JP5361686B2 - 液状アミン系潜在性硬化剤組成物 - Google Patents

液状アミン系潜在性硬化剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は液状アミン系潜在性硬化剤に関し、詳しくは、エポキシ樹脂と組み合わせることにより、ポットライフが長く、且つ、リフティング防止性能に優れる下地塗膜を形成することのできる硬化性エポキシ樹脂組成物とすることができる、弱溶剤希釈安定性に優れた液状アミン系潜在性硬化剤に関する。
エポキシ樹脂は、各種基材に対する接着性、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械特性等に優れるため、特に、塗料や接着剤等として広く用いられている。
これらの用途に使用する場合には、従来、エポキシ樹脂を各種の低沸点溶媒に溶解した溶剤タイプのものが一般的であったが、火災の危険性、人体への有害性、地球環境への悪影響等の問題から、低沸点溶媒の使用が制限されるようになった現在では、溶媒の低減化、或いは、ターペンやミネラルスピリット等の、高沸点で低刺激性である溶媒(いわゆる弱溶剤)への切り替えが強く求められるようになった。
このような弱溶剤可溶型のエポキシ樹脂組成物を得るための方法としては、主剤であるエポキシ樹脂として弱溶剤可溶型のものを使用する方法、或いは、硬化剤として弱溶剤可溶型のものを使用する方法が考えられる。
従来、弱溶剤に対して溶解性を示すエポキシ樹脂は数多く提案されている。具体例としては、例えば、ミネラルスピリットに可溶な、エポキシ当量250以下のエポキシ樹脂を脂肪族モノマー酸で変性したものをジイソシアネート化合物で架橋してなるエポキシ樹脂(特許文献1)を始め、エポキシ樹脂にテルペン構造骨格含有フェノール化合物を付加して得られるエポキシ樹脂(特許文献2)、長鎖アルキル置換フェノールノボラックエポキシ樹脂(特許文献3)、長鎖フェノールノボラックに2官能エポキシ樹脂を反応させて得られるエポキシ樹脂(特許文献4)等が挙げられる。
これに対して、従来硬化剤として知られている、脂肪族ポリアミン類、芳香族ポリアミン類、ポリアミド類、環状脂環族ポリアミン類、アミノ置換された脂肪族アルコール及びフェノール類、それらの低分子量エポキシ付加物等の硬化剤は、ターペンやミネラルスピリットへの溶解性に劣る。そこで、これらに代わる、高沸点かつ低刺激性の弱溶剤に可溶である硬化剤の開発が望まれていた。
特開平3−115318号公報 特開平8−134175号公報 特開平9−12678号公報 特開平9−227825号公報
従って本発明の第1の目的は、ミネラルスピリットや芳香族系石油混合溶剤等の弱溶剤への溶解性、及び希釈安定性に優れた液状アミン系潜在性硬化剤組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、下地塗膜のリフティング防止性能に優れた硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記の諸目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定のアミン系潜在性硬化剤と特定のフェノール化合物を併用した場合には、弱溶剤に対して優れた溶解性を示すアミン系潜在性硬化剤組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、(A)アミン化合物のケチミン化物、(B)下記一般式(I)で表されるアルキル基含有フェノール化合物又はテルペンフェノールの中から選ばれる少なくとも一種のフェノール化合物、及び、(C)ミネラルスピリット及び沸点が140〜250℃の石油系希釈溶剤の中から選ばれる少なくとも一種の弱溶剤を含有して得られる液状アミン系潜在性硬化剤組成物、並びに、該液状アミン系潜在性硬化剤組成物を用いてなる硬化性エポキシ樹脂組成物である。
Figure 0005361686
但し、上記一般式中のRは炭素原子数9〜25のアルキル基を表し、nは1〜5の整数を表し、nが2以上の場合におけるRは、それぞれ異なるものでも良い。
本発明の液状アミン系潜在性硬化剤組成物は、弱溶剤による希釈安定性に優れるので、シーラー又はプライマー等の用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の液状アミン系潜在性硬化剤組成物について詳細に説明する。
本発明で使用する(A)成分である、アミン化合物のケチミン化物は、アミン化合物とケトン化合物を反応させることによって得ることができる。上記アミン化合物のケチミン化物を提供するアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン等のアルキレンジアミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアルキルポリアミン類;1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−3,6−ジエチルシクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン類;m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン類;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−アミノプロピルイミダゾール等のイミダゾール類;アジピン酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類;N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジプロピルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、アミノプロピルモルホリン、アミノエチルピペリジン、1−(2−アミノエチル)−4−メチルピペラジン等の三級アミノ基と一級アミノ基を分子中に有するポリアミン類;ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン等のポリオキシアルキレンジアミン類等があげられる。
前記、本発明で使用する(A)成分であるアミン化合物のケチミン化物を提供することのできるケトン化合物としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、フェニルメチルケトン、メチルヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘプタノン、アセトフェノン、ケトン樹脂等があげられる。
また、本発明で使用するアミン化合物のケチミン化物は、ケチミン化率が90%未満では貯蔵安定性が低下するため、ケチミン化率が90%以上であることが好ましく、特に95%以上であることが好ましい。
前記アミン化合物とケトン化合物からケチミン化物を製造する方法は特に制限されるものではないが、アミン化合物及びケトン化合物を触媒存在下で反応させることによって容易にケチミン化物を製造することができる。この反応は、必要に応じて溶媒中で行わせることができる。
前記アミン化合物とケトン化合物の使用量は、アミン化合物1モルに対してケトン化合物が2モル以上となるように使用される。
前記ケチミン化物を製造する際に使用される触媒としては、例えば、トリメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン、プロピルジメチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第三アミン類;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、m−キシレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ヒドロキシメチルスルホン酸、2−ヒドロキシエチルスルホン酸、ヒドロキシプロピルスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スルホサリチル酸、スルホフタル酸等のスルホン酸類等があげられるが、高いケチミン化率が得られるという観点から、これらの第三アミン類とスルホン酸類を併用するか、これらを塩として用いることが好ましく、特に、p−トルエンスルホン酸とトリエチルアミンから得られる塩を用いることが好ましい。
これらの反応に使用される触媒の使用量は、アミン化合物100質量部に対して0.001〜5質量部であることが好ましく、特に0.01〜1質量部であることがより好ましい。0.001質量部未満では反応促進効果が得られず、5質量部より多く使用した場合には、無駄であるばかりでなく、ポリエポキシ化合物と組合せることによって得られる、一成分硬化型エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性を低下するおそれがあるため好ましくない。
上記反応に使用される溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物を使用することができるので、これらのケトン化合物を過剰量使用して溶媒の役割を負わせることもできる。また、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン等を使用することもできる。これらの溶媒の使用量は任意であるが、通常、ポリオキシプロピレンジアミン及びケトン化合物の合計量100質量部に対して、10〜100質量部が用いられる。
本発明で使用する(B)成分として使用するアルキル基含有フェノール化合物は、下記一般式(I)で表される化合物である
Figure 0005361686
但し、上式中のRは炭素原子数〜25のアルキル基を表し、nは1〜5の整数を表す。nが2以上の場合には、Rはそれぞれ異なるものであっても良い。
また、(B)成分であるテルペンフェノールは、環状テルペン化合物にフェノール又はオルソクレゾール等のアルキルフェノール化合物を付加して得られるものであり、例えば下記式(1)〜(5)で表される化合物等があげられる。
Figure 0005361686
これら(B)成分のフェノール化合物の使用量は、(A)成分のケチミン化合物100質量部に対して0.1〜50質量部、好ましくは1〜30質量部である。(B)成分のフェノール化合物の使用量が0.1質量部未満では相溶化効果が十分に発揮されないおそれがあり、50質量部を超えて使用した場合には、硬化剤としての効果に悪影響を与えるおそれがあるため好ましくない。
本発明における(C)成分は、ミネラルスピリット及び沸点が140〜250℃の石油系希釈溶剤から選ばれる少なくとも一種の弱溶剤である。ミネラルスピリット、或いは沸点が140〜250℃の石油系希釈溶剤の市販品としては、例えば、スーパーゾール150(三菱商事ケミカル(株)製、芳香族系石油混合溶剤の商品名)、スーパーゾール1500(同)、スーパーゾール1800(同)、ペガゾールR−100(エクソンモービル(株)製、芳香族系石油混合溶剤の商品名)、ペガゾールR−150(同)、スワゾール310(丸善石油化学(株)製、芳香族系石油混合溶剤の商品名)、スワゾール1000(同)、スワゾール1500(同)、スワゾール1800(同)、ハイアロム2S(新日本石油(株)製、芳香族系石油混合溶剤の商品名)、日石ハイゾール100(同)、日石ハイゾール150(同)、昭石ハイゾール(昭和石油(株)製、芳香族系石油混合溶剤の商品名)、HAWS(シェルケミカルズジャパン(株)製、芳香族系石油混合溶剤の商品名)、ソルベッソ100(エクソンモービル(株)製、芳香族系石油混合溶剤の商品名)、ソルベッソ150(同)、SHELLSOL A(シェルケミカルス(株)製、芳香族系石油混合溶剤の商品名)、SHELLSOL AB(同)、イプゾール100(出光興産(株)製、芳香族系石油混合溶剤の商品名)、イプゾール150(同)、昭石特ハイゾール(シェルケミカルジャパン(株)製、芳香族系石油混合溶剤の商品名)等があげられる。
これら(C)成分として使用する弱溶剤の使用量は、(A)成分のケチミン化合物100質量部に対して10〜1000質量部であることが好ましく、特に、20〜500質量部であることが好ましい。10質量部未満では液状化が困難となるおそれがあり、1000質量部を超えて使用した場合には、硬化剤としての効果に悪影響を与えるおそれがあるため好ましくない。
次に、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物について詳述する。
本発明に使用されるエポキシ樹脂としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノール等の単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物等の多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族又は脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類及びグリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物があげられる。また、これらのエポキシ樹脂は、末端イソシアネートのプレポリマーによって内部架橋されたもの、或いは多価の活性水素化合物(多価フェノール、ポリアミン、カルボニル基含有化合物、ポリリン酸エステル等)を用いて高分子量化したものであってもよい。
本発明においては、上記エポキシ樹脂100質量部に対して本発明の液状アミン系潜在性硬化剤組成物を10〜60質量部配合することが好ましく、特に24〜38質量部配合することが好ましい。10質量部未満の配合量では硬化が進行しないおそれがあり、60質量部を超えて配合すると塗膜の耐水性が著しく悪化するので好ましくない。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、溶剤として、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;イソ−又はn−ブタノール、イソ−又はn−プロパノール、アミルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、ジオキサン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素等が使用できるが、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等の高沸点パラフィン系溶剤(脂肪族炭化水素を主成分とするが、脂環族、芳香族炭化水素を含むこともある。ここで高沸点とは沸点150℃以上の成分を90%以上含むものである。)等を用いる事ができる。これらの溶剤に溶解、或いは分散させることによって、エポキシ樹脂組成物の危険性及び有害性を低減させることができる。尚、上記の溶剤は適宜2種併用して混合溶剤として用いることも可能である。
上記有機溶剤の使用量は、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計量100質量部に対して0〜200質量部であることが好ましく、特に、30〜150質量部使用することが好ましい。溶剤の使用量が200質量部を越えると、揮発量が多くなって危険性及び有害性が増大するため好ましくない。
また、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物に反応性希釈剤としてモノグリシジルエーテル類を併用した場合には、耐衝撃性等の物性面を改善することができる。これらのモノグリシジルエーテル化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、p−第三ブチルフェノール、p−第三アミルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、オクタデシルフェノール或いはテルペンフェノール等のモノグリシジルエーテルがあげられる。本発明においては特に、炭素原子数4以上の脂肪族又は脂環族炭化水素基により核置換されてなるフェノールのモノグリシジルエーテル類が、弱溶剤への溶解性に優れるため好ましい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ベンジルアルコール、コールタール等の、非反応性希釈剤を併用することができる。
また、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、ガラス繊維、炭素繊維、セルロース、ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末シリカ、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、瀝青物質等の充填剤又は顔料;増粘剤;チキソトロピック剤;難燃剤;消泡剤;防錆剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の常用の添加物を添加してもよく、更に、キシレン樹脂、石油樹脂等の粘着性の樹脂類を併用することもできる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、例えば、コンクリート、セメントモルタル、各種金属、皮革、ガラス、ゴム、プラスチック、木、布、紙等に対する塗料或いは接着剤;包装用粘着テープ、粘着ラベル、冷凍食品ラベル、リムーバブルラベル、POSラベル、粘着壁紙、粘着床材の粘着剤;アート紙、軽量コート紙、キャストコート紙、塗工板紙、カーボンレス複写機、含浸紙等の加工紙;天然繊維、合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の収束剤、ほつれ防止剤、加工剤等の繊維処理剤;シーリング材、セメント混和剤、防水材等の建築材料等、広範な用途に使用することができる。
以下、実施例及び比較例によって本発明の液状アミン系潜在性硬化剤組成物を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
製造例1
還流管の付いた1Lの4つ口フラスコに、ジエチレントリアミン(DETA)103g(1モル)、メチルイソブチルケトン(MIBK)300g(3モル)、トルエン100g、及びp−トルエンスルホン酸(PTS)0.4gを仕込み、100℃で還流脱水を行い、所定量の水を得た。次いで、120℃で2時間減圧脱溶剤を行った後、フェニルグリシジルエーテル(PGE)150gを仕込み、同温度で2時間熟成し、目的化合物であるKE1を得た。得られたKE1のケチミン化率は90%であることが、IR及び収量等から確認された。
製造例2〜8
製造例1で使用したジエチレントリアミン(DETA)を、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3−BAC)、イソホロンジアミン(IPDA)、ジェファーミンD−230(ポリオキシプロピレンジアミン、D−230)に変え、メチルイソブチルケトンをジエチルケトン(DEK)、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)に変え、或いは、フェニルグリシジルエーテル(PGE)をアデカレジンEP−4100E((株)ADEKA製;ビスフェノールA型エポキシ樹脂)に変えた他は製造例1と同様にして、〔表1〕に示した組成からなる目的化合物、KE2〜8を製造した。
Figure 0005361686
比較製造例1
還流管の付いた1Lの4つ口フラスコに、ジエチレントリアミン(DETA)103g(1モル)を仕込んだ後100℃でアデカレジンEP−4100E95gを仕込み、100℃で2時間熟成して、みかけの活性水素当量が44である化合物HA1を得た。
比較製造例2
還流管の付いた1Lの4つ口フラスコに、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3−BAC)142g(1モル)を仕込んだ後、100℃でアデカレジンEP−4100E95gを仕込み、100℃で2時間熟成して、みかけの活性水素当量が68である化合物HA2を得た。
液状潜在性硬化剤組成物の実施例1〜17及び比較例1〜4
〔表2〕〜〔表4〕に示した配合割合で液状潜在性硬化剤組成物を製造し24時間静置した後、全く濁りの無いものを○、濁りを発生したものを△、分離したものを×として相溶性を評価した。

Figure 0005361686
Figure 0005361686
Figure 0005361686
<液状潜在性硬化剤組成物の実施例1〜17及び比較例1〜4を使用した、硬化性エポキシ樹脂組成物の対応する実施例1〜17及び比較例1〜4>
〔表2〕〜〔表4〕に示した配合で製造した液状潜在性硬化剤組成物を使用し、エポキシ樹脂(JERレジン872;ダイマー酸変性エポキシ、エポキシ当量650)100質量部に、〔表5〕〜〔表7〕に示した質量部の液状潜在性硬化剤を配合して硬化性エポキシ樹脂組成物を製造し、これを、ブリキ板上にウエット厚みが200μmとなるように塗布した後、室温で7日間放置した。次いで放置後の試験片を用い、相溶性と鉛筆硬度を評価した。相溶性は、全く濁りの無いものを○、濁りが発生したものを△、相分離が生じたものを×として評価した。
Figure 0005361686
Figure 0005361686
Figure 0005361686
表5〜7の結果から明らかなように、本発明の液状潜在性硬化剤とエポキシ樹脂との相溶性が良いため、比較例の場合より硬化剤を多量に配合しても濁りが発生しないこと、又、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物の低温における硬化性が比較例の場合より良好であることが確認された。
本発明の液状アミン系潜在性硬化剤組成物は、ミネラルスピリットや芳香族系石油混合溶剤等の弱溶剤への溶解性及び希釈安定性に優れているので、シーラー又はプライマー等の用途に好適に使用することができるだけでなく、エポキシ樹脂との相溶性も良くエポキシ樹脂組成物中に従来より多量に配合することができ、これによって得られた本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、リフティング防止性能に優れた下地塗膜に好適であるので、産業上極めて有意義である。

Claims (6)

  1. 下記(A)〜(C)成分を含有してなることを特徴とする液状アミン系潜在性硬化剤組成物;
    (A):アミン化合物のケチミン化物
    (B):下記一般式(I)で表されるアルキル基含有フェノール化合物及びテルペンフェノールの中から選ばれる少なくとも一種のフェノール化合物
    (C):ミネラルスピリット及び沸点が140〜250℃の石油系希釈溶剤の中から選ばれる少なくとも一種の弱溶剤
    Figure 0005361686
    但し、上記一般式中のRは炭素原子数9〜25のアルキル基を表し、nは1〜5の整数を表し、nが2以上の場合におけるRは、それぞれ異なるものでも良い。
  2. 前記ケチミン化物のケチミン化率が90%以上である、請求項1に記載された液状アミン系潜在性硬化剤組成物。
  3. 前記(B)成分であるフェノール化合物の使用量が、(A)成分であるケチミン化合物100質量部に対して0.1〜50質量部である、請求項1又は2に記載された液状アミン系潜在性硬化剤組成物。
  4. 前記(C)成分として使用する弱溶剤の使用量が、(A)成分であるケチミン化合物100質量部に対して10〜1000質量部である、請求項1〜3の何れかに記載された液状アミン系潜在性硬化剤組成物。
  5. エポキシ樹脂及び請求項1〜4の何れかに記載された液状アミン系潜在性硬化剤組成物を含有してなる事を特徴とする、硬化性エポキシ樹脂組成物。
  6. 記液状アミン系潜在性硬化剤組成物の使用量が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して10〜60質量部である、請求項5に記載された硬化性エポキシ樹脂組成物
JP2009275141A 2009-12-03 2009-12-03 液状アミン系潜在性硬化剤組成物 Active JP5361686B2 (ja)

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