以降に進む。即
ち、ステップS50で切換用ソレノイド弁70の出力信
号G1を1にして過給圧リリーフ弁60を閉じる。ま
た、ステップS51で第1の切換用ソレノイド弁72の
出力信号G3を1にし、ステップS52とS53で第
2,第3の切換用ソレノイド弁73,74の出力信号G
4,G5を0にして、アクチュエータ56の両室を大気
開放し、排気制御弁55をスプリング56aと排気圧P
exとのバランスで所定量開く。その後ステップS54
で差圧センサ80の出力電圧Eを設定値Esと比較し、
差圧が大きい場合はステップS55で吸気制御弁58を
閉じたままに保持する。そしてステップS56でプライ
マリ側デューティソレノイド弁43のデューティ比Dp
rをFFHに定め、ステップS57でセカンダリデュー
ティソレノイド弁53もデューティ比DseをFFHに
定めて、両ウエイストゲート弁41,51を全閉する。
そこで、排気の一部が排気制御弁55によりセカンダリ
ターボ過給機50のタービン50aに導入してセカンダ
リターボ過給機50が予備回転され、その過給圧を迅速
に上昇するようになり、このときプライマリターボ過給
機40による実過給圧Pbは出力ダウンを生じないよう
に少し高めに制御される。
【0031】その後、差圧が略零になると、ステップS
54からステップS58に進み、切換用ソレノイド弁7
1の出力信号G2を1にして吸気制御弁58を開き、ス
テップS59でセカンダリターボ過給機作動判別フラグ
F1を1にする。そこでこの場合は、ステップS1から
ステップS60に進みエンジン回転数Nをセカンダリタ
ーボ過給機作動停止の設定値Naに対してチェックし、
N≧Naの場合にはステップS61へ進み、切換用ソレ
ノイド弁70の出力信号G1を1にして過給圧リリーフ
弁60を閉じる。またステップS62,S63で第2と
第3の切換用ソレノイド弁73,74の出力信号G4,
G5を1にして排気制御弁55を全開し、ステップS6
4で吸気制御弁58を開くのであり、こうして実質的に
プライマリ・セカンダリターボモードに移行する。
【0032】このプライマリ・セカンダリターボモード
においては、ステップS65でこのモードの目標過給圧
Ptを同様に設定し、ステップS13,S14,S21
で実過給圧Pbの目標過給圧Ptに対する追従状態を判
断する。ところでこのモードの初期においては、上述の
予備回転時のようにプライマリとセカンダリのターボ過
給機40,50のウエイストゲート弁41,51が共に
全閉してフル作動の状態にあり、このため一般的には実
過給圧Pbが上昇して、図6のt5のようにその高い側
で偏差Δpが大きくなる。すると初回の場合は、ステッ
プS21からステップS32,S33,S34を介して
ステップS66に進み、図4(c)のマップの破線を用
いて偏差Δpに応じた比例分ダウン量Pdo2を検索
し、ステップS67でこれを比例分補正量Dpとしてデ
ューティ比Dを算出する。また、このモードでは、ステ
ップS18からS68,S69に進み、プライマリとセ
カンダリのデューティソレノイド弁43,53のデュー
ティ比Dpr,Dseが等しく上記デューティ比Dにセ
ットされ、両ウエイストゲート弁41,51の開度を等
しく増して実過給圧Pbが低下補正される。そして、2
回目以降では、ステップS32からステップS38を介
してステップS70に進み、図4(d)のマップの破線
を用いて積分分ダウン量Ido2を検索し、ステップS
71でこれを積分分補正量Diにすることで実過給圧P
bが徐々に低下補正されて目標過給圧Ptに近ずく。
【0033】また図8のt1のように実過給圧Pbの低
い側で偏差Δpが大きくなると、初回の場合は、ステッ
プS21からS22,S23,S24を介してステップ
S72,S73に進み、同様にして偏差Δpに応じた比
例分アップ量Pup2で比例分補正量Dpを定める。2
回目以降では、ステップS22からS28を介してステ
ップS74,S75に進み、同様にして偏差Δpに応じ
た積分分アップ量Iup2で積分分補正量Diを定めて
デューティ比Dを算出する。そして、プライマリとセカ
ンダリのデューティソレノイド弁43,53のデューテ
ィ比Dpr,Dseが等しく上記デューティ比Dにセッ
トされ、両ウエイストゲート弁41の開度が等しく減じ
て実過給圧Pbが上昇補正され、実過給圧Pbが目標過
給圧Ptに追従するようになる。こうして、このプライ
マリ・セカンダリターボモードでは、プライマリとセカ
ンダリのターボ過給機40,50がそれらのウエイスト
ゲート弁41,51により常に等分に作動し、この両タ
ーボ過給機40,50の共動により実過給圧Pbが適正
な高いレベルに制御される。
【0034】次いで、減速時にはステップS60でエン
ジン回転数Nがチェックされ、セカンダリターボ過給機
作動停止設定値Naより低下すると、ステップS60か
らステップS5以降に進む。そして、過給圧リリーフ弁
60を開き、吸気制御弁58と排気制御弁55を閉じて
プライマリターボモードに戻る。
【0035】以上の制御の作用状態をまとめて示すと、
図9のようになる。また、エンジン出力特性は、目標過
給圧特性に対応して図10のようになる。
【0036】以上、本発明の実施例について説明した
が、水平対向式以外のエンジンにも適応できる。また、
過給圧制御の異なるものにも適応できる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シーケンシャルターボ式過給機付エンジンにおいて、セ
カンダリターボ過給機の予備回転が、排気制御弁を利用
してそのアクチュエータのスプリングと排気圧のバラン
スにより所定量開いて制御するように構成されるので、
構造、制御が簡単になる。プライマリ・セカンダリター
ボモードになった時点で一時的に予備回転制御されるの
で、排気の利用効率が良い。予備回転時には過給圧が少
し高めに制御されるので、出力ダウンを生じることが防
止されて、軸トルク特性が良好になる。
【0038】プライマリターボ過給機とセカンダリター
ボ過給機にそれぞれウエイストゲート弁が設けられるの
で、両過給機の作動を各別に行うことができ、プライマ
リ・セカンダリターボモードで作動配分を変化する場合
等において有利になる。実施例のようにプライマリ・セ
カンダリターボモードでの両過給機の作動配分を等分に
する場合は、制御が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る過給機付エンジンの制御装置の実
施例を示す全体の構成図である。
【図2】制御系の全体の回路図である。
【図3】シーケンシャルターボ制御系のブロック図であ
る。
【図4】種々のマップを示す図である。
【図5】シーケンシャルターボ制御手順を示すフローチ
ャートである。
【図6】シーケンシャルターボ制御手順を示すフローチ
ャートである。
【図7】シーケンシャルターボ制御手順を示すフローチ
ャートである。
【図8】過給圧制御の状態を示すタイムチャートであ
る。
【図9】各モードでの制御状態をまとめて示す図であ
る。
【図10】軸トルクの特性を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体 10,11,12 排気管 16,17,18,19 吸気管 40 プライマリターボ過給機 50 セカンダリターボ過給機 41,51 ウエイストゲート弁 55 排気制御弁 56 アクチュエータ 56a スプリング 58 吸気制御弁 72〜74 切換用ソレノイド弁 80 差圧センサ 100 制御ユニット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの吸,排気系にプライマリター
    ボ過給機とセカンダリターボ過給機とが並列的に配置さ
    れ、プライマリターボ過給機は常時作動するように構成
    され、セカンダリターボ過給機側に少なくとも排気制御
    弁、吸気制御弁、差圧センサを有して、セカンダリター
    ボ過給機はプライマリ・セカンダリターボモードでのみ
    作動するように構成される過給機付エンジンにおいて、
    排気制御弁を動作するアクチュエータが、予備回転時に
    制御ユニットの電気信号で動作する切換用ソレノイド弁
    により両室を大気に開放して、排気制御弁をスプリング
    と排気圧のバランスにより所定量だけ開くように構成さ
    れることを特徴とする過給機付エンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】 上記排気制御弁はプライマリターボモー
    ドからプライマリ・セカンダリターボモードになった時
    点で、スプリングと排気圧のバランスにより所定量だけ
    開いてセカンダリターボ過給機を予備回転し、吸気制御
    弁の上、下流の差圧が略零になった時点で、その排気制
    御弁と吸気制御弁を共に開いてプライマリ・セカンダリ
    ターボモードに移行するように制御されることを特徴と
    する請求項1記載の過給機付エンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】 上記プライマリターボ過給機とセカンダ
    リターボ過給機は、それぞれデューティソレノイド弁に
    より動作するアクチュエータを備えたウエイストゲート
    弁を有し、プライマリターボモードではプライマリター
    ボ過給機のウエイストゲート弁で過給圧制御され、プラ
    イマリ・セカンダリターボモードでは両過給機のウエイ
    ストゲート弁で作動配分に応じて過給圧制御されること
    を特徴とする請求項1記載の過給機付エンジンの制御装
    置。
  4. 【請求項4】 上記プライマリターボ過給機とセカンダ
    リターボ過給機は、プライマリ・セカンダリターボモー
    ドの初期の予備回転時にそれぞれのウエイストゲート弁
    を全閉して、過給圧がプライマリターボモードの場合よ
    り少し高めに制御されることを特徴とする請求項1記載
    の過給機付エンジンの制御装置。
  5. 【請求項5】 上記制御ユニットは、エンジン回転数お
    よび負荷に基づきプライマリターボモードとプライマリ
    ・セカンダリターボモードとを判別するモード判定手段
    と、目標過給圧設定手段と、目標過給圧と実過給圧の偏
    差を算出する偏差算出手段と、プライマリターボモード
    とプライマリ・セカンダリターボモード毎に、偏差に応
    じた補正量を定めるPI補正手段と、プライマリターボ
    モードとプライマリ・セカンダリターボモード毎に、プ
    ライマリとセカンダリ側のデューティ比を設定するデュ
    ーティ比設定手段と、プライマリターボモードからプラ
    イマリ・セカンダリターボモードへの移行時に吸気制御
    弁の上,下流の差圧の関係で予備回転を判断する予備回
    転モード判定手段と、モード判定手段及び予備回転モー
    ド手段により排気制御弁、吸気制御弁を開閉動作する駆
    動手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の過給
    機付エンジンの制御装置。
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