JPH06123014A - 気相法による炭素繊維の製造法 - Google Patents

気相法による炭素繊維の製造法

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JPH06123014A
JPH06123014A JP4361738A JP36173892A JPH06123014A JP H06123014 A JPH06123014 A JP H06123014A JP 4361738 A JP4361738 A JP 4361738A JP 36173892 A JP36173892 A JP 36173892A JP H06123014 A JPH06123014 A JP H06123014A
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JP
Japan
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gas
transition metal
metal compound
organic transition
carbon fiber
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Application number
JP4361738A
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English (en)
Inventor
Kohei Arakawa
公平 荒川
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Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】均一な気相成長炭素繊維を高い生産性で連続生
産する。 【構成】一酸化炭素ガス0.1〜60%と、有機遷移金
属化合物のガス0.05〜10%(容量)と、キャリア
ガスとを予め混合してから加熱炉に注入して、浮遊状態
で繊維を生成させ、それを捕捉する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気相中で炭素繊維を製
造する方法に関し、更に詳細には、一酸化炭素ガスと、
有機遷移金属化合物のガスと、キャリアガスとの混合ガ
スを加熱することを特徴とする、生産性が改善された、
気相法による炭素繊維の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】気相法による炭素繊維は、結晶配向性に
優れているため、機械的特性、電気的特性、生化学的特
性等において、従来の炭素繊維に見られない優れた特性
を有している。従来、気相法による炭素繊維は電気炉内
にアルミナや黒鉛などの基板を置き、この表面に鉄やニ
ッケルなどの超微粒子からなる、繊維生成触媒を分散せ
しめ、水素ガスにより触媒粒子表面の酸化物を還元した
後、ベンゼン等の炭化水素ガスと水素などのキャリアガ
スとの混合ガスを熱分解することにより生成されてい
た。
【0003】しかし、この方法では、(1)基板表面の
温度の微妙なムラや、繊維の密生度度によって長さの不
均一が起こり易いこと、(2)炭素の供給源としての炭
化水素が反応により炉内で消費されるために、炉の入口
と出口とでその濃度に差が生じ、そのために入口および
出口にそれぞれ生成した繊維の直径に差ができてしまう
こと、(3)基板の表面でのみ繊維生成反応が起こり、
繊維生成触媒の存在しない炉芯管の中心部分は反応に関
与せず、かなりの量の原料ガスが反応しないで炉から流
出してしまって収率が低いこと、さらに重大なことは、
(4)金属超微粒子を基板に散布し、炉に入れ、炉を昇
温し、炉内を不活性ガス置換し、ついで水素置換して金
属を還元し、原料ガスを注入して繊維を生成させ、不活
性ガス置換しつつ炉を冷却し、基板を炉から取だすなど
工程が煩雑で、生産性が悪く、到底工業的な生産に耐え
うるものではなかった。
【0004】一酸化炭素とNi(CO)もしくはFe
(CO)を用いて発生期の金属微粒子から480〜7
40℃で繊維を得ようと云う思想はH.BoehmがC
ARBON vol.11 P583〜590(197
3)に述べている。しかし、繊維の収量についての記載
は全くなくて繊維の量産に失敗したとの見解が示されて
おり、10〜200mgの炭素を得たとの記載があるの
みである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願の発明は従来の問
題であった低生産性、製品の不均一性、低収率を改善す
ることを目的とする。特に、工業的な生産に耐え得る、
気相成長炭素繊維の連続生産方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の方法は、一酸化炭素ガス0.1〜60%と、有機遷移
金属化合物のガス0.05〜10%と、キャリアガスと
の混合ガスを加熱炉に注入して、浮遊状態で気相成長炭
素繊維を生成させることを特徴とする、気相法による炭
素繊維の製造方法である。
【0007】本発明における有機遷移金属化合物とは、
アルキル基と遷移金属が結合したアルキル金属、アリル
基と遷移金属が結合したアリル金属、炭素間の2重結合
や三重結合と遷移金属が結合したπ−コンプレックス、
キレート型化合物、金属カルボニルなどで代表される有
機遷移金属化合物である。さらにここで云う遷移金属と
しては、好ましくはスカンジュウム、チタン、バナジュ
ウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、イ
ットリュウム、ジルコニュウム、ニオブ、モリブデン、
ルテニュウム、ロジュウム、パラジュウム、タンタル、
タングステン、レニュウム、イリジュウム、白金などで
あるが、これらのうち特に周期率表VIII族に属する
もの、その内で特に鉄、ニッケル、コバルトが好適であ
って、鉄が最も好ましい。
【0008】有機遷移金属化合物とは、遷移金属の有機
化合物全般を対象としており、例えば、アルキル金属と
して(CTi、CHCHCHMn(C
o)、CHCOCo、(CFeBr、(C
)FeBr、アリル金属として(C
PtI、π−コンプレックスとして(C
e、(CMo、(CFe、〔C
Fe(Co))〕、〔CFe(C
o)〕Cl、〔CFe(Co)〕CN、化
1、化2の化合物、キレート化合物として化3の化合
物、カルボニル化合物としてFe(CO)、Fe
(CO)、Ni(CO)、Cr(CO)、Mo
(CO)、W(CO)などが代表的なものである。
またこれらの有機遷移金属化合物同士の混合物の使用も
可能である。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】また本発明におけるキャリアガスとは、周
期率表0族のアルゴン、ヘリュウム、等の希ガスおよび
水素、窒素、二酸化炭素またはこれらの混合ガスの中か
ら選択されるガスを主体としたガスである。水素が最も
好ましい。
【0013】上記のもの以外に、キャリアガス成分中2
0%以下の割合で、他のガスを混合することも可能であ
る。この種の少量成分ガスとしては、硫化水素ガス、ま
たは二硫化炭素のごとく炭素と硫黄の化合物の蒸気が好
ましい。ハロゲン、ハロゲン化水素、水蒸気等は共に収
率を低下させるので好ましくない。
【0014】本発明の方法を具体的に説明すると、一酸
化炭素ガス0.1〜60%と、有機遷移金属化合物のガ
ス0.05〜10%と、キャリアガスとの混合ガスを好
ましくは600〜1300℃の加熱炉に注入する。一酸
化炭素ガスの濃度を75%にまであげても繊維は得られ
るが、粒状炭素などの不純物の量が多くなる。
【0015】有機遷移金属化合物が液体又は固体の場合
は予め加熱蒸発または昇華させて得られるガスを使用す
る。その温度は使用する有機遷移金属化合物が熱分解す
る温度以下でなければならないのは当然である。
【0016】本発明は、一酸化炭素ガスと有機遷移金属
化合物のガスとキャリアガスとを混合後反応炉内で同時
に加熱する方法であるが、この方法によって生成した炭
素繊維の透過型電子顕微鏡写真によって、その炭素繊維
内に50〜200Åの金属の超微粒子を確認できた。こ
の事実から有機遷移金属化合物が反応炉内で熱分解して
遊離した金属原子が凝集して超微粒子に成長し、繊維生
成触媒として機能したものと考えられる。
【0017】本発明によれば、反応領域が従来のように
基板表面だけでなく炉内全域にわたっているために、高
収率が得られる。また気相中で生成した繊維は、浮遊状
態で炉の中を流れて行くので、各繊維は平均的に同一条
件下にあると考えられ、基板法に較べて、得られた繊維
の形状および大きさは非常に均一となる。Boehmの
なし得なかった気相法による炭素繊維の生成が、若干の
ガス濃度の変更と、ガスの混合場所の変更で達成できる
とは予想し得なかったことである。
【0018】さらに、本発明者の実験によると、110
0℃以下では主として長さの成長が起こり、1100℃
を超えると直径の成長が目立ってくる。長さ成長範囲に
おいては、生成する繊維の長さが炉内の滞留時間にほぼ
比例するため、1100℃以下の加熱炉と1100℃以
上の加熱炉を直列につなぐことによって、希望する直径
と長さの炭素繊維を連続的に生成することが可能であ
る。特に従来の炭素繊維からは得ることのできなかった
長さ0.2μm〜2000μm、直径0.05〜10μ
mの範囲の、アスペクト比の揃った端繊維を高収率で且
つ連続的に製造することが可能である。
【0019】
【実施例】次に、この発明に係わる気相法による炭素繊
維の製造方法の実施例を添付図面を参照しながら詳説す
る。まず、本発明における気相法による炭素繊維を製造
するために使用した装置についてその概略図を示すと図
1の通りである。
【0020】図1において、1は有機遷移金属化合物の
リザーバー、2はキャリアガス導入管、3は一酸化炭素
ガス導入管、4は硫化水素ガスなどの少量成分ガス導入
管である。また1の有機遷移金属化合物のリザーバーは
温度制御されており、ガスの気化速度がコントロールさ
れる。5、6、7のバルブを開けることによってキャリ
アガス、一酸化炭素ガス、有機遷移金属化合物のガスお
よび少量成分ガスの混合ガスが、8の加熱炉で一定温度
に加熱された反応管9に送られ、その内部で触媒形成並
びに炭素繊維の気相生成がおこなわれる。微細炭素繊維
の自然落下速度は極めて遅いために、混合ガスの流れと
ともに10の金属繊維フイルターに送られ、そこで炭素
繊維のみが補集される。以下実験結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1において、収量は金属繊維フイルター
10による捕集量と反応管内の堆積量の総和であり、ガ
ス流量は標準状態で表した。
【0023】
【発明の効果】本発明により、気相成長炭素繊維が浮遊
状態で反応管から流出してくるので、高い生産性によっ
て、連続的に繊維を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明において気相成長炭素繊維の製造
に使用した実験装置の系統図である。
【符号の説明】
1.有機遷移金属化合物のリザーバー 2.キャリアガス導入管 3.一酸化炭素ガスの導入管 4.少量成分ガスの導入管 5、6、7.バルブ 8.加熱炉 9.反応管 10.金属繊維フイルター

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一酸化炭素ガス0.1〜60%と、有機遷
    移金属化合物のガス0.05〜10%(容量)と、キャ
    リアガスとの混合ガスを加熱炉に注入して浮遊状態で気
    相成長炭素繊維を生成させることを特徴とする気相法に
    よる炭素繊維の製造法。
  2. 【請求項2】キャリアガスが水素である請求項1記載の
    気相法による炭素繊維の製造法。
  3. 【請求項3】有機遷移金属化合物が金属カルボニル化合
    物である請求項1に記載の気相法による炭素繊維の製造
    法。
JP4361738A 1984-02-21 1992-12-17 気相法による炭素繊維の製造法 Pending JPH06123014A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60181319A (ja) * 1984-02-21 1985-09-17 Nikkiso Co Ltd 気相法による炭素繊維の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60181319A (ja) * 1984-02-21 1985-09-17 Nikkiso Co Ltd 気相法による炭素繊維の製造方法

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