JPH06123199A - シールド機およびシールド工法 - Google Patents
シールド機およびシールド工法Info
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- JPH06123199A JPH06123199A JP3202032A JP20203291A JPH06123199A JP H06123199 A JPH06123199 A JP H06123199A JP 3202032 A JP3202032 A JP 3202032A JP 20203291 A JP20203291 A JP 20203291A JP H06123199 A JPH06123199 A JP H06123199A
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Links
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Landscapes
- Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
- Lining And Supports For Tunnels (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 大断面トンネルの掘削を安定して行ない、か
つ、工程の短縮化および設備の省略化を図ることのでき
るシールド機およびシールド工法を提供する。 【構成】 前部のカッタ装置3を、掘削されたトンネル
の内壁に沿って組み立てられる覆工用のセグメントの前
端部に反力をとって推進する外胴部10と、シールド機
本体に反力をとって前記外胴部10と独立して推進可能
な内胴部11とに分割する構成とする。また、シールド
機の後方に組み立てたセグメントに反力を取ってカッタ
装置の外胴部10の掘進を行ない、これと交互にシール
ド機本体に反力を取ってカッタ装置の内胴部11の掘進
を行ない、かつ、内胴部の掘進と並行して前記セグメン
トの組立を行なう構成とする。
つ、工程の短縮化および設備の省略化を図ることのでき
るシールド機およびシールド工法を提供する。 【構成】 前部のカッタ装置3を、掘削されたトンネル
の内壁に沿って組み立てられる覆工用のセグメントの前
端部に反力をとって推進する外胴部10と、シールド機
本体に反力をとって前記外胴部10と独立して推進可能
な内胴部11とに分割する構成とする。また、シールド
機の後方に組み立てたセグメントに反力を取ってカッタ
装置の外胴部10の掘進を行ない、これと交互にシール
ド機本体に反力を取ってカッタ装置の内胴部11の掘進
を行ない、かつ、内胴部の掘進と並行して前記セグメン
トの組立を行なう構成とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大断面トンネル工事に
好適なシールド機およびシールド工法に関する。
好適なシールド機およびシールド工法に関する。
【0002】
【従来の技術】トンネルの構築方法としては既に様々な
ものが提供されているが、特にシールド工法は硬岩以外
のあらゆる地山に適用でき、しかも地上施設に影響を与
えず、地下深部の施工が可能である等の利点を有するた
め、近年特にその施工実績が増加している。また近年で
は、地下の利用ニーズが高まり、それに伴いトンネルも
その大断面化が要求されてきている。
ものが提供されているが、特にシールド工法は硬岩以外
のあらゆる地山に適用でき、しかも地上施設に影響を与
えず、地下深部の施工が可能である等の利点を有するた
め、近年特にその施工実績が増加している。また近年で
は、地下の利用ニーズが高まり、それに伴いトンネルも
その大断面化が要求されてきている。
【0003】上記のシールド工法は、シールド機本体の
前部に設けられたカッタ装置により地山を掘削しつつ、
掘削されたずりをトンネル後方に搬出するとともに、掘
削されたトンネルの内壁に沿って覆工用のセグメントを
組み立ててトンネルを覆工させていくもので、当該セグ
メントに推進ジャッキの反力を取りシールド機を掘進さ
せるようにしている。
前部に設けられたカッタ装置により地山を掘削しつつ、
掘削されたずりをトンネル後方に搬出するとともに、掘
削されたトンネルの内壁に沿って覆工用のセグメントを
組み立ててトンネルを覆工させていくもので、当該セグ
メントに推進ジャッキの反力を取りシールド機を掘進さ
せるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のシールド工法を大断面トンネルに適用する場合には
次のような解決すべき課題があった。
来のシールド工法を大断面トンネルに適用する場合には
次のような解決すべき課題があった。
【0005】第1にシールド工法では、切羽を安定させ
る必要があるが、特に大断面のトンネルの場合、断面の
上下において圧力差(水圧、土圧)が大きく、圧力管理
値の決定および管理が難しく、切羽の安定確保が難しい
こと、第2にシールド工法では、カッタ装置の回転の周
速が中心部分と外周部分とで大きく異なるため、特に大
断面トンネルの場合、土砂の切り込みおよび取り込みが
難しいこと、第3にシールド工法では、トンネルの掘削
工程の後にセグメントの組立工程を行ない、全体工程が
かかる過ぎること、第4にシールド工法では、大断面ト
ンネルの場合、設備が大規模となり、莫大な電力設備を
必要とすること、などである。
る必要があるが、特に大断面のトンネルの場合、断面の
上下において圧力差(水圧、土圧)が大きく、圧力管理
値の決定および管理が難しく、切羽の安定確保が難しい
こと、第2にシールド工法では、カッタ装置の回転の周
速が中心部分と外周部分とで大きく異なるため、特に大
断面トンネルの場合、土砂の切り込みおよび取り込みが
難しいこと、第3にシールド工法では、トンネルの掘削
工程の後にセグメントの組立工程を行ない、全体工程が
かかる過ぎること、第4にシールド工法では、大断面ト
ンネルの場合、設備が大規模となり、莫大な電力設備を
必要とすること、などである。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、大断面トンネルの掘削を安定して行ない、かつ、工
程の短縮化および設備の省略化を図ることのできるシー
ルド機およびシールド工法を提供することを目的とす
る。
で、大断面トンネルの掘削を安定して行ない、かつ、工
程の短縮化および設備の省略化を図ることのできるシー
ルド機およびシールド工法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明は、前部のカッタ装置により地山を掘削しつつ、掘
削されたトンネルの内壁に沿って覆工用のセグメントを
組み立てるようにしたシールド機において、前記カッタ
装置を、前記セグメントの前端部に反力をとって推進す
る外胴部と、シールド機本体に反力をとって前記外胴部
と独立して推進可能な内胴部とに分割する構成とした。
発明は、前部のカッタ装置により地山を掘削しつつ、掘
削されたトンネルの内壁に沿って覆工用のセグメントを
組み立てるようにしたシールド機において、前記カッタ
装置を、前記セグメントの前端部に反力をとって推進す
る外胴部と、シールド機本体に反力をとって前記外胴部
と独立して推進可能な内胴部とに分割する構成とした。
【0008】また、請求項2記載の発明は、シールド機
の後方に組み立てたセグメントに反力を取ってカッタ装
置の外胴部の掘進を行ない、これと交互にシールド機本
体に反力を取ってカッタ装置の内胴部の掘進を行ない、
かつ、内胴部の掘進と並行して前記セグメントの組立を
行なう構成とした。
の後方に組み立てたセグメントに反力を取ってカッタ装
置の外胴部の掘進を行ない、これと交互にシールド機本
体に反力を取ってカッタ装置の内胴部の掘進を行ない、
かつ、内胴部の掘進と並行して前記セグメントの組立を
行なう構成とした。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明によれば、カッタ装置の外
胴部の掘進と内胴部の掘進とを交互に行なうことで、い
ずれかの掘進時に他方が切羽面を支持することなり、安
定した切羽が保証される。またカッタ装置の外胴部の掘
進と内胴部の掘進とを独自に行なうことでカッタ装置の
中心部と外周部の周速の違いを小さくできる。
胴部の掘進と内胴部の掘進とを交互に行なうことで、い
ずれかの掘進時に他方が切羽面を支持することなり、安
定した切羽が保証される。またカッタ装置の外胴部の掘
進と内胴部の掘進とを独自に行なうことでカッタ装置の
中心部と外周部の周速の違いを小さくできる。
【0010】請求項2記載の発明によれば、カッタ装置
の内胴部の掘進と並行してセグメントの組立を行なうこ
とにより、掘削およびシールド工事の全体工程が省略化
される。
の内胴部の掘進と並行してセグメントの組立を行なうこ
とにより、掘削およびシールド工事の全体工程が省略化
される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図5を参
照しながら説明する。図1は本発明のシールド機Sによ
り施工途中にあるトンネルTの切羽近傍を示した図、図
2は同シールド機Sの正面図である。
照しながら説明する。図1は本発明のシールド機Sによ
り施工途中にあるトンネルTの切羽近傍を示した図、図
2は同シールド機Sの正面図である。
【0012】シールド機Sは、図1に示すように、シー
ルド機本体1の外殻を成す円筒状のスキンプレート2
と、シールド機本体1の前端部に装備され、駆動軸によ
り回転せしめられて地山を掘削するカッタ装置3と、ス
キンプレート2の内周面に基端が固定された推進ジャッ
キ4とを設備した基本構造とされ、カッタ装置3により
掘削した掘削土は排土装置によりトンネル後方へ搬送し
立て坑などから地上へ排出するようにしている。
ルド機本体1の外殻を成す円筒状のスキンプレート2
と、シールド機本体1の前端部に装備され、駆動軸によ
り回転せしめられて地山を掘削するカッタ装置3と、ス
キンプレート2の内周面に基端が固定された推進ジャッ
キ4とを設備した基本構造とされ、カッタ装置3により
掘削した掘削土は排土装置によりトンネル後方へ搬送し
立て坑などから地上へ排出するようにしている。
【0013】前記カッタ装置3は、シールド機Sの軸心
を通る線分を中心として遠心方向に2分割された外胴部
10および内胴部11から成る構成とされている。前者
の外胴部10は、駆動軸12により回転せしめられて地
山を掘削する構成とされ、前記した推進ジャッキ4の先
端を覆工用セグメント30に定着させることにより自身
の推進反力を支持するようにしている。また、後者の内
胴部11は、駆動軸13により自身の回転軸14を介し
て回転せしめられて外胴部10と独立して地山を掘削す
る構成とされ、後端部に設けられた推進ジャッキ15の
先端をシールド機本体1に定着させることにより自身の
推進反力を支持するようにしている。なお、外胴部10
と内胴部11との間隙にはシール20が設けられてい
る。
を通る線分を中心として遠心方向に2分割された外胴部
10および内胴部11から成る構成とされている。前者
の外胴部10は、駆動軸12により回転せしめられて地
山を掘削する構成とされ、前記した推進ジャッキ4の先
端を覆工用セグメント30に定着させることにより自身
の推進反力を支持するようにしている。また、後者の内
胴部11は、駆動軸13により自身の回転軸14を介し
て回転せしめられて外胴部10と独立して地山を掘削す
る構成とされ、後端部に設けられた推進ジャッキ15の
先端をシールド機本体1に定着させることにより自身の
推進反力を支持するようにしている。なお、外胴部10
と内胴部11との間隙にはシール20が設けられてい
る。
【0014】次に、以上のように構成されたシールド機
Sを用いて大断面トンネルを掘削する施工手順を図3な
いし図5を参照して説明する。
Sを用いて大断面トンネルを掘削する施工手順を図3な
いし図5を参照して説明する。
【0015】(1)図3は、外胴部10の掘進を停止
し、内胴部11のみによる掘進状態を示している。この
掘進状態においては、外胴部10が停止して前方の切羽
面を支持するので、内胴部11が掘削する内側の切羽が
安定しており、大断面であっても切羽が崩壊するおそれ
はない。したがって、内胴部11は切羽が安定した状態
での掘進が可能であり、後端の推進ジャッキ15をシー
ルド機本体1に定着させて伸長し、自身の推進反力をシ
ールド機本体1に取りながら外胴部10の切羽面まで掘
進する。また、内胴部11の掘進に合わせて外胴部10
の推進ジャッキ4を縮小し、この推進ジャッキ4と既設
の覆工用セグメント30の先端との間に新たに覆工用セ
グメント30を組み立てる。
し、内胴部11のみによる掘進状態を示している。この
掘進状態においては、外胴部10が停止して前方の切羽
面を支持するので、内胴部11が掘削する内側の切羽が
安定しており、大断面であっても切羽が崩壊するおそれ
はない。したがって、内胴部11は切羽が安定した状態
での掘進が可能であり、後端の推進ジャッキ15をシー
ルド機本体1に定着させて伸長し、自身の推進反力をシ
ールド機本体1に取りながら外胴部10の切羽面まで掘
進する。また、内胴部11の掘進に合わせて外胴部10
の推進ジャッキ4を縮小し、この推進ジャッキ4と既設
の覆工用セグメント30の先端との間に新たに覆工用セ
グメント30を組み立てる。
【0016】(2)内胴部11のカッタ面が外胴部10
の切羽面まで達したら、図4に示すように、外胴部10
の掘進を行なう。この掘進状態においては、内胴部11
が停止して前方の切羽面を支持するので、外胴部10が
掘削する切羽圧が小さくなるとともに、切羽が崩壊する
おそれがなく安定が保証されている。したがって、外胴
部10の掘進は内胴部11の掘進と同様に安定した状態
での掘進が可能であり、外胴部10は、後端の推進ジャ
ッキ4をセグメント30の先端に定着させて伸長し、自
身の推進反力をセグメント30に取りながら掘進する。
この外胴部10の掘進に合わせて内胴部11の推進ジャ
ッキ15を縮小し、次の内胴部11の掘進に備える。
の切羽面まで達したら、図4に示すように、外胴部10
の掘進を行なう。この掘進状態においては、内胴部11
が停止して前方の切羽面を支持するので、外胴部10が
掘削する切羽圧が小さくなるとともに、切羽が崩壊する
おそれがなく安定が保証されている。したがって、外胴
部10の掘進は内胴部11の掘進と同様に安定した状態
での掘進が可能であり、外胴部10は、後端の推進ジャ
ッキ4をセグメント30の先端に定着させて伸長し、自
身の推進反力をセグメント30に取りながら掘進する。
この外胴部10の掘進に合わせて内胴部11の推進ジャ
ッキ15を縮小し、次の内胴部11の掘進に備える。
【0017】(3)外胴部10の掘進を所定長(1セグ
メント以上)行なったら、外胴部10を停止する一方、
図5に示すように、再び内胴部11の掘進を開始し、内
胴部11の掘進と並行してセグメント30を組み立てて
いく。
メント以上)行なったら、外胴部10を停止する一方、
図5に示すように、再び内胴部11の掘進を開始し、内
胴部11の掘進と並行してセグメント30を組み立てて
いく。
【0018】(4)このように内胴部11の掘進と外胴
部10の掘進を交互に行ないつつ、内胴部11の掘進と
並行してセグメント30を組み立てていき、トンネルT
の施工を継続実施する。
部10の掘進を交互に行ないつつ、内胴部11の掘進と
並行してセグメント30を組み立てていき、トンネルT
の施工を継続実施する。
【0019】ところで、本出願人らは、本発明のシール
ド機を用いて地山を掘進する場合の切羽形状に与える影
響について有限要素法(FEM)を用いた解析を行っ
た。図6はその条件を示しており、シールド機の縦断方
向の断面を2次元のモデルとして、シールド機の凹み量
(図6中符号X)を0メートルから6メートルに段階的
に変えた場合の地盤の動きの変化を調べた。すなわち、
内胴部11と外胴部10の前端面が同一面にある場合
(従来型)、内胴部11が外胴部10に対し1メートル
後退している場合、後退量(凹み量)が2メートル、4
メートル、6メートルの場合の5通りについて調べた。
また、地山は砂質土、シールド機は泥水シールドを想定
し、したがって土の単位重量は水中重量とした。
ド機を用いて地山を掘進する場合の切羽形状に与える影
響について有限要素法(FEM)を用いた解析を行っ
た。図6はその条件を示しており、シールド機の縦断方
向の断面を2次元のモデルとして、シールド機の凹み量
(図6中符号X)を0メートルから6メートルに段階的
に変えた場合の地盤の動きの変化を調べた。すなわち、
内胴部11と外胴部10の前端面が同一面にある場合
(従来型)、内胴部11が外胴部10に対し1メートル
後退している場合、後退量(凹み量)が2メートル、4
メートル、6メートルの場合の5通りについて調べた。
また、地山は砂質土、シールド機は泥水シールドを想定
し、したがって土の単位重量は水中重量とした。
【0020】図7および図8は、凹み量が0メートルの
場合(従来型)と凹み量が6メートルの場合の有限要素
法による地盤の変位量の解析結果をそれぞれ示してい
る。これらの図に明らかなように、従来型に比較して内
胴部11の凹み量が大きい方が地盤の変位量が小さく、
切羽面が安定化状態にあることが分かる。
場合(従来型)と凹み量が6メートルの場合の有限要素
法による地盤の変位量の解析結果をそれぞれ示してい
る。これらの図に明らかなように、従来型に比較して内
胴部11の凹み量が大きい方が地盤の変位量が小さく、
切羽面が安定化状態にあることが分かる。
【0021】また、図9の表は凹み量が0メートル〜6
メートルにおける各地盤の代表的な箇所No.1〜N
o.3(図7参照)の変位量を表している。この表に示
すように、縦方向の沈下量は、内胴部11の凹み量が1
メートルの場合では凹み量が0メートルの場合の70%
にとどまることがわかった。同様に凹み量が2メートル
の場合では60〜70%、4メートルの場合では55〜
60%、6メートルの場合では45〜50%にとどまる
ことがわかった。
メートルにおける各地盤の代表的な箇所No.1〜N
o.3(図7参照)の変位量を表している。この表に示
すように、縦方向の沈下量は、内胴部11の凹み量が1
メートルの場合では凹み量が0メートルの場合の70%
にとどまることがわかった。同様に凹み量が2メートル
の場合では60〜70%、4メートルの場合では55〜
60%、6メートルの場合では45〜50%にとどまる
ことがわかった。
【0022】この解析結果から、内胴部11の凹み量が
1メートルとわずかであっても切羽面に対する影響をか
なり低減することができることがわかった(約3割
減)。また、凹み量を6メートルまで増やすほど周囲へ
の影響は小さくなることがわかった。以上の結果より、
シールド機のカッタ装置を外胴部10と内胴部11とに
分割した凹形のシールド機では、従来の面一形のシール
ド機よりも地盤の変形、変状に対し、効果があることが
判明した。
1メートルとわずかであっても切羽面に対する影響をか
なり低減することができることがわかった(約3割
減)。また、凹み量を6メートルまで増やすほど周囲へ
の影響は小さくなることがわかった。以上の結果より、
シールド機のカッタ装置を外胴部10と内胴部11とに
分割した凹形のシールド機では、従来の面一形のシール
ド機よりも地盤の変形、変状に対し、効果があることが
判明した。
【0023】本実施例によれば、以下の効果を奏する。 (イ)上記シールド機によれば、大断面のトンネルであ
っても、切羽が安定した状態での掘進が可能である。す
なわち、外胴部10の掘進を先行させて外胴部10によ
り切羽面をコ字型に支持し、したがって切羽の上部およ
び下部の切羽圧の差を小さくして内側の切羽を安定化で
き、安定した状態での内胴部11の掘進が可能である。
また、推進ジャッキ4、15の各ストローク量を数種類
用意することで、外胴部10および内胴部11の相対位
置を数段階にわたり得ることができ、切羽状況に応じた
きめ細かい対応が可能である。 (ロ)外胴部10と内胴部11を独立して掘進可能とし
たので、カッタ面の中心部と外周部の周速の違いを小さ
くすることができ、これにより全断面にわたっての土砂
の切り込みおよび土砂の取り込みを最良の状態で運転制
御することを容易にすることができるので、掘進性能を
向上させることができる。 (ハ)内胴部11の掘進工程とセグメント30の組立工
程との並行作業を実現でき、全体工程の合理化を図り、
工期の大幅な短縮を可能とする。 (ニ)外胴部10の掘進と内胴部11の掘進を交互に行
なうことで、掘進のために必要とする動力用の電力設備
の容量を半減できる。 (ホ)休日等の場合のように長時間の掘進中止をする場
合にコ字型状態で切羽面を支持できるので、従来よりも
掘進中止中の地盤沈下を少なくすることができ、近隣施
設等に対する悪影響を少なくできて安全である。
っても、切羽が安定した状態での掘進が可能である。す
なわち、外胴部10の掘進を先行させて外胴部10によ
り切羽面をコ字型に支持し、したがって切羽の上部およ
び下部の切羽圧の差を小さくして内側の切羽を安定化で
き、安定した状態での内胴部11の掘進が可能である。
また、推進ジャッキ4、15の各ストローク量を数種類
用意することで、外胴部10および内胴部11の相対位
置を数段階にわたり得ることができ、切羽状況に応じた
きめ細かい対応が可能である。 (ロ)外胴部10と内胴部11を独立して掘進可能とし
たので、カッタ面の中心部と外周部の周速の違いを小さ
くすることができ、これにより全断面にわたっての土砂
の切り込みおよび土砂の取り込みを最良の状態で運転制
御することを容易にすることができるので、掘進性能を
向上させることができる。 (ハ)内胴部11の掘進工程とセグメント30の組立工
程との並行作業を実現でき、全体工程の合理化を図り、
工期の大幅な短縮を可能とする。 (ニ)外胴部10の掘進と内胴部11の掘進を交互に行
なうことで、掘進のために必要とする動力用の電力設備
の容量を半減できる。 (ホ)休日等の場合のように長時間の掘進中止をする場
合にコ字型状態で切羽面を支持できるので、従来よりも
掘進中止中の地盤沈下を少なくすることができ、近隣施
設等に対する悪影響を少なくできて安全である。
【0024】なお、本実施例では、たとえば1セグメン
ト長さが2メートルの場合、外胴部10を2メートル掘
進した後、内胴部11を2メートル掘進しながらこれと
並行してセグメント30の組立を行う場合を説明した
が、本発明はこれに限定されず、地山の状況に応じて外
胴部10と内胴部11の運転を適宜に制御できる。たと
えば、1セグメント長さが2メートルの場合、外胴部1
0を2メートル掘進した後、外胴部10後方にセグメン
トを組み立てると同時に内胴部11を1メートル掘進
し、この間にセグメントの組立を終了した場合には、つ
いで外胴部10を1メートル掘進し、次にもう一度内胴
部11を1メートル掘進してから、外胴部10をさらに
1メートル掘進して最初の状態に戻る運転とすることも
できる。このような運転制御を行なうことで、外胴部1
0の前端部が内胴部11の前端部の前方に常に位置し、
常にコ字型のシールド機の姿勢を形成するので、前記実
施例に比較して一層切羽面を常に安定化状態とできる。
またこの場合、シールド機の製作当初から内胴部11の
掘進を1メートルとして設計することで、内胴部11の
推進ジャッキ15を外胴部10の推進ジャッキ4よりも
小型化でき、製造費が安くなる利点もある。
ト長さが2メートルの場合、外胴部10を2メートル掘
進した後、内胴部11を2メートル掘進しながらこれと
並行してセグメント30の組立を行う場合を説明した
が、本発明はこれに限定されず、地山の状況に応じて外
胴部10と内胴部11の運転を適宜に制御できる。たと
えば、1セグメント長さが2メートルの場合、外胴部1
0を2メートル掘進した後、外胴部10後方にセグメン
トを組み立てると同時に内胴部11を1メートル掘進
し、この間にセグメントの組立を終了した場合には、つ
いで外胴部10を1メートル掘進し、次にもう一度内胴
部11を1メートル掘進してから、外胴部10をさらに
1メートル掘進して最初の状態に戻る運転とすることも
できる。このような運転制御を行なうことで、外胴部1
0の前端部が内胴部11の前端部の前方に常に位置し、
常にコ字型のシールド機の姿勢を形成するので、前記実
施例に比較して一層切羽面を常に安定化状態とできる。
またこの場合、シールド機の製作当初から内胴部11の
掘進を1メートルとして設計することで、内胴部11の
推進ジャッキ15を外胴部10の推進ジャッキ4よりも
小型化でき、製造費が安くなる利点もある。
【0025】また、本発明のシールド機におけるカッタ
装置の断面形状は本実施例に限らず、外胴部10から内
胴部11にかけて中央付近が最大凹んだ猪口状型の場合
もある。この猪口状型では、内胴部11が最大前進した
場合であっても外胴部10の前端部が常に内胴部11の
前方に位置するため、常に安定した切羽面が得られ、し
かも掘削土砂の取り込みが容易になる利点がある。ま
た、カッタ装置の断面形状としては、外胴部10が傘状
型または傘状型と猪口状型の複合型で内胴部11が猪口
状型の場合も可能であり、掘削地盤に応じて最適な形状
に設定される。
装置の断面形状は本実施例に限らず、外胴部10から内
胴部11にかけて中央付近が最大凹んだ猪口状型の場合
もある。この猪口状型では、内胴部11が最大前進した
場合であっても外胴部10の前端部が常に内胴部11の
前方に位置するため、常に安定した切羽面が得られ、し
かも掘削土砂の取り込みが容易になる利点がある。ま
た、カッタ装置の断面形状としては、外胴部10が傘状
型または傘状型と猪口状型の複合型で内胴部11が猪口
状型の場合も可能であり、掘削地盤に応じて最適な形状
に設定される。
【0026】さらに、本発明のシールド機は、本実施例
のようにカッタ装置3を外胴部10と内胴部11に2分
割する構造に限らず、たとえばシールド径を大きくする
場合には、外胴部10と内胴部11の間に中胴部を設け
る3分割構造、さらには4分割構造とするなど多重分割
構造としてもよい。
のようにカッタ装置3を外胴部10と内胴部11に2分
割する構造に限らず、たとえばシールド径を大きくする
場合には、外胴部10と内胴部11の間に中胴部を設け
る3分割構造、さらには4分割構造とするなど多重分割
構造としてもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような優れた効果を奏する。請求項1記載の発明によ
れば、前部のカッタ装置を、後方で組み立てたセグメン
トにより推進反力をとって推進可能な外胴部と、当該外
胴部と独立してシールド機本体により推進反力をとって
推進可能な内胴部とに分割する構成としたから、それら
外胴部および内胴部により切羽の支持および切羽の掘進
を交互に繰り返すことで、大断面のトンネルであっても
切羽を安定させた状態で掘進できる。さらに、外胴部お
よび内胴部を独立して掘進することで、カッタ装置の内
周部と外周部の周速の違いを小さくでき、土砂の切り込
みおよび土砂の取り込みを容易にすることができる。し
かも、外胴部および内胴部を交互に掘進可能とすること
で、必要な電力設備を半減できるとともに、これにより
工期の短縮および仮設費用のコストダウンを図ることが
できる。また、請求項2記載の発明によれば、シールド
機の後方に組み立てられたセグメントに反力を取ってカ
ッタ装置の外胴部の掘進を行ない、これと交互にシール
ド機本体に反力を取ってカッタ装置の内胴部の掘進を行
ない、かつ、内胴部の掘進と並行してセグメントの組立
を行なう構成としたから、トンネル工事の全体工程の合
理化を図ることができ、これにより工期の大幅な短縮を
図ることができ、さらにこれに伴うコストダウンが図ら
れることになる。
のような優れた効果を奏する。請求項1記載の発明によ
れば、前部のカッタ装置を、後方で組み立てたセグメン
トにより推進反力をとって推進可能な外胴部と、当該外
胴部と独立してシールド機本体により推進反力をとって
推進可能な内胴部とに分割する構成としたから、それら
外胴部および内胴部により切羽の支持および切羽の掘進
を交互に繰り返すことで、大断面のトンネルであっても
切羽を安定させた状態で掘進できる。さらに、外胴部お
よび内胴部を独立して掘進することで、カッタ装置の内
周部と外周部の周速の違いを小さくでき、土砂の切り込
みおよび土砂の取り込みを容易にすることができる。し
かも、外胴部および内胴部を交互に掘進可能とすること
で、必要な電力設備を半減できるとともに、これにより
工期の短縮および仮設費用のコストダウンを図ることが
できる。また、請求項2記載の発明によれば、シールド
機の後方に組み立てられたセグメントに反力を取ってカ
ッタ装置の外胴部の掘進を行ない、これと交互にシール
ド機本体に反力を取ってカッタ装置の内胴部の掘進を行
ない、かつ、内胴部の掘進と並行してセグメントの組立
を行なう構成としたから、トンネル工事の全体工程の合
理化を図ることができ、これにより工期の大幅な短縮を
図ることができ、さらにこれに伴うコストダウンが図ら
れることになる。
【図1】本発明のシールド機により掘削途中にあるトン
ネルの切羽付近を示す図である。
ネルの切羽付近を示す図である。
【図2】同シールド機の正面図である。
【図3】同シールド機による施工手順を示す図である。
【図4】同シールド機による施工手順を示す図である。
【図5】同シールド機による施工手順を示す図である。
【図6】同シールド機で施工した場合の切羽形状に与え
る影響を解析するための条件を示す図である。
る影響を解析するための条件を示す図である。
【図7】有限要素法によって解析された切羽形状の2次
元平面ひずみを表す図である。
元平面ひずみを表す図である。
【図8】有限要素法によって解析された切羽形状の2次
元平面ひずみを表す図である。
元平面ひずみを表す図である。
【図9】解析結果を表にまとめた図である。
1 シールド機本体 2 スキンプレート 3 カッタ装置 4 推進ジャッキ 10 外胴部 11 内胴部 30 セグメント S シールド機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 晋一 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 久保 裕之 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 川口 博行 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 川上 房男 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 後藤 徹 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 田中 大三 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 前部のカッタ装置により地山を掘削しつ
つ、掘削されたトンネルの内壁に沿って覆工用のセグメ
ントを組み立てるようにしたシールド機において、前記
カッタ装置は、前記セグメントの前端部に反力をとって
推進する外胴部と、シールド機本体に反力をとって前記
外胴部と独立して推進可能な内胴部とに分割されている
ことを特徴とするシールド機。 - 【請求項2】 シールド機の後方に組み立てたセグメン
トに反力を取ってカッタ装置の外胴部の掘進を行ない、
これと交互にシールド機本体に反力を取ってカッタ装置
の内胴部の掘進を行ない、かつ、内胴部の掘進と並行し
て前記セグメントの組立を行なうことを特徴とするシー
ルド工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3202032A JPH06123199A (ja) | 1991-08-12 | 1991-08-12 | シールド機およびシールド工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3202032A JPH06123199A (ja) | 1991-08-12 | 1991-08-12 | シールド機およびシールド工法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06123199A true JPH06123199A (ja) | 1994-05-06 |
Family
ID=16450802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3202032A Pending JPH06123199A (ja) | 1991-08-12 | 1991-08-12 | シールド機およびシールド工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06123199A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104632238A (zh) * | 2015-01-21 | 2015-05-20 | 同济大学 | 一种用于建造地下建筑物或构筑物的可连续推进的盾构机 |
JP2017128843A (ja) * | 2016-01-18 | 2017-07-27 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | トンネル掘削機 |
-
1991
- 1991-08-12 JP JP3202032A patent/JPH06123199A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104632238A (zh) * | 2015-01-21 | 2015-05-20 | 同济大学 | 一种用于建造地下建筑物或构筑物的可连续推进的盾构机 |
JP2017128843A (ja) * | 2016-01-18 | 2017-07-27 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | トンネル掘削機 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19990209 |