JPH06123354A - プーリ式変速装置 - Google Patents

プーリ式変速装置

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JPH06123354A
JPH06123354A JP27150892A JP27150892A JPH06123354A JP H06123354 A JPH06123354 A JP H06123354A JP 27150892 A JP27150892 A JP 27150892A JP 27150892 A JP27150892 A JP 27150892A JP H06123354 A JPH06123354 A JP H06123354A
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pulley
fixed
sheave
wire
movable
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JP27150892A
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Hirobumi Miyata
博文 宮田
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 互いに平行な1対の回転軸1,2上にそれぞ
れ設けられた変速プーリ5,11と、両プーリ5,11
間に巻き掛けられたベルトBとを備えたプーリ式変速装
置Aに対し、ワイヤを利用して両プーリ5,11の可動
シーブ7,13を互いに連動させ、変速装置Aの小形
化、軽量化及びコストダウン化を図る。 【構成】 駆動プーリ5の固定シーブ6への連結部材1
7とハウジング32とをワイヤケース48で連結し、可
動シーブ7への連結部材20と揺動型操作レバー39の
一側とをワイヤケース48内に挿通されるワイヤ部材4
9で連結する。また、従動プーリ11の固定シーブ12
への連結部材23とハウジング32とをワイヤ部材53
で連結し、可動シーブ13への連結部材26とレバー3
9の他側とを、ワイヤ部材53を挿通したワイヤケース
52で連結し、レバー39の揺動により両シーブ7,1
3を軸方向に連係移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1対の可変プーリ及び
該両プーリに巻き掛けられるベルト部材を備えていて、
各プーリのプーリ径を変えて変速比を変化させるように
したプーリ式の変速装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、農業機械等においては、エン
ジンの動力を変速して駆動車輪或いは各種の作業装置に
伝達するために、ベルト伝動を利用したプーリ式の変速
装置が多用されている。このベルト伝動を利用したプー
リ式変速装置の一例として、互いに平行に配置された1
対の回転軸の各々に、回転軸の各々に対して回転一体に
かつ摺動不能に固定された固定シーブと、各軸に可動シ
ーブとの間にV字状のベルト溝を形成するように対向配
置されて摺動可能に支持された可動シーブとからなる変
速プーリを設けるとともに、これら両変速プーリのベル
ト溝間にベルト部材を巻き掛け、各変速プーリの可動シ
ーブを軸方向に移動させて固定シーブに接離させ、両シ
ーブ間のベルト溝に巻き掛けられる伝動ベルトに対する
有効半径を変えることにより、両回転軸間の変速比を可
変制御するようにした変速プーリ式のものはよく知られ
ている。
【0003】例えば、実公昭48―14131号公報に
開示されるものでは、各変速プーリの可動シーブを軸方
向に移動させるための機構として、可動シーブ背面側に
スラストベアリングを介して速度調節金具の可動金具を
連結するとともに、両プーリの可動金具をワイヤで連結
し、この可動金具を固定金具に対して相対回動させるこ
とにより、カム面上で転動するボールのカム作用により
可動金具を可動シーブと共に軸方向に移動させるように
なされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ものでは、各可動シーブの背面側にカム機能を持った速
度調節金具を具備しており、その速度調節金具の分だけ
変速装置が重くならざるを得ず、変速装置の軽量化を図
ることが困難である。
【0005】また、速度調節金具が必要であるので、部
品点数も多くなり、コストが高くつくという問題もあっ
た。
【0006】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、上記従来例のようにワイヤを利用して
両変速プーリの可動シーブを互いに連動させる構成と
し、その上でワイヤの連結構造を改良することにより、
変速装置の小形化、軽量化及びそのコストダウン化を図
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1又は2の発明では、ワイヤ部材及びそれを
摺動可能に嵌挿するワイヤケースの対を2つ用い、これ
らの相対移動を利用して両変速プーリの可動シーブを軸
方向に連係移動させるようにしている。
【0008】具体的には、請求項1の発明では、互いに
平行に配置された1対の回転軸と、各々、上記回転軸に
回転一体にかつ摺動不能に固定された固定シーブ、及び
該固定シーブに対向するように回転軸に軸方向に摺動可
能に支持された可動シーブからなり、各可動シーブに対
する各固定シーブの対向方向が互いに逆向きとされた1
対の変速プーリと、これら両変速プーリ間に巻き掛けら
れたベルト部材とを備え、各変速プーリの可動シーブを
対向する固定シーブに対し接離させて各プーリの伝動ベ
ルトに対する有効半径を変化させることにより、両回転
軸間の変速比を可変としたプーリ式変速装置が前提であ
る。
【0009】そして、支持部及び該支持部の両側に第1
及び第2取付部を有する固定体と、この固定体の支持部
に揺動可能に支持され、支点の一側に上記第1取付部に
対し接離するように揺動する第1揺動部を有する一方、
支点の他側に上記第2取付部に対し上記第1揺動部とは
相反して接離するように揺動する第2揺動部を有する揺
動部材とを設ける。
【0010】また、上記各変速プーリの固定シーブ及び
可動シーブにそれぞれベアリングを介して軸方向に移動
一体にかつ相対回転可能に連結された固定シーブ側及び
可動シーブ側連結部材を設ける。
【0011】さらに、一端が上記一方の変速プーリの可
動シーブ側連結部材に回転軸の一端側から連結される一
方、他端が上記固定体の第1取付部を貫通して上記揺動
部材の第1揺動部に連結された第1ワイヤ部材と、一端
が上記一方の変速プーリの固定シーブ側連結部材に回転
軸の一端側から連結される一方、他端が上記固定体の第
1取付部に連結され、内部に上記第1ワイヤ部材を摺動
可能に挿通する可撓性を有するチューブ状の第1ワイヤ
ケースとを設ける。
【0012】また、一端が上記他方の変速プーリの固定
シーブ側連結部材に回転軸の一端側から連結される一
方、他端が上記揺動部材の第2揺動部を貫通して上記固
定体の第2取付部に連結された第2ワイヤ部材と、一端
が上記他方の変速プーリの可動シーブ側連結部材に回転
軸の一端側から連結される一方、他端が上記揺動部材の
第2揺動部に連結され、内部に上記第2ワイヤ部材を摺
動可能に挿通する可撓性を有するチューブ状の第2ワイ
ヤケースとを設け、上記揺動部材の揺動により両変速プ
ーリの可動シーブを互いに連係して軸方向に移動させる
ように構成する。
【0013】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
と同じ前提のプーリ式変速装置において、所定間隔をあ
けて互いに対向するように配置された第1及び第2取付
部を有する固定体と、この固定体の第1及び第2取付部
間に配置され、両取付部に対し相反して接離するように
移動する移動部を有する移動部材とを設けるとともに、
各変速プーリの固定シーブ及び可動シーブにそれぞれベ
アリングを介して軸方向に移動一体にかつ相対回転可能
に連結された固定シーブ側及び可動シーブ側連結部材を
設ける。
【0014】そして、一端が上記一方の変速プーリの可
動シーブ側連結部材に回転軸の一端側から連結される一
方、他端が上記固定体の第1取付部を貫通して上記移動
部材の移動部に連結された第1ワイヤ部材と、一端が上
記一方の変速プーリの固定シーブ側連結部材に回転軸の
一端側から連結される一方、他端が上記固定体の第1取
付部に連結され、内部に上記第1ワイヤ部材を摺動可能
に挿通する可撓性を有するチューブ状の第1ワイヤケー
スとを設ける。
【0015】また、一端が上記他方の変速プーリの可動
シーブ側連結部材に回転軸の他端側から連結される一
方、他端が上記固定体の第2取付部を貫通して上記移動
部材の移動部に連結された第2ワイヤ部材と、一端が上
記他方の変速プーリの固定シーブ側連結部材に回転軸の
他端側から連結される一方、他端が上記固定体の第2取
付部に連結され、内部に上記第2ワイヤ部材を摺動可能
に挿通する可撓性を有するチューブ状の第2ワイヤケー
スとを設け、移動部材の移動により両変速プーリの可動
シーブを互いに連係して軸方向に移動させるように構成
する。
【0016】請求項3の発明では、上記各回転軸を中空
状とし、連結部材は該中空状回転軸内に嵌挿されてい
て、外周部がベアリングを介して固定及び可動シーブに
連結されている構成とする。
【0017】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、一方
の変速プーリの固定シーブ側連結部材と固定体の第1取
付部とは第1ワイヤケースにより連結され、この一方の
変速プーリの可動シーブ側連結部材は揺動部材の第1揺
動部に対し上記第1ワイヤケース内を通ってそれに案内
される第1ワイヤ部材を介して連結され、上記可動シー
ブ側連結部材にはベアリングを介して可動シーブが連結
されているので、両回転軸間の変速比を切り換える場
合、揺動部材の揺動に伴い、第1ワイヤ部材が第1ワイ
ヤケース内部で摺動しながらそれに対し相対的に長さ方
向に移動し、このことで上記一方の変速プーリの可動シ
ーブが軸方向に移動して固定シーブに接離される。
【0018】また、他方の変速プーリの固定シーブ側連
結部材と固定体の第2取付部とは第2ワイヤ部材により
連結され、この他方の変速プーリの可動シーブ側連結部
材は上記揺動部材の第2揺動部に対し上記第2ワイヤ部
材を挿通案内する第2ワイヤケースを介して連結され、
上記可動シーブ側連結部材にはベアリングを介して可動
シーブが連結されているので、上記揺動部材の揺動によ
り第2揺動部が上記第1揺動部と逆方向に揺動すると、
上記第2ワイヤケースが内部で第2ワイヤ部材を摺動さ
せながらそれに対し相対的に長さ方向に移動し、このこ
とで他方の変速プーリの可動シーブが軸方向に移動して
固定シーブに接離される。これらの結果、他方のプーリ
の可動シーブが固定シーブに対し上記一方の変速プーリ
の可動シーブの接離方向と逆方向に接離し、つまり各変
速プーリの可動シーブが固定シーブに対し逆向きに接離
して各プーリの伝動ベルトに対する有効半径が変化し、
よって両回転軸間の変速比を変えることができる。
【0019】このとき、固定及び可動シーブ側連結部材
の各々にワイヤ部材及びワイヤケースが連結されて、そ
の長さ方向の移動により直接可動シーブを軸方向に移動
させるため、従来のように速度調節金具が不要となり、
変速装置の軽量化を図ることができる。
【0020】また、上記のように一方のプーリの可動シ
ーブが固定シーブに接近すると、他方のプーリの可動シ
ーブが固定シーブから離れるように各ワイヤ部材及び各
ワイヤケースが固定体及び揺動部材に連結されているの
で、各可動シーブの軸方向の位置を保つことができると
ともに、各変速プーリで発生するベルト推力を互いに相
殺して、変速の際の操作力を小さくすることができる。
【0021】さらに、可動シーブをワイヤ部材及びワイ
ヤケースで直接軸方向に移動させるので、従来のように
速度調節金具を使用するのに比べ、部品点数を少なくし
て装置の小形化及びコストダウン化を図ることができ
る。
【0022】請求項2の発明では、一方の変速プーリの
固定シーブ側連結部材と固定体の第1取付部とは第1ワ
イヤケースにより連結され、この一方の変速プーリの可
動シーブ側連結部材は移動部材の移動部に対し上記第1
ワイヤケースに案内される第1ワイヤ部材を介して連結
されているので、移動部材の移動部を固定体の両取付部
間で移動させると、これに伴い、第1ワイヤ部材が第1
ワイヤケース内部で摺動しながらそれに対し相対的に長
さ方向に移動し、このことで上記一方の変速プーリの可
動シーブが軸方向に移動して固定シーブに接離される。
【0023】また、他方の変速プーリの固定シーブ側連
結部材と固定体の第2取付部とは第2ワイヤケースを介
して連結され、この他方の変速プーリの可動シーブ側連
結部材は上記移動部材の移動部に対し第2ワイヤケース
に案内される第2ワイヤ部材により連結されているの
で、上記移動部材の移動により、上記第2ワイヤ部材が
上記第1ワイヤ部材と逆の押引き状態となって第2ワイ
ヤケース内部で摺動しながらそれに対し相対的に長さ方
向に移動し、このことで他方の変速プーリの可動シーブ
が軸方向に移動して固定シーブに接離される。これらの
結果、各変速プーリの可動シーブが固定シーブに対し逆
向きに接離して各プーリの伝動ベルトに対する有効半径
が変化し、両回転軸間の変速比を変えることができる。
よって、この発明でも請求項1の発明と同様の作用効果
が得られる。
【0024】請求項3の発明では、固定シーブ側及び可
動シーブ側連結部材の各々が中空状回転軸内に嵌挿され
ていて、その外周部がベアリングを介して固定及び可動
シーブに連結されているので、ベアリングや連結部材を
小形化することができ、その分、変速装置の重量をより
一層軽減することができる。しかも、ベアリングのシー
ル径を小さくして、その回転抵抗を下げることができ、
変速装置の伝動効率を向上させることができる。
【0025】さらに、固定及び可動シーブの中心位置に
位置する連結部材にワイヤ部材及びワイヤケースが連結
されるので、固定及び可動シーブの軸方向への移動が容
易になる。しかも、連結部材やベアリングが回転軸内に
収納されるので、装置の外観見映えを向上させることが
できる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0027】(実施例1)図1及び図2は本発明の実施
例1に係るプーリ式変速装置Aの全体構成を示し、この
変速装置Aは比較的小さな動力を伝達するための小型の
変速装置として使用される。両図において、1は一方の
回転軸としての中空状の駆動軸、2は他方の回転軸とし
ての中空状従動軸であって、駆動軸1の図1左端部には
駆動側伝動軸3の端部が、また従動軸2の図1左端部に
は従動側伝動軸4の端部がそれぞれ回転一体に嵌合され
ており、駆動及び従動軸1,2は互いに平行に配置され
るようにそれぞれの端部で伝動軸3,4に支持されてい
る。
【0028】上記駆動軸1には駆動プーリ5が設けられ
ている。この駆動プーリ5は、駆動軸1における駆動側
伝動軸3と反対側(図1右側)に位置するフランジ状の
固定シーブ6と、駆動側伝動軸3側に位置するフランジ
状の可動シーブ7とからなる。固定シーブ6は、ボス部
6aにおいて駆動軸1に円周方向に等間隔をあけて配置
した複数(例えば4つ)のピン8,8,…により回転一
体にかつ摺動不能に固定されている一方、可動シーブ7
は、駆動軸1における軸方向の複数の長孔1a,1a,
…にそれぞれ挿通されるピン9,9,…により、上記固
定シーブ6に対向するように駆動軸1にボス部7aにて
摺動可能にかつ回転一体に結合され、これら両シーブ
6,7間には断面略V字状のベルト溝10が形成されて
いる。
【0029】一方、上記従動軸2上には従動プーリ11
が設けられている。この従動プーリ11は上記駆動プー
リ5と同様の構成で、従動軸2における従動側伝動軸4
側(図1左側)に位置するフランジ状の固定シーブ12
と、従動側伝動軸4と反対側に位置するフランジ状の可
動シーブ13とからなる。固定シーブ12は、従動軸2
にボス部12aにて複数のピン14,14,…により回
転一体にかつ摺動不能に固定され、一方、可動シーブ1
3は、従動軸2における軸方向の複数の長孔2a,2
a,…にそれぞれ挿通されるピン15,15,…によ
り、上記固定シーブ12に上記駆動軸1上の駆動プーリ
5における固定シーブ6に対する可動シーブ7の対向方
向と逆方向でもって対向するように従動軸2にボス部1
3aにて摺動可能にかつ回転一体に結合され、これら両
シーブ12,13間には断面略V字状のベルト溝16が
形成されている。
【0030】そして、上記駆動プーリ5のベルト溝10
と従動プーリ11のベルト溝16との間にはVベルトB
が巻き掛けられており、駆動及び従動プーリ5,11の
各可動シーブ7,13をそれぞれ固定シーブ6,12に
対して接離させて各プーリ5,11のプーリ径(Vベル
トBに対する有効半径)を変更する。例えば図1に仮想
線にて示すように、駆動プーリ5の可動シーブ7を固定
シーブ6に接近させ、かつ従動プーリ11の可動シーブ
13を固定シーブ12から離隔させたときには、駆動プ
ーリ5のプーリ径を従動プーリ11よりも大きくするこ
とにより、駆動軸1の回転を従動軸2に増速して伝達す
る。一方、逆に、図1に実線にて示すように、駆動プー
リ5の可動シーブ7を固定シーブ6から離隔させ、かつ
従動プーリ11の可動シーブ13を固定シーブ12に接
近させたときには、駆動プーリ5のプーリ径を小にし、
従動プーリ11のプーリ径を大きくすることにより、駆
動軸1の回転を減速して従動軸2に伝えるようになされ
ている。
【0031】上記駆動軸1内には固定シーブ側及び可動
シーブ側連結部材17,20がそれぞれ収容されてい
る。固定シーブ側連結部材17は中心に1つの貫通孔1
8を有するリング状のもので、その外周部にはベアリン
グ19のインナレースが移動不能に外嵌合され、このベ
アリング19のアウタレースは、上記固定シーブ6のボ
ス部6aを駆動軸1に固定するための複数のピン8,
8,…の内端に移動不能に連結されており、この構造に
より、固定シーブ側連結部材17はベアリング19を介
して固定シーブ6(駆動軸1)に軸方向に移動不能にか
つ相対回転可能に連結されている。
【0032】また、可動シーブ側連結部材20は中心部
にねじ孔21を有するリング状のもので、その外周部に
はベアリング22のインナレースが移動不能に外嵌合さ
れ、このベアリング22のアウタレースは、上記可動シ
ーブ7のボス部7aを駆動軸1に固定するための複数の
ピン9,9,…の内端に移動不能に連結されており、こ
の構造により、可動シーブ側連結部材20はベアリング
22を介して可動シーブ7に軸方向に移動不能にかつ相
対回転可能に連結されている。
【0033】一方、従動軸2内には固定シーブ側及び可
動シーブ側連結部材23,26がそれぞれ収容されてい
る。固定シーブ側連結部材23は上記駆動プーリ5の可
動シーブ側連結部材20と同じものでねじ孔24を有し
ており、その外周部にはベアリング25のインナレース
が移動不能に外嵌合され、このベアリング25のアウタ
レースは、上記固定シーブ12のボス部12aを従動軸
2に固定するための複数のピン14,14,…の内端に
移動不能に連結されており、この構造により、固定シー
ブ側連結部材23はベアリング25を介して固定シーブ
12(従動軸2)に軸方向に移動不能にかつ相対回転可
能に連結されている。
【0034】また、可動シーブ側連結部材26は上記駆
動プーリ5の固定シーブ側連結部材17と同様に中心に
1つの貫通孔27を有しており、その外周部にはベアリ
ング28のインナレースが移動不能に外嵌合され、この
ベアリング28のアウタレースは、可動シーブ13のボ
ス部13aを従動軸2に固定するための複数のピン1
5,15,…の内端に移動不能に連結されており、可動
シーブ側連結部材26はベアリング28を介して可動シ
ーブ13に軸方向に移動不能にかつ相対回転可能に連結
されている。
【0035】さらに、上記駆動及び従動プーリ5,11
の各可動シーブ7,13を互いに逆向きに軸方向に移動
させる変速切換機構31が設けられている。すなわち、
入出力軸1.2の一側には本発明でいう固定体を構成す
る、変速装置Aのハウジング32が配置され、このハウ
ジング32には、ハウジング本体33に突設された支持
部34と、該支持部34の両側に位置し、ハウジング本
体33から支持部34と直角な方向に互いに逆向きに突
出する第1及び第2取付部35,36とが形成され、第
1取付部35には上記支持部34突出側に対応する部分
が反対側よりも小径とされた段差状の貫通孔37が、ま
た第2取付部36において支持部34突出側に対応する
表面には係合部38がそれぞれ設けられている。
【0036】上記支持部34には、低速位置(Lo )と
高速位置(Hi )との間で揺動操作される揺動部材とし
ての操作レバー39が支持軸46により上記ハウジング
32の両取付部35,36を含む平面に沿って揺動可能
に支持され、この操作レバー39の基端には操作部39
aが設けられている。この操作レバー39において揺動
支点たる支持軸46よりも先端側には、操作レバー39
の揺動操作により上記ハウジング32の第1取付部35
に対し接離するように揺動する第1揺動部40が、また
支点の他側たる基端側には、同様に上記第2取付部36
に対し上記第1揺動部40とは相反して接離するように
揺動する第2揺動部41がそれぞれ形成されている。第
1揺動部40において第1取付部35との対向面には係
合部43が、また第2揺動部41には第2取付部36側
部分が反対側よりも小径とされた段差状の貫通孔45が
それぞれ形成され、これら係合部43及び貫通孔45の
支持軸46(支点)からの距離は略同じとされている。
【0037】そして、上記駆動プーリ5における固定シ
ーブ側連結部材17の貫通孔18には後述の第1ワイヤ
部材49を摺動可能に挿通せしめる第1ワイヤケース4
8の一端が駆動軸1の一端側(図1で右端側)から嵌合
固定されている。この第1ワイヤケース48は上記ハウ
ジング32側に延び、その他端はハウジング32の第1
取付部35における貫通孔37の大径部に嵌合固定され
ている。
【0038】上記第1ワイヤケース48は、一端部が連
結部材17及びハウジング32の貫通孔18,37にそ
れぞれ嵌合された金属製の2つのチューブ部48a,4
8aと、この両チューブ部48a,48aの他端同士を
接続する可撓部48bとからなり、この可撓部48bは
例えば隙間なく螺旋状に巻いた金属製細線の外表面を樹
脂で被覆したもので、この部分でワイヤケース48が全
体として可撓性を有している。
【0039】また、上記駆動プーリ5における可動シー
ブ側連結部材20のねじ孔21には、第1ワイヤ部材4
9の一端を移動不能に固定したボルト50が螺合締結さ
れている。上記第1ワイヤ部材49は上記固定シーブ側
連結部材17の貫通孔18及び第1ワイヤケース48内
を通ってハウジング32側に延び、その他端部には係止
片51が一体に取り付けられ、この係止片51はハウジ
ング32における第1取付部35の貫通孔37内を経て
操作レバー39先端の第1揺動部40における係合部4
3に移動一体に係合されている。
【0040】一方、上記従動プーリ11における可動シ
ーブ側連結部材26の貫通孔27には後述の第2ワイヤ
部材53を摺動可能に挿通せしめる第2ワイヤケース5
2の一端が従動軸2の一端側(図1で右端側)から嵌合
固定されている。この第2ワイヤケース52は上記第1
ワイヤケース48と同様のものでハウジング32側に延
び、その他端は操作レバー39基端側の第2揺動部41
における貫通孔45の大径部に嵌合固定されている。
【0041】また、従動プーリ11における固定シーブ
側連結部材23のねじ孔24には、第2ワイヤ部材53
の一端を移動不能に固定したボルト54が螺合締結され
ている。第2ワイヤ部材53は上記可動シーブ側連結部
材26の貫通孔27及び第2ワイヤケース52内を通っ
てハウジング32側に延び、その他端部には係止片55
が一体に取り付けられ、この係止片55は上記操作レバ
ー39の貫通孔45内を経てハウジング32の第2取付
部36における係合部38に移動不能に係合されてい
る。そして、操作レバー39を高速又は低速位置(Hi
),(Lo )に揺動操作することで、第1ワイヤ部材
49を第1ワイヤケース48にて、また第2ワイヤケー
ス52を第2ワイヤ部材53にてそれぞれ摺動案内しな
がら駆動及び従動プーリ5,11の可動シーブ7,13
を互いに逆向きに軸方向に移動させ、図1に実線にて示
すように、操作レバー39を低速位置(Lo )に位置付
けたときには、第1ワイヤ部材49を押して駆動プーリ
5の可動シーブ7を固定シーブ6から離隔させ、かつ第
2ワイヤケース52を押して従動プーリ11の可動シー
ブ13を固定シーブ12に接近させ、駆動プーリ5のプ
ーリ径を従動プーリ11よりも小にし、駆動軸1の回転
を減速して従動軸2に伝える一方、図1に仮想線にて示
すように、操作レバー39を高速位置(Hi )に位置付
けたときには、第1ワイヤ部材49を引っ張って駆動プ
ーリ5の可動シーブ7を固定シーブ6に接近させ、かつ
第2ワイヤケース52をも引っ張って従動プーリ11の
可動シーブ13を固定シーブ12から離隔させ、駆動プ
ーリ5のプーリ径を従動プーリ11よりも大きくし、駆
動軸1の回転を従動軸2に増速して伝達するようになっ
ている。
【0042】また、図2に示すように、上記駆動及び従
動プーリ5,11間には、両プーリ5,11間に張られ
たベルトBの1対のスパンのうち駆動プーリ5の駆動力
が従動プーリ11に伝達されるときの緩み側スパン(図
2左側のスパン)をその内面から押圧してベルトBに張
力を与えることでベルト推力を発生する推力発生機構5
7が配設されている。この推力発生機構57は、ハウジ
ング32に軸58により揺動可能に支持されたアーム5
9と、該アーム59の先端部に軸60により回転可能に
支承されたローラ61とを備え、上記アーム59は図示
しないばねによりローラ61がベルトBの緩み側スパン
内面を押圧するように図2で時計回り方向に回動付勢さ
れている。
【0043】次に、上記実施例の変速装置Aの作動につ
いて説明する。駆動軸1の回転を減速して従動軸2に伝
達する低速状態とするときには、変速切換機構31の操
作レバー39を低速位置(Lo )に位置付ける。この操
作レバー39先端側の第1揺動部40は第1ワイヤケー
ス48内に挿通せしめた第1ワイヤ部材49を介して駆
動プーリ5における可動シーブ側連結部材20に連結さ
れているので、上記低速位置(Lo )への切換操作に伴
い、上記第1ワイヤ部材49が長さ方向に押され、この
第1ワイヤ部材49は第1ワイヤケース48で案内され
ながら可動シーブ側連結部材20を軸方向に移動させ、
この可動シーブ側連結部材20にベアリング22及びピ
ン9,9,…を介して連結されている可動シーブ7が図
1左方に移動して固定シーブ6から離れる。このことに
より駆動プーリ5が開いてそのプーリ径が減少し、この
プーリ径の減少によりVベルトBが従動プーリ11側に
移動可能となる。
【0044】また、上記操作レバー39基端側の第2揺
動部41は、第2ワイヤ部材53を挿通せしめた第2ワ
イヤケース52を介して従動プーリ11における可動シ
ーブ側連結部材26に連結されているので、操作レバー
39の低速位置(Lo )への切換操作に伴い、上記第2
ワイヤケース52も長さ方向に押され、この第2ワイヤ
ケース52は内部の第2ワイヤ部材53で案内されなが
ら可動シーブ側連結部材26を軸方向に移動させ、この
可動シーブ側連結部材26にベアリング28及びピン1
5,15,…を介して連結されている可動シーブ13が
図1左方に移動して固定シーブ12に接近する。このこ
とにより従動プーリ11が閉じてそのプーリ径が増大
し、VベルトBが従動プーリ11側に引き寄せられる。
これらの結果、駆動プーリ5のプーリ径が従動プーリ1
1よりも小さくなり、駆動軸1の回転が減速されて従動
軸2に伝達される。
【0045】これに対し、駆動軸1の回転を増速して従
動軸2に伝達する高速状態とするときには、上記操作レ
バー39を高速位置(Hi )に位置付ける。この切換え
に伴い、上記第1ワイヤ部材49が引っ張られて可動シ
ーブ側連結部材20が上記低速状態とは逆の方向に移動
し、この可動シーブ側連結部材20に連結されている可
動シーブ7も図1右方に移動して固定シーブ6に接近す
る。このことにより駆動プーリ5が閉じてプーリ径が増
大し、VベルトBが駆動プーリ5側に引き寄せられる。
【0046】また、操作レバー39の高速位置(Hi )
への切換えに伴い、上記第2ワイヤケース52も引っ張
られて従動プーリ11の可動シーブ側連結部材26が上
記とは逆の方向に移動し、この可動シーブ側連結部材2
6に連結されている可動シーブ13も図1右方に移動し
て固定シーブ12から離隔する。このことにより従動プ
ーリ11が開いてプーリ径が減少し、VベルトBが駆動
プーリ5側に移動可能となる。これらの結果、駆動プー
リ5のプーリ径が従動プーリ11よりも大きくなり、駆
動軸1の回転が増速されて従動軸2に伝達される。
【0047】したがって、この実施例においては、駆動
プーリ5の可動シーブ7と操作レバー39先端側の第1
揺動部40とがベアリング22、連結部材20及び第1
ワイヤケース48内の第1ワイヤ部材49を介して軸方
向に移動可能に連結され、かつ、上記操作レバー39基
端側の第2揺動部41が従動プーリ11の可動シーブ1
3に対し第2ワイヤ部材53を挿通した第2ワイヤケー
ス52、連結部材26及びベアリング28を介して軸方
向に移動可能に連結されているので、上記第1ワイヤ部
材49及び第2ワイヤケース52の長さ方向の移動によ
り直接各可動シーブ7,13を軸方向に移動させること
ができ、従来のように速度調節金具が不要で、変速装置
Aの軽量化を図ることができる。
【0048】しかも、一方のプーリ5(又は11)の可
動シーブ7(又は13)が固定シーブ6(又は12)に
接近すると、他方のプーリ11(又は5)の可動シーブ
13(又は7)が固定シーブ12(又は6)から離れる
ように第1ワイヤ部材49及び第2ワイヤケース52が
連結されているので、各可動シーブ7,13の軸方向の
位置を保つことができるとともに、各プーリ5,11で
発生するベルト推力を互いに相殺して、変速の際の操作
力を小さくすることができる。
【0049】また、両可動シーブ7,13を第1ワイヤ
部材49及び第2ワイヤケース52で直接軸方向に移動
させるので、従来のように速度調節金具を使用するのに
比べ、部品点数を少なくして変速装置Aの小形化及びコ
ストダウン化を図ることができる。
【0050】さらに、固定シーブ側及び可動シーブ側連
結部材17,23,20,26の各々が中空状の駆動又
は従動軸1,2内に嵌挿され、その外周部がベアリング
19,25,22,28及びピン8,14,9,15を
介して固定及び可動シーブ6,12,7,13に連結さ
れているので、ベアリング19,25,22,28や連
結部材17,23,20,26を小形化することがで
き、変速装置Aの重量をより一層軽減することができ
る。しかも、各ベアリング19,25,22,28のシ
ール径も小さくなって、その回転抵抗を下げることがで
き、変速装置Aの伝動効率を向上させることができる。
【0051】因みに、本発明者によれば、ベアリングの
内径に応じたロストルクをみた場合、例えばベアリング
のアウタレースを固定した状態でインナレースを回転速
度500rpm で回転させたときの回転開始から3分後の
トルクをトルクメータで読み取ってロストルクを求める
と、ベアリング内径が60mmの接触型シールでは約0.
02kgf ・m の回転トルクがロスになり、このベアリン
グを駆動及び従動側で2個使用すれば、合わせて0.0
4kgf ・m のロストルクになる。従って、今、仮に変速
装置の最大入力トルクが0.25kgf ・m とすると、こ
の入力トルクの16%(=(0.04/0.25)×1
00)をロスすることとなり、最大伝動効率は84%
(=100−16)になり、84%以下の伝動効率しか
望めない(他のロスが追加されるので、84%以上には
ならない)。これに対し、本実施例のように、ベアリン
グ径が小さくて例えば15mmの接触型シールでは約0.
0015kgf ・m の回転トルクがロスになり、このベア
リングを駆動及び従動側で4個使用すると、合わせて
0.006kgf ・m のロストルクになる。従って、変速
装置の最大入力トルク0.25kgf ・m の2.4%(=
(0.006/0.25)×100)をロスすることと
なり、最大伝動効率は97.6%(=100−2.4)
になり、97.6%以下の伝動効率が可能となり、変速
装置Aの伝動効率が大幅に向上する。
【0052】さらにまた、固定及び可動シーブ6,1
2,7,13の中心に位置する連結部材17,23,2
0,26に各ワイヤ部材49,53及び各ワイヤケース
48,52が連結されるので、固定及び可動シーブ6,
12,7,13の軸方向への移動が容易になる。また、
連結部材17,23,20,26やベアリング19,2
5,22,28が駆動又は従動軸1,2内に収納される
ので、変速装置Aの外観見映えを向上させることができ
る。
【0053】(実施例2)図3は本発明の実施例2を示
し(尚、図1と同じ部分については同じ符号を付してそ
の詳細な説明は省略する)、上記実施例1では、従動プ
ーリ11の可動シーブ13をワイヤケース52で駆動す
るようにしているのに対し、ワイヤ部材で駆動するよう
にしたものである。
【0054】すなわち、この実施例では、駆動側伝動軸
3は駆動軸1の図3右端部に嵌合されているが、従動側
伝動軸4は上記実施例1とは異なり、従動軸2の図1右
端部に嵌合されている。
【0055】また、従動軸2内に配置される連結部材2
3,26のうち、固定シーブ側連結部材23は駆動プー
リ5の固定シーブ側連結部材17と同様に中心に1つの
貫通孔27′を有している。また、可動シーブ側連結部
材26は駆動プーリ5の可動シーブ側連結部材20と同
じものでねじ孔24′を有している。
【0056】さらに、固定体としてのハウジング32に
おいては、支持部34及び第1取付部35は上記実施例
1と同様であるが、第2取付部36はハウジング本体3
3から第1取付部35と同じ側でそれと平行に突出して
いて、両取付部35,36は両者間に所定の間隔をあけ
て互いに対向するように配置されている。また、この第
2取付部36には、第1取付部35の貫通孔37と同様
に、第1取付部35側部分が反対側よりも小径とされた
段差状の貫通孔47が形成されている。
【0057】また、操作レバー39′は移動部材を構成
していて、その先端側が上記ハウジング32の両取付部
35,36間に位置する移動部42(揺動部)とされて
おり、操作レバー39′の支持軸46回りの揺動によ
り、移動部42が上記ハウジング32の第1及び第2取
付部35,36に対し相反して接離するように移動す
る。この操作レバー39′の移動部42においてハウジ
ング32の両取付部35,36との対向面にはそれぞれ
互いに対応した位置に係合部43,44が形成されてい
る。
【0058】そして、第1ワイヤケース48及び第1ワ
イヤ部材49は実施例1と同様に連結されているが、従
動プーリ11における固定シーブ側連結部材23の貫通
孔27′には第2ワイヤケース52の一端が従動軸2の
他端側(図3で左側)から嵌合固定されている。この第
2ワイヤケース52の他端は上記ハウジング32の第2
取付部36における貫通孔47の大径部に嵌合固定され
ている。
【0059】また、従動プーリ11における可動シーブ
側連結部材26のねじ孔24′には、第2ワイヤ部材5
3の一端を移動不能に固定したボルト54が螺合締結さ
れている。第2ワイヤ部材53は上記固定シーブ側連結
部材23の貫通孔27′及び第2ワイヤケース52内を
通ってハウジング32側に延び、その他端部は係止片5
5により上記操作レバー39′の移動部42における第
2取付部36側の係合部44に移動一体に係合されてい
る。そして、操作レバー39′を揺動操作して、第1ワ
イヤ部材49を第1ワイヤケース48にて、また第2ワ
イヤ部材53を第2ワイヤケース52にてそれぞれ摺動
案内しながら両プーリ5,11の可動シーブ7,13を
互いに逆向きに軸方向に移動させ、図3に実線にて示す
ように、操作レバー39′の低速位置(Lo )では、第
1ワイヤ部材49を押して駆動プーリ5の可動シーブ7
を固定シーブ6から離隔させ、かつ第2ワイヤ部材53
を引っ張って従動プーリ11の可動シーブ13を固定シ
ーブ12に接近させ、駆動プーリ5のプーリ径を従動プ
ーリ11よりも小にする一方、図3に仮想線にて示すよ
うに、操作レバー39′の高速位置(Hi )では、第1
ワイヤ部材49を引っ張って駆動プーリ5の可動シーブ
7を固定シーブ6に接近させ、かつ第2ワイヤ部材53
を押して従動プーリ11の可動シーブ13を固定シーブ
12から離隔させ、駆動プーリ5のプーリ径を従動プー
リ11よりも大きくするようになっている。
【0060】したがって、この実施例においては、操作
レバー39′を揺動操作して、その先端側の移動部42
をハウジング32の第1及び第2取付部35,36に対
し相反して接離させることで、変速装置Aの変速切換え
が行われる。具体的には、図3に実線にて示すように、
操作レバー39′を低速位置(Lo )に位置付けると、
その移動部42がハウジング32の第2取付部36から
離れて第1取付部35に向かう方向に移動し、この移動
部42に連結されている第1ワイヤ部材49が押されて
第1ワイヤケース48内で長さ方向に相対移動し、この
ことにより駆動プーリ5の可動シーブ7が固定シーブ6
から離隔する。また、上記操作レバー39′の移動部4
2には第2ワイヤ部材53も連結されているので、この
移動部42がハウジング32の第2取付部36から離れ
るのに伴い、第2ワイヤ部材53が引っ張られて第2ワ
イヤケース52内で長さ方向に相対移動し、このことに
より従動プーリ11の可動シーブ13が固定シーブ12
に接近して、駆動プーリ5のプーリ径を従動プーリ11
よりも小になり、駆動軸1の回転を減速して従動軸2に
伝える減速状態となる。
【0061】一方、図3に仮想線にて示すように、操作
レバー39′を高速位置(Hi )に位置付けたときに
は、移動部42がハウジング32の第1取付部35から
離れて第2取付部36に向かう方向に移動し、第1ワイ
ヤ部材49が引っ張られて駆動プーリ5の可動シーブ7
が固定シーブ6に接近する。また、移動部42が第1取
付部35から離れるのに伴い、第2ワイヤ部材53が押
されて第2ワイヤケース52内で長さ方向に相対移動
し、このことにより従動プーリ11の可動シーブ13が
固定シーブ12から離隔して、駆動プーリ5のプーリ径
が従動プーリ11よりも大きくなり、駆動軸1の回転を
従動軸2に増速して伝達する増速状態となる。よって、
この実施例でも、上記実施例1と同様の作用効果を奏す
ることができる。
【0062】尚、この実施例2においては、操作レバー
39′は必ずしも揺動型のものを用いる必要はなく、両
ワイヤ部材49,53が連結される移動部42がハウジ
ング32の両取付部35,36に接離するようにしたス
ライド型のものを用いることもできる。
【0063】また、上記各実施例では、操作レバー3
9′自体を揺動部材又は移動部材としているが、揺動部
材又は移動部材を単独に設け、これらを他に設けられる
操作レバーで駆動するようにしてもよい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明で
は、互いに平行に配置された1対の回転軸上にそれぞれ
設けられた変速プーリと、この両変速プーリ間に巻き掛
けられた伝動ベルトとを備えたプーリ式の変速装置に対
し、一方のプーリの固定シーブにベアリングを介して回
転可能に連結される連結部材と固定体とを可撓チューブ
からなる第1ワイヤケースで連結し、一方のプーリの可
動シーブにベアリングを介して回転可能に連結される連
結部材と揺動部材の一側とを上記第1ワイヤケース内に
挿通される第1ワイヤ部材で連結する一方、他方のプー
リの固定シーブにベアリングを介して回転可能に連結さ
れる連結部材と固定体とを第2ワイヤ部材で連結し、他
方のプーリの可動シーブにベアリングを介して回転可能
に連結される連結部材と揺動部材の他側とを上記第2ワ
イヤ部材を挿通せしめる可撓チューブからなる第2ワイ
ヤケースで連結して、揺動部材の揺動により両プーリの
可動シーブを軸方向に連係移動させて変速比を変えるよ
うにした。また、請求項2の発明では、一方のプーリに
おける固定シーブ側連結部材と固定体とを第1ワイヤケ
ースで連結し、一方のプーリの可動シーブ側連結部材と
移動部材とを上記第1ワイヤケース内に挿通される第1
ワイヤ部材で連結する一方、他方のプーリの固定シーブ
側連結部材と固定体とを第2ワイヤケースで連結し、他
方のプーリの可動シーブ側連結部材と上記移動部材とを
上記第2ワイヤケース内に挿通される第2ワイヤ部材で
連結して、移動部材の移動により両プーリの可動シーブ
を軸方向に移動させて変速比を変えるようにした。従っ
て、これらの発明によると、各ワイヤ部材及び各ワイヤ
ケースにより直接可動シーブを軸方向に移動させること
ができ、変速装置の軽量化を図ることができるととも
に、部品点数を少なくして変速装置の小形化及びコスト
ダウン化を図ることができるという実用上優れた効果を
有する。
【0065】さらに、請求項3の発明によれば、回転軸
を中空状とし、その内部に連結部材及びベアリングを配
置したことにより、ベアリング及び連結部材を小形化し
て変速装置のより一層の軽量化を図ることができるとと
もに、ベアリングのシール径を小さくして回転抵抗を下
げ、変速装置の伝動効率を向上させることができ、さら
には変速装置の外観見映えを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る変速装置の断面図であ
る。
【図2】実施例1における変速装置をワイヤ部材及びワ
イヤケースを除いた状態で示す正面図である。
【図3】本発明の実施例2に係る変速装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
A 変速装置 1 駆動軸(回転軸) 2 従動軸(回転軸) 5 駆動プーリ 6 固定シーブ 7 可動シーブ 11 従動プーリ 12 固定シーブ 13 可動シーブ 17,23 固定シーブ側連結部材 20,26 可動シーブ側連結部材 19,22,25,28 ベアリング 31 変速切換機構 32 ハウジング(固定体) 34 支持部 35 第1取付部 36 第2取付部 39,39′ 操作レバー(揺動部材、移動部材) 40 第1揺動部 41 第2揺動部 42 移動部 46 支持軸 48 第1ワイヤケース 49 第1ワイヤ部材 52 第2ワイヤケース 53 第2ワイヤ部材 B ベルト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに平行に配置された1対の回転軸
    と、 各々、上記回転軸に回転一体にかつ摺動不能に固定され
    た固定シーブと該固定シーブに対向するように回転軸に
    軸方向に摺動可能に支持された可動シーブとからなり、
    各可動シーブに対する各固定シーブの対向方向が互いに
    逆向きとされた1対の変速プーリと、 上記両変速プーリ間に巻き掛けられたベルト部材とを備
    え、 上記各変速プーリの可動シーブを対向する固定シーブに
    対し接離させて各プーリの伝動ベルトに対する有効半径
    を変化させることにより、両回転軸間の変速比を可変と
    したプーリ式変速装置において、 支持部及び該支持部の両側に第1及び第2取付部を有す
    る固定体と、 上記固定体の支持部に揺動可能に支持され、支点の一側
    に上記第1取付部に対し接離するように揺動する第1揺
    動部を有する一方、支点の他側に上記第2取付部に対し
    上記第1揺動部とは相反して接離するように揺動する第
    2揺動部を有する揺動部材と、 上記各変速プーリの固定シーブ及び可動シーブにそれぞ
    れベアリングを介して軸方向に移動一体にかつ相対回転
    可能に連結された固定シーブ側及び可動シーブ側連結部
    材と、 一端が上記一方の変速プーリの可動シーブ側連結部材に
    回転軸の一端側から連結される一方、他端が上記固定体
    の第1取付部を貫通して上記揺動部材の第1揺動部に連
    結された第1ワイヤ部材と、 一端が上記一方の変速プーリの固定シーブ側連結部材に
    回転軸の一端側から連結される一方、他端が上記固定体
    の第1取付部に連結され、内部に上記第1ワイヤ部材を
    摺動可能に挿通する可撓性を有するチューブ状の第1ワ
    イヤケースと、 一端が上記他方の変速プーリの固定シーブ側連結部材に
    回転軸の一端側から連結される一方、他端が上記揺動部
    材の第2揺動部を貫通して上記固定体の第2取付部に連
    結された第2ワイヤ部材と、 一端が上記他方の変速プーリの可動シーブ側連結部材に
    回転軸の一端側から連結される一方、他端が上記揺動部
    材の第2揺動部に連結され、内部に上記第2ワイヤ部材
    を摺動可能に挿通する可撓性を有するチューブ状の第2
    ワイヤケースとを設け、 揺動部材の揺動により両変速プーリの可動シーブを互い
    に連係して軸方向に移動させるように構成したことを特
    徴とするプーリ式変速装置。
  2. 【請求項2】 互いに平行に配置された1対の回転軸
    と、 各々、上記回転軸に回転一体にかつ摺動不能に固定され
    た固定シーブと該固定シーブに対向するように回転軸に
    軸方向に摺動可能に支持された可動シーブとからなり、
    各可動シーブに対する各固定シーブの対向方向が互いに
    逆向きとされた1対の変速プーリと、 上記両変速プーリ間に巻き掛けられたベルト部材とを備
    え、 上記各変速プーリの可動シーブを対向する固定シーブに
    対し接離させて各プーリの伝動ベルトに対する有効半径
    を変化させることにより、両回転軸間の変速比を可変と
    したプーリ式変速装置において、 所定間隔をあけて互いに対向するように配置された第1
    及び第2取付部を有する固定体と、 上記固定体の第1及び第2取付部間に配置され、両取付
    部に対し相反して接離するように移動する移動部を有す
    る移動部材と、 上記各変速プーリの固定シーブ及び可動シーブにそれぞ
    れベアリングを介して軸方向に移動一体にかつ相対回転
    可能に連結された固定シーブ側及び可動シーブ側連結部
    材と、 一端が上記一方の変速プーリの可動シーブ側連結部材に
    回転軸の一端側から連結される一方、他端が上記固定体
    の第1取付部を貫通して上記移動部材の移動部に連結さ
    れた第1ワイヤ部材と、 一端が上記一方の変速プーリの固定シーブ側連結部材に
    回転軸の一端側から連結される一方、他端が上記固定体
    の第1取付部に連結され、内部に上記第1ワイヤ部材を
    摺動可能に挿通する可撓性を有するチューブ状の第1ワ
    イヤケースと、 一端が上記他方の変速プーリの可動シーブ側連結部材に
    回転軸の他端側から連結される一方、他端が上記固定体
    の第2取付部を貫通して上記移動部材の移動部に連結さ
    れた第2ワイヤ部材と、 一端が上記他方の変速プーリの固定シーブ側連結部材に
    回転軸の他端側から連結される一方、他端が上記固定体
    の第2取付部に連結され、内部に上記第2ワイヤ部材を
    摺動可能に挿通する可撓性を有するチューブ状の第2ワ
    イヤケースとを設け、 移動部材の移動により両変速プーリの可動シーブを互い
    に連係して軸方向に移動させるように構成したことを特
    徴とするプーリ式変速装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のプーリ式変速装置
    において、 各回転軸は中空状であり、 連結部材は該中空状回転軸内に嵌挿されていて、外周部
    がベアリングを介して固定及び可動シーブに連結されて
    いることを特徴とするプーリ式変速装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101291769B1 (ko) * 2012-02-03 2013-07-31 충북대학교 산학협력단 수동변속장치를 갖는 무단변속기

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