JPH0612617U - 鉄骨鉄筋コンクリート梁の上部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】鉄骨梁がデッキプレート用受けアングルを支持
する形式のものにおいて、鉄骨梁の運搬時におけるガセ
ットプレートの損傷が生じないようにするとともに、配
筋作業を容易にする。 【構成】端部１３ａにデッキプレート用受けアングル１
０が取り付けられる連結手段１３を、鉄骨梁２の上部フ
ランジ７上に固設したガセットプレート１２に取り付け
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、鉄骨鉄筋コンクリート造における梁の上部構造に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

最近、鉄骨鉄筋コンクリート造の施工においても、その施工手間の省力化など のためにスラブにデッキプレートを使用するようになっている。そしてこの場合 、鉄骨鉄筋コンクリート造として構築される梁部とデッキプレートとの取り合い は図２に示すようにしている。この図中１は鉄骨鉄筋コンクリート造として構築 される梁部で、該梁部１は鉄骨梁２、上端筋や下端筋などの梁方向に亘る鉄筋３ 、そしてスターラップ４とからなり、コンクリートが打設されるものである。ま た５はスラブであり、該スラブ５はデッキプレート６を型としてその上方にコン クリートが打設されるものである。そして前記鉄骨梁２の上部フランジ７の下面 からウエブ８の側面に亘り溶着されたガセットプレート９，９が側方に張り出す ようにして設けられ、その先端それぞれにデッキプレート用受けアングル１０， １０を取り付けて、鉄骨梁２がデッキプレート用受けアングル１０を支持するよ うにしており、このデッキプレート用受けアングル１０にデッキプレート６を乗 せ、溶接するなどして連結している。 なお、１１は梁部の型枠を示す。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した鉄骨梁においては工場でガセットプレートを溶着して 搬入されることが多く、その場合、つぎのような問題が生じていた。すなわち、 運搬時に張り出しているガセットプレートが損傷し易く、現場でその補修をしな ければならない。また梁の配筋、特にスターラップの施工が非常に行い難くなり 、スパイラル筋にいたっては使用できないものであった。

【０００４】 そこで本考案は上記した事情に鑑み、ガセットプレートを大きく張り出さず、 梁の配筋にも邪魔にならないようにすることを課題とし、鉄骨梁が上記デッキプ レート用受けアングルを支持する形式のものにおいて、鉄骨梁の運搬時における ガセットプレートの損傷が生じないようにするとともに、配筋作業を容易にする ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記した課題を考慮してなされたもので、鉄骨鉄筋コンクリート造に より構築する梁部であって、該梁部の鉄骨梁が、デッキプレート用受けアングル を支持するようにした梁部において、端部に上記デッキプレート用受けアングル が取り付けられる連結手段を、上記鉄骨梁の上部フランジ上に固設したガセット プレートに取り付けるようにすることによって、上記課題を解消するものである 。

【０００６】

【作用】

本考案において、連結手段をガセットプレートに取り付ける前は、鉄骨梁の上 部フランジ上にガセットプレートのみが位置することになり、そしてそのガセッ トプレートは連結手段を取り付けるためのものであることから、小さなものとな る。また、この状態で鉄骨梁を吊り込んで架設しても配筋作業に前記ガセットプ レートが邪魔にならないようになる。そして連結手段を取付けると、デッキプレ ート用受けアングルの取付が行えるようになる。

【０００７】

【実施例】

つぎに本考案を図１に示す一実施例に基づいて詳細に説明する。なお、図２に 示す従来例と構成が重複する部分は同符号を付してその説明を省略する。 梁部１において、鉄骨梁２の上部フランジ７上に小片状のガセットプレート１ ２が溶着固定されている。また１３は鉄骨梁２を跨ぐようにして上部フランジ７ 上に乗せ置かれる連結手段であり、前記ガセットプレート１２に現場取付される ものである。そしてこの連結手段１３は複数のアングル部材を組み付けて設けら れ、図示するように上部フランジ７の部分から一旦下方に降りた後に側方に向け て曲がった形状としている。 連結手段１３は鉄骨梁２を架設し、所定の配筋を行った後に前記ガセットプレ ート１２に取り付けられる。そしてこの連結手段１３の端部１３ａにデッキプレ ート用受けアングル１０が取り付けられることになり、連結手段１３を介して鉄 骨梁２がデッキプレート用受けアングル１０を支持し、デッキプレート６を支持 する。

【０００８】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、鉄骨鉄筋コンクリート造により構築す る梁部であって、該梁部の鉄骨梁が、デッキプレート用受けアングルを支持する ようにした梁部において、端部に上記デッキプレート用受けアングルが取り付け られる連結手段を、上記鉄骨梁の上部フランジ上に固設したガセットプレートに 取り付けるようにしたものであることから、連結手段を取り付けない状態で鉄骨 梁を架設することにより、従来のようなガセットプレートが邪魔になるというよ うなことがなく、梁配筋の手間が簡易化され、さらにはスパイラルスターラップ などの既製品が使用できるようになる。そして鉄骨梁の上部フランジに設けるガ セットプレートを小さいものとすることができ、運搬時における損傷を少なくす ることができるようになる。そしてそのガセットプレートの配設（溶接）も簡単 なものであるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る鉄骨鉄筋コンクリート梁の上部構
造を実施した一例を示す説明図である。

【図２】従来例を示す説明図である。

【符号の説明】

１…梁部 ２…鉄骨梁 ３…鉄筋 ４…スターラップ ５…スラブ ６…デッキプレート ７…上部フランジ １０…デッキプレート用受けアングル １２…ガセットプレート １３…連結手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】鉄骨鉄筋コンクリート造により構築する梁
   部であって、該梁部の鉄骨梁が、デッキプレート用受け
   アングルを支持するようにした梁部において、 端部に上記デッキプレート用受けアングルが取り付けら
   れる連結手段を、上記鉄骨梁の上部フランジ上に固設し
   たガセットプレートに取り付けたことを特徴とする鉄骨
   鉄筋コンクリート梁の上部構造。