JPH06121953A - セラミックスコーテング層を有する塗工用ダイ - Google Patents

セラミックスコーテング層を有する塗工用ダイ

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JPH06121953A
JPH06121953A JP24656392A JP24656392A JPH06121953A JP H06121953 A JPH06121953 A JP H06121953A JP 24656392 A JP24656392 A JP 24656392A JP 24656392 A JP24656392 A JP 24656392A JP H06121953 A JPH06121953 A JP H06121953A
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JP
Japan
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coating
die
lip
blade
ceramics
Prior art date
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Application number
JP24656392A
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English (en)
Inventor
Kunihiko Ichikawa
邦彦 一川
Takefumi Yoshikawa
武文 吉川
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リップの摩耗が少なく、従って再研摩するこ
となく長時間使用することのできる塗工用ダイを提供す
る。 【構成】 塗工用ダイのリップ部にセラミックスコーテ
ング層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗工用のダイ及びこのダ
イを用いた塗布方法に関するものである。特に本発明
は、帯状の被塗装物を一方向に移動させつつ、これに無
機物の粒子を含む塗料を精密な厚み制御の下に塗布する
方法及びこれに用いるのに好適な塗工用ダイに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ダイを用いる塗布方法は周知である。こ
の方法では、帯状の被塗装物を一方向に移動させつつ、
塗工用ダイから塗布液を吐出することにより塗布が行な
われる。代表的なものに支持ロール上に支持されている
被塗装物にダイを臨ましめ、ダイから塗布液を吐出して
塗布するダイ−ダイレクト方式と、2つの支持ロールの
中間にあり背面が固体で支持されていない被塗装物にダ
イを臨ましめ、ダイから塗布液を吐出するフリースパン
方式とがある。このいずれの方式においても、塗膜に欠
陥を生ずることなく且つ塗膜の厚みを精度よく制御する
には、ダイのリップ、特に被塗装物の移動方向下流側の
リップに傷がなく、且つリップにうねり等が無くて真直
ぐであること、即ちリップが大きな真直度を有している
ことが重要である。何故ならばリップに傷やうねり状の
凹凸があると塗膜に欠陥が生じたり被塗装物の幅方向の
塗膜厚みが不均一となるのが避けられないからである。
従来、塗工用ダイは工具鋼やステンレス鋼など硬くて摩
耗し難い材料で製作されている。それでも取扱い中にリ
ップに傷を付けたり、また金属板に塗布する場合には、
リップが金属板に接触して損傷を受けることがある。ま
た塗布液が酸化鉄等の磁性体やチタニア等の無機顔料を
含む場合には、これらの無機粒子によりリップが摩耗し
て真直度が悪化する。このリップの摩耗は、リップと被
塗装物との間に塗布液が充満していて、塗布液が圧力下
にこの被塗装物とリップとの間隙を通過する下流側のリ
ップにおいて著るしい。
【0003】リップの摩耗を低減する方法としては、研
削・研摩等の機械加工法により上刃及び下刃を製作した
後に、熱処理によりリップ部を硬化させることが考えら
れる。しかし、工業的な研削・研摩技術の制約上、幅が
1300mmを超えるダイでは機械加工により得られる
ダイリップの真直度は±5μ程度であり、例えば塗布液
膜厚10μm程度の薄膜塗布には既に必ずしも満足すべ
き真直度ではない。このダイを硬化のために熱処理する
と、熱変形によりダイリップの真直度はさらに悪化す
る。
【0004】従って機械加工後の熱処理によりリップ部
を硬化させる方法は採用し難い。また、リップ部を超硬
材料で製作する方法もあるが、超硬材料は弾性に乏しい
ので、ダイの組立に際し材料の弾性を利用してリップの
真直度を修正することが困難である。従って従来は、工
具鋼やステンレス鋼でダイを製作し、且つ一定時間使用
すると再研摩してリップの真直度を修正することが行な
われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製作が容易
であり、且つ摩耗に対し抵抗性の大きいリップを有する
塗工用ダイを提供せんとするものである。また本発明
は、ダイの組立に際しリップの真直度を修正することの
できる塗工用ダイを提供せんとするものである。更に本
発明はこのような塗工用ダイを使用する塗布方法をも提
供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上述の課題は、
リップ部にセラミックスコーテングを有している塗工用
ダイにより解決することができる。本発明を図面を参照
して更に詳細に説明すると、図1は本発明に係るダイの
1例の要部の模式図である。図中、(1)は上刃、
(2)は下刃であり、両者はその間に間隙すなわちラン
ド(3)を形成するように配置されている。(4)は外
部から塗布液を受入れてこれを均一圧力下にランドに送
り出すマニホールドである。上刃および下刃の前端はそ
れぞれリップ(5)、(5′)となっており、後端は図
2に示す如く背板(6)に螺子で固定されている。上刃
および下刃は弾性のある金属で製作される。通常はビッ
カース硬度で800kg/mm2 以下、好ましくは50
0kg/mm2 以下の工具鋼やステンレス鋼が用いられ
る。刃を弾性のある素材で製作すると、その弾性を利用
して、ダイを組立てる際にダイのリップの真直度を修正
することができる。すなわち刃を背板に固定する螺子は
図2に示す如くダイの幅方向に複数個配置されているの
で、螺子の緊締力を個別に調節したり、刃の後端と背板
との間に部分的にミクロンオーダーの薄いシート状物を
介在させて螺子で緊締すると、弾性によりリップが部分
的に撓むので、これを利用してリップの真直度を修正で
きる。
【0007】(7)、(7′)はダイの側面を閉鎖する
左右の側板であり、通常は螺子で上刃および下刃に固定
されている。図3は本発明に係る2層ダイの1例の要部
の模式図で、上刃と下刃の中間に中刃(8)を有してい
る。中刃の数を増すと3層ダイ以上の複層ダイとするこ
ともできる。中刃の先端はナイフエッジとして、上下の
各ランドから流出する塗布液が滑らかに成層合流するよ
うになっているが、先端部の厚さが薄ければ先端を垂直
に形成することもできる。
【0008】本発明に係る塗工用ダイは、そのリップ部
にセラミックスのコーテングが施され、もってリップが
摩耗し難いようになっている。セラミックスとしては密
着性が良く、且つビッカース硬度で1500kg/mm
2 以上、好ましくは1800kg/mm2 以上のものが
用いられる。セラミックスコーテングは少くともリッ
プ、特に塗布に際し下流側となる刃のリップに施される
が、所望ならば他の部分、例えば中刃の先端部やランド
等にも施してもよい。
【0009】コーテングはイオンプレーテングや化学蒸
着等により行ない得るが、ダイの熱変形を避けるためで
きるだけ低温で行なうのが好ましく、一般には高温にさ
らされる化学蒸着よりもイオンプレーテングの方が好ま
しい。セラミックスコーテングされたリップの真直度は
コーテング前のリップの真直度に依存するので、コーテ
ング前のリップの研摩は十分に行なうことが必要であ
る。コーテングの厚さは通常1〜10μmであるが、欠
陥のないコーテング層を形成できるならばより厚くても
何ら差支えはなく、また場合によってはサブミクロンで
もよい。
【0010】次に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。
【0011】
【実施例】工具鋼を用いて、幅方向の長さが1350m
mの図1の如き塗工用ダイを製作した。このダイのリッ
プ部に、低温イオンプレーテングにより、チタンナイト
ライド(TiN)の被膜を2〜3μmの厚さで形成し
た。チタンナイトライドの被膜を形成する前後でリップ
の寸法精度を測定したが、被膜形成前の寸法精度が維持
されていることを確認した。
【0012】この塗工用ダイを用いて、下記の条件でア
ルミニウムシートに塗布を行なったが、塗布液とダイと
の濡れ性に変化は無くチタンナイトライド(TiN)の
被膜を形成しない塗工用ダイを用いた場合と全く同様の
塗布を行なうことができた。
【0013】
【表1】 塗布条件 塗布液 ポリエステル系塗料又はフッ素系塗料 アルミニウムシートの厚さ 0.13〜0.5mm 塗布速度 20〜60m/秒 塗布液の固形分 50(重量)% 塗布液の粘度 約120秒(フォードカップNo.4)
【0014】
【発明の効果】本発明によれば塗工用ダイの耐損傷性、
特に耐摩耗性が著るしく向上するので、無機粒子を含む
塗布液を塗布する場合でも、長期間にわたり再研摩する
ことなく塗工用ダイを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗工用ダイの1例の要部の模式図
である。
【図2】図1の塗工用ダイにおいて、下刃を背板に取付
けた状態を示す図であり、図2(a)は斜視図、図2
(b)は断面図である。
【図3】本発明に係る塗工用ダイの他の例の要部を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 上刃 2 下刃 3 ランド 4 マニホールド 5,5′ リップ 6 背板 7,7′ 側板 8 中刃

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上刃および下刃が間隙を形成するように
    配置されており、該間隙から塗布液が吐出するように構
    成されている塗工用ダイにおいて、上刃および下刃の少
    くとも一方のリップ部がセラミックスコーテング層を有
    していることを特徴とする塗工用ダイ。
  2. 【請求項2】 塗工用ダイが、上刃および下刃の中間に
    少くとも1個の中刃が配置されている複層ダイであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の塗工用ダイ。
  3. 【請求項3】 ビッカース硬度で1500kg/mm2
    以上の硬度を有するセラミックスでコーテング層が形成
    されていることを特徴とする請求項1又は2記載の塗工
    用ダイ。
  4. 【請求項4】 ビッカース硬度で800kg/mm2
    下の硬度を有する金属で形成した母体にセラミックスコ
    ーテング層が形成されていることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれかに記載の塗工用ダイ。
  5. 【請求項5】 セラミックスがチタンナイトライド(T
    iN)であることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れかに記載の塗工用ダイ。
  6. 【請求項6】 一方向に移動している帯状の被塗装物に
    塗工用ダイを臨ましめ、被塗装物の移動方向下流側のダ
    イのリップと被塗装物との間に無機物の粒子を含有する
    塗料を充満させて塗布を行なう方法において、塗工用ダ
    イとして該下流側のダイのリップ部にセラミックスコー
    テング層を有しているものを用いることを特徴とする方
    法。
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