JPH06122703A - 高架橋ポリマー粒子の製造方法 - Google Patents
高架橋ポリマー粒子の製造方法Info
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- JPH06122703A JPH06122703A JP4299344A JP29934492A JPH06122703A JP H06122703 A JPH06122703 A JP H06122703A JP 4299344 A JP4299344 A JP 4299344A JP 29934492 A JP29934492 A JP 29934492A JP H06122703 A JPH06122703 A JP H06122703A
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Abstract
し、25℃における水への溶解度が30重量%以下の重
合性ビニルモノマーを、(A)分散安定剤、(B)アゾ
系重合開始剤、及び(C)有機過酸化物、過硫酸塩、酸
素から選ばれる少なくとも1種の存在下、重合性ビニル
モノマーは溶解するが目的ポリマーは溶解しない溶媒中
で分散重合することを特徴とする架橋ポリマー粒子の製
造方法。 【効果】 平均粒子径が0.1〜10μmの範囲にあ
り、かつ粒子径分布が狭く比較的均一な粒子径を有し、
更に耐熱性、耐溶剤性及び耐水性に優れた高架橋ポリマ
ー粒子を簡易なプロセスにより、安定性よく工業的に有
利に製造することができる。
Description
の滑り性向上剤、液晶表示装置用スペーサー、クロマト
グラフィー用担体、顕微鏡検査用標準試料なとして有用
な、高度に架橋された架橋ポリマー粒子の製造方法に関
する。
有する微小ポリマー粒子は、各種スペーサーや樹脂フィ
ルムの滑り特性の改質剤、クロマトグラフィー用担体な
どとして要求されている。従来、これらの架橋ポリマー
粒子は、懸濁重合法、乳化重合法、膨潤重合法、分散重
合法などにより製造されているが、現在入手可能なポリ
マー粒子は、強度、耐熱性、耐溶剤性、粒子径、粒子径
分布などの点で充分満足できるものではなかった。
性モノマー油滴を水性媒体中に懸濁させて重合すること
により架橋ポリマー粒子を製造することができる。しか
し、モノマー油滴を機械的な力により分散させるため、
得られるポリマー粒子の粒子径分布は1〜50μmと広
いものになり、分級操作が必要になる。従って、粒径分
布の狭いポリマー粒子を得ようとすると、著しく歩留ま
りが悪くなるという欠点があった。
重量%までしか使用できないと言われている。特開平1
−315454号公報には、特殊なシードを用いること
により架橋性モノマーを20.0重量%以上使用しても
安定に乳化重合できる方法が開示されているが、製造で
きる粒子径の範囲は通常の乳化重合とほぼ同じ、0.1
〜1.0μmの範囲である。従って、乳化重合では、1
μm以上の粒子径を有する架橋ポリマー粒子を得ること
ができなかった。
おいては、重合の第1段階において、膨潤助剤として機
能する、水に対する溶解度が10-2g/リットル(10
-3重量%)より小さい有機化合物をシードポリマーに吸
収させ、その後第2段階において、シードポリマーに対
し容量で通常20〜300倍、最大でも1,000倍程
度の水に幾分可溶なモノマーを吸収させてモノマーの膨
潤粒子を形成した後、粒子形状を保持したまま重合する
膨潤重合法が開示されている。この方法によれば、モノ
マーとして架橋性モノマーを多く使用することにより、
1μm以上の大きさで均一な粒子径分布の架橋ポリマー
粒子を合成することができる。しかし、この方法では膨
潤助剤の水に対する溶解度が著しく低いため、これを水
中に拡散させてシード粒子へ吸収させる第1工程に長時
間を要するという欠点があった。また、シードポリマー
に吸収されずに残った油滴が、モノマー重合後粗大粒子
となり、分級する工程が必要となるという問題もあっ
た。
も検討されている。 J.Polym.Sci.,Polym.Chem.E
d.,24,2995(1986)には、ポリスチレン
の分散重合において、架橋剤としてジビニルベンゼンを
0.6重量%までは使用することができたが、それ以上
の使用は分散安定性が不良となりポリマー粒子が得られ
ないことが示されている。
C:Polym.Letters 27,437(19
89)及び第5回ポリマー微粒子シンポジウム(東
京)、予稿集第22頁(1988)には、架橋性モノマ
ーとしてジエチレングリコールジメタクリレートを用
い、プロピオン酸エチル、ジメチルホルムアミド、酢酸
エチル等の有機溶媒中、分散安定剤を使用しないで放射
線重合することにより、高架橋ポリマー粒子を製造する
方法が示されている。しかし、放射線重合には特殊な装
置が必要であり、また安定した分散体を得るには撹拌し
ないで重合することが必要であるため、重合転化率は最
大80重合%程度が限界であったり、大規模に架橋粒子
を得ることが難しいという問題があった。
269:217−221(1991)には、種々の条件
下で、スチレンとジビニルベンゼンのバッチ分散共重合
により、架橋構造とビニル基を有するミクロンサイズの
単分散ポリマー微粒子を製造する試みが示されている。
しかし、この方法では単分散性とコロイド安定性の良好
な粒子は得られなかった。このため、分散重合によって
製造されたミクロンサイズの単分散ポリスチレンシード
粒子の存在下、スチレンとジビニルベンゼンのシード共
重合が行われた。しかし、これらの粒子は、シード粒子
からできる大量(最終粒子の50重量%以上)の非架橋
ポリマーにより、耐熱性や耐溶剤性が充分でなかった。
散重合で架橋性モノマーを2.0重量%以上使用する
と、粒子の凝集により架橋ポリマー粒子を得ることは極
めて困難であるので、まず低架橋のポリマー粒子を合成
した後、これをシードポリマーとして他の高架橋性モノ
マーを吸収し、高架橋ポリマー粒子を得る方法が開示さ
れている。この方法ではシード粒子が有機溶剤分散体で
あるのに、高架橋モノマー重合時に水系分散体に変換す
る必要があり、工程が極めて複雑である。また、モノマ
ーがシードに完全に吸収されないため、未吸収モノマー
が粗大粒子として残留するという欠点もあった。
Polymerizationin Organic
Media”Wiley,New York(197
5),p232には、分散重合で直接高架橋粒子を合成
するのは困難なため、まずメインの粒子を合成した後、
架橋反応を行わせて架橋ポリマー粒子を製造する方法が
記載されている。しかし、この方法では使用できるモノ
マーの組合わせに制限があったり、生成した粒子の架橋
度が不充分なため、耐熱性や耐溶剤性も不充分であると
いう欠点があった。
井)、予稿集第93頁(1990年)には、主モノマー
として50重量%以上のアクリルアミドと架橋モノマー
として約20重量%のメチレンビスアクリルアミドを用
い(全重合性ビニルモノマーの水への溶解度:50重量
%以上)、イソプロピルアルコール中で分散重合により
ハイドロゲル粒子を製造する方法が示されている。しか
し、この方法では生成した粒子が高親水性であるため、
耐水性が不充分であるという欠点があった。これらのハ
イドロゲル粒子は、多量の架橋性モノマーを用いている
にもかかわらず、水で3倍以上の体積に膨潤する。
ジビニルベンゼンの混合物を少なくとも1種のアルコー
ルにポリビニルピロリドンを溶解させて、30g/リッ
トル以上の濃度とした溶液中で、重合開始剤の存在下重
合してスチレン−ジビニルベンゼン共重合体微小粒子を
製造する方法が開示されている。この方法では、ジビニ
ルベンゼンの割合が18重量%以下で使用されているた
め、耐溶剤性、耐熱性の点で不充分である。更に、30
g/リットルのポリビニルピロリドンが必須のため、粒
子使用前これを除去するための煩雑な精製工程が必要と
なる欠点がある。
した技術の問題点を解決し、平均粒子径が0.1〜10
μmの範囲にあり、かつ粒子径分布が狭く比較的均一な
粒子径を有し、さらに耐熱性、耐溶剤性及び耐水性に優
れた高架橋ポリマー粒子をシード粒子を使用しない簡易
なプロセスにより、安定性よく工業的に有利に製造でき
る方法を提供することにある。
橋性ビニルモノマーを20重量%以上含有し、25℃に
おける水への溶解度が30重量%以下の重合性ビニルモ
ノマーを、(A)分散安定剤、(B)アゾ系重合開始
剤、ならびに(C)有機過酸化物、過硫酸塩及び酸素か
ら選ばれる少なくとも1種の存在下、重合性ビニルモノ
マーは溶解するが生成するポリマーは溶解しない溶媒中
で分散重合することを特徴とする高架橋ポリマー粒子の
製造方法を提供するものである。
合の際、生成するポリマー粒子の凝集、変形、融着を防
ぎ、その分散安定性を増すために(A)分散安定剤を用
いることが必要である。分散安定剤としては、各種ホモ
ポリマー、コポリマー、グラフトポリマー、ブロックポ
リマー等の合成高分子化合物、ソルビタンエステル、さ
らに天然高分子化合物及びその誘導体等を用いることが
できる。具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルメチルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリアクリル
酸、ビニルアルコール−酢酸ビニルコポリマー、エチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビタ
ンステアリン酸モノエステル等を挙げることができる。
り重合を安定に進行させ、分散安定性を高めるために、
上記分散安定剤に加えて補助安定剤を用いることもでき
る。このような補助安定剤としては、アニオン性界面活
性剤、ノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩、長
鎖アルコール等が用いられる。具体的には、ジ(2−エ
チルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ノニルフェ
ノキシポリエトキシエタノール、メチルトリカプリルア
ンモニウムクロリド、セチルアルコール等を挙げること
ができる。
して(B)アゾ系重合開始剤をモノマー100重量部に
対し1〜40重量部、好ましくは2〜20重量部用いる
ことが必須である。1重量部より少ないと粒子径が小さ
くなったり、重合転化率が低くなったりする欠点があ
る。一方、40重量部より多く使用すると粒子径分布が
広くなり、また多量の窒素ガスが発生するため好ましく
ない。本発明で好ましく用いることができるアゾ系重合
開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリ
ル、4,4′−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、
2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、
2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
などを挙げることができる。
化物、過硫酸塩、酸素のうち少なくとも1種の存在下で
重合性ビニルモノマーを重合することが必須である。こ
れらがない状態で重合を進行させると、重合中に形成さ
れたポリマー粒子の分散安定性が悪くなり粒子同士が凝
集する。有機過酸化物、過硫酸塩、酸素のいずれかの存
在が良好に粒子成形する上で効果がある機構については
明らかではないが、分散安定剤への高架橋ポリマーのグ
ラフト重合が適度に促進されるためと考えられる。従っ
て、多く入れすぎると過度にグラフトするため粒子径が
小さくなりすぎたり、新粒子発生により粒子径分布が広
くなるという欠点がある。
ンゾイルオクタノイルオキシド、3,3′,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シ2−エチルヘキサエート等を挙げることができる。有
機過酸化物は重合性ビニルモノマー100重量部に対
し、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重
量部使用すると良い。0.1重量部以下では効果が不充
分であり、10重量部以上の使用は粒子径分布を広くす
るため好ましくない。過硫酸塩の場合、重合溶液中に溶
けない場合が多く、使用できる反応系に制約がある。し
かし、メチルアルコールのような極性溶媒が使用される
反応系では、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、
過硫酸カリウムなどを使用することができる。過硫酸塩
は重合性ビニルモノマー100重量部に対し、通常0.
05〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部の範囲で
使用すると良い。酸素を添加する場合、あらかじめ窒素
置換し、好ましくは真空ポンプで減圧した密閉反応容器
中、酸素を重合性ビニルモノマー100gに対し、通常
0.0005〜0.04モル添加し、重合を開始させ
る。0.0005モル以下では効果がなく、0.04モ
ル以上では粒子径が小さくなりすぎるだけでなく、重合
禁止作用の影響が強まり、重合転化率が50%以下とな
ってしまう。本発明においては、有機過酸化物、化硫酸
塩および酸素のうち、特に好ましいものは有機過酸化物
と過硫酸塩である。
ビニルモノマーは溶解するが生成するポリマーは溶解し
ないことが必要である。かかる溶媒としては、例えばメ
チルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ア
ミルアルコール、オクチルアルコール、ベンジルアルコ
ール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリ
セリン、ジエチレングリコール等のアルコール類;メチ
ルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、イソプ
ロピルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール類;ヘ
キサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;四塩化炭
素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタン等のハロ
ゲン化炭化水素類;エチルエーテル、ジメチルグリコー
ル、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル
類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール
類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサン等のケトン類;ギ酸メチル、酢
酸ブチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、セロソル
ブアセテート等のエステル類;ギ酸、プロピオン酸等の
酸類;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミ
ン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホ
キシド、ジメチルホルムアミド等の硫黄、窒素含有有機
化合物類などが挙げられる。これらの溶媒は、単独又は
2種以上を組合わせて用いることができ、また使用する
ビニルモノマーが溶解する範囲内で水を併用してもよ
い。これらの溶媒は、重合性ビニルモノマー100重量
部に対して少なくとも500重量部、好ましくは600
〜2000重量部、より好ましくは700〜1500重
量部用いられる。溶媒の合計量が少なすぎると、ポリマ
ー粒子が不規則に凝集したり、互いに融着したりして、
均一な粒子を得ることができない。
性ビニルモノマーとしては、分子中に2個以上、好まし
くは2個の共重合性二重結合を有する化合物、例えばジ
ビニルベンゼンに代表される非共役ジビニル化合物、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレートに代表される多価アクリ
レート化合物などが挙げられる。
物としては、次の化合物が挙げられる。ジアクリレート化合物 ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリ
コールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、
2,2′−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニ
ル)プロパン、2,2′−ビス(4−アクリロキシジエ
トキシフェニル)プロパントリアクリレート化合物 トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタン
トリアクリレートテトラアクリレート化合物 テトラメチロールメタンテトラアクリレートジメタクリレート化合物 エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6
−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオペンチル
グリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコール
ジメタクリレート、2,2′−ビス(4−メタクリロキ
シジエトキシフェニル)プロパントリメタクリレート化合物 トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチ
ロールエタントリメタクリレート これらの架橋性ビニルモノマーのうち、ジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレートが好ましく、特にジビ
ニルベンゼンが好ましい。また、これらの架橋性ビニル
モノマーは、単独又は2種以上を組合わせて用いること
ができる。
ルモノマーの全重合性ビニルモノマーに対する割合は、
20重量%以上、好ましくは25重量%以上、より好ま
しくは30重量%以上であることが必要である。架橋性
ビニルモノマーの割合が2重量%以上20重量%未満の
場合には、ポリマー粒子が不規則に凝集又は融着して均
一な粒子が得られない。2重量%未満では均一な粒子径
のものが得られるものの、架橋度が低いために耐熱性や
耐溶剤性が充分でなく、工業分野での応用範囲が限られ
てしまう。なお、ここで示した架橋性ビニルモノマーの
量は、希釈剤や不純物等を除いた純品換算によるもので
ある。
共に用いられる重合性ビニルモノマーとしては、例えば
スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルスチレ
ン、フルオロスチレン、ビニルピリジン等の芳香族モノ
ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のシアン化ビニル化合物;ブチルアクリレート、2−
エチルヘキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリ
レート、N,N′−ジメチルアミノエチルアクリレート
等のアクリル酸エステルモノマー;ブチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルエチルメタクリレート、メチル
メタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、N,N′−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルモ
ノマー;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸等のモノ又はジカルボン酸及びジカルボン酸の酸
無水物;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド
系モノマーなどを用いることができる。
される範囲内において、ブタジエン、イソプレン等の共
役二重結合化合物、酢酸ビニル等のビニルエステル化合
物、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン化合
物などを使用することもできる。これらの重合性ビニル
モノマーのうち、特にスチレン、エチルビニルベンゼン
が好ましい。これらの重合性ビニルモノマーは2種以上
を組合わせて用いることができる。本発明において、架
橋性ビニルモノマー及び必要によりその他のモノマーを
混合した重合性ビニルモノマーの水への溶解度は30重
量%以下、好ましくは10重量%以下であることが必要
である。30重量%を超えると得られるポリマー粒子の
耐水性が劣り、その応用範囲が限られてしまう。
架橋ポリマー粒子を得るため、新粒子が多く発生しない
条件下でシード粒子を使用することもできる。この場
合、本発明方法によって製造された高架橋ポリマー粒子
をシード粒子として用いるのが、得られた粒子の耐熱性
及び耐溶剤性の点で好ましい。
に反応容器に一度に加えるか、又は重合反応を行いなが
ら分散安定剤、重合開始剤、溶媒等を連続的に又は分割
して加えることができる。重合反応は、40〜90℃、
好ましくは50〜80℃で、3〜30時間、好ましくは
6〜24時間行われる。また、反応は窒素ガス雰囲気な
どの適当な雰囲気下、好ましくは適当に撹拌しながら行
う。撹拌しすぎると凝集しやすくなる。
囲気下、70℃で24時間、撹拌しながら重合させた。
この重合反応における重合転化率は94%であった。得
られたポリマー粒子を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、平均粒径1.3μm(標準偏差6%)で単分散性の
高い球状粒子であることが確認された。得られた粒子に
ついて、耐溶剤性、耐水性及び耐熱性を以下の方法によ
り評価した。結果を表1に示す。
をトルエン50ミリリットル中に分散させ、25℃で4
8時間膨潤させる。膨潤した粒子の粒子径を光学顕微鏡
で測定する。肥大化した粒径より粒子に吸収された溶剤
の量を計算し、膨潤率を求めた。 (耐熱性)ポリマー粒子粉末0.2gを窒素雰囲気下、
300℃で5時間加熱し、加熱後の重量減少を測定して
重量減少率を求めた。 (耐水性)ポリマー粒子の粉末0.5gを蒸留水50ミ
リリットルに分散させ、25℃で48時間撹拌する。膨
潤した粒子径を光学顕微鏡で測定する。肥大化した粒子
径より粒子に吸収された水の量を計算し膨潤率を求め
た。
かったこと以外は実施例1と同様に重合を行った。重合
途中、粘度が増大し撹拌できなくなった。得られたポリ
マー凝縮物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均
粒子径が約0.6μmの粒子が凝集融着していた。
かわりに0.2g(実施例2)、5g(実施例3)、過
酸化ベンゾイルのかわりに過酸化アンモニウムを0.1
g(実施例4)、1.0g(実施例5)とする以外は実
施例1と同様にして高架橋ポリマー粒子を製造した。実
施例1、2、3、4、5で得られたポリマー粒子は比較
的粒子径が均一であり、耐溶剤性、耐熱性、耐水性も良
好であった。
(25℃)〕 上記の成分を2リットルのフラスコに入れ、窒素雰囲気
下、70℃で撹拌しながら重合させた。この重合反応に
おける重合転化率は96%であった。得られたポリマー
粒子を透過型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径
0.281μm(標準偏差11%)の球状架橋ポリマー
粒子であることが確認された。遠心分離により分散液か
ら粒子を取り出し、真空乾燥器にて粒子中のメチルアル
コール及び水を完全に除去した。この粉体粒子をトルエ
ン叉は水中に添加し、25℃で48時間放置したところ
いずれの場合にも粒子径の変化はなく膨潤しなかった。
また、同様に真空乾燥して得られた粒子0.2gを窒素
雰囲下、300℃で5時間加熱したところ重量減少は5
%のみであり耐熱性は良好であった。
%(25℃)〕 上記成分を2リットルのオートクレーブに入れ、5℃で
窒素雰囲気にした後、真空ポンプで60cmHgまで減
圧した。そして25℃、1気圧の空気400ミリリット
ル(酸素0.0036モル)をシリジンで添加した。そ
の後、直ちに70℃に昇温し、撹拌しながら重合させ
た。この重合反応における重合転化率は94%であっ
た。得られたポリマー粒子を走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、平均粒径2.1μm(標準偏差8%)の球状
架橋ポリマーであることが確認された。遠心分離により
分散液から粒子を取り出し、真空乾燥器にて粒子中のイ
ソプロピルアルコールを完全に除去した。この粉体粒子
をトルエン叉は水中に添加し、25℃で48時間放置し
たところいずれの場合にも粒子径の変化はなく膨潤しな
かった。また、同様に真空乾燥して得られた粒子0.2
gを窒素雰囲下、300℃で5時間加熱したところ重量
減少は3%のみであり耐熱性は良好であった。
囲気下、70℃で撹拌しながら重合させた。この重合反
応における重合転化率は91%であった。得られたポリ
マー粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒
径5.8μm(標準偏差19%)の球状架橋ポリマー粒
子であることが確認された。遠心分離により分散液から
粒子を取り出し、真空乾燥器にて粒子中のイソオクタン
を完全に除去した。この粉体粒子をトルエン叉は水中に
添加し、25℃で48時間放置したところいずれの場合
にも粒子径の変化はなく膨潤しなかった。また、同様に
真空乾燥して得られた粒子0.2gを窒素雰囲下、30
0℃で5時間加熱したところ重量減少は3%のみであり
耐熱性は良好であった。
下、撹拌しながら70℃で24時間重合させた。この重
合反応における重合転化率は95%であった。得られた
ポリマー粒子を透過型電子顕微鏡で観察したところ、平
均粒径は3.4μm(標準偏差10%)で比較的単分散
な球状架橋ポリマー粒子であることが確認された。遠心
分離により分散液から粒子を取り出し、真空乾燥器にて
粒子中のイソプロピルアルコールおよびO−キシレンを
完全に除去した。この粉体粒子をトルエン叉は水中に添
加し、25℃で48時間放置したところいずれの場合に
も粒子径の変化はなく膨潤しなかった。また、同様に真
空乾燥して得られた粒子0.2gを窒素雰囲下、300
℃で5時間加熱したところ重量減少は4%のみであり耐
熱性は良好であった。
10μmの範囲にあり、かつ粒子径分布が狭く比較的均
一な粒子径を有し、更に耐熱性、耐溶剤性及び耐水性に
優れた高架橋ポリマー粒子を簡易なプロセスにより、安
定性よく工業的に有利に製造することができる。本発明
により製造された架橋ポリマー粒子は、例えば樹脂フィ
ルム材料、繊維へのブレンド用粒子、各種クロマトグラ
フィー用担体、顕微鏡検査用標準試料、ダスト測定用モ
デル試料、生体医学診断用担体、固定化酵素担体、粉末
インク、感圧複写紙のマイクロカプセル保護用スペーサ
ー、塗料用ピグメント、粉末潤滑剤、感剤層改良剤、液
晶セル用スペーサー、化粧品用ピグメント、その他各種
プラスチックピグメントなどに用いることができ、広い
分野において極めて有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 架橋性ビニルモノマーを20重量%以上
含有し、25℃における水への溶解度が30重量%以下
の重合性ビニルモノマーを、(A)分散安定剤、(B)
アゾ系重合開始剤、及び(C)有機過酸化物、過硫酸
塩、酸素から選ばれる少なくとも1種の存在下、重合性
ビニルモノマーは溶解するが生成するポリマーは溶解し
ない溶媒中で分散重合することを特徴とする高架橋ポリ
マー粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29934492A JP3275397B2 (ja) | 1992-10-12 | 1992-10-12 | 高架橋ポリマー粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29934492A JP3275397B2 (ja) | 1992-10-12 | 1992-10-12 | 高架橋ポリマー粒子の製造方法 |
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JPH06122703A true JPH06122703A (ja) | 1994-05-06 |
JP3275397B2 JP3275397B2 (ja) | 2002-04-15 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07252319A (ja) * | 1994-03-16 | 1995-10-03 | Nippon Zeon Co Ltd | 重合体粒子及び熱可塑性樹脂組成物 |
-
1992
- 1992-10-12 JP JP29934492A patent/JP3275397B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH07252319A (ja) * | 1994-03-16 | 1995-10-03 | Nippon Zeon Co Ltd | 重合体粒子及び熱可塑性樹脂組成物 |
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