JP2860046B2 - 矩形シールド掘削機 - Google Patents

矩形シールド掘削機

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JP2860046B2
JP2860046B2 JP24635093A JP24635093A JP2860046B2 JP 2860046 B2 JP2860046 B2 JP 2860046B2 JP 24635093 A JP24635093 A JP 24635093A JP 24635093 A JP24635093 A JP 24635093A JP 2860046 B2 JP2860046 B2 JP 2860046B2
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幸司 多田
徹 谷口
雅弘 中川
裕次 舘川
誠 請川
好明 土居
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、矩形シールド掘削機に
関し、特にカーブ施工が容易な矩形シールド掘削機に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄道、地下道等のトンネルを構
築するシールド工法として、円形シールド工法および矩
形シールド工法が知られている。
【0003】矩形シールド工法は、円形シールド工法に
比し、トンネル断面の有利性が高いトンネル工法である
ことが認められている。
【0004】この矩形シールド工法においては、矩形状
のシールド掘削機本体の先端部に円柱状のドラムカッタ
を配設し、このドラムカッタにて地盤を掘削しつつ、矩
形状のトンネルを掘削していく矩形シールド掘削機が知
られている。
【0005】この矩形シールド掘削機により、方向制御
を行う場合、シールドジャッキにより、シールド掘削機
本体の方向を制御しつつ掘削するようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のドラムカッ
タを用いたシールド掘削機においては、円柱状のドラム
カッタを横方向に配設して掘削を行うため、上下方向の
方向制御を行う場合には、シールドジャッキによりシー
ルド掘削機本体を上下方向に傾けてやれば、ドラムカッ
タにて直接上下方向の地盤を掘削することが可能である
が、左右方向においてカーブ施工を行う場合、ドラムカ
ッタによって左右方向の地盤を直接掘削するのが困難で
あるという問題があった。
【0007】また、円形シールド工法に用いる円形シー
ルド掘削機の場合には、円形のカッタから放射方向に余
掘り用のカッタを進退可能に取り付けるだけのスペース
が充分にとれるが、ドラムカッタを用いた矩形シールド
掘削機の場合にあっては、余掘り用のカッタを側方に進
退可能に取り付けるだけのスペースが取りにくいという
問題があった。
【0008】本発明は、前記従来の課題を解決するため
になされたもので、その目的は、矩形シールド掘削機に
おいて、左右方向の余掘りを可能にしてカーブ施工を容
易に行うことができるようにすることにある。また、余
掘り用のビットカッタをドラムカッタ内に確実に収納す
ることができるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明にあっては、
矩形状のシールド掘削機本体と、前記シールド掘削機本
体の先端部に配設されたドラムカッタと、を備え、矩形
状のトンネルを掘削する矩形シールド掘削機において、
前記ドラムカッタの側面外縁部に、側方に進退可能な余
掘り用のビットカッタを備えることを特徴としている。
【0010】第2の発明にあっては、前記ドラムカッタ
は、外周面内側に側面間にわたるスポークを備え、前記
スポーク内に、油圧シリンダにより側面外周縁より側方
に進退可能な余掘り用のビットカッタを備えることを特
徴としている。
【0011】第の発明にあっては、前記ドラムカッタ
は、外周面端縁に位置するカッタビット内に側方に進退
可能な余り用のビットカッタを備えることを特徴とし
ている。
【0012】
【0013】
【作用】第1の発明にあっては、直進または上下方向の
掘削時には、ビットカッタをドラムカッタの側面より外
方に出張らない状態にしてドラムカッタを回転させ、こ
のドラムカッタにより掘削推進を行う。
【0014】また、左右方向のカーブ施工を行う場合に
は、ドラムカッタの側面外縁部より余掘り用のビットカ
ッタを側方に突出させ、ドラムカッタによる前方の地盤
の掘削と共に、ビットカッタにより曲折方向の地盤の余
掘りを行う。
【0015】そして、シールドジャッキによりシールド
掘削機本体を曲折方向に方向制御すれば、矩形シールド
掘削機において、左右方向のカーブ施工が容易に行える
こととなる。
【0016】第2の発明にあっては、ドラムカッタのス
ポーク内に、油圧シリンダおよび余掘り用のビットカッ
タを収納することにより、スポークの一部に変更を加え
るだけで、余掘り用のビットカッタを容易に、かつ、確
実にドラムカッタ内に収納することが可能となる。
【0017】第3の発明にあっては、ドラムカッタのカ
ッタビットと同位置で余りを行うことができ、曲を
容易にすることが可能となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、図面
を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】図1〜図7は、本発明の一実施例に係る矩
形シールド掘削機を示す図である。
【0020】この矩形シールド掘削機は、シールド掘削
機本体10と、このシールド掘削機10の先端部に配設
されたカッタ12とから構成されている。
【0021】シールド掘削機本体10は、矩形状のトン
ネルを構成する矩形状のセグメント14と略同形の矩形
状に形成され、このセグメント14の先端側に位置され
ている。このシールド掘削機本体10の後部では、テー
ルシール16を介し、セグメント14との間がシールさ
れるようになっている。
【0022】また、シールド掘削機本体10の先端部に
は、フード18が張り出され、このフード18によって
シールド掘削機本体10の先端部にカッタチャンバ20
が画成されるようになっている。
【0023】更に、フード18によって画成されたカッ
タチャンバ20とその後方側のガーダ部22とを隔壁2
4にて仕切り、この隔壁24とカッタ12との間のカッ
タチャンバ20をシールド掘削機本体10に設けた送泥
管26より加圧した泥水で満たし、カッタ12の安定を
図るとともに、掘削した土砂を泥水中に取り込み排泥管
28より排泥水として流体輸送するようになっている。
【0024】また、シールド掘削機本体10内には、複
数のシールドジャッキ30が配設され、このシールドジ
ャッキ30をセグメント14の先端に当接させてシール
ド掘削機本体10を推進させるようにしている。なお、
セグメント14は、シールド掘削機本体10内に配設し
たエレクタ32をエレクタ旋回用油圧モータ34により
作動させて組み立てられるようになっている。
【0025】さらに、シールド掘削機本体10内には、
4つのカッタ駆動用電動機36が配設され、このカッタ
駆動用電動機36よりギアケース38内の複数のギア
(図示せず)を介してカッタ12に動力が伝達されるよ
うになっている。
【0026】カッタ12は、上側および下側の2つのカ
ッタユニット40より構成されている。
【0027】各カッタユニット40は、左右両側に配設
された2つのドラムカッタ42と、このドラムカッタ4
2間に配設された上下2つのリングカッタ44とから構
成されている。
【0028】ドラムカッタ42は、ギアケース38内の
図示せぬギアと接続したシャフト46を中心に回転する
ようになっており、またリングカッタ44は同様にギア
ケース38内の図示せぬギアと接続したシャフト48を
中心に回転し得るようになっている。
【0029】また、ドラムカッタ42の側面外縁部に
は、側方に進退可能なカーブ施工時の左右余掘り用のビ
ットカッタ50が配設されるようになっている。
【0030】具体的には、各ドラムカッタ42は、外周
面内側に側面間にわたる複数のスポーク52をそれぞれ
備えており、このうちの1本、または複数本のスポーク
52に、ビットカッタ50の収納部54を形成し、この
収納部54内に油圧シリンダ56および余掘り用のビッ
トカッタ50を収納し、この油圧シリンダ56によりド
ラムカッタ42の側面外周縁よりビットカッタ50を側
方に進退可能にしている。即ち、各カッタユニット40
のドラムカッタ42にそれぞれ1つのビットカッタ50
が設けられ、カッタ12全体で合計4つのビットカッタ
50が設けられるようになっている。このビットカッタ
50は、例えばドラムカッタ42の側面から最長10cm
程度側方に突出し得るようになっている。
【0031】また、油圧シリンダ56には、ドラムカッ
タ42のシャフト46に設けたスイベル64を介して油
圧オイルが供給されるようになっている。
【0032】次に、本実施例における矩形シールド掘削
機を用いて掘削を行なう状態について説明する。
【0033】まず、送泥管26から泥水をカッタチャン
バ20内に供給すると共に、4つのカッタ駆動用原動機
36を作動させる。すると、ギアケース38内のギアを
介して、ドラムカッタ42のシャフト46およびリング
カッタ44のシャフト48が回転し、これによって上側
および下側の各カッタユニット40のドラムカッタ42
およびリングカッタ44が回転して、地盤を矩形に掘削
する。この場合、カッタチャンバ20内への泥水加圧に
より、カッタ12による安定した掘削が行なえることと
なる。また、掘削により生じたズリは、泥水と共に排泥
管28から排出される。
【0034】この状態で、シールドジャッキ30を伸張
させ、先端のセグメント14に反力をもたせて、シール
ド掘削機本体10を所定距離推進させる。この場合、複
数のシールジャッキ30の伸張度を調節して、シールド
掘削機本体10を直進させたり、あるいは上下方向に方
向変換して推進する。この上下方向に方向変換して推進
する場合には、上側および下側のカッタユニット40を
構成するドラムカッタ42およびリングカッタ44が前
方に向いているため、シールドジャッキ30により、シ
ールド掘削機本体10の向きを上下方向に変えてやるだ
けで、進行方向前面の地盤を掘削して推進することが可
能である。
【0035】また、左右方向へのカーブ施工を行なう場
合には、左右両側に位置するドラムカッタ42の側面に
ビットがないため、シールドジャッキ30によるシール
ド掘削機本体10の左右への押圧だけでは、左右方向へ
の方向変換ができず、曲折しようとする左右の地盤の余
掘りが必要となる。
【0036】そこで、カーブ施工を行なう左又は右側に
位置するドラムカッタ42の側面外縁部に配したビット
カッタ50を油圧シリンダ56により側方に突出させ、
左又は右側の地盤の余掘りを行なう。この場合、上側お
よび下側のカッタユニット40のドラムカッタ42にそ
れぞれ1つビットカッタ50が取付けられているため、
左又は右側の地盤をシールド掘削機本体10の高さ全体
にわたって確実に余掘りを行なうことが可能である。
【0037】また、油圧シリンダ56およびビットカッ
タ50は、既存のスポーク52内に収納されるため、取
付け箇所を特別に確保することなく、取付けがなしう
る。
【0038】さらに、ビットカッタ50による余掘り量
は、施工しようとするカーブの曲率に応じてビットカッ
タ50の突出量を調節し、曲率半径が小さい場合には余
掘り量を多く、曲率半径が大きい場合には余掘り量を少
なくして、曲率に応じた余掘りを行なうようにしてい
る。
【0039】この所定のカーブの曲率にあった余り量
は、例えば、次式により求めることができる。
【0040】δ=(LI2 +RI2 1/2 −RI R:カーブ施工曲率半径(mm) W:ボックスシールド幅(mm) LI:曲率中心からドラムカッタ回転シャフトまでの長
さ(mm) δ:余堀り量 RI=R−W/2 そして、上式により求められた余堀り量に応じて余堀り
側の油圧シリンダ56に油圧オイルを供給すれば良い。
【0041】このとき、油圧シリンダ56の伸び量は油
圧回路中の流量計を介してポテンショの変位を電気信号
に変換し、この信号を運転制御盤のデジタルメータに表
示すれば、直接ビットカッタ50の突出量を確認するこ
とができる。
【0042】そして、カッタ12により所定距離矩形状
に掘削した後、エレクタ旋回用油圧モータ34によりエ
レクタ32を作動させて矩形状のセグメント14を組立
てていけば、容易に左右方向のカーブを有する矩形状の
トンネルを構築することが可能である。
【0043】本発明は、前記実施例に限定されるもので
はなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施
が可能である。
【0044】例えば、前記実施例においては、泥水加圧
式のシールド工法について説明したが、この例に限ら
ず、土圧系シールド工法、推進行法、あるいは山岳トン
ネル工法にも適用し得るものである。
【0045】また、前記実施例では、上下2段のカッタ
ユニットを有するカッタについて説明したが、この例に
限らず、1つあるいは複数のカッタユニットでカッタを
構成する場合にも適用し得るものである。
【0046】さらに、余り用のビットカッタは、前述
のようにスポークに設ける場合に限らず、ドラムカッタ
の外周面端縁に位置するカッタビット内に側方に進退可
能に設け、ドラムカッタのカッタビットと同位置で余
りを行うようにすることもできる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明にあっ
ては、左右方向のカーブ施工を行う場合に、ドラムカッ
タの側面外縁部より余掘り用のビットカッタを側方に突
出させ、ドラムカッタによる前方の地盤の掘削と共に、
ビットカッタにより曲折方向の地盤の余掘りを行い、シ
ールドジャッキによりシールド掘削機本体を曲折方向に
方向制御すれば、矩形シールド掘削機において、左右方
向のカーブ施工が容易に行えるという効果がある。
【0048】第2の発明にあっては、ドラムカッタのス
ポーク内に、油圧シリンダおよび余掘り用のビットカッ
タを収納することにより、スポークの一部に変更を加え
るだけで余掘り用のビットカッタを容易にかつ確実にド
ラムカッタ内に収納することができるという効果があ
る。
【0049】第3の発明にあっては、ドラムカッタのカ
ッタビットと同位置で余りを行い、曲を容易にする
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置実施例に係る矩形シールド掘削機
の断面図である。
【図2】図1の矩形シールド掘削機を下側のドラムカッ
タおよびリングカッタを省略してドラムカッタ側から見
た断面図である。
【図3】ドラムカッタの側面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図4のビットカッタ部分を上方から見た状態を
示す断面図である。
【符号の説明】
10 シールド掘削機本体 12 カッタ 30 シールドジャッキ 40 カッタユニット 42 ドラムカッタ 50 ビットカッタ 52 スポーク 54 収納部 56 油圧シリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 徹 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (72)発明者 中川 雅弘 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (72)発明者 舘川 裕次 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (72)発明者 請川 誠 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (72)発明者 土居 好明 千葉県市原市八幡海岸通1番地 三井造 船株式会社 千葉事業所内 (56)参考文献 特開 平2−66295(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形状のシールド掘削機本体と、 前記シールド掘削機本体の先端部に配設されたドラムカ
    ッタと、 を備え、矩形状のトンネルを掘削する矩形シールド掘削
    機において、 前記ドラムカッタの側面外縁部に、側方に進退可能な余
    掘り用のビットカッタを備えることを特徴とする矩形シ
    ールド掘削機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記ドラムカッタは、外周面内側に側面間にわたるスポ
    ークを備え、 前記スポーク内に、油圧シリンダにより側面外周縁より
    側方に進退可能な余掘り用のビットカッタを備えること
    を特徴とする矩形シールド掘削機。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記ドラムカッタは、外周面端縁に位置するカッタビッ
    ト内に側方に進退可能な余掘り用のビットカッタを備え
    ることを特徴とする矩形シールド掘削機。
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