JP3290647B1 - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機

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JP3290647B1 JP2001009686A JP2001009686A JP3290647B1 JP 3290647 B1 JP3290647 B1 JP 3290647B1 JP 2001009686 A JP2001009686 A JP 2001009686A JP 2001009686 A JP2001009686 A JP 2001009686A JP 3290647 B1 JP3290647 B1 JP 3290647B1
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Abstract

【要約】 【課題】全ての変速比において、良好なベルト張力特性
を得ることができる無段変速機を提供する。 【解決手段】駆動プーリ11と従動プーリ21の間にベ
ルト15を巻き掛け、両プーリのベルト巻き掛け径を互
いに逆方向に可変とする変速比可変機構を設けるととも
に、ベルトを押圧してベルト張力を得るテンショナ装置
50を設ける。テンショナ装置50は、テンションロー
ラ51と、一アーム53と、アーム53をテンションロ
ーラ51がベルト15を、その最高速比および最低速比
における付勢力が、中間変速比における付勢力より大き
くなるように設定された引張バネ54と、ケース6及び
アーム53に回動可能に連結された圧縮バネ57とを備
える。中間変速比における圧縮バネ57の回動付勢力
が、最高速比および最低速比における圧縮バネ57の回
動付勢力より大きくなるように、変速比によって圧縮バ
ネ57の向きが変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無段変速機、特に車
両用のVベルト式無段変速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の形式の無段変速機が提
案され、一部が実用化されている。無段変速機は、駆動
プーリと、従動プーリと、両プーリ間に巻き掛けられた
ベルトとを備えており、駆動プーリと従動プーリのベル
ト巻き掛け径を逆方向に変化させることにより、変速比
を無段階に可変としたものである。そのため、変速ショ
ックがなく、円滑な走行を実現できるという利点があ
る。
【0003】特開平5−280613号公報には、駆動
プーリと従動プーリのベルト巻き掛け径を変化させる駆
動機構と、両プーリのベルト巻き掛け径が互いに逆方向
に変化するように駆動機構を連動させて変速比を可変と
する変速切換機構と、両プーリに巻き掛けられたベルト
の緩み側背面を押圧してベルト張力を発生させる推力発
生機構とが設けられた無段変速機が提案されている。こ
の推力発生機構は、変速機ケースに揺動可能に支持され
たアームと、アームの先端部に回転可能に支持されたテ
ンションローラと、アームをテンションローラがベルト
の緩み側背面を押圧する方向に回動付勢するバネとで構
成され、変速比に対応して発生するベルト張力よりも大
きな張力となるようにベルトを押圧している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、変速比が最
低速比(最大低速比)から最高速比(最小変速比)まで
変化する間において、ベルトの背面に接触しているテン
ションローラの位置は一定している訳ではない。すなわ
ち、最低速比および最高速比ではベルト長さに余裕がな
いので、テンションローラによるベルトの撓み量が少な
く、テンションローラはプーリの間に沈み込んでいない
のに対し、中間変速比ではベルト長さに余裕が生じるの
で、テンションローラによるベルトの撓み量が大きく、
テンションローラが両プーリの間に沈み込む形となる。
そのため、通常の線形バネでアームを回動付勢した場合
には、中間変速比においてテンションローラの押圧力が
最も小さくなり、ベルト張力も最小となる。
【0005】しかし、中間変速比におけるベルト張力を
ベルト駆動に必要な最低限の張力に設定すると、最低速
比および最高速比においては過大張力となり、ベルトの
寿命を損なうという問題がある。一方、最低速比および
最高速比におけるベルト張力をベルト寿命を考慮した値
に設定すると、中間変速比においては張力不足となり、
ベルトとプーリとの間で滑りが発生する。このように従
来のバネを用いた無段変速機では、最低速比および最高
速比において過大張力となるか、あるいは中間変速比に
おいて張力不足となり、その設計が非常に難しかった。
【0006】そこで、本発明の目的は、簡単な機構で、
全ての変速比においてベルトの過大張力および張力不足
を解消し、良好なベルト張力特性を得ることができる無
段変速機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、駆動プーリと従動プーリ
との間にベルトを巻き掛け、両プーリのベルト巻き掛け
径を互いに逆方向に可変とする変速比可変機構を設ける
とともに、上記ベルトを押圧してベルト張力を得るテン
ショナ装置を設けた無段変速機において、上記テンショ
ナ装置は、上記ベルトの緩み側に外側から圧接するテン
ションローラと、一端部が変速機ケースに揺動可能に支
持され、他端部にテンションローラが回転可能に取り付
けられたアームと、上記アームをテンションローラがベ
ルトを押圧する方向に回動付勢するとともに、その最高
速比および最低速比における付勢力が、中間変速比にお
ける付勢力より大きくなるように設定された第1のバネ
と、一端部が変速機ケースに回動可能に支持され、他端
部が上記アームに回動可能に連結された圧縮バネよりな
る第2のバネとを備え、中間変速比における第2のバネ
によるアームのベルト押圧方向の回動付勢力が、最高速
比および最低速比における第2のバネによるアームのベ
ルト押圧方向の回動付勢力より大きくなるように、第2
のバネをその向きが変速比によって変化する位置に設け
たことを特徴とする。
【0008】本発明の変速比可変機構は、各プーリにお
けるベルト巻き掛け径を逆方向に変化させる機能だけを
有し、ベルトがプーリに対して滑らないようにベルト張
力を付与するために別にテンショナ装置が設けられてい
る。テンショナ装置は、テンションローラによってベル
トの緩み側を外側から押圧して所望のベルト張力を得
る。テンショナ装置には第1のバネと第2のバネとが設
けられており、アームには第1のバネの付勢力と第2の
バネの付勢力とが加算されて与えられる。第1のバネに
よるベルト押圧力は、従来と同様に、最高速比および最
低速比において大きく、中間変速比において小さくなる
ように設定されている。一方、第2のバネは、一端部が
変速機ケースに回動可能に支持され、他端部がアームに
回動可能に連結された圧縮バネよりなり、中間変速比に
おける第2のバネによるアームのベルト押圧方向の回動
付勢力が、最高速比および最低速比における第2のバネ
によるアームのベルト押圧方向の回動付勢力より大きく
なるように、変速比によって第2のバネの向きが変化す
る。つまり、変速比の変化に伴ってアームが揺動するの
を利用して、第2のバネの向きを変化させる。
【0009】このように、第1のバネと第2のバネと
は、変速比の変化に伴うベルト張力特性が逆となってい
る。そのため、第1のバネだけでは最低速比および最高
速比で過大張力となったり、中間変速比で張力不足とな
る場合であっても、第2のバネの作用によって中間変速
比のベルト張力を高めたり、最低速比および最高速比で
減殺することができる。そのため、第1のバネと第2の
バネとを併用することで、中間変速比における張力不
足、最低速比および最高速比における過大張力を共に解
消でき、最適な特性のベルト張力を与えることができ
る。なお、本発明における中間変速比とは、必ずしも最
低速比と最高速比の中央値である必要はなく、最低速比
と最高速比の中央付近の任意の変速比であってもよい。
【0010】第2のバネによる作用力は、例えば中間変
速比と最低速比および最高速比とにおいて、ベルト押圧
方向およびその逆方向とに反転するようにしてもよい
し、中間変速比と最低速比および最高速比とで共にベル
ト押圧方向、あるいはその逆方向に作用するようにして
もよい。但し、中間変速比と最低速比および最高速比と
で共にベルト押圧方向に作用する場合には、第1のバネ
による力を、予め低めに設定しておく必要がある。ま
た、第2のバネによるアームの回動付勢力は、第1のバ
ネによるアームの回動付勢力より小さく設定しておくの
が望ましい。
【0011】請求項2のように、第2のバネの一端部と
アームの一端部とを結ぶ直線に対し、最高速比および最
低速比における第2のバネとアームとの連結点がベルト
と反対側に位置するように、第2のバネを配置するのが
よい。この場合には、第2のバネによるアームの回動付
勢力が、最高速比および最低速比で第1のバネによる付
勢力と逆方向となるので、第1のバネの設定が最低速比
および最高速比で過大張力となる場合であっても、第2
のバネで修正して適切な張力特性に設定できる。
【0012】請求項3のように、アームの他端部にリン
クの一端部を回転可能に連結し、リンクの他端部にテン
ションローラを回転可能に取り付けるのがよい。つま
り、テンションローラの支持機構を2自由度または3自
由度のリンク構造とすることで、最高速比〜最低速比の
各レンジにおいて、テンションローラが自動的にプーリ
と干渉しない位置へ移動できる。そのため、テンション
ローラとして大径のローラを用いることが可能となり、
ベルトの負荷を軽減してベルトの寿命を向上させること
ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜図4は本発明にかかる無段
変速機の一例の具体的構造を示し、図5はその骨格構造
を示す。この無段変速機はFF横置き式の変速機であ
り、大略、エンジン出力軸1によって駆動される発進機
構2、発進機構2の出力軸である入力軸3、動力軸4、
駆動プーリ11を有する駆動軸10、従動プーリ21を
有する従動軸20、駆動プーリ11と従動プーリ21に
巻き掛けられたVベルト15、減速軸30、車輪と連結
された出力軸32、変速用モータ40、テンショナ装置
50などで構成されている。入力軸3,動力軸4,駆動
軸10,従動軸20,減速軸30および出力軸32はい
ずれも非同軸で、かつ平行に配置されている。
【0014】この実施例の発進機構2は乾式クラッチで
構成され、レリーズフォーク2aを発進制御用モータ
(図示せず)によって作動させることにより、断接制御
および半クラッチ制御を行なうことが可能である。入力
軸3は軸受を介して変速機ケース6によって回転自在に
支持され、入力軸3に一体回転可能に設けられた前進用
ギヤ3aと後進用ギヤ3bとが変速機ケース6の第2ギ
ヤ室6b内に配置されている。
【0015】動力軸4は変速機ケース6の左右の側壁に
架け渡して設けられ、両端部が軸受によって回転自在に
支持されている。動力軸4のエンジン側端部には、入力
軸3の前進用ギヤ3aと噛み合う前進用ギヤ4aが一体
に設けられ、反エンジン側端部には減速ギヤ4bが固定
されている。動力軸4の減速ギヤ4bは、駆動軸10の
反エンジン側の端部に回転自在に支持された減速ギヤ1
0aと噛み合い、動力軸4から駆動軸10へ駆動力をベ
ルト駆動に適した減速比で伝達している。減速ギヤ10
aは駆動軸10の反エンジン側に設けられたシンクロ式
の前進切替手段12によって駆動軸10に対して選択的
に連結される。つまり、切替手段12は前進位置Dと中
立位置Nの2位置に切替可能である。減速ギヤ4b,減
速ギヤ10a,前進切替手段12は前進用直結伝達機構
13を構成しており、この前進用直結伝達機構13は変
速機ケース6の反エンジン側に形成された第1ギヤ室6
a内に収容されている。第1ギヤ室6a内は油で潤滑さ
れている。
【0016】駆動プーリ11は、駆動軸10上に固定さ
れた固定シーブ11aと、駆動軸10上に軸方向移動自
在に支持された可動シーブ11bと、可動シーブ11b
の背後に設けられたアクチュエータ14とを備え、アク
チュエータ14はVベルト15よりエンジン側に配置さ
れている。この実施例のアクチュエータ14は、変速用
モータ40によって可動シーブ11bを軸方向に移動さ
せるボールネジ機構であり、可動シーブ11bに軸受1
4aを介して相対回転自在に支持された雌ねじ部材14
bと、変速機ケース6に支持された雄ねじ部材14cと
を備え、雌ねじ部材14bの外周部には変速ギヤ14d
が固定されている。変速ギヤ14dは駆動プーリ11を
構成する可動シーブ11bより大径で、かつ薄肉なギヤ
である。
【0017】従動プーリ21は、従動軸20上に固定さ
れた固定シーブ21aと、従動軸20上に軸方向移動自
在に支持された可動シーブ21bと、可動シーブ21b
の背後に設けられたアクチュエータ22とを備え、アク
チュエータ22はVベルト15より反エンジン側に配置
されている。このアクチュエータ22も駆動プーリ11
のアクチュエータ14と同様の構成を有するボールネジ
機構であり、可動シーブ21bに軸受22aを介して相
対回転自在に支持された雌ねじ部材22bと、変速機ケ
ース6に支持された雄ねじ部材22cとを備え、雌ねじ
部材22bの外周部には変速ギヤ22dが固定されてい
る。この変速ギヤ22dも従動プーリ21を構成する可
動シーブ21bより大径で、かつ薄肉なギヤである。
【0018】従動軸20の従動プーリ21よりエンジン
側の部位には、後進用ギヤ24が回転自在に支持されて
おり、このギヤ24は入力軸3に固定された後進用ギヤ
3bと噛み合っている。ギヤ24はシンクロ式の後進切
替手段25によって従動軸20に対して選択的に連結さ
れる。つまり、後進切替手段25は後進位置Rと中立位
置Nとの2位置に切替可能である。上記後進用ギヤ3b
とギヤ24と後進切替手段25とで後進用直結伝達機構
26が構成される。
【0019】従動軸20のエンジン側端部には、減速ギ
ヤ27が一体に形成されており、この減速ギヤ27は減
速軸30に固定されたギヤ30aと噛み合い、さらに減
速軸30に一体に形成されたギヤ30bを介して差動装
置31のリングギヤ31aに噛み合っている。減速軸3
0のギヤ30a,30bおよびリングギヤ31aによっ
て減速機構29が構成されている。そして、差動装置3
1に設けられた出力軸32を介して車輪が駆動される。
上記後進用直結伝達機構26、減速軸30および差動装
置31は変速機ケース6のエンジン側に形成された第2
ギヤ室6b内に収容されている。このギヤ室6bは油で
潤滑されている。なお、ギヤ室6bには入力軸3の前進
用ギヤ3aと動力軸4の前進用ギヤ4aも収容され、同
様に潤滑されている。
【0020】変速機ケース6の第1ギヤ室6aと第2ギ
ヤ室6bとは、上述のように油で潤滑されており、駆動
プーリ11と従動プーリ21は、第1ギヤ室6aと第2
ギヤ室6bとの間に挟まれたプーリ室6c内に配置され
ている。この実施例ではプーリ室6cは無潤滑空間であ
り、Vベルト15も乾式駆動ベルトが用いられている。
【0021】軸方向に分離された第1ギヤ室6a内の潤
滑油と第2ギヤ室6b内の潤滑油とを循環させるため、
動力軸4の軸心穴4cと、後述する第2変速軸46と動
力軸4との半径方向隙間5とによって、供給油路とリタ
ーン油路とが形成されている。軸心穴4cと半径方向隙
間5は、いずれが供給油路またはリターン油路であって
もよい。このように動力軸4と第2変速軸46との隙間
5に油を流通させることで、両軸の間を潤滑できる。
【0022】上記構成よりなる無段変速機の前進時およ
び後進時の動力伝達経路について、以下に説明する。前
進時には、シフトレバーを操作して前進切替手段12を
前進位置Dへ切り替える。このとき、後進切替手段25
は自動的にN位置へ切り替わる。発進機構2から入力軸
3に入力されたエンジン動力は、前進用ギヤ3a、前進
用ギヤ4a、動力軸4、前進用直結伝達機構13 (減
速ギヤ4b,減速ギヤ10a,前進切替手段12)、駆
動軸10、駆動プーリ11、Vベルト15、従動プーリ
21、従動軸20、減速ギヤ27、減速軸30、差動装
置31を介して出力軸32に伝達される。一方、後進時
には、シフトレバーを操作して後進切替手段25を後進
位置Rへ切り替える。このとき、前進切替手段12は自
動的にN位置へ切り替わる。発進機構2から入力軸3に
入力されたエンジン動力は、後進用直結伝達機構26
(後進用ギヤ3b,後進用ギヤ24,後進切替手段2
5)、従動軸20、減速ギヤ27、減速軸30、差動装
置31を介して出力軸32に伝達される。
【0023】後述するように、Vベルト15の緩み側を
押し付けてベルト張力を与えるテンショナ装置50が設
けられているが、Vベルト15が逆回転すると緩み側も
逆転するので、テンショナ装置50が緊張側を押しつけ
ることになり、Vベルト15に過大な負荷がかかる。し
かしながら、この実施例では、Vベルト15には前進時
のみトルクが伝達されるので、テンショナ装置50は常
にVベルト15の緩み側を押し付け、Vベルト15の負
担を軽減できる。
【0024】次に、この無段変速機における変速比可変
機構について説明する。変速機ケース6の外側部、特に
駆動プーリ11より斜め上方の部位に変速用モータ40
が取り付けられている。変速用モータ40はブレーキ4
1を有するサーボモータであり、その出力ギヤ42は減
速ギヤ43に噛み合い、これらギヤ42,43は油で潤
滑されたモータハウジング44内に収容され、予め組立
られている。減速ギヤ43の軸部43aはモータハウジ
ング44から突出しており、モータハウジング44を変
速機ケース6に固定したとき、軸部43aは変速機ケー
ス6に回転自在に支持されたスリーブ状の第1変速軸4
5にインロー嵌合され、一体回転可能に連結される。こ
のようにモータハウジング44と変速機ケース6の内部
とが隔離されているので、モータハウジング44内の潤
滑油が変速機ケース6内に流れ込むのを防止できる。第
1変速軸45に設けられたギヤ45aは可動シーブ11
bの移動ストローク分の長さを有する台形ギヤであり、
駆動プーリ21に設けられた変速ギヤ14dと噛み合っ
ている。第1変速軸45のギヤ45aを回転させると、
変速ギヤ14dが追随回転することでボールネジ機構
(アクチュエータ14)の作用により、可動シーブ11
bを軸方向へ移動させることができる。つまり、駆動プ
ーリ11のベルト巻き掛け径を連続的に変化させること
ができる。
【0025】駆動プーリ11の変速ギヤ14dは、動力
軸4の外周に相対回転自在に挿通されたスリーブ状の第
2変速軸46の第1アイドラギヤ46aと噛み合い、さ
らに第2変速軸46の第2アイドラギヤ46bは従動プ
ーリ21の変速ギヤ22dと噛み合っている。これらア
イドラギヤ46a,46bも、第1変速軸45のギヤ4
5aと同様に、可動シーブ11b,21bの移動ストロ
ーク分の長さを有する台形ギヤで構成されている。第2
変速軸46は、図2に示すように、駆動プーリ11と従
動プーリ21との間であって、かつVベルト15の周回
内に配置されている。変速用モータ40の回転力は、第
1変速軸45,駆動プーリ11の変速ギヤ14d,第2
変速軸46を介して従動プーリ21の変速ギヤ22dへ
と伝達される。そのため、駆動プーリ11の可動シーブ
11aと従動プーリ21の可動シーブ21aは互いに同
期し、かつ互いにベルト巻き掛け径を逆方向に変化させ
ながら軸方向へ移動することができる。
【0026】なお、変速用モータ40としてブレーキ付
きモータを用いた理由は、変速用モータ40の回転力を
伝達するギヤ列(42,43,45,14d,46a,
46b,22d)がすべて可逆ギヤで構成されている関
係で、ベルト張力による可動シーブの反力によってギヤ
列が回転して変速比が変化する恐れがあるので、ブレー
キ41の制動力によってギヤ列が回転するのを防止する
ためである。
【0027】次に、Vベルト15にベルト張力を与える
機構、すなわちテンショナ装置50について説明する。
上記のようにプーリ11,21のベルト巻き掛け径は変
速用モータ40によって可変されるが、それだけでは伝
達トルクによってVベルト15とプーリ11,21との
間に滑りが発生してしまう。そこで、伝達トルクに応じ
たベルト張力を与えるため、図2〜図4に示されるよう
なテンショナ装置50が設けられている。テンショナ装
置50はテンションローラ51を備え、このテンション
ローラ51はリンク52を介してアーム53によって揺
動可能に支持されている。アーム53の揺動軸53aは
駆動プーリ11の上方の部位に設けられている。アーム
53の先端部側面には係止軸53bが突設され、この軸
53bに引張バネ(第1のバネ)54の一端部が係止さ
れている。引張バネ54の他端部は、変速機ケース6に
設けられた軸55に係止されている。そのため、テンシ
ョンローラ51がVベルト15の緩み側を内側に向かっ
て押圧する方向にアーム53は回動付勢される。このよ
うに外側から内側に向かってVベルト15を押圧するこ
とで、所定のベルト張力を得るとともに、プーリ11,
21に対するVベルト15の巻き付け長さを長くし、伝
達効率を高めている。リンク52は、その一端部の軸5
2aがアーム52の先端部に回動自在に取り付けられ、
他端部52bにテンションローラ51の中心軸51aが
回転自在に支持されている。アーム53の先端部付近の
側面には連結軸53cが突設され、この軸53cに伸縮
ガイド56の一端部が回転自在に連結されている。伸縮
ガイド56の他端部は変速機ケース6に設けられた軸5
8に回転自在に連結されている。伸縮ガイド56には圧
縮バネ(第2のバネ)57が介装されており、圧縮バネ
57は、その向きが変化しても捩れや曲がりが生じない
ように、伸縮ガイド56によって伸縮方向にのみガイド
されている。
【0028】次に、引張バネ54および圧縮バネ57に
よるテンションローラ51のベルト押圧力が変速比に伴
って変化する作用を、図6〜図11を参照して説明す
る。図6は最高速比、図7は中間変速比、図8は最低速
比における状態変化を示す。また、図9は引張バネ54
のみを用いた時、図10は圧縮バネ57のみを用いた
時、図11は両方のバネを併用した時のベルト張力の変
化を示す。
【0029】図6,図8から明らかなように、最高速比
および最低速比ではベルト長さに余裕がないので、テン
ションローラ51によるVベルト15の撓み量が少な
く、テンションローラ51はプーリ11,21の間に沈
み込んでいない。これに対し、中間変速比では図7のよ
うにベルト長さに余裕が生じるので、テンションローラ
51によるVベルト15の撓み量が大きく、テンション
ローラ51がプーリ11,21の間に沈み込む形とな
る。
【0030】引張バネ54の変速機ケース側の支点55
は、Vベルト15を挟んで反対側に位置している。その
ため、引張バネ54のばね力はテンションローラ51が
Vベルト15を押圧する方向(A方向)に作用し、図9
に示すように、引張バネ54によるベルト張力は、中間
変速比で最も小さく、最高速比および最低速比と中間変
速比とのベルト張力の差が大きい。
【0031】これに対し、圧縮バネ57は、その変速機
ケース側の支点58と、アーム53の揺動支点53aと
を結ぶ直線Lの近傍に配置されている。そして、最高速
比および最低速比では圧縮バネ57とアーム53との連
結点53cが直線Lより反ベルト側に位置しており、中
間変速比では連結点53cが直線Lよりベルト側に位置
している。そのため、圧縮バネ57のばね力は、最高速
比および最低速比ではテンションローラ51をVベルト
15から離す方向(B方向)に作用し、中間変速比では
Vベルト15を押圧する方向(A方向)に作用する。す
なわち、図10に示すように、圧縮バネ57によるベル
ト張力は、中間変速比ではプラス(押圧側)であるが、
最高速比および最低速比ではマイナス(引張側)とな
る。
【0032】したがって、両方のバネ54,57による
ベルト張力を加算すると、図11のように、最高速比お
よび最低速比と中間変速比とのベルト張力の差が小さく
なり、良好な張力特性が得られる。例えば、中間変速比
におけるベルト張力をVベルト15に滑りが生じない必
要最低限の値(例えば700N)とした場合、最高速比
および最低速比では950〜1000N程度に抑制で
き、過大張力になるのを防止できる。そのため、ベルト
の滑り防止とベルトの寿命向上とを両立させることがで
きる。
【0033】なお、最高速比と最低速比とでは、引張バ
ネ54の撓み量は同じであるが、図9から明らかなよう
に最低速比の方が最高速比に比べてベルト張力がやや高
い。その原因は、アーム53の揺動軸53aを駆動プー
リ11側に配置してあるからである。すなわち、変速比
の変化に伴って、テンションローラ51からVベルト1
5に加わる垂直方向の押し付け荷重が変化し、この押し
付け荷重に比例したベルト張力が発生する。押し付け荷
重は、引張バネ54のばね荷重と、これと直角方向の荷
重とのベクトル和で与えられる。なお、ここでは圧縮バ
ネ57による付勢力を無視した。上記のようにアーム5
3の揺動軸53aを駆動プーリ11側に配置することに
より、Low〜High間で図6〜図8に示すように、
アーム53とリンク52との間の角度θが変化し、Lo
w時にアーム53に作用したばね荷重がより効果的にテ
ンションローラ51に伝わる。そのため、Low時の押
し付け荷重をHigh時に比べて大きくすることがで
き、大きな張力が必要なLow時のベルト張力を大きく
することができる。
【0034】上記実施例では、圧縮バネ57とアーム5
3との連結点53cが、最高速比および最低速比では直
線Lより反ベルト側に位置し、中間変速比では直線Lよ
りベルト側に位置するようにしたが、これに限るもので
はなく、変速比に関係なく直線Lより反ベルト側に位置
してもよいし、これとは逆に直線Lよりベルト側に位置
してもよい。但し、引張バネ54による張力特性が、図
9のように最高速比および最低速比で過大張力となる場
合には、連結点53cが最高速比および最低速比では直
線Lより反ベルト側に位置するように設定すれば、圧縮
バネ57によって最高速比および最低速比におけるベル
ト張力を低減できるので、望ましい。なお、中間変速比
における圧縮バネ57によるベルト張力がプラス(押圧
側)である必要はなく、マイナスあるいはゼロであって
もよい。
【0035】上記テンショナ装置50の場合、テンショ
ンローラ51がプーリ11,21と干渉しないように、
テンションローラ51はリンク52を介してアーム53
に取り付けられている。その理由を、図6〜図8を参照
して説明する。すなわち、アーム53にテンションロー
ラ51を直接取り付けた場合、テンションローラ51が
アーム53の揺動軸53aを中心とする回転軌跡で移動
するので、無段変速機がLowからHighまで変速し
た時、テンションローラ51がいずれかのプーリと干渉
する可能性がある。特に、Vベルト15の負担を軽減す
るため、大径のテンションローラ51を用いた場合に干
渉しやすい。これに対し、テンションローラ51をリン
ク52を介してアーム53に取り付けると、2自由度の
リンク構造となり、図6に示すHigh(最高速比)、
図7に示すMid(中間比)、図8に示すLow(最低
速比)での各変速比において、アーム53とリンク52
との間の角度θが自動的に変化し、テンションローラ5
1が自動的にプーリ11,21と干渉しない位置へ移動
できる。したがって、実施例のように大径のテンション
ローラ51を用いた場合でも、テンションローラ51と
プーリ11,21との干渉を確実に防止できる。なお、
2自由度のリンク構造に限らず、2本のリンクを用いる
ことで3自由度のリンク構造としてもよい。
【0036】本発明は上記実施例に限定されるものでは
ない。例えば、アーム53の揺動支点53aは、駆動プ
ーリ11または従動プーリ21と同軸上に設けてもよ
い。アーム53を回動付勢する第1のバネとして引張バ
ネ54を用いたが、圧縮バネを用いることもできるし、
アームの揺動軸に捩りバネを設けてもよい。第1のバネ
とアームとの連結位置は、アームの先端側(テンション
ローラ側)である必要はなく、アームの揺動支点を間に
して先端側と逆方向に腕を突設し、この腕に第1のバネ
を係止してもよい。また、アーム53の先端部にリンク
52を介してテンションローラ51を取り付けたが、リ
ンク52を省略してテンションローラ51をアーム53
の先端部に直接取り付けてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
に係る発明によれば、テンションローラがベルトを押圧
する方向にアームを回動付勢するバネとして、最高速比
および最低速比における付勢力が中間変速比における付
勢力より大きくなるように設定された第1のバネと、ア
ームの揺動を利用して第1のバネと逆特性を持つよう向
きが変化する第2のバネとを用いたので、第1のバネの
特性が最高速比および最低速比で過大張力であっても、
第2のバネによって修正し、両方のバネ力の和によって
良好なベルト張力に設定できる。すなわち、最高速比お
よび最低速比での過大張力と、中間変速比での張力不足
とを同時に解消できる。また、複雑なベルト張力付与機
構を用いることなく、2種類のバネだけで所望のベルト
張力特性を得ることができるので、構造が極めて簡単で
あり、安価に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる無段変速機の一例の展開断面図
である。
【図2】図1の無段変速機のプーリ部分の断面図であ
る。
【図3】図1の無段変速機のテンショナ装置を示す部分
断面図である。
【図4】テンショナ装置のアームの斜視図である。
【図5】図1の無段変速機のスケルトン図である。
【図6】最高速比におけるテンションローラとベルトと
の接触位置を示す図である。
【図7】中間変速比におけるテンションローラとベルト
との接触位置を示す図である。
【図8】最低速比におけるテンションローラとベルトと
の接触位置を示す図である。
【図9】引張バネのみを用いた時のベルト張力と変速比
との関係を示す図である。
【図10】圧縮バネのみを用いた時のベルト張力と変速
比との関係を示す図である。
【図11】引張バネと圧縮バネとを併用した時のベルト
張力と変速比との関係を示す図である。
【符号の説明】
6 変速機ケース 10 駆動軸 11 駆動プーリ 14 アクチュエータ(ネジ機構) 15 Vベルト 20 従動軸 21 従動プーリ 22 アクチュエータ(ネジ機構) 40 変速用モータ 50 テンショナ装置 51 テンションローラ 52 リンク 53 アーム 54 引張バネ(第1のバネ) 57 圧縮バネ(第2のバネ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−219241(JP,A) 特開 平5−106700(JP,A) 実開 昭62−193152(JP,U) 実開 昭57−144648(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 9/00 - 9/26 F16H 7/00 - 7/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動プーリと従動プーリとの間にベルトを
    巻き掛け、両プーリのベルト巻き掛け径を互いに逆方向
    に可変とする変速比可変機構を設けるとともに、上記ベ
    ルトを押圧してベルト張力を得るテンショナ装置を設け
    た無段変速機において、上記テンショナ装置は、上記ベ
    ルトの緩み側に外側から圧接するテンションローラと、
    一端部が変速機ケースに揺動可能に支持され、他端部に
    テンションローラが回転可能に取り付けられたアーム
    と、上記アームをテンションローラがベルトを押圧する
    方向に回動付勢するとともに、その最高速比および最低
    速比における付勢力が、中間変速比における付勢力より
    大きくなるように設定された第1のバネと、一端部が変
    速機ケースに回動可能に支持され、他端部が上記アーム
    に回動可能に連結された圧縮バネよりなる第2のバネと
    を備え、中間変速比における第2のバネによるアームの
    ベルト押圧方向の回動付勢力が、最高速比および最低速
    比における第2のバネによるアームのベルト押圧方向の
    回動付勢力より大きくなるように、第2のバネをその向
    きが変速比によって変化する位置に設けたことを特徴と
    する無段変速機。
  2. 【請求項2】上記第2のバネの一端部と上記アームの一
    端部とを結ぶ直線に対し、最高速比および最低速比にお
    ける第2のバネとアームとの連結点がベルトと反対側に
    位置するように、第2のバネを配置したことを特徴とす
    る請求項1に記載の無段変速機。
  3. 【請求項3】上記アームの他端部にはリンクの一端部が
    回転可能に連結され、リンクの他端部にテンションロー
    ラが回転可能に取り付けられていることを特徴とする請
    求項1または2に記載の無段変速機。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020024001A (ja) * 2018-08-07 2020-02-13 トヨタ自動車株式会社 ベルト式無段変速機

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