JPH06126136A - 浄水器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浄水器の止水時に、空気中の細菌等の浄水吐
出口からの侵入による逆汚染を防止する。 【構成】 活性炭と中空糸膜とで形成された濾過部が内
蔵されている浄水器の、濾過部に接続している浄水の吐
出管の内部全体に、抗菌性を有する粒状物が充填されて
いる浄水器。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水道水等の浄化に用い
られる浄水器に関する。より詳しくは、一旦浄化された
水が細菌等により再汚染されないようにした浄水器に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、中空糸膜等の微細孔を有した濾過
膜を用いたフィルターを活性炭と併用した濾過機構を有
する浄水器が注目を浴び水道水等の浄化に広く用いられ
てきている。

【０００３】このようなフィルターは、中空糸膜を集束
し、該集束端を中空糸膜の開口端を閉塞させないように
してポリウレタン樹脂等のポッテング材によって固定す
ることにより、中空糸膜の中空部を気密に仕切るととも
に筒状ケース本体に固定されており、活性炭層と連接し
た状態で濾過部が形成されている。

【０００４】この濾過部では、活性炭によって水道水中
の残留塩素、その他の臭気成分、有機物質等の除去が行
われ、中空糸膜層によって鉄錆やコロイド成分、塩素殺
菌のみでは除去し難い細菌等の除去が行われている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このようにして濾過さ
れた水は、塩素臭が無く、しかも鉄錆や細菌等が除去さ
れた安全でおいしい飲用水となる。しかし、濾過部で浄
化され、濾過部とそれに接続している吐水管内に滞留し
ている浄水は、水道水中に投入されている殺菌用の塩素
成分が殆ど除去されているために、外気中に浮遊してい
る雑菌や使用者の手指に付着している雑菌等により、吐
水口から再度汚染（以下「逆汚染」という）される可能
性がある。

【０００６】従って、浄水器の使用開始時における浄水
は、逆汚染された浄水が混入する可能性がある。この解
決策として、一定量の浄水を捨て滞留水が除かれた状態
で実用に供されているが、使用開始時の捨て水が少ない
と逆汚染水が浄水中に混入した状態での使用となるおそ
れがあり、また、捨て水は煩わしく、忘れることもあ
り、捨て水が多すぎると浄水の無駄使いとなる。

【０００７】一方、吐水口先端のユースポイントに抗菌
処理を施す試みが特開昭６０−４６１９６号公報に、ま
た濾過部通過後の浄水の通水路の内表面に抗菌剤を添加
する方法が特開平２−７１８８９号公報、特開平３−２
６２５９３号公報などに開示されている。しかし、通水
路の内表面に抗菌剤を付与する場合は、抗菌部材と接触
しない部分からの細菌の侵入を防ぎ難く、また、先端部
にのみ抗菌剤を付与するのは、短期的には抗菌効果が見
られるものの長期的あるいは細菌の多い環境下では抗菌
効果が接続できない場合がある。

【０００８】本発明は、このような逆汚染を生ずること
なく、捨て水の必要のない浄水器を提供することを目的
とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、活性炭
と中空糸膜とで形成された濾過部が内蔵されている浄水
器において、該浄水器の濾過部に接続された浄水吐水管
内部全体に、抗菌性を有する粒状物が充填されてなる浄
水器である。

【００１０】本発明の浄水器において用いられる中空糸
膜、活性炭、蛇口接続機構等はいずれも一般に使用され
ている材質、構造のものを使用すればよく、特に限定さ
れない。

【００１１】抗菌性を有する粒状物としては、無機物の
中に含まれる金属を抗菌性の金属である銀、銅、亜鉛等
とイオン交換あるいはイオン結合等により０．１〜１０
重量％含有させた抗菌剤を無機あるいは有機物中に０．
０１〜２０重量％添加し造粒したものが用いられる。こ
のような無機、もしくは有機物質の粒状物に含まれる抗
菌性の金属は濾過水を飲用に供することから、安全性の
ため溶出は極微量に抑えられたものである。

【００１２】また、このような無機、もしくは有機物質
の粒状物の形状は特に限定するものではないが、０．１
ｍｍ〜１０ｍｍの粒径の球状のものあるいは０．１ｍｍ
〜１０ｍｍ角のペレット状もしくは立方体状のものが好
ましく用いられる。粒状物の大きさは、浄水器の浄水吐
水口に設けられているメッシュ状整流具のメッシュ孔よ
りも小さくなると何らかの固着手段が必要となり好まし
くない。また、大きすぎると粒状物間の空隙が大きくな
り、細菌の通過が起こり得るので好ましくない。

【００１３】

【作用】本発明の浄水器において、空気中の浮遊してい
る雑菌や人の手指に付着している雑菌等が浄水器の吐水
口の外部から侵入する際、浄水器の吐水管の内部全体に
充填された抗菌性を有する粒状物によって増殖が完全に
抑えられ、逆汚染が阻止される。

【００１４】

【実施例】以下本発明の実施態様を図面に従い詳細に説
明する。

【００１５】図１は、本発明の浄水器の一例を示した縦
断面図である。１は浄水器本体、２は濾過部、３は活性
炭、４は中空糸膜、５は原水注入口、６は浄水吐水口、
７は浄水吐水管、８は整流具、９は抗菌性粒状物をそれ
ぞれ示している。

【００１６】図１は、活性炭層と中空糸膜とからなる濾
過部２を有し、原水注入口５から注入された原水が濾過
部２で浄化され、浄水吐水口６から浄水を吐出し得るよ
うになした浄水器本体１を示しており、濾過部２に接続
された吐水管内部全体に抗菌性粒状物９が吐水口６最先
端に設けられた整流具８の位置まで充填されている。

【００１７】整流具８には、浄化されて吐出される水流
を均整化するための障害物が、流路を遮蔽する状態に設
けられており、浄水器の場合は一般にメッシュ状のもの
が用いられている。これらメッシュ状遮蔽部のメッシュ
の大きさは一般に６０〜１００メッシュの範囲にあり、
抗菌性粒状物の大きさをメッシュ径よりも大きくしてお
けば、このメッシュ状遮蔽部を利用してその上に抗菌性
粒状物９を直接配置することができるなど抗菌性粒状物
９の充填が容易となる。

【００１８】浄水吐水管７を浄水器本体１に着脱自在状
とし、この内部に抗菌性粒状物９を充填しておけば、抗
菌効果が減少した場合の抗菌性粒状物９の取り替えが容
易となるなど好都合である。

【００１９】抗菌性粒状物９の充填量としては、浄水器
の浄水吐水管のサイズにもよるが０．１〜５０ｇの範囲
が望ましい。また、充填状態としては浄水吐水管の内部
の流水路全面にわたって充填されていることが必要であ
る。

【００２０】

【発明の効果】本発明の浄水器は、浄水吐水管の内部全
体に充填された抗菌性粒状物により、外部からの雑菌類
の侵入を完全に防ぐことができ、且つ抗菌効果の持続性
にすぐれたものである。また、浄水吐出管を着脱自在状
とすることにより、抗菌性粒状物の取り替えや目詰まり
時の調整等が極めて容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の浄水器の一例を示した縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 浄水器本体 ２ 濾過部 ３ 活性炭 ４ 中空糸膜 ５ 原水注入口 ６ 浄水吐水口 ７ 浄水吐水管 ８ 整流具 ９ 抗菌性粒状物

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【手続補正書】

【提出日】平成５年９月２４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１１

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１１】抗菌性を有する粒状物としては、無機物の
中に含まれる金属を抗菌性の金属である銀、銅、亜鉛等
とイオン交換あるいはイオン結合等により０．１〜１０
重量％含有させた抗菌剤を無機あるいは有機物中に０．
０１〜２０重量％添加し造粒したものが用いられる。ま
た、ゼオライトのような多孔質で抗菌性を有する金属イ
オンとの交換が可能な金属イオンを有する粒状物に直接
担持させてもよい。この場合の担持させる量としては２
〜５重量％程度で十分である。このような無機、もしく
は有機物質の粒状物に含まれる抗菌性の金属は濾過水を
飲用に供することから、安全性のため溶出は極微量に抑
えられたものである。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 活性炭と中空糸膜とで形成された濾過部
   が内蔵されている浄水器において、該浄水器の濾過部に
   接続された浄水吐水管の内部全体に、抗菌性を有する粒
   状物が充填されてなる浄水器。
2. 【請求項２】 浄水吐出管が浄水器本体と着脱自在状に
   取付けられてなる請求項１記載の浄水器。