JP3213404B2 - ナイロン樹脂とゴムとの接着複合体及びその製造方法 - Google Patents
ナイロン樹脂とゴムとの接着複合体及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ナイロン11又は12
樹脂とゴムとの接着複合体及びその製造方法に関する。
樹脂とゴムとの接着複合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ナイロン11又は12樹脂は、高強度,
高弾性で、靭性に富み、金属に比較して軽量なエンジニ
アリングプラスチックスであるため、機械部品等におい
て単独で広く使用されている。このような優れた物性を
有するナイロン11又は12樹脂をゴムと接着して複合
体にすることができれば、両材料の特性を兼備する高性
能で軽量な材料を得ることができ、例えばタイヤ、免振
ゴム支承、ゴムロール等に利用できる可能性があるた
め、その工業的メリットは極めて大きい。
高弾性で、靭性に富み、金属に比較して軽量なエンジニ
アリングプラスチックスであるため、機械部品等におい
て単独で広く使用されている。このような優れた物性を
有するナイロン11又は12樹脂をゴムと接着して複合
体にすることができれば、両材料の特性を兼備する高性
能で軽量な材料を得ることができ、例えばタイヤ、免振
ゴム支承、ゴムロール等に利用できる可能性があるた
め、その工業的メリットは極めて大きい。
【0003】しかしながら、ナイロン11又は12樹脂
は、ゴムに対する接着性が悪く、強固に接着させること
が難しい。従来、接着剤を利用する接着方法として、ナ
イロン11又は12樹脂を、予め化学的酸化処理等によ
り表面処理した後、その処理面にエポキシ系接着剤やイ
ソシアナート系接着剤を塗布してゴム材料を接着する方
法がある。しかし、この接着方法は、接着剤層が硬くな
って靭性のないものになるため、動的に強固に接着させ
ることができない。そのため、ナイロン11又は12樹
脂とゴムとの両材料の優れた靭性、可撓性及び弾性が損
なわれ、しかも、前記接着剤層が屈曲により容易に割れ
を生じるため、耐久性のある接着性は得られなかった。
は、ゴムに対する接着性が悪く、強固に接着させること
が難しい。従来、接着剤を利用する接着方法として、ナ
イロン11又は12樹脂を、予め化学的酸化処理等によ
り表面処理した後、その処理面にエポキシ系接着剤やイ
ソシアナート系接着剤を塗布してゴム材料を接着する方
法がある。しかし、この接着方法は、接着剤層が硬くな
って靭性のないものになるため、動的に強固に接着させ
ることができない。そのため、ナイロン11又は12樹
脂とゴムとの両材料の優れた靭性、可撓性及び弾性が損
なわれ、しかも、前記接着剤層が屈曲により容易に割れ
を生じるため、耐久性のある接着性は得られなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ナイ
ロン11又は12樹脂とゴムとが強固に接着した接着複
合体及びその製造方法を提供することにある。
ロン11又は12樹脂とゴムとが強固に接着した接着複
合体及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明は、ナイロン11又は12樹脂と臨界表面張力
γcが28〜38ミリニュートン/メートル(以下、m
N/mと略記する)の原料ゴムからなるゴム組成物と
を、下記の式(I)で表される2−ノルボルネンの重合
体であるポリノルボルネン層を介して接着一体化した複
合体とするものである。
る本発明は、ナイロン11又は12樹脂と臨界表面張力
γcが28〜38ミリニュートン/メートル(以下、m
N/mと略記する)の原料ゴムからなるゴム組成物と
を、下記の式(I)で表される2−ノルボルネンの重合
体であるポリノルボルネン層を介して接着一体化した複
合体とするものである。
【化2】
【0006】また、このような複合体の製造方法は、ナ
イロン11又は12樹脂にポリノルボルネン層を前記ナ
イロン11又は12樹脂の融点以上に加熱させて融着さ
せ、該ポリノルボルネン層に臨界表面張力γcが28〜
38mN/mの原料ゴムからなる未加硫ゴム組成物を積
層し、該未加硫ゴム組成物の加硫温度以上の温度に加熱
する方法或いはナイロン11又は12樹脂と臨界表面張
力γcが28〜38mN/mの原料ゴムからなる未加硫
ゴム組成物との間にポリノルボルネン層を介在させ、前
記ナイロン11又は12樹脂の融点以上で、かつ前記未
加硫ゴム組成物の加硫温度以上の温度に加熱する方法を
特徴とするものである。
イロン11又は12樹脂にポリノルボルネン層を前記ナ
イロン11又は12樹脂の融点以上に加熱させて融着さ
せ、該ポリノルボルネン層に臨界表面張力γcが28〜
38mN/mの原料ゴムからなる未加硫ゴム組成物を積
層し、該未加硫ゴム組成物の加硫温度以上の温度に加熱
する方法或いはナイロン11又は12樹脂と臨界表面張
力γcが28〜38mN/mの原料ゴムからなる未加硫
ゴム組成物との間にポリノルボルネン層を介在させ、前
記ナイロン11又は12樹脂の融点以上で、かつ前記未
加硫ゴム組成物の加硫温度以上の温度に加熱する方法を
特徴とするものである。
【0007】このように、式(I)で表される2−ノル
ボルネンの重合体であるポリノルボルネンは、ナイロン
11又は12樹脂と特定のγcを有する原料ゴムとの両
方に対して優れた接着性を有し、しかもそれ自体が良好
なゴム弾性を有するので、ゴム材料に対し、そのゴム特
性を損なうことなく、ナイロン樹脂の良好な高強度、高
弾性、高靭性を付与することができる。 本発明におい
て、臨界表面張力γcとは、鋭利な剃刀に水を付けて平
坦に切断して原料ゴムをゴムサンプルとし、このゴムサ
ンプルの表面上で液体炭化水素その他の有機液体化合物
の同族列が示す接触角をθ、それら液体の同族列の表面
張力をγとして、cos θとγとをプロットすると、前記
同族列の種類に関係しない略一本の直線が得られるが、
この直線において、θ=0、すなわちcos θ=1に相当
するγcをいう(昭和53年8 月20日、丸善株式会社発行
「化学便覧」基礎偏II(第3刷),第618頁参
照)。
ボルネンの重合体であるポリノルボルネンは、ナイロン
11又は12樹脂と特定のγcを有する原料ゴムとの両
方に対して優れた接着性を有し、しかもそれ自体が良好
なゴム弾性を有するので、ゴム材料に対し、そのゴム特
性を損なうことなく、ナイロン樹脂の良好な高強度、高
弾性、高靭性を付与することができる。 本発明におい
て、臨界表面張力γcとは、鋭利な剃刀に水を付けて平
坦に切断して原料ゴムをゴムサンプルとし、このゴムサ
ンプルの表面上で液体炭化水素その他の有機液体化合物
の同族列が示す接触角をθ、それら液体の同族列の表面
張力をγとして、cos θとγとをプロットすると、前記
同族列の種類に関係しない略一本の直線が得られるが、
この直線において、θ=0、すなわちcos θ=1に相当
するγcをいう(昭和53年8 月20日、丸善株式会社発行
「化学便覧」基礎偏II(第3刷),第618頁参
照)。
【0008】本発明に使用するナイロン11又は12樹
脂は、市販のものを使用することができる。これらナイ
ロン11又は12樹脂には、ガラス繊維、炭素繊維等の
無機繊維、アラミド繊維等の有機繊維で補強し、剛性を
向上した繊維補強プラスチックスであってもよい。ま
た、柔軟性を向上するため、可塑剤を混合したものであ
ってもよい。
脂は、市販のものを使用することができる。これらナイ
ロン11又は12樹脂には、ガラス繊維、炭素繊維等の
無機繊維、アラミド繊維等の有機繊維で補強し、剛性を
向上した繊維補強プラスチックスであってもよい。ま
た、柔軟性を向上するため、可塑剤を混合したものであ
ってもよい。
【0009】本発明において、上記ナイロン11又は1
2樹脂と接着させるゴム組成物としては、γcが28〜
38mN/mの原料ゴムから構成することが重要であ
る。γcが上記範囲外の原料ゴムを使用したのでは、た
とえポリノルボルネン層を介在させてもナイロン11又
は12樹脂に強固に接着させることができない。上記範
囲のγcを有する原料ゴムの例としては、エチレン−プ
ロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM,γc =
28mN/m)、天然ゴム(NR,γc =31mN/
m)、ポリブタジエンゴム(BR,γc =32mN/
m)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR,γ
c =33mN/m)等を挙げることができる。 本発明
において、接着層として使用するポリノルボルネンと
は、下記化1で示される2−ノルボルネンから得られる
非結晶性のガラス転移点(Tg)35℃の重合体のこと
をいう。
2樹脂と接着させるゴム組成物としては、γcが28〜
38mN/mの原料ゴムから構成することが重要であ
る。γcが上記範囲外の原料ゴムを使用したのでは、た
とえポリノルボルネン層を介在させてもナイロン11又
は12樹脂に強固に接着させることができない。上記範
囲のγcを有する原料ゴムの例としては、エチレン−プ
ロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM,γc =
28mN/m)、天然ゴム(NR,γc =31mN/
m)、ポリブタジエンゴム(BR,γc =32mN/
m)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR,γ
c =33mN/m)等を挙げることができる。 本発明
において、接着層として使用するポリノルボルネンと
は、下記化1で示される2−ノルボルネンから得られる
非結晶性のガラス転移点(Tg)35℃の重合体のこと
をいう。
【0010】
【0011】このポリノルボルネンには、硫黄等の加硫
剤や加硫促進剤、加硫助剤を配合した混合物であっても
よい。このポリノルボルネンは、接着層に使うときは、
予めフィルム状又は粉末状にし、しかも化学反応が生じ
ない温度、例えば加硫剤等を添加した場合は100℃以
下の温度に保持するのがよく、ポリノルボルネンになに
も添加しない場合には200℃以下にするのがよい、ま
た、ポリノルボルネンは100万〜500万の分子量を
有するものであることが望ましい。分子量が100万以
上であることにより上記ナイロン11又は12樹脂とゴ
ム材料との接着強度をより一層大きくすることができ
る。しかし、分子量が500万を越えるものは製造が困
難で、工業的に入手し難い。また、フィルム状にすると
きの厚さは100μm〜3mmの範囲のものが好まし
い。厚さを100μm以上にすることにより接着強度を
高めることができる。しかし、3mmを越えると接着層
が厚くなりすぎて経済上好ましくない。
剤や加硫促進剤、加硫助剤を配合した混合物であっても
よい。このポリノルボルネンは、接着層に使うときは、
予めフィルム状又は粉末状にし、しかも化学反応が生じ
ない温度、例えば加硫剤等を添加した場合は100℃以
下の温度に保持するのがよく、ポリノルボルネンになに
も添加しない場合には200℃以下にするのがよい、ま
た、ポリノルボルネンは100万〜500万の分子量を
有するものであることが望ましい。分子量が100万以
上であることにより上記ナイロン11又は12樹脂とゴ
ム材料との接着強度をより一層大きくすることができ
る。しかし、分子量が500万を越えるものは製造が困
難で、工業的に入手し難い。また、フィルム状にすると
きの厚さは100μm〜3mmの範囲のものが好まし
い。厚さを100μm以上にすることにより接着強度を
高めることができる。しかし、3mmを越えると接着層
が厚くなりすぎて経済上好ましくない。
【0012】本発明のナイロン−ゴム接着複合体の製造
方法としては、ナイロン11又は12樹脂の成形体に、
上述のようにして得たポリノルボルネンフィルムを積層
するか、又は粉末を均一に散布し、ナイロン11の融点
(175℃)以上又はナイロン12の融点(178℃)
以上の温度に加熱してポリノルボルネンフィルム又は粉
末を融着させる。次いで、そのように融着したポリノル
ボルネン層に、上記γcの原料ゴムからなる未加硫ゴム
組成物を積層し、130〜200℃の加硫温度に加熱し
て加硫を行うと共に接着させる。
方法としては、ナイロン11又は12樹脂の成形体に、
上述のようにして得たポリノルボルネンフィルムを積層
するか、又は粉末を均一に散布し、ナイロン11の融点
(175℃)以上又はナイロン12の融点(178℃)
以上の温度に加熱してポリノルボルネンフィルム又は粉
末を融着させる。次いで、そのように融着したポリノル
ボルネン層に、上記γcの原料ゴムからなる未加硫ゴム
組成物を積層し、130〜200℃の加硫温度に加熱し
て加硫を行うと共に接着させる。
【0013】また、ナイロン11又は12樹脂と上記γ
cの原料ゴムからなる未加硫ゴム組成物との間に、ポリ
ノルボルネンフィルム又は粉末を挟持させ、ナイロン1
1又はナイロン12の融点以上の温度に加熱し、融着さ
せると同時に加硫を行って接着させるようにすることも
できる。上記いずれの方法においても、加熱温度を高く
し過ぎると、ポリノルボルネンが僅かにではあるが熱分
解し、十分な接着強度が得られなくなるから、200℃
以下で加熱することが望ましい。
cの原料ゴムからなる未加硫ゴム組成物との間に、ポリ
ノルボルネンフィルム又は粉末を挟持させ、ナイロン1
1又はナイロン12の融点以上の温度に加熱し、融着さ
せると同時に加硫を行って接着させるようにすることも
できる。上記いずれの方法においても、加熱温度を高く
し過ぎると、ポリノルボルネンが僅かにではあるが熱分
解し、十分な接着強度が得られなくなるから、200℃
以下で加熱することが望ましい。
【0014】
実施例1 表1に示す配合組成を有する6種類のゴム組成物を調製
し、これらゴム組成物No.1 (原料ゴム:IIR,γc
=27)、No.2 (原料ゴム:EPDM,γc28) 、
No.3 (原料ゴム:NR,γc=31) 、No.4 (原料
ゴム:SBR,γc=33) 、No.5 (原料ゴム:C
R,γc=38) 、No.6 (原料ゴム:NBR,γc=
39) を用いて、それぞれ 150mm×50mm×
2. 5mmの未加硫ゴムシートに成形した。
し、これらゴム組成物No.1 (原料ゴム:IIR,γc
=27)、No.2 (原料ゴム:EPDM,γc28) 、
No.3 (原料ゴム:NR,γc=31) 、No.4 (原料
ゴム:SBR,γc=33) 、No.5 (原料ゴム:C
R,γc=38) 、No.6 (原料ゴム:NBR,γc=
39) を用いて、それぞれ 150mm×50mm×
2. 5mmの未加硫ゴムシートに成形した。
【0015】また、市販のナイロン11樹脂板を切断し
て150mm×50mm×2. 5mmの樹脂板を製作し
た。さらに、分子量約300万のポリノルボルネンの粉
末を160℃で10分間熱プレスシンタリングして厚さ
約0.5mmのフィルムを作製した。上記ナイロン11
樹脂板とまずはじめに、上記ポリノルボルネンフィルム
とを積層し、190℃,10分間加熱して融着接着させ
た後、そのポリノルボルネンフィルム側にに上記未加硫
ゴムシートを積層し、20kgf/cm2 の加圧下、1
60℃で20分間加熱し、6種類のナイロン−ゴム複合
体A,B,C,D,E及びFをそれぞれ製作した。
て150mm×50mm×2. 5mmの樹脂板を製作し
た。さらに、分子量約300万のポリノルボルネンの粉
末を160℃で10分間熱プレスシンタリングして厚さ
約0.5mmのフィルムを作製した。上記ナイロン11
樹脂板とまずはじめに、上記ポリノルボルネンフィルム
とを積層し、190℃,10分間加熱して融着接着させ
た後、そのポリノルボルネンフィルム側にに上記未加硫
ゴムシートを積層し、20kgf/cm2 の加圧下、1
60℃で20分間加熱し、6種類のナイロン−ゴム複合
体A,B,C,D,E及びFをそれぞれ製作した。
【0016】 上記表中、各欄の数値は、いずれも重量部である。
【0017】また、*1 :N−フェニル−N' −イソプ
ロピル−p−フェニレンジアミン *2 :N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェ
ンアミド *3 :テトラメチルチウラムモノスルフィド *4 :ベンゾチアジルジスルフィド *5 :エチレンチオウレア *6 :ジフェニルグアニジン *7 :テトラメチルチウラムモノサルファイド これら6種類のナイロン−ゴム接着複合体A,B,C,
D,E,Fの接着性を下記の方法により評価した。
ロピル−p−フェニレンジアミン *2 :N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェ
ンアミド *3 :テトラメチルチウラムモノスルフィド *4 :ベンゾチアジルジスルフィド *5 :エチレンチオウレア *6 :ジフェニルグアニジン *7 :テトラメチルチウラムモノサルファイド これら6種類のナイロン−ゴム接着複合体A,B,C,
D,E,Fの接着性を下記の方法により評価した。
【0018】接着性の評価方法:ナイロン−ゴム複合体
の接着性は、接着力の大きさで評価するのは正確ではな
い。そこで、幅20mmのサンプルを作製して剥離テス
トを行い、界面剥離が起こった場合にはたとえ接着力が
高くても不良 (×) と評価した。他方、界面剥離を起さ
なかった場合は、複合体の接着界面を中心にして約0.
5mmの厚さのシートをカミソリにて切り出し、その接
着界面付近にカミソリで傷を入れて剥離テストを行い、
ゴムシートが内部で凝集破壊を起こすほどに強固に接着
している場合を接着性良好 (○) と評価した。
の接着性は、接着力の大きさで評価するのは正確ではな
い。そこで、幅20mmのサンプルを作製して剥離テス
トを行い、界面剥離が起こった場合にはたとえ接着力が
高くても不良 (×) と評価した。他方、界面剥離を起さ
なかった場合は、複合体の接着界面を中心にして約0.
5mmの厚さのシートをカミソリにて切り出し、その接
着界面付近にカミソリで傷を入れて剥離テストを行い、
ゴムシートが内部で凝集破壊を起こすほどに強固に接着
している場合を接着性良好 (○) と評価した。
【0019】その結果、ナイロン−ゴム複合体B,C,
D,Eは、いずれも接着性良好(○)であったが、ナイ
ロン−ゴム複合体A及びFは接着性不良(×)であっ
た。また、上記ポリノルボルネンフィルムに代えて、そ
の粉末をそのまま上記ナイロン11樹脂板と各未加硫ゴ
ムシートとの間に均一に散布して積層した後、同様に2
0kgf/cm2 の加圧下、190℃で10分間加熱
し、ナイロン−ゴム複合体A’,B’,C’,D’,
E’,F’をそれぞれ製作した。これらの接着性を上述
の方法により評価した。その結果、ナイロン−ゴム複合
体B’,C’,D’,E’は接着性良好(○)であった
のに対し、ナイロン−ゴム複合体A’,F’は接着性不
良(×)であった。
D,Eは、いずれも接着性良好(○)であったが、ナイ
ロン−ゴム複合体A及びFは接着性不良(×)であっ
た。また、上記ポリノルボルネンフィルムに代えて、そ
の粉末をそのまま上記ナイロン11樹脂板と各未加硫ゴ
ムシートとの間に均一に散布して積層した後、同様に2
0kgf/cm2 の加圧下、190℃で10分間加熱
し、ナイロン−ゴム複合体A’,B’,C’,D’,
E’,F’をそれぞれ製作した。これらの接着性を上述
の方法により評価した。その結果、ナイロン−ゴム複合
体B’,C’,D’,E’は接着性良好(○)であった
のに対し、ナイロン−ゴム複合体A’,F’は接着性不
良(×)であった。
【0020】実施例2 実施例1において、ナイロン11樹脂に代えて、ナイロ
ン12樹脂からなる150mm×50mm×2. 5mm
の樹脂板と、実施例1と同じゴム組成物1〜6からなる
各未加硫ゴムシートとを、ポリノルボルネンフィルムを
介して積層し、20kgf/cm2 の加圧下、190℃
で10分間加熱し、ナイロン−ゴム接着複合体イ,ロ,
ハ,ニ,ホ,ヘを製作した。これら6種類のナイロン−
ゴム複合体の接着性を上述の方法により評価した。その
結果、ナイロン−ゴム複合体ロ,ハ,ニ,ホは接着性良
好(○)であったが、ナイロン−ゴム複合体イ及びヘは
接着性不良(×)であった。
ン12樹脂からなる150mm×50mm×2. 5mm
の樹脂板と、実施例1と同じゴム組成物1〜6からなる
各未加硫ゴムシートとを、ポリノルボルネンフィルムを
介して積層し、20kgf/cm2 の加圧下、190℃
で10分間加熱し、ナイロン−ゴム接着複合体イ,ロ,
ハ,ニ,ホ,ヘを製作した。これら6種類のナイロン−
ゴム複合体の接着性を上述の方法により評価した。その
結果、ナイロン−ゴム複合体ロ,ハ,ニ,ホは接着性良
好(○)であったが、ナイロン−ゴム複合体イ及びヘは
接着性不良(×)であった。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、ポリノルボルネンを接
着層として使用することにより、ナイロン11又は12
樹脂と特定のγcを有する原料ゴムからなるゴム組成物
とを強固に接着することができ、ナイロン11又は12
樹脂の優れた機械的特性をゴムに対して、そのゴム特性
を損なうことなく付加した複合体を得ることができる。
着層として使用することにより、ナイロン11又は12
樹脂と特定のγcを有する原料ゴムからなるゴム組成物
とを強固に接着することができ、ナイロン11又は12
樹脂の優れた機械的特性をゴムに対して、そのゴム特性
を損なうことなく付加した複合体を得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ナイロン11又は12樹脂と臨界表面張
力γcが28〜38ミリニュートン/メートルの原料ゴ
ムからなるゴム組成物とを、下記の式(I)で表される
2−ノルボルネンの重合体であるポリノルボルネン層を
介して接着一体化したナイロン樹脂とゴムとの接着複合
体。 【化1】 - 【請求項2】ナイロン11又は12樹脂に請求項1記載
の式(I)で表される2−ノルボルネンの重合体である
ポリノルボルネン層を前記ナイロン11又は12樹脂の
融点以上に加熱させて融着させ、該ポリノルボルネン層
に臨界表面張力γcが28〜38ミリニュートン/メー
トルの原料ゴムからなる未加硫ゴム組成物を積層し、該
未加硫ゴム組成物の加硫温度以上の温度に加熱すること
を特徴とするナイロン樹脂とゴムとの接着複合体の製造
方法。 - 【請求項3】ナイロン11又は12樹脂と臨界表面張力
γcが28〜38ミリニュートン/メートルの原料ゴム
からなる未加硫ゴム組成物との間に請求項1記載の式
(I)で表される2−ノルボルネンの重合体であるポリ
ノルボルネン層を介在させ、前記ナイロン11又は12
樹脂の融点以上で、かつ前記未加硫ゴム組成物の加硫温
度以上の温度に加熱することを特徴とするナイロン樹脂
とゴムとの接着複合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28315492A JP3213404B2 (ja) | 1992-10-21 | 1992-10-21 | ナイロン樹脂とゴムとの接着複合体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28315492A JP3213404B2 (ja) | 1992-10-21 | 1992-10-21 | ナイロン樹脂とゴムとの接着複合体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06126895A JPH06126895A (ja) | 1994-05-10 |
JP3213404B2 true JP3213404B2 (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=17661905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28315492A Expired - Fee Related JP3213404B2 (ja) | 1992-10-21 | 1992-10-21 | ナイロン樹脂とゴムとの接着複合体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3213404B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004042486A (ja) * | 2002-07-12 | 2004-02-12 | Daicel Degussa Ltd | 複合体及びその製造方法 |
JP6405640B2 (ja) * | 2014-02-06 | 2018-10-17 | 住友ベークライト株式会社 | 積層フィルム |
-
1992
- 1992-10-21 JP JP28315492A patent/JP3213404B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06126895A (ja) | 1994-05-10 |
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