JP4942243B2 - 浄水器用吸着剤およびこれを用いた浄水器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安全性やおいしさを損なう原因となる重金属類、特に鉛を除去できる浄水器用吸着材と、これを用いた浄水器に関する。
【0002】
【従来の技術】
水道水をより美味しく利用するために様々な浄水器が市販されている。例えば、水道水中に含まれる残留塩素などを除去するために活性炭を使用した浄水器がある。この種の浄水器は、長時間使用しなかった場合、活性炭中に雑菌が発生する場合がある。
そこで、活性炭中に発生した雑菌の流出を防ぐために、多孔質膜などの膜濾過を利用した浄水器が開発され、最近ではこのタイプが主流となっている。
【0003】
一方、地中、配水管などから溶出し、井戸水、水道水中にイオンの形態として含まれている可能性があるものとして、有害物質である鉛や、鉄、銅、ニッケル、亜鉛、クロム、カドミウムなどの重金属類があり、これらは前述の活性炭と多孔質膜を用いた浄水器では十分に除去することができないため、重金属を除去する方法については様々な検討がなされている。
【0004】
例えばイオン交換樹脂を用いた方法が、特開昭61−257282号公報に記載されている。しかしながら、イオン交換樹脂それ自体は不溶解性であっても、その製造過程においての不純物や未反応物がイオン交換樹脂表面に残っていることもあり、それらが溶出した場合には精密濾過膜では除去できず、濾過水に混入してしまう恐れがある。
【0005】
このため、使用の前に十分な洗浄を行うという、余分な工程を必要とする問題点がある。また、イオン交換樹脂を活性炭と混合する、或いは、イオン交換樹脂の後に活性炭を配設し、溶出した不純物や未反応物を吸着除去するという手法も考えられるが、この場合、イオン交換樹脂由来の溶出物の除去に活性炭が使用されてしまうため、本来の目的である水中の不純物、有害物の除去性能に悪影響を及ぼし、寿命が短くなるという問題点がある。
【0006】
イオン交換樹脂単独からなる重金属除去剤よりも、除去性能の優れた材料として、Na2O/K2O/CaO/Al23/SiO2=0.4〜1.0/0.0〜0.4/0.0〜0.5/1.0/1.5〜3.0のモル比組成を有する、酸性酸化物複合体であるアルミノケイ酸塩系無機イオン交換体が、特開平8−132026号公報に記載されている。また、前記アルミノケイ酸塩系無機イオン交換体と、pH調整剤として陽イオン交換樹脂とを使用した重金属類の除去方法が、特開平11−347547号公報に記載されている。
【0007】
ここで、Na2O/K2O/CaO/Al23/SiO2=0.4〜1.0/0.0〜0.4/0.0〜0.5/1.0/1.5〜3.0からなるアルミノケイ酸塩系無機イオン交換体の具体例として、合成ゼオライトである、モレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5A、モレキュラーシーブ13Xなどが挙げられている。
【0008】
これらゼオライトは、骨格構造をなすSiの一部がAlに置き換わり、そのため生じる陽電荷不足を、カチオンで補った構造をしている。骨格構造にAlが多いと、それに付随したカチオンサイトも多く存在する。そのためカチオン交換容量が大きい。
【0009】
特開平8−132026号公報、特開平11−347547号公報記載の、Na2O/K2O/CaO/Al23/SiO2=0.4〜1.0/0.0〜0.4/0.0〜0.5/1.0/1.5〜3.0であるアルミノケイ酸塩系無機イオン交換体は、カチオンのイオン交換容量が大きい反面、同時に単位構造当たりのAl骨格が多いため、耐熱、耐薬品性に劣り、容易に構造破壊を引き起す。
【0010】
このため、通水時に、僅かながら経時的にアルミン酸イオン、ケイ酸イオンを溶出し、骨格構造の破壊が起こり、長期的に十分な重金属類の除去性能を示さなくなる。特に、酸性側において骨格構造の破壊が早く、重金属類の除去性能の寿命は短くなる。
さらに、上記公報に、Na2O/K2O/CaO/Al23/SiO2=0.4〜1.0/0.0〜0.4/0.0〜0.5/1.0/1.5〜3.0の範囲から逸脱した場合には、重金属類の吸着量は著しく低下すると記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑み、水のpHに依存せず、特に水道水質基準値pH5.8〜8.6の間において、長期にわたって十分な重金属類の除去性能を示す浄水器用吸着剤を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、アルミノケイ酸塩系無機イオン交換体のSiO/Alの組成比が、以下の式3<SiO/Al≦13
を満足するアルミノケイ酸塩系無機イオン交換体を用いた浄水器用吸着剤と、
活性炭と、
孔径が0.01μm〜1μmである多孔質膜とで構成されることを特徴とする浄水器である。
【0013】
本願発明の浄水器によれば、重金属類に加え、残留塩素、トリハロメタン等の有機化合物、および微粒子化した重金属類、雑菌等の固形分、を除去できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の浄水器用吸着剤について、以下、詳しく説明する。
【0015】
ここで、特開平8−132026号公報、特開平11−347547号公報記載の、組成比がNa2O/K2O/CaO/Al23/SiO2=0.4〜1.0/0.0〜0.4/0.0〜0.5/1.0/1.5〜3.0からなるアルミノケイ酸塩系無機イオン交換体であるゼオライトを「低シリカゼオライト」と呼び、本発明記載の
3<SiO2/Al23≦13
のモル比組成からなるアルミノケイ酸塩系無機イオン交換体を、「中〜高シリカゼオライト」と呼ぶこととする。
【0016】
本発明における中〜高シリカゼオライトの組成は、以下の構成成分からなる。
R/Al23/SiO2/H2
ここで、Rは、1価の金属原子2個と酸素原子1個、もしくは2価の金属原子1個と酸素原子1個からなる酸化物を、1種類もしくは数種類含むものである。すなわち、Rとは、例えば、NaO、KO、RbO、LiO、CsO、AgO、MgO、CaO、SrO、BaO、CuO、CoO、NiO、PbO等の金属酸化物を1種類もしくは数種類含むものである。また、NaO、KO、MgO、CaOのうち、1種類もしくは数種類含むことがより好ましい。
【0017】
本発明における中〜高シリカゼオライトの各構成成分の存在比率は、3<SiO2/Al23≦13を満足するのであれば、その他のR、HOの成分の比率については特に限定はされないが、R/Al23の比率は、電荷のバランスを保つため1/1が好ましい。
また、HOは容易に脱着が可能であり、含水ゼオライトより無水のものの方が、一般にイオン交換能は高いとされているので、HO量は少ない方がより好ましい。すなわち、Al23の量1に対し、HOの量は10以下が好ましく、8以下とすることがより好ましい。
【0018】
本発明における中〜高シリカゼオライトは、低シリカゼオライトより、単位構造当たりのAl骨格が少なく、Si骨格が多いため、耐熱、耐薬品性に優れ、構造破壊を引き起し難く、通水時、特に水質基準値pH5.8〜8.6の間においてほとんどアルミン酸イオン、ケイ酸イオンを溶出しないという特徴を持っている。
【0019】
SiO2/Al23の比が13よりも大きい場合は、単位構造当たりのAl骨格がとても少ないか、或いはほとんど無い。故に、それに付随したカチオンサイトも少なく、カチオンのイオン交換容量もとても小さく、従って重金属の除去性能が劣る。
【0020】
一方、SiO2/Al23の比が3よりも小さい場合は、Al骨格が多く、Si骨格が少ないため、耐熱、耐薬品性に劣り、構造破壊を引き起し易い。
【0021】
ゼオライトは、SiO4、AlO4四面体を基本とした単員環(単4員環、単5員環、単6員環、単8員環、単10員環、単12員環)の骨格からなり、これらが複雑に組合わさった網目構造をしている。ここで骨格構造の入口径である細孔口径を規定するのは、員環を形成する酸素である。酸素の数と細孔口径の関係は、6員環:〜0.22nm、8員環:0.31〜0.44nm、10員環:0.5〜0.7nm、12員環:0.9〜1.0nmのようになる。ここで最大細孔口径とは、酸素員環のなす円状、或いは歪んだ楕円状の最大となる細孔口径をいい、種々のゼオライトの固有の値である。
【0022】
なお、ゼオライトの最大細孔口径は、その結晶構造を確認することにより知ることができる。結晶構造を確認するには、粉末X線回折法、固体NMR法、赤外吸収法、電子顕微鏡法、電子線回折法、中性子回折法等を用いることができる。特に粉末X線回折法は、X線回折パターンのデータ集から、容易に結晶構造が同定でき、立体的構造が特定できる。
【0023】
本発明における中〜高シリカゼオライトの最大細孔口径は、良好な重金属の除去性能を発揮する範囲として0.3〜0.8nmが好ましい。
【0024】
本発明の中〜高シリカゼオライトは、具体的には天然ゼオライト、合成ゼオライトを挙げることができる。さらに、詳細なゼオライトの結晶構造の名称では、
クリノプチロライト
代表的なモル比組成:NaO/Al/10SiO/8HO、
最大細孔口径:楕円短径0.44nm ×楕円長径0.72nm、
モルデナイト
代表的なモル比組成:NaO/Al/10SiO/6HO、
最大細孔口径:楕円短径0.67nm×楕円長径0.70nm、
ヒューランダイト
代表的なモル比組成:CaO/Al/7SiO/6HO、
最大細孔口径:楕円短径0.44nm ×楕円長径0.72nm、
シャバサイト
代表的なモル比組成:CaO/Al/4SiO/6.5HO、
最大細孔口径:楕円短径0.37nm×楕円長径0.42nm
エリオナイト
代表的なモル比組成:(2/9NaO)/(2/9KO)/(1/9MgO)/(4/9CaO)/Al/6SiO/6HO、
最大細孔口径:楕円短径0.36nm×楕円長径0.52nm
フェリエライト
代表的なモル比組成:(3/11NaO)/(8/11MgO)/Al/(122/11SiO)/(72/11HO)
最大細孔口径:楕円短径0.43nm×楕円長径0.55nm
などが挙げられる。(モル比組成、最大細孔口径は「ゼオライトの科学と応用」冨永博夫編、講談社サイエンティフィク、P8-9によった。)
なお、ここに示したモル比組成は概略のものであり、特に天然に産出するゼオライトの場合、構成比がここに示した値と若干異なる場合がある。
【0025】
これらの中でも、クリノプチロライト、モルデナイトは、天然ゼオライトとして、多く産出されるため、安価に入手できることから好ましい。
【0026】
本発明の浄水器に用いる中〜高シリカゼオライトの粒径は、小さいほど吸着性能は優れるが、その反面、粒径が小さすぎると圧力損失の増大をまねき、通水が困難になることから、0.1〜0.5mmとすることが好ましい。
【0027】
浄水器用吸着材として使用される中〜高シリカゼオライトは、単一のものを用いても、複数の種類の中〜高シリカゼオライトを組み合わせて用いても構わない。また、重金属以外の成分の除去を行いたい場合、他の濾材と併用して使用することができる。
【0028】
例えば、残留塩素、トリハロメタン等の有機物質等を同時に除去したい場合には、活性炭を共に用いることができる。また、活性炭は、除去能力は低いものの、重金属類も吸着し、中〜高シリカゼオライトの吸着性能の長寿命化に寄与するという効果も有するため、活性炭を併用することが好ましい。
【0029】
活性炭としては、残留塩素、トリハロメタン等、除去する目的物質の除去に適する性能を有しているものであれば、特に限定されず、その形状は繊維状、粉末状、或いは粒状のものなどを用いることができる。粉末状、或いは粒状のものを用いる場合、その除去性能および圧力損失のバランスを考慮すると、0.05mm 〜1mmの範囲とすることが好ましい。
【0030】
また、その種類はヤシ殻活性炭、骨炭、木炭等天然系活性炭、ピッチ系、石油コークス系、樹脂やゴム等の焼成賦活物或いは化学的賦活物等を用いることができる。さらに、抗菌性を付与するために、銀等を添着しても良い。
なお、残留塩素、あるいは低分子有機化合物等の除去性能のバランスが比較的とれており、かつ経済的なことから、水蒸気賦活ヤシガラ活性炭が実用的には好ましい。
【0031】
細菌等の水不溶成分を除去したい場合には、多孔質膜を濾材として併用することができる。なお、多孔質膜を濾材として併用する場合、不溶化している重金属類を除去することができるため、重金属類除去効率がさらに向上する効果があり好ましい。
【0032】
多孔質膜としては、平膜、中空糸膜、チューブラー膜等を用いることができるが、容積効率が高い中空糸膜を用いることが好ましい。
多孔質中空糸膜の材料としては特に限定はされず、セルロース系、ポリオレフィン系、ポリスルホン系、ポリビニルアルコール系、PMMA系などの高分子材料からなるものが用いられる。これらの内、強度及び伸度が高く、耐久性に優れることから、ポリオレフィン系を用いることが好ましく、素材としてポリエチレン、ポリプロピレンを用いることがさらに好ましい。
孔径も特に限定されるものではないが、大腸菌、一般細菌などの細菌類を除去すること、あるいは不溶化した重金属類を捕捉して吸着剤による除去効率を向上させる効果を考えると、0.01μm〜1μmの範囲の孔径とすることが好ましい。また、通水時の通水抵抗と除去性能を併せて考えると、0.1〜0.3μmの範囲の孔径とすることがより好ましい。
【0033】
本発明の浄水器において、中〜高シリカゼオライト、活性炭、並びに多孔質膜を併用する場合、浄水の細菌汚染を防ぐ観点から、多孔質膜は、浄水槽の最終段に存在していることが望ましい。中〜高シリカゼオライト、活性炭については、どのような順序であっても、或いは、二者を混合させて用いても差し支えない。
【0034】
また、中〜高シリカゼオライト、活性炭、並びに多孔質膜は、一つの容器内に収められていても、複数個の容器に収められこれらを組み合わせた形のものでも構わない。また、上記の組み合わせに更に、不織布等からなる一次フィルターや、セラミック、天然石等を他の濾材として併用しても構わない。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて更に詳しく説明する。
[実施例1]
本発明の浄水器の通水試験に先立ち、アルミノケイ酸塩系無機イオン交換体のアルミニウム溶出試験を行った。
三角フラスコに鉛濃度として200ppbに調整した塩化鉛水溶液を250ml入れ、SiO/Alが10であり、平均粒径が0.3mmであるモルデナイトを50mgを添加し、24時間振とうさせた後、ポアサイズ0.22μmのセルロース製フィルターで濾過し、濾液水中の残留鉛濃度とアルミニウム溶出濃度を測定した。なお、フィルターに吸着される鉛、アルミニウム量はほとんど無いことを予め確認した。
上記手順によるアルミニウム溶出試験を5回実施したところ、残留鉛濃度は検出限界(5ppb)以下〜10ppbの範囲にあり、アルミニウム溶出濃度は5〜30ppbの範囲にあった。
【0036】
[比較例1]
実施例1のモルデナイトの代わりに、低シリカゼオライトであり、平均粒径が0.3mmであるモレキュラーシーブ5Aを50mg添加し、あとは実施例1と同様にアルミニウム溶出試験を5回実施した。
その結果、残留鉛濃度は、検出限界(5ppb)以下〜10ppbに範囲にあり、アルミニウム溶出濃度は50〜300ppbの範囲にあった。
[実施例2]
図1に示した浄水器において、第1の浄水槽2に一次側から150メッシュのナイロン網を貼付した樹脂枠5を設置し、その内部に吸着材積層物4として、活性炭450gと、SiO/Alが10であり、平均粒径が0.3mmであるクリノプチロライト80gを混合して充填し、吸着材が流出しないように、樹脂枠5と同様に作製された樹脂枠3を挿入した。
第2の浄水槽7は親水化処理を施したポリエチレン製多孔質中空糸膜8を2液型ポリウレタン樹脂で固定し、一端を切断開放したものとした。
そして、水道水に塩化鉛を添加し、鉛濃度として150ppbとなるように調整した水を、通水速度4L/分で入口6より通水した。なお、通水した水のpHは、6.6〜7.4の範囲にあった。
その結果、通水初期から継続して8m3通水時の流出水中の鉛濃度は、検出限界(5ppb)以下であった。
[実施例3]
実施例2と同様にして浄水器を作製し、実施例2と同様に鉛濃度として150ppbとなるよう調整した水を、さらに塩酸、水酸化ナトリウムを用いてpHが5.8となるように調整し、入口6より通水した。
その結果、クリノプチロライトを使用した場合、通水初期から継続して8m3通水時の流出水中の鉛濃度は、検出限界(5ppb)以下であった。
[比較例2]
実施例3のクリノプチロライトの代わりに、低シリカゼオライトであるモレキュラーシーブ5Aを用い、あとは実施例3と同様の条件で通水試験を実施した。
その結果、モレキュラーシーブ5Aを使用した場合、4m3通水時の流出水中の鉛濃度は、10ppbであった。
【0037】
上記の実施例の結果が示すように、本発明記載の中〜高シリカゼオライトを使用した場合、溶出試験においてはアルミニウムの溶出が少なく、すなわち構造破壊が起こらず、通水試験においてはpHに関わらず良好な鉛の除去性能を示している。
これに対し比較例の結果より、低シリカゼオライトを使用した場合は、溶出試験においてアルミニウムの溶出が多く、従って構造破壊が起こりやすいことを示唆しており、また通水試験においても、酸性条件で実施例に比べて鉛の除去性能が劣っている。
【0038】
【発明の効果】
本発明のアルミノケイ酸塩系無機イオン交換体からなる浄水器用吸着剤によれば、pHに関わらず、従って水道水質基準値pH5.8〜8.6の範囲においても、長期にわたって良好な重金属除去性能を維持することができる。
また、本発明の浄水器用吸着剤を用いた浄水器は、長期にわたって安全な水を提供することが可能になる。
さらに、本発明の浄水器用吸着剤と、活性炭あるいは多孔質膜のいずれか、または両者を共に用いた浄水器は、長期にわたって安全でおいしい水を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浄水器の一例を一部断面で示した模式図である。
【符号の説明】
1 外容器
2 第1の浄化槽
3 樹脂枠
4 吸着材
5 樹脂枠
6 入口
7 第2の浄化槽
8 多孔質中空糸膜
9 流量センサー
10 流量表示及び制御部
11 吐出口
12 配水管

Claims (1)

  1. アルミノケイ酸塩系無機イオン交換体のSiO/Alの組成比が、以下の式
    3<SiO/Al≦13
    を満足するアルミノケイ酸塩系無機イオン交換体を用いた浄水器用吸着剤と、
    活性炭と、
    孔径が0.01μm〜1μmである多孔質膜とで構成されることを特徴とする浄水器。
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