JPH0612142A - 免震装置配線構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】配線材１はその変位吸収の対にＵ字形としてた
わみを取るが、この時配線材１は平面外に逃げるので、
移動部分での配線相互間の結束や、強度を有する固定板
５に固定したりラック８に収納したりしてこれを抑制す
る。又、配線材１の移動部の両端を強固に固定し、配線
材１の保護や接続端部の外力防止を図る。 【効果】配線材の混雑がなく、又自己損傷も防ぐことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は原子力発電所の計算機を
地震時の故障から防止すべく、計算機を免震装置上に設
置した場合に、計算機と外部を継ぐ配線材には装置移動
時の変位が生じるので、この変位を免震装置の機能を阻
害せずかつ配線材の機能を果たす様に工夫した配線構造
である。

【０００２】

【従来の技術】従来の免震装置は、接続される配線材も
少なく、かつ、免震装置の変位も小さかった。

【０００３】原子力発電所用の計算機は入力配線も多く
（数百本レベル）かつ設計入力加速度も０.４８Ｇ と大
きい。

【０００４】従って、従来の免震装置では、配線材の変
位吸収量も少なく、改めて、配線材の処理方法を定める
必要はなかった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】原子力発電所用の免震
装置に継る配線材は、ケーブルを用い、約七百本程度と
なる。

【０００６】又免震装置の変位も大きく、最大６００mm
を予想している。

【０００７】この両者の機能を満たす配線構造が必要と
なる。

【０００８】この為には、 ６００mm以上のたわみを設けた配線方法が必要とな
る。

【０００９】 原子力発電所の設計寿命（４０年）中
の変位回数は三千回程度となり、この回数に耐える様、
ケーブル固定が必要である。

【００１０】 七百本のケーブルの反力が免震装置の
機能を阻害させない構造が必要である。

【００１１】又、多数のケーブルがからみ合って１本に
過大な力が掛かると断線に至る事も考えられ、からみ合
わない様に配線の固定が必要である。

【００１２】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成する為
に、ケーブルが６００mmの変位を受けた時にどんな挙動
を示すかを試験した。

【００１３】この結果明らかとなった事は Ｕ字形に曲げて、変位吸収代をとった場合、Ｕ字に
曲げると、ケーブルはねじりを生じ、Ｕ字下端が回転す
る。

【００１４】（予定外の変位を生じる）この為、床や天
井に触わる可能性がある。

【００１５】 ケーブルの反力は、心配する程大きく
なく、免震装置の機能を阻害する程ではない。

【００１６】 ケーブルに曲げと戻しをくり返すと、
心線（導体）が伸びたりちぢんだりの力を受け、徐々に
心線が伸びてしまう。

【００１７】この伸び長さは、心線座屈となる可能性を
有するので、ケーブル両端での強固な固定が必要とな
る。

【００１８】

【作用】 ケーブルを固定する。

【００１９】移動するケーブルを固定して、予定外方向
への偏心を防ぐ必要がある。これをしないと、よじれた
ケーブルは天井や床や他の構造物と接触し、自己の損
傷，摩さつ力ＵＰ等の問題点となる。固定方法は、ケー
ブル相互結束と、ばね状の板等変位拘束出来る構造物に
固定する事とする。

【００２０】 ケーブル両端を固定する。

【００２１】移動するケーブルにおいて、移動部分と移
動しない部分を区分するため、移動変位の両端で強固に
固定する。

【００２２】これにより、心線のずれ防止となる。

【００２３】

【実施例】図１と図２は免震装置の平面図と断面図を示
している。

【００２４】免震装置３の上には計算機４を設置する。

【００２５】この時、免震装置は地震時に最大６００mm
もの変位が出るので、これに継るケーブル１は変位吸収
の為にＵ字形として布設し、変位吸収代を確保する。

【００２６】これは図５に示すように、ｌ＞３００とす
る事で最大６００mmの変位吸収が出来る。

【００２７】しかし、ケーブルをＵ字形に曲げる時に、
Ｕ字形先端にはねじれが生じ、平面外に逃げてしまう。

【００２８】そこで図３のように複数本のケーブルを纏
めて結束し、相互を固定する。

【００２９】この固定は、ケーブル数本ずつグループ化
して行う事で、多数本ケーブルが雑然と入り交り、移動
時に、１本のケーブルのみに過大な力が掛かり、最悪断
線に至る事を防止出来る。

【００３０】又ケーブル相互間の結束のみでは完全にケ
ーブルの平面外への逃げは防止出来ないので図４に示す
固定板５を用いて固定する方法もある。

【００３１】この時固定板５はばね材で構成し、固定板
の幅方向の変位を抑制する。

【００３２】いずれにせよ、配線材１は数本をたて積み
にする事で水平２方向（Ｘ，Ｙ）への変位を可能として
いる。

【００３３】図１は配線材の取り出しを左右双方から行
っている。

【００３４】これは、極力左右対象にする事で、免震床
変位のアンバランスを防ぐものである。

【００３５】図１，図２に示すように、可動部と移動部
それぞれに、ケーブル固定点を設ける。

【００３６】これは目的で示したように、ケーブル心線
のずれ防止であると共に、例えば計算機端子台などに無
理な力が掛からない事を意図している。

【００３７】図６ないし図８は配線材の変位吸収方向を
示す図である。

【００３８】図６は、変位を免震台の振動方向に取る方
法である。

【００３９】図７は、変位は垂直方向に取る例を示す。

【００４０】図８は、変位を水平方向に取る例を示す。

【００４１】必要に応じ、ケーブル荷重を受ける受け板
９を設ける。

【００４２】このケースの場合にのみ図４に示す固定板
５を用いた方法が適用出来る。

【００４３】図５は配線概念図を示すもので、どの方法
でも、ケーブルの変位はケーブルの曲げで確保し、 変位長＜ｌ として確保する。

【００４４】又、変位部分の両端は固定点２とし配線材
を固定する。

【００４５】

【発明の効果】本発明によればそこで、変位のある配線
部分を結束したり、専用の固定板に固定したりして、平
面外の変位を抑制する。

【００４６】さらに、配線材の伸縮により、生じる心線
のずれを防止したり、計算機端子台などに余分な外力が
掛かる事を防止したりするために移動配線部の両端で配
線材を固定する。

【図面の簡単な説明】

【図１】免震装置（２次元）の平面図。

【図２】免震装置の断面図。

【図３】配線材の結束した状況を示す斜視図。

【図４】配線材を固定板に固定した状況を示す斜視図。

【図５】配線材の変位吸収と固定の状況を示す説明図。

【図６】配線材の変位吸収を配線材の軸方向とした例の
断面図。

【図７】配線材の変位吸収を垂直方向とした例を示す断
面図。

【図８】配線材の変位吸収を水平方向とした例を示す断
面図。

【符号の説明】

１…配線材、２…固定点、３…免震装置、４…計算機、
５…固定板、６…壁、７…結束ひも、８…配線ラック、
９…受け板。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０２Ｇ 11/00 Ｕ 7509−5Ｇ Ｈ０５Ｋ 7/00 Ｂ 7819−4Ｅ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】計算機免震装置と外部を継ぐ配線材を、そ
   の移動発生時に、予定外のたわみを防止するために、変
   位を生じる配線材をお互いに結束することを特徴とする
   免震装置配線構造。
2. 【請求項２】免震装置移動時に配線材の予定外のたわみ
   を防止するために、変位を生じる配線材を専用の固定板
   に固定することを特徴とする免震装置配線構造。
3. 【請求項３】免震装置の移動回数が多くなった時に、配
   線材の導体心のずれを防止すべく、配線の移動部の両端
   を強固に固定したことを特徴とする免震装置配線構造。