JPH06125648A - 椎茸種駒及びその製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋸屑種菌を崩壊させることなく、原木に容易
に移植することが出来、しかも椎茸の生育に全く支障が
無い椎茸種駒の製造法を提供する。 【構成】 通気性シートによって成形したカップ状容器
１ｂに鋸屑種菌４を加圧充填し、而もカップ状容器１ｂ
の開口部周縁に蓋を構成するカバーフイルム５を接着し
てなる椎茸種駒。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、椎茸を栽培するために
原木に植える鋸屑種菌を充填して種駒を作るための多数
の小さな窪みを備えたシートパック及びその製造方法に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、椎茸の鋸屑種菌は、シート状物に
形成した多数の小さな窪みのそれぞれに、主として鋸屑
及び椎茸菌糸の混合物を詰め、適温・適湿に暫く保持
し、窪みの形状に成形・固化したものであって、原木に
あけた凹孔に押込み、適温・適湿に保持し、菌糸を前記
原木内で増殖させ、その菌糸より椎茸を発生させ、栽培
している。

【０００３】しかしながら、前記窪みより鋸屑種菌の取
り出しに当たっては、窪み底の下側から固化した鋸屑種
菌を押出しているが、鋸屑種菌は固化しているとは言
え、崩れ易く、しばしば崩壊し、種菌として取扱いが困
難となり勝ちであると問題点がある。また蓋が封ろう等
で虫がついていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、シート状物に形成した多数の小さな窪みに詰めた
鋸屑種菌を取出し、原木の凹孔に詰める時、崩れて、ば
らばらになる等取扱いが困難であることである。また、
虫が付かない種駒を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る椎茸種駒
は、通気性シートによって形成したカップ状容器１ｂに
鋸屑種菌４を加圧充填し、而もカップ状容器１ｂの開口
部周縁に蓋を構成するカバーフイルム５を接着してあ
る。

【０００６】

【実施例】実施例について図面によって説明すると、１
は椎茸の鋸屑種菌を詰める多数の窪み１ａを形成した通
気性シートであって、たとえば植物短繊維を糊で結合し
た合成紙又は不織布よりなる通気性シートを、蒸気又は
熱に当てて軟化させた状態で、図３，図４に示す如く凹
型２・凸型３間に挟んで押圧成形して製造する。出来上
ったシートパック１は、図５に示す如く鋸屑と椎茸菌糸
との混合物４ａを窪み１ａに詰め、次いで、図６に示す
如く各窪み１ａを覆う如くカバーフイルム５を被せ接着
し、適温・適湿に保持して鋸屑種菌を培養する。なお、
カバーフイルム５は、図５において合成樹脂製フイルム
本体５ａの下面に摂氏７０〜１００Ｃ゜で溶かした松脂
等高温溶解性糊の被覆層５ｂが付着されている。カバー
フイルム５は雑菌の侵入防止・湿分保持のために、鋸屑
種菌４の上に載せられる。

【０００７】上記の様に培養した鋸屑種菌４は、１シー
トパック毎に全窪み１ａを蓋５と共に切離し、図７に示
す如く鋸屑種菌４をカップ状容器１ｂに充填し且つ蓋と
してカバーフイルム５を被せた状態の種駒６にする。そ
して図８に示す如く種駒６を、気密包装１０に入れて保
管・運搬等する。この種駒６の原木への移植に当たって
は、図９に示す如く、原木７に開けた凹穴８に押込んだ
後に適温・適湿に保持すると、図１０に示す如くカップ
状容器１ｂが腐食すると共に蓋５が破れて屑種菌より菌
糸９が原木７内に繁殖し、原木を分解しながら蔓延し、
何等の支障無く、椎茸を発生する。

【発明の効果】本発明は以上のように構成されるため、
従来、シート状物の凹みに詰めた鋸屑種菌を移植の都
度、窪みから押出すため、しばしば鋸屑種菌が崩壊して
いたものが、窪み１ａ・蓋５と共に原木に移植可能にな
り、鋸屑種菌が崩壊することもなく、作業が著しく簡単
になり、しかも椎茸の生育に全く支障が無く、極めて有
用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】シートパックの垂直切断正面図である。

【図２】シートパックの概略斜視図である。

【図３】製造工程の前半の状態を示す正面図である。

【図４】製造工程の後半の状態を示す正面図である。

【図５】完成したシートパックに種菌を詰めた状態を示
す正面図である。

【図６】完成したシートパックに種菌及びカバーフイル
ムをした状態を示す正面図である。

【図７】種駒の正面図である。

【図８】種駒を気密包装した状態を示す正面図である。

【図９】種駒を原木に押し込んだ初期の状態を示す正面
図である。

【図10】窪みが腐食すると共に、種駒が菌糸が延びた状
態を示す正面図である。

【符号の説明】

１ シートパック １ａ 窪み １ｂ カップ状容器 ２ 凹型 ３ 凸型 ４ 鋸屑種菌 ４ａ 混合物 ５ カバーフイルム ５ａ フイルム本体 ５ｂ 被覆層 ６ 種駒 ７ 原木 ８ 凹穴 ９ 菌糸 １０ 気密包装

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【手続補正書】

【提出日】平成５年１０月１９日

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】発明の名称

【補正方法】変更

【補正内容】

【発明の名称】 椎茸種駒及びその製造法

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通気性シートによって成形したカップ状
   容器（１ｂ）に鋸屑種菌（４）を加圧充填し、而もカッ
   プ状容器（１ｂ）の開口部周縁に蓋を構成するカバーフ
   イルム（５）を接着してなる椎茸種駒。
2. 【請求項２】 植物短繊維を糊で結合した合成紙又は不
   織布よりなる通気性シートに蒸気を当てて軟化させる工
   程、及びその蒸気を当てて軟化させた状態の通気性シー
   トを凹型（２）・凸型（３）間に挟んで押圧成形して、
   その通気性シートに多数の窪み（１ａ）を形成する工
   程、各窪み（１ａ）に鋸屑種菌（４）を加圧充填する工
   程、各窪み（１ａ）を覆う如くカバーフイルム（５）を
   被せ熱融着する工程、各窪み（１ａ）を切離す工程より
   なる椎茸種駒の製造法。
3. 【請求項３】 植物短繊維を糊で結合した合成紙又は不
   織布よりなる通気性シートに熱を当てて軟化させる工
   程、及びその熱を当てて軟化させた状態の通気性シート
   を凹型（２）・凸型（３）間に挟んで押圧成形して、そ
   の通気性シートに多数の窪み（１ａ）を形成する工程、
   各窪み（１ａ）に鋸屑種菌（４）を加圧充填する工程、
   各窪み（１ａ）を覆う如くカバーフイルム（５）を被せ
   熱融着する工程、各窪み（１ａ）を切離す工程よりなる
   椎茸種駒の製造法。