JPH06125785A - セファロスポラン酸誘導体の製造法 - Google Patents
セファロスポラン酸誘導体の製造法Info
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- JPH06125785A JPH06125785A JP30065892A JP30065892A JPH06125785A JP H06125785 A JPH06125785 A JP H06125785A JP 30065892 A JP30065892 A JP 30065892A JP 30065892 A JP30065892 A JP 30065892A JP H06125785 A JPH06125785 A JP H06125785A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 デアセチルセファロスポラン酸誘導体を、酵
素の作用によりセファロスポラン酸誘導体に変換する方
法を提供する。 【構成】 デアセチルセファロスポラン酸誘導体に、酢
酸エステルの存在下で、酵素(例えば、ロドトルラ属に
属する微生物またはその調製物)を作用させて、セファ
ロスポラン酸誘導体を製造する方法。
素の作用によりセファロスポラン酸誘導体に変換する方
法を提供する。 【構成】 デアセチルセファロスポラン酸誘導体に、酢
酸エステルの存在下で、酵素(例えば、ロドトルラ属に
属する微生物またはその調製物)を作用させて、セファ
ロスポラン酸誘導体を製造する方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セフアロスポリン系抗
生物質製造における有用中間体であるセファロスポラン
酸誘導体の新規製造法に関するものである。
生物質製造における有用中間体であるセファロスポラン
酸誘導体の新規製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、前記化2式で示されるセファ
ロスポラン酸誘導体の製造としては、7−アミノセファ
ロスポリンC(7−ACA)を原料とし、化学合成法ま
たは酵素法による7−位の化学修飾が行なわれてきた。
しかしながら、この化学修飾の際にはかなりの量の副生
物が生じており、目的物質の収率低下をきたしている。
この副生物の代表化合物は、3−位が脱アセチル化され
たデアセチルセファロスポラン酸誘導体(前記化1)で
あり、再利用されず廃棄されていた。すなわち、副生物
であるデアセチルセファロスポラン酸(前記化1)をセ
ファロスポラン酸誘導体(前記化2)に変換して、有効
利用する方法は見出されていない。
ロスポラン酸誘導体の製造としては、7−アミノセファ
ロスポリンC(7−ACA)を原料とし、化学合成法ま
たは酵素法による7−位の化学修飾が行なわれてきた。
しかしながら、この化学修飾の際にはかなりの量の副生
物が生じており、目的物質の収率低下をきたしている。
この副生物の代表化合物は、3−位が脱アセチル化され
たデアセチルセファロスポラン酸誘導体(前記化1)で
あり、再利用されず廃棄されていた。すなわち、副生物
であるデアセチルセファロスポラン酸(前記化1)をセ
ファロスポラン酸誘導体(前記化2)に変換して、有効
利用する方法は見出されていない。
【0003】さらに、7−ACA(前記化2におけるR
が水素原子)の化学合成法、酵素法、または発酵法によ
る生産における副生物であるデアセチル−7−ACA
(前記化1におけるRが水素原子)の、7−ACAへの
変換による有効利用の方法も見出されていない。
が水素原子)の化学合成法、酵素法、または発酵法によ
る生産における副生物であるデアセチル−7−ACA
(前記化1におけるRが水素原子)の、7−ACAへの
変換による有効利用の方法も見出されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、セファロス
ポリン系抗生物質、またはその合成原料中間体の製造上
において、副生物を有効再利用するという課題を解決す
るものである。すなわち、デアセチルセファロスポラン
酸誘導体の3−位にアセチル基を酵素反応にて導入し、
セファロスポラン酸に変換する方法を提供することを目
的とするものである。
ポリン系抗生物質、またはその合成原料中間体の製造上
において、副生物を有効再利用するという課題を解決す
るものである。すなわち、デアセチルセファロスポラン
酸誘導体の3−位にアセチル基を酵素反応にて導入し、
セファロスポラン酸に変換する方法を提供することを目
的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、デアセチルセファロスポラン酸誘導
体をセファロスポラン酸誘導体に変換する手法について
検討してきた。その結果、前記化1式で示されるデアセ
チルセファロスポラン酸誘導体を、酢酸エステルの存在
下で酵素を作用させることにより、化2式で示されるセ
ファロスポラン酸誘導体に変換することを見出し、本発
明を完成するに至った。
題を解決するため、デアセチルセファロスポラン酸誘導
体をセファロスポラン酸誘導体に変換する手法について
検討してきた。その結果、前記化1式で示されるデアセ
チルセファロスポラン酸誘導体を、酢酸エステルの存在
下で酵素を作用させることにより、化2式で示されるセ
ファロスポラン酸誘導体に変換することを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、化1式で示されるデ
アセチルセファロスポラン酸誘導体に、酢酸エステルの
存在下で酵素(例えば、ロドトルラ属に属する微生物ま
たはその調製物)を作用させ、化2式で示されるセファ
ロスポラン酸誘導体を製造する方法である。
アセチルセファロスポラン酸誘導体に、酢酸エステルの
存在下で酵素(例えば、ロドトルラ属に属する微生物ま
たはその調製物)を作用させ、化2式で示されるセファ
ロスポラン酸誘導体を製造する方法である。
【0007】この化1式および化2式におけるRは水素
原子、R1 −CO基またはR2 −SO2 基を表し、R1
は水素原子、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基
により1個または複数個置換された炭素数1〜6の直鎖
状あるいは分枝状のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ
原子、炭素数1〜3のアルコキシ基、置換または無置換
のアリールオキシ基、イミノ基、炭素数1〜4のアルキ
リデン基あるいは複素環基により置換された炭素数1〜
3のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状あるいは分枝状
のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアラルオキシ基
を表し、R2 は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜
3のハロゲン置換アルキル基、置換あるいは無置換のア
リール基を表す。
原子、R1 −CO基またはR2 −SO2 基を表し、R1
は水素原子、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基
により1個または複数個置換された炭素数1〜6の直鎖
状あるいは分枝状のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ
原子、炭素数1〜3のアルコキシ基、置換または無置換
のアリールオキシ基、イミノ基、炭素数1〜4のアルキ
リデン基あるいは複素環基により置換された炭素数1〜
3のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状あるいは分枝状
のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアラルオキシ基
を表し、R2 は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜
3のハロゲン置換アルキル基、置換あるいは無置換のア
リール基を表す。
【0008】さらに詳しく説明すると、R1 のアルキル
基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基等がある。置換アルキル基としては、
例えば、クロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチ
ル基、シアノメチル基、シアノエチル基、メトキシエチ
ル基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基、フェノ
キシメチル基、トリルオキシメチル基、p−クロロフェ
ノキシ基、p−ニトロフェノキシ基、(2−チエニル)
メチル基、(1−(1H)−テトラゾール)メチル基、
(2−アミノ−4−チアゾリル)メチル基、(2−フリ
ル)メチル基、(2−アミノ−4−チアゾリル)メトキ
シイミノメチル基、(2−アミノ−4−チアゾリル)プ
ロピリデンメチル基等がある。アルコキシ基としては、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキ
シ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基等がある。アラルオ
キシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、p−ニト
ロベンジルオキシ基等がある。R2 のアルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等があ
る。ハロゲン置換アルキル基としては、例えば、トリフ
ルオロメチル基等がある。
基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基等がある。置換アルキル基としては、
例えば、クロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチ
ル基、シアノメチル基、シアノエチル基、メトキシエチ
ル基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基、フェノ
キシメチル基、トリルオキシメチル基、p−クロロフェ
ノキシ基、p−ニトロフェノキシ基、(2−チエニル)
メチル基、(1−(1H)−テトラゾール)メチル基、
(2−アミノ−4−チアゾリル)メチル基、(2−フリ
ル)メチル基、(2−アミノ−4−チアゾリル)メトキ
シイミノメチル基、(2−アミノ−4−チアゾリル)プ
ロピリデンメチル基等がある。アルコキシ基としては、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキ
シ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基等がある。アラルオ
キシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、p−ニト
ロベンジルオキシ基等がある。R2 のアルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等があ
る。ハロゲン置換アルキル基としては、例えば、トリフ
ルオロメチル基等がある。
【0009】本発明に用いられる酵素としては、セファ
ロスポラン酸の3位のアセチル基に作用するエステラー
ゼ(別名アセチルハイドロラーゼ)またはリパーゼ等で
あればよく、微生物もしくは動物由来のいずれのもので
あってもよい。さらに、酵素はそのままでもよく、さら
には、天然高分子物質または合成高分子に固定化された
ものを用いることができる。酵素の具体例としては、市
販のエステラーゼまたはリパーゼであり、さらに、本発
明に用いる酵素として最も適しているのは、ロドトルラ
属に属する微生物またはその調製物である。具体的に
は、ロドトルラグルチニス( Rhodotorula glutinis )
38B1(微工研菌寄第13039号)を使うことがで
きる。本菌は京都府の土壌中より分離したもので、上記
の番号で微生物工業技術研究所に寄託されている。本菌
の菌学的性質は、以下に示すとおりである。
ロスポラン酸の3位のアセチル基に作用するエステラー
ゼ(別名アセチルハイドロラーゼ)またはリパーゼ等で
あればよく、微生物もしくは動物由来のいずれのもので
あってもよい。さらに、酵素はそのままでもよく、さら
には、天然高分子物質または合成高分子に固定化された
ものを用いることができる。酵素の具体例としては、市
販のエステラーゼまたはリパーゼであり、さらに、本発
明に用いる酵素として最も適しているのは、ロドトルラ
属に属する微生物またはその調製物である。具体的に
は、ロドトルラグルチニス( Rhodotorula glutinis )
38B1(微工研菌寄第13039号)を使うことがで
きる。本菌は京都府の土壌中より分離したもので、上記
の番号で微生物工業技術研究所に寄託されている。本菌
の菌学的性質は、以下に示すとおりである。
【0010】38B1菌株: YM培地における形態; 液体培地;48時間培養にて、(3−5)×(4−6)
μmの球形ないし卵形で、単一細胞で存在。21日培養
にて、毛状ではない沈殿を生じ、クリーム色。 寒天培地;48時間培養にて、(3−5)×(4−8)
μmの球形ないし長い卵形で、単一細胞および複数の対
の細胞で存在。21日培養にて、オレンジ色となり、表
面はなめらかで、わずかに光沢あり。 仮性菌糸と真性菌糸について;コーンミール寒天培地お
よびポテトデキストロース寒天培地において、好気およ
び嫌気条件下にて、仮性および真性菌糸はなし。 胞子について;射出胞子、分節胞子、エンドスポアー、
厚膜胞子はともに観察されない。 有性胞子について;Gorodkowa 培地およびコーンミール
寒天培地にて有性胞子は観察されない。 発酵能;D−グルコース、D−ガラクトース、シューク
ロース、マルトース、セロビオース、α,α−トレハロ
ース、ラクトース、メリビオース、ラフィノース、メレ
ズィトース、イヌリン、可溶性デンプン、メチルα−D
−グルコピラノシドに対する発酵能はすべてない。
μmの球形ないし卵形で、単一細胞で存在。21日培養
にて、毛状ではない沈殿を生じ、クリーム色。 寒天培地;48時間培養にて、(3−5)×(4−8)
μmの球形ないし長い卵形で、単一細胞および複数の対
の細胞で存在。21日培養にて、オレンジ色となり、表
面はなめらかで、わずかに光沢あり。 仮性菌糸と真性菌糸について;コーンミール寒天培地お
よびポテトデキストロース寒天培地において、好気およ
び嫌気条件下にて、仮性および真性菌糸はなし。 胞子について;射出胞子、分節胞子、エンドスポアー、
厚膜胞子はともに観察されない。 有性胞子について;Gorodkowa 培地およびコーンミール
寒天培地にて有性胞子は観察されない。 発酵能;D−グルコース、D−ガラクトース、シューク
ロース、マルトース、セロビオース、α,α−トレハロ
ース、ラクトース、メリビオース、ラフィノース、メレ
ズィトース、イヌリン、可溶性デンプン、メチルα−D
−グルコピラノシドに対する発酵能はすべてない。
【0011】同化能; D−グルコース + D−ガラクトース + L−ソルボース − シュークロース + マルトース + セロビオース − α,α−トレハロース + ラクトース − メリビオース − ラフィノース ± メレズィトース + イヌリン + 可溶性デンプン − キシロース + L−アラビノース + D−アラビノース + D−リボース + L−ラムノース − エタノール + グリセロール + エリスリトール − リビトール + ガラクチトール − D−マンニトール + D−グルシトール − メチルα−D−グルコピラノシド + サリシン + 乳 酸 + コハク酸 + クエン酸 − myo −イノシトール − D−グルコノ−1,5−ラクトン + D−グルコサミン − メタノール − キシリトール + 硫酸アンモニウム + 硝酸カリウム + エチルアミン − カダベリン + L−リジン +
【0012】その他の特性; 0.01%シクロヘキシマイド生育 + 0.1%シクロヘキシマイド生育 + 50%グルコース生育 − 1%酢酸生育 − 油脂分解性 − 生酸性 − 37℃での生育 + アルブチン加水分解 − ウレアーゼ活性 − デンプン生産性 − NaCl耐性 −
【0013】以上の菌学的性質を飯塚、後藤による「酵
母の分類同定法,第2版(1973)」および J.Lodde
r による「 The Yeasts, A Taxonomic Study, 2nd ed.,
(1970)」にしたがって分類すると、38B1菌株
はロドトルラ グルチニス(Rhodotorula glutinis )と
同定された。
母の分類同定法,第2版(1973)」および J.Lodde
r による「 The Yeasts, A Taxonomic Study, 2nd ed.,
(1970)」にしたがって分類すると、38B1菌株
はロドトルラ グルチニス(Rhodotorula glutinis )と
同定された。
【0014】本発明における反応方法は、化1式に示さ
れるデアセチルセファロスポラン酸誘導体と、酵素、も
しくは微生物またはその調製物とを、酢酸エステルの存
在下にて接触させることにより、化2式で示されるセフ
ァロスポラン酸誘導体を得るものである。微生物または
その調製物とは、具体的には、前記のロドトルラ属に属
する微生物を培養した培養物、そこから集めた菌体処理
物(例えば、菌体の破砕物または菌体より分離抽出した
酵素)、さらに、菌体または菌体処理物を適当な方法に
より、例えば、天然高分子物質または合成高分子に固定
化したものを示す。
れるデアセチルセファロスポラン酸誘導体と、酵素、も
しくは微生物またはその調製物とを、酢酸エステルの存
在下にて接触させることにより、化2式で示されるセフ
ァロスポラン酸誘導体を得るものである。微生物または
その調製物とは、具体的には、前記のロドトルラ属に属
する微生物を培養した培養物、そこから集めた菌体処理
物(例えば、菌体の破砕物または菌体より分離抽出した
酵素)、さらに、菌体または菌体処理物を適当な方法に
より、例えば、天然高分子物質または合成高分子に固定
化したものを示す。
【0015】本発明で使用される微生物の培養は、公知
の方法に準じて行なうことができる。使用する培地は、
一般酵母の栄養源として公知のものが利用でき、グルコ
ース、フラクトース、エタノール、シュークロース、マ
ルトース、酢酸、オレイン酸エチル等の炭素源、硝酸、
硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、アンモニア等の
窒素源、酵母エキス、麦芽エキス、ペプトン、肉エキ
ス、ポテト等の有機栄養源、L−バリン、L−グルタミ
ン酸等のアミノ酸、リン酸、マグネシウム、カリウム、
鉄、コバルト、マンガン等の無機栄養源を適宜組合せて
使用できる。培地のpHは3〜10の範囲で選べばよ
く、培養温度は15℃から40℃、好ましくは25℃か
ら32℃である。培養日数は1日から10日の範囲で活
性が最大となるまで培養すればよい。
の方法に準じて行なうことができる。使用する培地は、
一般酵母の栄養源として公知のものが利用でき、グルコ
ース、フラクトース、エタノール、シュークロース、マ
ルトース、酢酸、オレイン酸エチル等の炭素源、硝酸、
硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、アンモニア等の
窒素源、酵母エキス、麦芽エキス、ペプトン、肉エキ
ス、ポテト等の有機栄養源、L−バリン、L−グルタミ
ン酸等のアミノ酸、リン酸、マグネシウム、カリウム、
鉄、コバルト、マンガン等の無機栄養源を適宜組合せて
使用できる。培地のpHは3〜10の範囲で選べばよ
く、培養温度は15℃から40℃、好ましくは25℃か
ら32℃である。培養日数は1日から10日の範囲で活
性が最大となるまで培養すればよい。
【0016】本発明における反応条件を次に説明する。
反応は、水性溶媒、非水溶性有機溶媒のどちらにおいて
も進行させることができる。水性溶媒とは、水、各種塩
類からなる緩衝液、およびこれらとプロパノール等のア
ルコール溶媒、アセトン等のケトン溶媒、アセトニトリ
ル等のニトリル溶媒、1,4−ジオキサン等のエーテル
溶媒、ジメチルスルホキシド等の極性非プロトン性溶媒
等の水溶性有機溶媒との混合溶媒、さらには、水性溶媒
と非水溶性有機溶媒との混合溶媒(二相系となってもよ
い)を意味する。また、原料の種類によっては溶解性を
増すことにより反応速度を上昇させるために、界面活性
剤を添加してもよい。
反応は、水性溶媒、非水溶性有機溶媒のどちらにおいて
も進行させることができる。水性溶媒とは、水、各種塩
類からなる緩衝液、およびこれらとプロパノール等のア
ルコール溶媒、アセトン等のケトン溶媒、アセトニトリ
ル等のニトリル溶媒、1,4−ジオキサン等のエーテル
溶媒、ジメチルスルホキシド等の極性非プロトン性溶媒
等の水溶性有機溶媒との混合溶媒、さらには、水性溶媒
と非水溶性有機溶媒との混合溶媒(二相系となってもよ
い)を意味する。また、原料の種類によっては溶解性を
増すことにより反応速度を上昇させるために、界面活性
剤を添加してもよい。
【0017】反応条件において最も重要なことは、反応
におけるアセチル基の供与体として、酢酸エステルを添
加することである。酢酸エステルとしては、酢酸メチ
ル、酢酸エチル等が安価で使いやすい。この酢酸エステ
ルの反応系への添加濃度は、0.0001から100%
の間で選べばよく、上記に記載の反応溶媒そのものとし
て選ぶこともできる。酢酸エステルがアセチル基の供与
体として有効であるのは、化1式にて示されるデアセチ
ルセファロスポラン酸誘導体のアセチル化が、酵素によ
るエステル交換反応によるからであると考えられる
におけるアセチル基の供与体として、酢酸エステルを添
加することである。酢酸エステルとしては、酢酸メチ
ル、酢酸エチル等が安価で使いやすい。この酢酸エステ
ルの反応系への添加濃度は、0.0001から100%
の間で選べばよく、上記に記載の反応溶媒そのものとし
て選ぶこともできる。酢酸エステルがアセチル基の供与
体として有効であるのは、化1式にて示されるデアセチ
ルセファロスポラン酸誘導体のアセチル化が、酵素によ
るエステル交換反応によるからであると考えられる
【0018】反応温度は、原料の種類、反応溶媒の種
類、その他の条件により必ずしも一定ではないが、通常
は約0〜80℃の間であり、好ましくは3〜35℃の間
を選択する。反応における化1式で示される原料の添加
濃度は、約0.001〜70重量%の間であり、好まし
くは0.1〜40重量%の間を選択する。反応pHは3
〜11であり、好ましくは4〜8の間を選択する。反応
時間は、0.5〜300時間の間を選択する。反応によ
り消費される化1式で示されるデアセチルセファロスポ
ラン酸誘導体は、連続的あるいは間歇的に補充し、反応
液中の濃度が上記の範囲に維持されるように添加しても
よい。
類、その他の条件により必ずしも一定ではないが、通常
は約0〜80℃の間であり、好ましくは3〜35℃の間
を選択する。反応における化1式で示される原料の添加
濃度は、約0.001〜70重量%の間であり、好まし
くは0.1〜40重量%の間を選択する。反応pHは3
〜11であり、好ましくは4〜8の間を選択する。反応
時間は、0.5〜300時間の間を選択する。反応によ
り消費される化1式で示されるデアセチルセファロスポ
ラン酸誘導体は、連続的あるいは間歇的に補充し、反応
液中の濃度が上記の範囲に維持されるように添加しても
よい。
【0019】このようにして得られる反応混合物から、
目的化合物を回収するには、先ずpHを7〜8に調整
後、遠心分離あるいは濾過等により微生物等の不溶物を
除去し、希硫酸もしくは希塩酸にて酸性となし、0〜1
0℃条件下にて6〜48時間静置し、生成した結晶を濾
種する。目的化合物は、必要により再結晶、メタノール
等のアルコール類による洗浄、または吸着樹脂やイオン
交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製
し、高純度のものとすることができる。
目的化合物を回収するには、先ずpHを7〜8に調整
後、遠心分離あるいは濾過等により微生物等の不溶物を
除去し、希硫酸もしくは希塩酸にて酸性となし、0〜1
0℃条件下にて6〜48時間静置し、生成した結晶を濾
種する。目的化合物は、必要により再結晶、メタノール
等のアルコール類による洗浄、または吸着樹脂やイオン
交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製
し、高純度のものとすることができる。
【0020】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。ただし、これらの実施例は、本発明の範囲を
限定するものではない。 実施例1 酢酸ナトリウム2%、塩化アンモニウム0.3%、リン
酸2カリウム0.3%、リン酸1カリウム0.2%、硫
酸マグネシウム(7水塩)0.02%、ビタミン混合液
0.1%、金属混合液0.2%(ビタミン混合液とは、
チアミン塩酸塩1mg、リボフラビン2mg、パントテン酸
カルシウム2mg、ピリドキシン塩酸塩2mg、ビオチン
0.1mg、p−アミノベンゾイック酸1mg、ニコチン酸
2mgを100mlの蒸留水に溶かしたものである。金属混
合液とは、硫酸マグネシウム7水塩5g、塩化マンガン
4水塩410mg、塩化第1鉄350mg、塩化亜鉛200
mg、塩化カルシウム100mg、塩化コバルト6水塩20
mg、塩化銅2水塩20mg、モリブデン酸ナトリウム2水
塩10mg、ホウ酸ナトリウム10水塩10mgを100ml
の蒸留水に溶かしたものである。)を含み、pHを7.
0にした殺菌培地500mlに、予め同培地で培養したロ
ドトルラ グルチニス 38B1株を2%移植し、28
℃で36時間培養した。培養後、遠心分離にて菌体を集
め、生理食塩水で洗浄した。この菌体を、0.1Mクエ
ン酸カリウム−ホウ酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)
にて、さらに洗浄した。このようにして得た菌体約2.
5g-dcwと酢酸メチル95ml、および226mgのデアセ
チル−7−アミノセファロスポラン酸(化1式における
Rが水素原子)を含む水溶液5mlを混合し、10℃で3
0時間反応させた。反応終了後、pHを7.0とし、遠
心分離により菌体を除去した上清液を減圧濃縮し、酢酸
メチルを完全にとばした。この濃縮液を蒸留水に溶解さ
せた後、合成吸着剤であるHP−20のカラムに吸着さ
せた。蒸留水−10%メタノール水のグラジエントによ
り、目的物質を溶出させた。目的物質を含む画分を集
め、減圧濃縮(35℃以下)し、5℃にて結晶化させ
た。24時間静置後、生成した結晶を濾取し、メタノー
ルで洗浄後、乾燥し、7−アミノセファロスポラン酸1
09mgを得た。化合物の同定は、標品のクロマトデータ
およびNMR、IR、UV等のスペクトルデータと比較
して行った。
説明する。ただし、これらの実施例は、本発明の範囲を
限定するものではない。 実施例1 酢酸ナトリウム2%、塩化アンモニウム0.3%、リン
酸2カリウム0.3%、リン酸1カリウム0.2%、硫
酸マグネシウム(7水塩)0.02%、ビタミン混合液
0.1%、金属混合液0.2%(ビタミン混合液とは、
チアミン塩酸塩1mg、リボフラビン2mg、パントテン酸
カルシウム2mg、ピリドキシン塩酸塩2mg、ビオチン
0.1mg、p−アミノベンゾイック酸1mg、ニコチン酸
2mgを100mlの蒸留水に溶かしたものである。金属混
合液とは、硫酸マグネシウム7水塩5g、塩化マンガン
4水塩410mg、塩化第1鉄350mg、塩化亜鉛200
mg、塩化カルシウム100mg、塩化コバルト6水塩20
mg、塩化銅2水塩20mg、モリブデン酸ナトリウム2水
塩10mg、ホウ酸ナトリウム10水塩10mgを100ml
の蒸留水に溶かしたものである。)を含み、pHを7.
0にした殺菌培地500mlに、予め同培地で培養したロ
ドトルラ グルチニス 38B1株を2%移植し、28
℃で36時間培養した。培養後、遠心分離にて菌体を集
め、生理食塩水で洗浄した。この菌体を、0.1Mクエ
ン酸カリウム−ホウ酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)
にて、さらに洗浄した。このようにして得た菌体約2.
5g-dcwと酢酸メチル95ml、および226mgのデアセ
チル−7−アミノセファロスポラン酸(化1式における
Rが水素原子)を含む水溶液5mlを混合し、10℃で3
0時間反応させた。反応終了後、pHを7.0とし、遠
心分離により菌体を除去した上清液を減圧濃縮し、酢酸
メチルを完全にとばした。この濃縮液を蒸留水に溶解さ
せた後、合成吸着剤であるHP−20のカラムに吸着さ
せた。蒸留水−10%メタノール水のグラジエントによ
り、目的物質を溶出させた。目的物質を含む画分を集
め、減圧濃縮(35℃以下)し、5℃にて結晶化させ
た。24時間静置後、生成した結晶を濾取し、メタノー
ルで洗浄後、乾燥し、7−アミノセファロスポラン酸1
09mgを得た。化合物の同定は、標品のクロマトデータ
およびNMR、IR、UV等のスペクトルデータと比較
して行った。
【0021】実施例2 実施例1と同様にして培養し、洗浄したロドトルラ グ
ルチニス 38B1の菌体(20mg-dcw)に、3.3m
Mデアセチル−7−アミノセファロスポラン酸(化1式
におけるRが水素原子)溶液( McIlvaine buffer,pH
5.5)0.3ml、酢酸メチル0.2ml、さらに各種有
機溶媒0.5mlを添加し、30℃で3時間反応させた。
反応終了後、遠心分離により菌体を除去した上清液をH
PLCにより、生成された7−アミノセファロスポラン
酸(7−ACA)を定量した。結果は表1のようにな
り、アセトンおよびアセトニトリルにおいて、溶媒の添
加効果がみられた。
ルチニス 38B1の菌体(20mg-dcw)に、3.3m
Mデアセチル−7−アミノセファロスポラン酸(化1式
におけるRが水素原子)溶液( McIlvaine buffer,pH
5.5)0.3ml、酢酸メチル0.2ml、さらに各種有
機溶媒0.5mlを添加し、30℃で3時間反応させた。
反応終了後、遠心分離により菌体を除去した上清液をH
PLCにより、生成された7−アミノセファロスポラン
酸(7−ACA)を定量した。結果は表1のようにな
り、アセトンおよびアセトニトリルにおいて、溶媒の添
加効果がみられた。
【0022】
【表1】
【0023】実施例3 実施例1と同様にして培養し、洗浄したロドトルラ グ
ルチニス 38B1の菌体(40mg-dcw)に、6.6m
Mデアセチル−7−アミノセファロスポラン酸溶液( M
cIlvaine buffer,pH5.5)0.6ml、酢酸メチル
0.4ml、アセトニトリル1mlを添加し、各種反応温度
で5時間反応させた。反応終了後、遠心分離により菌体
を除去した上清液をHPLCにより、生成された7−A
CAを定量した。結果は図1のようになり、18℃付近
が最適であった。
ルチニス 38B1の菌体(40mg-dcw)に、6.6m
Mデアセチル−7−アミノセファロスポラン酸溶液( M
cIlvaine buffer,pH5.5)0.6ml、酢酸メチル
0.4ml、アセトニトリル1mlを添加し、各種反応温度
で5時間反応させた。反応終了後、遠心分離により菌体
を除去した上清液をHPLCにより、生成された7−A
CAを定量した。結果は図1のようになり、18℃付近
が最適であった。
【0024】実施例4 実施例1と同様にして培養し、洗浄したロドトルラ グ
ルチニス 38B1の菌体(40mg-dcw)に、40mM
デアセチル−7−アミノセファロスポラン酸溶液( McI
lvaine buffer,pH5.5)0.1mlと酢酸メチルまた
は酢酸エチルを各種濃度に添加し(最終液量は蒸留水に
て2.0mlに合わせた)、25℃で3時間反応させた。
反応終了後、遠心分離により菌体を除去した上清液をH
PLCにより、生成された7−ACAを定量した。結果
は表2のようになり、酢酸メチル95%添加で反応が最
大となった。
ルチニス 38B1の菌体(40mg-dcw)に、40mM
デアセチル−7−アミノセファロスポラン酸溶液( McI
lvaine buffer,pH5.5)0.1mlと酢酸メチルまた
は酢酸エチルを各種濃度に添加し(最終液量は蒸留水に
て2.0mlに合わせた)、25℃で3時間反応させた。
反応終了後、遠心分離により菌体を除去した上清液をH
PLCにより、生成された7−ACAを定量した。結果
は表2のようになり、酢酸メチル95%添加で反応が最
大となった。
【0025】
【表2】
【0026】実施例5 実施例1における培地において、酢酸ナトリウム2%の
代わりに、各種炭素源を1%とした殺菌培地50ml(5
00ml坂口フラスコ使用)を用いて、ロドトルラ グル
チニス 38B1菌株を28℃、2日培養した。培養
後、遠心分離にて菌体を集め、実施例1と同様に洗浄し
た。この菌体40mg-dcwに、40mMデアセチル−7−
アミノセファロスポラン酸溶液( McIlvaine buffer,p
H5.5)0.1mlと酢酸メチル1.9mlを添加し、2
5℃で3時間反応させた。反応終了後、遠心分離により
菌体を除去した上清液をHPLCにより、生成された7
−ACAを定量した。結果は表3のようになり、酢酸ナ
トリウムを炭素源とした際、最大活性を示した。
代わりに、各種炭素源を1%とした殺菌培地50ml(5
00ml坂口フラスコ使用)を用いて、ロドトルラ グル
チニス 38B1菌株を28℃、2日培養した。培養
後、遠心分離にて菌体を集め、実施例1と同様に洗浄し
た。この菌体40mg-dcwに、40mMデアセチル−7−
アミノセファロスポラン酸溶液( McIlvaine buffer,p
H5.5)0.1mlと酢酸メチル1.9mlを添加し、2
5℃で3時間反応させた。反応終了後、遠心分離により
菌体を除去した上清液をHPLCにより、生成された7
−ACAを定量した。結果は表3のようになり、酢酸ナ
トリウムを炭素源とした際、最大活性を示した。
【0027】
【表3】
【0028】実施例6 実施例1における培地において、酢酸ナトリウム2%お
よび塩化アンモニウム0.3%の代わりに、炭素源とし
て酢酸ナトリウムまたはフラクトース各1%、および窒
素源として塩化ナトリウム、ヒドロキシ−L−プロリ
ン、L−フェニルアラニン、L−チロシン、L−システ
イン各0.3%を入れた殺菌培地50ml(500ml坂口
フラスコ使用)を用いて、ロドトルラ グルチニス 3
8B1菌株を28℃、2日培養した。培養後、遠心分離
にて菌体を集め、実施例1と同様に洗浄した。この菌体
40mg-dcwに、40mMデアセチル−7−アミノセファ
ロスポラン酸溶液( McIlvaine buffer,pH5.5)
0.1mlと酢酸メチル1.9mlを添加し、25℃で3時
間反応させた。反応終了後、遠心分離により菌体を除去
した上清液をHPLCにより、生成された7−ACAを
定量した。結果は表4のようになり、酢酸ナトリウムと
塩化ナトリウムを組合せた場合において、最大活性を示
した。
よび塩化アンモニウム0.3%の代わりに、炭素源とし
て酢酸ナトリウムまたはフラクトース各1%、および窒
素源として塩化ナトリウム、ヒドロキシ−L−プロリ
ン、L−フェニルアラニン、L−チロシン、L−システ
イン各0.3%を入れた殺菌培地50ml(500ml坂口
フラスコ使用)を用いて、ロドトルラ グルチニス 3
8B1菌株を28℃、2日培養した。培養後、遠心分離
にて菌体を集め、実施例1と同様に洗浄した。この菌体
40mg-dcwに、40mMデアセチル−7−アミノセファ
ロスポラン酸溶液( McIlvaine buffer,pH5.5)
0.1mlと酢酸メチル1.9mlを添加し、25℃で3時
間反応させた。反応終了後、遠心分離により菌体を除去
した上清液をHPLCにより、生成された7−ACAを
定量した。結果は表4のようになり、酢酸ナトリウムと
塩化ナトリウムを組合せた場合において、最大活性を示
した。
【0029】
【表4】
【0030】実施例7 実施例1と同様にして培養し、洗浄したロドトルラ グ
ルチニス 38B1菌体約2.8g-dcwと酢酸メチル9
5ml、および369mgの7−(5−アミノ−5−カルボ
キシ−1−オキソペンチル)デアセチルセファロスポラ
ン酸(化1式におけるR1 が4−アミノ−4−カルボキ
シブチル基:デアセチルセファロスポランC)を含む水
溶液5mlを混合し、10℃で22時間反応させた。反応
終了後、実施例1と同様に、除菌、HP−20カラムク
ロマトグラフィー、結晶化(pH3)を行い、7−(5
−アミノ−5−カルボキシ−1−オキソペンチル)セフ
ァロスポラン酸(セファロスポリンC)191mgを得
た。化合物の同定は、標品のクロマトデータおよびNM
R、IR、UV等のスペクトルデータと比較して行っ
た。
ルチニス 38B1菌体約2.8g-dcwと酢酸メチル9
5ml、および369mgの7−(5−アミノ−5−カルボ
キシ−1−オキソペンチル)デアセチルセファロスポラ
ン酸(化1式におけるR1 が4−アミノ−4−カルボキ
シブチル基:デアセチルセファロスポランC)を含む水
溶液5mlを混合し、10℃で22時間反応させた。反応
終了後、実施例1と同様に、除菌、HP−20カラムク
ロマトグラフィー、結晶化(pH3)を行い、7−(5
−アミノ−5−カルボキシ−1−オキソペンチル)セフ
ァロスポラン酸(セファロスポリンC)191mgを得
た。化合物の同定は、標品のクロマトデータおよびNM
R、IR、UV等のスペクトルデータと比較して行っ
た。
【0031】実施例8 実施例1と同様に培養し、洗浄したロドトルラ グルチ
ニス 38B1菌体約2.1g-dcwと酢酸メチル99m
l、および300mgの7β−〔(Z)−2−(2−アミ
ノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセチ
ル〕デアセチルセファロスポラン酸〔化1式におけるR
が(2−アミノ−4−チアゾリル)メトキシイミノアセ
チル基〕を混合し、十分攪拌しながら、10℃で20時
間反応させた。反応終了後、実施例1と同様に、除菌、
HP−20カラムクロマトグラフィー、結晶化(pH
3)を行い、7β−〔(Z)−2−(2−アミノチアゾ
ール−4−イル)−2−メトキシイミノアセチル〕セフ
ァロスポラン酸127mgを得た。化合物の同定は、標品
のクロマトデータおよびNMR、IR、UV等のスペク
トルデータと比較して行った。
ニス 38B1菌体約2.1g-dcwと酢酸メチル99m
l、および300mgの7β−〔(Z)−2−(2−アミ
ノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセチ
ル〕デアセチルセファロスポラン酸〔化1式におけるR
が(2−アミノ−4−チアゾリル)メトキシイミノアセ
チル基〕を混合し、十分攪拌しながら、10℃で20時
間反応させた。反応終了後、実施例1と同様に、除菌、
HP−20カラムクロマトグラフィー、結晶化(pH
3)を行い、7β−〔(Z)−2−(2−アミノチアゾ
ール−4−イル)−2−メトキシイミノアセチル〕セフ
ァロスポラン酸127mgを得た。化合物の同定は、標品
のクロマトデータおよびNMR、IR、UV等のスペク
トルデータと比較して行った。
【0032】
【発明の効果】本発明を利用することにより、セファロ
スポリン系抗生物質の製造中間体であるセファロスポラ
ン酸誘導体を、対応するデアセチルセファロスポラン酸
誘導体より、酢酸エステルの存在下で、酵素反応を用い
て、常温常圧下で製造できるため経済上非常に有利であ
る。本発明は、詳細に、かつ、特にその具体化において
は、実施例をもって述べてきたが、本発明の精神と範囲
から外れることがないならば、本発明の中で各種の変化
や変更ができることは、当該技術分野のものには明らか
であろう。
スポリン系抗生物質の製造中間体であるセファロスポラ
ン酸誘導体を、対応するデアセチルセファロスポラン酸
誘導体より、酢酸エステルの存在下で、酵素反応を用い
て、常温常圧下で製造できるため経済上非常に有利であ
る。本発明は、詳細に、かつ、特にその具体化において
は、実施例をもって述べてきたが、本発明の精神と範囲
から外れることがないならば、本発明の中で各種の変化
や変更ができることは、当該技術分野のものには明らか
であろう。
【図1】本発明の実施例3における反応温度による影響
の結果を示すグラフである。
の結果を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記化1式で示されるデアセチルセファ
ロスポラン酸誘導体に、酢酸エステルの存在下で酵素を
作用させることを特徴とする下記化2式で示されるセフ
ァロスポラン酸誘導体の製造法。 【化1】 (式中、Rは水素原子、R1 −CO基またはR2 −SO
2 基を表し、R1 は水素原子、アミノ基、カルボニル
基、カルボキシル基により1個または複数個置換された
炭素数1〜6の直鎖状あるいは分枝状のアルキル基、ハ
ロゲン原子、シアノ原子、炭素数1〜3のアルコキシ
基、置換または無置換のアリールオキシ基、イミノ基、
炭素数1〜4のアルキリデン基あるいは複素環基により
置換された炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜4の
直鎖状あるいは分枝状のアルコキシ基、置換あるいは無
置換のアラルオキシ基、R2 は炭素数1〜3のアルキル
基、炭素数1〜3のハロゲン置換アルキル基、置換ある
いは無置換のアリール基を表す。) 【化2】 (式中、Rは上記化1と同一である。) - 【請求項2】 酵素がロドトルラ属に属する微生物また
はその調製物である請求項1に記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30065892A JPH06125785A (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | セファロスポラン酸誘導体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30065892A JPH06125785A (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | セファロスポラン酸誘導体の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06125785A true JPH06125785A (ja) | 1994-05-10 |
Family
ID=17887514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30065892A Withdrawn JPH06125785A (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | セファロスポラン酸誘導体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06125785A (ja) |
-
1992
- 1992-10-14 JP JP30065892A patent/JPH06125785A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000104 |