JP3275397B2 - 高架橋ポリマー粒子の製造方法 - Google Patents
高架橋ポリマー粒子の製造方法Info
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Description
の滑り性向上剤、液晶表示装置用スペーサー、クロマト
グラフィー用担体、顕微鏡検査用標準試料なとして有用
な、高度に架橋された架橋ポリマー粒子の製造方法に関
する。
有する微小ポリマー粒子は、各種スペーサーや樹脂フィ
ルムの滑り特性の改質剤、クロマトグラフィー用担体な
どとして要求されている。従来、これらの架橋ポリマー
粒子は、懸濁重合法、乳化重合法、膨潤重合法、分散重
合法などにより製造されているが、現在入手可能なポリ
マー粒子は、強度、耐熱性、耐溶剤性、粒子径、粒子径
分布などの点で充分満足できるものではなかった。
性モノマー油滴を水性媒体中に懸濁させて重合すること
により架橋ポリマー粒子を製造することができる。しか
し、モノマー油滴を機械的な力により分散させるため、
得られるポリマー粒子の粒子径分布は1〜50μmと広
いものになり、分級操作が必要になる。従って、粒径分
布の狭いポリマー粒子を得ようとすると、著しく歩留ま
りが悪くなるという欠点があった。
重量%までしか使用できないと言われている。特開平1
−315454号公報には、特殊なシードを用いること
により架橋性モノマーを20.0重量%以上使用しても
安定に乳化重合できる方法が開示されているが、製造で
きる粒子径の範囲は通常の乳化重合とほぼ同じ、0.1
〜1.0μmの範囲である。従って、乳化重合では、1
μm以上の粒子径を有する架橋ポリマー粒子を得ること
ができなかった。
おいては、重合の第1段階において、膨潤助剤として機
能する、水に対する溶解度が10-2g/リットル(10
-3重量%)より小さい有機化合物をシードポリマーに吸
収させ、その後第2段階において、シードポリマーに対
し容量で通常20〜300倍、最大でも1,000倍程
度の水に幾分可溶なモノマーを吸収させてモノマーの膨
潤粒子を形成した後、粒子形状を保持したまま重合する
膨潤重合法が開示されている。この方法によれば、モノ
マーとして架橋性モノマーを多く使用することにより、
1μm以上の大きさで均一な粒子径分布の架橋ポリマー
粒子を合成することができる。しかし、この方法では膨
潤助剤の水に対する溶解度が著しく低いため、これを水
中に拡散させてシード粒子へ吸収させる第1工程に長時
間を要するという欠点があった。また、シードポリマー
に吸収されずに残った油滴が、モノマー重合後粗大粒子
となり、分級する工程が必要となるという問題もあっ
た。
も検討されている。J.Polym.Sci.,Pol
ym.Chem.Ed.,24,2995(1986)
には、ポリスチレンの分散重合において、架橋剤として
ジビニルベンゼンを0.6重量%までは使用することが
できたが、それ以上の使用は分散安定性が不良となりポ
リマー粒子が得られないことが示されている。
C:Polym.Letters 27,437(19
89)及び第5回ポリマー微粒子シンポジウム(東
京)、予稿集第22頁(1988)には、架橋性モノマ
ーとしてジエチレングリコールジメタクリレートを用
い、プロピオン酸エチル、ジメチルホルムアミド、酢酸
エチル等の有機溶媒中、分散安定剤を使用しないで放射
線重合することにより、高架橋ポリマー粒子を製造する
方法が示されている。しかし、放射線重合には特殊な装
置が必要であり、また安定した分散体を得るには撹拌し
ないで重合することが必要であるため、重合転化率は最
大80重合%程度が限界であったり、大規模に架橋粒子
を得ることが難しいという問題があった。
269:217−221(1991)には、種々の条件
下で、スチレンとジビニルベンゼンのバッチ分散共重合
により、架橋構造とビニル基を有するミクロンサイズの
単分散ポリマー微粒子を製造する試みが示されている。
しかし、この方法では単分散性とコロイド安定性の良好
な粒子は得られなかった。このため、分散重合によって
製造されたミクロンサイズの単分散ポリスチレンシード
粒子の存在下、スチレンとジビニルベンゼンのシード共
重合が行われた。しかし、これらの粒子は、シード粒子
からできる大量(最終粒子の50重量%以上)の非架橋
ポリマーにより、耐熱性や耐溶剤性が充分でなかった。
散重合で架橋性モノマーを2.0重量%以上使用する
と、粒子の凝集により架橋ポリマー粒子を得ることは極
めて困難であるので、まず低架橋のポリマー粒子を合成
した後、これをシードポリマーとして他の高架橋性モノ
マーを吸収し、高架橋ポリマー粒子を得る方法が開示さ
れている。この方法ではシード粒子が有機溶剤分散体で
あるのに、高架橋モノマー重合時に水系分散体に変換す
る必要があり、工程が極めて複雑である。また、モノマ
ーがシードに完全に吸収されないため、未吸収モノマー
が粗大粒子として残留するという欠点もあった。
Polymerizationin Organic
Media”Wiley,New York(197
5),p232には、分散重合で直接高架橋粒子を合成
するのは困難なため、まずメインの粒子を合成した後、
架橋反応を行わせて架橋ポリマー粒子を製造する方法が
記載されている。しかし、この方法では使用できるモノ
マーの組合わせに制限があったり、生成した粒子の架橋
度が不充分なため、耐熱性や耐溶剤性も不充分であると
いう欠点があった。
井)、予稿集第93頁(1990年)には、主モノマー
として50重量%以上のアクリルアミドと架橋モノマー
として約20重量%のメチレンビスアクリルアミドを用
い(全重合性ビニルモノマーの水への溶解度:50重量
%以上)、イソプロピルアルコール中で分散重合により
ハイドロゲル粒子を製造する方法が示されている。しか
し、この方法では生成した粒子が高親水性であるため、
耐水性が不充分であるという欠点があった。これらのハ
イドロゲル粒子は、多量の架橋性モノマーを用いている
にもかかわらず、水で3倍以上の体積に膨潤する。
ジビニルベンゼンの混合物を少なくとも1種のアルコー
ルにポリビニルピロリドンを溶解させて、30g/リッ
トル以上の濃度とした溶液中で、重合開始剤の存在下重
合してスチレン−ジビニルベンゼン共重合体微小粒子を
製造する方法が開示されている。この方法では、ジビニ
ルベンゼンの割合が18重量%以下で使用されているた
め、耐溶剤性、耐熱性の点で不充分である。更に、30
g/リットルのポリビニルピロリドンが必須のため、粒
子使用前これを除去するための煩雑な精製工程が必要と
なる欠点がある。
した技術の問題点を解決し、平均粒子径が0.1〜10
μmの範囲にあり、かつ粒子径分布が狭く比較的均一な
粒子径を有し、さらに耐熱性、耐溶剤性及び耐水性に優
れた高架橋ポリマー粒子をシード粒子を使用しない簡易
なプロセスにより、安定性よく工業的に有利に製造でき
る方法を提供することにある。
橋性ビニルモノマーとしてジビニルベンゼンを20重量
%以上含有し、25℃における水への溶解度が30重量
%以下の重合性ビニルモノマーを、(A)ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイ
ミン、ポリアクリル酸、ビニルアルコール−酢酸ビニル
コポリマー、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロースおよびソルビタンステアリン酸モノエステルの
群から選ばれた少なくとも1種の分散安定剤、(B)ア
ゾ系重合開始剤、ならびに(C)有機過酸化物、過硫酸
塩および酸素から選ばれる少なくとも1種の存在下、重
合性ビニルモノマーは溶解するが生成するポリマーは溶
解しない溶媒中で分散重合することを特徴とする高架橋
ポリマー粒子の製造方法を提供するものである。ここ
で、(C)成分としては、酸素を用いることができる。
合の際、生成するポリマー粒子の凝集、変形、融着を防
ぎ、その分散安定性を増すために(A)分散安定剤を用
いることが必要である。分散安定剤としては、各種ホモ
ポリマー、コポリマー、グラフトポリマー、ブロックポ
リマー等の合成高分子化合物、ソルビタンエステル、さ
らに天然高分子化合物及びその誘導体等を用いることが
できる。具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルメチルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリアクリル
酸、ビニルアルコール−酢酸ビニルコポリマー、エチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビタ
ンステアリン酸モノエステル等を挙げることができる。
り重合を安定に進行させ、分散安定性を高めるために、
上記分散安定剤に加えて補助安定剤を用いることもでき
る。このような補助安定剤としては、アニオン性界面活
性剤、ノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩、長
鎖アルコール等が用いられる。具体的には、ジ(2−エ
チルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ノニルフェ
ノキシポリエトキシエタノール、メチルトリカプリルア
ンモニウムクロリド、セチルアルコール等を挙げること
ができる。
して(B)アゾ系重合開始剤をモノマー100重量部に
対し1〜40重量部、好ましくは2〜20重量部用いる
ことが必須である。1重量部より少ないと粒子径が小さ
くなったり、重合転化率が低くなったりする欠点があ
る。一方、40重量部より多く使用すると粒子径分布が
広くなり、また多量の窒素ガスが発生するため好ましく
ない。本発明で好ましく用いることができるアゾ系重合
開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリ
ル、4,4′−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、
2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、
2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
などを挙げることができる。
化物、過硫酸塩、酸素のうち少なくとも1種の存在下で
重合性ビニルモノマーを重合することが必須である。こ
れらがない状態で重合を進行させると、重合中に形成さ
れたポリマー粒子の分散安定性が悪くなり粒子同士が凝
集する。有機過酸化物、過硫酸塩、酸素のいずれかの存
在が良好に粒子成形する上で効果がある機構については
明らかではないが、分散安定剤への高架橋ポリマーのグ
ラフト重合が適度に促進されるためと考えられる。従っ
て、多く入れすぎると過度にグラフトするため粒子径が
小さくなりすぎたり、新粒子発生により粒子径分布が広
くなるという欠点がある。
ンゾイルオクタノイルオキシド、3,3′,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シ2−エチルヘキサエート等を挙げることができる。有
機過酸化物は重合性ビニルモノマー100重量部に対
し、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重
量部使用すると良い。0.1重量部未満では効果が不充
分であり、10重量部を超える使用は粒子径分布を広く
するため好ましくない。過硫酸塩の場合、重合溶液中に
溶けない場合が多く、使用できる反応系に制約がある。
しかし、メチルアルコールのような極性溶媒が使用され
る反応系では、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸カリウムなどを使用することができる。過硫
酸塩は重合性ビニルモノマー100重量部に対し、通常
0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部の範
囲で使用すると良い。酸素を添加する場合、あらかじめ
窒素置換し、好ましくは真空ポンプで減圧した密閉反応
容器中、酸素を重合性ビニルモノマー100gに対し、
通常0.0005〜0.04モル添加し、重合を開始さ
せる。0.0005モル未満では効果がなく、0.04
モルを超えると粒子径が小さくなりすぎるだけでなく、
重合禁止作用の影響が強まり、重合転化率が50%以下
となってしまう。本発明においては、有機過酸化物、化
硫酸塩および酸素のうち、特に好ましいものは有機過酸
化物と過硫酸塩である。
ビニルモノマーは溶解するが生成するポリマーは溶解し
ないことが必要である。かかる溶媒としては、例えばメ
チルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ア
ミルアルコール、オクチルアルコール、ベンジルアルコ
ール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリ
セリン、ジエチレングリコール等のアルコール類;メチ
ルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、イソプ
ロピルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール類;ヘ
キサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;四塩化炭
素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタン等のハロ
ゲン化炭化水素類;エチルエーテル、ジメチルグリコー
ル、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル
類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール
類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサン等のケトン類;ギ酸メチル、酢
酸ブチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、セロソル
ブアセテート等のエステル類;ギ酸、プロピオン酸等の
酸類;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミ
ン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホ
キシド、ジメチルホルムアミド等の硫黄、窒素含有有機
化合物類などが挙げられる。これらの溶媒は、単独又は
2種以上を組合わせて用いることができ、また使用する
ビニルモノマーが溶解する範囲内で水を併用してもよ
い。これらの溶媒は、重合性ビニルモノマー100重量
部に対して少なくとも500重量部、好ましくは600
〜2,000重量部、より好ましくは700〜1,50
0重量部用いられる。溶媒の合計量が少なすぎると、ポ
リマー粒子が不規則に凝集したり、互いに融着したりし
て、均一な粒子を得ることができない。
ノマーは、ジビニルベンゼンである。
マーであるジビニルベンゼン(以下「架橋性ビニルモノ
マー」ともいう)の全重合性ビニルモノマーに対する割
合は、20重量%以上、好ましくは25重量%以上、よ
り好ましくは30重量%以上であることが必要である。
架橋性ビニルモノマーの割合が2重量%以上20重量%
未満の場合には、ポリマー粒子が不規則に凝集又は融着
して均一な粒子が得られない。2重量%未満では均一な
粒子径のものが得られるものの、架橋度が低いために耐
熱性や耐溶剤性が充分でなく、工業分野での応用範囲が
限られてしまう。なお、ここで示した架橋性ビニルモノ
マーの量は、希釈剤や不純物等を除いた純品換算による
ものである。
共に用いられる重合性ビニルモノマーとしては、例えば
スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルスチレ
ン、フルオロスチレン、ビニルピリジン等の芳香族モノ
ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のシアン化ビニル化合物;ブチルアクリレート、2−
エチルヘキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリ
レート、N,N′−ジメチルアミノエチルアクリレート
等のアクリル酸エステルモノマー;ブチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルエチルメタクリレート、メチル
メタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、N,N′−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルモ
ノマー;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸等のモノ又はジカルボン酸及びジカルボン酸の酸
無水物;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド
系モノマーなどを用いることができる。
される範囲内において、ブタジエン、イソプレン等の共
役二重結合化合物、酢酸ビニル等のビニルエステル化合
物、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン化合
物などを使用することもできる。これらの重合性ビニル
モノマーのうち、特にスチレン、エチルビニルベンゼン
が好ましい。これらの重合性ビニルモノマーは2種以上
を組合わせて用いることができる。本発明において、架
橋性ビニルモノマー及び必要によりその他のモノマーを
混合した重合性ビニルモノマーの水への溶解度は30重
量%以下、好ましくは10重量%以下であることが必要
である。30重量%を超えると得られるポリマー粒子の
耐水性が劣り、その応用範囲が限られてしまう。
架橋ポリマー粒子を得るため、新粒子が多く発生しない
条件下でシード粒子を使用することもできる。この場
合、本発明方法によって製造された高架橋ポリマー粒子
をシード粒子として用いるのが、得られた粒子の耐熱性
及び耐溶剤性の点で好ましい。
に反応容器に一度に加えるか、又は重合反応を行いなが
ら分散安定剤、重合開始剤、溶媒等を連続的に又は分割
して加えることができる。重合反応は、40〜90℃、
好ましくは50〜80℃で、3〜30時間、好ましくは
6〜24時間行われる。また、反応は窒素ガス雰囲気な
どの適当な雰囲気下、好ましくは適当に撹拌しながら行
う。撹拌しすぎると凝集しやすくなる。
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 ジビニルベンゼン 55*1 100(g) ポリビニルピロリドン K−30*2 22 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 10 過酸化ベンゾイル 0.5 メチルアルコール 1,100 *1:ジビニルベンゼン(有効分55%)、ダウケミカ
ル社製〔残余はエチルビニルベンゼン41重量%及びp
−ジエチルベンゼン4重量%を含む〕 *2:GAF社製〔重合性ビニルモノマーの水への溶解
度:0.0052重量%(25℃)〕 上記の成分を2リットルのフラスコに入れ、窒素ガス雰
囲気下、70℃で24時間、撹拌しながら重合させた。
この重合反応における重合転化率は94%であった。得
られたポリマー粒子を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、平均粒径1.3μm(標準偏差6%)で単分散性の
高い球状粒子であることが確認された。得られた粒子に
ついて、耐溶剤性、耐水性及び耐熱性を以下の方法によ
り評価した。結果を表1に示す。
ル中に分散させ、25℃で48時間膨潤させる。膨潤し
た粒子の粒子径を光学顕微鏡で測定する。肥大化した粒
径より粒子に吸収された溶剤の量を計算し、膨潤率を求
めた。 (耐熱性) ポリマー粒子粉末0.2gを窒素雰囲気下、300℃で
5時間加熱し、加熱後の重量減少を測定して重量減少率
を求めた。 (耐水性) ポリマー粒子の粉末0.5gを蒸留水50ミリリットル
に分散させ、25℃で48時間撹拌する。膨潤した粒子
径を光学顕微鏡で測定する。肥大化した粒子径より粒子
に吸収された水の量を計算し膨潤率を求めた。
かったこと以外は実施例1と同様に重合を行った。重合
途中、粘度が増大し撹拌できなくなった。得られたポリ
マー凝縮物を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均
粒子径が約0.6μmの粒子が凝集融着していた。
かわりに0.2g(実施例2)、5g(実施例3)、過
酸化ベンゾイルのかわりに過酸化アンモニウムを0.1
g(実施例4)、1.0g(実施例5)とする以外は実
施例1と同様にして高架橋ポリマー粒子を製造した。実
施例1、2、3、4、5で得られたポリマー粒子は比較
的粒子径が均一であり、耐溶剤性、耐熱性、耐水性も良
好であった。
%(25℃)〕 上記成分を2リットルのオートクレーブに入れ、5℃で
窒素雰囲気にした後、真空ポンプで60cmHgまで減
圧した。そして25℃、1気圧の空気400ミリリット
ル(酸素0.0036モル)をシリジンで添加した。そ
の後、直ちに70℃に昇温し、撹拌しながら重合させ
た。この重合反応における重合転化率は94%であっ
た。得られたポリマー粒子を走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、平均粒径2.1μm(標準偏差8%)の球状
架橋ポリマーであることが確認された。遠心分離により
分散液から粒子を取り出し、真空乾燥器にて粒子中のイ
ソプロピルアルコールを完全に除去した。この粉体粒子
をトルエン叉は水中に添加し、25℃で48時間放置し
たところいずれの場合にも粒子径の変化はなく膨潤しな
かった。また、同様に真空乾燥して得られた粒子0.2
gを窒素雰囲下、300℃で5時間加熱したところ重量
減少は3%のみであり耐熱性は良好であった。
囲気下、70℃で撹拌しながら重合させた。この重合反
応における重合転化率は91%であった。得られたポリ
マー粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、平均粒
径5.8μm(標準偏差19%)の球状架橋ポリマー粒
子であることが確認された。遠心分離により分散液から
粒子を取り出し、真空乾燥器にて粒子中のイソオクタン
を完全に除去した。この粉体粒子をトルエン叉は水中に
添加し、25℃で48時間放置したところいずれの場合
にも粒子径の変化はなく膨潤しなかった。また、同様に
真空乾燥して得られた粒子0.2gを窒素雰囲下、30
0℃で5時間加熱したところ重量減少は3%のみであり
耐熱性は良好であった。
下、撹拌しながら70℃で24時間重合させた。この重
合反応における重合転化率は95%であった。得られた
ポリマー粒子を透過型電子顕微鏡で観察したところ、平
均粒径は3.4μm(標準偏差10%)で比較的単分散
な球状架橋ポリマー粒子であることが確認された。遠心
分離により分散液から粒子を取り出し、真空乾燥器にて
粒子中のイソプロピルアルコールおよびo−キシレンを
完全に除去した。この粉体粒子をトルエン叉は水中に添
加し、25℃で48時間放置したところいずれの場合に
も粒子径の変化はなく膨潤しなかった。また、同様に真
空乾燥して得られた粒子0.2gを窒素雰囲下、300
℃で5時間加熱したところ重量減少は4%のみであり耐
熱性は良好であった。
10μmの範囲にあり、かつ粒子径分布が狭く比較的均
一な粒子径を有し、更に耐熱性、耐溶剤性及び耐水性に
優れた高架橋ポリマー粒子を簡易なプロセスにより、安
定性よく工業的に有利に製造することができる。本発明
により製造された架橋ポリマー粒子は、例えば樹脂フィ
ルム材料、繊維へのブレンド用粒子、各種クロマトグラ
フィー用担体、顕微鏡検査用標準試料、ダスト測定用モ
デル試料、生体医学診断用担体、固定化酵素担体、粉末
インク、感圧複写紙のマイクロカプセル保護用スペーサ
ー、塗料用ピグメント、粉末潤滑剤、感剤層改良剤、液
晶セル用スペーサー、化粧品用ピグメント、その他各種
プラスチックピグメントなどに用いることができ、広い
分野において極めて有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 架橋性ビニルモノマーとしてジビニルベ
ンゼンを20重量%以上含有し、25℃における水への
溶解度が30重量%以下の重合性ビニルモノマーを、
(A)ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテ
ル、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、ビニルアル
コール−酢酸ビニルコポリマー、エチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロースおよびソルビタンステアリ
ン酸モノエステルの群から選ばれた少なくとも1種の分
散安定剤、(B)アゾ系重合開始剤、ならびに(C)有
機過酸化物、過硫酸塩および酸素から選ばれる少なくと
も1種の存在下、重合性ビニルモノマーは溶解するが生
成するポリマーは溶解しない溶媒中で分散重合すること
を特徴とする高架橋ポリマー粒子の製造方法。 - 【請求項2】 (C)成分が酸素である請求項1記載の
高架橋ポリマー粒子の製造方法。
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JP29934492A JP3275397B2 (ja) | 1992-10-12 | 1992-10-12 | 高架橋ポリマー粒子の製造方法 |
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JP29934492A JP3275397B2 (ja) | 1992-10-12 | 1992-10-12 | 高架橋ポリマー粒子の製造方法 |
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1992
- 1992-10-12 JP JP29934492A patent/JP3275397B2/ja not_active Expired - Lifetime
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