JPH06128353A - 一液型エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

一液型エポキシ樹脂組成物

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JPH06128353A
JPH06128353A JP30612492A JP30612492A JPH06128353A JP H06128353 A JPH06128353 A JP H06128353A JP 30612492 A JP30612492 A JP 30612492A JP 30612492 A JP30612492 A JP 30612492A JP H06128353 A JPH06128353 A JP H06128353A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin composition
type epoxy
polysulfide
concrete
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JP30612492A
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English (en)
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Katsumi Ono
勝巳 大野
Hiroyoshi Kuramoto
博義 蔵本
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Toray Thiokol Co Ltd
Original Assignee
Toray Thiokol Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性が良く、強靭で耐アルカリ性が良好
であるとともに、コンクリートに塗布された防水膜、ラ
イニング、防食塗膜、床材などのふくれ防止に効果があ
り、コンクリートとの付着力が強く、かつ乾燥時間が短
い一液型エポキシ樹脂組成物を提供する。 【構成】 (a) 下記一般式: 【化1】 (ただし、R1 及びR3 は、ビスフェノール骨格を含有
する有機基であり、R2は硫黄原子を含有する有機基で
ある。)で示され、平均分子量が1000以上である固形ポ
リサルファイド変性エポキシ樹脂と、(b) アミン類と、
(c) ケトン類とを含有してなる一液型エポキシ樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一液硬化型エポキシ樹脂
組成物に関し、特に耐衝撃性が良く、強靭で耐アルカリ
性が良好であり、室温での安定性が良いとともに、ふく
れ防止に効果があり、しかもコンクリートとの付着力が
強く、乾燥時間の短い一液硬化型エポキシ樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】コンク
リートの上に美装、中性化防止及び塩害防止などの目的
で、防水膜、ライニング、防食塗膜、床材などが施工さ
れることが多い。ところが、往々にして、コンクリート
に塗布された防水膜、ライニング、防食塗膜、床材など
にふくれが発生し、問題となっている。
【0003】ふくれは、漏水に直結する問題ではない
が、美観上の観点から欠陥と考えられており、また、防
水膜、ライニング、防食塗膜、床材などの耐久性を低下
させることなどから大きな問題となっている。さらに、
工期短縮のためにコンクリート乾燥工程を省略または短
縮したり、作業向上のために軟練りコンクリートを使用
したりするため、コンクリートが完全に乾燥しないまま
次の工程に入るケースが多くなっているが、このような
場合、防水膜、ライニング、防食塗膜、床材のふくれな
どは完全には避けることのできない問題である。
【0004】防水膜、ライニング、防食塗膜、床材など
のふくれは古くからある問題であり、その防止策は色々
と検討されている。しかしながら、未だに明確な防止策
がないのが現状である。ふくれ現象の根本原因は、下地
であるコンクリートの水分量、コンクリートの水蒸気透
過性、コンクリートの空隙率などコンクリートそのもの
にある場合が少なくない。さらに、コンクリート及び防
水膜、ライニング、防食塗膜、床材などが施工・養生さ
れた環境温度、環境湿度、下地水圧などにも大きく左右
される。
【0005】ふくれ現象がコンクリートの状態や施工環
境により影響を受けることは、広く知られていることで
あるが、現実的には必ずしもいつも理想的な条件でコン
クリートを施工できるわけではなく、水で湿潤した条件
などの厳しい条件下でもふくれを防止することができる
一液硬化型エポキシ樹脂組成物の開発が強く望まれてい
る。
【0006】ふくれ防止に効果のある一液型エポキシ樹
脂組成物は、コンクリートの上に施工するものであるか
ら、一液型エポキシ樹脂組成物とコンクリートとの付着
力が大きいことが不可欠である。しかし、従来のエポキ
シ樹脂組成物を使用した場合は、水分を含んで湿ったコ
ンクリートとの接着性が十分ではなかった。この点、ポ
リサルファイド変性エポキシ樹脂は、水で湿潤したコン
クリートへの付着力が大きく、ふくれ防止用のエポキシ
樹脂組成物として有効である。さらに、ポリサルファイ
ド骨格が有する耐衝撃性が有効に働くので、衝撃により
硬化物が壊れる危険性が少なくなり、また、それが原因
のふくれ防止にも効果がある。しかしながら、通常使用
される液状ポリサルファイド変性エポキシ樹脂は、乾燥
時間が長く、しかもふくれ防止効果が必ずしも十分でな
かった。
【0007】さらに、従来のふくれ防止用の組成物は、
主剤と硬化剤を別々に保管し、使用時に混合する二液型
であり、作業が繁雑であった。
【0008】したがって、本発明の目的は、耐衝撃性が
良く、強靭で耐アルカリ性が良好であるとともに、コン
クリートに塗布された防水膜、ライニング、防食塗膜、
床材などのふくれ防止に効果があり、コンクリートとの
付着力が強く、かつ乾燥時間が短い一液型エポキシ樹脂
組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み、一液型
エポキシ樹脂組成物について鋭意検討を重ねた結果、本
発明者らは、(a) 特定の構造を有する固形ポリサルファ
イド変性エポキシ樹脂と、(b) アミン類と、(c) ケトン
類とを混合して得られる一液硬化型エポキシ樹脂組成物
は、耐衝撃性が良く、強靭で耐アルカリ性が良好である
とともに、コンクリートに塗布された防水膜、ライニン
グ、防食塗膜、床材などのふくれ防止に効果があり、コ
ンクリートとの付着力が強く、かつ乾燥時間が短いこと
を見出し、本発明に想到した。
【0010】すなわち、本発明の一液型エポキシ樹脂組
成物は、(a) 一般式:
【化3】 (ただし、R1 及びR3 は、ビスフェノール骨格を含有
する有機基であり、R2は硫黄原子を含有する有機基で
ある。)で示され、平均分子量が1000以上である固形ポ
リサルファイド変性エポキシ樹脂と、(b) アミン類と、
(c) ケトン類とを含有することを特徴とする。
【0011】本発明を以下詳細に説明する。(a) 固形ポリサルファイド変性エポキシ樹脂 本発明において使用する固形ポリサルファイド変性エポ
キシ樹脂は、下記一般式(1) により表されるものであ
る。
【化4】
【0012】上記一般式(1) 中のR1 及びR3 はビスフ
ェノール骨格を含有する有機基であり、R2 は硫黄原子
を含有する有機基である。
【0013】上記ビスフェノール骨格を含有する有機基
1 、R3 としては、例えばビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールS型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ハ
ロゲン化ビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフ
ェノール骨格と同等の分子構造のビスフェノール骨格を
有するもの、またはこれらと類似の分子構造を有するも
のを挙げることができる。
【0014】また、上記一般式(1) 中の硫黄原子を含有
する有機基R2 は、好ましくは下記一般式(2) により示
されるポリサルファイド骨格である。
【化5】
【0015】上記一般式(2) 中において、R4 は2個以
上の炭素原子を含有する有機基であり、Sの平均含有量
mの範囲は1〜3であるのが好ましく、特に好ましくは
1.5〜2.5である。さらにポリサルファイド骨格の
平均含有量nの範囲は1〜50であるのが好ましく、特
に好ましくは2〜30である。
【0016】また上記一般式(2) 中の2個以上の炭素原
子を含有する有機基R4 は、好ましくは記一般式(3) 又
は(4) により示される。
【化6】
【0017】上述したようなポリサルファイド変性エポ
キシ樹脂の平均分子量は1000以上、好ましくは1500以上
である。平均分子量が1000未満では室温で固体となら
ず、本発明の目的を達成することができない。
【0018】上述したような固形ポリサルファイド変性
エポキシ樹脂は、例えば通常の固形エポキシ樹脂、すな
わち固形ビスフェノール型エポキシ樹脂や固形ノボラッ
ク型エポキシ樹脂等と、ポリサルファイド骨格を有する
物質(例えばメルカプタン末端ポリサルファイド化合物
等)とを三級アミン類やアルカリなどの触媒の存在下、
又は無触媒で、反応させることにより製造することがで
きる。
【0019】上記固形ポリサルファイド変性エポキシ樹
脂中のポリサルファイド骨格の含有量は、原料となるポ
リサルファイド骨格を有する化合物の分子量を適切に選
択することにより、コントロールすることができる。ま
た、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂の分子量を適切
に選択することによっても、ポリサルファイド骨格の含
有量をコントロールすることができる。さらに、ポリサ
ルファイド骨格を有する化合物とビスフェノール型エポ
キシ樹脂の反応比(反応させる両成分の量比)を調節す
ることによってもポリサルファイド骨格の含有量をコン
トロールすることができる。
【0020】(b) アミン類 本発明で使用するアミン類としては、分子内に一つ以上
のアミノ基を有するものであり、特に後述するケトン類
と反応してケチミンとなるものが好ましい。
【0021】上記アミン類としては、例えば、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イソフォロ
ンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキ
サン、m−キシレンジアミン、1,2−ジアミノシクロ
ヘキサン、シクロヘキシルアミン、ビス(4−アミノ−
3−メチルシクロヘキシル)メタン、m−フェニレンジ
アミン、N−シアノエチルキシリレンジアミン、N−ア
ミノエチルピペラジン、N−ベンジルエチレンジアミ
ン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−シアノ
エチルキシリレンジアミン、メンタンジアミン、エポキ
シ樹脂を過剰なアミンと反応させて製造されるポリアミ
ンエポキシ樹脂アダクト、ポリアミン−エチレンオキシ
ドアダクト、ポリアミン−プロピレンオキシドアダク
ト、シアノエチル化ポリアミン、主鎖がシリコンである
ジアミン、または、ポリアミン類とフェノール類および
アルデヒド類等とを反応させて得られる脱水縮合物、変
性ポリアミン(例えば、旭電化工業(株)製の「アデカ
ハードナーEH−220」、「アデカハードナーEH−
221」、「アデカハードナーEH−227」、「アデ
カハードナーEH−230」、「アデカハードナーEH
−261」、「アデカハードナーEH−257−1
7」、「アデカハードナーEH−303B」、「アデカ
ハードナーEH−531」及び「アデカハードナーEH
−752D」、エイ・シー・アイ・ジャパン・リミテッ
ド製「アンカミンMCA」、日本チバガイギー(株)製
「アラルダイドX1101」、三和化学工業(株)製
「サンマイドW−3000」、三洋化成工業(株)製の
「リアクトCA−101」及び「リアクトCA−68
1」、住友化学工業(株)製「スミキュアーAF」、大
都産業(株)製の「ダイトクラールHD−438」、
「ダイトクラールHD−801CB」、「ダイトクラー
ルI−1199」、「ダイトクラールJ−1666」、
「ダイトクラールSK−900FCB」、「ダイトクラ
ールU−4075」、「ダイトクラールX−973」、
「ダイトクラールX−1301S」、「ダイトクラール
X−1321」、「ダイトクラールX−1436」、
「ダイトクラールX−1777A」、「ダイトクラール
X−1840」、「ダイトクラールX−1942」、
「ダイトクラールX−2392」及び「ダイトクラール
X−2733」、大日本インキ工業(株)製「ラッカマ
イドWH−036−S」、富士化成工業(株)製の「フ
ジキュア#5001」、「フジキュア#5420」及び
「フジキュアE−1604」、油化シェルエポキシ
(株)製の「エピキュア3012」、「エピキュア32
55」、「エポメートB−002W」、「エポメートN
−001」及び「エポメートRX−3」など)が挙げら
れる。
【0022】上記(b) アミンの使用量は、通常、固形ポ
リサルファイド変性エポキシ樹脂100重量部に対し
て、2〜150重量部程度であるのが好ましく、特に5
〜70重量部が好ましい。
【0023】(c) ケトン類 本発明で使用するケトン類とは、カルボニル基が2個以
上の炭化水素基と結合しているオキソ化合物であり、例
えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピル
ケトン、4−ペンテン−2−オン、メチルイソブチルケ
トン、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、
シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0024】上記(c) ケトン類の使用量は、通常、固形
ポリサルファイド変性エポキシ樹脂100重量部に対し
て10〜500重量部程度が好ましく、特に30〜30
0重量部が好ましい。
【0025】なお、樹脂成分である固形ポリサルファイ
ド変性エポキシ樹脂は、それ単独で使用するのが好まし
いが、必要に応じて通常の固形エポキシ樹脂(固形ビス
フェノールエポキシ樹脂や固形ノボラック型エポキシ樹
脂等)を混合して使用することができる。
【0026】また、本発明においてはケトン類の使用が
必須であるが、必要に応じて酢酸ブチル、酢酸エチル、
トルエン、キシレンなどのケトン類以外の溶剤を添加し
て使用することができる。ケトン以外の溶剤を添加する
場合、その添加量は固形ポリサルファイド変性エポキシ
樹脂100重量部に対して、300重量部以下程度であ
るのが好ましい。
【0027】本発明のエポキシ樹脂組成物は、さらに必
要に応じて、相溶性あるいは親和性を有する物質(例え
ば非反応性希釈剤や反応性希釈剤)などを添加すること
ができる。
【0028】非反応性希釈剤としては、ジブチルフタレ
ート、グリコールのエーテル−エーテル、スチレン、フ
ェノール類等を用いることができる。
【0029】反応性希釈剤としては、n−ブチルグリシ
ジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチル
ヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエー
テル、クレジルグリシジルエーテル、ポリエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジ
グリシジルエーテル等を用いることができる。
【0030】非反応性希釈剤あるいは反応性希釈剤を添
加する場合、その添加量は、用いる非反応性希釈剤ある
いは反応性希釈剤の種類等によって多少異なるが、一般
に、固形ポリサルファイド変性エポキシ樹脂100重量
部に対して、非反応性希釈剤あるいは反応性希釈剤を5
〜30重量部とするのが好ましい。
【0031】
【作用】上述したように、本発明の一液型エポキシ樹脂
組成物は、固形ポリサルファイド変性エポキシ樹脂が有
する良好な耐薬品性、接着性、及び高い水蒸気遮断性を
有する。
【0032】また、本発明の一液型エポキシ樹脂組成物
は、コンクリートに塗布された防水膜、ライニング、防
食塗膜、床材などのふくれ防止に効果があり、コンクリ
ートとの付着力が強い。
【0033】さらに、本発明の一液型エポキシ樹脂組成
物は一液であるので、主剤と硬化剤とを別々に保管し、
使用時に混合する手間が省ける。また、本発明の一液型
エポキシ樹脂組成物は室温での貯蔵安定性に優れ、塗布
後の乾燥時間が短いという特徴も兼ね備えている。
【0034】本発明のエポキシ樹脂組成物は、コンクリ
ートに塗布された防水膜、ライニング、防食塗膜、床材
などのふくれ防止用シーラーのみならず、プライマー、
塗膜などにも好適である。
【0035】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。合成例1 固形ポリサルファイド変性エポキシ樹脂の合成 固形ビスフェノール型エポキシ樹脂(油化シェルエポキ
シ(株)製 エピコート1004)94重量部を135
℃で溶解させた後、メルカプタン末端ポリサルファイド
化合物(東レチオコール(株)製 チオコールLP−
3)6重量部を添加混合し、メルカプタン基が完全に消
失したことを確認した後、室温に冷却し、固形ポリサル
ファイド変性エポキシ樹脂を得た。
【0036】合成例2 固形ポリサルファイド変性エポキシ樹脂の合成 固形ビスフェノール型エポキシ樹脂(油化シェルエポキ
シ(株)製 エピコート1004)85重量部を135
℃で溶解させた後、メルカプタン末端ポリサルファイド
化合物(東レチオコール(株)製 チオコールLP−5
5)15重量部を添加混合し、メルカプタン基が完全に
消失したことを確認した後、室温に冷却し、固形ポリサ
ルファイド変性エポキシ樹脂を得た。
【0037】実施例1 合成例1で得られた固形ポリサルファイド変性エポキシ
樹脂100重量部と、変性ポリアミン(大都産業(株)
製、ダイトクラールI−1199)10重量部と、メチ
ルエチルケトン100重量部とを混合し、一液型エポキ
シ樹脂組成物として、下記の条件で貯蔵安定性、乾燥時
間及びふくれ防止効果を評価した。測定結果を組成とと
もに第1表に示す。
【0038】実施例2 合成例1で得られた固形ポリサルファイド変性エポキシ
樹脂100重量部と、変性ポリアミン(油化シェルエポ
キシ(株)製、エポメートN−001)10重量部と、
メチルエチルケトン100重量部とを混合し、一液型エ
ポキシ樹脂組成物として、下記の条件で貯蔵安定性、乾
燥時間及びふくれ防止効果を評価した。測定結果を組成
とともに第1表に示す。
【0039】実施例3 合成例1で得られた固形ポリサルファイド変性エポキシ
樹脂100重量部と、変性ポリアミン(大都産業(株)
製、ダイトクラールI−1199)10重量部と、メチ
ルイソブチルケトン100重量部とを混合し、一液型エ
ポキシ樹脂組成物として、下記の条件で貯蔵安定性、乾
燥時間及びふくれ防止効果を評価した。測定結果を組成
とともに第1表に示す。
【0040】実施例4 合成例2で得られた固形ポリサルファイド変性エポキシ
樹脂100重量部と、変性ポリアミン(大都産業(株)
製、ダイトクラールX2392)10重量部と、メチル
エチルケトン100重量部とを混合し、一液型エポキシ
樹脂組成物として、下記の条件で貯蔵安定性、乾燥時間
及びふくれ防止効果を評価した。測定結果を組成ととも
に第1表に示す。
【0041】比較例1 比較のために、一液型エポキシ樹脂組成物を使用しない
で、下記の条件でふくれ防止効果を評価した。測定結果
を第1表に示す。
【0042】比較例2 液状ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(東レチオコー
ル(株)製、FLEP−60)100重量部と、変性ポ
リアミン(大都産業(株)製、ダイトクラールX239
2)30重量部と、メチルエチルケトン100重量部と
を混合し、一液型エポキシ樹脂組成物として、下記の条
件で貯蔵安定性、乾燥時間及びふくれ防止効果を評価し
た。測定結果を組成とともに第1表に示す。
【0043】ふくれ防止効果の測定 上記各例の一液型エポキシ樹脂組成物のふくれ防止効果
を評価するために、JIS A6909 「薄付仕上げ塗材」で規
定された70mm×70mm×20mmのモルタル板の片面に
一液型エポキシ樹脂組成物を塗布し、室温で1日間硬化
させた後、エポキシ系塗材(昭和高分子(株)製 フリ
ッパー#600)を塗布し、7日間硬化させた。この一
液型エポキシ樹脂組成物及びエポキシ塗材を塗布したモ
ルタル板を10日間水中に半分浸漬して、エポキシ系塗
材のふくれのようすを観察した。
【0044】貯蔵安定性の測定 上記各例の貯蔵安定性を評価するために、100mlの
ガラス瓶に一液型エポキシ樹脂組成物を50ml密栓し
て室温で2週間保管し、その後使用に適する状態にある
か否かを調べ、使用に適するものを○、使用不能のもの
を×とした。
【0045】乾燥時間の測定 上記各例の一液型エポキシ樹脂組成物の乾燥時間を評価
するために、JIS A6909 「薄付仕上げ塗材」で規定され
た70mm×70mm×20mmのモルタル板の片面に一液型
エポキシ樹脂組成物を塗布し、塗膜に軽く指で触れて、
指先が汚れなくなるまでの時間を測定した。
【0046】 第 1 表 実施例1 実施例2 実施例3 組成(重量部) 固形ポリサルファイド変性エポキシ樹脂 合成例1のエポキシ樹脂 100 100 100 アミン類 ダイトクラールI−1199 10 − 10 エポメートN−001 − 10 − ケトン類 メチルエチルケトン 100 100 − メチルイソブチルケトン − − 100 性能 ふくれ防止効果の測定 良好(1) 良好(1) 良好(1) 貯蔵安定性の測定 ○ ○ ○ 乾燥時間の測定 1時間 1時間 1時間
【0047】 第 1 表 (続 き) 実施例4 比較例1 比較例2 組成(重量部) 固形ポリサルファイド変性エポキシ樹脂 合成例2のエポキシ樹脂 100 − − 液状ポリサルファイド変性エポキシ樹脂 FLEP−60 − − 100 アミン類 ダイトクラールX−2392 10 − 30 ケトン類 メチルエチルケトン 100 − 100 性能 ふくれ防止効果の測定 良好(1) ふくれ発生(2) ほぼ良好(3) 貯蔵安定性の測定 ○ − ○ 乾燥時間の測定 1時間 − 24時間
【0048】注)(1) :塗膜にふくれの発生は認められ
なかった。 (2) :塗膜に多数のふくれが発生した。 (3) :塗膜に僅かではあるがふくれの発生が認められ
た。
【0049】第1表より明らかなように、本発明の一液
型エポキシ樹脂組成物は、コンクリートに塗布された塗
膜のふくれ防止効果を有しており、さらに、貯蔵安定性
が良好で、乾燥時間が短かった。一方、本発明の一液型
エポキシ樹脂組成物を使用しない比較例1は、塗膜に多
数のふくれが発生した。さらに、比較例2は、ふくれ防
止にある程度効果があったが、乾燥時間が長かった。
【0050】実施例5 実施例4の一液型エポキシ樹脂組成物を用いて、下記の
条件で耐衝撃ふくれ防止効果、貯蔵安定性及び乾燥時間
を評価した。測定結果を組成とともに第2表に示す。
【0051】比較例3 固形ビスフェノール型エポキシ樹脂(油化シェルエポキ
シ(株)製 エピコート1004)100重量部と、変
性ポリアミン(大都産業(株)製、ダイトクラールX2
392)20重量部と、メチルエチルケトン100重量
部とを混合し、一液型エポキシ樹脂組成物として、下記
の条件で耐衝撃ふくれ防止効果、貯蔵安定性及び乾燥時
間を評価した。測定結果を組成とともに第2表に示す。
【0052】耐衝撃ふくれ防止効果の測定 上記各例の一液型エポキシ樹脂組成物の耐衝撃ふくれ防
止効果を評価するために、JIS A6909 「薄付仕上げ塗
材」で規定された70×70×20mmのモルタル板の片
面に一液型エポキシ樹脂組成物を塗布し室温で1日間硬
化させた後、重さ16.5gの鋼球を高さ1mのところ
から落とした。さらに、エポキシ系塗材((昭和高分子
(株)製 フリッパー#600)を塗布し、7日間硬化
させた。この一液型エポキシ樹脂組成物及びエポキシ塗
材を塗布したモルタル板を10日間水中に半分浸漬し
て、エポキシ系塗材のふくれのようすを観察した。
【0053】貯蔵安定性の測定 実施例1と同様にして測定した。
【0054】乾燥時間の測定 実施例1と同様にして測定した。
【0055】 第 2 表 実施例5 比較例3 組成(重量部) 固形ポリサルファイド変性エポキシ樹脂 合成例2のエポキシ樹脂 100 − 固形ビスフェノール型エポキシ樹脂 エピコート1004 − 100 アミン類 ダイトクラールX−2392 10 20 ケトン類 メチルエチルケトン 100 100 性能 耐衝撃ふくれ防止効果の測定 良好(4) ふくれ発生(5) 貯蔵安定性の測定 ○ × 乾燥時間の測定 1時間 1時間
【0056】注)(5) :塗膜にふくれの発生は認められ
なかった。 (6) :塗膜に多数のふくれが発生した。
【0057】第2表から明らかなように、本発明の一液
型エポキシ樹脂組成物は、コンクリートに塗布された塗
膜に耐衝撃ふくれ防止効果を有し、さらに、貯蔵安定性
が良好で、乾燥時間が短かった。一方、通常のビスフェ
ノール型エポキシ樹脂を使用した比較例3は、塗膜に多
数のふくれが発生し、貯蔵安定性も悪かった。
【0058】
【発明の効果】以上に詳述した通り、本発明の一液型エ
ポキシ樹脂組成物は、固形ポリサルファイド変性エポキ
シ樹脂を主成分としているため、可とう性、耐アルカリ
性、耐薬品性、耐久性、強靭性及びコンクリートへの密
着性に優れている。
【0059】本発明の一液型エポキシ樹脂組成物は、コ
ンクリートに塗布された防水膜、ライニング防食塗膜、
床材などのふくれ防止に顕著な効果を発揮する。
【0060】また、本発明の一液型エポキシ樹脂組成物
は、水で湿潤したコンクリートへの付着力が大きい。
【0061】さらに、本発明の一液型エポキシ樹脂組成
物は、一液であるので、主剤と硬化剤とを別々に保管
し、使用時に混合する手間が省ける。また、本発明の一
液型エポキシ樹脂組成物は室温での貯蔵安定性に優れ、
塗布後の乾燥時間が短いという特徴も兼ね備えている。
【0062】本発明の一液型エポキシ樹脂組成物は、好
ましくはコンクリートに塗布された防水膜、ライニン
グ、防食塗膜、床材などのふくれ防止用シーラーとして
用いられるが、さらに、プライマー、塗料などにも好適
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 一般式: 【化1】 (ただし、R1 及びR3 は、ビスフェノール骨格を含有
    する有機基であり、R2は硫黄原子を含有する有機基で
    ある。)で示され、平均分子量が1000以上である固形ポ
    リサルファイド変性エポキシ樹脂と、(b) アミン類と、
    (c) ケトン類とを含有することを特徴とする一液硬化型
    エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一液硬化型エポキシ樹
    脂組成物において、固形ポリサルファイド変性エポキシ
    樹脂として、R2 が一般式: 【化2】 (ただし、R4 は2個以上の炭素原子を含有する有機基
    であり、mは1〜3でポリサルファイド骨格中の硫黄原
    子の平均含有量を示し、nは1〜50で一分子中の前記
    有機基R2 の平均含有量を示す。)で示されるものを含
    有することを特徴とする一液硬化型エポキシ樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の一液硬化型エポ
    キシ樹脂組成物において、アミン類としてケトン類と反
    応してケチミンとなるアミン類を用いることを特徴とす
    る一液硬化型エポキシ樹脂組成物。
JP30612492A 1992-10-19 1992-10-19 一液型エポキシ樹脂組成物 Pending JPH06128353A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006525390A (ja) * 2003-05-07 2006-11-09 シオプラスト ケミカル ゲーエムベーハー アンド シーオー. ケージー ポリスルフィドとポリエポキシドとからプレポリマーを製造する方法
US9080004B2 (en) 2010-10-07 2015-07-14 Prc-Desoto International, Inc. Diethylene glycol monomethyl ether resistant coating
JP2016044193A (ja) * 2014-08-20 2016-04-04 大日本塗料株式会社 2液硬化形エポキシ樹脂塗料組成物及びそれを用いた塗装体
WO2018131381A1 (ja) * 2017-01-12 2018-07-19 東レ・ファインケミカル株式会社 エポキシ基末端ポリサルファイドポリマー

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