JP2009078219A - 浄水器用カートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】 有機物、重金属等の吸着除去性能を維持しつつ、浄水中の細菌の繁殖の恐れを確実に防ぐため、抗菌イオン溶出を安定して維持する浄水器カートリッジをより安価で提供する。
【解決手段】 浄水器カートリッジ内に収納されるろ材は抗菌剤を担持した抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤と重金属をイオン交換可能なイオン交換体とを含み、抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤とイオン交換体とが混合されたろ材層Aがカートリッジ上流側に配置され、かつ、前記抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤とが混合されたろ材層Bをカートリッジ下流側に配置する。抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤との割合が10〜19重量%/81〜90重量%である。ろ材層Aにおいて、吸着剤(抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤との和)とイオン交換体の割合が92〜98重量%/2〜8重量%である。ろ材層Aとろ材層Bとのろ材充填比率が40〜60重量%/60〜40重量%である。
【選択図】 なし
【解決手段】 浄水器カートリッジ内に収納されるろ材は抗菌剤を担持した抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤と重金属をイオン交換可能なイオン交換体とを含み、抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤とイオン交換体とが混合されたろ材層Aがカートリッジ上流側に配置され、かつ、前記抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤とが混合されたろ材層Bをカートリッジ下流側に配置する。抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤との割合が10〜19重量%/81〜90重量%である。ろ材層Aにおいて、吸着剤(抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤との和)とイオン交換体の割合が92〜98重量%/2〜8重量%である。ろ材層Aとろ材層Bとのろ材充填比率が40〜60重量%/60〜40重量%である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、水道水などの原水に含まれる残留塩素や臭い、濁り等を除去する浄水器に関する。より詳しくは、水道水中の重金属をイオン交換可能なイオン交換体と、浄水流路内の細菌汚染を防止するために抗菌性能を有する抗菌剤を担持した抗菌吸着剤を内包した浄水器用カートリッジに関する。
近年、水道水の安全性に対する関心が急速に高まり、浄水器に対する要求も高度化してきている。残留塩素の臭いや、水道配管由来の濁り成分などの異物を除去できるだけでなく、水道水中に溶解する鉛等の重金属や、微量の有機物の除去能力に対しても注目が集まっている。
このような重金属、微量の有機物が吸着除去できる浄水器用カートリッジとしては、鉛吸着剤にアルミノケイ酸塩を用い、このアルミノケイ酸塩と活性炭とを積み重ねた積層吸着剤をカートリッジに充填したもの(例えば、特許文献1参照)や、特に浄水器のろ材として、熱可塑性樹脂からなる母粒子の表面に吸着性能を有する子粒子(アルミノケイ酸塩等)を固定化した吸着剤を用いるもの(例えば、特許文献2参照)が挙げられる。
一方、浄水器内では水道水中の殺菌作用を担っている残留塩素が除去されるため、浄水が滞留する部分では細菌が繁殖しやすく、不衛生になりやすいという問題がある。そこで、浄水器のろ材に銀添着活性炭を使用し、抗菌性を示す銀を含んだ浄水とすることで、細菌の増殖を抑える試みもなされている(特許文献3、特許文献4参照)。しかし、従来の方法では、抗菌性を示すに必要な銀イオン量を溶出させるためには、高価な抗菌吸着剤を20〜35重量%含ませる必要があり、抗菌剤の必要量が増加し、カートリッジ製造コストが高価になるという問題がある。
本発明の目的は、上述のような従来技術の問題点に鑑み、浄水中の細菌の繁殖の恐れを確実に防ぐことができ、必要最低限の抗菌剤量でもって抗菌性能を安定して維持することができ、製造コストを安価にできる浄水器カートリッジを提供することである。
少なくともろ材を内部に収納する浄水器用カートリッジであって、前記ろ材は、抗菌剤を担持した抗菌吸着剤と、非抗菌吸着剤と、重金属をイオン交換可能なイオン交換体とを含み、前記抗菌吸着剤と前記非抗菌吸着剤と前記イオン交換体とが混合されたろ材層Aとがカートリッジ上流側に配置され、かつ、前記抗菌吸着剤と前記非抗菌吸着剤とが混合されたろ材層Bがカートリッジ下流側に配置されたことを特徴とする。
ここで、ろ材層Aにおいて、また、抗菌吸着剤及び非抗菌吸着剤の和に対する抗菌吸着剤の割合、非抗菌吸着剤の割合がそれぞれ10〜19重量%、81〜90重量%であり、かつ、ろ材層Bにおける抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤との割合が10〜19重量%/81〜90重量%であることが好ましい。また、ろ材層Aにおいて、抗菌吸着剤及び非抗吸着剤との和と、前記イオン交換体との割合が92〜98重量%/2〜8重量%であることが好ましい。
さらに、ろ材層Aと、ろ材層Bとのろ材充填比率が40〜60重量%/60〜40重量%であることがより好ましい。
前記抗菌吸着剤は、抗菌剤が0.1〜5重量%の割合で担持されていることが好ましく、また前記抗菌吸着剤に担持された抗菌剤は、銀単体および/または銀化合物であることが好ましい。
前記イオン交換体が、チタンケイ酸塩及び/又はアルミノケイ酸塩を含むことが好ましく、また前記イオン交換体は、粉状のイオン交換体をバインダーで造粒した粒状であることが好ましい。
前記抗菌吸着剤は、抗菌剤が0.1〜5重量%の割合で担持されていることが好ましく、また前記抗菌吸着剤に担持された抗菌剤は、銀単体および/または銀化合物であることが好ましい。
前記イオン交換体が、チタンケイ酸塩及び/又はアルミノケイ酸塩を含むことが好ましく、また前記イオン交換体は、粉状のイオン交換体をバインダーで造粒した粒状であることが好ましい。
本発明の浄水器カートリッジには、ろ材として、有機物が吸着可能な吸着剤と重金属がイオン交換可能なイオン交換体とを含み、吸着剤として、抗菌性能を有する抗菌剤を担持した抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤とを含むことで、水道水などの原水中の有機物とともに重金属を吸着することができる上に、細菌増殖が防止されたおいしい浄水を製造することができる。また、ろ材を上流側のろ材層Aと下流側のろ材層Bとの積層構造とし、それら層における吸着剤やイオン交換体との組合せ、組成を特定範囲内とすることで、下流側のろ材層Bでの溶出抗菌イオンがイオン交換体へ吸着されることを抑えることができ、少量の抗菌吸着剤でも安定した抗菌イオン溶出が可能となる。この結果、抗菌吸着剤の割合を低くすることが可能となり、カートリッジ製造原価を安価に抑えることができる。
前記抗菌吸着剤は、抗菌剤が0.1〜5重量%の割合で担持されていることで抗菌性能を示しかつ飲料水として安全な濃度範囲で抗菌イオンを溶出させることができる。また前記抗菌吸着剤に担持させる抗菌剤が銀単体および/または銀化合物であると、低濃度でも抗菌性能が優れている。また、前記イオン交換体は、チタンケイ酸塩あるいはアルミノケイ酸塩を含むと、鉛などの重金属のイオン交換性能が優れるとともに、なかでも前記イオン交換体が粉状のイオン交換体をバインダーで造粒した粒状とすることで、イオン交換体の強度および生産時の取り扱い性に優れる。そして、これら浄水器カートリッジを備えた浄水器は、原水中の有機物や重金属を低減し、しかも細菌増殖を抑えたおいしい浄水を製造することができる。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は以下の実施の態様に限定されるものではない。
図1は、本発明の浄水器用カートリッジの一実施形態を示す概略縦断面図であり、図2はそのカートリッジをキッチン内に設置した状態を例示する概略斜視図であり、図3はそのカートリッジ内に組み込んだ抗菌ユニットを示す拡大縦断面図である。
図1に示すように、本発明の浄水器用カートリッジ600は、外形が略円柱形をしており、カートリッジ本体ケース660と、ろ材層A610およびろ材層B611と、ろ過膜モジュール620と、その下流側に配された抗菌ユニット900などから構成されている。この浄水器用カートリッジは図2(設置斜視図)に示すように、通常原水側の接続ホース201および浄水側の接続ホース202が、それぞれ原水受入口670、浄水吐出口680に接続されて設置され、浄水側の接続ホースの先に浄水吐出用の吐水管810が接続され、浄水器用バルブ130の開閉により浄水吐出が開閉される。
ここで、カートリッジ600には、原水側の接続ホース201が接続される原水受入口670と、浄水側の接続ホース202が接続される浄水吐出口680とが設けられている。なお、原水受入口670には、ろ材層A610およびろ材層B611内のろ材の逆流を防止するために、逆止弁693が設置されることが好ましい。
カートリッジ600は、上部側に原水受入口670及び浄水吐出口680を有する本体ケース660と、該本体ケースの下に、Oリング691などのシール部材を介して嵌合されるキャップ650とから構成される。このキャップ650の下部は、平面上にカートリッジを据え置くことができるような構造となっている。
このカートリッジの中において、ろ材層A610およびろ材層B611はカートリッジ内における1次側(最上流側)に位置し、ろ材層A610は抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤とイオン交換体とが混合されたろ材から構成され、また、ろ材層B611は抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤とが混合された吸着剤から構成される。ろ材層A610が上流側に、ろ材層B611が下流側に配置されている。
ろ材層A610およびろ材層B611の内部を水が通過できるように、ろ材層A610およびろ材層B611の上流側及び下流側にはそれぞれフィルター(1次フィルター630、2次フィルター640)が配置されている。 ろ材層A610およびろ材層B611の下流側に配置されているろ過膜モジュール620は、主に、中空糸膜束からなるろ過膜622と、該中空糸膜束の端部を固定するポッティング剤621と、中空糸膜束の周囲に通水部分を確保するためのろ過膜ケース623などから構成される。ろ過膜ケース623の内部には、複数本の中空糸膜を束ねてU字状に折り曲げたろ過膜622(図1では模式的に表示)が収納されており、ろ過膜622の両端部は、ろ過膜ケース623の上部にて、各ろ過膜間およびろ過膜とろ過膜ケース623との間に充填された熱可塑性樹脂(封止剤)により封止固定(ポッティング)されている(ポッティング剤621)。ろ過膜モジュール620のろ過膜ケース623は、Oリング692などのシール部材を介して本体ケース660の中に嵌挿、立設されている。
ろ過膜モジュール620の下流側には、抗菌ユニット900が配置されている。この抗菌ユニット900は、図1および図3に示すように、略環状筒形(外形は略円筒形)であり、その中央に通過水路901が設けられている。この抗菌ユニット900は、図1に示すようにろ過膜モジュール620の下流側の近接した位置に配置され、即ち、中空糸膜端面が開口している部分の真上に位置し、本体ケース660に着脱自在に装着されている。略環状筒形の抗菌ユニット900内には、銀や銅など抗菌性金属イオンを溶出する銀および/または銅化合物を母材に添着させた抗菌イオン溶出部材902が充填されていて、その上流側(図1の下側)で中空糸膜端面開口部分に近い部分の隔壁は、抗菌イオン溶出部材902を通さずかつ水を通すフィルター材(抗菌ユニット用フィルター904)から構成されている。この抗菌ユニット900を設置することは必須ではないが、中空糸膜端面(切断面)のポッティング剤621近傍で細菌が増殖しやすい。そこで、抗菌ユニット900を、中空糸膜端面の真上(下流側)の近接する位置に設けることで、より細菌増殖の可能性を低減することができ、より衛生的な浄水を得ることができる。
抗菌金属イオン溶出部材902は、銀、銅、亜鉛など抗菌性を有する金属単体および/または金属化合物を、母材に添着させたものであり、そのまま使用したり、バインダーを用いて成形体として使用しても良い。
浄水器用バルブ130を開くと、原水(水道水)が原水側の接続ホース201を通り原水受入口670から逆止弁693を経由してカートリッジ600の内部に流入する。原水はまずカートリッジ600の軸方向(図の下向き)に流れ、1次フィルター630、ろ材層A610、ろ材層B611、2次フィルター640を順に経由して流れ、次いで内側へと流れてろ過膜モジュール620へと至る。ろ過膜モジュール620内で中空糸膜を通過して浄化された水(浄水)は、中空糸膜の上端部からポッティング剤621の上の浄水通路を経て、抗菌ユニット900の中央の通水路901を経由して浄水吐出口680へと流れる。水の流れを白抜き矢印で図示した。
このカートリッジ内を通過する間において、原水中に含まれる消毒用の残留塩素や有機物などはろ材610および611で分解・除去される。次いでろ過膜モジュール620で鉄サビや細菌などが除去される。その後、抗菌部900の中央の通水路901を流れて(この際、抗菌イオン溶出部材902の間は実質的に通水されない)浄水として浄水吐出口680から浄水側の接続ホース202を通って、吐水管680から吐出される。
1次フィルター630、2次フィルター640、および抗菌ユニット用フィルター904は、ろ材層A610およびろ材層B611内のろ材や抗菌イオン溶出部材902が外部に漏れ出さないように固定し、かつ水を通過させる役目をもつ。
本発明のカートリッジにおけるろ材層A610は、抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤とイオン交換体とが混合された層であり、また、ろ材層B611は抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤とが混合された層である。ろ材層A610をカートリッジ上流側に、ろ材層B611をカートリッジ下流側に配置している。有機物が吸着可能な吸着剤としては、有機物を吸着することの他に、残留塩素を分解することもできる活性炭が一般に好ましく用いられている。ここで有機物とはトリハロメタンやカビ臭などの水道水中に含まれる有害なまたは飲用時に不快な有機物を指し、重金属は水道用鉛配管から溶出する鉛などの重金属を指し、残留塩素は殺菌用に水道水に含まれる遊離残留塩素や結合残留塩素などを指す。また、上記したろ材層A610およびろ材層B611の2層がそれぞれ上流側と下流側にそれぞれ配置されていれば、さらに上流側に粗いゴミをろ過するフィルターを配置してもよいし、さらに下流側に別の物質を吸着するための吸着剤を配置してもよい。
浄水器用カートリッジ内部のろ材としては、抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤とイオン交換体とが混合されたろ材層Aをカートリッジ上流側に、抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤とが混合されたろ材層Bをカートリッジ下流側に配置している。ろ材層Aにおいて、抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤の割合は、それら和を100%とした場合に、10〜19重量%/81〜90重量%である。また、ろ材層Bにおいて、抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤の割合は、それら和を100%とした場合に、10〜19重量%/81〜90重量%である。また、カートリッジ上流側に配置されたろ材層Aにおいて、抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤の和と、イオン交換体との割合は、それら和を100%とした場合に、92〜98重量%/2〜8重量%である。さらに、ろ材層Aとろ材層Bとのろ材充填比率が40〜60重量%/60〜40重量%の範囲である。このような条件でろ材層Aとろ材層Bとを配設することで、高価な抗菌吸着剤の割合を低くすることができ、カートリッジ製造原価を安価に抑えることができる。また、ろ材層Aとろ材層Bとの間に不織布、フィルターなどを配置すれば、上流側と下流側に分けたろ材が混ざる恐れがなくなり、より効果的である。
重金属がイオン交換可能なイオン交換体としては、水道水中に含まれる鉛のイオン交換性能が高いチタンケイ酸塩やアルミノケイ酸塩などのゼオライト、酸化チタン、ヒドロキシアパタイトなどのリン酸カルシウムなどの無機金属塩が好ましいが、イオン交換樹脂やキレート樹脂なども適宜選択できる。中でも、チタンケイ酸塩やアルミノケイ酸塩は単位体積あたりの鉛吸着量が大きく、これらを含むことでカートリッジのろ材量を少なく、カートリッジをコンパクトにすることができる。
抗菌吸着剤、非抗菌吸着剤、イオン交換体は、いずれも、粒状、粉末状、または粒状物等の成形体など、どのような形状をしていても良いが、吸着性能を維持できかつ通水抵抗の少ない形状を選択すれば良い。粒状の場合、粒子径が0.1〜0.85mm程度の範囲に入ることが好ましい。0.85mmよりも大きな粒子径では通水抵抗は少ないものの、吸着性能を左右するろ材の表面積が少なくなる。また0.1mm未満の小さ過ぎる粒子径では通水抵抗が大きくなる恐れがある。上記粒子径が上記範囲にあるとは、全ろ材の通常80%以上、より好ましくは90重量%以上が上記範囲内になることをいう。
特にイオン交換体は、粉状のイオン交換体をバインダーで造粒した粒状であることが好ましい。一般に合成ゼオライト等の吸着剤は数十μm以下の微小結晶で合成されており、そのままの状態でろ材として使用すると通水抵抗が大きくなるので、上記のような適度な粒径範囲に造粒して使用すればよい。造粒方法としては、バインダーを用いて微粒子同士を結合し、粒径を増大させる方法が知られており、バインダーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂、ベントナイト、シリカ、アルミナ、セルロース類等が用いられる。
中でも特開2005−125199号公報や国際公開第2004−39494号パンフレットに開示されているように、チタンケイ酸塩やアルミノケイ酸塩などのイオン交換体をポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をバインダーとして造粒する方法によると、ろ材として充填した時に通水抵抗を大きくすることなく、強度および長期間のイオン交換性能に優れたイオン交換体とすることができる。
吸着剤としては、活性炭が特に浄水器等の水処理用途に広く使用され、トリハロメタンや、カビ臭の原因物質である2−MIB(メチルイソボルネオール)などの有機物の吸着性能だけでなく、水道水中に含まれるカルキ臭の原因となる残留塩素を分解除去するため、好ましく用いられる。活性炭の種類は特に限定されず、ヤシ殻や木炭などの天然系活性炭、ピッチや石油コークスなどの鉱物系、フェノールやアクリル樹脂系などの合成素材系など、公知のどのような原料を用いても良い。また、賦活方法など製造方法も適宜選択すればよいが、トリハロメタンなどの吸着性能が高く、比較的安価であることから、水蒸気賦活ヤシ殻活性炭が好ましく用いられる。
抗菌吸着剤は、抗菌剤を上記した吸着剤に添着させたものである。抗菌剤としては、有機系抗菌剤、無機系抗菌剤など各種の物質があるが、特に飲料水としての安全性の面から無機系抗菌剤である銀、銅、亜鉛など抗菌性を有する金属単体および/または金属化合物であることが好ましい。前記金属単体および/または金属化合物は抗菌効果を発揮し、かつ許容濃度の範囲内(例えば、銀は米国環境保護局EPAの飲料水基準0.1mg/L以下)で金属イオンを溶出する単体および/または化合物を吸着剤に担持(添着)させる方法が好ましい。この抗菌剤の割合を吸着剤に対して0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.3〜3重量%の割合で担持させる。添着量が0.1重量%より少ない場合、抗菌剤がほとんど溶出しないか、または総通水量が少ないうちに吸着剤から抗菌剤が溶出しつくす恐れがある。また、添着量が5%を超えると、飲料水の許容濃度を超える抗菌剤が連続して溶出する恐れがあり好ましくない。
抗菌性を有する金属としては銀、銅、亜鉛があげられる。これらの金属は溶解したイオン状態でそれぞれ単独でも、混合しても抗菌性を有することができる。
銀単体および/または銀化合物を抗菌剤として吸着剤に担持させることで、比較的低濃度でも抗菌性を有することができ、最も好ましく用いられる。また、金属化合物の形態としては、ハロゲン化塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫化鉛、酸化塩などが例示できる。カートリッジ全体としての銀イオン溶出量が0.005〜0.1mg/Lの範囲、さらには0.005〜0.08mg/Lの範囲内であることが最も好ましい。銀イオン濃度を0.005mg/L以上に制御することで一般細菌数を効果的に減少させることができる。
本発明の浄水器用カートリッジを用いた浄水器を通して原水を浄化処理することで、原水中の有機物や重金属を低減し、しかも細菌増殖を抑えたおいしい浄水を製造することができる。
本発明のカートリッジを使用する浄水器は、図2に示す実施態様の他、以下のように変形実施することができる。
(1)図示した実施態様では、家庭用キッチンのシンクの下に置くアンダーシンク型浄水器について記載したが、シンク上やカウンターなどに置く据置型や、壁などに設置するものであってもよい。
(2)図示した実施態様の浄水器では、吐水管810から浄水のみが吐出する構造の物について記載したが、単一の吐出口から、水道水などの原水と浄水を選択して通水する構造の物や、給湯器などに接続して、原水と浄水だけでなくお湯を選択して通水する構造の物としても良い。
(1)図示した実施態様では、家庭用キッチンのシンクの下に置くアンダーシンク型浄水器について記載したが、シンク上やカウンターなどに置く据置型や、壁などに設置するものであってもよい。
(2)図示した実施態様の浄水器では、吐水管810から浄水のみが吐出する構造の物について記載したが、単一の吐出口から、水道水などの原水と浄水を選択して通水する構造の物や、給湯器などに接続して、原水と浄水だけでなくお湯を選択して通水する構造の物としても良い。
(3)図示した実施態様では、浄水器用バルブ130によって流路の切換、遮蔽をおこない、カートリッジ600に常時水道水圧がかからないタイプ(いわゆるII形浄水器)について記載したが、水道水圧が常時付加するI形浄水器であってもよい。いずれの場合においても、浄水などが逆流しないように、適宜逆止弁などを流路内に設置することが好ましい。
(4)図示した実施態様には特に記載していないが、浄水側の流路の通水状態を検出し、通水量や通水時間を積算・記憶したり、カートリッジの使用開始時期を記憶して、それらのデータを元にカートリッジ寿命を表示または警告する機能を有していても良い。このような機能を有していることによって、より安心な浄水を使用することができる。
(4)図示した実施態様には特に記載していないが、浄水側の流路の通水状態を検出し、通水量や通水時間を積算・記憶したり、カートリッジの使用開始時期を記憶して、それらのデータを元にカートリッジ寿命を表示または警告する機能を有していても良い。このような機能を有していることによって、より安心な浄水を使用することができる。
本発明を、以下の実施例を用いてさらに詳細に説明する。なお、実施例、比較例において各測定結果は以下の方法に従って行った。
[銀イオン濃度(mg/L)]
通水時または滞水時における浄水中の銀イオン濃度を次の方法で測定した。
抗菌性金属イオンを含む抗菌性粒状体等の所定材料が充填された浄水器用カートリッジに、遊離塩素が分解された所定温度の水を3L/分の通水量で所定時間(または所定通水量)通水し、通水中の水をサンプリングする。サンプル水の体積の1%の硝酸を添加して銀を完全にイオン化した後、ICP(誘導結合プラズマ発光分析装置)にて水中の銀イオン濃度を測定した。
通水時または滞水時における浄水中の銀イオン濃度を次の方法で測定した。
抗菌性金属イオンを含む抗菌性粒状体等の所定材料が充填された浄水器用カートリッジに、遊離塩素が分解された所定温度の水を3L/分の通水量で所定時間(または所定通水量)通水し、通水中の水をサンプリングする。サンプル水の体積の1%の硝酸を添加して銀を完全にイオン化した後、ICP(誘導結合プラズマ発光分析装置)にて水中の銀イオン濃度を測定した。
[実施例]
図1に示す構造の浄水器用カートリッジを用い、原水として水道水を用いた。カートリッジに充填したろ材における非抗菌吸着剤として粒径0.1〜0.25mmの椰子殻粒状活性炭(市販品)を、抗菌吸着剤として非抗菌吸着剤と同一の活性炭に1重量%銀を添着した活性炭を使用した。また、イオン交換体としては、エンゲルハード社製のチタンケイ酸塩系鉛吸着剤ATSをポリエチレンで造粒し粒径0.1〜0.25mmとしたものを使用した。ろ材の充填量は合計330gとした。ろ材は、抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤とイオン交換体を表1に示した重量比で、抗菌吸着剤、非抗菌吸着剤、およびイオン交換体の混合品をカートリッジの上流側に、抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤の混合品を下流側に配置した。
図1に示す構造の浄水器用カートリッジを用い、原水として水道水を用いた。カートリッジに充填したろ材における非抗菌吸着剤として粒径0.1〜0.25mmの椰子殻粒状活性炭(市販品)を、抗菌吸着剤として非抗菌吸着剤と同一の活性炭に1重量%銀を添着した活性炭を使用した。また、イオン交換体としては、エンゲルハード社製のチタンケイ酸塩系鉛吸着剤ATSをポリエチレンで造粒し粒径0.1〜0.25mmとしたものを使用した。ろ材の充填量は合計330gとした。ろ材は、抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤とイオン交換体を表1に示した重量比で、抗菌吸着剤、非抗菌吸着剤、およびイオン交換体の混合品をカートリッジの上流側に、抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤の混合品を下流側に配置した。
カートリッジに、流量3L/minで40℃の水道水を連続通水し、サンプル水の銀イオン濃度を測定した結果、および20℃の水道水を連続通水し、サンプル水の銀イオン濃度を測定した結果を表2に示す。40℃の温水通水時も20℃の5000L通水時においても、銀イオン濃度が0.005〜0.1mg/Lの範囲内に入っており、銀イオンを継続的に安定した量で溶出させることが可能であった。
[比較例1]
表1に示したろ材充填状態で、非抗菌吸着剤とイオン交換体の混合品をカートリッジの上流側に、抗菌吸着剤とイオン交換体の混合品をカートリッジの下流側に配置した。実施例1と同じ条件にて通水を行い、銀イオン濃度を分析した。その分析結果を表2に示す。40℃の15L通水時に、銀イオン濃度が0.1mg/L以上と高くなってしまい、米国EPAの飲料水基準を上回る結果となった。
表1に示したろ材充填状態で、非抗菌吸着剤とイオン交換体の混合品をカートリッジの上流側に、抗菌吸着剤とイオン交換体の混合品をカートリッジの下流側に配置した。実施例1と同じ条件にて通水を行い、銀イオン濃度を分析した。その分析結果を表2に示す。40℃の15L通水時に、銀イオン濃度が0.1mg/L以上と高くなってしまい、米国EPAの飲料水基準を上回る結果となった。
[比較例2]
表1に示したろ材の重量比で、抗菌吸着剤、非抗菌吸着剤、およびイオン交換体の混合品を全体に配置した。実施例1と同じ条件にて通水を行い、銀イオン濃度を分析した。その分析結果を表2に示す。20℃での50L通水時に銀イオン濃度が0.005mg/L以下と低くなってしまい、抗菌性能を示す銀濃度を下回る結果となった。
表1に示したろ材の重量比で、抗菌吸着剤、非抗菌吸着剤、およびイオン交換体の混合品を全体に配置した。実施例1と同じ条件にて通水を行い、銀イオン濃度を分析した。その分析結果を表2に示す。20℃での50L通水時に銀イオン濃度が0.005mg/L以下と低くなってしまい、抗菌性能を示す銀濃度を下回る結果となった。
130:浄水器用バルブ
201:原水側の接続ホース
202:浄水側の接続ホース
560:カバー固定部
600:カートリッジ
610:ろ材層A
611:ろ材層B
620:ろ過膜モジュール
621:ポッティング剤
622:ろ過膜
623:ろ過膜ケース
630:1次フィルター
640:2次フィルター
650:キャップ
660:カートリッジ本体ケース
670:原水受入口
680:浄水吐出口
691:Oリング
692:Oリング
693:逆止弁
810:吐水管
900:抗菌ユニット
901:通過水路
902:抗菌イオン溶出部材
904:抗菌ユニット用フィルター
905:エア抜き孔
201:原水側の接続ホース
202:浄水側の接続ホース
560:カバー固定部
600:カートリッジ
610:ろ材層A
611:ろ材層B
620:ろ過膜モジュール
621:ポッティング剤
622:ろ過膜
623:ろ過膜ケース
630:1次フィルター
640:2次フィルター
650:キャップ
660:カートリッジ本体ケース
670:原水受入口
680:浄水吐出口
691:Oリング
692:Oリング
693:逆止弁
810:吐水管
900:抗菌ユニット
901:通過水路
902:抗菌イオン溶出部材
904:抗菌ユニット用フィルター
905:エア抜き孔
Claims (8)
- 少なくともろ材を内部に収納する浄水器用カートリッジであって、前記ろ材は、抗菌剤を担持した抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤と重金属をイオン交換可能なイオン交換体とを含み、前記抗菌吸着剤と前記非抗菌吸着剤と前記イオン交換体とが混合されたろ材層Aがカートリッジ上流側に配置され、かつ、前記抗菌吸着剤と前記非抗菌吸着剤とが混合されたろ材層Bがカートリッジ下流側に配置されたことを特徴とする浄水器用カートリッジ。
- カートリッジ上流側に配置されたろ材層Aにおいて抗菌吸着剤及び非抗菌吸着剤の和に対する抗菌吸着剤の割合、非抗菌吸着剤の割合がそれぞれ10〜19重量%、81〜90重量%であり、かつ、カートリッジ下流側に配置されたろ材層Bにおける抗菌吸着剤と非抗菌吸着剤との割合が10〜19重量%/81〜90重量%であることを特徴とする請求項1に記載の浄水器用カートリッジ。
- カートリッジ上流側に配置されたろ材層Aにおいて、抗菌吸着剤及び非抗菌吸着剤の和と、前記イオン交換体との割合が、92〜98重量%/2〜8重量%であることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の浄水器用カートリッジ。
- カートリッジ上流側に配置されたろ材層Aと、カートリッジ下流側に配置されたろ材層Bとのろ材充填比率が40〜60重量%/60〜40重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の浄水器用カートリッジ
- 前記抗菌吸着剤は、抗菌剤が0.1〜5重量%の割合で担持されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の浄水器用カートリッジ。
- 前記抗菌吸着剤に担持された抗菌剤は、銀単体および/または銀化合物であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の浄水器用カートリッジ。
- 前記イオン交換体が、チタンケイ酸塩及び/又はアルミノケイ酸塩を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の浄水器用カートリッジ。
- 前記イオン交換体は、粉状のイオン交換体をバインダーで造粒した粒状であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の浄水器用カートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007248765A JP2009078219A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 浄水器用カートリッジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007248765A JP2009078219A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 浄水器用カートリッジ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009078219A true JP2009078219A (ja) | 2009-04-16 |
Family
ID=40653379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007248765A Pending JP2009078219A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 浄水器用カートリッジ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009078219A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017012962A (ja) * | 2015-06-29 | 2017-01-19 | クリタック株式会社 | 軟水化システム |
CN111511689A (zh) * | 2017-12-21 | 2020-08-07 | 百事可乐公司 | 水过滤系统 |
-
2007
- 2007-09-26 JP JP2007248765A patent/JP2009078219A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017012962A (ja) * | 2015-06-29 | 2017-01-19 | クリタック株式会社 | 軟水化システム |
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