JPH0612556U - 建設機械の運転室 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドアの開口部の大きさを確保して、ドア開放
時における旋回半径からのはみだしを防止すると共に、
広い運転室を持つことができるようにしたもの。 【構成】 旋回台１に装着された作業機のブ−ムと反対
側となる運転室２の外側面２ａを、ドア３を含んで凸状
の円弧、または近似多面体に形成し、運転室２の外側面
２ａの内側上部にアッパレ−ル４、内側下部にロアレ−
ル５、外側中央にセンタレ−ル６をそれぞれ設け、ドア
３側には各レ−ルにそれぞれ常時係合してドア３をスラ
イドにより開閉自在に移動するアッパロ−ラ７、ロアロ
−ラ８およびセンタロ−ラ９を設けると共に、開放ロッ
ク時のドア３の位置を運転室２の外側面２ａに沿った該
旋回台１の旋回半径Ｒ内に設けたもの。 【効果】 室内が広くなり、したがってドアの幅も大き
くできる。これによりオペレ−タの出入りが容易となる
と共に、開放時にも車両の旋回半径内に納められるの
で、旋回により従来生じた障害物に干渉する恐れも無く
すことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は建設機械の運転室に係り、特にパワ−ショベル等のように旋回体を有 する建設機械の運転室に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から使用されている油圧式パワ−ショベルは、例えば、図９に側面を示す ように走行装置２１の上に、旋回台２２を有して、この旋回台２２の上に運転室 ２３、エンジンル−ム２４および屈折可能な作業機２５が設けられている。この ような車両に設置されている運転室２３は、例えば、図１０および図１１に示す ように旋回台２２に対して中心Ｏより外れた位置に設けられており、この運転室 ２３にオペレ−タが出入りするためのドア２６は、ヒンジ式の場合は、図１０の ように矢印方向に回転して開くようになっており、また、スライド式の場合は図 １１のように矢印方向に２点鎖線で示す位置までずらして開くようになっている 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながらヒンジ式の場合はドア開口部を大きくすると、ドア開放固定時、 ドアが上部旋回体の旋回半径Ｒよりもはみ出してしまい、作業時外部の障害物に 接触して破損する恐れがあり、また、スライド式の場合はスライドさせるために 使用されているレ−ルやロ−ラが運転室内にくい込むので室内が狭くなると云う 問題があった。さらに夏場の場合、通常ドアを開放して作業するがスライドドア では上述のようにレ−ルやロ−ラ等にガタがあり、開放時におけるロックが非常 に困難であった。

【０００４】 本考案はこれに鑑み、ドア開口部の大きさを確保して、ドア開放時における旋 回半径からのはみ出しを防止して、広い室内を持つことができるようにすると共 に、ドアの開閉何れの場合にもストライカによりドアにガタなく固定できるよう にした建設機械の運転室を提供して従来技術の持つ欠点の解消を図ることを目的 としてなされたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記従来技術の問題点を解決する手段として本考案の請求項１は、旋回台に装 着された作業機のブ−ムと反対側となる運転室外側面を、ドアを含んで凸状の円 弧、または近似多面体に形成し、該運転室外側面内にレ−ルを設け、ドア側には 前記レ−ルに常時係合してドアを開閉自在にスライドさせるロ−ラを設けると共 に、開放ロック時のドアの位置を前記運転室外側面に沿った該旋回台の旋回半径 内に設けたことを特徴とし、請求項２は、旋回台に装着された作業機のブ−ムと 反対側となる運転室外側面を、凸状の円弧、または近似多面体に形成し、この外 側面に合致するドアを設けて、該ドアをスライドにより開閉可能とすると共に、 該運転室との間にドアの開閉時、互いに係合する雄雌のストライカを設けたこと を特徴とする。

【０００６】

【作用】

上記構成によれば、請求項１ではドアに設けたロ−ラが、運転室内にそれぞれ 設けたレ−ルに係合しているため、ロ−ラがレ−ル内を動くことによりドアを開 閉でき、開いた場合は旋回台の旋回半径内にあるため、旋回時においても障害物 との接触を避けることができる。請求項２ではドアが開閉の何れの位置にあって も雄雌のストライカにより互いに係合するため、開放時にもガタなく固定ができ る。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案の請求項１，２にかかる建設機械の運転室の円弧状側面の一実施 例の平面図、同じく図２は多面体側面の一実施例の平面図を示し、（ａ）は５角 形の場合、（ｂ）は７角形の場合、図３は図１の運転室の斜視図、図４は図１の ドアの斜視図、図５は図３の運転室に取付けられたドアの閉から開状態へ移る場 合の平面の軌跡、図６は請求項１の運転室とドアの係合状態を示すセンタレ−ル とセンタロ−ラの関係図、図７は本考案の運転室のドアが閉じた場合の雄雌スト ライカの係合状態図（図４のＡ−Ａ断面に於ける）、図８は本考案の運転室のド アが開いた場合の雄雌ストライカの係合状態図（図４のＢ−Ｂ断面に於ける）で ある。

【０００８】 以下、本考案を図１乃至図８に示す一実施例により説明する。なお、図２の運 転室は図１と形状は異なるが同じ機能を有するため、同一符号で示してある。本 考案の請求項１は図１に示した旋回台１に装着された作業機のブ−ムと反対側と なる運転室２の外側面２ａを、ドア３を含んで凸状の円弧に形成し、該運転室２ の外側面２ａの内側上部にアッパレ−ル４、内側下部にロアレ−ル５、外側中央 にセンタレ−ル６をそれぞれ設け、ドア３側には前記各レ−ルにそれぞれ常時係 合してドア３をスライドにより開閉自在に移動するアッパロ−ラ７、ロアロ−ラ ８およびセンタロ−ラ９を設けると共に、開放ロック時のドア３の位置を前記運 転室２の外側面２ａに沿った該旋回台１の旋回半径Ｒ内に設けたもので構成され ている。

【０００９】 また、本考案の請求項２は請求項１と同様に旋回台１に装着された作業機のブ −ムと反対側となる運転室２の外側面２ａを、凸状の円弧に形成し、この外側面 ２ａに合致するドア３を設けて、該ドア３をスライドにより開閉可能とすると共 に、ドア３の開閉時、外側面２ａとの間に互いに係合する雄雌のストライカ１０ ，１１，１２，１３，１４および１５を設けたもので構成されている。

【００１０】 運転室２の外側面２ａは前半部がドア３を取付けるため、円弧を利用したこと による従来よりも広い幅（高さは従来と同じ）を持つ縦長の開口部２ｂに形成さ れており、後半部は側壁２ｃに形成されている。運転室２の外側面２ａの天井に 近い内側上部には、運転室２の水平方向の前端に、断面が溝形で長手方向が湾曲 した所定長さのアッパレ−ル４が設けられ、内側下部にも同様なロアレ−ル５が アッパロ−ラ４よりも前側に位置するように設けられている。また、側壁２ｃの 中央部には水平方向に沿って溝形のセンタレ−ル６が設けられている。これに対 して前記ドア３は開口部２ｂよりも一回り大きな大きさに形成され、内側上部の 水平部前端には、先端に前記アッパレ−ル４の溝に係合するロ−ラ７ａを有する アッパロ−ラ７が設けられ、内側下部前端には前記ロアレ−ル５の溝に係合する ロ−ラ８ａ，８ｂを有するロアロ−ラ８が設けられている。さらに、内側中央後 端には前記センタレ−ル６の溝に係合するロ−ラ９ａ９ｂを有するセンタロ−ラ ９が設けられている。したがってドア３は運転室２に対して図３（ａ）に２点鎖 線で示すように、各ロ−ラ７ａ，８ａ，８ｂ，９ａ９ｂがそれぞれ各レ−ル４， ５，６に係合することにより取付けられる。なお、前記アッパレ−ル４はΠ形状 、センタレ−ル６、およびロアレ−ル８は共に断面が（ｂ）に示す形状でで、か つ運転室２にほぼ内接する円弧形状となってガイドローラ８ｂ，９ｂおよびころ がりローラ８ａ，９ｂに対応する。

【００１１】 図３に示すように、前記運転室２の側壁２ｃの外側には前部の高さ方向の中間 に前記ドア３をドア閉め状態でロックするためのストライカ１６が設けられ、そ の上下には前記雌形のストライカ１０が設けられている。そして後部にはドア３ を開けた状態でロックするためのストライカ１７が設けられている。また、スト ライカ１０の上または下部、あるいは上下には前記ストライカ１２が設けられて いる。前記開口部２ｂの回りの縁部には前側に１組以上、後側に１組以上の雄雌 のストライカ１０，１２がそれぞれ設けられている。そしてストライカ１０，１ １，１２，１３，１４および１５は雄雌セットであればどちらが雄雌であっても 構わない。図中、１８はドアロック、１９はドアハンドルである。

【００１２】 つぎに作動を説明する。運転室２に対してドア３を開閉する場合には、ドアハ ンドル１９を操作すると図５に示すような軌跡を描いて開閉される。すなわち、 ドア３を閉める場合はドア３の前端は運転室２の外側面２ａと平行に移動しなが ら除々に運転室２の外側面２ａに一致させる。したがって、開けた場合には、運 転室２の外側面２ａの円弧面とドア３外面は重なることになり、図のように旋回 半径Ｒ内に納められる。このような移動は当然のことながら、アッパロ−ラ７は アッパレ−ル４に、センタロ−ラ９はセンタレ−ル６に、ロアロ−ラ８はロアレ −ル５に係合して水平方向に規制されて行われる。なお、各レ−ルと各ロ−ラの 係合関係構造の詳細をセンタレ−ル６とセンタロ−ラ９の場合の例について説明 すると図５および図６に示すように、センタレ−ル６にはガイド６ａを有し、ま た、センタロ−ラ９は、ガイドロ−ラ９ｂとロ−ラ９ａを有して、ロ−ラ９ａが ドア３の移動時の荷重を受けるようになっており、軸９ｃに首振り機能を有して センタレ−ル６内の移動を円滑にしている。同様にロアロ−ラ８もロ−ラ８ａが ロアレ−ル５移動時のガイドを、ガイドロ−ラ８ｂは移動時の荷重を受けている 。そしてドア閉め時は図７に示すように前後一対の雄雌ストライカ１０，１１が 係合し、ドア開き時は図８に示すように雄雌ストライカ１２，１３および１４， １５がそれぞれ係合してガタなく固定される。

【００１３】 なお、以上の説明は運転室２の外側面２ａが円弧状の場合について行い、図２ に示した近似多面体の場合の説明は省略したが、近似多面体の場合もこれに準じ て行い得ることは云うまでもない。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は以上説明したように、請求項１は旋回台に装着された作業機のブ−ム と反対側となる運転室外側面を、ドアを含んで凸状の円弧、または近似な多面体 に形成し、該運転室外側面内にレ−ルを設け、ドアには前記レ−ルに常時係合し てドアを開閉自在にスライドさせるロ−ラを設けると共に、開放ロック時のドア の位置を前記運転室外側面に沿った該旋回台の旋回半径内に設け、請求項２は旋 回台に装着された作業機のブ−ムと反対側となる運転室外側面を、凸状の円弧、 または近似な多面体に形成し、この外側面に合致するドアを設けて、該ドアをス ライドにより開閉可能とすると共に、該運転室との間にドアの開閉時、互いに係 合する雄雌のストライカを設けたから、室内が広くなり、したがってドアの幅も 大きくできる。これによりオペレ−タの出入りが容易となると共に、開放時にも 車両の旋回半径内に納められるので、旋回により従来生じた障害物に干渉する恐 れも無くすことができ、また、従来スライドドアに困難であったドアの固定が容 易に達成され運転室に対する強度や耐久性が向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる建設機械の運転室の一実施例
（外側面が円弧の場合）を示す平面の説明図である。

【図２】本考案にかかる建設機械の運転室の一実施例
（外側面が多面体の場合）を示し（ａ）は５角形、
（ｂ）は７角形の場合の平面の説明図である。

【図３】図１の運転室の一実施例を示す斜視による説明
図である。

【図４】図１のドアの一実施例の斜視を示し、（ａ）お
よび（ｂ）は一部拡大による詳細の説明図である。

【図５】図３の運転室に取付けられたドアの閉から開状
態へ移る場合の平面の軌跡の説明図である。

【図６】本考案の運転室とドアの係合状態を示すセンタ
レ−ルとセンタロ−ラの説明図である。

【図７】本考案の運転室のドアが閉じた場合の雄雌スト
ライカの係合状態を示す図４のＡ−Ａ断面の説明図であ
る。

【図８】本考案の運転室のドアが開いた場合の雄雌スト
ライカの係合状態を示す図４のＢ−Ｂ断面の説明図であ
る。

【図９】従来の油圧式パワ−ショベルの側面を示す説明
図である。

【図１０】従来の運転室の問題点１を示す平面の説明図
である。

【図１１】従来の運転室の問題点２を示す平面の説明図
である。

【符号の説明】

１ 旋回台 ２ 運転室 ２ａ 外側面 ３ ドア ４ アッパレ−ル ５ ロアレ−ル ６ センタレ−ル ７ アッパロ−ラ ８ ロアロ−ラ ９ センタロ−ラ １０，１１，１２，１３，１４，１５ ストライカ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 旋回台に装着された作業機のブ−ムと反
   対側となる運転室外側面を、ドアを含んで凸状の円弧、
   または近似多面体に形成し、該運転室外側面内にレ−ル
   を設け、ドアには前記レ−ルに常時係合してドアを開閉
   自在にスライドさせるロ−ラを設けると共に、開放ロッ
   ク時のドアの位置を前記運転室外側面に沿った該旋回台
   の旋回半径内に設けたことを特徴とする建設機械の運転
   室。
2. 【請求項２】 旋回台に装着された作業機のブ−ムと反
   対側となる運転室外側面を、凸状の円弧、または近似多
   面体に形成し、この外側面に合致するドアを設けて、該
   ドアをスライドにより開閉可能とすると共に、該運転室
   との間にドアの開閉時、互いに係合する雄雌のストライ
   カを設けたことを特徴とする建設機械の運転室。