JPH06126899A - 接着用複合フィルム - Google Patents

接着用複合フィルム

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JPH06126899A
JPH06126899A JP28015392A JP28015392A JPH06126899A JP H06126899 A JPH06126899 A JP H06126899A JP 28015392 A JP28015392 A JP 28015392A JP 28015392 A JP28015392 A JP 28015392A JP H06126899 A JPH06126899 A JP H06126899A
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JP
Japan
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rubber
film
plastics
molecular weight
adhesive
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Pending
Application number
JP28015392A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Hirakawa
弘 平川
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 相互に接着性をもたない異種のゴム間、異種
のプラスチックス間或いはゴムとプラスチックスとの間
を接着可能にする接着用複合フィルムを提供する。 【構成】 ポリノルボルネンフィルムと削り出し方式に
より作製した超高分子量ポリエチレンフィルムとを接着
一体化し、複合フィルムとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、相互に接着性をもたな
い異種ゴム間、異種プラスチックス間或いはプラスチッ
クスとゴムとの間を接着可能にする接着用複合フィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤ、コンベヤベルト、ホース、ライ
ニング製品等のゴム製品は、複数種類の異なるゴム材料
を重ね合わせて製造されている場合がある。この場合、
加硫速度や架橋形態等を著しく異にするゴム同士のとき
は、両ゴム材料の共加硫性が失われるため強固な接着が
困難である。また、別の問題として、重ね合わされたゴ
ム材料中に含まれる配合薬品が相互に拡散移行して加硫
物性を変化させるため、接着複合体の品質や性能が損な
われるという問題もあった。
【0003】また、高硬度、高剛性のプラスチックスを
ゴムと組み合わせることにより薄肉で軽量化したプラス
チックスとゴムとの複合体を得る試みがある。しかし、
ゴムとプラスチックスの間は接着性が低いため直接接着
させることは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、相互
に接着性をもたない異種のゴム間、異種のプラスチック
ス間或いはゴムとプラスチックスとの間を接着可能にす
る接着用複合フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明の接着用複合フィルムは、ポリノルボルネンフ
ィルムと削り出し方式により作製した超高分子量ポリエ
チレンフィルム(以下超高分子量PEフィルムと称す
る)とを接着一体化した構成からなることを特徴とする
ものである。
【0006】このように接着一体化した両フィルムのう
ち、超高分子量PEフィルムは、後述するように各種の
未加硫のゴム組成物と加硫接着可能であり、また、ポリ
ノルボルネンフィルムは各種のゴム材料やプラスチック
ス材料に対して同様に優れた接着性を有している。した
がって、上記接着用複合フィルムの一方がゴム又はプラ
スチックスの一方には接着するが、他方には接着しない
場合であっても、これらを選択的に接着可能にすること
ができる。本発明に使用するポリノルボルネンは、下記
化1で示される2−ノルボルネンから得られる非結晶性
のガラス転移点 (Tg) 35℃の重合体である。
【0007】 このポリノルボルネンからフィルムを製作する方法とし
ては、ポリノルボルネンの粉末を加圧シンタリングして
フィルムにする方法、ポリノルボルネン粉末を加圧シン
タリングすることにより予め厚いシート又はロッドを製
作し、これを削り出し方式により薄肉に削り出してフィ
ルムにする方法がある。
【0008】また、ポリノルボルネンは100万〜50
0万の範囲の分子量を有するものであることが望まし
い。分子量が100万以上であることによりゴム材料に
対する接着性や接着強度をより一層大きくすることがで
きる。他方、その分子量が500万を越えるものは製造
が困難で工業的に入手し難いため好ましくない。また、
その厚さは100μm〜3mmの範囲にすることが好ま
しい。厚さを100μm以上にすることにより接着強度
を高めることができ、一方、3mm以下にすることによ
り接着部分の柔軟性を確保するようにする。
【0009】本発明において、上記ポリノルボルネンフ
ィルムに接着される削り出し方式により製作した超高分
子量PEフィルムとは、超高分子量のポリエチレン粉末
を加熱加圧シンタリングして円柱状の成形物を作製し、
この成形物をその周方向に薄肉に削ってフィルム状に切
り出したものをいう。本発明に使用する超高分子量PE
フィルムは、分子量100万以上のポリエチレンからな
るものがよい。この分子量が100万以上であることに
より、ゴム材料に対する接着性をより一層向上すること
ができる。また、超高分子量PEフィルムの厚さは10
〜600μmの範囲であることが好ましい。この厚さを
10μm以上にすることにより引張強度や弾性率を大き
くし、補強効果を付与することができる。一方、600
μm以下にすることにより接着部分の柔軟性を確保する
ことができる。
【0010】上述したポリノルボルネンフィルムと超高
分子量PEフィルムとからなる接着用複合フィルムは、
両フィルムを重ね合わせて超高分子量PEの融点(13
5℃)以上の温度で圧着させることにより製造すること
ができる。このような135℃以上の高温圧着処理によ
り、加熱温度がポリノルボルネンフィルムのガラス転移
点(Tg=35℃)以上に達してポリノルボルネンフィ
ルムが軟化してゴム状態になっても、超高分子量PEフ
ィルムの剛性によって接着用複合フィルムは良好な施工
性を確保することができる。
【0011】本発明の接着用複合フィルムは、そのポリ
ノルボルネンフィルム側が天然ゴム(NR)、スチレン
−プタジエン共重合体ゴム(SBR)、エチレン−プロ
ピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、クロロ
プレンゴム(CR)等の汎用ゴム、クロルスルホン化ポ
リエチレンゴム(CSM)、アクリルゴム(ACM)、
フッ素ゴム(FKM)、エピクロルヒドリンゴム(CH
C)等の高機能性ゴムを原料ゴムとして含有するゴム材
料に対して優れた接着性を有している。また、エポキシ
樹脂組成物、ナイロン11等からなるプラスチックス材
料、特にエポキシ樹脂組成物からなるプラスチックス材
料に対して優れた接着性を有している。
【0012】他方、超高分子量PEフィルム側は、臨界
界面張力γcが25〜32ミリニュートン/ミリメート
ル(以下mN/mと略す)の原料ゴム、例えばイソブチ
レン−イソプレン共重合体ゴム (IIR, γc =27m
N/m) 、EPDM(γc =28mN/m) 、NR(γ
c =31mN/m) 、SBR(γc =33mN/m)等
を含有する未加硫のゴム組成物並びにポリプロピレンと
EPDM又はアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴ
ム(NBR)との混合物を含有するゴム材料に対して優
れた接着性を有している。
【0013】ここで、臨界界面張力γcとは、昭和53年
8月20日、丸善株式会社発行「化学便覧」基礎編II
(第3刷),第618頁に記載されているように、固体
面上で液体炭化水素その他の有機液体化合物の同族列が
示す接触角をθ、その液体の表面張力をγとすると、co
s θとγとの関係は同族体の種類に関せず大体一本の直
線となる。このとき、θ=0、すなわちcos θ=1に相
当するγc として定義される。ただし、本発明に定義す
る原料ゴムの臨界表面張力γc は、上記固体の代わり
に、γc を測定しようとするゴムを熱プレスにより平坦
にしたゴムサンプルを使用して同様に測定した値をい
う。
【0014】本発明の接着用複合フィルムの使用方法
は、上記原料ゴムを含有する未加硫のゴム材料相互間、
未硬化のプラスチックス材料相互間又は未加硫のゴム材
料と未硬化のプラスチックス材料との間に介挿し、加圧
状態で、超高分子量PEフィルムの融点(135℃)以
上の温度に加熱し、未加硫のゴム材料の共加硫、未硬化
のプラスチックス材料の共硬化及び未加硫のゴム材料と
未硬化のプラスチックス材料の共加硫−硬化により容易
に接着させることができる。また、フィルムであるた
め、ゴム−ゴム間の配合薬品の接着後の拡散移行を防止
するのでゴム−ゴム相互の共加硫性や加硫条件に関係な
く接着させることが可能である。
【0015】接着条件としては、ポリノルボルネンのガ
ラス転移点(Tg=35℃)プラス50℃以上で、未加
硫のゴム材料の加硫可能な、かつ未硬化のプラスチック
ス材料の硬化可能な温度で、好ましくはモールドの中で
プレス下に加熱するのがよい。加熱温度の下限は、未加
硫ゴム材料を加硫し、未硬化のプラスチックス材料を硬
化するのに十分な130℃以上の温度にするのがよく、
上限はポリノルボルネンフィルムやゴム材料を変質させ
る240℃以下の温度にすることが望ましい。
【0016】
【実施例】
実施例1〜7 厚さ約0.5mmのポリノルボルネン (分子量約300
万) フィルムと厚さ約0.2mmの超高分子量PE (分
子量約300万) フィルムとを重ね合わせて20kgf
/cm2 の加圧下、150℃で10分間加熱し、接着用
複合フィルムを製造した。
【0017】表1に示す配合組成を有する5種類のゴム
組成物を調製し、これらゴム組成物No.1 (原料ゴムN
R/SBR) 、No.2 (原料ゴムEPDM) 、No.3
(原料ゴムNBR) 、No.4 (原料ゴムACM) 、No.
5 (原料ゴムFKM) を用いて、それぞれ150mm×
50mm×2. 5mmのゴムシートに成形した。表2に
示す組み合わせのゴムシートの間に、前記接着用複合フ
ィルムをその超高分子量PEフィルム側がゴムシートA
に接するように介挿し、20kgf/cm2 の加圧状態
で170℃の温度で20分間加熱共加硫した。得られた
7種類の実施例1〜7のゴム−ゴム接着複合体の接着性
を下記の方法により評価し、その結果を表2に示した。
【0018】 表1中の数値は、いずれも重量部である。
【0019】また、*1 :N−フェニル−N' −イソプ
ロピル−p−フェニレンジアミン *2 :老化防止剤445 *3 :N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェ
ンアミド *4 :テトラメチルチウラムジスルフィド *5 :2−メルカプトベンゾチアゾール *6 :エチレンチオウレア *7 :ジフェニルグァニジン *8 :テトラチウラムモノサルファイド *9 :加硫剤添加FRM(日本ゼオン社製FKM FO
R 65B1)接着性の評価方法 :ゴム−ゴム、プラスチックス−プラ
スチックス、ゴム−プラスチックスの各接着複合体の接
着性は、接着力の大きさで評価するのは正確ではない。
そこで、幅20mmのサンプルを作製して剥離テストを
行い、界面剥離が起こった場合にはたとえ接着力が高く
ても不良 (×) と評価した。他方、界面剥離を起さなか
った場合は、接着複合体の接着界面を中心にして約0.
5mmの厚さのシートをカミソリにて切り出し、その接
着界面付近にカミソリで傷を入れて剥離テストを行い、
ゴムシートが内部で凝集破壊を起こすほどに強固に接着
している場合を接着性良好 (○) と評価した。
【0020】 表2から実施例7の汎用ゴム同士、実施例1〜6の汎用
ゴムと特殊ゴムとの組み合わせのいずれのゴム−ゴム接
着複合体も良好な接着性を有していることが判る。
【0021】実施例8,9、比較例1,2 未硬化のエポキシ樹脂組成物として、シェル化学社製の
ビスフェノールA型エポキシ樹脂,エピコート828を
500g、ダウケミカル社製の臭素化ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、DER511を500g、両末端にカ
ルボキシル基を有するブタジエン−アクリロニトリル共
重合体とグリシジルアミン型エポキシ樹脂との反応生成
物〔この反応生成物は、150gのB.F.グッドリッ
チ社製のハイカーCTNB,1300×13と、100
gのチバガイギー社製のエポキシ樹脂アラルダイトMY
720とからなる混合物に0.4gのトリフェニルホス
フィンを添加し、170℃で1時間反応させたもの〕を
150g、日本ゼオン社製ニトリルゴム、ニポール10
72を50g、硬化剤のジシアンアミド(DICY)を
40g、硬化促進剤の3−(3,4−ジクロルフェノー
ル)−1,1’−ジメチル尿素(DMU)を50gを、
それぞれ配合したものを使用した。このエポキシ樹脂組
成物は、アセトンとセロソルブとの混合溶剤に溶解し、
50重量%の濃度の溶液とした。この溶液を平織カーボ
ン繊維クロスに200g/m2 の量含浸させた後1時間
乾燥して樹脂含有量42体積%、150mm×50mm
×0.05mmの大きさの未硬化の平織カーボン繊維ク
ロスプリプレグに成形した。
【0022】上記未硬化の平織カーボン繊維クロスプリ
プレグを実施例1〜7の接着用複合フィルムのB側に配
置し、A側に実施例1のゴム組成物1,2からなる各未
加硫のゴムシートとを、それぞれ直接積層し、加圧下に
160℃で20分間加熱し、平織カーボン繊維クロスプ
リプレグを硬化させると共に上記ゴムシートを加硫し、
実施例8,9のゴム−プラスチックス接着複合体を製作
した。
【0023】また、比較のため実施例8において、平織
カーボン繊維クロスプリプレグを予め硬化させたものを
使用した以外は同一の比較例1のゴム−プラスチックス
接着複合体、実施例9において、前記接着用複合フィル
ムを使用しない以外は同一の比較例2のゴム−プラスチ
ックス接着複合体をそれぞれ製作した。これら実施例
8,9及び比較例1,2のゴム−プラスチックス接着複
合体の接着性を上記方法に従って評価し、その結果を表
3に示した。
【0024】 表3から、実施例8〜9は、いずれも良好な接着性を有
していた。これに対し、比較例1のように、平織カーボ
ン繊維クロスプリプレグを予め硬化させたり、比較例2
のように、接着用複合フィルムを使用しない場合は、良
好な接着性が得られなくなる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、ポリノルボルネンフィ
ルムと超高分子量PEフィルムとを接着一体化した構成
からなるので、相互に接着性をもたない異なるゴムーゴ
ム間、プラスチックス−プラスチックス間及びゴムプラ
スチックス間を接着可能にし、その適用範囲を著しく拡
大することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリノルボルネンフィルムと削り出し方
    式により作製した超高分子量ポリエチレンフィルムとを
    接着一体化した接着用複合フィルム。
JP28015392A 1992-10-19 1992-10-19 接着用複合フィルム Pending JPH06126899A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003003019A (ja) * 2001-06-18 2003-01-08 Mitsui Chemicals Inc 切削フィルム用超高分子量ポリエチレン樹脂組成物、切削フィルム用厚肉成形体、超高分子量ポリエチレン切削フィルムの製造方法および切削フィルム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003003019A (ja) * 2001-06-18 2003-01-08 Mitsui Chemicals Inc 切削フィルム用超高分子量ポリエチレン樹脂組成物、切削フィルム用厚肉成形体、超高分子量ポリエチレン切削フィルムの製造方法および切削フィルム

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